新国立劇場(演劇分野)では毎月無料のイベントが開催されています。5月はリーディングでした。『ドン!』はフランスの作家エリ・プレスマンの2人芝居です。上演時間は1時間20分ぐらいだったような。曖昧です。
客席は7割は埋まってたんじゃないかしら。マンスリー・プロジェクトのリーディング公演は、毎回いい感じに盛況になっている気がします。無料にしては、今回も贅沢すぎる内容だったと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『ドン!』
舞台装置も準備されていて、役者さんはコミュニケーションをしっかりとりながら丁寧に演技もされていたので、台本を持って読む朗読劇なのに、普通のお芝居のように鑑賞できました。
バス停留所で、来ないかもしれないバスを待つ老人(中嶋しゅう)と若者(粟野史浩)。ト書きを読むのは熊坂理恵子さん。本来は2人芝居ですから、ト書き役が加わって3人が舞台上にいるのは、リーディングならではです。
バスはいつ訪れるかわからない「死」のメタファで、停留所で待っている時間=人生なのかなと想像しました。中嶋さんと粟野さんが2人一緒に、通り過ぎるバスを目で追いかけるのを見ていて、そう感じました。んー…でも的はずれかもしれません。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
過去の経験談などに交ざって、なぜか演劇について論じられるのが面白かったです。「最も美しい職業、女優!」とか。ト書き役のはずの熊坂さんにピンク色の照明が当たり、無言で体をよじらせてセクシーな「女優」を演じる場面があったのがとても良かったです。
『ドン!』とは人を押したり刺したりする時の音。最後に若者が老人を殺した時にも『ドン!』と鳴りました(粟野さんが「ドン!」と言います)。なぜ刺したのかしら…。
※5月12日(土)6:00・13日(日)6:00
出演:中嶋しゅう/粟野史浩/熊坂理恵子
脚本:エリ・プレスマン 翻訳:佐藤康 演出:宮田慶子 協力:俳優座劇場舞台美術部
入場無料・要申し込み
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000400_play.html
http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/30000022.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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