新国立劇場『温室』での怪演に魅せられ、半海一晃さん演出の舞台を観に行くことにしました。脚本は石原燃さん。石原さんのことは日本劇作家協会「月いちリーディング」でお見かけしていました。
劇場MOMOに行ったのって、ものすごく久しぶり。上演時間は約1時間30分。
⇒CoRich舞台芸術!『父を葬る』
≪あらすじ≫
25年会っていなかった父親の遺骨を受け取った。納骨したのに成仏してくれない。
≪ここまで≫
1人暮らしの女性の部屋に父親の幽霊が出てくるお芝居といえば、井上ひさしさんの『父と暮せば』。現代、というより、まさに今の日本に置き換えたようなお話になっていました。
父親役の二瓶鮫一さんがすっごくキュートでした。どんなに大声で怒鳴っても可愛らしいのって凄い。
ここからネタバレします。
父親は母親と娘を棄てて日雇労働者になっており、酒場で友達(半海一晃)に殴られて死亡。母親はガンで既に亡くなっており、娘は高校は卒業したものの母親の看病と仕事に追われ、友達もできないまま孤独に生きてきました。娘の職業はスーパーのレジ打ちのパート職員。重労働なのに薄給で、クビが怖いから上司には何も文句が言えません。
父親がばけて出てきたのは、娘が放火をするのを止めさせたかったから。そして娘と楽しく飲みたかったからなのかな。両方を叶えたから成仏したのだと思いました。
マルハンクラブ番外公演
出演:近藤佑子(三条会)、二瓶鮫一、半海一晃
作:石原燃 演出:半海一晃 美術:大津英輔 照明:宮野和夫 音響:坂口野花 舞台監督:伊藤新 松下清水+鴉屋 宣伝美術:春口浩一郎(スフィア) 制作協力:ぷれいす
一般発売:2012年7月30日[月] (全席指定、税込) 4,000円
http://www.place-net.co.jp/maruhan.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガも発行しております。