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2013年04月22日

彩の国さいたま芸術劇場『彩の国シェイクスピア・シリーズ第27弾「ヘンリー四世」』04/13-05/02彩の国さいたま芸術劇場大ホール

 蜷川幸雄さんがシェイクスピア戯曲を上演する企画の第27弾。『ヘンリー四世』はもともと第一部、第二部の2部作だそうですが、今回は新構成で1本にまとめられています。上演時間は約4時間20分(途中15分の休憩を含む)。さすがに長かったな~(笑)。

 フォルスタッフ役の吉田鋼太郎さんが素晴らしかったです。彼がいるだけで舞台がキラキラ光るようでした。お話の顛末がとても面白かったです。あの後、『ヘンリー五世』に続くんですね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ヘンリー四世

 ≪あらすじ≫
 ヘンリー四世の息子ハル王子(松坂桃李)は、放蕩の限りを尽くす太っちょの騎士フォルスタッフ(吉田鋼太郎)らと、いつもつるんでいる。
 ≪ここまで≫

 何もない広~い舞台で、背の高い燭台、柱、イス、石像などの配置変えをして、照明で空間を区切って、場面転換します。リアルな絵が描かれた大きな幕が何枚も、書き割りのように使われていましたね。空間が自在に変化していくのが良かったです。奥行きのあるステージが活かされて贅沢ですよね。

 フォルスタッフはすっごく太っているので、吉田鋼太郎さんはお腹からお尻にかけて、まるまると膨らんだ衣装を着ています。動きづらさや体形を利点にした演技の工夫も良かったです。真横から見ても丸いのが可愛いんですよね。特に鎧のデザインが可愛かったな~。

 パンフレットに翻訳の松岡和子さんと、構成の河合祥一郎さんの対談が載っています。『ヘンリー四世』という戯曲の伏線などを解説してくださっていて、とても面白かったです。

 ここからネタバレします。

 ヘンリー四世が亡くなると、ハル王子がヘンリー五世と名乗って王位を継ぎます。ファルスタッフたちに冷たく別れを告げるのは、青春の終わりであり、新しい時代の始まりなんですね。すっごく仲良しだった前半があるから、コントラストがはっきりして、鮮烈な印象を残してくれます。

(第一部 2時間15分/休憩15分/第二部 1時間50分)
≪東京、大阪、福岡、愛知(豊橋)≫
出演:吉田鋼太郎、松坂桃李 木場勝己 立石涼子 星智也 矢野聖人 冨樫真 磯部勉 たかお鷹 辻萬長 瑳川哲郎 手塚秀彰 塾一久 間宮啓行 鳥島昌克 妹尾正文 大川ヒロキ 岡田正 二反田雅澄 清家栄一 飯田邦博 塚本幸男 新川將人 福田潔 井面毅志 篠原正志 澤魁士 野辺富三 土井睦月子 齊藤慎平 中島来星(小姓役Wキャスト) 亜蓮(小姓役Wキャスト)
脚本:W.シェイクスピア 演出:蜷川幸雄 翻訳:松岡和子 構成:河合祥一郎 美術:中越司 照明:勝柴次朗 衣装:小峰リリー 音響:高橋克司 ヘアメイク:佐藤裕子 音楽:阿部海太郎 擬闘:栗原直樹 演出補:井上尊晶 舞台監督:小林清隆 制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ 企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会
【休演日】2/18,25【発売日】2013/01/19 S席 一般9,000円 メンバーズ8,100円 A席 一般7,000円 メンバーズ6,300円 B席 一般5,000円メンバーズ4,500円 学生B席 2,000円
http://saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2013/p04_henry.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2013年04月22日 22:07 | TrackBack (0)