2012年06月29日
【オーディション】東京デスロック「2013年1月東京復帰公演『東京ノート』出演者募集」※7/22〆切(郵送orメール)
多田淳之介さんが演出される劇団東京デスロックが、来年1月公演の出演者を募集しています。演目は平田オリザさんの代表作『東京ノート』(⇒青年団により来月上演されます)。詳細は公式サイトでご確認ください。
多田さんは埼玉県富士見市民文化会館キラリ☆ふじみの芸術監督で、“演劇を「現前=現象」の芸術と捉え、俳優の身体、観客、今そこで起きうる現象そのものをフォーカスし演劇作品として上演する”スタイルの演出家です。
来月の木ノ下歌舞伎『義経千本桜』を総合演出されますので、まだ多田さんの作品をご覧になったことのない方はぜひどうぞ。
●東京デスロック・東京復帰公演『東京ノート』
2013年1月10日(木)~20(日)@こまばアゴラ劇場
応募締切:7月22日(日)必着
参加費用:2,000円(2次審査当日会場支払い)
応募条件:18歳以上の心身ともに健康な方、演技経験のある方、他
■東京ノート出演者オーディション ※公式サイトより
東京デスロック 東京復帰公演 『東京ノート』
2013年1月10日(木)~20(日) 於 こまばアゴラ劇場
◆応募条件…18歳以上の心身ともに健康な方、演技経験のある方、下記のオーディション、11月中旬からの稽古、2013年1月10日~20日の本番に参加できる方。
◆応募方法
所定の応募用紙に必要事項を記入の上、写真(全身・バストアップ)を添付し、メール又は郵送でお送りください。⇒応募用紙ダウンロード
*メールでのご応募・・・件名を「オーディション参加申し込み」とし、deathlock(アットマーク)specters.net宛にお送りください。
(メールにて応募受理のご連絡をします。24時間以内に返信のない場合は、お手数ですが再送いただくか、お電話にてお問い合わせください)
*郵送でのご応募・・・封筒に「参加申し込み書在中」と記入の上、下記までお送りください。
〒171-0032 東京都豊島区雑司が谷2-18-8 ジュエル目白101「東京デスロックオーディション係」
◆審査日程
1次審査…書類選考 書類選考に合格された方には、7月26日(木)までにメールにてご連絡いたします。
2次審査…ワークショップ形式 7月28日(土)13:00~16:00/18:00~21:00(計2コマの内いずれか1コマ)
3次審査…ワークショップ形式(2次審査に通過された方のみ) 7月29日(日) 13:00~21:00(予定)
◆書類応募締切
7月22日(日)必着
◆参加費用
2,000円(2次審査当日会場にてお支払いいただきます)
◆会場
2次審査、3次審査共
水天宮ピット
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町18-14(東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅2番出口 徒歩2分)
http://www.geigeki.jp/suitengu
※稽古は11月中旬より、都内を予定しております。
出演に際してチケットノルマなどの金銭的な負担はございません。出演料は経験等に応じてお支払いします。
〈お問い合わせ〉
東京デスロック
TEL:080-3360-2180
E-mail:deathlock(アットマーク)specters.net
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月28日
風琴工房『記憶、或いは辺境』06/27-07/08シアターKASSAI
詩森ろばさんが作・演出される劇団風琴工房の20周年記念公演第一弾。『記憶、或いは辺境』は再演で、詩森さんご自身によって小説にもなっている劇団代表作です。上演時間は約2時間弱だったような。
下北沢のザ・スズナリを目指して電車に乗っていた時、関係者のツイートで会場は池袋のシアターKASSAIだと気づきました…(大汗)。奇跡的に乗り換えがうまくいき、開演1分後から観ることができました。とはいえ、遅刻してすみませんでした。「風琴工房といえばスズナリ」という思いこみのせいです…常連さんはどうぞお気をつけて!
20周年記念記念パンフレット(1,000円)に詩森さんについての短い文章を寄稿させていただきました。とても面白かった前作のDVD(2,500円)が販売されていたので購入。
⇒CoRich舞台芸術!『記憶、或いは辺境』※こりっちでカンタン予約!
レビューは書けたら書きます。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
1945年、樺太。
両親をすでに亡くした三人兄妹が営む津田理髪店は、兄徳雄の友人の警察官平原や、下宿人の教師島崎などと共に、戦時下においても明るい毎日を送っている。
ある時、そこに、朝鮮で理髪師をやっていたという男が訪ねてくる。
男は、
「髪を切る必要はない。ただ、できたら髪を切らせてほしい。」
と頼む。 断ろうとした徳雄を制して、「どうぞ切ってください。」と飛びだしたのは、妹の美都子である。ふたりはけして忘れることのできない一瞬を取り結ぶ。
やがて終戦の日がやってきた。国境からは激しくソビエト軍が侵攻し、長閑だった樺太が一瞬にして戦場の如きと変わる。そのさなか、もう会うこともないだろうと思っていた男と美都子は再会する。
過酷な運命にまきこまれた故郷で、それでもひとは友情を取り結び、愛情を育む。男と美都子の思いはどこかに辿りつくことができるのだろうか。
≪ここまで≫
出演:津留崎夏子 伊原農 石村みか 浅野千鶴 岡本篤 ワダタワー 金丸慎太郎 香西佳耶 ※諸事情により阪本篤は降板。代役は金成均。
【脚本・演出・宣伝美術】詩森ろば【美術】長田佳代子【照明】榊美香(有限会社アイズ)【音響】青木タクヘイ(STAGE OFFICE)【舞台監督】小野八着(JETSTREAM)【演出助手】鄭光誠/沼景子/高松章子【韓国語指導】姜知先【制作】横井貴子【当日運営】山田杏子(鼬屋)【プリンティングディレクター】青山功【記録映像】西池袋映像【記録写真】奥山郁
【発売日】2012/05/12 前売 3300円 当日 3500円 初日プレビュー 2500円 障碍者 1500円 学生当日券 1000円 平日はじめて割(1公演5組10名限定) 3300円(1名あたり1650)※はじめて割はどちらかおひとりもしくはおふたりとも風琴工房を初めてみる方に適用されるペアチケットです。※当日学生券は開演15分前にお席がある場合のみ発売いたします。
http://windyharp.org/henkyo/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月27日
庭劇団ペニノ『誰も知らない貴方の部屋』02/10-26はこぶね
庭劇団ペニノはタニノクロウさんが作・演出される劇団で、海外公演も行っています。劇団アトリエ「はこぶね」のあるマンションは今年中に取り壊されるとか。もう見おさめかもしれないと思い、なんとか千秋楽に伺いました。※2月は病気療養中でした。
いつもながら、タニノさんのフェティシズムが凝縮された、贅沢な小空間。私自身の中にある、他人には言えない欲望や妄想を、優しく温めたい気持ちになりました。
⇒ネタバレですが舞台写真あり
⇒CoRich舞台芸術!『誰も知らない貴方の部屋』
≪あらすじ≫ 当日パンフレットより
受験生の弟とその兄、彼ら二人の部屋が舞台のお話。
その日は兄の誕生日、弟は一週間後に控えた大事な入学試験の勉強をそこそこに、
愛する兄のために一生懸命奇妙なオブジエを作っている。
一方別の部屋では弟の妄想で生まれ出た分身、豚と羊の化け物も同じく兄の誕生日のための準備を手伝っている。
そこに兄が仕事から戻ってくる。
兄への偏愛に満ちた誕生日パーティーが始まる。
≪ここまで≫
おかしな世界です。不気味だけど、のどかで滑稽。幕が開いてあらわれた空間、人(怪物?)、そしてそれを眺めるごく少数の観客と、会場であるマンション…と、一気に想像すると、ますます奇妙な感覚になります。
ここからネタバレします。
男性器だらけ、でした。ドアの取っ手もチェスの駒も、みーんな。大きな白いオブジェからは、映画『時計じかけのオレンジ』で女性を殴る鈍器として使われたものを連想。知人がツイッターで「ちんこすぎた」と書かれていて爆笑。そう、ペニスというよりは“おちんちん”と言う方がふさわしい形状と存在感でしたね。
主人公(山田伊久磨)は学生服の青年で、兄の首のオブジェ(その首自体もペニスの形です)が並ぶタイル貼りの部屋で、どうやら受験勉強をしているようです。優秀な兄(飯田一期)を尊敬して愛していると言いながら、主人公は殺意も抱いています。いわゆる思春期の(タニノさんご自身の)妄想だと受け取っていいのだと思います。目に入るのはおちんちんばっかだけど(笑)。
豚と羊の部屋の窓からは森林も見えます。森は人間の深層心理を表している気がしました。BGMとともに子供の声が聴こえたり、たて笛の四重奏があったり。幼少期の無邪気で残酷な想像、欲望を、そのまま舞台にしたのだと考えると、とてもリラックスできました。常識やタブーなど、後から人が作り出したものなんて放り出して、人間の本能、野生、想像力をそのままの姿で肯定し、愛でる時間だったように思います。
出演:飯田一期 島田桃依(青年団) 瀬口タエコ 山田伊久磨
脚本・演出:タニノクロウ 構成:玉置潤一郎・山口由紀子・吉野万里雄 特殊造形:小此木謙一郎(GaRP) 宣伝美術:奥秋圭 演出助手:森準人・仮屋浩太郎 制作助手:北澤芙美子・丸山立 制作:小野塚央
【休演日】2月14日(火)、2月21日(火) 前売り2500円 当日2800円
http://www.niwagekidan.org/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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新国立劇場演劇『温室』06/26-07/16新国立劇場小劇場
イギリスの劇作家・詩人のハロルド・ピンターの戯曲を桃園会の深津篤史さんが演出されます。高橋一生さん、段田安則さんら7人のキャストによる不条理劇(たぶん不条理劇に入ると思うのですが…)。上演時間は約1時間50分。
怖かった~!意味わからない~!けど、面白い!ストーリーも結末も確かにあるのですが、何が本当で嘘なのか、実はヒントが全然ないような…。でも面白かったんです。山中崇さんが素晴らしかった!
ロビーで戯曲の文庫本が発売されていたので購入。他にもピンター関連の書籍は充実していました。ありがたいですね。
家に帰って気になるところをパラパラと読んでみたんですが…私のような素人にはどう読むのか見当もつかないというか…やはり深津さんは凄い演出家だと思います。当日パンフレットに深津さんの稽古場の様子について書かれています。ご興味わいた方はぜひ。
早川書房
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⇒12/06/11 新国立劇場「温室」稽古場レポ
⇒CoRich舞台芸術!『温室』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
病院とおもわれる国営収容施設。クリスマス。
患者6457号が死に6459号が出産したという、部下ギブス(高橋一生)からの報告に、驚き怒る施設の最高責任者のルート(段田安則)は、秩序が何よりも重要だと主張し、妊娠させた犯人を探し出せと命令する。
そして、ギブスは犯人が見つかったと報告するが、事態は奇妙な方向へと動き出していく……。
≪ここまで≫
細長い舞台の長い方の面を2方向から挟む、対面式の客席です。黒い(濃い灰色の?)床の上に真っ赤に塗られたモダンなデザインの家具が点在。床に近い方がちょっと黒ずんでるのが凝ってますね。黒い空間にグロテスクな赤がぎらぎらしていて、怖い感じです。そしてお話も、ホラーではないんですが、怖かった!
得体の知れないもの(ひと?)に支配されているらしき施設内で、それぞれに違う目的を持っていそうな人々が、どう見ても通じ合えていない会話をし続けます。疑念、軽蔑、反目、殺意、それらに対する不安や恐怖、開き直りなどの人間らしい感情が、くるくる入れ替わるように現れて、消えて…突然脈絡なく違う話題に飛んだり、いないはずの人と目が合ったり…先が全く予想できなくて、スリリングでわくわくしました。
座席によって見えるもの、見えないものがありそうですが、それも意図だろうと受け取れる、動的な演出でした。舞台美術と照明のコンビネーションが大胆。
セリフの意味や内容は、それを語る人物の思いと一致するとは限らないことがよくわかる演技、演出でした。起こっている出来事と話される言葉のギャップが刺激的で、その裏を読んだり、深読みをしたりして、常に集中して観ていられました。
ギブス(高橋一生)と対立するラッシュ役を演じた山中崇さんがすっごく良かったです。反応が自然で鮮やか。常に他人を小馬鹿にしたような態度に出る、生意気でへそ曲がりな若者像はとても魅力的でした。だからこそルート(段田安則)とギブスと3人でいる場面で、おびえたり、迷ったりするのが愛らしい。長い独白のシーンでは、激しく動き回りながら、2役を演じるようにある人物(患者6457号の母)との会話を再現していました。見た目に面白い上に内容もはっきり伝わり、ラッシュという人物を通じて“施設”の内情も透けて見えました。動いていく家具や小道具と関わっていくのも良かったです。
ここからネタバレします。 セリフは正確ではありません。
舞台中央が大きなお盆になっていて、照明は四角いブロックの模様を描くように床全体を照らしています。お盆が回ると家具と役者さんも回りますが、床の模様は動かないので、家具と人だけが勝手にスライドしているような錯覚を覚えます。「私は君(=ギブズ)が今立っているところに立っていたんだ!」と堂々と言い放ったルートが、実際はゆーっくり回っている(ギブズの立っているところに立っていない)のがとても滑稽でした。
壁が全くなく、他の空間にいるはずの人物と見つめ合ったり、聴こえるはずのない声に耳をすませたりします。境界が曖昧で、存在が不確か。でもその不確かなモノやコト、いないはずの人の影響を大いに受けて、誰もがコントロールされているような空気が常に漂っています。
長方形の舞台の客席に面していない方の2面は、大きな鏡で閉じられており、家具や役者さんが映っています。合わせ鏡になっているので、このお芝居のような出来事が無数にあり、無限に続くように想像できました。
患者の部屋の鍵を管理している若い男性ラム(橋本淳)が、ギブスとカッツ嬢(小島聖)の実験台になって電気ショックを受け廃人状態になります。彼が椅子にだらりと腰掛けて、ずーっと舞台上に居続けるのは象徴的ですね。たまに声を出したり、他の人物と顔を合わせたりして、座っているだけの彼が他者に影響を与えていることも明示されます(戯曲には書かれていないことだと思います)。
ギブスは最初、「患者6459号を妊娠させたのはラムだ」とルートに報告しますが、“本省の役人”ロブと会った時は、「患者6457号を殺したのも6459号を妊娠させたのもルートだ」と言います。ルートら“専門職員”を全員殺したのはおそらく患者たちで、「患者らが部屋から外に出られたのは、鍵の管理人ラムが休んでいたせいだ」とも。
ロブが、ニヤニヤと頻繁に笑いながら、「何もかも知っていた」「すべて計算通りだ」といわんばかりの態度だったのは恐ろしいですね。でもギブスの報告だって、本当かどうかわからないと思います(すべてロブとギブスの策略だった?実は誰も死んでいない?)。何かが起こったのは確かだけれど、誰がやったのかは明らかにならない。そして誰も責任を取らない。私はどうしても昨年の原発事故と重ねてしまいます。
そういえば冒頭でギブスとルートは、23日の木曜日に死んだとされる患者6457号のことを、“若白髪で小柄で少しびっこをひいた男”だと話していました。半海一晃さん演じるロブは、まさにそんな男だったような…?怖っ!(これも戯曲には書かれていないことです)
Harold Pinter's "Hothouse"
[JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─]Ⅵ
出演:高橋一生 小島聖 段田安則 山中崇 橋本淳 原金太郎 半海一晃
脚本:ハロルド・ピンター 翻訳:喜志哲雄 演出:深津篤史 美術:池田ともゆき 照明:小笠原純 音響:上田好生 衣裳:半田悦子 ヘアメイク:川端富生 演出助手:川畑秀樹 舞台監督:加藤高 プロンプ:北澤小枝子 制作助手:井上舞子 大道具:俳優座劇場舞台美術部 森島靖明 小道具:高津装飾美術 吉坂隆 特殊小道具製作:土屋工房 土屋武史 主催:新国立劇場 制作担当:伊澤雅子 村本千晶
【発売日】2012/04/21 A席5,250円 B席3,150円 Z席 1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000443_play.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月25日
新国立劇場演劇『サロメ』05/31-06/17新国立劇場中劇場
オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』を平野啓一郎さんが新訳され、宮本亜門さんが演出。タイトルロールは多部未華子さんです。多部さんは私の2010年No.1女優(⇒参考エントリー)。夏には松尾スズキさん作・演出の『ふくすけ』にも出演されます。舞台出演をぜひ続けていただきたいです。
劇場に入るなり大がかりな美術に期待が高まりました。これでもか!ドーン!ダーン!とビジュアル的に攻めてくる演出で、上演時間が約1時間40分と短く、一気に観られて良かったです。知人4人と帰り道で感想を話し合ったところ、賛否は真っ二つ。私は「賛」の方でした。
新訳の文庫本を買っていたので舞台を観てから読んでみたんですが、半分以上が注釈と解説で、すっごく充実しています。平野さんはここまで調査して翻訳されたんだなと、とてもありがたく思いました。
私も大学時代に岩波文庫版(福田恒存訳)を買い、ビアズリーの挿絵に魅せられた一人でした。あの文庫の影響がとても大きかったんだなと、この舞台でも新訳本でも気づくことができました。
光文社 (2012-04-12)
売り上げランキング: 19523
⇒CoRich舞台芸術!『サロメ』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
舞台はイェルサレム、ヘロデ王の宮殿。サロメ(多部未華子)は王妃ヘロディアス(麻実れい)の娘で、ユダヤ王ヘロデ(奥田瑛二)は義父。ヘロデはサロメの実の父である兄を殺し、ヘロディアスを妻としていた。
宴の席で、ヘロデ王に見つめられていたサロメがテラスに逃れていくと、その地下の井戸から不気味な声が聞こえてきた。ヘロデ王に幽閉されていた預言者ヨカナーン(成河)の声。サロメは興味を持ち、親衛隊長に命じて、ヨカナーンを井戸から外に出してもらう。
ヨカナーンはヘロディアスの近親婚の罪をとがめるが、サロメの誘いには目もくれず、また、井戸へ戻っていく。
サロメを追って、ヘロデ王、続いてヘロディアスがテラスに出てくると、地下からはヨカナーンの声が聞こえる。
踊って見せよと命ずるヘロデ王。サロメはその代わりにヨカナーンの首を要求する。
≪ここまで≫
シャープなデザインの白い家具が並ぶ白い舞台。天井にはそのステージを映す巨大な鏡が吊り下がっています。舞台中央は居間で、その奥はダイニング。舞台面側はバルコニーで、その直下(地下)には水がたまっている牢があります。牢の周囲は細い通路が丸く囲み、形としては宝塚歌劇の銀橋よう。
置かれている家具も有名なものばかりで、そこにヨージ・ヤマモトの服を着た人々が登場しますから、「かっこいいでしょ」「おしゃれでしょ」という主張が“いかにも”なんですよね。それがちょっとした滑稽さも漂わせて面白かったです。
初日だったせいもあると思いますが、アンサンブルにぎこちなさを感じましたし、セリフを思いっきり間違うメインキャストもいたんですが、最期に向かってサロメの愛にグッと絞られていったのがとても良かったです。私もサロメに対して漠然と「官能的」「ファム・ファタル」といったありきたりなイメージを持っていて、ワイルドが示した究極の(命がけの)恋をわかっていなかったんだなと思いました。
ここからネタバレします。
ヨカナーン(成河)はサロメのことを「呪われた(近親相姦の)娘」としか見ていません。サロメが本気で彼に接しても、ヨカナーンは彼の宗教上の信条にのっとって、彼女を徹底的に無視します。男女の恋愛という1点から見れば、サロメは生まれや地位などをかなぐり捨てて彼が欲しいと告白したのに、ヨカナーンは彼の固定観念から自分を開放することを拒否したと言えます。両想いじゃないけど『ロミオとジュリエット』に似てますよね。
人種、言語、宗教などの違いは戦争の原因でもあり、人と人の間にある最重要と言える障壁です。その壁を無邪気に飛び越え、無心に迫ってくるサロメに対して、ヨカナーンが少し迷いを見せるのが良かったです。
帰り道に友人が指摘したので私もなるほどと思ったんですが、ヘロデ王のことがよくわからなかったですね。彼は何かに追い詰められていて、不安や恐怖を抱いているようでしたが、何だったのか想像できませんでした。不穏な音響と照明は何だったのかな~。でも私はスルーしちゃってましたね、残念。※歴史的背景に関係があるようです。
最後は床を血が覆い、天井の鏡がその赤を映すので、舞台全体が真っ白から真っ赤に変貌。実はチラシのデザインに演出がしっかり示されていたんですね~。ヨカナーンの首を手に入れてからの、多部未華子さんの長い独白が良かったです。
[JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─]Ⅴ
出演:多部未華子 成河(ソンハ) 麻実れい 奥田瑛二 山口馬木也 森岡豊 櫻井章喜 植本潤 池下重大 谷田歩 内藤大希 鈴木慎平 平川和宏 水下きよし ヨシダ朝 戸井田稔 水野龍司 春海四方 神太郎 遠山俊也 星智也 漆崎敬介 坂本三成 右門青寿 斉藤直樹 ベータ 西村壮悟 原一登 川口高志 林田航平
脚本:オスカー・ワイルド 翻訳:平野啓一郎 演出:宮本亜門 美術:伊藤雅子 照明:西川園代 音楽:内橋和久 音響:渡邉邦男 ヘアメイク:川端富生 演出助手:山田美紀 舞台監督:瀬崎将孝 衣裳協力:株式会社ヨウジヤマモト 芸術監督:宮田慶子
【発売日】2012/03/17 S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000442_play.html
http://www.nntt.jac.go.jp/play/salome/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月22日
【オーディション】城山羊の会『2012年11月、2013年6月東京公演の出演者オーディション』※8/3〆切(郵送必着)
CMディレクターの山内ケンジさんが脚本・演出を手掛ける演劇プロデュース・ユニット、城山羊の会が出演者オーディションを開催します。過去レビュー⇒1、2、3 参考つぶやき⇒三条会の関美能留さんがCMに出演(2008年)
今年冬と来年初夏の2公演について、男女プロアマ問わずの募集です。我こそは!という役者さん、ぜひチャレンジしてください。以下は折込チラシからの情報です。
■城山羊の会・出演者オーディション
A…2012年11月29日(木)~12月11日(火)@こまばアゴラ劇場
B…2013年6月6日(木)~16(日)@東京芸術劇場
オーディション日程:8/25(土)・26(日)を予定(書類選考で合格した方のみ)
オーディション料:1000円
※応募条件
A…10代後半~20代の女性。
B…20代以上の男女。
いずれもいろいろな意味で、容姿・演技カに自信のある方。プロアマ問わず。
■ついにやります!!
城山羊の会 出演者オーディション(作・演出:山内ケンジ)
【公演概要】
○A……2012年11月29日(木)~12月11日(火)@こまばアゴラ劇場
○B……2013年6月6日(木)~16(日)@東京芸術劇場
●稽古期間:公演の約1ヶ月前より(稽古場所:都内)
●出演料は、交通費・諸経費の支給程度(出演決定後相談)
●チケットノルマはありません。
【オーディション】
●8/25(土)・26(日)を予定(書類選考で合格した方のみ)
●オーディション料:1000円(当日お支払いいただきます)
【応募要項】
●応募条件
○A……10代後半~20代の女性。
○B……20代以上の男女。
いずれもいろいろな意味で、容姿・演技カに自信のある方。プロアマ問わず。
●応募方法
8月3日(金)必着で、プロフィールまたは履歴書と写真(全身とバストアップの2ポーズ)、
80円切手を貼り住所を記載した返信用封筒を同封の上、以下に郵送してください。
※書類選考の結果は同封の封筒にてお知らせいたします。
※公演概要のA・B、オーディション日の8/25(土)・26(日)、どちらかの希望がある場合はプロフィールまたは履歴書に記載してください。記載がない場合は、どちらでも可だと判断させていただきます。
【書類送付先】
〒151-0066 東京都渋谷区西原3-26-5-105イーピン企画「城山羊の会オーディション」係
【お問い合わせ(メールのみ)】※メールでの応募受付はいたしません。
info_mail(アットマーク)shiroyaginokai.com
■城山羊の会
〒151-0066 渋谷区西原3-26-5-105イーピン企画内
TEL:03-3467-9422 FAX:03-5452-0466
MAIL:info_mail(アットマーク)shiroyaginokai.com
WEB: http://shiroyaginokai.com
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
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2012年06月21日
パリ・オデオン座『オリヴィエ・ピィの「<完全版>ロミオとジュリエット」』06/09-10静岡芸術劇場
SPAC・静岡県舞台芸術センターで、ただいま「ふじのくに⇔せかい演劇祭2012」が開催中です。⇒記者発表の写真レポート
私は6月から6月1日にかけて、計3回は静岡観劇に伺う予定。まずはフランスの『オリヴィエ・ピィの「<完全版>ロミオとジュリエット」』を拝見しました。上演時間は約3時間20分(途中休憩1回を含む)。
長時間で字幕観劇なのでちょっと構えていたんですが、言葉がわからなくても目の前に存在する役者さんの嘘のないライブ感のおかげで、退屈することなく最後まで添い遂げられました♪
⇒CoRich舞台芸術!『オリヴィエ・ピィの「<完全版>ロミオとジュリエット」』
壁、デスク、イス、ヤシの木など、可動式の大道具でシーンを作っていきます。ちょっと薄汚れた感じに塗られていて、倉庫や移動式遊園地などのイメージも。蛍光灯がたくさん貼りつけられた板が天井から降りてきたり、大きな赤いビニールの幕で部分的に空間を真っ赤に染めたり、手作り感を堂々と見せながらもクールな空間です。
日本語字幕は舞台中央上部に1つ。<完全版>と謳うほどなので、原作にとても忠実な台本だったのだろうと思います。なぜか新訳なのかな~と思うほど、新鮮な感覚で『ロミオとジュリエット』に出会えました(新訳ではないのに)。物語のあらすじは知っていますし、役者さんの身体を観るだけで退屈しないので、字幕は読まないことも多かったです。
2009年に観た時もそうでしたが、ピィさんの舞台では俳優が俳優自身であることと、役人物であること(の両立状態)に嘘がないんですよね。舞台で自由自在に動く体、声、その状態を見ているだけで、筋を知っているのにスリリング。ピアノの生演奏もあるので音楽のライブ感も手伝ってます。
役者さんが1人で2役を演じるのが面白かったです。たとえばロミオとロミオの父、ジュリエットの父とパリス、ジュリエットの母とティボルト。ジュリエットの父とパリスなんて、2人が同時に登場する時は1人芝居になっていました(笑)。
ジュリエット役がカミーユ・コビさんからセリーヌ・シェエンヌさんに変更になったのは、劇場に着いてから知りました。日本公演用のキャストではなく、フランスで既に変更になっていたんですね。若いジュリエットを観たい気持ちは大いにあったんですが、シュエンヌさんは以前に拝見して、ものすごい女優さんだと思っていたので、嬉しくもありました。最初は若いロミオと一緒に居ることに少々違和感はあったのですが、やはり、化け物のような(いい意味で)、圧倒的な存在感!一体おいくつなのかしら…。
ここからネタバレします。
ロミオは最初はロザラインという女性が好きだったのに、ジュリエットに一目ぼれしてしまうんですが、ロザラインに恐ろしいほどに首ったけだったことがよく伝わりました。思いこみ激しいぜロミオ~。若い若い~。役者さんも若いからリアル~。
可動式の装置なのでシーンごとに景色はどんどん変わって行きます。2人が愛をささやいたバルコニーが、最後には霊廟の壁になったりもしますから、過去を未来で上書きしていく感覚です。でも、紙吹雪やこぼした水は休憩をはさんでも片付けないし、チョークで壁に文字や絵を描いた場合、消すことはしますが白い跡は残ります。そうやって敢えて痕跡を残していく演出で、時の経過と蓄積を表したのではないかと思いました。
さらに面白かったのは、下手面側に鏡台があり、その鏡台だけは全く動かさず、定位置にあり続けたことです。丸い電球で鏡の周りをぐるりと囲んだロマンチックなデザインで、舞台の楽屋を想像させます。また鏡は客席の方を向いているので、観客自身が舞台上に居るとも受け取れます。「この舞台で起こっていることは、貴方自身のことなのだ」という意味にも。
シェイクスピアの時代から建物は崩れ、出来事は忘れ去られるけれど、なかったことにはならない。そして全て私たち(=鏡)が知っていることなのだという主張にも受け取れました。
ふじのくに⇔せかい演劇祭2012 フランス語上演/日本語字幕
出演:マチュー・デセルティーヌ、セリーヌ・シェエンヌ、クリスティアン・エスネー、ミレイユ・エルプストメイエール、フレデリック・ジルートリュ、オリヴィエ・バラジューク、バルテレミー・メリジャン、カンタン・フォール、バンジャマン・ラヴェルヌ、ジェローム・ケロン[ピアノ]
※ジュリエット役が、カミーユ・コビからセリーヌ・シェエンヌに変更となりました。
脚本:ウィリアム・シェイクスピア 演出・翻訳:オリヴィエ・ピィ 美術・衣裳:ピエール=アンドレ・ヴェーツ 照明:ベルトラン・キリー 衣裳助手:ナタリー・ベグ 音楽アドバイザー:マチュー・エルファシ 音響:ティエリー・ジュッス 製作:パリ・オデオン座 協賛:エール・フランス航空 協力:東京日仏学院 後援:在日フランス大使館
SPACスタッフ 舞台監督:村松厚志 舞台:市川一弥 渡辺明 佐藤聖 永野雅仁 照明:樋口正幸 松村彩香 西山真由美 音響:西沢理恵子 大塚翔太 山﨑智美 衣裳:駒井友美子 畑ジェニファー友紀 通訳:石川裕美 字幕翻訳・操作:山田ひろ美(小田島雄志訳による) 制作:丹波陽 大保和巳
【発売日】2012/04/15 一般大人:4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
☆SPACの会特典のほか、ゆうゆう割引、早期購入割引、みるみる割引、ペア/グループ割引料金があります。
http://www.spac.or.jp/f12romeo.html
http://www.theatre-odeon.fr/en/the_season/11_12_shows/accueil-f-374.htm
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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青年団若手自主企画・大池企画『いないかもしれない 動ver.』06/16-24アトリエ春風舎
大池容子さんが作・演出される青年団若手自主企画vol.54を拝見しました。大池さんはうさぎストライプという集団でも主宰として活動されています。上演時間は約1時間弱。
今年3月に上演された『いないかもしれない静ver.』との2部作で、「静ver.」は“静かな演劇”仕様だったそうです。「動ver.」は文字の通り、動いている役者さんの身体で見せる演出でした。
上演時間が1時間なら19時半か20時開演で良かったんじゃないかな~。小竹向原で19時開演は、ちょっと私には早すぎた感あり。
⇒CoRich舞台芸術!『いないかもしれない 動ver.』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。
誰でも1つは消し去りたいと思ってる過去があって、
でも消せないから忘れたふりをして生きていて、
たまに思い出して自分は全然変わってないって思ったりする。
それを繰り返して生きていく人たちの話です。
≪ここまで≫
子供のころよく小学校で使っていた教材などが散らばっている、いつものアトリエ春風舎の木製の床。劇場では役者さんが既に床に座ってスタンバイしていました。
最初は“リアルに動いているそぶり”を見せられても面白くないなぁと思っていたんですが、半分を過ぎた頃に、バシっと、動き自体に面白みを感じられる演技があって、そこから集中して見られました。
今月は静岡のSPACで3作品観たせいもあると思うんですが、鍛えられていない役者さんの肉体労働的な運動や演技は、私にとってあまり見どころにならなかったかもしれません。
20代の若い方々が演劇の色んな手法や方向性を試されていて、頼もしいなと思いました。
ここからネタバレします。
京都の美大に通っている女子大生(かな?)が久しぶりに里帰り。小学校時代の同級生たちと会って話す内に、知らない女性(緑川史絵)も参加してきた。誰も名前を思い出せないんだけど、彼女はみんなの名前も、学校での出来事も詳しく知っていて…。
ヒンズースクワット、ハンカチ落とし、キャッチボールなど、セリフとは直接関係のない動きがほとんどでしたね。壁を押す動作は今までの公演でもやっていたようですが、この作品では私は効果がよくわからず。
いじめられっ子だった主人公の女性が、当時のいじめっ子を窓から(?)突き落としたことがわかってきます。そのいじめっ子は九死に一生を得て今は結婚して元気な様子。彼女はなぜ自分が落下事故に遭ったのかを憶えておらず、しかも主人公をいじめていた自覚もなく。最後はその2人が長年の空白を経て仲直りをする、かも…というちょっとしたハッピーエンドでした。
実在するのかどうか曖昧な女性(緑川史絵)が、ランドセルを思いっきり投げた(ように信じられた)時にグっと来ました。
青年団若手自主企画vol.54
出演:亀山浩史、小瀧万梨子(青年団)、森岡望(青年団)、緑川史絵(青年団)、由かほる(青年団)、安倍健太郎(青年団)
脚本・演出:大池容子 照明&舞台監督:黒太剛亮(黒猿) 音響:植木麻衣子 制作&ドラマターグ:金澤昭(青年団制作部・うさぎストライプ) 宣伝美術&ブランディング:西泰宏(うさぎストライプ) 企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 総合プロデューサー:平田オリザ
【休演日】6月19日【発売日】2012/03/26 予約 1,500円 当日 2,000円 未就学児童入場不可
http://www.usagistripe.com/2011/12/blog-post_26.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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タカハ劇団『ネジ工場』06/20-24駅前劇場
タカハ劇団は高羽彩さんが作・演出されるプロデュース形式の演劇ユニットです。初日に伺いました。今週末、日曜日が千秋楽で、いつもより公演期間が短いですね。上演時間は約1時間50分。
以下、ツイッターとCoRich舞台芸術!に投稿した短い感想です。
一見、ザ・昭和な具象美術の温かい人情劇だが、時間軸にも時代にも一捻りあり。昔懐かしい平穏な生活を望む姿は愛らしいが、それ自体が今の私たちいは風刺に映る。その狙いがいい。現代日本への痛烈な批判も込めたファンタジー。
⇒CoRich舞台芸術!『ネジ工場』※こりっちでカンタン予約!
≪あらすじ≫
両親を亡くした3兄弟が経営するネジ工場。ばたばたと死者が出るさびれた町で、今日もいつも通りの平穏な一日を過ごすはずだった。
≪ここまで≫
3兄弟(有川マコト、夏目慎也、山口森広)のケンカやじゃれあいに、いわゆる“家族の幸せ”が見て取れます。でもそれがあからさまにレトロに(昭和風に)描かれていることに、作者の意図を感じました。いつまでも震災以前の、いえ、「誰でもがんばれば幸せなれる」と信じられた高度成長期のように、無邪気(イノセント)なままでいる大人たちへの批判だと思います。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
「父の時代には、俺たちが作ったナットが使われている宇宙ステーションを、みんなで見上げて手を振った(空を飛ぶ宇宙ステーションを目視できた)」らしいので、かなり未来の話だろうと受け取りました。
喪服を片付ける間もないほど、次々に人が死んでいきます。不穏なサイレンの音が鳴る度に「ああ、また誰か死んだな」とつぶやく。それがほぼ当たり前になっている日本。
補償金申請の書類の項目がてんででたらめ(「死んだ夫と最初にデートした時に食べたのは何?」「なまこアイスか、くらげアイスか」)で、でもしっかりコツを押さえて空欄を埋めて提出さえすれば、補償金はもらえる(かもしれない)とのこと。被災状況報告書を連想させます。
ネジ工場の土地の権利書を持って夜逃げした司法浪人生(大佐藤崇)が、血まみれになって引き戻されてきて、言います。「とにかく怖い。早くこの国から逃げ出したい。」「お前らが作ってるネジが何に使われてるか考えろ(軍事利用だぞ)」と。知識人だけが事実を知っていて、金持ちだけが逃げ切れる世の中。無垢でいることの罪にも言及しています。
ガチャ好きの次男が、突然現れた妹をなぐさめるために「ガチャいる?」と言ったのが可笑しかったです。
第8回公演
出演:有川マコト(絶対王様) 板倉チヒロ(クロムモリブデン) かんのひとみ(劇団道学先生) 大佐藤崇 夏目慎也(東京デスロック) 水谷妃里 山口森広(ONEOR8) 春日由輝(劇団プレステージ)
脚本・演出:高羽彩 舞台監督:藤田有紀彦 舞台監督補佐:陶山浩乃 舞台美術:稲田美智子 照明:吉村愛子(Fantasista?ish.) 音響:角張正雄 宣伝美術・宣伝写真:羽尾万里子 舞台写真:林亮太 制作:feblabo 制作協力:嶌津信勝(krei inc.) 制作補佐:丸山緑(劇団霞座) プロデューサー:池田智哉(feblabo)
一般前売り開始 2012年5月26日(土)10:00~ 予約・当日共 3600円 ★=初日・平日昼割引 3300円 学生割引 2000円(要予約・要学生証提示) ペアチケット(2枚一組)6600円(要予約) 全席指定席
http://takaha-gekidan.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月19日
劇団青年座『THAT FACE~その顔』06/14-24青年座劇場
『THAT FACE』は2007年ロンドン初演のお芝居で、英国の若手女流劇作家ポリー・ステナムさんの処女作です。なんと19歳の時に書かれたとか。本邦初演。
海外のストレート・プレイでキャストも手堅そうなので、期待して伺いました。面白かったです。上演時間は約2時間10分、休憩なし。
⇒げきぴあ劇団青年座(舞台写真あり)
⇒翻訳家である小田島恒志さん、小田島則子さんのメッセージ(1、2)
⇒おけぴ稽古場レポ&インタビュー
⇒CoRich舞台芸術!『THAT FACE~その顔』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
舞台は現代、ロンドンのアパート
酒とクスリに依存している母・マーサ(那須佐代子)
高校を中退した兄・ヘンリー(宇宙)
全寮制の学校に通う妹・ミア(尾身美詞)
家族を捨て、今はお金を送るだけの存在の父・ヒュー(横堀悦夫)
ミアが学校で事件を起こした
イジィ(髙橋幸子)と共に下級生アリス(橘あんり)にクスリを大量に飲ませ、意識を失わせたという
学校から連絡があった父が久しぶりに家に戻ってくる
距離もココロも離れた家族
それぞれが見せる「その顔」とは…
≪ここまで≫
真っ白な壁三面に囲まれた空間。中央より少し左側に、お盆に載せられた黒かこげ茶色(紺色?)の部屋の装置があり、ゆっくり回って場面転換します。シャープだけれど壁紙が凝った模様だったり、家具や小道具が具象なので、シンプル過ぎないスタイリッシュな美術でした。上手の壁にある2つの出入り口が、抽象的な意味も含めて使われていたのが良かったですね(奥の壁にも1つ出入り口あり)。
アル中の母を演じた那須佐代子さん。どんなに暴れても乱れても、きゃしゃで可憐なところが残ってるのが、那須さんの持ち味というか、美しさなんだろうなと思いました。
母親を支える息子役の宇宙(たかおき)さんはいつもながら柔軟で、作品の中心を担うのに不足ない鮮やかな存在感。
後から登場する父役の横堀悦夫さん。出てきた途端、楽しくなっちゃいました。立ち姿や言葉のはしばしから、父の人となりがバシ!っと伝わってくるので、にやにやしてしまいました。
ここからネタバレします。
父が他の女性(アジア系)と浮気をして離婚し、その後アル中になってしまった母の面倒は、息子がずっと見てきました。娘は私立の名門女子校の寮に入れられています。父が金を十分に送らなかったため息子は1年半前に学校を辞めざるを得ず、以来、母と2人っきりのひきこもり生活をしていたことがわかるのは、家族4人が揃う終盤になってから。息子の怒りが爆発し、5年間の厚みが重苦しさとともに伝わってきたのが良かったです。
父は古い家族を見捨て(父は新しい家族と香港で暮らしているので)、母は娘を毛嫌いして息子だけを溺愛して甘えてきました。その虐待やネグレクトと言えるかもしれない行為が、子供をゆがめているんですよね。かといって息子と娘に非はないかというと、そうでもなくて、やはり自分の人生を大事にしていないので、そのまま子供たち自身にはね返ってきてるんだと思います。
息子が母を守っているように見せておいて、実は息子こそが母なしでは生きていけない状態になっていたことが最後にわかります。母が自分で病院に行く決心をして自力で家を出て歩きはじめ、何かひとつは解決したような気配が漂いますが、残された息子が母と同じ過呼吸を発症し、終幕。母が病院に片付けられても、今度は息子が母のような病気になってしまうと匂わせた結末だったのだと思います。臭いものに蓋、なんて、不可能なんですよね。
色んなお芝居を観てきて思うことですが、家族を描く作品だと、問題は“依存”であると思うことが多いです。また、親子の問題ならば、親の方が子供にひどいことをしてる場合が多いようにも思います。子供が親を愛する気持ちは、親にはわからないぐらい大きく深く強いものだと私は思っているので、こういう作品を観る度に、悔しいような腹立たしいような気持ちになります。他人のふり見てわがふり直せ、ですね。勉強勉強。
後は気になったことを少し。私の席からは回り舞台を回す演出部の方々がよく見えたのが残念。見えてもいいので、何らかの、もっとカッコよく見せるような工夫が欲しかったです。照明は軽々しくペカペカするのはこの戯曲に合ってないんじゃないかなと思いました。説明的な選曲(音響?)もあまり私好みではなかったです。
出演=那須佐代子、尾身美詞、宇宙(たかおき)、髙橋幸子、横堀悦夫、橘あんり
作=ポリー・ステナム 演出=伊藤大 翻訳=小田島恒志 小田島則子 美術=長田佳代子 照明=宮野和夫 音響=長野朋美 衣裳=半田悦子 舞台監督=安藤太一 製作=小笠原杏緒
【発売日】2012/05/10 一般4,200円 ペアチケット(2枚1組)8,000円 学生(当日学生証を提示)2,500円
http://www.seinenza.com/performance/public/203.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月18日
【オーディション】劇団はえぎわ「2012秋公演出演者募集(50歳から69歳までの方々)」※06/30〆切(郵送必着)
岸田國士戯曲賞を受賞されたばかりのノゾエ征爾さん率いる劇団はえぎわが、秋公演の出演者を募集しています。ただし年齢は50歳から69歳までの方々で、性別、経験問わず。
ノゾエさんは世田谷区内の特別養護老人ホーム、デイ・ホームを巡回する公演も作・演出・出演されています。⇒2012年公式サイト 今年中に静岡のSPACでも新作を手掛ける、注目の若手演劇人です。詳細は劇団公式サイトからPDFをダウンロードできます。
■劇団はえぎわ2012秋公演『ライフスタイル体操第一』オーディション
公演期間:2012年9月28日~10月8日
会場:三鷹芸術文化センター星のホール
募集枠:はえぎわ第25回公演 アンサンブル出演者枠
募集人数:15名前後(予定)
応募条件:50歳から69歳までの方々(男女・経験問わず)
第1次審査:書類選考(6/30~7/4)
第2次審査:簡易オーディション(世田谷区内にて8月25、26日を予定。審査料不要)
〆切:6/30〆切(郵送必着)
問い合わせ先メール:info(アットマーク)haegiwa.net
【情報】シアターアーツ・AICT主催「劇評家講座2012/13参加者募集」2012年6月~2013年3月@座・高円寺
演劇批評誌シアターアーツ編集部およびAICT(国際演劇評論家協会)日本センターが、劇評家講座を初開講します。今年6月から2013年3月まで毎月1回、日曜日開講、計10回の予定。
劇評を書いてその講評をする以外に、討論会や、現役演劇人を迎える「オープンカフェ」も交える内容だそうです。詳細は公式サイトでご確認ください。
【「劇評家講座2012/13」開催要項】
日程:6/24、7/29、8/19、9/30、10/28、11/25、12/23、1/20、2/17、3/17(いずれも日曜日、計10回予定)17:00~20:00
会場:座・高円寺・地下3Fけいこば2
講師:西堂行人(AICT会長)、シアターアーツ編集部(柾木博行、新野守広、梅山いつき、坂口勝彦、嶋田直哉、野田学、藤原央登)、ほかAICT所属評論家
参加費:全10回12,000円(資料として「シアターアーツ」1年分を贈呈 ※定期購読者は8,000円)
定員:20名
応募方法:シアターアーツWebサイトに掲載する劇評家講座申込みページから申し込み可。定員を超えた場合、抽選。
劇団☆新感線2012年春興行・いのうえ歌舞伎『シレンとラギ』05/24-07/02青山劇場
劇団☆新感線の公演を観に行くのはほとんどお祭り気分。必ず楽しませてくれると信じ切って劇場に伺います。そして今回、期待は裏切られず♪
前半はあまりの展開の早さ(どんでん返し等)に「ええーッ!?」「そんなー!!」と振り回されっ放し。面白かったです。上演時間は約3時間10分(途中休憩20分を含む)。
朝日新聞に掲載された徳永京子さんの劇評で、震災以降初の劇団☆新感線の新作であり、その影響が濃く表れているといった意味のご指摘がありました。いつもながら充実の内容で、「おおお、なるほどーーー!」と何度も頷きながら拝読しました。新聞劇評、もっとネットで読めるようにならないかな~。有料でももちろんいいので(ただし安ければ助かります…)。
⇒CoRich舞台芸術!『シレンとラギ』
実は、こんな幸運はもう一生めぐってこないんじゃないかと思うんですが…席が最前列でした!床置き照明の太い光が目の前を通って大興奮っ!!イナバウワーをやらなきゃ体に当たるんじゃないかとビビったり(んなわけないんだけどっ)、オープニングの照明で萌えまくってボルテージは最高潮だゼっ、状態でした(アホか・笑)。
まあ最前列を幸運と思うかどうかは人それぞれでしょうけれど、間近で観ることであらためてわかることなどがあって良かったです。たとえば衣裳がめっちゃ豪華だとか。メイクが凄く凝ってるとか。いずれゲキ×シネにもなるのだろうと考えると、こだわりにこだわり尽くした仕上がりなんでしょうね。ほんと、贅沢です。
今回は映像はごく少なく、回り舞台で、絵が描かれた大きな幕(?)やさまざまな扉で場面転換する、生の演劇ならではのダイナミックな演出でした。“南の国”の国民の群舞なども良かったです。期待通りのスタッフワーク、サービス精神旺盛な役者さんに、心行くまで楽しませていただきました。
毒使いの美女シレン(永作博美)と彼女を慕う武士ラギ(藤原竜也)を演じるのはスターのお2人。とても色っぽかったです。
南の国の怖い国王ゴダイ(高橋克実)の正妻モンレイ(高田聖子)の娘を演じた中谷さとみさんが凄かった!いい意味でスタンド・プレイと言える独壇場の場面がいくつかあり、登場を楽しみに待ってました。私が観た回は猛突進して○○さんにぶつかって、キスしちゃってましたね(笑)。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
キョウゴク(古田新太)が息子のラギをかなり早い段階で裏切ったのには、ものすごく驚きました。さらには、北の国を裏切って南の国へと下ったはずが、仲間のダイナン(橋本じゅん)も刺殺してまた北へ舞い戻るという急展開。ラギの(血のつながらない)妹である娘ミサギ(石橋杏奈)を愛していたから…という理由は、ちょっと弱かったかな~。
キョウゴクに横恋慕するダイナン役の橋本じゅんさんが登場した時、なぜか嬉しくなって泣けてきてしまいました。全身で観客に対して開いている温かいエンターティナー精神にグっと来たんだと思います。古田さんと橋本さんが舞台上でかけ合っているのを生で観られるのって、「いつもの新感線」であり続けてくださっているおかげなんですよね。
最後はキョウゴクの命令で南の国に毒の矢が次々と放たれて、大規模な無差別殺戮が始まってしまいます。これは…放射能汚染を暗喩しているのは明らかですよね。知らなかったとはいえ近親相姦の関係に陥ったシレンとラギは、自分たち自身もその関係も呪いますが、毒消しの効能がある自らの血を倒れた人々に飲ませて、1人でも多くの人命を救おうと手を取り合います。「女として」でもなく「母として」でもなく、「人として」というセリフで終幕。今特に強く私たち日本人に問われていることだと思います。
≪大阪、東京≫
出演:藤原竜也、永作博美、高橋克実、三宅弘城、北村有起哉、石橋杏奈、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、古田新太、右近健一、逆木圭一郎、河野まさと、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁、川原正嗣 上田亜希子 須水裕子 中野真那 西田奈津美 松尾杏音 吉野有美 蝦名孝一 小林賢治 桜田航成 二宮敦 武田浩二 藤家剛 加藤学 川島弘之 安田桃太郎 伊藤教人 菊池雄人 南誉士広
脚本:中島かずき 演出:いのうえひでのり 美術:堀尾幸男 照明:原田保(FAT OFFICE) 衣裳:小峰リリー 振付:川崎悦子(BEATNIK STUDIO) 音楽:岡崎司 音響:井上哲司(FORCE) 音効:末谷あずさ(日本音効機器産業) 大木裕介(Sound Busters) 殺陣指導:田尻茂一・川原正嗣(アクションクラブ) アクション監督:川原正嗣(アクションクラブ) ヘア&メイク:宮内宏明(M's factory) 小道具:高橋岳蔵 特殊効果:南義明(ギミック) 映像:上田大樹(&FICTION!) 大道具:俳優座劇場舞台美術部 音楽部:右近健一 舞台監督:芳谷研 宣伝・公式サイト制作運営:ディップス・プラネット 票券・広報:脇本好美(ヴィレッヂ) 制作助手:山岡まゆみ 中山裕康 大森祐子 制作補:辻未央(ヴィレッヂ) 制作デスク:小池映子 制作:柴原智子(ヴィレッヂ) エグゼクティブプロデューサー:細川展裕(ヴィレッヂ) 企画・製作:劇団☆新感線・ヴィレッヂ
【休演日】5/25,31 6/7,14,21,28【発売日】2012/03/11 S席12,500円/A席10,500円(全席指定・税込)
http://www.shiren-to-ragi.com/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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MUIBO『[ Le Nez ] ~ ル・ネ』06/15-17 SPACE EDGE
お友達が出演しているのと、田中麻衣子さんが演出されるので観に行きました。上演時間は約1時間45分。
田中さんは串田和美さんや栗山民也さんの演出助手としても長らく活動されており、演出家としても作品を発表されています。
⇒CoRich舞台芸術!『[ Le Nez ] ~ ル・ネ』
≪解説≫ 当日パンフレットより
この作品は、『香水』パトリック・ジュースキント、『においの歴史』アラン・コルバン…他、より着想を得ています。
≪ここまで≫
タイトルはフランス語で「鼻」。18世紀フランスを舞台に、鋭い嗅覚を持つ男性の奇妙な生涯が語られます。物語は私好みではなかったですが、俳優がその場に存在している感はスリリングではありました。
原作はあるけれど、演出家と俳優が協働してシーンを作っていく手法のようです。そういう場合はもうちょっと上演時間は短くてもいいんじゃないかなと思いました。
女優さんが皆さん美人でスタイルも良く、眼福でした。小さな倉庫での上演で、客席と舞台が間近だったのもあり、特に“外見の美しさ”に惹かれたのかもしれません。
ここからネタバレします。
嗅覚から肉欲、食欲へとつながっていくのは、 ヨーロッパっぽい(フランスっぽい?)と思ったり。
出演:谷村実紀 李千鶴 秋山エリサ 井内勇希(パラドックス定数) 高田賢一 野口俊丞(オーケープロダクション)
演奏:坂本美雨 国広和毅
演出:田中麻衣子 音楽:国広和毅 照明:中島一 美術協力:香坂奈奈 記録映像:姫田蘭
全席自由¥3,000(日時指定)
http://muibo.kunihirokazuki.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【お知らせ】「CoRich舞台芸術まつり!2012春」グランプリ発表!
遅ればせながらご報告です。今年3月から5月まで開催されておりました「CoRich舞台芸術まつり!2012春」のグランプリ、準グランプリ、俳優賞が発表されました!
⇒最終選考に残った10団体の紹介ページ
⇒グランプリ発表ページ
受賞された皆さまおめでとうございます!ご参加くださった皆様、クチコミしてくださったCoRichメンバーの皆様、見守ってくださった皆様、ありがとうございました♪
初回以来ずっと審査員をつとめさせていただいております。今回はかなり疲労してしまったようで(年齢のせいもある…)、グロッキーでございます。
「CoRich舞台芸術まつり!」は日本全国を対象にした、経費無料の舞台芸術フェスティバルです。グランプリ受賞団体以外は何度でも参加可能!ご興味のある作り手の方々は、ぜひ来年の開催期間をチェックしておいてください!
●「CoRich舞台芸術まつり!2013春」
応募期間:2013年1月中旬~2月中旬予定
開催期間:2013年3月~5月
2012年06月17日
【オーディション】北九州芸術劇場プロデュース「『LAND→SCAPE/海を眺望→街を展望』(作・演出:藤田貴大)出演者募集」2012年11月に北九州・2013年3月に東京で上演※6/25(月)〆切(郵送のみ)
岸田國士戯曲賞を受賞されたばかりのマームとジプシーの藤田貴大さんが、北九州で新作舞台をつくります。関連レビュー⇒1、2、3、4、5、6
北九州および東京公演の出演者を募集していますので、ご興味ある役者さんはぜひご応募ください。お稽古は10月から約1ヶ月間と、翌年2月から3月にかけて、北九州にて行われます。詳細は公式サイトでご確認ください。
●北九州芸術劇場プロデュース『LAND→SCAPE/海を眺望→街を展望』
2012年11月に北九州、2013年3月に東京で上演
作・演出:藤田貴大(マームとジプシー)
オーディション日程:2012年7月7日(土)・8日(日)10:00~21:00
募集人数:10名程度
応募資格:年齢・舞台経験不問
〆切:6/25(月)※郵送のみ
2012年06月11日
世田谷パブリックシアター『南部高速道路』06/04-24シアタートラム
ラテンアメリカの作家、フリオ・コルタサルの短篇小説『南部高速道路』を、長塚圭史さんが構成・演出されます。上演時間は約2時間5分。
シアタートラムの四方に座席が設置されており、私は劇場入口から見て下手側のサイド席の2列目でした。舞台が近い!目の前にキャストの皆さんがあらわれて、あらためてすっごい豪華キャストだとわかりました。あーもー最初から最後までずっとスリリングで、めちゃくちゃ面白かった!
当日パンフレット(800円)が写真集のようで中身も充実しています。野田秀樹さんと長塚さんの対談あり。
原作が収録されているコルタサル短編集(岩波文庫)がロビーで販売されていました。原作も他の小説もとっても読んでみたくなったので購入。ありがたいです。
岩波書店
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⇒CoRich舞台芸術!『南部高速道路』
≪あらすじ≫
真夏。渋滞の高速道路。どうやら先の方で大きな事故があったらしい。それにしても動かなさ過ぎる。同じ場所でずっと停滞している者同士が声を掛け合い…。
≪ここまで≫
傘を持って劇場内を歩く人たち。もうこの時点ですっごく楽しかったんです!役者さん同士がとても自然にコミュニケーションをしていて、お互いを無視せず、でも束縛もせず、自由に、舞台で生きていたから。何をやっていても、どこを見ても面白いんです。
衣裳がおしゃれだったな~。空間をぐるぐると動いて行く音響もかっこ良かったです。
ここからネタバレします。
水や食料を探しに行き、平等に分け合う人々。ゆるやかな共同体はやがてひとつの村のように結束し、冬を迎え、春がやってきて、やがてまた夏が訪れます。冬が来た時にいわゆる「不条理劇」「幻想小説」であることがよりはっきりして、やがてこの「渋滞」というユートピアにも終わりが来るんだなと思いました。
黒い床に小さな女の子が太陽や花の絵を描いていました。上から色を塗っていたのではなく、黒い床の表面を削って、その下にある赤、ピンク、青、緑などの色が出てくる仕掛けでした。やがてルノー(梶原善)も絵を描き始め、床はカラフルな絵でいっぱいになります。最後は渋滞が解消されて車がどんどん動き出し、一瞬にして皆バラバラに散って行ってしまい、共同体は消滅してしまいます。でもだいだいの木やトランプ、靴などはそのまま、カラフルな花の絵とともに地面に取り残されていました。
昨日観たオリヴィエ・ピィさん演出の『≪完全版≫ロミオとジュリエット』と似ていると思いました。舞台には何もなくて、可動式の物体(=人間)を使って場面転換します。節操無く次々と新しい景色が生まれ、すぐに上書きされていくので、とても流動的で刹那的な印象があります。「一歩踏み出したその距離と時間の中に、すべてがある(入ってしまう)」というセリフがあるように、人生なんてひとときの幻想かもしれません。でも確実に何かは起こっていた、そこに確かに存在していた、という痕跡を、誰かと誰かがともに生きていたという証拠を、地面を削って描いた絵などの形あるもので残したんじゃないでしょうか。
マーチのおじいさん(小林勝也)が消えて、ミニカのお母さん(梅沢昌代)が亡くなって、リーダー(菅原永二)がだいだいの木を移動させるようになってからは、私は「いつ終わるのかな~」と脳内予想を始めちゃいました。お料理上手なミニ(真木よう子)の腕時計が見つかった時は、もう、なんだか切なくなりました。だからもう少し早めに終わってくれても良かったかな~。バスの運転手(赤堀雅秋)が、彼の子を妊娠したグロリア(江口のりこ)を必死で探す時の表情がとても悲しかった。
出演:安藤聖、植野葉子、梅沢昌代、江口のりこ、黒沢あすか、真木よう子、赤堀雅秋、梶原善、加藤啓、小林勝也、菅原永二、裵ジョンミョン、横田栄司 少女役(ダブルキャスト):酒井美夢 瀧澤采愛 声の出演:クリス智子
[原作]フリオ・コルタサル『南部高速道路』(1966年刊)[構成・演出]長塚圭史[美術]二村周作[照明]小川幾雄[衣裳]前田文子[音響]加藤温[舞台監督]足立充章[演出助手]渡邊千穂[プロダクションマネージャー]勝康隆[技術監督]熊谷明人[プロデューサー]穂坂知恵子[宣伝美術]近藤一弥[宣伝写真]白井綾(上段)、Clicgauche/GNU Free Documantation Lisense(下段) [主催] 公益財団法人せたがや文化財団 [企画制作]世田谷パブリックシアター
【休演日】6/6,13,20【発売日】2012/04/21 一般 5,000円 ☆=プレビュー公演 4,000円(会員割引はございません) 高校生以下 一般・プレビュー料金の半額(世田谷パブリックシアターチケットセンター店頭&電話予約のみ取扱い、年齢確認できるものを要提示) U24 一般・プレビュー料金の半額(世田谷パブリックシアターチケットセンターにて要事前登録、登録時年齢確認できるもの要提示、オンラインのみ取扱い、枚数限定) 友の会会員割引 4,500円 せたがやアーツカード会員割引 4,700円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/06/post_280.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月09日
【ワークショップ】新国立劇場演劇研修所「NNTドラマスタジオ・オープンスクール」08/02-05新国立劇場内稽古場※6/25〆切(郵送のみ)
新国立劇場演劇研修所(NNTドラマスタジオ)が昨年はじめて開催したオープンスクールが、今年も開催されます(⇒昨年の告知エントリー ⇒今年の速報)。今回から年齢制限が加わりましたね。
昨年参加者の非常に詳しいレポートはこちら。ものすごくオススメです。ご興味ある方はぜひ。申込方法などは公式サイトでご確認ください。
■NNTドラマスタジオ・オープンスクール ⇒公式サイト
日時:2012年8月2日(木)~8月5日(日) 全4日間 10:30~18:00
場所:新国立劇場内(初台)稽古場
受講料:30,000円(税込)
応募資格:全日程(全授業)参加できる、17歳以上30歳以下の方。年齢や俳優の経験等は問いません。
募集人数:20名。応募多数の場合は抽選。
講師(予定):栗山民也 西川信廣 田中麻衣子 大笹吉雄 河合祥一郎 伊藤和美 鍬田かおる 他
〆切:6月25日(月)郵送必着
intro『ことほぐ』05/31-06/04生活支援型文化施設コンカリーニョ
introはイトウワカナさんが作・演出される札幌の劇団です。『ことほぐ』は前回公演『言祝ぎ』の姉妹作で、今年9月に東京公演があります。こまばアゴラ劇場のサマーフェスティバル〈汎-PAN-〉参加作品です。上演時間は約1時間40分。
「CoRich舞台芸術まつり!2012春」審査員として拝見しました(⇒110本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。下記にも転載しました。
ずっと行ってみたかったコンカリーニョに初めて伺うことができました。天井の高さもあって、客席を移動させられる自由度の高いブラックボックスでした。いい空間だった~!
写真↓は劇場の看板です。夜に撮ったので暗いですね、すみません。
⇒CoRich舞台芸術!『ことほぐ』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
2012年夏、お金のない、けれども、すっかり腹の出た妊婦が3人。
授かりものと言えば聞こえはいいが、腹よりずっと重たいこころ。
働けど働けどなお、我が暮らし楽にならざり。じっと腹を見る。
けれどもわたしは、祝福のかたまりなのだ。
世界中すべてのひとに祝っていただきましょう。
わたしと君の歩くこの先を。
あなたたちが歩いてきたここまでを――。
introの新作演劇公演は、
“妊娠”という世間的にはおめでたいはずの出来事と、
先の生活への不安を抱えながら日々を過ごす人々を描くコメディ作品。
希望と絶望をない交ぜにした、intro流祝福劇。
≪ここまで≫
■“不幸”な妊婦と陽気な仲間たちの夏のファンタジー
演技スペースをぐるりと囲むように、客席が四方に分散して設置されています。床には円の模様が放射線状に描かれ、灰色に塗られた電信柱、ジャングルジム、バス停の看板などが、中央の円を囲みつつ点在。輪郭のはっきりしない円形劇場ともいえます。昭和歌謡が流れる、メラコンリックでどこか空虚な空間でした。劇場に入るなり期待度アップ。
舞台は貧困状態にある妊婦3人が同居するアパートの一室、とはいえ壁がなく、玄関の位置も曖昧です。女性3人の閉じられたひ弱なユートピアに、彼女らとゆかりのある男性たちが入り込んできます。会話に若干のまどろっこしさを感じましたが、ある意味のん気な妊婦たちと、彼女らを叱咤激励する男性陣にはそれぞれに憎めない魅力がありました。
子供ができたことを素直に幸せだと思えない、そして祝福もされない妊婦たちの悲しみ、憤りが、強がり混じりの切実な叫びとして直接セリフで語られる場面もあり、現代日本の若者の疑問や諦念を代弁しているようにも受け取れました。そんな悲壮感が漂う設定に軸を置き続けることなく、余白を多く残しながらコミカルに飛躍させていく演出には、演劇の力を信じて委ねる余裕と意気込みが感じられました。
北海道の盆踊りは子供の部と大人の部に分かれていて、音楽も振付も違うそうです。このことが当日パンフレットに書かれていたおかげで、作品から伝わる意味がずいぶんと味わい深いものになったと思います。
作・演出のイトウワカナさんが開演前にCoRich舞台芸術まつり!およびCoRich舞台芸術!の宣伝をしてくださいました。札幌でも公演登録やクチコミが増えて欲しいです。
写真↓は劇場入り口にあるポスターが張られた看板です。
ここからネタバレします。
妻子ある男性との不倫の末に妊娠し、相手に内緒で1人で産んで育てようとしている愛子。DV夫から逃げて、同じく妊娠中の妹えりこと一緒に愛子のアパートに転がり込んだ、わがままで厚かましい人妻さとみ。えりこはアルバイターで、男好きかつ奔放ゆえに誰の子を妊娠したのかがわかりません。愛子、さとみ、えりこの手持ちの全財産は1万円に満たず、さとみのせいで真夏なのに水道も止まってしまいました。ワケあり妊婦の3人は親に頼ることもできず、給料日までの数日間をどうやって乗り切るのか…。
「大人になればいい会社に入って、年を取るごとに給料が上がって幸せになれると信じていたのに、ずっとアルバイトで薄給で、すっかり騙された!」というえりこの叫びはもっともです。また、「子供ができたこと(=妊娠)は幸せなことのはずで、無条件に祝われるべきだ」という妊婦らの主張は、現代社会に対して根源的な問いを投げかけています。経済的なことや道義的なこと、世間体もありますから難しいとはいえ、本来なら命はそれ自体が祝福されるべきものだと私も思います。でも、どうすればいいの…と悶々と考えました。
3人と同じく貧困状態にある隣人男性の杉田、愛子の兄でゲイの英一、えりこの雇い主の山下が、彼女らに水や焼き鳥などの現物支給をしながらも、1人で子供を産み育てることの厳しさを突きつけます。立場も考え方も違う人々が集まった部屋は混乱状態になり、さらには妻さとみに暴力を振るう河野も入ってきてヒートアップ。妊婦たちは男たちの姿としてあらわれた“現実”と初めて本気で立ち向かっているようでした。
はちゃめちゃな騒動が一段落したところで、隣人の杉田以外の男たちは去りました。杉田が持ってきた水と、愛子の部屋にあった白米を入れた電子炊飯ジャーでご飯が炊きあがり、4人がともに一膳ずつ食べます。「食べる」ことは生きることの基本ですから、そこに立ち戻る姿は感動的でもありました。
ご飯の残り香が漂う中、杉田が去ったところで終演かと思いましたが、そうはならず。盆踊りの音楽が鳴り始め、妊婦らは踊り始めました。きっと大人の部の振付ですね。現実を直視して生きていこうと決めた妊婦らの、子供から大人への成長が示されたように思いました。その踊りの輪はどんどん広がり、地味な色だった照明もカラフルに変わって、男たちも一緒になって出演者全員が祝祭ムード全開で、飛んだり跳ねたり、独自の振付で踊り始めます。お腹の子供も一緒に踊って、すべての命が祝福されているような、とても幸せな時間でした。
やがて登場人物が1人ずつ、ゆっくりと消えて行き、舞台には愛子だけがたたずみます。他の2人の妊婦も男たちも夏の盆踊りも、何もかもが愛子の夢だったのかもしれない…と解釈できるエンディングでした。考えてみたら愛子は「(私個人のことなんだから他人は)関係ない!」「(母1人での子育ても)やってみなきゃわからない!」と威勢よく頑な態度を取っていました。彼女はとても孤独で、追い詰められていたのでしょう。でも愛子は夢の中で、母となる自分とお腹の子供を精いっぱい祝福し、他者とともに生きる自分の人生を獲得したのだと思います。
中盤で説得力にかける展開などありましたが、盆踊りと愛子1人のエンディングを観て、そんなことは重要ではないと思えました。例えば3人のお腹は見るからに臨月の大きさだったので、えりこが堂々とあおむけに寝るのには無理があるな~と思っていたのですが(妊婦はお腹が重くて横向きにしか寝られなくなるため)、すべてが柔らかくファンタジーとして昇華されたので、劇中にどんな嘘があってもいいんですよね。
最後にひとこと。妊婦3人全員が杉田のことを、「彼氏です!」と紹介するはめになったのが可笑しかった(笑)。
■おまけ
終演後に居酒屋さんに連れて行っていただきました。北海道ならでは食材やお料理などを楽しませていただきました。国稀(くにまれ)という地酒も美味しかった♪
≪北海道、東京≫
出演:大高一郎、菜摘あかね、のしろゆう子、佐藤剛、宮澤りえ蔵(大悪党スペシャル)、柴田知佳(劇団アトリエ)、加藤智之
脚本・演出:イトウワカナ 照明:相馬寛之 音響:橋本一生(intro/ISSUE) 舞台監督:高橋詳幸(アクトコール) 舞台美術:川崎舞 衣裳:中原奈緒美 ドラマトゥルク:西脇秀之(劇団回帰線) 宣伝イラストレーション:針 宣伝美術:本間いづみ(double fountain) 男子マネージャー:浅野孝幸 女子マネージャー:富樫佐知子 主催:intro 提携:NPO法人コンカリーニョ
【発売日】2012/04/01 札幌公演チケット発売日4月1日予定 前売:2300円 当日:2800円 introつづり券3回:6000円 introつづり券5回:9000円 高校生以下無料
http://intro-sapporo.com/live/#201205
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月08日
城山羊の会『スキラギノエリの小さな事件』06/06-17小劇場楽園
城山羊の会はCMディレクター、映画監督としてもご活躍中の山内ケンジさんが作・演出されるユニットです。
キャストも魅力的なので伺いました。私にはエッチ度が高すぎた…(苦笑)。上演時間は約1時間45分。
⇒CoRich舞台芸術!『スキラギノエリの小さな事件』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
昔昔、スキラギノエリという所にスキラギノエリという小国があり、人々は穏やかに暮らしていました。
さいさんに渡る周囲の強い力から、うまく逃げおおせていた。ところが、人々の心の中でゆっくりと穏やかならざる物が生まれてきたのです。
≪ここまで≫
開幕時から妃(石橋けい)のドレスがいきなりセクシー。大胆に開いた豊満な胸元は反則だろう(笑)。しかも(自粛)。さらに(自粛)。
ダメな大人のダメな日常。身分の高い低いにかかわらずダメダメで笑えるんですが、子供の扱い(教育?しつけ?)は悲惨だったな~。まあそこがダメなんだってことなんでしょうけど。作品全体で何かを隠喩しているのかもしれませんが、私には読みとれず。
ここからネタバレします。
1人息子で跡取りでもある王子スキラギ(山口奈緒子)が超問題児なので、王(宮崎吐夢)と妃はそれなりに悩んでいます。異国からやってきた家庭教師(三浦俊輔)を雇ったところ、妃が彼と恋に落ちてしまい…。
王様が突然歌い出した時が一番面白かったな~。急に音楽劇になるタイミングが絶妙でした。
ブライアリー・ロングさんがシスターを演じてる時点でエロい。しかも色情魔だし。終盤で下半身丸出しでセクシーな下着姿を披露してくださいます。細くてめちゃキレイなんだな~。でも「これでもか!」ってダメ押しされたような感じで、エロにはもう食傷気味になっちゃったな。
最後はスキラギが笛をピュっと吹いて終幕。「悪魔が来たりて笛を吹く」でしょうか。
出演:石橋けい、三浦俊輔、岡部たかし、宮崎吐夢、ブライアリー・ロング(青年団)、山口奈緒子
脚本・演出:山内ケンジ 楽曲:大城静乃 劇中歌作詞:山内ケンジ 舞台監督:神永結花・森下紀彦 照明:佐藤啓 音響:藤平美保子 舞台美術:杉山至 衣裳:加藤和恵・平野里子 演出助手:岡部たかし 宣伝美術:螢光TOKYO+DESIGN BOY/イラスト:コーロキキョーコ 制作プロデューサー:城島和加乃(E-Pin企画)/製作:城山羊の会
【発売日】2012/04/21 全席自由席・日時指定・整理番号付 前売:3,200円/当日:3,500円
http://shiroyaginokai.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月07日
【情報】NHKハイビジョン特集ドラマ「生むと生まれるそれからのこと」(作:岩井秀人)6月18日(月)深夜2時40分~4時にNHK総合テレビ(地上波)で再放送!
ハイバイの岩井秀人さんが向田邦子賞を受賞されたテレビドラマ「生むと生まれるそれからのこと」が地上波で再放送されます。めっちゃくちゃ面白かったです。見逃した方はぜひこの機会に!
●NHKハイビジョン特集ドラマ「生むと生まれるそれからのこと」 ⇒公式サイト
2012年6月19日(火)【6月18日(月)深夜】午前2時40分~4時
作:岩井秀人
出演:柄本佑 関めぐみ 愛華みれ 国生さゆり 鶴見辰吾 三上市朗 千葉雅子 中山祐一朗 岩井秀人 成河 吉本菜穂子 平原テツ 梅舟惟永 川島潤哉 岩瀬亮 金子岳憲 山入端佳美 渚 中野英樹 広田淳一 兼尾瑞穂 知念輝 渡邉空美 他
語り:風間杜夫
音楽:SAKEROCK「くせのうた」 詞・曲・歌:星野源
振付:康本雅子
2012年06月04日
SPT×ITIレクチャーシリーズ【「世界の同時代演劇を知る!『演劇と社会』」演劇教育の現在-アクターズスタジオ(ニューヨーク)の場合】05/24世田谷文化生活情報センター ・ワークショップルームA
演出家・翻訳家の小川絵梨子さんを招いたレクチャーを拝聴しました(過去レビュー⇒1、2、3、4)。平日のお昼なのに50人ぐらいのお客様がいらしていてとても盛況。質疑応答の時間もたっぷりと取られた充実の2時間でした。聴き手は演劇評論家の七字英輔さん。
このレクチャーは世田谷パブリックシアター(SPT)と国際演劇協会(ITI)が組んだ『演劇と社会』シリーズで、8月21日のゲストは吉本光宏さん(ニッセイ基礎研究所)、9月13日のゲストは平田オリザさんです。
『世界の同時代演劇』というシリーズもあります。採り上げる国々はルーマニア、ケベック(カナダ)、中東です。
以下、私がメモしたことをまとめました。内容はいずれ雑誌「悲劇喜劇」で記事になるそうです。
小川さんはざっくばらんに、率直にお話をしてくださいました。話し方がとても穏やかで聴きやすく、質問もしやすかったです。質疑応答の時間は次々と参加者から手が挙がりました。アクターズスタジオの大学院では、演出家コースの生徒も最初の2年間は俳優と同じクラスを受講するそうで、小川さんもそれを修了されています。俳優訓練をたっぷり受けた方だから、自然体で柔らかい存在感なのかもしれないと思いました。
■アクターズ・スタジオ大学院の演出家コースに進んだ動機
小学校、中学校、高校と演劇部に所属。小・中では俳優志望だったが、中高一貫校だったので高校生になると演出をすることに。高校2年の時にはじめて「銀河鉄道の夜」を演出して、これは俳優よりも面白いと思った。そこから演出家志望に。大学では心理学の道に進むか演劇を続けるかを迷っていた。
大学時代に観光でNYに来て、街をとても気に入った。その時にアクターズ・スタジオも見学した。アカデミックに演出を学びたかった。論理の確立されたものを学びたかった。大学卒業後すぐ、2001年の同時多発テロの直後にNYに来た。
■アクターズスタジオ大学院の費用
授業料は3年間で300万円。この他に生活費もかかるので、私は高いと思う。色んな奨学金がいっぱいあって、私は50万円援助をしてもらった。ローンを組む学生も多い。
■英語力が足りなかった
入学した時、英語は全然できなかった。TOEFLの点数が資格に足りなかったが「必死で勉強します」というレターを添えたら受かった。1ヵ月ほど語学学校に行ってから入学したが、英語力が足りなくてとても苦労した。甘かった。
友達が英語専門の家庭教師をしてくれたので助かった。なんとその友達は家庭教師の授業料を、学校に出してもらっていた。「こんなにも英語ができない生徒を入学させたのは、学校の責任だ」と主張して、それが認められたから(笑)。
「ニュートラル・アメリカン・スピーチ」という標準アメリカ語の授業は、絶対に取れと言われたので取っていた。
■演出家コースのおおまかな概要
アクターズ・スタジオの大学院の演出家コースに入った。俳優コース、劇作家コース、演出家コースの3つのコースがあり、私の学年の演出家コースの生徒は6人だった。俳優コースは40人。演出家コースは学年によって6~12人の幅があり、演出家コースの人数によって、その学年の俳優コースの人数が決まると後から聞いた(だから俳優コースの人数が多い学年もある)。年齢は20代から50代と幅広い。若者ばかりではない。演出家コースにはアメリカ人以外にイスラエル人、タイ人、韓国人、そして私(日本人)がいた。3年間のプログラムで朝10時から夜7時まで授業があった。とにかく実践(シーン・スタディーなど)が多い。学校が終わった後にみんなでシーンを作って、翌日に先生に見せることの繰り返し。
演出家コースも1、2年の間は俳優コースと全く同じbasic(ベーシック)の授業を取る。その後に、演出家コースだけの授業があった。美術、照明の授業もあり、美術家、照明家らスタッフとどうやってコラボレーションするのか(コミュニケーションするのか)の方法を学んだ。「劇作家・演出家ラボ」という授業もあった。だから演出家コースが一番忙しかった。
■演出家コースの3年間
1年生の時はBasic Techという授業ばかりだった。リラクゼーションから始まって、たとえばsense memory(日本語だと感覚記憶。※感情記憶はeffective memory)というリー・ストラスバーグの手法など、基礎訓練を延々と毎日やっていた。sense memoryの授業では、コーヒーが入っているカップを持っている演技(マイム)をする。カップの重さ、質感、温かさ、カップを持ちあげた時のコーヒーの揺れなどの感覚を体験する。筋力トレーニングのようなもの。そのうちコーヒーの匂いがするような気がしてきたりする。「気がする」ことが、俳優にとっては大切。
演技・演劇基礎という意味での基礎クラス(Basic Technique)は10種類ぐらいあった。例えばVoice & Speech、Playright-Directors' Lab、Lecture、Neutral American Speech、Dialect、Dance、Alexander Tech、Theater Historyなど。Basic Techというクラスは1週間5日間の授業のうち3日間あり、1日につき4時間だった。他にはアニマル・エクササイズなどの確立された方法論も。ずっと基礎の繰り返しだった。そうやって役を深めたり、自分の心を使えるようになる。先生はクラスによって違った。スタニスラフスキー・システムをずーっとやり続ける先生もいれば、マイズナー・テクニックをやる人もいて、それぞれだった。俳優の訓練方法は多岐に渡り、色んな種類があると実感できたのが良かった。
ダンスは俳優は必須だけど演出家は必須じゃなかったので取らなかった。アレクサンダー・テクニックも必須ではなかったので取らなかったけれど、取ればよかったと後悔してる。
2年生になってはじめてシーン・スタディーに入る。同じ学年の俳優とシーンを作って、先生と生徒の前で発表する。俳優とのコミュニケーションが重要。1つの作品は10分ぐらいで、それを数ヶ月間かけてひたすら作る。少なくとも2ヵ月は同じシーンに取り組み、私は卒業までに20シーンぐらい作った。
私が一番尊敬していたのは80代の黒人の先生。彼の授業では、彼と他の生徒たちがずっと見ている中で、俳優と演出家がシーンを作るので、ものすごく緊張した。彼は(教えたり批判したりするのではなく)ひたすら質問をしてきた。生徒が自分で気づいて、発見するように持って行ってくれる。まるで彼の演出を受けているようだった。自分の気持ちを導いてくれるから、発見が自分のものになる。
3年目になると、俳優コースではシェイクスピアなどの古典の授業が始まった。演出家は卒業公演を何本もまかされる。卒業公演では、自分自身の卒業公演と、俳優の卒業公演2本と、劇作家および俳優の卒業公演2本など、合計6本を演出した。つらかった。これはどうかと思う。やめた方がいいと思う。
プロのスタッフをそろえてくれて、公演は一般に公開する。私の卒業公演では『Audience』という男性2人芝居を上演した。たぶん日本では上演されていない。俳優の卒業公演ではブレヒトの『ユダヤ人の妻』、アメリカ現代劇の『Down the Road』を演出した。
■卒業後の2年間
大学院で3年学んだ直後の2年は、研修の続きをしていた。俳優訓練所に通ったり、リンカーンセンターに行ったり。いわゆる研修期間だった。その間は文化庁の海外研修の助成金をいただいていた。
フェローシップを得て、リンカーンセンター(劇場)で勉強させてもらった。1~2ヵ月間、朝10時から夜10時まで。人生に2回だけ、20~30代の若者だけが受けられるフェローシップで、私は2回受けた。1回目は劇作家と演出家に焦点をあてたものだった。リンカーンセンターのドラマターグのアンさんがプログラムを考えてくれて、たとえば劇場に来たサイモン・マクバーニーなど色んな有名な演出家の話も聴けた。リンカンーンセンターがプロの俳優を手配してくれて、ギリシャ悲劇を作ったこともあった。発表のあとはディスカッションがあった。
アルバイトをしながら劇作家2人が作った劇団に参加して、作品を発表した。大がかりな公演ではなくアトリエ公演のような小規模の空間で(日本のアトリエ公演とは違うと思うが)。岸田國士の短編3作を上演した時、私は『紙風船』を演出した。その公演はニューヨークタイムズに劇評が載って、『紙風船』は好意的に評価されて嬉しかった。その新聞は親が額に入れて実家に飾ってある(笑)。
■卒業後2年間の研修を経た後の5年間(2010年に日本に来るまで)
研修の後の5年間はアルバイトをしながら作品を作っていた。リーディングやワークイン・プログレス、アトリエ公演などをしていた。幼児向けのKids Show(キッズショー)の仕事ももらった。1年か2年に1本は、日本でも友達と一緒に公演をしていた。
マリリン・モンローやアル・パチーノが通っていたというアクターズスタジオは、アクターズスタジオ大学院とは別のところにある。卒業生は見学自由なのでよく行っていた。
■アクターズスタジオ大学院卒業生の進路
卒業後、安定した生活が欲しい俳優は西(カリフォルニア方面)に行く。テレビや映画の仕事はやはり西にあるから。
リージョナル・シアターに行く俳優は少ないが、演出家は多い。オールビーが「都市にいるとチャンスに恵まれないから、演出家はリージョナル・シアターに行った方がいい」と言っていたらしく、それで私の友人は1年ほどリージョナル・シアターに行っていた。
■質問「スタッフワークについての勉強はしましたか?」
美術と照明は2年と3年の時にクラスがある。ライティング・デザイナーに自分のコンセプトをどうやって伝えるか、その方法を学ぶ。コラボレーションするためのコミュニケーション方法を知る。美術家や照明家になるための高度に専門的な授業ではない。スタッフの学校はほかにある。ニューヨーク大学とかが有名。
■質問「ニューヨークには社会と向き合ったタイプの劇は多いですか?」
多い。9.11(ナイン・イレブン)の後はその影響を受けた作品も多かったし。社会とかかわる演劇は多い。積極的にかかわろうとしている。家族の話だけではない。政局や世界情勢に敏感。それがメインといってもいいぐらい。私が活動していたダウンタウンシアターは小劇場ばかりで、たとえばリーディング公演を行ったらその後はお酒をふるまうディスカッションになる。トルコ人、イスラエル人、南アフリカ人など、実際にそこに居て、会って話ができる。
■質問「ミュージカルには興味がありますか?」
いいミュージカルは好きだし、興味もあるが、楽譜が読めないので音楽に対してコンプレックスがある。日本のミュージカルを観ていると、ミュージカル俳優はもっと演技をしたいのに、させてもらえてないんじゃないかと思うことがある。舞台俳優とミュージカル俳優という風に区別されているのも変な気がする。
演出家は、俳優とのかかわりが絶対に必要。それが常に(私自身の)basicにある。ミュージカルでも演劇でも同じだと思う。
■論理は面白い芝居を作るための道具であり、目的ではない。
論理は道具でしかない。論理を体得して、使いこなさなければ。心的リアリティーをつきつめればそれでいいのかというと、そうではない。2年生の時、演劇論の型にとらわれた時期があった。「こうでなければダメなんだ」と思いこんで、その時作った作品はやはりつまらなかった。
面白い演劇のために、論理がある。それは道具である。それを使いこなし、新しく改変すべき。いいものは取り入れて、自分の方法をつくっていく。温故知新。「これでなきゃダメ」ととらわれてはいけない。論理は自転車の乗り方と同じで、体験しながら学習していくことが大事。体で体験していく過程で論理を学ぶことは有益。受け取り手の自主性も重要。
たとえばキッズショーでは(俳優の)心的リアリズムなんて役に立たない(笑)。2~3歳の子供に演劇を見せるのだから、面白いことが最重要。
■米国と日本での俳優の違い
日本人の俳優は、ほめられ慣れてないというか、「今の良かったです」と言っても信じてもらえないことがある。お世辞だと思うのかもしれない。でも私は褒めているわけじゃなくて、演技について話しているんだけれど。米国人俳優はコラボレーターとしての意識が強いが、日本人俳優は違う。
■役者さんと長くかかわっていきたい
自分の劇団があるわけではないので、ホームベースとなる集団で活動を続けていきたい。同じ役者さんと長くかかわって、長くおつきあいさせていただきたい。1人の俳優と長く向き合っていきたい。元劇団四季の俳優がいるArtist Company響人にはもう何年もお世話になってる。俳優が確実に変わっていくのを見られるのがすごく嬉しい。自分の研鑽の為にも、そうしたい。
SPT×ITIレクチャーシリーズ「世界の同時代演劇を知る!」『演劇と社会』
(1)「演劇教育の現在-アクターズスタジオ(ニューヨーク)の場合」
5月24日(木)13時~15時
ゲスト:小川絵梨子(演出家・翻訳家) 聞き手:七字英輔(演劇評論家)
[主催] 公益財団法人せたがや文化財団/社団法人国際演劇協会日本センター [企画] 世田谷パブリックシアター/社団法人国際演劇協会日本センター [協賛] アサヒビール株式会社/東レ株式会社
<受講料>1,000円※受講当日に受付にてご精算いただきます。
http://setagaya-pt.jp/workshop/2012/05/post_252.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【情報】俳優指導者アソシエーション「『シリーズ 俳優指導者のすべて』第3回“俳優養成の現状と未来”受講者募集」06/23芸能花伝舎(申込手段:メール、電話、FAX)
俳優指導者のすべて
4月と5月に第2回と第2回が実施された、俳優指導者アソシエーション『シリーズ 俳優指導者のすべて』の第3回の受講者募集情報です。
最終回の講師は川南恵さん(元新国立劇場演劇研修所カリキュラムコーディネーター)。レクチャーだけでなく参加者のディスカッションも行われます。以下は公式サイトからの情報です。
●「俳優指導者のすべて」第3回 俳優養成の現状と未来
日時:2012年6月23日(土)11:00~17:00
会場:芸能花伝舎1ー3
対象者:職業として俳優指導などを名乗っていて、その職能にさらなる磨きをかけたい方
受講料:7,000円
■「俳優指導者のすべて」第3回 カリキュラム 俳優養成の現状と未来
本シリーズ第3回目では「俳優養成の現状と問題点」を演劇からの視点からだけで考えるのではなく、戦後から現在までの社会の変遷と学校教育の移り変わりを基軸として「捉え直し」ます。レクチャーとディスカッションを組み合わせたプロセスを通じて、参加者の気づき、まなび、また新たな問題提起を促すことを目指していきます。
【タイムテーブル】
11:00~11:40 イントロダクション
11:40~13:00 レクチャー「日本近代社会と教育の変遷について」
昼食休憩
14:00~15:30 ディスカッション「日本の俳優養成の現状を振りかえる」
15:45~17:00 ディスカッション「俳優養成にとってカリキュラムとは」
講師:川南恵/元新国立劇場演劇研修所カリキュラムコーディネーター。俳優養成の実践に10数年ほど関わり、俳優教育の意義と適切な指導方法を言葉によって解き明かすことを目指して2009年放送大学教養学部「心理と教育コース」に編入、2012年同コース卒業。引き続き実践と理論の併存を探求し続けている。
対象者:職業として俳優指導などを名乗っていて、その職能にさらなる磨きをかけたい方
受講料:7,000円
場所:芸能花伝舎1ー3(東京都新宿区西新宿6?12?30)
・東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅 出口2より徒歩約6分
・都営大江戸線「都庁前」駅 A5より徒歩約7分
・都営大江戸線「中野坂上駅」「西新宿五丁目」より徒歩約10分
・「新宿」駅 西口より 徒歩約15分
地図:http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/08access/index.html
【申し込み方法】
氏名、ふりがな、住所、連絡先(電話番号、fax、携帯電話、e-mail)、所属、申し込みの動機、経歴(俳優指導、および関連する活動)を記入の上、以下の申し込み先にお送りください。
【申し込み先・お問い合わせ先】
アトラス
メール:asatp(アットマーク)g-atlas.jp
電話:080-4294-0502
fax:020-4623-8486
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年06月03日
マームとジプシー『マームと誰かさん・ふたりめ 飴屋法水さん(演出家)とジプシー』06/01-03 SNAC
先月に続き、マームとジプシーの藤田貴大さんがSNACで新作を発表されました。飴屋法水さんとのコラボレーションです。上演時間は約1時間。
会場に着くなり、すごく驚きました。今、この場所で行われるパフォーマンスであることが、作品のアイデンティティーの大きな部分を占めています。こんな作品を観る(参加する)ことができて、本当にありがたいと思いました。2500円は安すぎる。贅沢すぎる。こんな公演を行ってくださったことに感謝します。⇒舞台写真「A life of 3 seconds. Mum-Gypsy.」
藤田さんの岸田國士戯曲賞受賞作が出版されています。物販コーナーで買いました。選評はいつもながら面白いです。
白水社
売り上げランキング: 161068
⇒Fishing on the beach「長音と転倒」(2012/06/08加筆)
⇒CoRich舞台芸術!『マームと誰かさん・ふたりめ 飴屋法水さん(演出家)とジプシー』
≪あらすじ≫
車がものすごいスピードでガードレールに突っ込み、彼は1秒目に飛んで、2秒目に地面に落ちて、3秒目に死にました。私はそれを歩道橋から見ていました。その3秒間の話をします。
≪ここまで≫
会場に着くなり大破したスポーツカーの車体(スクラップ)が目に入り、驚きました。SNACの戸がすべて外され、窓(?)もおそらく外され、会場内が沿道側にすっかり開かれた状態になっています。開演の40分前には到着したのですが、半分ほどの席が埋まっていました。
藤田さんや飴屋さん、青柳いづみさんら関係者の方々が会場内に居たり、沿道で話したり、もう作品が始まっているかのようです(始まっていませんが)。飴屋さんの実娘であるくるみちゃんも、青柳さんと一緒に会場のコンクリートの床にチョークで絵を描いたり、スタッフの人たちに抱きついたり、沿道に止めてある車に登ったり、自由に過ごされていました。
終わってみると、それも全て作品に含まれていたな~と思います。1人の死んだ男性について語られる物語ですが、出演者や観客の日常と完全に地続きというか、一体であったと感じられたからです。
「身をもって知る」という言葉の意味を考えました。勇気がなかったり機会がなかったりして、「身をもって」なんて、なかなかできないですよね。この作品は、それを私にさせてくれました。漠然としたまま、曖昧にしたまま、放置してきた事件について、自分のこととして感じ取って、再び考え直す機会になりました。やはりいくら想像しても想像が足りることはないんですね。
写真↓は灰色の紙の封筒に入った当日パンフレット(無料配布)。前回からコンセプトが継続しているようです。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。誰のセリフだったのかも曖昧です。すみません。
会場の奥側をほぼ半円状に、壁に沿って客席がしつらえられており、沿道側が舞台になっています。いつものSNACとは反対側に客席があると言えばいいでしょうか。客席から見て中央に大破した車。その車の座席部分もしくは屋根の上に青柳いづみさんが居ます。下手に音響機材が載ったデスクとイスがあり、飴屋さんが座って音響操作をされます。上手は照明オペレーター(?)の席がありました。
一番初めに、飴屋法水さんがマイクで「昨日、木の上で蝉が鳴いていたって。でも小娘は何でも昨日と言うから、本当に昨日のことなのかはわからない」という意味のセリフを言いました。
次に車に乗っている青柳さんが語ります。「彼は1秒目に飛んで、2秒目に地面に落ちて、3秒目に死にました。私はそれを歩道橋から見ていました。その3秒間の話をします」。このフレーズが繰り返されます。
青柳さんは実は歩道橋から飛び降り自殺をしようとしていて、自動車事故を目撃してしまったのです。彼女(青柳)は「死んだのはこの人です」と飴屋さんを指差します。飴屋さんは音響席に座りながら、なんとイスごと床に倒れました。ドス!という音が鳴りました。飴屋さんはそれを3度繰り返し、3度目に床に置かれていた車のフロントガラス(たぶん)がバリーン!と割れました。“地面に落ちて死んだ”ことをまさに身を持ってあらわされたのです。床はコンクリートですから当然痛いと思います。
最初は自動車を運転していた男性(飴屋)が宙を舞って死んだと思っていたのですが、「車に轢かれて」という言葉から、対向車線の車に轢かれたのかも?、と考え直しました。やがて歩道を歩いていた女性2人(坂口真由美 村田麗薫)の目撃証言が始まり、ガードレールに突っ込んだ車が、歩道にいた男性をはねたことがわかります。
飴屋さんは席を離れて外に出て、子供用のイスが前方に備え付けられた自転車を運転して、会場の外側の道を何度か通り過ぎたり、自転車に乗ったまま会場内をのぞき込んだりしていました。やがて自転車ごと会場内に入ってきて、リンゴが入った茶色い紙袋を後ろの籠に入れて、車の前方(車と観客の間)に自転車を置きます。後輪が地面から離れた状態の自転車に乗り、飴屋さんは運転を始めました。その間、青柳さんは車の天井に腰掛けて「彼は1秒目に飛んで、2秒目に…」と語り続けています。
飴屋さんは今度は、自転車ごと観客の方に倒れました。ガシャン!ごろごろ…という音。自転車が真横に倒れて、飴屋さんはその下敷きです。りんごが床に転がります。飴屋さんはすぐに立ち上がり自転車をもとの位置に戻して、新しいりんごの紙袋を持ってきて、また後ろの籠に入れました。そしてまた自転車に乗り、倒れたのです。ガシャン!ごろごろ…。※財布に入っていた領収書を紙袋に入れる動作あり。説明省きます。
私はショックで、涙が出てしまいました。きっとまた倒れる…見たくないけど、見なきゃいけない気がして、涙をこらえて見つめました。私の他にも泣いている方がいらっしゃいました。顔を伏せている方も。そして飴屋さんは、今度はたくさんのりんごの紙袋を前方の子供の座席に詰め込み、今までと同様に少し運転してからガシャン!と床に倒れました。りんごは当然、子供を連想させます。飴屋さんは立ち上がり、転がって傷んだりんごを1個拾ってむしゃむしゃと食べながら、自転車を押して外に出ました。
男性(飴屋)は、歩道で自転車に乗っていた時に、車に跳ねられ宙を舞い、地面に打ちつけられて亡くなったんですね。この謎が気にかかり、解けるまでずっと集中して考えていられました。見事な構成だと思います。
歩道を歩いていた2人の女性は、反対側の歩道に集団下校中の子供たちがいたと話します。そして「車がつっこんだのが子供たちの方じゃなくて良かった」という考えを匂わせます(はっきりとセリフでは言いません)。なぜ1人の大人の男性よりも、大勢の子供たちの命の方が大切だと、私たちは思いがちなのでしょうか。それは子供たちには大人よりも長い未来があるはずだから…なのかもしれません。
飴屋さんは音響席に再びもどり、今度はマイクを使わずに冒頭のセリフを言いました。「昨日、木の上で蝉が鳴いていたって。でも小娘は何でも昨日と言うから、本当に昨日のことなのかはわからない」。その時、下手側の壁に映像が映されます。飴屋さんの娘のくるみちゃんの日常のようです。“小娘”とは、男性(飴屋)の子供(くるみ)のことだったのでしょう。小さな子供がいる成人男性が、突然車に轢かれて亡くなったのです。死者(飴屋)とその娘(くるみ)が目の前にいる中で、いねむり運転で大勢の命が失われた高速バス事故、保育園児の列に車が突っ込んだ事故などを思い返しました。
理不尽に1つの命が失われた時、歩道の2人の女性は倒れた男性をそのまま放置してランチを食べに行きました。だって知らない人だから。でも歩道橋の上にいた自殺志望の女性(青柳)は、涙を流しながら彼に思いを馳せました。「彼は空を飛んだ時、何かを想像しているように見えたけど、何を想像したのかは私にはわからない」。彼(飴屋)は言います。「空を飛んだ時、私は何か想像していただろうか。私にはわからない。でも確かなのは、私が空を見ていたことだ」。
女性5人の合唱隊カントゥスが車から登場したり、開演前にくるみちゃんが天井に乗っていた黄色い車に、飴屋さんも登ったり、会場の外側も存分に作品に組み入れた空間演出でした。しかもハイセンス。
カントゥスの歌は、可愛らしいし美しいし、でも牧歌的な響きがコミカルでもあり、お芝居との妙なコンビネーションが面白かったです。青柳さんの「私、今日から生理なんですけど。生理の時に自殺するなんて痛々しい」といった自虐的なセリフも可笑しかったです。そういう笑いの要素が素頓狂に挟まれるのも、私は楽しかったですね。
出演:青柳いづみ 坂口真由美 村田麗薫 飴屋法水 カントゥス
作・演出:藤田貴大 照明:明石怜子 スタイリング:コロスケ 衣裳協力:折原陽子 アシスタント:西島亜紀 召田実子 パンフレット原稿:藤原ちから 制作:林香菜 主催:マームとジプシー 共催:SNAC/吾妻橋ダンスクロッシング
【発売日】2012/05/21 ご予約 2500円+ドリンク代/当日券 2700円+ドリンク代
http://mum-gypsy.com/next/5-7.php
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2012年06月01日
メルマガ 2012年06月のお薦め舞台

お薦めお芝居をご紹介しています
2012年6月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 96 2012.06.01 1,848部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎竜巻、ひょう、ゲリラ豪雨など、春の嵐が吹き荒れた5月でした。
梅雨入りの心の準備はできているので、どうか地震が収まって欲しいです。
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
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○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→SPAC『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』
06/02-23舞台芸術公園 野外劇場「有度」
http://www.spac.or.jp/f12mahabharata.html
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→マームとジプシー
『マームと誰かさん・ひとりめ 大谷能生さん(音楽家)とジプシー』
05/11-13 SNAC
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0511223538.html
◆3【6~7月はSPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭」を観に静岡へGO!】
◎静岡で世界10ケ国による12演目が上演されます!
http://www.spac.or.jp/fuji2012.html
◆4【お薦め前売り情報 岩井秀人さんの劇団ハイバイの4都市ツアー】
◎荒川良々さんら人気俳優が出演する前売り3000円台のお芝居です。
◆5【編集後記】
◎「CoRich舞台芸術まつり!2012春」グランプリ発表は6/14(木)!
◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
▽座種の記述がない公演は全席指定。
1.世田谷パブリックシアター『南部高速道路』
06/04-24シアタートラム
☆出演:安藤聖 植野葉子 梅沢昌代 江口のりこ 黒沢あすか 赤堀雅秋
梶原善 加藤啓 小林勝也 菅原永二 裴ジョンミョン 横田栄司
原作:フリオ・コルタサル 構成・演出:長塚圭史
一般 5,000円 プレビュー公演4,000円
高校生以下:一般・プレビュー料金の半額
U24:一般・プレビュー料金の半額
劇場会員・区民割引などあり。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/06/post_280.html
ラテンアメリカの作家の幻想的な短篇小説をもとに、俳優12人と
長塚さんがエチュード(即興)から組み立ててきたそうです。
野心的な試みが実体化するのをぜひ目撃したい。
設定を日本に置き換えたそうなので、より身近に味わえそう。
2.流山児★事務所『さらば、豚』
06/06-12ザ・スズナリ
☆出演:若杉宏二 佃典彦 保村大和 丸山厚人 イワヲ 冨澤力
木暮拓矢 今村洋一 本多一夫 塩野谷正幸
脚本:東憲司 演出:流山児祥
前売券:4,200円 当日券:4,500円 学生券:3,500円
http://www.ryuzanji.com/
劇団桟敷童子の東憲司さんが他劇団に初めての書き下ろし。
しかも出演者へのあて書きだそうです(出演者からのDMより)。
濃い顔ぶれの男性キャストが大暴れしてくれそう。
★3.青年団『月の岬』
06/08-17座・高円寺1
≪東京、兵庫、香川≫
☆出演:内田淳子 根本江理子 太田宏 大塚洋 井上三奈子 山本雅幸
河村竜也 村田牧子 山本裕子 木引優子 近藤強 伊藤毅 井上みなみ
脚本:松田正隆 演出:平田オリザ
前売・予約・当日共 一般:4,000円/学生・シニア(65歳以上):3,000円
高校生以下:2,000円 *日時指定・全席自由席・整理番号付
*未就学児童はご入場いただけません。
http://www.seinendan.org/jpn/info/2012/06/tsukinomisaki/
松田正隆×平田オリザ作品は2004年に『夏の砂の上』↓を拝見しました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0104015351.html
『月の岬』は読売演劇大賞最優秀作品賞・優秀演出家賞受賞作で、
今回が12年ぶりの再演。内田淳子さん、太田宏さんら出演者も贅沢な顔触れ。
4.劇団昴『危機一髪』
06/09-17俳優座劇場
☆出演:金子由之 姉崎公美 高草量平 上領幸子米倉紀之子
宮本充 磯辺万沙子 伊藤和晃 江川泰子 佐々木誠二
高山佳音里 宮島岳史 町屋圭祐
脚本:ソーントン・ワイルダー 翻訳:水谷八也 演出:鵜山仁
一般:5500円 学生:3500円 ペアチケット:10000円
http://www.theatercompany-subaru.com/public.html#a6
『わが町』↓で有名な、米国を代表する劇作家S・ワイルダーの
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0115174310.html
ピュリッツァー賞受賞作の上演。鵜山仁さんの演出に期待。
5.パルコ・プロデュース『三谷版「桜の園」』
06/09-07/08 PARCO劇場
≪東京、大阪、神奈川≫
☆出演:浅丘ルリ子 市川しんぺー 神野三鈴 大和田美帆 藤井隆 青木さやか
瀬戸カトリーヌ 高木渉 迫田孝也 阿南健治 藤木孝 江幡高志
脚本:アントン・チェーホフ 翻案・演出:三谷幸喜
9,000円 U-25チケット6,000円
http://www.parco-play.com/web/page/information/sakuranosono/
三谷幸喜さんが世界的に有名なロシアの劇作家チェーホフの名作を翻案・演出。
“三谷流チェーホフ”を見せてもらえそう。参考レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0601005740.html
ぴあ「三谷版『桜の園』の稽古場に潜入!」↓
http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201205250008
6.ウォーキング・スタッフプロデュース『ディーラーズチョイス』
06/10-18シアター711
☆出演:加納幸和 徳永邦治 多根周作 おかゆ太郎 木咲直人 鈴木省吾
脚本:パトリック・マーバー 演出:和田憲明
[通常]前売4000円 ベンチシート3500円 当日4000円
[10日プレビュー]前売3500円 ベンチシート3000円 当日3500円
[11日&12日]前売3700円 ベンチシート3200円 当日3700円
*未就学児童はご入場いただけません。
http://www.show-go.net/walkingstaff/
英国の有名劇作家のデビュー作を和田憲明さんが演出。
小さな劇場で、密度の高い、軽妙な男芝居を観られるかと。
★7.こまつ座『藪原検校』
06/12-07/01世田谷パブリックシアター
井上ひさし生誕77フェスティバル第4弾公演
≪東京、兵庫、新潟≫
☆出演:野村萬斎 秋山菜津子 浅野和之 小日向文世 熊谷真実 山内圭哉
たかお鷹 大鷹明良 津田真澄 山崎薫(崎は違う漢字) 千葉伸彦
脚本:井上ひさし 演出:栗山民也
一般 S席8,500円/A席6,500円 高校生以下 一般料金の半額
U24 一般料金の半額 劇場会員・区民割引などあり。
※未就学児童はご入場いただけません。
http://inouehisashi77.jp/program/schedule/#information04
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/06/post_278.html
2010年に亡くなった井上ひさしさんの1973年初演作を、栗山民也さんが演出。
悪の限りを尽くす盲太夫を野村萬斎さんが演じます。2007年レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0509155949.html
8.劇団青年座『THAT FACE~その顔』
06/14-24青年座劇場
☆出演:那須佐代子 尾身美詞 宇宙(たかおき)
高橋幸子(高の漢字はハシゴ高) 横堀悦夫 橘あんり
脚本:ポリー・ステナム 翻訳:小田島恒志、小田島則子 演出:伊藤大
一般4,200円 ペアチケット(2枚1組)8,000円 学生2,500円
http://www.seinenza.com/performance/public/203.html
ロンドンを舞台にした現代の家族劇の日本初演です。
脚本家のステナムさんがなんと19歳の時に書いた処女戯曲(2007年初演)。
キャストの顔触れも含め、何やら過激そうな気配!
9.新国立劇場演劇『温室』
06/26-07/16新国立劇場小劇場
[JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─]Ⅵ
☆出演:高橋一生 小島聖 橋本淳 山中崇 原金太郎 半海一晃 段田安則
脚本:ハロルド・ピンター 演出:深津篤史
A席5,250円 B席3,150円 Z席 1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000443_play.html
20世紀を代表する劇作家と評されるピンター戯曲を深津篤史さんが演出。
美男美女にベテランなど、実力派ぞろいのキャストも見応えありそう。
10.俳優座劇場プロデュース『東京原子核クラブ』
06/27-07/01俳優座劇場
≪東京、ほか多数≫
☆出演:田中壮太郎 石井テルユキ 若杉宏二 小飯塚貴世江 西山水木
田中美央 二瓶鮫一 檀臣幸 佐川和正 渡辺聡 外山誠二、佐藤滋
脚本:マキノノゾミ 演出:宮田慶子
一般5600円 ハーフチケット(27日初日のみ)2800円
グリーンチケット(学生)2800円
http://www.haiyuzagekijou.co.jp/produce/
ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎博士をモデルにした青春群像劇。
1997年読売文学賞受賞戯曲です。宮田慶子さん演出の2006年版↓が
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0707005444.html
とうとう最終公演を迎えます。未見の方はどうぞお見逃しなく。
★★★──────────────────────────────
前売3000円台の気になる作品を6本ご紹介します。
──────────────────────────────★★★
【1】城山羊の会『スキラギノエリの小さな事件』
06/06-17小劇場 楽園
☆出演:石橋けい 三浦俊輔 岡部たかし 宮崎吐夢
ブライアリー・ロング 山口奈緒子
脚本・演出:山内ケンジ
全席自由席・日時指定・整理番号付 前売:3,200円/当日:3,500円
http://shiroyaginokai.com/
CMディレクターとしても著名な山内ケンジさんは、コンスタントに
お芝居の脚本・演出も続けていらっしゃいます。
コミカルでエロティック、そして謎が多い、大人がシビレる作風です。
【2】タカハ劇団『ネジ工場』
06/20-24駅前劇場
☆出演:有川マコト 板倉チヒロ かんのひとみ 大佐藤崇
夏目慎也 水谷妃里 山口森広
脚本・演出:高羽彩
予約・当日共3600円 初日・平日昼割引3300円
学生割引2000円 ペアチケット(2枚一組)6600円
http://takaha-gekidan.net/ ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=37017
高羽彩さんが作・演出されるタカハ劇団の新作です。
ここ数作の評判がとても好いので、華も安定感もある役者さんと、
ホームとも言える駅前劇場にて手堅い作品を見せてくれそう。
【3】風琴工房『記憶、或いは辺境』
06/27-07/08シアターKASSAI
☆出演:津留崎夏子 阪本篤 伊原農 岡本篤 石村みか 浅野千鶴
ワダタワー 金丸慎太郎 香西香耶
脚本・演出:詩森ろば
前売3300円 当日3500円 初日プレビュー2500円 障碍1500円
学生当日券1000円 ※当日学生券は開演15分前に残席あれば発売。
平日はじめて割ペアチケット3300円(1名あたり1650円)
http://windyharp.org ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=36426
詩森ろばさんが作・演出される風琴工房の20周年記念公演は、
劇団の代表作の再演です。
1945年の樺太を舞台に、日本人と韓国人の恋と友情を描く物語で、
詩森さんご自身による小説版↓もとても面白かったです。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0528222404.html
【4】劇団チャリT企画『12人のそりゃ恐ろしい日本人 2012』
06/28-07/01座・高円寺1
座・高円寺 夏の劇場06 / 日本劇作家協会プログラム
☆出演:松本大卒 内山奈々 熊野善啓 小杉美香 下中裕子 室田渓人
丸山夏未 原扶貴子 岡田一博 雷時雨、飯塚克之、小寺悠介、堤千穂
前園あかり 大石洋子 おくむらたかし 小見美幸 海原美帆 川本直人
北川竜二 久保田南美 津田拓哉 浪打賢吾 平田耕太郎
脚本・演出:楢原拓(chari-T)
一般3,500円 学生2,500円
http://www.chari-t.com/ ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=35060
楢原拓さんが作・演出されるチャリT企画の再演公演です。初演↓が
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0304230300.html
面白かったので、大きな劇場でグレードアップして欲しいです。
【5】子供鉅人(コドモキョジン)『バーニングスキン』
06/29-07/02 Vacant
≪東京、大阪、ベルギー、東京≫
☆出演:益山寛司 キキ花香 影山徹 億なつき 益山有司 小中太
きたまり 益山貴司
脚本・演出:益山貴司
前売¥3,000(1D付)/当日¥3,500(1D付)
学割¥2,000(1D付/要学生証) リピート割¥1,000引き(要半券)
http://www.kodomokyojin.com/ ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=27186
子供鉅人は益山貴司さんが作・演出・出演される大阪の劇団です。
『バーニングスキン』は昨年好評だった東京公演から
大阪、ベルギー公演を経た凱旋公演となります。前作レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0416004148.html
【6】ままごと+三鷹市芸術文化センター『朝がある』
06/29-07/08三鷹市芸術文化センター星のホール
太宰治作品をモチーフにした演劇 第9回
☆出演:大石将弘
脚本・演出:柴幸男
[全席自由/日時指定/整理番号付] 一般前売:3,000円
一般当日:3,500円 高校生以下:1,000円(前売・当日とも)
※未就学児はご入場いただけません。
http://www.mamagoto.org/morning.html
http://mitaka.jpn.org/ticket/1206290/
柴幸男さんが作・演出される劇団ままごとの新作は、唯一の所属俳優である
大石将弘さんの一人芝居。題材は太宰治著「女生徒」です。柴さん曰く
“俳優も照明も映像も全て合わせて一つの曲にする”とのこと。
☆☆☆──────────────────────────────
前売2000円台の気になる作品を4本ご紹介します。
──────────────────────────────☆☆☆
《1》マームとジプシー
『マームと誰かさん・ふたりめ 飴屋法水さん(演出家)とジプシー』
06/01-03 SNAC
☆出演:青柳いづみ 坂口真由美 村田麗薫 飴屋法水 カントゥス
演出(?):藤田貴大 飴屋法水
ご予約 2500円+ドリンク代/当日券 2700円+ドリンク代
http://mum-gypsy.com/next/5-7.php
マームとジプシーは藤田貴大さんの作・演出作品を上演するユニット。
今回は小さな空間での飴屋法水さんとのコラボレーションです。
発売開始後3分足らずで前売り完売でした。前作↓が凄かったです。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0511223538.html
《2》中野成樹+フランケンズ『ナカフラ演劇展』
06/07-20こまばアゴラ劇場
≪東京、神奈川、京都、福岡≫
中野成樹+フランケンズ10周年記念行事第一弾
☆出演:村上聡一 野島真理 福田毅 石橋志保 竹田英司 斎藤淳子
田中佑弥 小泉真希 洪雄大 北川麗
脚本・演出:中野成樹
各プログラム券2,500円(前売・当日共) ABC通し券6,000円
http://frankens.net/projects/nakafra-engekiten/
中野成樹さん率いる劇団の5作品(新作1本、再演4本)同時上演企画。
モリエール、ブレヒト、オールビー、シングら海外の劇作家の短編を
“誤意訳”して上演する、独特の作風を味わえる3プログラムです。
演目:『スピードの中身』、『マキシマム・オーバードライブ』
『サマーキャンプ(yes,no,neither)』、『ズー・ヴァリエーション』
『きいてごらんよ、雲雀のこえを』、おまけ:『マクベスのあらすじ』。
《3》五反田団『宮本武蔵』
06/08-17三鷹市芸術文化センター星のホール
☆出演:大山雄史 小河原康 荻野友里 金子岳憲 岸井ゆきの
久保亜津子 黒田大輔 前田司郎
脚本・演出:前田司郎
【全席自由席・日時指定・整理番号付き】一般前売2,500円
一般当日2,800円 高校生以下1,000円(前売・当日とも)※未就学児入場不可
http://mitaka.jpn.org/ticket/1206080/
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
小説家としても大活躍中の前田司郎さんの新作劇団公演は、初の本格時代劇。
でもカツラは使わないそうです(笑)。
《4》マームとジプシー
『ドコカ遠クノ、ソレヨリ向コウ 或いは、泡ニナル、風景』
06/22-24桜美林大学内PRUNUS HALL
GALA Obirin 2012参加作品
☆出演:伊野香織 石井亮介 荻原綾 尾野島慎太朗 斎藤章子 高山玲子
成田亜佑美 波佐谷聡 召田実子 吉田聡子
脚本・演出:藤田貴大
日時指定、全席自由、整理番号付き。一般ご予約2000円/当日券2500円
http://mum-gypsy.com/next/6.php
岸田國士戯曲賞を受賞したばかりの藤田貴大さんの、受賞後初の
フルスケールの演劇公演です。2008年初演作の再演。前売り完売です。
私は藤田さんの作品を観る度に大きな影響を受けています。参考レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1130162831.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0820140703.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0820135144.html
≪歌舞伎、ダンス、その他≫
○神奈川芸術劇場・KAAT
『劇場体験型ナゾ解きゲーム KAAT the ツアー
「オーディション大作戦!ー消えた主演女優のナゾー」』
06/01-03神奈川芸術劇場小スタジオ
☆観客が参加する、劇場体験型ナゾ解きゲームです。
体験したことないのですが、面白そう♪
2,000円
http://www.kaat.jp/pf/kaat-the-2.html
○Bunkamura『コクーン歌舞伎第十三弾「天日坊」』
06/15-07/07 Bunkamuraシアターコクーン
≪東京、長野≫
☆出演:中村勘九郎 中村七之助 市村萬次郎 片岡亀蔵 坂東巳之助
坂東新悟 近藤公園 真那胡敬二 白井晃 中村獅童 他
原作:河竹黙阿弥「五十三次天日坊」
脚本:宮藤官九郎 演出・美術:串田和美
1等平場席¥12,500 1等椅子席¥12,500 2等席¥9,000 3等席¥5,000
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/12_kabuki.html
今年2月に六代目を襲名した中村勘九郎さん主演のコクーン歌舞伎。
黙阿弥の原作を宮藤官九郎さんが新たに脚本化し、なんと145年ぶりの上演。
最初のセリフが「マジかよ」らしいです!(シアターガイド7月号より)
○康本雅子『絶交わる子、ポンッ』
06/28-07/01シアタートラム
☆出演:あらた真生 遠田誠 菊沢将憲 小山まさし 下司尚実
鈴木美奈子 泊麻衣子
振付・出演:康本雅子
一般3800円 学生3500円 当日4000円
劇場会員・区民割引などあり。
http://yasumotomasako.net/
http://precog-jp.net/ja/events/2012/06/yasumotomasako-zekkouwarukopon
ダンサー、振付家の康本雅子さんの4年ぶりの単独公演です。
康本さんのコンテンポラリーダンスはファニーでクール!
人気公演ですのでチケット確保はお早めに!
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◆2 【先月のベスト3】
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1.マームとジプシー
『マームと誰かさん・ひとりめ 大谷能生さん(音楽家)とジプシー』
05/11-13 SNAC
☆思いだす度に、過去が新しく生まれ直してくれるなら、
過去も今も含めた私自身を大切にしなければと思いました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0511223538.html
2.イキウメ『ミッション』
05/11-27シアタートラム
≪東京、大阪、福岡≫
☆演出家を外部から招き、今までとは違う演技方法で劇世界を提示。
効率・経済性VS無意味・気まぐれ。解り合えない者同士が共存し、
世界と調和する方法とは?大阪、福岡公演あり!
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0531160318.html
3.箱庭円舞曲『どうしても地味』
05/16-27駅前劇場
≪東京、大阪≫
☆舞台は近未来の日本。不格好で滑稽な人間模様をストイックな演技で
濃く、地味に(笑)、見せてくれるストレート・プレイ。
角度の付いた具象の舞台美術が見事。大阪で追加公演決定!残席わずか!
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0531141058.html
その他はキャサリン・ハンター一人芝居『カフカの猿』、
新国立劇場演劇『負傷者16人 -SIXTEEN WOUNDED-』など(順不同)。
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2012年5月(観劇数20作品)は残念ながら発行しませんでした。
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◆3 【6~7月はSPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭」を観に静岡へGO!】
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◎芸術総監督・宮城聰さん率いる静岡舞台芸術センター(SPAC)が、
「ふじのくに⇔せかい演劇祭」にて世界10カ国による12演目を上演します。
SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2012」6/2(土)~7/1(日)
http://www.spac.or.jp/fuji2012.html 記者発表↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0319223924.html
毎年6月~7月の週末というと、最低3回は静岡行脚な私♪
昨年のベストテン↓中の2作品に、このフェスティバルで出会いました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0110211719.html
片道1,000円という破格の東京・静岡間のバスも運航しています。
気になる3作品をご紹介します。※完売公演を除く。
★○SPAC『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』
06/02-23舞台芸術公園 野外劇場「有度」
☆出演:SPAC、他
脚本:久保田梓美 演出:宮城聰
※背もたれのない客席です。※雨天時も上演。
http://www.spac.or.jp/f12mahabharata.html
インドの国民的大叙事詩が平安時代に伝播していたら…という
コンセプトで創作された祝祭劇。
●お薦めポイント●
宮城聰さんが劇団ク・ナウカ時代に演出された『マハーバーラタ』は
パリのある劇場のこけら落とし公演として招聘され、フランスの
代表的新聞ル・モンドの一面を大きな舞台写真で飾った伝説の演目です。
語りと動きを分ける2人1役の手法も堪能できます。2003年レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/1213142951.html
○ネイチャー・シアター・オブ・オクラホマ
『ライフ・アンド・タイムズ――エピソード1』
06/16-17静岡芸術劇場
☆出演:ネイチャー・シアター・オブ・オクラホマ
作曲:ロバート・M・ヨハンソン
脚本・演出:パヴォル・リシュカ
http://www.spac.or.jp/f12lifeandtimes.html
『ちびまる子ちゃん』のような狭くて身近な世界のささいなことを、
元気に歌い上げるミュージカル。ちょっとすごいらしいです。
○BATIK『おたるどりをよぶ準備』
06/30-07/01舞台芸術公園 野外劇場「有度」
☆出演:BATIK
演出・振付:黒田育世
http://www.spac.or.jp/f12otarudori.html
※背もたれのない客席です。※雨天時も上演。
黒田育世さん率いるダンス・カンパニーの新作ツアーです。
森の中の野外劇場公演は静岡だけ。黒田作品の過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1115211559.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0116233323.html
2010年にロング・インタビュー↓をさせていただきました。
http://www.next-choice.com/artist/016/index.html
http://www.next-choice.com/artist/016/index2.html
【チケット】http://www.spac.or.jp/ticket
[一般大人]4,000円 [ペア割引(2枚)]7,000円
[グループ割引(3枚以上)]お1人様3,200円
[みるみる割]3演目以上観る方は1公演1名様3,500円
[ゆうゆう割引]満60歳以上3,400円
[学割]大学生・専門学校生2,000円 高校生以下1,000円
[障がい者割引]2,800円 付き添いの方(1名)は無料
東京・静岡間運行バスあり!(片道1,000円)※満席の回あり
http://www.spac.or.jp/nonstopbus
完売公演および無料バス満席情報(5/27)↓
http://spac.or.jp/news/?p=5714
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◆4 【お薦め前売り情報 岩井秀人さんの劇団ハイバイの4都市ツアー】
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◎岩井秀人さんが作・演出・出演される劇団ハイバイが、
『ポンポンお前の自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン』
の4都市ツアーを行います。
○ハイバイ『ポンポンお前の自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン』
07/18-08/01こまばアゴラ劇場
≪東京、兵庫、愛知、福岡≫
☆出演:荒川良々 安藤聖 岩井秀人 岩瀬亮 川面千晶 坂口辰平
永井若葉 平原テツ 師岡広明
作・演出:岩井秀人
http://hi-bye.net/
『ポンポン~』は2005年初演。2007年に2本立て公演の1本として
再演されました。レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0725132838.html
ハイバイ作品おなじみの劇団の稽古シーンは爆笑必至の見どころです。
岩井さんが人気キャラクター“品川幸雄”役を5年振りに演じるのが
とても楽しみ! ※モデルは演出家の蜷川幸雄さんじゃないんですよ~。
≪東京公演チケット情報≫
一般発売:2012年6月9日(土)~
公演前半:前売一般3000円 当日一般3500円
公演後半:前売・当日とも一般3500円
全公演:前売・当日とも学生2500円
チケット取扱
ハイバイ:http://hi-bye.net/
チケットぴあ:http://t.pia.jp/
◎去る5/29に第30回向田邦子賞贈呈式がありました。
岩井さん、おめでとうございます!
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/8000/115771.html
http://p.twipple.jp/ZoSdv ←岩井さんのツイッターより集合写真
NHKドラマ「生むと生まれる それからのこと」はすごく面白かったです。
地上波での再放送を熱望します!
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◆5 【編集後記】
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◎「CoRich舞台芸術まつり!2012春」最終選考10作品の鑑賞が間もなく終了!
http://stage.corich.jp/festival2012/
6月14日にCoRich舞台芸術!にて結果が発表されます。お楽しみに!
◎「しのぶの演劇レビュー」facebookページ↓でブログ更新を報告中!
http://www.facebook.com/shinobureview
「いいね!」をクリックしてニュースフィードに混ぜてください♪
◎SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2012」記者発表・写真レポート↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0319223924.html
週末は静岡通いです♪
公式サイト:http://www.spac.or.jp/fuji2012.html
◎おすすめ舞台中継 on TV(おすすめがある時だけ掲載)
【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html
【WOWOW】6/14(木)深夜2:45~、6/19(火)午後1:30~
『オペラ座の怪人』25周年記念公演 in ロンドン
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/100320/index.php
※再放送。
【WOWOW ライブ】6/12、6/13、6/14、6/15の夜11:00~
リーディングドラマ『Re:』
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/101156/
作・演出:土田英生
出演:藤木直人×ベッキー、竹中直人×中越典子、
古田新太×宮沢りえ、生瀬勝久×仲間由紀恵
【NHKプレミアムシアター】
6月11日(月)【10日(日)深夜】午前1時~午前5時
世田谷パブリックシアター『サド侯爵夫人』
http://www.nhk.or.jp/bs/premium/ レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0306011354.html
作:三島由紀夫 演出:野村萬斎
出演:蒼井優 美波 神野三鈴 町田マリー 麻実れい 白石加代子
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2012年5月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
・「吉祥寺の朝日奈くん」←どんでん返しに衝撃!超面白かった!
http://kichijojiasahina.jp/
・「エンディングノート」←噂通り凄い。お金持ちの話だったな…。
http://dbeat.bandaivisual.co.jp/bambino/endingnote/
・「僕らは歩く、ただそれだけ」←安藤サクラさん目当て。
http://www.toenta.co.jp/dvd/bokuraha/index.html
・「ステキな金縛り」←三谷幸喜さんの映画で久々のヒット。
http://www.sutekina-eiga.com/
・「アントキノイノチ」←いい映画。主演2人の演技も良かった。
http://antoki.jp/
◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
http://www.next-choice.com/
“しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!
◎ツイッターやってます!フォロワー3500人超えに感謝♪
⇒ @shinorev : http://twitter.com/shinorev
情報収集はもっぱらツイッター頼りです。
実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!
震災・原発事故関連の公式リツイートが多いです。
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
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これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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