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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2013年06月10日

犬と串『左の頬』04/10-21シアター風姿花伝

 犬と串はモラルさんが作・演出される早稲田大学から輩出された劇団です。「CoRich舞台芸術まつり!」で最終審査に選出されたのは2度目。

 「CoRich舞台芸術まつり!2013春」審査員として拝見しました(⇒99本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。下記にも転載します。

 ⇒CoRich舞台芸術!『左の頬

 ■学園祭ノリを謳歌

 劇場に入るなり、笑いを前面に押し出すような舞台美術が目に入りました。そういえば劇場入口から、にぎにぎしいムードを演出されていましたね。受付付近の若い女性から劇団ファンクラブ用(?)のカードをいただきました。
 内容はお芝居というよりはコント集だったな~と思います。ただ、私は笑えなくて…「このままクスリともできず終演したらどうしよう…(汗)」とおののいたのですが、1か所、本気で笑えるところがあって良かったです。

 笑っている観客は大勢いらっしゃいました。固定ファンを多く獲得されているんでしょうね。全体的に元気な若者が集う学園祭のような雰囲気で、私がそのノリにフィットできなかったんだと思います。ただ、ノレない客をノセるのが、お笑いには必要なんじゃないでしょうか。役者さんは体を酷使してがんばっていらっしゃいましたが、舞台上だけに納まっている感もありました。押すだけじゃなく引いて欲しいし、言うだけじゃなく聞いて欲しい。観客とのコミュニケーションをもっと意識してもらいたいと思いました。

 ここ数年(もしかすると10年以上?)、テレビをほぼ見ない私でも意味がわかるギャグが多くて、懐かしく感じることもあり、意外でした。作・演出のモラルさんは20代だそうですが、昔のお笑いがお好きなようですね。そういえば、今はインターネット上でいつでも昔のテレビ番組を見られます。ネット社会は色んなものの価値を変えて行きますね。興味深いです。

 ここからネタバレします。

 二階堂瞳子さんと鈴木アメリさんのダブル主演で、2人の対立を軸に、周囲の男優さんたちが複数の役を演じます。ストーリーを追うことは特に重要ではなく、次々と繰り出されるネタを楽しむような構成でした。「私は夢の中にいた」等、観客に対して状況を説明するセリフが多かったですが、舞台の転換や照明の変化、身体表現で十分に伝えられていたので、余分なセリフはもっと削っていいと思いました。

 役者さんが体を張ることが劇団の作風になっているようです。でも男優さんが女優さんに空中キックをかますなんて…私は恐ろしくて目を開いていられませんでした。「体当たりの演技」と言えるのかもしれませんが、私は苦手です。

 二階堂さんは緊張感みなぎる精度の高い演技で、常に観客とコミュニケーションを取ってくれていました。体のキレやプロ意識の高さでは、ウォルト役の一色洋平さんも印象に残っています。そういえば「脱ぐ」のも劇団のお約束なんですよね。男優さんたちの上半身は、脱ぐ意味があるぐらい鍛えられていて感心しました。

 笑ったのはディズニーランドのエレクトリカル・パレードの場面です。体に電球を巻いて走る黒子を、鈴木アメリさんが飛びかかって捕まえた瞬間に爆笑しました。

犬と串case.10  シアター風姿花伝10周年プロジェクト参加公演
出演:満間昂平、鈴木アメリ、藤尾姦太郎、堀雄貴、萩原達郎(以上、犬と串)、一色洋平、石黒淳士(ぬいぐるみハンター)、宮本初(コーヒーカップオーケストラ)、二階堂瞳子
脚本・演出:モラル 舞台美術:秋山光洋 照明:伊藤孝(ARTCORE) 音響:志水れいこ 舞台監督:櫻井健太郎 松澤紀昭 衣裳:小原敏博 小道具:辻本直樹(Nichecraft)・萩原達郎 特殊装置:じょう(アステカダイナマイト) スチール:金丸圭 記録撮影:池田暁・村上幸彦・長田水紀 宣伝美術:藤尾姦太郎 振付:二階堂瞳子 演出助手:染谷彩花・シロ・陣内ユウコ 演出部:遠藤滉弥 制作:横井佑輔
【休演日】17日(水)【発売日】2013/03/08 一般 2800円 学生 2000円(要学生証)
☆早期割引/平日昼割 一般 2300円 学生 1800円(要学生証)
○すべて前売/当日共
○当日券ですと混雑時、お席がご用意できない場合がございます。なるべくご予約の上、ご来場下さいませ。
●友情カードをご提示の方は100円をキャッシュバック!!
●友情カードに「宇宙Remix」「さわやかファシズム」のシール添付されているお客様にはプレゼントあり!!
http://inutokushi.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2013年06月10日 21:01 | TrackBack (0)