稽古場レポートを書かせていただいた『クールの誕生』東京公演初日を拝見。上演時間は約2時間10分(途中休憩なし)。D-BOYS舞台公演の過去レビュー⇒1、2、3
D-BOYSファンの若い女性の笑い声と、大人の男性客の笑い声が響きました。老若男女問わず楽しめる娯楽作だと思います。1960年代のお話ですが、現役サラリーマンへのメッセージも込められています。
⇒CoRich舞台芸術!『クールの誕生』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
明日への夢があふれていた1960年代・・。裏銀座にある弱小商社「東京堂物産」の社員たちは、来年に控えた東京オリンピック用のグッズ販売の権利を得ようと必死だった。隣接するグランドキャバレー「COOL」で、あの手この手で取引先を接待するのだ。若手社員・岡田清(牧田哲也)と安達裕人(三上真史)もそんな狂騒に巻き込まれる。二人は伝説のサラリーマン・塙(柳浩太郎)に導かれるようにたくましく成長してゆくが、やがて派閥争いに巻き込まれ、ホステス・美枝子(三鴨絵里子)を巡る恋に翻弄され、同期の友情にひびが入る。そして訪れる東京堂物産の危機に、二人はもう一度手を取り合って立ち向かうことになるのだが・・。
ジャズ、キャバレー、接待・・60年代の風俗の中で、時流に流されながらも夢とプライドを持ちながら生きようとするサラリーマンたちの姿を、おまぬけに、エネルギッシュに描きます。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
キャバレーに勤めるボーイ(堀井新太)が東京堂物産の情報をライバル会社にリークし、その会社の社員になっていたなんて。苦味があっていいですね。
中堅社員の矢部(鈴木裕樹)は恋人のホステス(三鴨絵里子)を連れ出して、会社を辞めてしまいます。会社のルールを破りそうにない人物が、全く予想外の大胆な行動に出てしまうことの衝撃って大きいんですよね。稽古場で演出家が指摘されていたことが改善されていました。
幻のサラリーマンを演じた柳浩太郎さんの予想できない動きが、強烈なナンセンスギャグを生むのが面白かったです。最後の場面で旅行鞄を床に放り出したのには、声を上げて笑っちゃいました(笑)。カルピスの瓶に直接水を入れて飲むのもか可笑しかったな~。ひょうひょうと独自の美学を披露していくキャラクターがぴったりでした。
≪終演後のトーク≫
出演(左から):牧田哲也 鈴木聡(脚本) 山田悠介
脚本の鈴木さんが書籍「社畜のススメ」(藤本篤志)に言及されました。私自身も過剰な個性重視の風潮には疑問があるので、生き生きと働いている会社員を描く『クールの誕生』は爽快でした。
出演:柳浩太郎、鈴木裕樹、加治将樹、牧田哲也、三上真史、山田悠介、堀井新太(以上D-BOYS・順不同)/ 三鴨絵里子、俵木藤汰、弘中麻紀、永井秀樹
脚本:鈴木聡 演出:山田和也 音楽:川崎晴美 美術:二村周作 照明:佐藤公穂 音響:長野朋美 衣裳:木村猛志(衣匠也) 演出助手:相田剛志 舞台監督:堀吉行(DDR) 宣伝美術:タカハシデザイン室 宣伝写真:西村淳 宣伝衣裳:牧野iwao純子(ダダグラム) 宣伝ヘアメイク:糸川智文 協力:藤本篤志 宣伝:大澤剛 票券:上野正人 制作:水島智代 佐藤みのり プロデューサー:渡部隆 総合プロデューサー:渡辺ミキ
【一般発売】7月7日(土)午前10時~【料金】7,000円(税込/全席指定/未就学児童入場不可)
※D-BOYS STAGEは11thよりDステになりました。
http://www.dstage.jp/cool/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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