男優集団Studio Life(スタジオライフ)が来たる10月6日より、昨年大変好評だった『PHANTOM THE UNTOLD STORY~語られざりし物語~』の続編を上演します。
前作同様に、美術・映像にマット・キンリーさん、照明にニック・シモンズさんという豪華スタッフを迎え、芸術性の高い舞台が期待されます。個人的なことですが、私は昨年の日本劇団協議会機関誌「join」・「私が選ぶベストワン2011」で、最も印象に残るスタッフワークとして同公演のニック・シモンズさんによる照明を選びました。
⇒前作プレビュー初日のマット・キンリーさん、ニック・シモンズさんのインタビュー
残念ながら製作発表には伺えなかったので、劇団からご提供いただいたレポートと写真を掲載させていただきます。
●Studio Life『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』⇒公式サイト
プレビュー公演 10月6日(土)~10月7日(日)
公演日程:2012年10月8日(月・祝)~24日(水)
会場:シアターサンモール
チケット:
全席指定 一般(前売・当日)¥5800
プレビュー公演 全席指定 一般(前売・当日)¥4800
U-23 チケット 前売・当日 ¥3000
※AvenirとEspoirの2バージョンあり
⇒CoRich舞台芸術!
【写真(敬称略)↓上段左から:笠原浩夫、関戸博一、松本慎也、山本芳樹、曽世海司 下段左から:河内喜一朗、倉田淳】
■スタジオライフ版フアントム ついに完結へ
『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』製作発表
劇団スタジオライフの今年最後の本公演が『PHANTOM 語られざりし物語 The Kiss of Christine』に決定し、製作発表が都内で行われた。
同劇団は昨年6 月、『オペラ座の怪人』の主人公ファントムことエリックの知られざる生い立ちを描いた『PHANTOM THE UNTOLD STORY 語られざりし物語』を上演、大好評を博した。このたび上演される『PHANTOM 語られざりし物語The Kiss of Christine』はその後編にあたる内容で、いよいよエリックが“オペラ座の怪人”と呼ばれるようになり、そして新人歌手クリスティーヌとの運命の恋に落ちるまでの顛末が綴られてゆく。
原作は、イギリスの作家スーザン・ケイが、ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』にインスパイアされて記した小説『Phantom』。またスタッフにはPHANTOM THEUNTOLD STORY 語られざりし物語』に引き続き、ともに世界的に活躍中のマット・キンリー(舞台装置・映像デザイナー)とニック・シモンズ(照明)という強力な舞台芸術家が名を連ねる。前作でも高い評価を得たその斬新でスケール感のある舞台美術は、今回も物語世界の奥行きと味わいを倍増させてくれるに違いない。
制作発表では、まず主宰の河内喜一朗が「クリスティーヌのキスが持つ本当の意味、そしてガストン・ルルーの原作最後の数ページに登場する謎のペルシャ人。この二つが作品の中核になっています」と本作の見どころを述べ、続いて脚本・演出の倉田淳が登壇。「主人公エリックは生来の恐ろしい顔というどうにもならない現実と向き合い、戦い、成長していきます。観た方にとってもこの作品が、どうにもならない現実と向き合う力に少しでもなればありがたいなと思っています。華やかなオペラ座の大階段など、すごい映像もいろいろ準備されていますので楽しみにご覧いただけたら」と声を弾ませた。
【写真↓左から(敬称略):笠原浩夫、関戸博一、松本慎也、山本芳樹、曽世海司】
Wキャストにてエリック役を演じる笠原浩夫、山本芳樹は「ファントムは、約20 年前ロンドンで初めて『オペラ座の怪人』を観て以来ずっと憧れてきたキャラクター。今はとてつもないプレッシャーを感じている毎日で、家に帰っても死神の夢を見ました(笑)。ファントムの名に恥じないよう務めたいと思います」(笠原)、 「世界中の誰もが知っているとんでもない人物を演じられることに、俳優として震えるくらいの喜びを感じ、魂を込めて演じたいと思っています。顔の半分がすっぽり隠れてしまう仮面を着けるのでほとんど表情が見えないんですが、その奥の表情みたいなものが伝わっていけばいいなと…思うんですけど、どこまであの存在感やオーラを出せるか…」(山本)と、それぞれに大役を演じる高揚感や意欲を語った。
ヒロインのクリスティーヌ役を演じるのはこちらもWキャストで関戸博一、松本慎也。「おそらく世界中の女優さんが一度はやりたいと思うであろう役を、男優の僕がやらせていただけることを“どうだ羨ましいだろう”と、光栄に思っております(笑)。エリックにとって“最後に辿り着く場所”という意味でのクリスティーヌを、大切に受け止めながら精一杯演じたいと思います」(関戸)、 「前編に負けない重厚で悲痛な、美しい物語を作っていきたい。クリスティーヌの最後のキスの持つ意味を皆さんにお伝えできるよう、真摯に役と向き合っていきます」(松本)と口々に挨拶。
またクリスティーヌの恋人、ラウール・ドゥ・シャニー役の曽世海司は「いろんなスタイルの演劇をやってきましたが、僕達がやりたいのはやはりストレートプレイなんだなということを実感させていただいたのが去年の『PHANTOM THE UNTOLD STORY 語られざりし物語』でした。俳優と俳優が向き合ってその間に生まれる空気のようなものが、劇場中を支配し、お客様と共有できる瞬間を手応えとして得られた公演でした。また劇場であの空気感を、お客様と共有し合いたいなと思っております」と挨拶。ミュージカル版『オペラ座の怪人』にはない、劇団スタジオライフならではの『怪人』エリックの物語への期待感を煽った。
【写真↓左から(敬称略):笠原浩夫、関戸博一、松本慎也、山本芳樹、曽世海司】
■スタッフ プロフィール
[舞台装置、映像デザイナー]Matt Kinley マット・キンリー
舞台用そして映画用の小道具、衣装製作のスペシャリストとして活動後、ロンドンMontley Theatre Design Course でさらにデザインを学ぶ。以来、ロンドン・ナショナル・シアターで40作品以上もの作品を手がけた。その後、商業演劇のデザインチームの一員として、『マイ・フェア・レディー』(UK、US ツアー)、『レ・ミゼラブル』(ブロードウェイ、オランダ)、『エクウス』(ウェストエンド)、『メアリー・ポピンズ』(UK、US、オーストラリア、オランダツアー)に携わる。今年2010年、『レ・ミゼラブル』25周年記念の新演出版の舞台装置、映像デザイナーに抜擢に続き、2011 年『オペラ座の怪人』25 周年記念公演in ロンドンの舞台装置、映像デザインも務めた。
[照明]Nick Simmons ニック・シモンズ
ロンドン・ナショナル・シアターの話題作であり、NY ツアーも実施の『War Horse』のプログラマーとして知られ、『Oliver!』や『オペラ座の怪人』の続編『Love Never Dies』にも携わる。新しい技術と類稀なデザインセンスを駆使したその照明の織りなす世界は、ロンドン・ミュージカル界に旋風を巻き起こしている。
Studio Life『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』
出演:笠原浩夫、山本芳樹、関戸博一、松本慎也、曽世海司、岩﨑大、石飛幸治、佐藤滋(客演)、及川健、林勇輔、ほか
原作:スーザン・ケイ「Phantom」 脚本・演出:倉田淳
http://www.studio-life.com/stage/phantom2/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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