井上ひさしさんの幻の新作が、蓬莱竜太さんの脚本、栗山民也さんの演出によって復活。上演時間は約1時間55分。
2010年に藤原竜也さん、吉田鋼太郎さん、北村有起哉さんの三人芝居として上演予定でした。この記事によると、1990年に千田是也さん演出で、すまけいさんと市川勇さんの二人芝居で上演されるはずだったんですね(この時は井上さんが書き上げられず公演中止)。
⇒朝日新聞「沖縄へ 終わりなき思い 井上ひさしさん未完の戯曲」
もの凄かったです…。東京公演の後、愛知、大阪、愛媛、長崎、広島、福岡でも上演されます!
2度繰り返されたセリフを、どうしてももう一度、文字で味わいたくて、戯曲掲載の雑誌↓を購入しました。
こちら↓の記事で舞台写真が見られます!
⇒シアターガイド「井上ひさしの幻の作品がよみがえる 舞台『木の上の軍隊』が開幕」
⇒CoRich舞台芸術!『木の上の軍隊』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
2010年に他界した劇作家の井上ひさしが
最後まで書こうとした「木の上の軍隊」
それは、戦中戦後、2年の間ガジュマルの木の上で生活した兵士の物語だった。
書くことが叶わなかったその思いを、井上ひさしを知り尽くす
栗山民也の演出で、新鋭、蓬莱竜太が書き下ろす。
ここに新たな物語が生まれる・・・。
≪あらすじ≫
終戦間際と直後の2年間の沖縄が舞台で、今の日本と沖縄が常に透けて見えるお芝居でした。井上ひさしさんの新作を観る時のように、落ちる涙を拭くこともできず、グサグサと胸に刺さり続けるセリフたちを聴いて(身体に入れて)いました。『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』の影響で言葉に敏感になってるせいもあるかもしれません。
照明が素晴らしかったです。暗転なしで場面転換。色や当て方を変えることで、季節(夏や冬)や時間(朝や夜)がわかります。暑さ、汗臭さ、寒さ、透明感のある空気、そよ風まで感じられるぐらい。
三人芝居とは思えない、広がりがありました。空間としても、時間としても。登場しない人々がたくさん見えました。
ここからネタバレします。
木の上の2人が培ったものが「不理解」だった、という女のセリフも刺さりました。
新兵:守られているものに怯え、怯えながら……すがり、すがりながら、憎み……憎みながら、信じるんです……もう、ぐちゃぐちゃなんです。
≪東京、愛知、大阪、愛媛、長崎、広島、福岡≫
出演:山西惇、藤原竜也、片平なぎさ ヴィオラ:徳高真奈美
原案:井上ひさし 脚本:蓬莱竜太 演出:栗山民也 美術:松井るみ 照明:小笠原純 音響:山本浩一 衣裳:前田文子 メイク:鎌田直樹 演出助手:田中麻衣子 舞台監督:加藤高 主催:こまつ座&ホリプロ
【休演日】4/9,16,23【発売日】2013/02/16 S席:10,000円 A席:8,500円 コクーンシート:5,000円(全席指定・税込)
http://www.komatsuza.co.jp/
http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=204
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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