徳永京子さんが企画コーディネートされる東京芸術劇場・芸劇eyes番外編の第2弾『God save the Queen』は、若い女性劇作家•演出家のショーケースです。⇒第1弾『20年安泰。』のレビュー ⇒記者懇談会写真レポート
参加団体はうさぎストライプ、タカハ劇団、鳥公園、ワワフラミンゴ、Q。どの作品が好みかはパッキリ分かれると思います。ただ、作風は違えど似たテーマを描いていて、やはり時代が映るものなんだなと興味深く拝見しました。上演時間は各団体20分ずつで、転換などすべて込みで2時間10分ほどだったかと。
徳永京子さん、藤原ちからさん共著「演劇最強論」はじめ、物販に書籍が充実。
⇒CoRich舞台芸術!『God save the Queen』
5つが並列に並べられるので、どうしても比べて観ることになりますから、もう、いっそのこと進んで比較・品評して楽しめばいいと思います。
私はタカハ劇団、鳥公園が面白かったかな。鳥公園に出演されていた野津あおいさんが美しかったです。
ここからネタバレします。
●うさぎストライプ『メトロ』
キャスト: 亀山浩史(うさぎストライプ) 戸谷絵里 緑川史絵(青年団) 水野拓(青年団)
作・演出:大池容子 ダンストゥルク:木皮成 照明協力:黒木剛亮(黒猿) 制作・ドラマターグ:金澤昭 宣伝美術・ブランディング:西泰宏
地下鉄に乗る若者たちの会話。
音楽にも物語にも運動にも興味が持てなかった…。
●タカハ劇団『クイズ君、最後の2日間』
キャスト: 橋本淳 伊藤直人
作・演出:高羽彩 音響協力:角張正雄 照明協力:吉村愛子(Fantasista?ish.) 制作協力:嶌津信勝(krei.inc) プロデューサー:池田智哉(feblabo)
2チャンネルに自殺予告を書き込んだ“クイズ君”の最後の2日間を追いつつ、人間らしい生活が保障されていない現代日本の風景をコラージュしていく2人芝居。政治や社会問題をあらわす単語を交互に言いながら、テニスのラリーをする等、激しい運動を含むマイムで見せる。
私が観たタカハ劇団の作品よりも抽象性がかなり増していて、それでも描きたいことをクッキリとあらわすころができているのが巧み。白い箱をテトリスのように組み立てていく作業自体が、ベルトコンベヤーで働く作業員のよう。よく稽古をして、試行錯誤されたんだなぁと思う。箱が階段上に組みあがったところから“クイズ君”が飛び降りるのを、ドサっと重たい紙ふぶき(?)で表現したのも良かった。
●鳥公園『蒸発』
キャスト: 森すみれ(鳥公園) 野津あおい(サンプル)
作・演出:西尾佳織 衣装:桑原史香 演出助手:福島真(東京のくも)
自慰をする男性を双眼鏡で覗き見する女(森すみれ)。同居人(野津あおい)と弁当のパッキングのアルバイトの話をしつつ、観察を続けていると、なんと彼は鶏を交尾を始めた。
性描写が露骨で、鳥肉(産肉)など現代人の食についても辛辣。奇妙なタイミングでダンスが始まったり、曖昧さが増して演劇的なフィクションとしてグっと立ち上がってくるのが面白い。背の高い装置、皮張りの黒いソファ、奈落などの使い方もセンスがいいなと思った。
●ワフラミンゴ『どこ立ってる』
キャスト: 北村恵 菅谷和美(野鳩) 多賀麻美 名児耶ゆり 原口茜
作・演出:鳥山フキ 衣装:原田美和子
ガーリーな衣装の女の子たちのナンセンス・コント。タヌキも登場。
のんきでマイペースでハッピー。間(ま)がいい。
●Q『しーすーQ』
キャスト: 飯塚ゆかり 坂口真由美 吉岡紗良 吉田聡子
作・演出:市原佐都子 制作:有上麻衣 渡邊由佳梨
回り寿司店で働く女の子3人。3人の内2人は、実はエイと人間(男)のハーフと、イカと人間(女)のハーフだった。
いつもながらの赤裸々さで、春画や寿司の写真を使う映像もインパクト大。人によってセリフが聞こえづらかったのが残念。
技術統括:白神久吉 舞台監督:谷澤拓巳 舞台監督助手:浦本佳亮/上嶋倫子 照明コーディネート:乳原一美 音響コーディネート:末廣友紀 映像コーディネート:松澤延拓 映像オペレート:本郷志織
【東京芸術劇場技術スタッフ】舞台:増田好則/柳生貢市/佐々木渉 照明:成田敏幸/阿部桃子 音響:出井稔師/北澤達子/小島慎司 宣伝美術:柳沼博雅(GOAT) 宣伝イラスト:田中海帆 印刷:深雪印刷 宣伝/記録撮影:引地信彦 宣伝/記録映像:遠藤晶(カラーズイマジネーション) 企画コーディネート:徳永京子 制作:大迫久美子/勝優紀/中山静子 票券:佐島めぐみ/宍戸円 広報:宮村恵子/前田圭蔵/久保温竹/須藤亜紀 制作助手:西村和晃 研修生:木村孔三(制作)/村田彩香(照明) 協力:株式会社六工房、至福団 主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 東京都/東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)
日時指定・入場整理番号付き・全席自由 前売2,500円 当日2,800円 高校生割引1,000円 ※高校生割引は東京芸術劇場ボックスオフィスにて前売りのみ取扱い。(枚数限定・要証明書)
https://www.facebook.com/eyes.gsq
http://www.geigeki.jp/performance/theater032/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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