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2012年09月09日

wonderland「劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース」第1回「トークセッション『私が考える劇評』」09/07東京芸術劇場シンフォニースペース

 小劇場レビューマガジンwonderland(ワンダーランド)が主催する劇評セミナーのトークセッションを拝聴しました(2010年のトークセッション⇒)。登壇者(50音順)は佐々木敦さん、扇田昭彦さん、徳永京子さん、林あまりさん。司会はワンダーランド編集長の北嶋孝さん。4人それぞれに劇評についての考えが異なっていてとても面白かったです。

 セミナー参加者は今から東京芸術劇場で上演される9演目について、4人の講師の方々とともに劇評を書いて講評をすることになります。ご興味ある方は公式サイトへどうぞ。

 以下、話し始められた順に。メモしたことのごく一部です。

 :私は歌人。書くより観る方が好き。観る時は舞台に没頭したい。自分なんて何者でもない、好きで書いているだけだと思うようにしている。私は演劇専門雑誌に書いているから、読者層は演劇に興味がある人。たとえば地方の高校生が手にとってくれることを考えて書いている。

 徳永:最初の数行が勝負。「でだし命」。別ジャンルのファンを演劇ファンにしたい。舞台を観に来てもらいたい。劇評は「名乗りと名付け」。数千字を使って、その作品に脚本を書いた人とは違う名前をつけること。そのくらいの責任感を持ちたい。生産的なネガティブなことを書けると最高。

 扇田:新聞の読者は舞台を観ていない人がほとんどだから、その人たちにもその舞台が分かるように書く。描写が必要。60~70年代の方が厳しい劇評が多かった。80年代以降優しくなった。昔は長い批評で紙面が埋められていることもあった。今の文化欄は予告記事ばかりで劇評欄は800字弱しかない。昔はもっと自由だった。今は非常に不自由。劇評にとってヤバイ状況ではないか。

 佐々木:アウトサイダーとして批評する立場を取るようにしてきた。常に外部からの視線を意識することが重要。他のジャンルと演劇との違いは、あらすじを簡潔に書くことで消えてしまうものがとても多いこと。特徴はその時、その場でしかおきないという一回性と現前性。それが他ジャンルと根本的に違うところ。不景気がいけない。一番可能性があるのがネット劇評(扇田氏も同意見)。匿名でなく、ちゃんと書く人が増えれば変わるんじゃないか。


2012年9月7日(金)19:00-21:30
登壇(50音順):佐々木敦(批評家)+扇田昭彦(演劇評論家)+徳永京子(演劇ジャーナリスト)+林あまり(歌人、演劇評論家) 進行:北嶋孝(ワンダーランド)
主催:ワンダーランド(小劇場レビューマガジン) 共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
2,000円(セミナー事前申し込み者は無料)当日受付可。
http://www.wonderlands.jp/seminar2012/
http://www.geigeki.jp/performance/event006/
https://twitter.com/wonderlandsjp

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2012年09月09日 11:30 | TrackBack (0)