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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2013年04月30日

庭劇団ペニノ『大きなトランクの中の箱』04/12-29森下スタジオBスタジオ

 庭劇団ペニノが劇団のアトリエ“はこぶね”で創作してきた3作品の集大成(過去レビュー⇒、2)。開けてびっくり!の舞台美術。上演時間は失念。

 ⇒「庭劇団ペニノはこぶね新作『大きなトランクの中の箱』公開記念スライド」★ネタバレあり

 こだわりに妥協しない、完成度の高い、演劇公演でした。モチーフが思いっきり“男性器”なので、ドギマギしつつも、かなり笑わせていただきました。自分が何を感じ取り、何を受け入れ、何を拒否(スルー・無視)したがるのか。考えさせられました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『大きなトランクの中の箱

20130421_ookinatorankunonakanohako_stagephoto.jpg

 ここからネタバレします。

 どっしりとした額縁のあるプロセニアムの美術。カーテンが上がると、本棚に囲まれた畳の部屋。
 主人公の青年(山田伊久磨)は学生服を着ている(上半身は学ラン、下半身は黒タイツ)。彼は43歳なのに未だに受験生で、父(飯田一期)に「一家の名を汚すな」と厳しく言い渡されている。青年は父に憧れながらも怯えており、自分の妄想の中へと旅に出る。

 …とにかく、そこら中に男性器、でした。若い男性というか、受験期の男子学生ってここまで男性器に執着するものなのでしょうか(笑)。父の他には白い液体を食べる豚(島田桃依)と羊(瀬口タエコ)が登場します。回転式の装置で合計4部屋あり、小鳥が鳴く掛け時計など、各部屋に共通する装飾もありました。

 青年と父と豚と羊の4人全員で笛を吹きます。笛ももちろん、口をつけるところが男性器になっているデザイン。皆さんがとても上手に「カノン」を演奏されるので、聴きほれるし微笑えましいのですが、でも口には……。やがて青年が笛をのどの奥へと押しこんでいくんです。エディプス・コンプレックスが強烈に示されて、私にはキツかった…。その後、種明かしをするように青年が各部屋を回っていきます。装置がぐるぐる回転し、箱の中身があらわになって終幕。このエンディングは楽しかったです。

 お腹一杯以上の気分で劇場から出ようとすると、出口(入り口)左側の白い棚に、顔が亀頭の形になった小鳥さんのオブジェが1つ、ちょこんと置かれていました………怖いよ~(笑)。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:タニノクロウ 吉野万里雄 玉置潤一郎、山口有紀子(こと、エビさん?) 司会:日比野啓

 以下、タニノさんらのご発言で私が記憶していることです。

 このスタジオを3ヵ月間借りている。タニノは最初の10日間(1週間?)、朝10時から夜10時までずっと寝てた。やることを決めてから、スタッフに声をかけた。装置の大きな仕込みが3度あった。美術制作と並行して役者の稽古も2ヵ月間ほど。この舞台美術にかかった費用は、観客が想像するほど高くはない。ボランティアで手を貸してくれた人も大勢いた。
 4つの部屋の真ん中の小さい空間で、照明と音響のオペをしている。タイトルの『大きなトランクの中の箱』がテーマなので、盆で回る装置の中にすべてを納めている。

 タニノと、劇団員である構成の3人は、タニノをハブにして個々にコミュニケーションをしている。全員が一堂に会することは、ほぼない。学生時代からずっと一緒だったタニノと玉置がアイデアを出していき、吉野が調査をして(これまでに演劇界でそういう作品があったかどうか等)、山口(=えびさん)が実現可能かどうかを検証する。

 タニノがこの3人を劇団員に誘った理由は「記憶力がいいから」。人間がアイデアを思い付くのも、思考するのも、すべて自分の記憶からだから。いかに詳細に記憶できるかが勝負。

 ≪トークの後でしのぶが考えたこと≫
 記憶から作りだされた舞台を観客が観る。観客にも記憶があるから、劇場には記憶を持つ人々と、記憶から生まれた物・事が充満している。舞台で何かが起こった瞬間を、作り手(俳優やスタッフ)と観客が共有する。その瞬間だけが「現在」であり、すぐに全てが「過去」=「記憶」になっていく。「記憶」の集まり(=劇場)から、新たな「記憶」が生まれ、その場にいる人々各自の「記憶」に蓄積されていくイメージから、円が重なる曼荼羅を思い浮かべる。

出演:山田伊久磨、飯田一期、島田桃依、瀬口タエコ
【発売日】2013/03/09 前売り2500円(~4月19日まで)2800円(4月20日まで)学生2000円、当日3000円(~4月19日まで)・3300円(4月20日より)
作・演出・美術:タニノクロウ 構成:玉置潤一郎、山口有紀子、吉野万里雄 /美術:稲田美智子/美術助手:松本ゆい/特殊小道具:横沢紅太郎 小此木謙一郎(GaRP)/舞台監督:三津久 /照明:阿部将之(LICKT-ER)/音響:佐藤こうじ(Sugar Sound)/音響・照明オペ:仮屋浩太郎/舞台写真:田中亜紀/演出助手:仮屋浩太郎 松本ゆい/運営:西村和晃 /制作:小野塚央 制作協力:quinada 助成:公益財団法人セゾン文化財団 主催:庭劇団ペニノ
☆13日、15日、17日、18日、19日、21日夜公演の終演後にアフタートークを予定しております。
4月13日(土)18時 ゲスト:徳永京子さん(演劇ジャーナリスト)
4月15日(月)19時30分 ゲスト:佐々木敦さん(評論家、HEADZ代表)
4月17日(水)19時30分 ゲスト:杉山至さん(舞台美術家)
4月18日(木)19時30分 ゲスト:日比野啓さん(成蹊大学准教授)
4月19日(金)19時30分 ゲスト:宮城聰さん(演出家、SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督)
4月20日(土)14時 ゲスト:二村ヒトシさん(アダルトビデオ監督)
4月21日(日)18時 ゲスト:玉置潤一郎、山口有紀子、吉野万里雄(庭劇団ペニノ劇団員)
http://www.niwagekidan.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 18:13 | TrackBack

2013年04月28日

【俳優養成】映画美学校「アクターズ・コース第3期初等科受講生募集」5/24開講※5/18〆切(郵送or持参)

 渋谷の映画美学校のアクターズ・コース第3期初等科の受講生募集情報です。⇒昨々年の告知 ⇒昨年の告知

 授業日程:原則として火曜日、金曜日の19:00-21:30、実習の授業は土曜日もしくは日曜日。※講師の都合により変更の可能性あり。
 年間授業料:368,000円 入学登録料:10,000円 保険料:9,000円
 応募締め切り:2013年5月18日(土) ※郵送もしくは持参

 基本的に平日夜と土日に開講するので、サラリーマンも学生も通えそうですね。来年3月には修了公演に出演できます。これまでの修了公演⇒ 資格などの詳細は公式サイトでご確認ください。

 ・アクターズ・コース高等科修了生たちによる座談会
  5月2日(木)22:00~23:00@映画美学校1Fカフェ・テオ
  ※Ustream美学校ちゃんねるで生放送(アーカイブ予定)
 ・オープンスクール公式サイト
  5月11日(土)14:00-18:00
  定員:12名(先着順)

 同校講師である劇作家・演出家・俳優の松井周さん(サンプル)と、映画監督で同校主任講師の古澤健さんの対談⇒ 

Posted by shinobu at 23:51 | TrackBack

2013年04月26日

【ワークショップ】めぐろパーシモンホール「パーシモン・パレット・プログラム2013演劇 ワークショップ参加者募集(中高生向け)」※5/17から先着順受付(メールorはがき)

 中高生向けの演劇ワークショップ&発表会のご案内です。6月に1日間の演劇入門ワークショップ(講師:平田オリザ)を受けてから、夏休みの4日間で演劇作品をつくり、5日目に発表会を実施します。2006年から始まって毎年継続されている人気企画です。過去レビュー⇒、5

 最近の5年間の講師は青年団の方々(平田オリザ、柴幸男、多田淳之介、工藤千夏、吉田小夏)で、今年は近藤強さんと谷賢一さん。大人の俳優だって受けてみたいはず!

 演劇部所属でなくとも大丈夫です。ご興味ある方はぜひ。先着順です。

 ●「パーシモン・パレット・プログラム2013演劇ワークショップ」公式サイト
 前半プログラム
 「演劇入門ワークショップ」
  [講師] 平田オリザ(劇作家・演出家)
  [日時] 2013年6月23日(日)13:00~20:30
  ◎前半プログラムのみの参加も可能です。

 後半プログラム
 「夏休み演劇ワークショップ」
  [講師] 近藤強(俳優)+谷賢一(演出家)
  [日時] 2013年
  7月30日(火)14:00~18:00
  7月31日(水)14:00~18:00
  8月1日(木) 14:00~18:00
  8月2日(金) 14:00~18:00
  8月3日(土) 発表会14:30開演(予定)
  ◎5日間ともご参加ください。

Posted by shinobu at 12:03 | TrackBack

2013年04月25日

ワタナベエンターテインメント・Dステ13th『チョンガンネ~おいしい人生お届けします~』04/25-05/06本多劇場

 ワタナベエンターテインメントのイケメン集団D-BOYS、D2が出演するDステの第13弾は、韓国小劇場ミュージカル。演出・訳詞・上演台本は中屋敷法仁さん(柿喰う客)です。乱痴気公演もあるとは…

 ⇒BUTAKOME「ステ13th『チョンガンネ~おいしい人生お届けします~』中井美穂コラム♪」 ←舞台写真あり
 ⇒CoRich舞台芸術!『チョンガンネ~おいしい人生お届けします~
 レビューをアップしたのは2013年10月14日です。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 退屈なサラリーマン生活に悩んでいた独身男のイ・テソン(和田正人)は、「商品ではなく“楽しさ”を届ける」商売に目覚め、大企業に勤めていた友人のキム・ミンソク(牧田哲也)を誘い、ダンスや歌を披露する「独身男の八百屋」の経営を始める。
 やがて、ホストクラブで働いていたソン・チファン(近江陽一郎)、海外留学経験のあるチェ・ユンミン(三津谷亮)、兵役を終えたばかりのパク・チョルジン(橋本汰斗)が加わり評判になると、TV番組の取材の為、女性アナウンサーのパク・スジン(舞羽美海)が訪ねてくる。
 「商品ではなく『楽しさ』を届ける」というテソンの情熱と商売哲学により繁盛していた「独身男の八百屋」だったが、2号店の開店を前に、独身男たちはそれぞれの事情で揺れていた
 ≪ここまで≫ 

 韓国の舞台らしく、カーテンコールは撮影可でした!

20130425_chonganne_stage.jpg

 ストーリーはあってないようなものというか(笑)、明るく歌って踊る、はつらつとした若者たちを見つめて、観客も元気に楽しめるコメディーといったところでしょうか。とはいえ、人間社会の黒い闇を象徴するような、中屋敷さんらしいダークな場面もありました。客席はD-BOYSのファンの女性が大半でしょうし、こういった娯楽作では、ひたすら明るく元気にステージをつとめきってくれれば、それでいいんじゃないかな~と、個人的には思いました。ひたむきさ、真剣さがはっきりと見て取れる演技と歌で胸を打つような、そんな舞台であればいいんじゃないか…いや、つまりですね、もっと、とことんまでバカをやってほしかったです!(笑)

 女優さん3人が大活躍。セクシーな衣装も歌もばっちり。
 八百屋さんの男性5人の中では、新人役の橋本汰斗さんが良かったです。ヒゲをつけた父親役などのコミカルな演技でも魅せてくれました。ダンスもできる方なんですね。

 ここからネタバレします。

 イカのコント的なシーンで大いに笑わせていただきました。

≪東京、大阪≫
出演:和田正人、牧田哲也、橋本汰斗、三津谷亮、近江陽一郎、舞羽美海、黒崎ジュンコ(ズボンドズボン)、新良エツ子
作曲:キム・ヘソン 脚本:イ・ジェグク 作曲:キム・ヘソン 演出・訳詞・上演台本:中屋敷法仁(柿喰う客) 音楽監督:和田俊輔 振付:北尾亘(Baobab) 美術:中根聡子 照明:林順之 音響:山本浩一 衣裳:牧野iwao純子(ダダグラム) ヘアメイク:梅澤裕子 演出助手:則岡正昭 舞台監督:堀吉行(DDR) 日本語訳:加藤敦子 宣伝美術:山下浩介 宣伝写真:引地信彦 宣伝衣裳:小林菜摘(ダダグラム) 宣伝ヘアメイク:田中順子 宣伝:大澤剛 票券・制作:上野正人 制作助手:佐藤みのり 制作デスク:西川陽子 プロデューサー:渡部隆 総合プロデューサー:渡辺ミキ
【発売日】2013/02/23
・一般料金: 7,000円 (全席指定/税込)
・チョンガンネ(独身男)デー: 男性は割引料金 6,000円 (当日引換/税込)【対象公演:4/26(金)、4/30(火)、5/1(水)、5/2(木)】 対象公演について、男性のお客様は割引料金でご覧いただけます。
・初めまシート:4,000円 (当日引換/税込)【対象公演:乱痴気公演と東京千秋楽公演を除く全公演】 Dステ観劇が初めての方や、ミュージカル初観劇という方、「試しに一度見てみようか」という方にも、お気軽にご覧いただけるように、リーズナブルなチケットをご用意いたしました!
http://www.dstage.jp/chonganne/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:44 | TrackBack

2013年04月24日

【ワークショップ】カンパニーデラシネラ「デラシネラワークショップ+アルファ」5/10, 12, 13, 19都内スタジオ※定員に達し次第締め切り

 小野寺修二さん率いるカンパニーデラシネラのワークショップ情報です。講師は小野寺さん。ご興味ある方はぜひ。経験不問です。以下は公式サイトより。⇒facebookページ

 ●「デラシネラワークショップ+アルファ」
 【開催日時】
  クラス1→ 5月10日(金)19:00-21:00
  クラス2→ 5月12日(日)14:00-16:00
  クラス3→ 5月13日(月)19:00-21:00
  クラス4→ 5月19日(日)14:00-16:00
  クラス5→ 5月12日(日)18:00-20:00 ※新規追加
  クラス6→ 5月19日(日)18:00-20:00 ※新規追加
   ※上記中、いずれか1クラスを受講いただけます。
 【開催場所】都内スタジオ
 【講師】小野寺修二
 【参加費】2,500円

【デラシネラワークショップ+アルファ 開催のご案内】

小野寺修二主宰のカンパニーデラシネラでは、共に作品作りに取り組んでくださる方を探しています。この度、多くの方と出会うことのできる場を求めて、ワークショップ+アルファを開催することとなりました。
デラシネラの活動に興味をお持ちの方のご参加を、心よりお待ちしております!

【開催日時】
クラス1→ 5月10日(金)19:00-21:00
クラス2→ 5月12日(日)14:00-16:00
クラス3→ 5月13日(月)19:00-21:00
クラス4→ 5月19日(日)14:00-16:00
クラス5→ 5月12日(日)18:00-20:00 ※新規追加
クラス6→ 5月19日(日)18:00-20:00 ※新規追加
※上記中、いずれか1クラスを受講いただけます。

【開催場所】都内スタジオにて ※詳細は後日、参加者宛にご連絡致します。
【講師】小野寺修二
【参加費】2,500円
【お申し込み方法】
1.お名前
2.性別
3.年齢
4.受講動機
5.参加を希望するクラス
6.緊急連絡先(電話番号)
7.メールアドレス(PCから受信可能設定のもの)
を明記の上、下記アドレスよりお申し込み下さい。
derashinera.workshop(アットマーク)gmail.com
その後、こちらから折り返しご連絡差し上げます。
(お申し込みから2日を過ぎても返信がない場合は、お手数ですが再度メールをお送り下さい。)
※定員に達していない場合は、ワークショップ前日迄お申し込み可能です。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:18 | TrackBack

2013年04月23日

劇団俳優座『とりつくしま』04/13-24シアタートラム

 東直子さんの同名小説の舞台化です。脚本、演出を手掛けたのは俳優座の眞鍋卓嗣さん。上演時間は約2時間30分(途中休憩10分を含む)。

 死者がモノにとりつくファンタジーで、とても面白かったです。照明などのスタッフさんに興味があったので観に行ったんですが、演劇ならではの効果を活かした直球のドラマに素直に感動。明日、4月24日(水)14:00が千秋楽です。

 ⇒毎日JP「舞台:俳優座・真鍋卓嗣が脚本・演出、「とりつくしま」上演−−東京・三軒茶屋のシアタートラム

とりつくしま (ちくま文庫)
東 直子
筑摩書房
売り上げランキング: 151,539

 ⇒舞台写真のスライドショー(2013/05/14追加)
 ⇒CoRich舞台芸術!『とりつくしま
 レビューは記録のみ。レビューを加筆しました(2013/40/30)。

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 死んで心残りがある人は、
 この世のなにかモノを「とりつくしま」にできる。
 死んでしまったあなたに、「とりつくしま係」が問いかけます。
 心残りはありませんか?
 なにかモノにとりついて、
 一度だけこの世に戻ることができますよ。
 さあ、あなたはなににとりつきますか?
 大好きな人の?
 大好きな人のなににとりつきますか?
 でも、とりつくだけです。見守るだけですよ。
 切なくてちょっぴり苦い、不思議な物語。
 温かくて哀しくて、ほんの少しおかしくて、
 心に染みる東直子の人気小説をついに舞台化!
 ≪ここまで≫

 鉄パイプを組んだ2階建ての装置がステージの真ん中に建っています。左右の空間が空いているのですが、可動式の家具や半透明の白いカーテンを広げるので、演劇スペースとして悠々と使われていました。

 年相応の俳優がキャスティングされているのが、老舗の劇団ならではですね。登場人物それぞれがひとつのことを真っすぐに望んでいて、そのベクトルがぶつかったりすれ違ったりして生まれる純粋なドラマに胸打たれました。清らかな空気も良かったです。

 「八百万の神」という言葉があるように、日本人は「物に神(人・霊)が宿る」という感覚には慣れ親しんでいると思います。でもこの作品では、人の方から物になろうとして、物に近づいて行きます。すでに物の中にある霊を見つけるのではなく、霊の方から物に向かい、物の真似をするのです。そのアプローチがとても新鮮でした。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 とりつくしま係は“降ってくる声”を、ほうきとちりとりで集めていました。言葉を細かく分解した音が、劇場の色んなところで反射するように鳴り、エコーします。傘がたくさん出てくるので、雨粒が短い声とともに降ってきて、劇場がしっとりと湿っているようにも感じられました。

 ピッチャーがマウンドで使うロージン(粉が入った袋)になった母に、ピッチャーである息子の方から手を伸ばして、2人が手をつなぐのにグっと来ました。マッサージチェアーになった父が、スイッチを入れられて、誰も座っていないのに肩をもむ動作をしていると、チェアーを眺めていた娘が「お父さん、気持ちいい?」と尋ねます。娘は、亡くなった父がチェアーに座ってマッサージされているように想像していたんですね。父親が肩をもんでいるのに、揉まれているのも父親であるという、演劇ならではの演出のマジックが効果的でした。本気で和みました。

 病気で死んでしまった娘が、補聴器になってまで性格の悪い母親を見守ろうとするエピソードでは、母親は道端で補聴器を捨ててしまいます。この救いのなさ!素晴らしいわ~。上手最前列に座っていたので、床に転がってる2つの補聴器から目が離せなかったです。

 書家のエピソードでは半紙に墨、そしてビャクダンの扇子の香りが、私の中でずっとかぐわしく香っていました。昔、家族が自宅で書道教室をやっていたんです。熱心な書道の先生は向学のために中国に行くし、お土産にビャクダンの扇子を買って帰ってくるんですよね。

 若くして死んでしまった青年は、結局何にとりついたのかしら。私は電車になったんじゃないかと想像したんです。オープニングでミニチュアの列車が走っていたし、彼が周囲を見ながら走るマイムを続けていたから。彼が走りながら見つめていたのは、車窓からの町並みではないかと想像していました。

 最後は、5歳で死んでしまった子供がとりついた青いジャングルジムが出てくるわ、カメラが好きなおじいさんが望んでいたとおりに桜が咲くわ、サービスづくしのハッピーエンドでした。鉄パイプに青い照明が当たった時は、ヤラれたな~と思いましたね。こういう演出なら大団円でも感動できます。

※( )内は演じた役のヒントなど。
出演:阿部百合子(カメラになる祖母70代)、荘司肇(カメラを買った70代男性)、中吉卓郎(書家70代)、片山万由美(書家の妻・60代後半)、加藤佳男(マッサージ機になった父親・50代半ば・会社員)、斉藤深雪(マッサージ機がある家の母親・40代)、山下裕子(難聴の母親・60代)、河内浩(とりつくしま係)、清水直子(野球少年の母親・40代前半・野球のピッチャーが使うロージンになる)、佐藤あかり(難聴の母親の娘・補聴器になる・30代)、若井なおみ(書家に思いを寄せる若い女性桃子・16歳/30代)、野々山貴之(とりつくしまを決められない20代半ばの青年)、野上綾花(マッサージ機がある家の娘)、福原まゆみ(赤ん坊をだっこしてる若い母親)、田中孝宗(マッサージ機がある家の息子・新社会人・20代)、仙名翔一(野球少年) 伊藤悠翔(子役ダブルキャスト) 遠藤隼斗(子役ダブルキャスト)
原作:東直子(ちくま文庫刊「とりつくしま」より)  脚本/演出:眞鍋卓嗣 音楽:金剛地武志 振付:沢のえみ 美術:杉山至 照明:榊美香 音響:天野高志 衣裳:伊藤早苗 ドラマトゥルク:野村政之 演出助手:落合真奈美 舞台監督:宮下卓 グラフィックデザイン:阿部壽 イラスト:柳智之 Web協力:富澤玲子 制作:下哲也、高橋かずえ、水野陽子 主催:劇団俳優座
【発売日】2013/03/04 5,250円  学生 3,675円(学生証提示)
http://www.manabeck.com/toritsukushima/
http://www.haiyuza.net/%E5%85%AC%E6%BC%94%E6%A1%88%E5%86%852013%E5%B9%B4/%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%81%97%E3%81%BE/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:16 | TrackBack

文学座アトリエの会『十字軍』04/16-30文学座アトリエ

 『NASZA KLASA(ナシャクラサ)』で第20回読売演劇大賞最優秀作品賞(2013年)、最優秀スタッフ賞(島次郎)、芸術栄誉賞を受賞した文学座アトリエの会。新作は1988年に書かれたフランス戯曲の上演です。上演時間は約2時間5分、休憩なし。

 演出の稲葉賀恵さんは26歳。文学座で初演出なんですね。今後も観たいと思わせてくれる演出でした。

 ⇒産経ニュース「文学座 26歳の演出家 稲葉賀恵がデビュー 死者の目線で俯瞰する「十字軍」

十字軍/夜の動物園 (コレクション現代フランス語圏演劇)
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 ⇒CoRich舞台芸術!『十字軍

 ≪あらすじ・作品解説≫ 公式サイトより
 十字軍とは11~13世紀、西欧のキリスト教諸侯が聖地 エルサレムをイスラム教諸国から奪還することを目的に、8回にわたり派遣し た遠征軍のことである。
 1988年に書かれたこの作品は、アメリカ 同時多発テロ(2001年)を含めた今日の世界情勢を予見す るかのような作品であり、歴史上のあらゆる人間の愚行によ る犠牲者へのレクイエムであるかのようだ。
 作中に登場する“ めんどりおっ母”は少年十字軍に参加した14人の自身の子供 たちを探して1212年から歩き続けている。彼女は今日もどこかの紛争地を歩く。 そこには数多の死が横たわり、死者は彼女に語りかけてくる。 彼女は14人の母であると同時に犠牲者たちの母でもあるかのよう。 そして犠牲者たちを「あの世」から迎えに来るのはユーモアをたた えた老紳士と老婦人。2人は歴史を超越したような救いの世界を暗示する。
 作品はこうした時間を越えた世界に、今起こりつつある中東 と思しき戦場で生まれ育った若者たちの愛と戦いの物語を重ねて描く。 時に残酷な光景も透明で詩的な台詞で語られる。それは決して美化ではなく、 死を描く事で生を描いているのだ。老婦人の台詞「生きるも死ぬも喜劇みたいなもの。 悲劇にだけはしてはいけませんわ。」という言葉がそれを象徴している。
 ≪ここまで≫

 凄惨なエピソードがいっぱい。でも外部から静観する人物がいて、コミカルにも見せてくれます。

 四方を客席が囲む何もない正方形のステージ。革製の古い旅行鞄を色んなものに見立てます。パイプ椅子が並ぶ客席の中に、木製の椅子がチラホラ。芝居中に俳優が座って、ちょっと客いじりもあったりして、臨場感を出していました。照明で客席も照らすし、出ハケも色々工夫されているけど、1時間で飽きてしまったな~。文学座は劇団員ばかりの公演でも、俳優の演技方法が統一されていませんよね。引き込まれる演技と遠くから眺めるにとどまる演技が混在するので、集中が途切れてしまいます。ただの好みの問題なんですけどね。

 ここからネタバレします。

 死んだらすぐに立ちあがって死者を演じるのが面白いですね。

 妊婦になった女兵士(藤﨑あかね)と、胎児の父親(佐川和正)と、その友人(釆澤靖起)のエピソードがスリリングでした。

出演:坂口芳貞、中村彰男、沢田冬樹、佐川和正、釆澤靖起、倉野章子、山本道子、藤﨑あかね
脚本:ミシェル・アザマ 訳:佐藤康 演出:稲葉賀恵 美術:乘峯雅寛 照明:金英秀 音響効果:青木タクヘイ 舞台監督:寺田修 制作:白田聡 票券:最首志麻子 宣材デザイン:田部井美奈 後援:日仏演劇協会 著作権代理:㈱フランス著作権事務所
【休演日】22日(月)【発売日】2013/03/16 【料金】 全席指定 :前売 4,000円 /当日 4,300円
当日 4,300円 当日券は開演の3時間前より、03-3353-3566 (文学座当日券申込専用)でご予約を承ります。
ユースチケット 2,500円25歳以下/文学座のみの取扱い 
http://www.bungakuza.com/jujigun/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:01 | TrackBack

2013年04月22日

彩の国さいたま芸術劇場『彩の国シェイクスピア・シリーズ第27弾「ヘンリー四世」』04/13-05/02彩の国さいたま芸術劇場大ホール

 蜷川幸雄さんがシェイクスピア戯曲を上演する企画の第27弾。『ヘンリー四世』はもともと第一部、第二部の2部作だそうですが、今回は新構成で1本にまとめられています。上演時間は約4時間20分(途中15分の休憩を含む)。さすがに長かったな~(笑)。

 フォルスタッフ役の吉田鋼太郎さんが素晴らしかったです。彼がいるだけで舞台がキラキラ光るようでした。お話の顛末がとても面白かったです。あの後、『ヘンリー五世』に続くんですね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ヘンリー四世

 ≪あらすじ≫
 ヘンリー四世の息子ハル王子(松坂桃李)は、放蕩の限りを尽くす太っちょの騎士フォルスタッフ(吉田鋼太郎)らと、いつもつるんでいる。
 ≪ここまで≫

 何もない広~い舞台で、背の高い燭台、柱、イス、石像などの配置変えをして、照明で空間を区切って、場面転換します。リアルな絵が描かれた大きな幕が何枚も、書き割りのように使われていましたね。空間が自在に変化していくのが良かったです。奥行きのあるステージが活かされて贅沢ですよね。

 フォルスタッフはすっごく太っているので、吉田鋼太郎さんはお腹からお尻にかけて、まるまると膨らんだ衣装を着ています。動きづらさや体形を利点にした演技の工夫も良かったです。真横から見ても丸いのが可愛いんですよね。特に鎧のデザインが可愛かったな~。

 パンフレットに翻訳の松岡和子さんと、構成の河合祥一郎さんの対談が載っています。『ヘンリー四世』という戯曲の伏線などを解説してくださっていて、とても面白かったです。

 ここからネタバレします。

 ヘンリー四世が亡くなると、ハル王子がヘンリー五世と名乗って王位を継ぎます。ファルスタッフたちに冷たく別れを告げるのは、青春の終わりであり、新しい時代の始まりなんですね。すっごく仲良しだった前半があるから、コントラストがはっきりして、鮮烈な印象を残してくれます。

(第一部 2時間15分/休憩15分/第二部 1時間50分)
≪東京、大阪、福岡、愛知(豊橋)≫
出演:吉田鋼太郎、松坂桃李 木場勝己 立石涼子 星智也 矢野聖人 冨樫真 磯部勉 たかお鷹 辻萬長 瑳川哲郎 手塚秀彰 塾一久 間宮啓行 鳥島昌克 妹尾正文 大川ヒロキ 岡田正 二反田雅澄 清家栄一 飯田邦博 塚本幸男 新川將人 福田潔 井面毅志 篠原正志 澤魁士 野辺富三 土井睦月子 齊藤慎平 中島来星(小姓役Wキャスト) 亜蓮(小姓役Wキャスト)
脚本:W.シェイクスピア 演出:蜷川幸雄 翻訳:松岡和子 構成:河合祥一郎 美術:中越司 照明:勝柴次朗 衣装:小峰リリー 音響:高橋克司 ヘアメイク:佐藤裕子 音楽:阿部海太郎 擬闘:栗原直樹 演出補:井上尊晶 舞台監督:小林清隆 制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ 企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会
【休演日】2/18,25【発売日】2013/01/19 S席 一般9,000円 メンバーズ8,100円 A席 一般7,000円 メンバーズ6,300円 B席 一般5,000円メンバーズ4,500円 学生B席 2,000円
http://saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2013/p04_henry.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:07 | TrackBack

2013年04月18日

THE SHAMPOO HAT『葛城事件』04/17-30ザ・スズナリ

 赤堀雅秋さんの新作、劇団公演です。赤堀さんの岸田國士戯曲賞受賞後第一作で、映画やテレビでご活躍の新井浩文さんの初舞台も話題ですね。鈴木砂羽さん、安藤聖さんの客演も豪華。

 早々に前売り完売して追加公演も瞬殺。ザ・スズナリは文字通り超満員でした。これからご覧になる方は劇場には早めに行った方がいいです。初日は補助席のお客様の誘導などで、定時から10分押しの開演でした。上演時間は約2時間10分。当日券あり。

 ロビーで岸田國士戯曲賞受賞作『一丁目ぞめき』(⇒レビュー ⇒2012年しのぶの小劇場ベスト3)の単行本が販売されていました。私は台本『ゴスペルトレイン』(800円)を開演前に購入。終演後はなんとなくロビーに居づらい雰囲気だったんですよね…。『一丁目ぞめき』買えばよかった!

一丁目ぞめき
一丁目ぞめき
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赤堀 雅秋
白水社
売り上げランキング: 231,045

 ⇒CoRich舞台芸術!『葛城事件
 レビューは後ほどアップ予定。レビューをアップしました(2013年4月22日)。

 ≪あらすじ≫
 死刑囚の葛城稔(新井浩文)と獄中結婚した星野順子(安藤聖)は、葛城の両親(赤堀雅秋&鈴木砂羽)のもとへ挨拶に行く。
 ≪ここまで≫

 マイホームを手に入れ、平凡ながらも幸せな生活を送るはずだった、夫婦と息子2人の4人家族。でも次男(新井浩文)が超問題児で、犯罪を重ねてなんと死刑囚に。死刑囚とその妻を描くだけでなく、家族や幼なじみ、被害者遺族も登場します。とりとめのない、他愛ない会話が、無言でただ一緒に食事をする短い時間が、人生で一番大切なのかもしれないと、素直に思えました。

 いつもの劇団公演よりは空気が軽い目だったように感じました。客演の役者さんの存在感が大きいのもあるでしょうし、初日だったせいもあると思います。きっとこれから密度、濃度が増していくでしょうね。

 新井浩文さんの映画はよく拝見してます。数えてみたら20本弱ぐらい!特に「松ヶ根乱射事件」「BOX 袴田事件 命とは」が印象に残っています。「その夜の侍」で赤堀さんとご縁があったんですね。「その夜の侍」もいい映画でした。初舞台で生で観られて良かったです。どんなに嫌な人間を演じていても可愛らしいなと思ってしまうんですよねぇ~スターたるゆえんでしょうか。

 ここからネタバレします。

 附属池田小事件が題材だとはっきりとわかるほど、事実に則した設定でした。小刻みに連続して光る照明(ストロボ?フラッシュ?なんて言うんだっけ…)の中での暴力シーンは、稔(新井浩文)が振りまわす赤い布が、被害者の血のように見える演出で、面白かったです。

 被害者遺族のうらみ、悲しみには果てがないです。なぜ稔のような無差別殺人犯が育ってしまったのか…。稔が生まれたばかりの時に、若かった母(鈴木砂羽)が育児放棄をしていたことを匂わせる場面がありました。夫と息子2人が、つまり男3人が、家族の中の紅一点である母を取り合っていた風にも見えましたね。母が稔を特に甘やかしていたから、父(赤堀雅秋)と稔の確執が深まっていたようにも受け取れました。

 順子(安藤聖)が葛城家に挨拶に行った時には、真面目で不器用な兄(日比大介)は事業に失敗して自殺、母は心を病んで入院、一人残された父だけが、かつては4人で住んでいた家で一人暮らしをしていました。過去の回想や刑務所での面会など、さまざまなシーンが挟まれますので、家族の現状がわかるのは終盤です。

 稔の死刑が執行され、順子がお骨を持って父の家に行くと、父は順子にキスをしようとしておそいかかります。そして「(稔のように無差別に何人もの)子供を殺したら、お前は俺と結婚してくれるか?」と聞くんです。これには…泣けてしまいました。「その夜の侍」もそうでしたけど、本当に人間は、さびしいんですよね。順子がそれまでに見せたことのない取り乱し方をして怒っていたのが良かったです。本性をあらわしたというか、やはり彼女も、誰でもいいってわけじゃないんですよね。聖人じゃない。

 本当がどうかはわからないけど(警備員が嘘をついたのかもしれないから)、死刑執行直前に稔が順子に「ありがとう」と言い残していたことは、希望だと思いました。

 新井さんがSMAP(だったっけ?)やモーニング娘。のカラオケを歌うのって、反則(笑)。可愛すぎる。

第28回公演
出演:出演(順不同):野中隆光(葛城清のいとこ・ヤクザ) 児玉貴志(被害者遺族) 日比大介(稔の兄) 黒田大輔(スナックの店員) 滝沢恵(ヘルパー) 赤堀雅秋(葛城清・稔の父) 鈴木砂羽(稔の母) 安藤聖(星野順子・稔と獄中結婚) 新井浩文(稔) 吉牟田眞奈(稔の三番目の妻) 勢古尚行(刑務官) 菊妻亮太(稔に暴行される) 遠藤留奈(稔に強姦される)
脚本・演出:赤堀雅秋 舞台監督:伊東龍彦 久寿田義晴  照明:杉本公亮  音響:田上篤志(at Sound) 舞台美術:鈴木健介 衣装:坂東智代 かつら協力:山本絵里子 ヘアーメイク:貴島貴也 栗原由佳 宣伝美術:斉藤いづみ(ryhme.inc)  宣伝PD:野中隆光 舞台収録:原口貴光(帝斗創造)  舞台写真:引地信彦  制作助手:谷慎 製作プロデューサー:西田圭吾  制作:武田亜樹  票券:藤田晶久(palette&bullet) 代役:勢古尚行 演出助手:菊妻亮太 企画製作:HOT LIPS 
【休演日】4/24【発売日】2013/03/10 指定席:前売3800円 当日4500円 自由席:前売3500円  当日3800円
早割(17日18日19日の三日間限定 ※指定席のみ取り扱い) 指定席:前売 3300円  当日 4000円
☆学生割引 ----学生割引に早割は適応されません。---- 指定席 前売 2800円  当日 3200円 自由席 前売 2500円  当日 2800円  注)劇団取り扱いチケットのみ。要学制証提示。
http://www.shampoohat.com/special/1115.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:28 | TrackBack

2013年04月15日

青年団『平田オリザ・演劇展vol.3「走りながら眠れ」』04/10-21こまばアゴラ劇場

 平田オリザさんの昔の戯曲を上演する企画の第3弾。『走りながら眠れ』は好評で3演目だというので拝見。上演時間は約1時間20分。

 大杉栄(古屋隆太)とその妻野枝(能島瑞穂)が登場する二人芝居でした。残念ながら終始退屈してしまいました。 

 ⇒CoRich舞台芸術!『平田オリザ・演劇展vol.3「走りながら眠れ」

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 「ただいま」「おかえりなさい」
 社会主義運動の中で虐殺された、大正時代のアナキスト・大杉栄と妻の伊藤野枝。
 恋愛スキャンダル、幾度にもわたる投獄 —
 壮絶な人生を辿りながら、どこまでも己を貫いた彼らの
 最期の2ヶ月を繊細に綴った、大人の会話劇。
 何気ない日常の中から、2人の生き様を覗き見てください。
 「平田オリザ・演劇展vol.1」で好評を博し、待望の再々演。
 ≪ここまで≫

 『美しきものの伝説』『ブルーストッキングの女たち』などを観ていますので(関連レビュー⇒、4)、大正時代のアナーキストたちのイメージはある程度、私の記憶の中にありました。ある意味、先入観ですが。『走りながら眠れ』というタイトルにあるとおり、突っ走り続けた大杉と野枝のほんの束の間の“眠り”と言えるのであろう、だんらんの時間に敢えてスポットを当てたのかなと思います。

 ここからネタバレします。

 四幕とも居間でのんびりする時間を描いていて、「この瞬間はこの演技(発語・発声・動作)」と決めて、それを丁寧になぞっているように見えました。背後にある時代の狂騒、焦燥感などが私には感じられなかったです。
 俳優の演技によってではなく、語られる言葉の意味やテンポ(間あい)、2人の位置関係を材料に、観客が言外の世界を想像すればいいという意図なのかもしれません。つまり、自然な演技のストレート・プレイにみせかけて、実は計算し尽くされた演出がほどこされた舞台である、と解釈できます。私は俳優の演技重視なので、それだと退屈してしまうんですよね。

充実の3作品を一挙上演! 上演演目:『この生は受け入れがたし』『走りながら眠れ』『銀河鉄道の夜』
出演:山内健司、たむらみずほ、渡辺香奈、川隅奈保子、能島瑞穂、古屋隆太、佐藤誠、小林亮子、森内美由紀、菊池佳南、富田真喜、緑川史絵
脚本・演出:平田オリザ 舞台美術:杉山至  照明:西本彩  音響:泉田雄太  映像:ワタナベカズキ 衣裳:有賀千鶴、正金彩  フライヤーデザイン:京 (kyo.designworks)  制作:堤佳奈
【休演日】4月16[火]【発売日】2013/03/02[日時指定/全席自由/前売・予約・当日共]
『この生は受け入れがたし』 一般3,000円
『走りながら眠れ』 一般3,000円
『銀河鉄道の夜』 一般2,000円 高校生以下1,000円
http://www.seinendan.org/jpn/info/2013/04/engekiten/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:04 | TrackBack

2013年04月11日

東京芸術劇場『おのれナポレオン』04/06-05/12東京芸術劇場プレイハウス

 三谷幸喜さんの新作です。野田秀樹さんがナポレオンを演じます。他の出演者に対して背が低いのが可愛らしい!変種の小動物みたい(笑)。

 上演時間は約2時間20分(休憩なし)。体感時間的にちょっと長かったですね。途中休憩があっても良かったんじゃないかと思いました。

 5月19日(木)19時開演の回にてライブ・ビューイングを実施!全国の映画館と6か所の公共劇場(新潟、長野、愛知、兵庫、福岡、熊本)での同時生中継です。すっごい!

 ⇒CoRich舞台芸術!『おのれナポレオン
 レビューは記録のみ。

 ここからネタバレします。

 一番笑ったのは野田秀樹さんと天海祐希さんの「ボン・ボヤージュ!」。天海さんがフラメンコ(?)を踊りはじめた時、美しかった~。

 まさか冒頭から登場していた「ビクトール」が○されるとは。最後まで観て『おのれナポレオン』というタイトルの意味がわかるのもいいですね。

"L’honneur de Napoléon"
出演:野田秀樹、天海祐希、山本耕史、浅利陽介、今井朋彦
脚本・演出:三谷幸喜 美術:堀尾幸男 照明:服部基 音響:井上正弘 音楽:高良久美子 衣裳:前田文子 ヘアメイク:宮内宏明 振付:原田薫 映像:中安翌 演出助手:大江祥彦 舞台監督:松坂哲生 チェス監修:若島正 東京芸術劇場技術スタッフ 技術統括:白神久吉 企画協力:株式会社コードリー/中林弘恵 高橋小百合 [東京芸術劇場]制作:内藤美奈子 中山静子 古田佳代 広報:藤井満里子 築有希 宮村恵子 票券:佐島めぐみ [株式会社TBSテレビ]信国一朗 難波一弘 岩原貞雄 河出洋一 熊谷信也 高木理恵子 一倉梨紗 企画制作:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/TBS
【休演日】4/8,15,22,30 5/7【発売日】2013/01/26(4月6日、7日プレビューあり)
S席 9,000円(プレビュー8,000円) ステージシート 9,000円(プレビュー8,000円)※この席は舞台上の両サイドに設けられる席です。詳しくは劇場ボックスオフィスまでお問い合わせください。 A席 7,000円(プレビュー6,000円) サイドシート 5,000円(プレビュー4,500円) 65歳以上割引 5,000円(プレビュー4,500円)/25歳以下サイドシート 3,000円(プレビュー2,500円)/高校生割引 1,000円
※65歳以上、25歳以下、高校生割引チケットは、東京芸術劇場ボックスオフィスにて、前売のみ取扱い。(枚数限定・要証明書)
※障害をお持ちの方:割引料金にてご観劇いただけます。詳しくは劇場ボックスオフィスまでお問合せ下さい。
http://www.geigeki.jp/performance/theater018/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:41 | TrackBack

【オーディション】RUP「『飛龍伝』出演者募集(男優のみ)」※4/19〆切(郵送のみ)

 今年10月の『飛龍伝』青山劇場公演(作:つかこうへい 演出:岡村俊一)のオーディション情報です。満16歳以上の心身共に健康な男性ならプロ・アマ問わず。詳細は公式サイトでご確認ください。

 2003年のつかこうへい演出版『飛龍伝』には成河さんが出演されていました。懐かしいです。

 ●RUP『飛龍伝』
  2013年10月@青山劇場
  作:つかこうへい 演出:岡村俊一
  応募締切:4月19日(金)※郵送のみ
  応募資格:プロ、アマ問わず。満16歳以上の心身共に健康な男性。

 ●RUP『飛龍伝』男性出演者オーディションのお知らせ ※公式サイトより

プロアマ問わず実力のある俳優と出会いたいと考え、「飛龍伝」オーディションを行う事にいたしました。
ご応募心よりお待ち致しております。

――――――出演者オーディション応募条件――――――
応募資格

◆プロ、アマ問わず。満16歳以上の心身共に健康な男性。
◆稽古、公演に全日程参加可能であること。
(稽古:2013年9月上旬から都内スタジオにて)

選考方法

書類選考後、二次審査。(面接、実技)
二次審査は5月3日を予定いたしております。(都内スタジオにて)
同封いただいたおハガキにてご連絡いたします。

応募方法

別紙応募用紙記入の上、写真(全身、バストアップ)を添えて郵送にてご応募ください。
所属事務所、所属劇団のプロフィールでも可。
合否のご連絡は郵送にて行います。官製ハガキに御自身のご住所お名前をお書きの上、同封ください。
尚、提出された資料は返却されませんので、ご了承ください。

応募締切:4月19日(金)

郵送先:
〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-27-13-603 (株)アール・ユー・ピー オーディション係


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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Posted by shinobu at 20:05 | TrackBack

新国立劇場演劇『効率学のススメ』04/09-28新国立劇場小劇場

 ナショナル・シアター・ウェールズ(NTW)の芸術監督ジョン・E・マグラーさんが演出する、新国立劇場の新作。脚本はウェールズ出身の新進劇作家アラン・ハリスさんです。上演時間は約1時間55分。⇒関連リンク・記事など ⇒舞台写真

 滑稽で皮肉が効いていて、とても面白い脚本でした。四方から客席が囲むステージは珍しい!(小劇場では『ゴドー…』以来?) 私が拝見したのは2ステージ目で、まだ演出意図通りの完成度ではなかったのかな~という印象を受けました。

 「悲劇喜劇2013年4月号」↓に戯曲が掲載されています。ロビーで販売していたかどうかは未確認。私は以前に購入していました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『効率学のススメ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 ある製薬会社の研究室のリーダー、イフィー(宮本裕子)は、新しい医薬品を開発したことを上司グラント(中嶋しゅう)に報告した。その頃、ビジネス・アナリストのケン(豊原功補)が雇われ、研究開発の効率化に関する調査が始まる。彼による時間管理調査などの「ブラウンペーパー作業」は、研究を打ち切るためではないかと社内でも疑わしい。イフィーは早くこの新薬を発表し、より多くの患者を助けたいと願う。ケンはイフィーらと交流するうちに、人生は数値では測れないことに気付き、効率化の推進に疑問を持ち始める……。
 ≪ここまで≫ 

 客席四方囲みのシャープな抽象美術です。2階席の柵に白いパネルがぐるりと貼り付けられて、その全面に映像が映されます。

 若い研究者の2人(田島優成&渋谷はるか)が可愛らしかったです。可愛いといえば、田島令子さんが走る場面で着ていた衣装がすっごく可愛かった~。

 パンフレットの稽古場日誌(演出補:上村聡史)は興味深い内容で、私が拝見する稽古場とは全然違いました。他の記事も充実。

 ここからネタバレします。かなりおおざっぱで間違ってると思いますので、そのおつもりでどうぞ。

 オープニングで、豊原功補さんが天井から吊り下げられ、舞台のど真ん中で宙に浮いた状態で独白するのには、思いっきり笑ってしまいました。こういう笑いがもっと起こったら良かったのにな~。豊原さんは映画でよく拝見するのですが、いつもとは全然違うキャラクターを作り上げられていて、面白かったです。でもあのイフィーと恋に落ちるとは思えなかったですね。お2人の演技の調子によるのかも。

 イフィーが発見したたんぱく質は、放射線治療の副作用を軽減する働きをするものでした。リストラされないように(リストラされても困らないように ※他にも理由はあったと思います)イフィーは自分の研究成果を個人名で特許申請するのですが、最後には国がそれをお蔵入りにしてしまいます。理由が怖い…。放射線治療の副作用がなくなったら⇒「抗がん剤を使わなくなったり、完治して病人が減ると、製薬会社や医師が困る」「放射性物質による健康被害がないとなると、原発が増えて石油産出国が困る」など。

 科学的な発見があった時に起こる3つの事柄(「嘘だと言われる(=信じてもらえない)」「重要だと思われない(=軽視される)」「発見者ではない人が称賛される(=称賛されるべき人が称賛されない)」)が、物語内で忠実に再現されます。がっかりしてあきれるやら、あまりに愚かで可笑しいやら。リタイアまであと4年の中間管理職の男性(中嶋しゅう)が、「あまりに非効率的(だから部下が育った)」という理由で出世&昇給なんて、ひどいオチですよね(笑)。でも、そういうもんなんだろうな…。

 そうそう、数字が降ってくる映像は映画「マトリックス」ですよね(笑)!背広の豊原さんと相まって可笑しさ倍増。

With ─つながる演劇・ウェールズ編─
出演:豊原功補、宮本裕子、田島優成、渋谷はるか、田島令子、中嶋しゅう
脚本:アラン・ハリス(Alan Harris) 翻訳:長島確 演出:ジョン・E・マグラー(John E McGrath) 美術:二村周作 照明:小川幾雄 音楽:後藤浩明 音響:加藤温 衣裳:伊藤早苗 ヘアメイク:川端富生 映像:冨田中理 ステージング:中村蓉 演出補:上村聡史 舞台監督:大垣敏朗 芸術監督:宮田慶子 主催:新国立劇場 協力:ナショナル・シアター・ウェールズ 協力:ブリティッシュ・カウンシル
【発売日】2013/02/24 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
http://nnttplay.info/with3/kouritsu/
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000603_play.html

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2013年04月10日

【ワークショップ&発表会】イデビアン・クルー「ワークショップ&ショーイング」※5/19〆切(メールのみ)

 振付家・ダンサーの井手茂太さんのダンス・カンパニー“イデビアン・クルー”が、2日間のワークショップを実施します。両日発表会あり。詳細は公式サイトでご確認ください。
 井手さんは椎名林檎さんのコンサートの振付もされています。第62回NHK紅白歌合戦も井手さんの振付で、イデビアン・クルーのメンバーが出演されていました。

 ●イデビアン・クルー「ワークショップ&ショーイング」
  日程:2013年5月25日(土)/26日(日) 各日とも14:00~18:00
  会場:KAAT 神奈川芸術劇場 8階アトリエ
  受講料:¥3,000 (お1人様1日限り)
  定員:各日とも20名程度
  応募〆切:2013年5月19日(日) 23:59 まで
  ※メールもしくは専用フォームより

【イデビアン・クルー ワークショップ&ショーイング】 公式サイトより

今秋10月にKAAT 神奈川芸術劇場で上演する新作公演に先駆けて、イデビアン・クルーによるワークショップを開催!振付家・井手茂太の作品創作の過程を、カンパニーメンバーと一緒に体験してみませんか?
日程:2013年5月25日(土)/26日(日) 各日とも14:00~18:00
会場:KAAT 神奈川芸術劇場 8階アトリエ 

内容:
その人らしい動きを見つけてみたり、その人らしくない動きに挑戦してみたり、その場で生まれてくるムーブメントを井手独自の振付手法で発展させていきます。また、メンバーを交えたグループワークで創作するなど、協同的な出会いの中で芸術活動に主体的に関わっていただきます。最後にその日出来たての小作品を参加者全員で発表します。

対象:
18 歳以上40 代までの男女。
ダンス経験がある方、または普段から体を動かしている方。
イデビアン・クルーの活動に興味がある方。

受講料:¥3,000
定員:各日とも20名程度
※各日とも同じ内容のため、お1人様1日限りとさせていただきます。
※応募者が多い場合は、応募書類による書類選考をします。

応募方法:
コチラのフォームから、必要事項を入力の上ご応募ください。

応募〆切:
2013年5月19日(日) 23:59 まで
選考結果は5月22日(水) までにメールにてご連絡いたします。

【ショーイングのご案内】
完全予約制、入場無料でご観覧いただけます。
当日受付 17:15~17:40 KAAT 神奈川芸術劇場2 階チケットセンター前
上演時間 17:45~18:00 (各日とも)
予約方法:
メールにて「ショーイング観覧希望」と件名明記の上、下記の内容をお知らせください。
宛先 reserve(アットマーク)idevian.com
①お名前(フリガナ) 
②観覧希望日
③人数
④日中連絡のつく電話番号
※座席はございませんのでご了承下さい。収容人数に限りがございますので、定員になり次第受付を終了させていただきます。

【主催・お問合わせ】
days(井手茂太/イデビアン・クルー制作事務所)
TEL&FAX:03-3464-5026 (平日13:00~19:00)
E-mail:reserve(アットマーク)idevian.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:23 | TrackBack

2013年04月08日

【情報】ナショナル・シアター・ウェールズ「レジデンスプログラム“Wales Lab”2014年日本人アーティスト招聘プログラム説明会」04/11ブリティッシュカウンシル

 新国立劇場で明日初日を迎える演劇公演『効率学のススメ』は、ナショナル・シアター・ウェールズ(NTW)の芸術監督ジョン・E・マグラーさんが演出されています。NTWは劇場の建物を持たない世界一新しい国立劇場と呼ばれており、今回の来日公演を機に色んな媒体に採り上げられています。

 ⇒国際交流基金「ジョン・E・マグラーさん・ロングインタビュー
 ⇒産経新聞「ごく普通の人が共鳴できる物語です 無頼「効率学のススメ」演出 ジョン・E・マグラーさんインタビュー
 ⇒新国立劇場「ウェールズ現地レポート第1回““アッセンブリー(国会集会)”」
 ⇒ブリティッシュ・カウンシル「ナショナル・シアター・ウェールズ芸術監督を囲んだ意見交換会
 ⇒新国立劇場「世界の劇場・ウェールズ“世界で最も新しいナショナル・シアター”
 ⇒舞台制作者のミーティングレポート「今、注目を集める新しい公共劇場のあり方―ナショナル・シアター・ウェールズのスタッフを囲んだ意見交換会

 NTWは2014年に、アーティストを支援するレジデンスプログラム“Wales Lab”の初の国際プログラムとして、日本人のアーティスト2名をウェールズに招聘し、レジデンスの機会を提供するそうです。説明会が行われますので、我こそはと思うアーティストの方々はぜひ参加してください。詳細はこちら

 ■ブリティッシュ・カウンシル主催
  「ナショナル・シアター・ウェールズレジデンス プログラム“Wales Lab”
  2014年日本人アーティスト招聘プログラム説明会」
  日時:4月11日 15:00-17:00
  会場:ブリティッシュ・カウンシル(新宿区神楽坂1-2)
  参加申し込み:申込フォームに必要事項をご記入の上お申し込みください

 ★『効率学のススメ』は今月のメルマガでいちおしNo.1の演劇です。新国立劇場小劇場THE PITがすごいことになってるらしい!

Posted by shinobu at 18:34 | TrackBack

【ワークショップ・オーディション】tpt「『エンジェルス・イン・アメリカ』キャスティングのためのワークショップ」4/20-27※〆切日不明(郵送、Fax、メール)

 tptが今年末から来年にかけて『エンジェルス・イン・アメリカ(Angels in America) I部&II部』を上演します。キャスティングのためのワークショップ参加者募集情報です。詳細は公式サイトでご確認ください。

 tptの『エンジェルス~』は2004年、2007年に上演されました(演出:ロバート・アラン・アッカーマン)。⇒2007年メルマガ号外 一挙上演すると全部で7時間以上かかる大作なんですよね。2011年に拝見したKUNIO09『エンジェルス~』一挙上演(演出:杉原邦生)も素晴らしかったです。

 ●tpt『エンジェルス・イン・アメリカ』
  公演期間:2013年12月~2014年1, 2月(予定)
  作:トニー・クシュナー 演出:門井均・他
 ・ワークショップ・オーディション
  期間:4月20日(土)~4月27日(土)
  オーディション:4月27日
  昼クラス 2pm~5pm (15名) 夜クラス6pm~9pm (15名)
  参加費:20,000円(テキスト代込み)
  ※9名で15役を演じます。

■tpt Workshops - 2013 参加メンバー募集 !

tpt2013シーズン、あらたな劇空間、隅田川左岸リバーサイド・スタジオで若い才能たちとともに新しいプロジェクトをスタートします。
『ANGELS IN AMERICA』『DANCING AT LUGHNASA』の公演に向け、キャスティングのためのワークショップ参加者を募集します。

●『エンジェルス イン アメリカ』

I部 ミレニアム II部 ペレストロイカ
作 / トニー・クシュナー 訳 / tpt Workshop 演出 / 門井均・他

4月20日(土)~4月27日(土)
エクササイズ & シーンスタディ
オーディション 4月27日
昼クラス 2pm~5pm (15名) 夜クラス6pm~9pm (15名)
公演 2013年12月~2014年1, 2月(予定)
参加費 20,000円(テキスト代込み)

キャスティング
男 ロイ・コーン/ジョー/ルイス/プライアー/ベリーズ/ラビ
女 ハーパー/ハンナ/天使
9名で15役を演じます。

<参加申込>
希望するワークショップ、クラス、演技経験、歌、ダンス、楽器演奏など得意技能を申込用紙に記入の上、郵送、Fax、メールにてお申し込みください。

tpt シアタープロジェクト・東京 url http://www.tpt.co.jp / e-mail workshop(アットマーク)tpt.co.jp
江東区新大橋1-12-11 近泉ビル3F tel. 03-3635-6355 fax. 03-3634-1352 (担当 亘理智子/門井絵璃)

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:33 | TrackBack

2013年04月07日

ナイロン100℃『ゴドーは待たれながら』04/06-14東京芸術劇場シアターイースト

 ベケット作『ゴドーを待ちながら』と対になるように書かれた、いとうせいこうの戯曲です。主演は大倉孝二さんで、演出はケラリーノ・サンドロヴィッチさん。

 大倉さんの演技で見せるシンプルな演出で、とても面白い戯曲でした。上演時間は約2時間弱(途中休憩1回を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ゴドーは待たれながら

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 ケラリーノ・サンドロヴィッチ、ついに芸劇に登場!
 ナイロン100℃ side SESSION#12『ゴドーは待たれながら』公演決定!!
 サミュエル・ベケットの20世紀を代表する戯曲「ゴドーを待ちながら」を下敷きに、待たれている男の一人芝居を描いた、いとうせいこうの92年の傑作「ゴドーは待たれながら」。
 KERAが10年以上にわたり大倉を口説き、今芸劇で伝説の舞台が蘇ります。
 ≪ここまで≫

 とことん笑いを追求しているようにも見えて、お芝居や現実といった目の前にあるもの以外の何かを、常に想像させる戯曲でした。大倉孝二さんという人気俳優が、とても小さい劇場でたった一人、観客の前にさらされているという状態が面白かったです。ただ、たくさんある引き出しの中から、いつもの大倉さんの得意技を巧みに繰り出されると、少々退屈してしまったりも。

 ここからネタバレします。

 アルベールからの伝言を継げる少年(声の出演:野田秀樹)が、主人公の男性をアルベールだと思って、ドアの外から語りかけます。

 世界にたったひとつだけ残された生命体が妊婦だったら…?というお題で、大倉孝二さんが胎児を演じる場面が一番可笑しかったかも。

 最後の「行こう!」って何だったのかな。やはり堂々巡りなのか、それでも希望を抱くってことなのか。

ナイロン100℃ side SESSION#12 "Godot en étant attendu" もとの作品は"En attendant Godot (Waiting for Godot)"
≪東京、大阪、愛知、宮城、盛岡、茨城、≫
出演:大倉孝二 声の出演:野田秀樹
脚本:いとうせいこう 演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 音楽:鈴木光介 美術:BOKETA 照明:関口裕二(balance,inc.DESIGN) 音響:水越佳一(モックサウンド) 衣装:宮本宣子 ヘアメイク:宮内宏明(M's factory) 演出助手:相田剛志 舞台監督:菅野將機 宣伝美術:榎本太郎(7X_NANABAI inc.) 宣伝写真:渞忠之 プリンティングディレクター:青山功(リトルウィング) [東京芸術劇場] プロデューサー:高萩宏 制作:古田佳代 票券:佐島めぐみ 広報:梁有希 [キューブ] プロデューサー:北牧裕幸 高橋典子 制作:川上雄一郎 青野華生子 広報宣伝:米田律子 太齋志保 主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) キューブ
【発売日】2013/02/03 一般:4,900円(前売・当日共) 25歳以下、65歳以上:3,900円(枚数限定)  高校生割引:1,000円(枚数限定)
http://www.geigeki.jp/performance/theater019/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:16 | TrackBack

2013年04月05日

こまつ座&ホリプロ『木の上の軍隊』04/05-29 Bunkamuraシアターコクーン

 井上ひさしさんの幻の新作が、蓬莱竜太さんの脚本、栗山民也さんの演出によって復活。上演時間は約1時間55分。

 2010年に藤原竜也さん、吉田鋼太郎さん、北村有起哉さんの三人芝居として上演予定でした。この記事によると、1990年に千田是也さん演出で、すまけいさんと市川勇さんの二人芝居で上演されるはずだったんですね(この時は井上さんが書き上げられず公演中止)。
 ⇒朝日新聞「沖縄へ 終わりなき思い 井上ひさしさん未完の戯曲

 もの凄かったです…。東京公演の後、愛知、大阪、愛媛、長崎、広島、福岡でも上演されます!
 2度繰り返されたセリフを、どうしてももう一度、文字で味わいたくて、戯曲掲載の雑誌↓を購入しました。

 こちら↓の記事で舞台写真が見られます!
 ⇒シアターガイド「井上ひさしの幻の作品がよみがえる 舞台『木の上の軍隊』が開幕
 ⇒CoRich舞台芸術!『木の上の軍隊

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 2010年に他界した劇作家の井上ひさしが
 最後まで書こうとした「木の上の軍隊」
 それは、戦中戦後、2年の間ガジュマルの木の上で生活した兵士の物語だった。
 書くことが叶わなかったその思いを、井上ひさしを知り尽くす
 栗山民也の演出で、新鋭、蓬莱竜太が書き下ろす。
 ここに新たな物語が生まれる・・・。
 ≪あらすじ≫

 終戦間際と直後の2年間の沖縄が舞台で、今の日本と沖縄が常に透けて見えるお芝居でした。井上ひさしさんの新作を観る時のように、落ちる涙を拭くこともできず、グサグサと胸に刺さり続けるセリフたちを聴いて(身体に入れて)いました。『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』の影響で言葉に敏感になってるせいもあるかもしれません。

 照明が素晴らしかったです。暗転なしで場面転換。色や当て方を変えることで、季節(夏や冬)や時間(朝や夜)がわかります。暑さ、汗臭さ、寒さ、透明感のある空気、そよ風まで感じられるぐらい。

 三人芝居とは思えない、広がりがありました。空間としても、時間としても。登場しない人々がたくさん見えました。

 ここからネタバレします。

 木の上の2人が培ったものが「不理解」だった、という女のセリフも刺さりました。

 新兵:守られているものに怯え、怯えながら……すがり、すがりながら、憎み……憎みながら、信じるんです……もう、ぐちゃぐちゃなんです。

≪東京、愛知、大阪、愛媛、長崎、広島、福岡≫
出演:山西惇、藤原竜也、片平なぎさ ヴィオラ:徳高真奈美
原案:井上ひさし 脚本:蓬莱竜太 演出:栗山民也 美術:松井るみ 照明:小笠原純 音響:山本浩一 衣裳:前田文子 メイク:鎌田直樹 演出助手:田中麻衣子 舞台監督:加藤高 主催:こまつ座&ホリプロ
【休演日】4/9,16,23【発売日】2013/02/16 S席:10,000円 A席:8,500円 コクーンシート:5,000円(全席指定・税込)
http://www.komatsuza.co.jp/
http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=204

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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Posted by shinobu at 23:12 | TrackBack

テアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』03/29-04/07こまばアゴラ劇場(3度鑑賞後の感想)

 初日の後に知人を連れてもう一度、二度という風に、合計三回鑑賞しました。こんなに通ったのは本当に久しぶりです。チェルフィッチュ『三月の5日間』以来かしら。あれはトークなど含めて7回でしたが。上演時間は105分とアナウンスされていました。

 ⇒Yahoo!ニュース「偉大な哲学者が戦地で到達した真理とは? 舞台『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』が開幕

 ⇒休むに似たり。レビュー
 ⇒CoRich舞台芸術!『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)

 まるで作品に恋してしまったかのように(笑)、こまばアゴラ劇場に通いました。不思議なものです。おそらく観る・聴くだけでなく体験するタイプの作品で、役者さんの演技が毎度新鮮だからだと思います。回を重ねて人物の背景が濃くあらわれるようになり、軽いBL色が薄まっていたのも良かったです。

 あらためて言葉というものの機能を、正体を、知り直したように感じました(まだまだ奥深いものなのだろうけど)。こんなにも言葉というものを、言葉という存在として味わったことはなかったです。もっと言葉を覚えて、もっと世界を知って、私を満たしたい。言葉を大切に扱って、私の分身のように、身にまといたい、そんな気持ちになりました。

 私はいつも、知ったような気でいて本当は知らなかったことを、劇場で学び直します。私にとって劇場に行くことは、教会に行くことと似ていると、以前にツイッターに書いた覚えがあるのですが、この作品はまさにそれでした。ごく個人的なことですが、ここ最近で仕事の方向性や生活自体が変わるような出来事が重なったのもあり、偶然に、私の人生の何らかの契機と呼べる公演になったようです。

 メルマガ号外発行に至らなかったのは、振れ幅が大きそうで、ステージごとにかなり違う仕上がりになるだろうと予想したからです。完成度や質感、臨場感といった尺度において、常に高得点を叩き出すかというと、それは難しいんじゃないかと。それに、私が考え付いた尺度に信憑性があるとは思えなくて、「正解」が見えなかったから、ですね。ぜひ劇場で、ご自身で体験して、確かめてくださいませ!

 ※このタイミングで下記ブログを読みました。「言葉は人間そのもの」ですね。
 ⇒観察映画の周辺 Blog by Kazuhiro Soda『言葉が「支配」するもの 橋下支持の「謎」を追う

 ここからネタバレします。作品紹介というより個人的解釈を述べただけになっています。

 言葉は、世界を絵画のように写し取ることができる。さらには目の前の現実とは違うこと、偽なることもあらわすことができる。たとえば過去や未来を語ったり、夢、希望、空想を語ったり。でも、言葉を知らなければ、そもそも語ることはできないし、考えることもできません。たとえば「宇宙」という言葉が何をあらわすかを知らなければ、宇宙を想像できません。劇中ではルートヴィヒとピンセントが通っていた大学の名前や、三月うさぎ、トランプの女王など、知る人ぞ知る固有名詞も出てきました。これも2人が知っているから語り合えること。2人は地球、太陽系、宇宙と想像を広げて行きますが、名前や意味を知っているから、想像し、言葉にして、語ることができます。人間は言葉にならない(知らない)ことについて、思考することはできないのです。ということは、知っている言葉が増えれば増えるほど、思考もできるし語ることもできる。つまり言葉は、中身も外見も含めたその人自身をあらわすのだと気づきました。

 ルートヴィヒは「宇宙は暗い」という事実を言いますが、ピンセントは「宇宙は明るい。なぜなら君がいるから」と答えます。世界に自分一人しかいなかったら、人間は自分の存在を確認できない(はっきりしない・あいまいだ)から、すなわち不在(闇・無)になる。誰かが自分を認識してくれて初めて、人間は自分の存在が確かになるのです。それが、光。冒頭の聖書にもつながりますね。「はじめに言葉ありき」「闇は光に勝たなかった」。塹壕の暗闇よりも、ライトが当たる哨戒塔の上を選ぶカミル(井上裕朗)の気持ちもわかる気がします。ルートヴィヒは、向かってくるロシア軍を目視するまでは彼にとっての戦争があいまいで、戦場にいるという確信が得られないと考え、哨戒塔に登る決意をします。命が狙われ絶体絶命になった時に、はじめて彼の命の存在がはっきりするから…。

 スタイナー軍曹の「勝つ時は勝つ、死ぬ時は死ぬ」「負けない限り勝つ」といったうセリフは、本当に何も言いあらわしていないですね。そして彼はくじ引き(運)にこだわります。前説でタイトルを語り聖書を朗読するのも彼ですし、最後にランプの火を消すのも彼。舞台中央に登場してから、なぜか無言の間(ま)を長く取ったり、机の周囲をゆっくりと歩きながら、不思議な発語方法で歌うように長いセリフを言う場面もありました。それは、彼は登場人物“スタイナー軍曹”であると同時に、“神”を象徴する存在だったのだと、私は解釈しました。なのでスタイナーを演じた榊原毅さんだけが、色合いの違う演技方法だったことは、違和感とともに納得して受け取りました。

 “スタイナーの趣味は読書”の意味って何だったんだろう…。人間は、小説の意味が分からなくても胸にグっと来たり、神の存在自体が確かめられないのに祈ったりします。この記事で読んでハっとしたんですが、どうやら「神は感じるもの」だと解釈していいのではないでしょうか。自分が感じれば、それは存在する、としてもいいのでは…? ルートヴィヒはピンセントにあてた手紙の最後で、こう断言しました。「今や、愛もまた、疑い得ない」。愛の存在は証明できないですが、言葉にすることでルートヴィヒの気持ちは確かになりますよね。言葉にして声に出し、書いて文字にすれば、定着します。

 暗闇のシーンの終わりに、ランプに火がついたのかどうかという謎が残されました。ミヒャエルは「つけました」と言ったけど、実際には火はついていませんでした。禅問答のようです。あのシーンは、舞台だけでなく客席までもぼんやり照らしてしまうLEDの不思議な質感の明かりも含めて、「外側」の世界だったと思います。この物語の「外側」であり、登場人物、俳優、観客すべてにとって、「内側にいたら決して見えないはずの外側」をあらわしたものだったのではないでしょうか。

 最後にピンセントが1ヵ月前に既に死亡していたことが判明し、舞台上に登場したピンセントは、ルートヴィヒの想像であったことが明らかになります。ルートヴィヒはピンセントに手紙を書くことで「仕事(哲学の研究)」の進捗を確認していたし、仕事(思考)中もピンセントと対話をしていましたが、それは全部、ルートヴィヒの頭の中で作りだしたことだったんですね。よく考えてみたら、人間は同じものを見ていてもそれぞれに違う感想を持つし、そもそも同じものなんて見ていないこともあります。突き詰めて行くと、人間は他者と全てを理解し合うことは不可能で、何をしようとしなかろうと、人生の全ては自分一人だけのもの…。そう腹をくくった方いいのかもしれません(どうやら私はまだその境地には至っていないらしい)。
 作・演出の谷賢一さんのツイッターを読んでいると、彼がこの作品を経て大きく変化しようとしている(おのずと変化を迫られている)ことが感じ取れます。彼の次回作(戯曲)が楽しみになりました。
 
Théâtre des Annales vol.2従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“──およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか? という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語」
出演:伊勢谷能宣(ベルナルド)、井上裕朗(カミル)、榊原毅(スタイナー)、西村壮悟(ルートヴィヒ)、山崎彬(ミヒャエル) 
脚本・演出:谷賢一 舞台監督:川田康二 照明:松本大介 美術:土岐研一 WEBデザイン:仮屋浩太郎(HiR design)  WEB作成:三浦学 宣伝美術:今城加奈子 写真撮影:引地信彦 ドラマトゥルク:野村政之 制作:小野塚央 赤羽ひろみ プロデュース:伊藤達哉 企画制作・主催:テアトル・ド・アナール、ゴーチ・ブラザーズ 協力:DULL-COLORED POP、青年団
【発売日】2013/02/23 整理番号付き自由席 前期(3月31日まで)3000円/当日券 3300円/U25 2500円後期(4月7日まで)3500円/当日券 3800円/U25 3000円未就学児童は入場不可。
http://www.theatredesannales.info/
http://www.komaba-agora.com/line_up/2013/03/theatredesannales/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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Posted by shinobu at 17:02 | TrackBack

【募集情報】チェルフィッチュ「新作『地面と床』公開リハーサル参加者募集」※4/12〆切(メールor往復はがき)

 岡田利規さんが作・演出されるチェルフィッチュが、新作『地面と床』の公開リハーサルを実施します。世界で活躍する日本の演劇作家の創作現場を目撃できる貴重な機会です。⇒2010年の稽古場レポート 
 作り手も観客も、ご興味のある方はぜひ。応募方法は公式サイトでご確認ください。

 ■チェルフィッチュ「新作『地面と床』公開リハーサル」
  作・演出/岡田利規
  出演:山縣太一、矢沢誠、佐々木幸子、安藤真理、青柳いづみ
  参加費/無料 定員/200名 ※応募者多数の場合は抽選
  会場/KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
  【申込方法】4/12(金)までにお名前、ご住所、電話番号、メールアドレスを記入しメールか往復ハガキでご応募ください。

Posted by shinobu at 13:59 | TrackBack

2013年04月04日

テアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』03/29-04/07こまばアゴラ劇場

 稽古場レポートを書かせていただいた公演の初日に伺いました。面白かった!前売り3000円は安いと思います。初日の上演時間はたぶん約1時間50分。ちょっとうろおぼえです。

 脚本を読ませていただきましたのでストーリーは知っていたのですが、登場人物とともに驚いたり、ドキドキしたり、ハっと気づいたりできました。俳優さんの力だと思います。5人全員が適材適所でそれぞれの魅力を発揮されていました。そして山崎彬さんの色気に参ってしまいました…!いや~驚いた…悪い芝居の公演が3月26日に終わったばかりなのに!

 ⇒CoRich舞台芸術!『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)

 ≪あらすじ≫
 時は第一次世界大戦中の1916年6月、場所は現在のウクライナ西部地方の戦場。オーストリア帝国陸軍に配属された哲学者ルートヴィヒ(西村壮悟)は、兵営の一室で、戦争について、命について思索を巡らせながら、イギリスにいる大学時代の親友ピンセントに手紙を書いている。そのすぐ隣では、同じ小隊に所属する粗野で乱暴な男たちが、賭けごとや娼婦の話ばかり。
 つかの間の休憩中に、小隊長のスタイナー軍曹(榊原毅)がやってきて作戦会議が始まる。今夜、高い哨戒塔に登って敵を見張るのは誰なのか。数十万といわれるロシア軍を前に哨戒塔に登ることは、すなわち死を意味するかもしれない。それなのに、自分が登ると志願する兵士がいて…。
 ≪ここまで≫

 第一次世界大戦中の戦場を舞台にしたどっしりとした会話劇だし、ザ・演劇な演出も刺激的です。こまばアゴラ劇場での作品にしては、メジャー感もアカデミックムードも、ちょっと独特な感じ。とても面白かったです。

 主人公とともに、色んなことに気づいていくことができました。普段の生活で特に意識していなかったことを発見・確認して、ふむふむと頷きながら哲学を体験していく、ストレート・プレイでした。こんなに「わかりやすい」と思ってる自分が、ちょっと不安になるぐらい、わかりやすかったです。いや、本当はわかってないのかもしれないけど。自分の理解の境界を広げて行く体験でした。

 まさかあんなに笑えるとは!5人の俳優さんも全員良かったです。私が意識し過ぎたのかもしれないですが、ボーイズラブな要素は、もうちょっと控えめになってくれたほうがいいな~(笑)。

 ここからネタバレします。

 開場時間は暗い照明の中で舞台美術を眺めていました。周囲には金属パイプの粗末なベッドが建て込まれていて、中央には四角いテーブルと丸イスが数脚。テーブルの上にプラスティック製のおもちゃの兵隊の人形や、小さな旗が置いてあり、まず違和感。だって1910年代にそんなものが存在するはずないですよね。開演になると、軍服姿の役者さんが上手奥のエレベーターから登場して驚きました。この時点で「フィクションであることを最初から押し出す演出だったのか~」と納得しました。役者さんが舞台に出てきて横一列に整列し、榊原毅さんの前説がありました。長いタイトルを全部言うだけなんですが、それだけで可笑しくて、客席が温まったんです。いいオープニングでした。

 ルートヴィヒ(西村壮悟)が「言葉は世界を写し取ることができる」ことを発見する場面は、私も一緒になって「ここにはソーセージが8本ある」と確認する気持ちになりました。イスをオーストリア帝国と呼び、雑巾をイギリスと呼び、上手奥にはモスクワがあって…と、私も彼らと一緒になって想像して、ヨーロッパが、地球が、宇宙が劇場の中に入ってくる感覚も共有できました。
 ランプの火だけが灯る薄明かりの中で、ルートヴィヒとピンセント(イギリスにいるはず)が言葉遊びをします。ピンセントが客席通路にも入ってくるので、劇場全体が宇宙になったように感じました。オルゴールが「星に願いを」を奏でる中で、私も宇宙遊泳。
 塹壕の暗闇は観客も戦場にいるような気持ちにさせられました。明らかにパイプを叩いているとわかった時には、フィクションに気づいて緊張が解けましたが、それはそれで私も確信的に演劇に参加できてよかったです。

 セリフがNHK教育テレビのような、いわゆる説明的な語りに感じる場面もあって、ちょっと鼻につくというか、集中できなくなることもありました。もっと曖昧にして欲しい、謎を振りまいて欲しいとも思いました。でも解けなかった謎が1つ。ミヒャエル(山崎彬・ピンセントと2役)がランプに火を点ける演技をしました。でもランプには火が点きません。軍曹に「火は点けたか?」と聞かれ「点けました」と会話するのですが、火はやはり点いていませんでした。あれは…何だったのかな…。片方の手だけを使って拍手をして「音は鳴りましたか?」と聞く問いに似ています。
 
Théâtre des Annales vol.2従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“──およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか? という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語」
出演:伊勢谷能宣(ベルナルド)、井上裕朗(カミル)、榊原毅(スタイナー)、西村壮悟(ルートヴィヒ)、山崎彬(ミヒャエル) 
脚本・演出:谷賢一 舞台監督:川田康二 照明:松本大介 美術:土岐研一 WEBデザイン:仮屋浩太郎(HiR design)  WEB作成:三浦学 宣伝美術:今城加奈子 写真撮影:引地信彦 ドラマトゥルク:野村政之 制作:小野塚央 赤羽ひろみ プロデュース:伊藤達哉 企画制作・主催:テアトル・ド・アナール、ゴーチ・ブラザーズ 協力:DULL-COLORED POP、青年団
【発売日】2013/02/23 整理番号付き自由席 前期(3月31日まで)3000円/当日券 3300円/U25 2500円後期(4月7日まで)3500円/当日券 3800円/U25 3000円未就学児童は入場不可。
http://www.theatredesannales.info/
http://www.komaba-agora.com/line_up/2013/03/theatredesannales/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:16 | TrackBack

2013年04月03日

【つぶやき】俳優の演技について(2013年4月)

 数年前から事あるごとに「技術のある俳優の演技が見たい」とわがまま放題に言ってきました。実はこの書籍でも、おすすめの本を紹介する形で同じことを書かせていただいたのです。本が発売されたら私の原稿は当サイトに全文掲載する予定です。

 そんな私が最近、強くうなずき共感した言葉を、自分の備忘録のためにも、ここにご紹介しておこうと思います。

【谷賢一さんのブログより 2013/03/27】

きちんと謎や矛盾や神秘を秘めて、ただそこにいる、ということの重要さを、今回ほど感じる現場はない。つまり「こういう人ですよー」「今こういう感じですよー」って演じちゃうことは、上に書いた「語る」=「断面図を描く」ということと限りなく近い。お客さんは断面図を観に来ているんじゃない。存在そのものや奇跡を観に来ているんだ。

 谷さんがおっしゃる「現場」とは今、こまばアゴラ劇場で上演中のテアトル・ド・アナール従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』の稽古場のことです。ご縁あって稽古場レポートを書かせていただきました。とっても面白いです!私ったらもう2回も観てしまいました。4月7日までですのでお見逃しなく。

 私はいわゆるストレート・プレイにおいて、「この人物はいま悲しんでいる」という状態を説明するような演技があると、興ざめしてしまいます。キャラクターの皮を被るのではなく、役人物として、ただ、そこに居て欲しい。俳優には心理主義リアリズム、写実演技と呼ばれる演技方法をベーシックなものとして理解し、訓練して獲得してもらいたいと思っています。
 ※心理主義リアリズム、写実演技については如月小春著「俳優の領分―中村伸郎と昭和の劇作家たち」で読みました。

【徳永京子さんのツイートより 2013-04-03】

俳優は、木を見ながら森も見るのが仕事だと思う。「頑張ってます」ってことを、幹を間近で睨んでウンウン言ってる姿で主張されても、それは甚だしい勘違いで。寄ったら引いて、時には物凄ーく遠くまで離れて、その往復に汗をかくのが本来必要な一生懸命じゃないのかな。成熟がね、欲しいのよ。
去年のF/Tの『レヒニッツ(皆殺しの天使)』で私が強く感動したのは俳優の成熟度だった。歴史の加害者を、加害者のエゴイズムで堂々と演じるという成熟。悪役とか敵役とか憎まれ役ではなく、加害者。それはやっぱり、自分の役と作品をとんでもなく遠くから眺めて初めて出来ることだと思う。

 徳永さんの言葉が無料かつオンタイムで読めるこの幸福。ありがとうインターネット。演劇関係者なら彼女のツイッターは必読だと思います。ぜひフォローを!

 私も『レヒニッツ(皆殺しの天使)』を拝見していまして、出演者の演技にほれぼれしました。彼らは舞台上に登場人物(=加害者)としてただ存在していただけでなく、さまざまな方法の中から、その演技を選択したこともわかりました。具体的な場面は忘れてしまったんですが、終盤で下着姿になった若い女優さんが、ヒステリックと形容してもいいであろう演技で、長い独白をしたんです。すると「登場人物であること」以外の何かが生まれて、加害者と被害者を含んだ人類全体の怒り、悲しみがその女優を介した叫びとなって、空間に立ち現われたように感じました。そういう効果も考えた上での役作りであり、演技だったのだと思います。

 少し脱線しますが、パリにできた日本文化を発信する会員制倶楽部の記事をご紹介します。
 ⇒JBPress「パリで世界最高の日本式ラッピングサービスをどうぞ 「折形」を提供する入会金25万円の高級倶楽部が登場

【MIWA創立者の佐藤武司さんの記事より 2013.04.02】

 「ここではモノではなく、コトを売っています。」
 「珠玉のような究極の存在であるからこそ、「誰にでも分かってもらおうとは思っていない」」 
 「みんなが分かる、分かりやすいものは“薄くなる”。そもそも、日本文化自体が、分かりにくいものです」

 舞台のつくり手の方々には共感できる部分が多いのではないでしょうか。岩松了さんもこのようにおっしゃっていました。「演劇は“個人の迷路”を提示できる。それを見せることで、すぐ近くのわかりやすいところでではなく、遠くと遠くで人と手をつなぐことのできるもの」(Wonerlandより抜粋)。⇒セミナー受講記録エントリー

 下記は先述の谷さんと同じことを言っていると思います。舞台にあって欲しいのは物事の断面図ではなく、存在そのものや奇跡なんです。これは『従軍中の…』のテーマにも共通すると思います。

 「その人はアメリカ人でしたけれど、実際に日本を訪れた経験もある方が、『ここは日本を分かるところではなく、日本を感じるところだ』とおっしゃった。まさに言い当てていると思いました。それは、『日本の神は感じるもので、信じるものではない』という、ある神主さんの言葉にも通じる」

 同時に始まったコラムにあった『戦後日本が歩んできた「当たり前」だとおもうことをすべて逆から見直す』ことにも心底共感します。私は、岸田國士さんが探究してきて戦後に断念してしまった、写実演技によるストレート・プレイが観たいのです。それを今、実現してくれるのは、翻訳家、演出家の小川絵梨子さん、そして谷賢一さんではないかと、勝手ながら期待をしているところです。

 ※念のため付け加えておきますが、舞台芸術には感情と身体の文脈を敢えて別にする表現方法もあります。言葉の意味が示す通りの演技を、敢えてしない演技方法もあります。それらもとても面白く、実現するには技術が必要です。
 公演の意図や作品の演出によって手段は異なりますので、私がここで紹介した種類の演技方法が、どんな現場でも常に求められ、歓迎されるわけではありません。ただ、現代演劇の(ストレート・プレイの)演技にも「基礎」が存在することは、知られて欲しいと思います。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:29 | TrackBack

2013年04月02日

キョードー東京『K-Musical Stars Concert 2013』04/01赤坂ACTシアター

 『ウェルテルの恋』以来、韓国ミュージカル(というか韓国人俳優)に惹かれている私。とうとうミュージカルのコンサートにまで行ってしまいました。客席はおそらく満席状態。上演時間は休憩なしで2時間半弱だったかと。

 韓国のミュージカル俳優は本当に歌がお上手です。まず声量に安心します。ミュージカル・ナンバーはほとんどわからない私ですが、問題なく楽しませていただきました。「K-Musical Stars」の「スター」に偽りなし!

 ブログ「ソウルの夜明け前」関連エントリー⇒
 ⇒CoRich舞台芸術!『K-Musical Stars Concert 2013

 歌は日本語、韓国語、英語と複数の言語が交ざっていました。ミュージカルが出演者だけでなく観客にも通じる共通言語になっているんですね。すごいよミュージカル!司会兼通訳は女優でもあるキム・テイさん。韓国人の観客も多数いらしてました。盛り上がってたな~。

 歌姫オク・ジュヒョンさんの驚きの美しさ!ファッションモデルのようなスタイルで、ド迫力の歌唱力。あの脚線美は何?!“パーフェクト”な女優さんですね。チョン・ドンソクさんが「ジュヒョンさんとキス・シーンのある舞台で共演したい」とおっしゃった時、すかさず彼女の方からドンソクさんにキスしちゃったのにも驚かされました(本当にはしていないようです)。

 ジュヒョンさんと『ルドルフ』で今も共演中のイム・テギョンさんは、いわゆる韓流スターの貴公子的ふるまいがバッチリ決まっていて、ヨン様を思い起こしたりも。「スター」であることを引き受けてくださっていることが、韓国のミュージカル俳優の魅力だよなぁと思います。

 映画『ラ・マンチャの男』が好きなので「見果てぬ夢」を皆さんで英語で歌ってくださったのが良かったです。「見果てぬ夢」の歌詞(~To reach the unreachable stars)が、このコンサートの題名である「STAR」にかかってますよね。

 指揮者の塩田明弘さんが素晴らしかった~。指揮をしながらほとんど踊っているような状態で、出演者と密にコミュニケーションをとってらっしゃいました。演劇だった。私はやはり舞台上での心の交流が観たいんですよね。

 キム・スンデさんが塩田さんに感謝の言葉を述べてらっしゃいました。スンデさんは終盤では涙ぐんでらっしゃって…。しばらく舞台出演がごぶさただったそうですが、今年の夏にはソウルでのミュージカル出演が決まっているようです。

出演:イム・テギョン、オク・ジュヒョン(歌姫)、キム・スンデ、チョン・ドンソク、姿月あさと、平方元基
音楽監督・指揮:塩田明弘  ステージングディレクター:広崎うらん 演奏:ダット・ミュージックオーケストラ 主催:K-Musical Stars Concert実行委員会 協力:THEATRO、アミューズ・ミュージカルシアター  制作協力 :EMKミュージカルカンパニー  招聘・運営:キョードー東京
チケット料金:全席指定 10,000円(税込) ※未就学児童入場不可
http://ent.living.jp/kmusical/

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Posted by shinobu at 22:56 | TrackBack

2013年04月01日

メルマガ 2013年04月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2013年4月のお薦め舞台11本+αをご紹介します。

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┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 106    2013.04.01  1,905部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎新年度ですね。桜は早くも葉桜になりかけていますが、
  花冷えもあって、満開の時期をいつもより長く楽しめました。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め11本+α】
   
   ◎No.1→新国立劇場演劇『効率学のススメ』
       04/09-28新国立劇場小劇場THE PIT
       http://nnttplay.info/with3/kouritsu/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→クロムモリブデン『連続おともだち事件』
       03/06-20赤坂RED/THEATER
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0307104848.html

 ◆3【「CoRich舞台芸術まつり!2013春」最終審査中! 】

   ◎先月は6作品鑑賞しました。今月は2作品です。
    http://stage.corich.jp/festival2013/result.php

 ◆4【お薦め前売り情報 ハイバイ『て』】

   ◎岩井秀人さんの自伝的家族劇『て』の全国ツアーです!
    http://hi-bye.net/

 ◆5【編集後記】

   ◎4/2から歌舞伎座が開場してこけら落とし興行が始まります。
     http://www.kabuki-za.co.jp/

 ◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め11本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※今月は高額のお薦め公演を10本から11本に増やしました。


1.シティボーイズミックス PRESENTS
  『西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を』
  04/02-13世田谷パブリックシアター
  ≪東京、大阪、愛知、福岡≫
  ☆出演:大竹まこと、きたろう、斉木しげる、中村有志、
      いとうせいこう、戌井昭人、笠木泉
   脚本・演出:宮沢章夫
   S席7,000円  A席6,000円 ※未就学児童は入場不可。
   当日券料金:1階(主に補助席)7,000円 立見1階5,000円/3階4,000円
    http://www.ne.jp/asahi/home/radi/
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2013/04/post_316.html
   シティボーイズ(大竹まこと、きたろう、斉木しげる)に
   宮沢章夫さんが新作コントを書き下ろし、演出されます。
   ラジカル・ガジベリビンバ・システムが復活!
   これだけのキャストが集まって、面白くないはずがありません。
   東京公演はおそらく完売。その他の地域は残席あり。
   ⇒朝日新聞「伝説のコント集団復活 脚本の宮沢章夫、政治に毒で対抗」
    http://www.asahi.com/culture/articles/TKY201303210330.html
   ⇒ぴあ「インタビュー&稽古場レポート」
    http://community.pia.jp/stage_pia/2013/03/cityboys2013.html
   ⇒イープラス「大竹まこと、きたろう、斉木しげるインタビュー」
    http://etheatrix01.eplus2.jp/article/316641602.html


2.こまつ座&ホリプロ公演『木の上の軍隊』
  04/05-29 Bunkamuraシアターコクーン
  05/03-06 天王洲 銀河劇場
  ≪東京2会場、愛知、大阪、愛媛、長崎、広島、福岡≫
  ☆出演:山西惇、藤原竜也、片平なぎさ
   脚本:蓬莱竜太 演出:栗山民也
   シアターコクーン:S席10,000円 A席8,500円 コクーンシート5,000円
   銀河劇場:S席10,000円 銀河シート5,000円
    http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/index.html
   『木の上の軍隊』は井上ひさしさんが亡くなる前に、次回上演予定と
   発表されていた作品タイトルです。蓬莱竜太さんが、井上さんが書こう
   としていた題材を受け継いで新作を執筆。演出は栗山民也さん。
   戦場となった沖縄で、ガジュマルの木の上に2年間暮らしていた
   2人の兵士のお話。実話がもとになっています。


3.ナイロン100℃『ゴドーは待たれながら』
  04/06-14東京芸術劇場シアターイースト
  ≪東京、大阪、愛知、宮城、盛岡、茨城、≫
  ☆出演:大倉孝二 (声の出演:野田秀樹)
   脚本:いとうせいこう 演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
   一般 4,900円(プレビュー 4,500円)
   65歳以上、25歳以下 3,900円 高校生割引 1,000円
    http://www.geigeki.jp/performance/theater019/
   サミュエル・ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』をもとに
   いとうせいこうさんが書かれた“待たれている男の一人芝居”。
   ナイロン100℃の看板俳優、大倉孝二さんの一人芝居で、
   演出はもちろん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん。


★4.東京芸術劇場『おのれナポレオン』
  04/06-05/12東京芸術劇場 プレイハウス
  ☆出演:野田秀樹、天海祐希、山本耕史、浅利陽介、今井朋彦、内野聖陽
   脚本・演出:三谷幸喜
   ※4月6日、7日はプレビュー
   S席9,000円(プレビュー8,000円)
   ステージシート9,000円(プレビュー8,000円)
   A席7,000円(プレビュー6,000円)
   サイドシート5,000円(プレビュー4,500円)
   65歳以上割引5,000円(プレビュー4,500円)
   25歳以下サイドシート3,000円(プレビュー2,500円) 
   高校生割引1,000円(対象日限定)
   ※追加席
    補助席 9,000円(プレビュー8,000円)
    1階立見 3,500円(プレビュー3,000円)
    2階立見 2,500円(プレビュー2,000円)
   ※障害をお持ちの方:割引料金
    http://www.geigeki.jp/performance/theater018/
   三谷幸喜さんの新作に野田秀樹さんが出演。豪華キャスト!
   野田さんが自ら作・演出しない舞台に出演するのは初めてのことだそうです。
   セントヘレナ島に幽閉された後のナポレオンを描くとのこと。


★5.新国立劇場演劇『効率学のススメ』
  04/09-28新国立劇場小劇場
  With ─つながる演劇・ウェールズ編─
  ☆出演:豊原功補 宮本裕子 田島優成 渋谷はるか 田島令子 中嶋しゅう
   脚本:アラン・ハリス 翻訳:長島確 演出:ジョン・E・マグラー
   A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
    http://nnttplay.info/with3/kouritsu/
    http://nationaltheatrewales.org/opportunity-efficiency
   英国ウェールズの国立劇場と、新国立劇場が組んだ新作です。
   トレイラー↓「THE OPPORTUNITY OF EFFICIENCY」
    http://nationaltheatrewales.org/ntwjapan/trailer-opportunity-efficiency

  ●お薦めポイント●
   演出のジョン・E・マグラーさんは英国ウェールズの国立劇場の芸術監督。
   ナショナル・シアター・ウェールズは2009年に設立された、
   劇場という建物を持たない、世界でも非常に珍しいスタイルの国立劇場です。
   ウェールズ各地で上演された作品は高い評価を受けています。
   作品だけでなく、マグラーさんも現地演劇賞の最優秀演出家賞を受賞。
   ⇒岩城京子さんのウェールズ現地レポート
    http://nnttplay.info/with3/kouritsu/alacarte.html
   ⇒ジョン・E・マグラー氏インタビュー
    http://www.performingarts.jp/J/pre_interview/1303/1.html
   ⇒「ナショナル・シアター・ウェールズ芸術監督を囲んだ意見交換会」
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1202110952.html
   製薬会社の研究室を舞台に「効率性の追求」「合理化」について描く
   新作戯曲にも興味津々。出演者も演技力が確かで魅力的な方々ばかり。


6.彩の国さいたま芸術劇場
  彩の国シェイクスピア・シリーズ『ヘンリー四世』
  04/13-05/02彩の国さいたま芸術劇場大ホール
  ☆出演:吉田鋼太郎、松坂桃李 木場勝己 立石涼子 星智也 矢野聖人
    冨樫真 磯部勉 たかお鷹 辻萬長 瑳川哲郎 他
   脚本:シェイクスピア 演出:蜷川幸雄 翻訳:松岡和子 構成:河合祥一郎 
   S席一般9,000円 A席一般7,000円 B席一般5,000円 学生(B席)2,000円
   劇場会員割引などあり。
    http://saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2013/p04_henry.html
   蜷川幸雄さんがシェイクスピアを演出するシリーズの第27弾。
   イケメン俳優で大人気の松坂桃李さんの出演も話題です。
   ご快復された蜷川さんの力強い演出を楽しみに。


7.文学座アトリエの会『十字軍』
  04/16-30文学座アトリエ
  ☆出演:坂口芳貞、中村彰男、沢田冬樹、佐川和正、釆澤靖起、倉野章子、
      山本道子、藤崎あかね(崎は違う漢字)
   脚本:ミシェル・アザマ 演出:稲葉賀恵
   前売4,000円 当日4,300円
   ユースチケット(25歳以下)2,500円 ※未就学児童入場不可
    http://www.bungakuza.com/jujigun/index.html
   第20回読売演劇大賞『芸術栄誉賞』を受賞した文学座アトリエの会の
   最新作。演出の稲葉賀恵さんは今回が文学座での初演出。
   老舗劇団が若い才能にチャンスを与え、育ててくださっているんですね。


8.劇団青年座『横濱短篇ホテル』
  04/19-28紀伊國屋ホール
  ☆出演:加門良、横堀悦夫、大家仁志、小豆畑雅一、田島俊弥、桜木信介、
    逢笠恵祐、須田祐介、津田真澄、椿真由美、加茂美穂子、小暮智美、
    香椎凜、田上唯
   脚本:マキノノゾミ 演出:宮田慶子
   一般5,500円  学生3,500円
    http://seinenza.com/performance/public/207.html
   ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=43982
   横浜の老舗ホテルを舞台にした7つの独立した短篇集。
   1970年から5年ごとに時代を追っていくそうです。
   マキノノゾミさんの書き下ろしを宮田慶子さんが演出するのですから、
   大人がしっとりと楽しめるお芝居になるのではないかしら。


9.アトリエ・ダンカンプロデュース『しゃばけ』
  04/20-29赤坂ACTシアター
  ≪東京、大阪、石川≫
  ☆出演:沢村一樹、臼田あさ美、宇梶剛士、高橋光臣、阿知波悟美、
   久保酎吉、池田有希子、西村直人、星野園美、金井良信、孔大維、
   水谷悟、根本大介、杵家七三(三味線)マギー、山内圭哉、麻実れい
   原作:畠中恵(新潮文庫刊) 脚本・演出:鄭義信
   S席9,000円/A席6,500円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.duncan.co.jp/web/stage/shabake/index.html
   アトリエ・ダンカンによる畠中恵さんの時代小説の舞台化です。
   第13回日本ファンタジーノベル大賞・優秀賞受賞作なんですね。
   作・演出が鄭義信さんですから、明るい笑いのある舞台になるのでは。
   小説の舞台化作品の過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0403225239.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0515235858.html


10.パルコ・プロデュース『レミング ~世界の涯までつれてって~』
  04/21-05/16 PARCO劇場
  寺山修司没後30年/パルコ劇場40周年記念公演
  ≪東京、愛知、大阪≫
  ☆出演:八嶋智人、片桐仁、常盤貴子、松重豊、花井京乃介、廻飛呂男、
   浅野彰一、柳内佑介、酒井和哉、鹿内大嗣、金子仁司、KEKE、高木健、
   金子紗里、あやちクローデル、高安智実、高田郁恵、今村沙緒里、
   笹野鈴々音、万里紗
   脚本:寺山修司 上演台本:天野天街 演出:松本雄吉(維新派)  
   8,400円 U-25チケット5,000円(25歳以下対象)
   ※未就学児童の入場不可。
    http://www.parco-play.com/web/play/lemming/
   1979年に初演された寺山修司作『レミング』。少年王者館の
   天野天街さんが上演台本を手掛け、維新派の松本雄吉さんが演出!
   これだけで必見な上に、オーディションで選ばれた出演者にも期待。


11.ドワンゴほか『Princess MONONOKE~もののけ姫~』
  04/29-05/06 AiiA Theater Tokyo
  出演:Whole Hog Theatre
  ☆構成・演出:アレクサンドラ・ルター 原作:「もののけ姫」 宮崎駿
   オリジナル音楽:久石譲 舞台版編曲:ケリン・タットマン 
   7,500円(前売・当日共) 英語上演・日本語字幕付き
    http://princess-mononoke.jp/
   スタジオ・ジブリの映画「もののけ姫」を英国の劇団が舞台化。
   最近、ミュージカル「おもひでぽろぽろ」↓はありましたけど、
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0423150429.html
   ジブリ作品が演劇になるのは初めてのことだそうです。
   一体どんな舞台なのか全く想像がつかないですが、興味あり。


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売3000円台以下の気になる作品を3本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》ブルドッキングヘッドロック『少し静かに』
  04/03-10ザ・スズナリ
  ☆出演:山口かほり、福原充則、喜安浩平、永井幸子、津留崎夏子、
    小島聰、はしいくみ、深澤千有紀、藤原よしこ、寺井義貴、
    猪爪尚紀、岡山誠、篠原トオル、宮下雄也、帯金ゆかり、根本宗子、
    星原むつみ、嶋村太一、西山宏幸
   作・監修:喜安浩平(ナイロン100℃) 演出・音楽:西山宏幸
   前売3,800円 当日4,000円 初日・二日目割3,500円 
   グループ割引(3名以上でのご予約でお一人様)3,500円
    http://www.bull-japan.com/stage/a_little_more_quiet/
   ブルドッキングヘッドロックは2000年結成の劇団です。
   普段はナイロン100℃の喜安浩平さんが作・演出されていますが、
   今回は所属俳優の西山宏幸さんが演出されるようです。
   喜安さんは映画「桐島、部活やめるってよ」↓で日本アカデミー賞の
    http://www.kirishima-movie.com/
   優秀脚本賞を受賞されたばかり。劇作家、演出家として大活躍の
   ピチチ5の福原充則さんが、久しぶりに俳優として出演されますね。


★《2》THE SHAMPOO HAT『葛城事件』
  04/17-30ザ・スズナリ
  ☆出演:野中隆光 児玉貴志 日比大介 黒田大輔 滝沢恵 赤堀雅秋
      鈴木砂羽 安藤聖 新井浩文
   脚本・演出:赤堀雅秋
   指定席:前売3800円 当日4500円 
   自由席:前売3500円 当日3800円
   学生割引:指定席 前売2800円 当日3200円 
        自由席 前売2500円 当日2800円
   早割(17日18日19日の三日間限定 ※指定席のみ・学割と併用なし)
    前売3300円 当日4000円
    http://www.shampoohat.com/special/1115.html
   赤堀雅秋さんが作・演出・出演される劇団THE SHAMPOO HATの新作。
   赤堀さんは映画「その夜の侍」↓で新藤兼人賞金賞を受賞され、
    http://sonoyorunosamurai.com/
   昨年の『一丁目ぞめき』↓で岸田國士戯曲賞を受賞されました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0331214251.html
   新井浩文さんの初舞台も話題。新井ファンとしては嬉しい限り。


《3》サスペンデッズ『エレノア』
  04/26-05/03駅前劇場
  ☆出演:佐野陽一、佐藤銀平、伊藤総、野々村のん、ともさと衣、
      山下真琴、一色凉太
   脚本・演出:早船聡
   全席自由 前売・予約3200円 高校生以下2500円 当日3500円
    http://www.suspendeds.net/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=43756
   サスペンデッズは早船聡さんが作・演出される劇団です。
   『エレノア』は昨年、兵庫県で初演された岸田國士戯曲賞最終候補作。
   東京には劇団公演として初お目見えです。


 ★★★────────────────────────────── 
  前売2000円台以下の気になる作品を3本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★

[1]青年団『平田オリザ・演劇展vol.3』
  04/10-21こまばアゴラ劇場
  ☆出演:山内健司 たむらみずほ 渡辺香奈 川隅奈保子 能島瑞穂、
    古屋隆太 佐藤誠 小林亮子 森内美由紀 菊池佳南 富田真喜 緑川史絵
   脚本・演出:平田オリザ
   [日時指定/全席自由/前売・予約・当日共]
   『この生は受け入れがたし』 一般3,000円
   『走りながら眠れ』 一般3,000円
   『銀河鉄道の夜』 一般2,000円 高校生以下1,000円
    http://www.seinendan.org/jpn/info/2013/04/engekiten/
   平田オリザさんの過去の3作品を一挙上演。『銀河鉄道の夜』は
   平田さんの初の小説「幕があがる」↓で、高校生が上演する作品です。
    http://www.bookclub.kodansha.co.jp/books/topics/makugaagaru/
   面白くて一気に読めました。演劇部の高校生には必読の書!


[2]庭劇団ペニノ『大きなトランクの中の箱』
  04/12-30 森下スタジオBスタジオ
  ☆出演:山田伊久磨、飯田一期、島田桃依、瀬口タエコ
   作・演出・美術:タニノクロウ
   4月19日まで 前売り2500円・当日券3000円・学生2000円
   4月20日より 前売り2800円・当日券3300円・学生2000円
   整理番号付き自由席
    http://www.niwagekidan.org/
   タニノクロウさんが作・演出される庭劇団ペニノが、マンションの一室
   で創作してきた3作品の集大成。タニノさんのフェティシズムが充満する
   不思議空間に身を浸したい。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0414211144.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0627153912.html
   アフタートークのゲストが豪華です。公式サイトでご確認ください。
   ⇒TOKYO HEADLINE「タニノクロウさんインタビュー」
    http://www.tokyoheadline.com/vol587/interview.11749.php


[3]マームとジプシー『てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。
   そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。
   および、ひかりについて』
  04/16-05/01十六夜吉田町スタジオ
  急な坂スタジオプロデュース/十六夜吉田町スタジオ連続公演
  ☆4/16-19[A]出演:荻原綾 尾野島慎太朗 成田亜佑美 吉田聡子
   4/21-24[B]出演:荻原綾 尾野島慎太朗 成田亜佑美 波佐谷聡 吉田聡子
   4/26-5/1[C]出演:荻原綾 尾野島慎太朗 成田亜佑美 波佐谷聡
           召田実子 吉田聡子
   作・演出:藤田貴大 主催・企画・制作:急な坂スタジオ
   前売・当日とも 2,500円 
    http://mum-gypsy.com/next/45.php
   マームとジプシーの藤田貴大さんが小空間で新作を連続上演。
   1人ずつ出演者が増えて行くので、全バージョン観られると面白そう。


≪ミュージカル≫

 ○劇団四季『ディズニーミュージカル「リトルマーメイド」』
 04/07~四季劇場[夏]
   S9,800円 A8,000円 B6,000円 C3,000円
   ファミリーゾーンS子ども5,000円 A子ども4,000円
   会員割引などあり。
    http://www.shiki.jp/applause/littlemermaid/
   「四季とディズニー」提携ミュージカル第4弾は「リトルマーメイド」。
   衣装や美術などのスタッフワークがとっても気になる!


 ○東宝『レ・ミゼラブル』
  04/23-07/10帝国劇場
  ≪東京、福岡、大阪、愛知≫
  ☆出演:キム・ジュンヒョン、福井晶一、吉原光夫、川口竜也、吉原光夫、
    福井晶一、知念里奈、和音美桜、里アンナ、笹本玲奈、昆夏美、平野綾、
    綿引さやか、青山郁代、磯貝レイナ、若井久美子、上原理生、野島直人、
    山崎育三郎、原田優一、田村良太、駒田一、KENTARO、萬谷法英、
    森公美子、浦嶋りんこ、谷口ゆうな、他
   脚本:アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
   原作:ヴィクトル・ユゴー 作詞:ハーバート・クレッツマー
   演出:ローレンス・コナー、ジェームズ・パウエル
   翻訳:酒井洋子 訳詞:岩谷時子
   S席13,500円 A席9,000円 B席4,000円
   プレビュー公演4/23-5/2 S席11,000円 A席8,000円 B席3,500円
    http://www.tohostage.com/lesmiserables/
   新生『レ・ミゼラブル』がとうとう日本でも幕を開けます。
   オーディションで選ばれた俳優を色んなバージョンで見比べたい。
   映画版↓も大ヒットしましたし、初めての方もぜひ劇場へ!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0113230916.html


 ○アミューズ『カフェ・イン~愛は偽り?!~』
  04/25-05/19アミューズミュージカルシアター
  ☆出演:Aキャスト(4/25~5/5):ユン・コンジュ&キム・ドヒョン
      Bキャスト(5/6~19):ク・ウォンヨン&イ・ス
   平日:SS席 7,800円/S席 6,800円/学割(S席対象) 5,000円
   土日祝日:SS席 8,800円/S席 7,800円/学割(S席対象) 5,000円
   サンキューチケット:3,900円(見切れの可能性あり)
   テハンノシート3,000円(見切れの可能性あり。当日券のみ)
   ※韓国語上演・日本語字幕あり
    http://www.amuse-musical-theatre.jp/caffeine/
   韓国ミュージカルを招聘する劇場が六本木に開場。
   お手頃価格のチケットもあって嬉しいですね。


≪ご参考≫
  「しのぶの演劇レビュー」↓に今月のしのぶの観劇予定あり。
    http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.クロムモリブデン『連続おともだち事件』
  03/06-20赤坂RED/THEATER
  ≪東京、大阪≫
  ☆災害や自殺で失われた無数の命が、学校の屋上で出会いました。
   最後の無言の場面は、祈りの時間だったと思います。劇団でしか
   作れない舞台をありがとうございました。メルマガ号外↓を発行!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0307104848.html

2.テアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』
  03/29-04/07こまばアゴラ劇場 ★4/7(日)まで上演中!
  ☆舞台は第一次世界大戦中の戦場。5人の兵士が登場する会話劇です。
   哲学者が主人公の長大なタイトルの作品ですが、難しくはありません。
   自分の想像力の限界に少しずつ近づいて、その外側の深い闇にも
   思考を広げていく体験でした。俳優が皆良いです。稽古場レポート↓ 
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0327182558.html
   ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=43527
   1分間のダイジェスト映像↓あり。
    http://www.youtube.com/watch?v=S3T3NpyFQs8  

3.名取事務所『ピローマン』
  03/20-24「劇」小劇場
  ☆小川絵梨子さんの演出はいつも大当たり。M.マクドナー戯曲の
   面白さを再びかみしめました。再演して欲しい!レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0321162151.html

  その他はルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場『ルル』、
  新国立劇場演劇『長い墓標の列』、キラリ☆ふじみ『ハムレット』、
  ホリプロ『ミュージカル「スリル・ミー」韓国版』など(順不同)。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2013年3月(観劇数20作品)は『連続おともだち事件』で発行!


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 ◆3 【お薦め前売り情報 ハイバイ『て』】
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 ◎岩井秀人さん率いる劇団ハイバイが10周年を記念して、
  代表作『て』の全国ツアーを行います。
  『て』は再演時にメルマガ号外↓を発行したお芝居です。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0927103825.html

 ○ハイバイ『て』
  10周年記念全国ツアー
  ≪東京、兵庫、三重、福岡、香川、北海道≫
  05/21-06/02東京芸術劇場シアターイースト
  ☆出演:岩井秀人・上田遥・永井若葉・平原テツ・青野竜平・奥田洋平・
   佐久間麻由・高橋周平・富川一人・用松亮・小熊ヒデジ・猪俣俊明
   作・演出:岩井秀人
    http://hi-bye.net/2013/03/19/3254

  岩井さんはドラマ「生むと生まれる それからのこと」↓で向田邦子賞を受賞。
   http://www9.nhk.or.jp/dramatopics-blog/8000/115771.html
  そして昨年の舞台『ある女』↓で岸田國士戯曲賞を受賞されました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0121113014.html
  俳優として舞台や映画でもご活躍です。

  『て』は何度観ても笑えて、ハラハラして、切なくなる家族の悲喜劇。
  キャストが変わっていますので、また新しい『て』になると思います。
  岩井さんが演じる“お母さん”も楽しみ!

 ≪東京公演チケット情報≫
  一般発売日:2012年4月13日(土)

  前半割 前売:3,000円 当日:3,500円
  前売:3,300円 当日:3,500円
  学生 前売・当日共:2,500円
  高校生以下 前売・当日共:1,000円

  取り扱いプレイガイトは公式サイトでご確認ください。
   http://hi-bye.net/2013/03/19/3254

 ≪ツアースケジュール≫
  6月05日(水)~6日(木)@兵庫 AI・HALL
  6月08日(土)~9日(日)@三重 三重県文化会館
  6月11日(火)~13日(木)@福岡 北九州芸術劇場
  6月15日(土)~16日(日)@香川 四国学院大学
  6月22日(土)~6月23日(日)@北海道 コンカリーニョ

 ・お問い合わせ
  ハイバイ:http://hi-bye.net/contact


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 ◆4 【「CoRich舞台芸術まつり!2013春」最終選考中!】
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 ◎日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバル
  「CoRich舞台芸術まつり!2013春」の審査員をさせて頂いております。
   http://stage.corich.jp/festival2013/
  グランプリ受賞団体には活動支金として100万円が支援されます。

  第一次(ネット)審査にて99作品の中から10作品が選ばれました!
   http://stage.corich.jp/festival2013/result.php
  3ヶ月間で審査員が10作品を鑑賞し、6月中旬にグランプリを発表します。
  よかったら対象作品をご覧になって感想をクチコミしてくださいね!

   CoRich舞台芸術!:http://stage.corich.jp/
   メンバー登録:http://stage.corich.jp/user_register.php
   携帯サイト:http://stage.corich.jp/m/

 ≪4月の「CoRich舞台芸術まつり!2013春」最終選考作品≫

 ○犬と串『左の頬』
  04/10-21シアター風姿花伝(東京)
  ☆脚本・演出:モラル
   http://inutokushi.com ↓こりっちでカンタン予約!
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=43395
   http://stage.corich.jp/festival2013/detail.php?stage_main_id=33743

 ○ブルーノプロデュース『My Favorite Phantom』
  04/26-29吉祥寺シアター(東京)
  ☆原作:シェイクスピア「ハムレット」 演出:橋本清
   http://brunoproduce.net
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=42891
   http://stage.corich.jp/festival2013/detail.php?stage_main_id=33313


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 ◆5 【編集後記】
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 ◎4/2から歌舞伎座が新開場してこけら落とし興行が始まります。
  http://www.kabuki-za.co.jp/
  舞台も観たいし、劇場の中にも入りたい~。


 ◎年を取ったことを思い知らされる出来事が連続しています。
  体の衰えだけじゃなく、社会や家庭内での役割の変化が
  ドラスティックでついて行けてません…。そして痩せたい…。


 ◎こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願い署名活動中です。
   有志の会の公式ブログ↓で、署名用紙ダウンロード可能。
    http://kodomonosiro.blog.fc2.com/
   WEB署名もできます⇒ http://www.change.org/kodomo-aogeki
   公式ツイッター:https://twitter.com/kodomoaogeki
   facebookページ:http://www.facebook.com/kodomo.aogeki


 ◎facebookページ↓でブログ更新を報告しますので、よろしければ
   http://www.facebook.com/shinobureview
  「いいね!」をクリックしてニュースフィードに混ぜてください♪


 ◎注目している役者さんに「しのぶさんのサイトでいつも
  オーディション情報をチェックしています」と言われて嬉しい!
  「受かりました!」と言われるともっと嬉しい♪
  「しのぶの演劇レビュー」に情報掲載をご希望の方は、
  お問い合わせフォーム↓からどうぞ。
   http://www.shinobu-review.jp/contact/
  ※必ず掲載するわけではありません。ご了承ください。


 ◎おすすめ舞台中継 on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【BSプレミアム】3月9日(土)夜11時15分~44分(29分間)全8回
   プレミアムよるドラマ『ラスト・ディナー』
   脚本:岩松了、岩井秀人、前田司郎、ほか
    http://www9.nhk.or.jp/dramatopics-blog/20000/143867.html
   ※舞台中継ではありません。


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2013年3月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「ペンギン夫婦の作りかた」←ラー油食べたい!石垣島に行かなきゃ!
    http://www.penguinfufu.jp/
  ・「黄金を抱いて翔べ」←重たいめの犯罪ドラマ。
    http://www.ougon-movie.jp/
  ・「希望の国」←ファンタジーだけど震災そのもの。園子温監督です。
    http://www.kibounokuni.jp/
  ・「311」←震災発生2週間後の被災地を撮ったドキュメンタリー。
    http://docs311.jp/
  ・「かぞくのくに」←北朝鮮の“帰国事業”を知りました。
    http://kazokunokuni.com/


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
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  震災・原発事故、選挙関連のリツイートも多いです。


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Posted by shinobu at 00:01 | TrackBack