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REVIEW

2013年11月29日

Q『いのちのちQⅡ』11/29-12/01アサヒ・アートスクエア

 市原佐都子さんが作・演出される(キュー)の新作。フェスティバル/トーキョー13(F/T13)の公募プログラムに選ばれた作品です。上演時間は約1時間45分。

 『いのちのちQ』と『しーすーQ』がドッキングしたような脚本でしたね。建て込んだ美術がちょっと新鮮。題材は血統、混血、近親相姦、掛け合わせ(交配)、共食いなどなど…相変わらずいい意味でキレてました。

 市原さんは来年3月に松井周さんが作・演出されるサンプル『シフト(再演)』に出演されるそうです(折り込みチラシより)。バッチリ変態つながり(笑)。※サンプルの雑誌「変態」でお2人は鼎談されています。

 ⇒CoRich舞台芸術!『いのちのちQⅡ
 レビューは記録のみ。

フェスティバル/トーキョー13(F/T13)
【出演】ジョセフィーヌ(オタリアと交尾したい雌犬):飯塚ゆかり、スケ(寿司屋アルバイト・スカート男子):植田崇幸、イヌ(雑種):柏原隆介、おぐり(病弱なメガネ雌犬):角梓、娘(雑種が好き):坂口真由美、みる子(回転寿司屋):椎橋綾那、ナイス(おつむが弱い雄犬):田中俊太朗、リカ(寿司屋アルバイト・リカちゃん人形も演じる):吉岡紗良
作・演出:市原佐都子 舞台監督:小川陽子(空間企画) 舞台美術:中村友美 照明:塚原佑梨 音響:柴田未来 衣装:桑原史香 宣伝美術:吉田聡子 映像:西川達郎(みんなうそつき)、乙女絵美(みんなうそつき) 字幕翻訳:矢部基 制作:渡邊由佳梨、有上麻衣 共催:フェスティバル/トーキョー 主催:Q
一般前売開始:2013年10月5日(土)10:00より
料金:自由席 一般前売2,500円(当日+500円)、初日割引(前売のみ)2,300円ほか
http://www.festival-tokyo.jp/program/13/the_qlobe_of_life_II/
http://qqq-qqq-qqq.com/Qwordpress/?page_id=30

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:00 | TrackBack

子供鉅人『子供鉅人の音楽劇「HELLO HELL!!!」』11/28-12/02シアターグリーン BIG TREE THEATER

 大阪の劇団子供鉅人の音楽劇。フェスティバル/トーキョー13(F/T13)の公募プログラムに選ばれた作品です。上演時間は約2時間。

 地獄に堕ちた悪人たちの日常をレビュー形式で猥雑に。中盤からいきなり物語にドライブがかかって、最後まで引き込まれました。25人以上が出演し、オリジナル曲を生演奏する元気な舞台です。いつもながらエッチ度高め。大阪公演から脚本が変わっているそうです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『子供鉅人の音楽劇「HELLO HELL!!!」

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 あの世の亡者たちは地獄の責め苦を受けることによって
 お金(単位=ヘル。1ヘル=約100円)を得て生活していた・・・
 地獄でもひらき続ける格差社会!針山地獄時給9ヘル、釜ゆで地獄時給12ヘル!
 少子化で亡者を奪い合う牛頭馬頭!罪深きエリート亡者が積み立てる血の池シャンパンタワー!
 HELLO!なんて気軽な挨拶は、「O=お金」がなければただのHELL!
 ちくしょう!天国なんてニート野郎ばっかりだぜ!
 亡者たちが歌うテーマソングは「ZIGOKUの沙汰も金次第!」、
 生きとし生けるものどもよ・・・・
 地獄耳かっぽじって聞きやがれ!!
 ≪ここまで≫

 見世物小屋のような猥雑さと大衆性、流行語の引用やダジャレなどの言葉遊び、テレビゲームの冒険譚のような物語(ひねりがあるけど)、あけすけなエロス、直球のロマンス、そしてあえて不恰好に、全力で動き回る歌とダンス。作・演出は座長役で出演されている益山貴司さんです。独特のセンスだな~と思います。

 なまはげ姉妹の赤い方、キキ花香さんはやはり声がよくて、ドスの利いた存在感がありながら、可愛らしくて。青い方の億なつきさんも胸にぐっとくる瞬間をくれました。そういえば『幕末スープレックス』でもそうでした。
 拡声器で歌う(?)サタン役のデグルチーニさんがすごく渋くてかっこ良かったです。同じく男性だと悪知恵が働くスマートなめがね男子のサトウ(山本大樹)もかっこ良かった。

 ここからネタバレします。

 地獄も金がすべての世界で現実社会と変わらない風に描かれていました。人はどこにも逃げられないし、ユートピアなんてないんだという意味に受け取り、共感しました。
 地獄に堕ちた人々は死んでも風が吹くと生き返るという設定です。何度も死んで生き返ってしまいます。だからこそ刹那的に空しく生きてしまうし、死が見世物になります。

 「火の山の燃料にするために、地球上で廃棄されたプルトニウムを地獄で買い取る」というエピソードが本筋として始まってから、急にお芝居の求心力が増しました。結局、恋愛の三角関係のもつれとか、功名心ゆえの無茶だとか、人間の愚かな行動によってプルトニウムはダイナマイトで爆破され、地獄は無の世界に。

 ラブ吉(影山徹)とキーコ(キキ花香)の関係は阿部定事件を思い起こさせました。最後はキーコの感情がもっと複雑に揺れ動くと、さらにいいんじゃないかと。

  HELLWOODのWOODSTOCKって面白いですね。

≪大阪、東京、北九州≫
【発売日】2013/08/26
出演:影山徹 キキ花香 億なつき 益山寛司 小中太 河野一平 クールキャッツ高杉 山西達矢 三ツ井秋 地道元春 山本大樹 小林欣也 益山U☆G 松原進典 ミネユキ 永沼伊久也 花本ゆか 東ゆうこ 藤澤賢明 PIKA☆ 呉山夕子 グレゴワ・タテュー デグルチーニ 益山貴司
作・演出:益山貴司 舞台監督:伊達真悟/若旦那家康 音響:林裕介/河合宣彦 照明:筆谷亮也 振付:ミスター 歌唱指導:三木 万侑加 衣装:あどシスタ ヘアメイク:Little Birds スタイリング:生本覚子 美術:さくらの/谷口悠 演出部:河井朗/上川敬洋/黒住尚生/高市章平 フライヤーデザイン:さくらの/益山寛司 WEB・こどちゃ(物販):ミネユキ 制作:佐々木瑞穂/中西由佳/河村真由美 写真:明地清恵/橋本大和 映像:竹崎博人
【発売日】2013/08/26 前売り3500円 当日3800円 学生2000円 高校生以下割引1000円 センターシート3500円※シート内先着順自由席
http://www.kodomokyojin.com/hello_hell/
http://www.festival-tokyo.jp/program/13/hello_hell/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:10 | TrackBack

2013年11月27日

tg STAN『Nora ノーラ』11/27-28あうるすぽっと

 「現代イプセン演劇祭」が開幕しました。上演される6作品の題材がすべて『人形の家』という潔さ。『人形の家』初演は1879年です。もはや130年以上前ですね。

 トップバッターは演出家不在で俳優だけで創作するベルギーの劇団tg STAN(ティー・ジー・スタン)の『ノーラ』。上演時間は約2時間10分。英語上演。

 すごく面白かったです!衣装、美術、照明、音楽はシャープかつ洗練。出演者は4人だけ。自然な演技で観客にも話しかけますし、ダンスや身体表現もあり。とにかく、演技が、巧いです。俳優の生理に嘘がない、説得力のある『人形の家』でした。

 なんと明日14時の回で千秋楽です…ご都合のつく方はぜひ。

 ⇒takenaka kyoko web「tg STANに学ぶ演劇における「詩」の絶対領域」(2014/02/17加筆)
 ⇒CoRich舞台芸術!『tg STAN「Nora ノーラ」

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 ベルギーアントワープの劇団・初来日。演出家を置かず、役者間の徹底したディスカッションで芝居を作るのを特徴としている。2012年オスロでのインターナショナルイプセンフェスティヴァルでオープニングを飾った作品。フランダース、オランダにおいて今年のベスト10に選出されている。現代的セット、激しいダンス、ランク・クログスタ、リンデ夫人・乳母の一人二役、誰一人舞台を去らず着替えまで見せる。又、この作品は我々に、初演の1879年以来、本当に女性の地位が変わったであろうか、と問いかけている。
 ≪ここまで≫

 ロビー開場は上演の30分前ですが、客席の開場は10分前です。役者さんが舞台上と客席に板付きだからですね。ノーラ役の女優さんが明るく積極的に観客に話しかけます。とても魅力的な方です。

 『人形の家』は数バージョン拝見してますが、今回もまたいろんな発見がありました。テーマは「女性の自立」と言われる戯曲ですが、女性に限らず「人間の自立」と受け取れました。

 照明器具そのものが舞台美術になっていて、すごくかっこよかったです。形がそろった灯体が複数設置され、同じ色合いで光を放ちます。左上の奥から斜め下に射すもの、バトンにきれいに整列するように吊られているもの、天井のかなり高い部分に横一列に並んでいるもの等、照明のグループが複数あるような感じ。舞台だけでなく劇場空間全体を使ったお芝居でした。

 【舞台写真 tg STAN. 写真: Magda Bizarro (公式サイトから勝手に拝借)】
tg_STAN_Nora.JPG

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 衣装がおしゃれ!特にノーラの服はいわゆる現代の一流ブランドの商品のよう。たしか「ドリス・ヴァン・ノッテンで買った」って言ってたような。ベルギーですしね。ハイヒールはドルチェ・アンド・ガッバーナだったかしら…うろ覚えです。タランテラを踊った夜の場面のひだ付き変形スカートも素敵でした。色は蛍光の朱色で無地。トップスは黒のタンクトップです。
 ※ハイヒールはヴェロニクブランキーノのデザインだったようです。やはりベルギーなんですね。2日目をご覧になった方から教えていただきました。ありがとうございました。(2013/11/29加筆)

 ノーラは夫に内緒でニルスから大金を借りていました。そのニルスから脅されて、ノーラの幸福な日常に今までには全くなかった恐怖が入り込んできます。それまでは客席も明るく照らし、物語と客席がシームレスにつながっていたのですが、丸い大きな照明器具が突然、舞台左上の天井からぶら~んと垂れ下がってきて、光の線が空間を横切っていくと同時に、何やら部品がはずれて床に転がり音をたて、空気が一変します。私は普通に驚いて、何らかのハプニングかと思ったんですが、あれが演出だったならすごくかっこ良かったな~。

 ニルスとクリスティーヌが再会し復縁を決断する場面が素晴らしかったです。クリスティーヌは病気の母と2人の弟を養うため、ニルスを振ってお金持ちと結婚しました。でもその夫が3年前に死に、母も亡くなって弟たちも自立したことから、抜け殻のようになっていたのです。クリスティーヌは昔の恋人ニルスに「溺れかけた者同士で助け合って生きていこう」と提案します(つまり復縁)。でもニルスはにわかには彼女を信じられません。当然ですよね。

 クリスティーヌの真意を探るかのごとく、又は甘えてもいいかどうかを試すために、奇妙に体をくねくねさせながら、ニルスは恐る恐る、クリスティーヌの体に触れ始めます。徐々に2人は体を互いに巻き付け合うようになり、とうとうニルスがクリスティーヌを抱きかかえたり持ち上げたりして、無言のアクロバティックな身体表現に。美しいとはいえない、むしろ不恰好な組み体操のような演技でしたが、不器用な2人にぴったりで、彼らが全身全霊でコミュニケーションをしていることがよく伝わってきました。やがて幕開けから仏頂面しかしていなかったニルスに初めて笑顔が浮かび、彼がクリスティーヌの愛情によって変化したことがわかります。ああ、奇跡が起きたんだなぁと胸打たれて素直に感動したんですが、ニルスの挙動がキモい系なので(笑)、泣きながら笑いました。ノーラは「素晴らしいことが起きなかった」から夫との離別を決めましたから、2つのカップルが好対照になってるんですね。

 家を出ると決めたノーラの「この国の法律では妻が夫の命を救うことが許されない。娘が父に心配をかけないようにすることも」というセリフには納得です。私が女性だからかもしれませんが、法律、政治、経済などの現代の「ルール」となっているシステムには、女性的な考えは反映されていないように感じています。

tg STAN ティージースタン(ベルギー)
特定非営利活動法人舞台21「現代イプセン演劇祭」
【出演】ノーラ:ヴィーネ・ディエリックス(Wine Dierickx) ノーラの夫:フランク・ヴェルクライセン(Frank Vercruyssen) ドクターランク、ニルス・クログスタッド:チアゴ・ロドリゲス(Tiago Rodrigues) 女中ヘレナ、クリスティーヌ・リンデ夫人:ヨレンテ・デ=ケースマエカー(Jolente De Keersmaeker)
前売り一般:5,000円 当日一般:6,000円 学生:3,000円 ※舞台21のみ取扱 豊島区民割引:4,500円  ※あうるすぽっとチケットコールでのみ取扱/在住・在勤 要証明書提示
http://www.norway.or.jp/norwayandjapan/culture/literature/ibsenfestival2013/
http://www.owlspot.jp/performance/131127.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:00 | TrackBack

2013年11月26日

【情報掲載】Studio Life『LILIES』11月20日開幕・ゲネプロ・レポート

 男優集団スタジオライフの『LILIES』が開幕しました。4度目の再演になる劇団の代表作です。⇒製作発表レポート 以下、大原薫さん(⇒ツイッター)によるゲネプロ・レポートです。記事と舞台写真は劇団よりご提供いただきました。
 
 『LILIES』はカナダ人劇作家ミシェル・マルク・ブシャールさんの戯曲で、「百合の伝説 シモンとヴァリエ」というタイトルで映画化もされています⇒映画「Lilies - Les feluettes

 舞台写真を拝見したところ、文学座の乗峯雅寛さんによる新しい舞台美術で作品は一新されているようですね。主役に抜擢された若手キャストにも注目です。

●Studio Life『LILIES』公演公式サイト
  2013年11月20日(水)~12月8日(日)@シアターサンモール
  ※Sebastiani(セバスティアヌス)、Marcellien(マルケリアヌス)、Erigone(エリゴーヌ)チームのトリプルキャスト。
   Erigoneチームのヴァリエ役は公演当日(11/27)にキャスト発表。
  ⇒CoRich舞台芸術!『LILIES

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■珠玉の名作『LILIES』待望の再演 遂に開幕!

男性だけの劇団スタジオライフが4年ぶり4度目の公演となる『LILIES』を開幕。緊張感ある舞台は一瞬たりとも目を離すことができない。繰り広げられる人間ドラマを繊細に描きながら骨太にテーマを伝えて、スタジオライフの代表作というべき傑作となった。

『LILIES』はカナダの戯曲家ミシェル・マルク・ブシャールの作品で、『百合の伝説 シモンとヴァリエ』という題名で映画化され、世界各地で上演されている名作。1952年、カナダ郊外の刑務所を訪れたビロドー老司教は突然、看守や囚人たちに監禁される。そして囚人シモンの指示によって、ビロドーの目の前で囚人たちの芝居が繰り広げられる。その内容は40年前のシモン、ビロドー、そしてシモンを愛するヴァリエをめぐる事実を再現するものだった。40年前彼らに何が起きたのか、そしてシモンはなぜ40年も収監され続けたのか……。隠された過去が明らかになる。

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上演台本・演出を担当する倉田淳の、作品世界の奥底まで追い求める姿勢は初演時から変わらない。だが今回は美術デザイナーの乗峯雅寛氏を迎えて新たな美術デザインに変更し、主役のシモンとヴァリエに若手キャストを抜擢するなど、演出を一新した。閉ざされた監獄を思わせる、黒を基調とする舞台空間。舞台右手側の桟からはわずかな光が透かし見える。空間上方に見える木枠は天窓を象徴するものだろうか。息詰まる状況の中でもはるか彼方には「希望」や「愛」が存在するのを感じさせる、イメージ豊かな舞台美術が『LILIES』の世界観を確かに映し出す。

作品の構造は1952年の囚人たちが40年前の出来事を演じるという劇中劇の形を取る。囚人たちが「真実を知りたい」という老シモン(1952年のシモン)の熱意に打たれて、彼が演出する一世一代の「芝居」に出演するという形だ。この構造を舞台で体現できるのはプロデュース公演でなく、劇団として演劇活動をしているスタジオライフならではだろう。老シモン役をベテラン役者が演じて若手をリードしていくことで、「老シモンの元に結束する」という劇中構造が現実のものとなった。出演者が小道具などを手作りし、舞台転換も行っているのは、劇中の囚人たちと同様だ。出演者たちがまさに一丸となって取り組むことで、力強くメッセージを伝える舞台となった。

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作品の根幹を担うのは、シモンとヴァリエの純愛だ。当時のカナダはカトリックの戒律が厳しく、同性愛は教義に反するものとして固く禁じられていた。様々な障害や偏見に押しつぶされそうになりながらも、二人は魂と魂が求めるようにして激しく結びつく。そして、彼らに嫉妬する少年ビロドー。トリプルキャストのうち、筆者が観劇したSebastiani チームではシモン役を仲原裕之、ヴァリエ役を松村泰一郎、ビロドー役を鈴木智久が演じている。今までの上演時とは違って同年代の役者を揃えることで、3人が織りなすトライアングルがより明確になった。4年前の上演時に4回だけ演じたシモン役に再び取り組む仲原は確かな成長の跡を見せて、閉塞された土地から抜け出したいという思いやヴァリエへの揺れ動く心情を細やかに表現した。前作『カリオストロ伯爵夫人』でアルセーヌ・ルパン役に抜擢された松村が再び大役に挑む。まっすぐな愛情を見せるヴァリエを瑞々しく演じた。鈴木のビロドーは複雑な心理描写を見せる。ポケットに手を入れる姿に本心を人に見せまいとする彼の心理が浮かび上がる。

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シモンとヴァリエの純愛を中心に描きながらも、彼らを取り巻く人間たちのドラマをより深く描き出しているのが今回の上演のポイントだ。老シモンをSebastiani チームで演じるのは笠原浩夫。『DRACULA』『PHANTOM』など様々な作品で主演する笠原は輪郭のはっきりした芝居で、シモンの越し方を映し出す。老ビロドー司教を演じるのは3度目となる船戸慎士。ビロドーの口には出さない心情がつぶさに伝わる演技が作品に奥行きを与えた。そして、女性役の二人。シモンに恋する年配女性、リディアンヌの曽世海司とヴァリエの母、ティリー伯爵夫人の青木隆敏。男性でありながらここまで赤裸々に女性の心理を描写できるのは、女性である倉田の演出のたまものだろうか。曽世は自分を愛さないシモンを愛してしまった苦しみからほとばしる暗い情念を、青木は現実を直視できず、嘘をつかないと生きていけない女性の哀しみを、それぞれ浮き彫りにする。特に、最後の覚悟を決めたティリー伯爵夫人とヴァリエが「狐狩り」に行く場面は親と子という人間の根源の関係を深く、そして衝撃的に描いて、激しく心揺さぶられるシーンである。曽世、青木の二人がこれまで演じてきた女性役の経験が生きて、近年流行の「オール・メール」(男性キャストのみ)の舞台とは一線を画する「男性が演じる女性役」の新たなメルクマール(指標)となった。

LILIES2013_5.jpg

今回の『LILIES』上演はトリプルキャストでの上演となる。上記のSebastianiチームの他に、2012年入団の鈴木翔音と藤森陽太がシモンとヴァリエを演じるMarcellienチーム、そして仲原がシモンを演じ、ヴァリエ役が公演当日のキャスト発表となるErigoneチームがある。稽古もチームごとに別々に行い、異なる演出が見られるなど、それぞれのチームの特色が明確に出るトリプルキャストになっている。緊密に作り上げられた舞台からは、マイノリティとして虐げられた者に優しく寄り添う倉田の視線が感じられる。愛とは何か、そして、自分たちが持つ常識や規範が本当に正しいものなのかどうか……見終わった後に深い余韻を残す舞台だ。(文/大原 薫)


 ご覧になった知人のツイートをご紹介。カナダ戯曲に詳しい方です。

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Posted by shinobu at 16:37 | TrackBack

【お知らせ】公益社団法人国際演劇協会日本センター「高校生劇評グランプリ」の選考委員をつとめます※2014年1月15日〆切

 今年初めて開催される「高校生劇評グランプリ」の選考委員をつとめさせていただくことになりました。

 2013年4月から2014年1月初旬ごろまで、首都圏の劇場で上演された舞台公演が対象です。高校生の皆さん、ぜひ劇場に行って、自分の言葉で劇評を書いてみてください。

 「高校生応援 特別割引公演」で紹介されている公演には、高校生なら1,000円で観られるものもあります。賢く使って、舞台を楽しんでください。

 ■「高校生劇評グランプリ」 ⇒公式サイト
 【対象】2013年4月以降首都圏の劇場で上演された演劇、ダンス(舞踊)、ミュージカル公演
  (能・狂言、文楽、歌舞伎などの伝統芸能公演を含む)
 【字数】 日本語で1200字~2000字
 【投稿】 1人1篇。公式サイトのフォームから投稿してください。
 【期間】2013年(平成25年)11月1日(金)~2014年(平成26年)1月15日(水)(必着)

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Posted by shinobu at 14:37 | TrackBack

【記録】2013年11月26日特定秘密保護法案が衆院特別委員会で可決

 次の選挙の時に、忘れないでいるために記録しておきます。

 ⇒時事ドットコム「秘密保護法案、午後衆院通過=与党は採決強行、維新退席」11/26 12:33


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Posted by shinobu at 13:54 | TrackBack

2013年11月23日

さいたまネクスト・シアター『ザ・ファクトリー4「ヴォルフガング・ボルヒェルトの作品からの九章 ―詩・評論・小説・戯曲より―」 』11/22-25彩の国さいたま芸術劇場・大稽古場

 蜷川幸雄さんが演出されるさいたまネクスト・シアターの公演です。本公演ではなくザ・ファクトリーというシリーズの第4弾。上演時間は2時間10分(休憩なし)。

 第二次世界大戦に従軍し、終戦後数年で26歳で亡くなったドイツ人作家の詩、小説、戯曲などを構成した作品でした。主役ベックマンを演じた内田健司さんがとても良かった。他の出演者も膨大なセリフ全部憶えてると思うと…ふう…。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ヴォルフガング・ボルヒェルトの作品からの九章
 レビューは記録のみ。

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 1967年、蜷川幸雄が劇団青俳の稽古場で発表した
 幻の“初”演出作、今ここに再生する!
 ≪ここまで≫

 軍服姿の若者たちが登場。複数の短編で構成されていました。

THE FACTORY 4
出演:さいたまネクスト・シアター(浦野真介、周本絵梨香、鈴木彰紀、隼太、堀源起、松田慎也、茂手木桜子、内田健司、長内映里香、中西晶、平山遼、市野将理、坂辺一海、佐藤玲、白川大、砂原健佑、續木淳平、堀杏子)
原作:ヴォルフガング・ボルヒェルト 訳:小松太郎 構成・演出:蜷川幸雄 主催・企画・製作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2013/p1122.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【ワークショップ】ゴーチ・ブラザーズ「プロの俳優のための、ステップアップ集中講座~あなたは10年後も演劇続けていますか?~」12/09-13実施※12/02〆切(郵送のみ)

 俳優指導者・ヴォイスコーチの池内美奈子さんの、プロの俳優のためのワークショップ情報です。主催はゴーチ・ブラザーズ
 池内さんは新国立劇場演劇研修所のヘッドコーチで、俳優指導者アソシエーション代表でもあります(関連レポート⇒)。超おすすすめのワークショップです。都合がつくプロの俳優さんはぜひご応募ください。

  ●ゴーチ・ブラザーズ「プロの俳優のための、ステップアップ集中講座~あなたは10年後も演劇続けていますか?~」
  日程:2013年12月9日(月)~13日(金) 全5日間
  講師:池内美奈子
  対象:プロの俳優として活動している方
  募集人数:14名(応募者多数の場合は書類選考あり)
  参加費:30,000円(5日間通し)
  募集締切:12月2日(月) 必着

■池内美奈子ワークショップ参加者募集 ※公式サイトより

ゴーチ・ブラザーズでは、舞台芸術における国内外の才能同士が出会う<場>を創出し、 そこから未来への新しい<関係>が生まれることを目指し様々な企画をしていきます。

今回は、俳優指導者として第一線を走り続ける池内美奈子氏をお招きし、 ワークショップを開催致します。
10年後も俳優として活躍しつづけるために必要な声と身体創りを目指す、 5日間の少人数性ワークショップです。
舞台に立って、声と言葉を発した時に、観客の想像力をいかにかきたて、 物語を押し進められるか ー 。
俳優の仕事を続ける上で大切な力を身につけ、次なるステージを目指す5日間です。この機会にぜひご参加くださいませ!


◆プロの俳優のための、ステップアップ集中講座~あなたは10年後も演劇続けていますか?~

日程:2013年12月9日(月)~13日(金) 全5日間

9日(月) … 11:00~17:00
10日(火) … 11:00~17:00
11日(水) … 11:00~17:00
12日(木) … 13:30~19:30
13日(金) … 11:00~17:00

※休憩時間含む

場所:ホリプロスタジオファクトリー
〒158-0097 東京都世田谷区用賀1-14-4-B1
*田園都市線『用賀駅』より徒歩10分

対象:プロの俳優として活動している方
募集人数:14名(応募者多数の場合は書類選考あり)

参加費:30,000円(5日間通し)

募集締切:12月2日(月) 必着

<申込方法>
タイトルを『池内美奈子ワークショップ参加希望』とし、E-MAILにてお申込みください。

お名前(フリガナ)、ご所属、ご連絡先を明記の上、プロフィール(顔写真付き・A4サイズ)を添付の上、【studio(アットマーク)gorch-brothers.jp】までお送りください。

※書類確認後、受講確認・詳細のご案内の返送もって、申込完了とさせていただきます。 
※応募書類は返却致しかねますので予めご了承ください。
※受講料については、申込確定後にご案内致します弊社指定の口座へのお振込をお願いいたします。


<講師プロフィール>
池内美奈子(いけうち・みなこ)
俳優指導者・ヴォイスコーチ

舞台企画、製作、制作、戯曲翻訳、舞台通訳を経て、2000年度文化庁在外研修員として渡英し、セントラル演劇学校(Royal Central School of Speech and Drama)ヴォイス学修士課程修了。以来国内外で、幅広い層の俳優に身体と声のつながり、発語のプロセス、物語ることの真髄を伝える。2005年より新国立劇場演劇研修所のヘッドコーチ。2007年俳優指導者アソシエーションを結成。2011年秋はウェールズの王立音楽演劇学校の客員講師。演劇以外にも物語りをする人のサポートをし、2012年にはパナソニック社の津賀社長のラスベガスCES2013のキーノートスピーチのコーチングを手がけ、大成功に導く。

<お問合せ>
(有)ゴーチ・ブラザーズ 
担当:赤羽ひろみ(090-4130-1775)
住所:世田谷区中町5-10-27
TEL:03-6809-7125(平日10時~18時)
FAX:03-6809-8994


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:32 | TrackBack

【オーディション】イキウメ「2014出演者オーディション」※12/20〆切(郵送のみ)

 前川知大さんが作・演出される劇団イキウメが、2014年の春(5~6月公演、稽古4月)と秋冬(11~12月公演、稽古10月)に行われる公演の出演者を募集します。詳細はこちらでご確認ください。

 イキウメは現在、青山円形劇場で『片鱗』を上演中。大阪、福岡公演あり。前川さんの最新のビッグ・ニュースといえば、来年3月に新橋演舞場で上演されるスーパー歌舞伎の作・演出をされることですね。
 ⇒sanspo.com「猿之助&蔵之介、「スーパー歌舞伎」で共演決定!

●イキウメ「2014出演者オーディション募集」 ⇒公式サイト
 実技審査日程:2014年1月14日(火)、20日(月)@都内スタジオ
 応募条件:28歳までの魅力的な男女。経験不問。
 参加費:2,000円
 応募方法は郵送のみ。
 〆切:2014年12月20日(金)※消印有効・持参不可

Posted by shinobu at 14:49 | TrackBack

【告知】日本文化政策学会第7回研究大会企画フォーラム「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場を考える ~文化政策の視点から~」12/01(日)午前9:30-11:10東京芸術劇場中リハーサル室1

 私はこどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願っています。ある学会の企画に報告者として登壇することになりました。15分ほどお話をする予定です。入場無料。一般の方もご参加いただけますので、よかったらお運びください。

 ●日本文化政策学会第7回研究大会企画フォーラム
  「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場を考える ~文化政策の視点から~」
  ⇒公式サイト
  日時:2013年12月1日(日)午前9:30-11:10
  場所:東京芸術劇場中リハーサル室1
  ※入場無料。定員40名(事前申込不要、当日先着順)。

 ・報告者(敬称略・報告順)
  有泉慶美(市民団体「こどもの城・青山劇場・青山円形劇場の存続を願う有志の会」共同代表)
  高野しのぶ(現代演劇ウォッチャー)
  石井達朗(舞踊評論家)
 ・コメンテーター (敬称略)
  曽田修司(跡見学園女子大学教授、社団法人国際演劇協会(ITI/UNESCO)日本センター事務局理事)


 ★こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願う有志の会
  有志の会の公式サイト:http://kodomoaogeki.com/
  有志の会の公式ブログ:http://kodomonosiro.blog.fc2.com/
  公式ツイッター:https://twitter.com/kodomoaogeki
  Facebookページ:http://www.facebook.com/kodomo.aogeki

  俳優の八嶋智人さんが街頭署名のお手伝い(⇒)をしてくださいました!

  WEB署名もできます⇒ http://www.change.org/kodomo-aogeki

Posted by shinobu at 14:13 | TrackBack

メルマガ号外 てがみ座『地を渡る舟』

 演劇ユニットてがみ座
 『地を渡る舟 -1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち-』
 11/20-24東京芸術劇場シアターウエスト

  舞台写真⇒ (2013/11/29加筆)

 ※公演詳細はこちら
 ⇒CoRich舞台芸術!『地を渡る舟

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.55  2013.11.23 2,017部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  ◎演劇ユニットてがみ座
   『地を渡る舟 -1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち-』
   11/20-24東京芸術劇場シアターウエスト
  ☆出演:福田温子 今泉舞 箱田暁史 石村みか 古河耕史 近藤フク 生津徹
       多根周作 七味まゆ味 松角洋平 原扶貴子 中村シユン 青山勝
   脚本:長田育恵 演出:扇田拓也
    http://tegamiza.net/take12/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=49472
   劇団公式ツイッター↓で観客の感想が読めます。
    https://twitter.com/tegamiza

 ◎観劇後のコメント◎

  演劇ユニットてがみ座は劇作家の長田育恵さんが主宰される劇団です。
  長田さんは2010年に亡くなった劇作家、井上ひさしさんの最後のお弟子さん。
  劇団公演以外に外部への書き下ろしもされている注目の若手です。
  2013年7月の新聞記事↓
   http://tinyurl.com/lwdfyb7

  舞台は1930年~40年代の戦時中の日本。日本各地を自分の足で歩いて
  その土地の人々、生活を記述した宮本常一ら、民俗学者らのお話です。
  俳優の演技の賜物か、舞台にはお芝居の空気が満ちていて、
  幕開けから心をつかまれました。
  
  時代を忠実に表現した小道具や衣装、
  具象と抽象のバランスがいい、抜け感のある動的な舞台美術、
  役人物として、ただストイックに舞台に居る俳優たち。
  純日本製ストレート・プレイの至福を味いました。
  史実に誠実に向き合い、今と未来を見つめる広がりもありました。

  デジタル機器を駆使して膨大なデータを収集し、分析、解析すれば、効率的に
  物事の核心に触れられる…今はそんなことが、さも当然のごとく語られ、
  ビジネスになる時代です。でも、ひたすら歩いて旅して、人と会って話して、
  自分で見て、聞いて、体験したことを記録した常一の姿から、
  「知る」とはどういうことか、「伝わる」「残る」ものとは何なのかと、
  あらためて考えました。人と人とをつないでいく常一の生き方に
  インターネット漬けのせわしい日常を突破する糸口がある気がします。
  
  長田さんはここ数作、「時代と場所、記憶を書き留める」というテーマで
  戯曲を書かれてきたそうです。
  資料にあたるだけでなく、実際にゆかりの地に赴いて取材をされていて、
  今作では実際に常一と会ったことのある方々ともお話をされたとか。
  熱い血の通った言葉が次々と紡ぎ出されるのは、そのせいなんですね。
  登場人物が媚びたりせず、安きに流れないところも好きです。

  井上ひさしさん亡き今、長田育恵さんがいてくれた。
  “あとにつづくもの”はここにいたのだと、喜びと感謝を噛みしめました。

  劇場は池袋にある東京芸術劇場↓の地下にあるシアターウエスト。
   http://www.geigeki.jp/
  池袋駅地下の2b出口と直結していますので、雨にも濡れません。
  2012年秋にリニューアルした綺麗な劇場です。写真レポート↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0811143354.html

  ※上演時間は2時間30分休憩なし。


 【チケット情報】 

  残すは今週末の3ステージのみ!残席あります。

  11月23日(土)14:00/19:00 ※19時がねらい目
  11月24日(日)14:00

  前売・当日共に、4000円(全席指定)

  劇団取り扱い:http://tegamiza.net/take12/ticket/
  チケット受付直通ダイヤル(10:00~18:00) 080-5489-7854 (palett&bullet)

  ローソンチケット:http://l-tike.com/

  東京芸術劇場ボックスオフィス:
   電話:0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)
   http://www.geigeki.jp/t/ (PC)
   http://www.geigeki.jp/i/t/ (携帯)


 【お問い合わせ】

  てがみ座
   お問い合わせフォーム:http://tegamiza.net/contact/
   TEL : 080-5489-7854 (10:00~18:00)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎11/22(金)14時の回終演後のトークで話された内容を参考にしました。 
  (出演:長田育恵、扇田拓也 ゲスト:徳永京子)


 ◎2013年4度目のメルマガ号外です。前回はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0522203055.html


 ◎こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願い署名活動中です。
 ・日本文化政策学会 第7回研究大会 企画フォーラム
  「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場を考える ~文化政策の視点から~」
   http://since19851101.blogspot.jp/2013/11/121.html
  日時:2013年12月1日(日)午前9:30-11:10
  場所:東京芸術劇場 中リハーサル室1
  ※入場無料。定員40名(事前申込不要、当日先着順)。
  報告者として登壇します。15分ほどお話をする予定です。

  俳優の八嶋智人さんが街頭署名のお手伝い↓をしてくださいました!
   https://twitter.com/kodomoaogeki/status/361392366831157249
   https://twitter.com/meganeouji840/status/361403711639138304
  有志の会の公式サイト:http://kodomoaogeki.com/
  有志の会の公式ブログ:http://kodomonosiro.blog.fc2.com/
  署名用紙をダウンロードして署名し、有志の会までご郵送ください。
  WEB署名もできます⇒ http://www.change.org/kodomo-aogeki
  公式ツイッター:https://twitter.com/kodomoaogeki
  Facebookページ:http://www.facebook.com/kodomo.aogeki


 ◎facebookページ↓でブログ更新を報告しますので、よろしければ
   http://www.facebook.com/shinobureview
  「いいね!」をクリックしてタイムラインに混ぜてください♪


 ◎ツイッター↓やってます! ※フォロアー4800人超えに感謝♪
  ⇒ @shinorev : http://twitter.com/shinorev
  メルマガ号外は読者の方々に直接届ける手段として今後も続けますが、
  速報としてはツイッターが最速です。


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
   http://stage.corich.jp/
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪ メンバー登録はこちら↓
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  アプリでチラシ拡大可能!「あと○日で開幕・終幕」がわかって便利。
  最新版では「観たい!」「観てきた!」コメントも表示されます。


 ◎稽古場レポートや演劇人へのインタビュー記事などを書いています。
  昨年のお仕事のまとめはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0105215957.html
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪

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 今回の配信は“号外”です。
 メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。

 毎月1日発行のメルマガで、その月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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クレジット:
演出:扇田拓也(ヒンドゥー五千回) 脚本:長田育恵(てがみ座) 舞台監督:杣谷昌洋 ・ 松澤紀昭 舞台美術:杉山至+鴉屋 音響:笠木健司(クロムモリブデン) 音協協力:Miya 照明:シバタユキエ・木藤歩 衣裳:阿部美千代((株)MIHYプロデュース) 演出助手:谷村聡一(ヒンドゥー五千回) 宣伝美術:山下浩介 撮影:伊藤雅章 録画:彩高堂「西池袋映像」 手紙:右近金魚 W E B:NORICO(RICOSTYLE) 制作:藤田晶久 制作助手:萩谷早枝子 広報:MAICO. 制作協力:小野和佳子 企画・制作:演劇ユニットてがみ座

Posted by shinobu at 01:34 | TrackBack

2013年11月20日

【ご報告】東京大学見聞伝ゼミナールのサイトにインタビュー記事が掲載されました

 東京大学見聞伝ゼミナールの「観劇企画」の学生さんに、今年の夏にインタビューしていただいた記事が、同サークルの公式サイトに掲載されました。

 ⇒【観劇企画取材】高野しのぶさん(現代演劇ウォッチャー)

 そろそろ自分自身について書かなければと思っていたところだったので、渡りに船の機会をいただきました。ありがとうございました。なぜ「しのぶの演劇レビュー」を開設したのか、なぜメルマガを発行しているのか、「観客」であることの幸せとは何なのか、そして今、私が観たいと思っているのはどんな舞台で、そのためには何が必要なのか…など、ごく個人的ですが、誇張のない本音をまとめていただけたと思います。

 以下は同サイトにインタビュー記事が掲載される方々です(敬称略・掲載順・私を含む)。尊敬する演劇人の中に加えていただいて大変光栄です。

 ・相馬千秋(F/Tプログラム・ディレクター)
 ・高野しのぶ(演劇メルマガ主宰)
 ・福井健策(弁護士)
 ・平田オリザ(劇作家・演出家)
 ・徳永京子(演劇ジャーナリスト)
 ・Theater MERCURY(学生劇団)

 東京大学見聞伝ゼミナール「観劇企画」は、今週末の駒場祭で講演会を自主企画されました。なんと相馬千秋さんと内野儀さんが登壇されます。

 ■2013年駒場祭講演会「観劇ノススメ 現代演劇の“いま”を考える」 ⇒公式サイト
  日時:2013年11月24日(日)14:00~16:00
  場所:東京大学駒場キャンパス11号館1101教室
  講演者:相馬千秋(F/Tプログラム・ディレクター)×内野儀(東京大学大学院教授・批評家)
  ※入場無料

 「観劇企画」の紹介文を私なりに要約すると、「演劇なんて全く知らなかった学生が、ひょんなことから演劇に目をつけて、みんなで一緒に観に行ってみたらすごく楽しくて、やがて単独でも観に行くようになり、いつの間にかそれぞれが立派な演劇ファンになっていた。そして演劇界の人々にインタビューをした末に、自分たちでアクションを起こすことにした」…ということだと思います。感動しました。若者の積極的な行動の邪魔をしない、可能性だらけの芽を摘まない、大人で居なければと思います。

 お時間のある方はぜひお運びください。井の頭線・駒場東大前駅は渋谷から各駅停車で2駅。秋の駒場祭は大賑わいで、観光するにもふさわしいイベントだと思います。銀杏の紅葉も楽しめます。⇒こんな感じ

Posted by shinobu at 15:53 | TrackBack

イキウメ『片鱗』11/08-24青山円形劇場

 前川知大さんが作・演出される、押しも押されもせぬ人気劇団イキウメの新作は、劇団の原点に返ると銘打ったホラー。お話も演出もいつもながらのクオリティーで面白いですが、今回は特に俳優の演技が素晴らしかったです!

 上演時間は約1時間45分弱。東京公演は11/24まで。その後、大阪、福岡公演あり。青山円形劇場を完全円形の客席で使っていますので、他の地域での公演ではまた違う作品になりそうですね。

 ⇒ぴあ「11/8青山円形劇場でイキウメの新作「片鱗」が開幕した!その初日レポートをご紹介!
 ⇒CoRich舞台芸術!『片鱗

 【舞台写真:左より、清水葉月、手塚とおる、伊勢佳世、浜田信也 撮影:田中亜紀】
henrin1.jpg

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 ある郊外の住宅地で、不審者がいるとの通報が増えた。
 不審者達はどこからともなく現れ、消えていく。
 何をするわけでもなく、時折苦しそうな表情をみせる。
 目を離すと、いなくなっている。
 幽霊という噂が立つが、目撃者は皆確実に存在していたと話す。

 あれはいったい何だったんだろう。
 現れ、存在し、苦しみ、消えていった。

 人の住処につきものの、ありふれた怪奇現象。
 その片鱗を掴んだことが、大きな間違いだった。
 ≪ここまで≫

 円形劇場の中央部分に、ひざよりは高く、腰よりは低いぐらいの高さの正方形の黒い台が4つ、均等な距離を空けて設置されています。4つの台の間に十字の道が通っているような形です。道はそのまま舞台奥、つまり劇場のドアの外側へとつながっています。客席は完全円形です。

 台は家を意味し、4つの家族が暮らしています。中年夫婦と高校三年生の息子がいる大河原家、ガーデンデザイナーの独身女性・蘭、不動産管理業(つまり大家)の佐久間、そして引っ越してきたばかりの公務員の安斎です。安斎には高校1年生の娘がいます。ハートウォーミングなご近所づきあいが順調に営まれますが、不可思議な事件をきっかけに、突如としてその関係は崩壊していきます。

 【舞台写真:左より、盛隆二、手塚とおる 撮影:田中亜紀】
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 ごくごく平凡な一般人のコミュニケーションがとても自然です。「自然な会話をしていますよ」という説明的な演技は全くなく、役人物の生活がただそこにあり、誰かと交流することで初めて感情が生まれ、行動が起こります。だからたわいない会話だろうが、物語を急展開させる重要な場面だろうが、いつだって目が離せず、気を抜けず、ずっと集中して、意味も空気も何もかもを深く味わい、楽しみながら観続けられました。こういう演技によるお芝居を、私は観たいと思っています。

 イキウメといえば娯楽性を追及しつつ社会的な主張も織り込んだ戯曲に、演劇ならではの効果を生かす巧みな演出で、常にハイクオリティーな舞台を作ってくれる劇団だと、私は思ってきました。とうとう今作で、所属俳優の演技においても、一足飛びに成熟されたような印象を受けました。

 公務員の安斎(森下創)の娘(清水葉月)の名前が“忍”というのは、意味もいいですね。しのぶ、しのぶって呼ばれて色々と緊張したりドキっとしたりときめいたり(笑)、今回は役得でした(←バカ)。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 誰の目にも見えない謎の男(手塚とおる)が、家(=台)に水をこぼすことで、その痕跡を残していきます。人の体から水がドっと流れ落ちたり、床から水が染み出したりする効果がとても面白いです。水は目に見えるし触れられるので、人々は気味悪く思い始めます。実はその男に憑りつかれると(水に浸ると)、誰に対しても怒りをぶつける性格へと豹変してしまうのです。「許さないぞ」「絶対に許さない」というのが口癖になります。まずは大家の佐久間(盛隆二)、そして大河原の妻(岩本幸子)といった風に、次々と精神を病んでいき、佐久間は病院で自殺してしまいます。

 水に触れて病気になる人物の心中には、「許さない」という言葉であらわれ出てくる怒りの種が、すでに存在していました。大河原(安井順平)は隣に住む蘭(伊勢佳世)と愛人関係にあり、佐久間は蘭に失恋をしていましたから、大河原に対して恨みを持っていても不思議ではありません。また、大河原の妻は蘭に対してあからさまに敵意を燃やします。もともと本人が持っているマイナスの感情が、謎の男(=水)によって増幅され、やがて全身が侵食されてしまいます。

 【舞台写真:左より、清水葉月、大窪人衛 撮影:田中亜紀】
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 いきなり結論ですが、この呪いの元凶は安斎の娘・忍でした。存在するだけでその周囲に不幸が起こるため、2人は次々と引っ越しを余儀なくされていたのです。不幸とは周囲の人々が狂ってしまうことと、植物がどんどん枯れていくこと。“謎の男”という形で、忍にかかった呪いを表象する演出だったんですね。呪いは次に生まれた子供に移るので、安斎は忍を早く妊娠させて、子供を産ませたいと思っており、忍自身もまたそうでした。それで2人は大河原の息子・和夫(大窪人衛)をターゲットにし、まんまと忍と関係させて子供を作らせます。安斎は善意の人のように見えていましたが、実は全て計算づくの行動だったわけです。
 生後3か月の娘を抱いて、たった一人で舞台中央に立つ和夫。どうやら安斎と忍は雲隠れしたようです。忍は「12歳まではごく普通の生活をしていて最高に幸せだった、でも生理が始まって不幸になった」と言っていました。きっとその娘の生理が始まったら、和夫は安斎と同じ運命をたどることになる…と匂わせて終幕。終わらない恐怖はホラーの王道ですよね。

 先述の忍の「普通の生活が最高に幸せだった」というセリフや、安斎が和夫を説得する場面での「君は今までと同じように自分の人生を生きようとしている。妊娠して忍の人生はもう変わってしまったんだ。昨日と同じ日常を明日も生きようなんて、なぜそんなことができる?」というセリフは、震災を経た今の私たちに向けられたものだと思います。
 大河原と蘭の恋人・日比野(浜田信也)が、安斎に対して「お前がクロだ(出ていけ)」と迫る場面が、私にとっては一番強烈だったかもしれません。安斎の娘が呪いの元凶だったのはただの偶然で、彼らが大河原たちの街に引っ越してきたのも偶然です。安斎と娘を追い出しても、彼らが行くところには次々と不幸が起リ続けます。まるで原発から出る放射性廃棄物のようだと思いました。(娘が生まれたので今後10年余の猶予がありますが)

 【舞台写真:左より、清水葉月、手塚とおる 撮影:田中亜紀】
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 手塚とおるさんの贅沢すぎる使い方(笑)。セリフなしですもんね。でもオープニングで空間を引き裂くように鮮烈に登場した手塚さんを観たら、他にいったい誰がこの役をできるのかしら…と考えちゃいますよね。客席で手塚さんに隣に座られたお客様はどんな気分だったのかしら…。

≪東京、大阪、福岡≫
出演:浜田信也(日比野・塾講師・蘭の恋人)、安井順平(地元ラジオ局ディレクターの大河原)、伊勢佳世(ガーデンデザイナーの蘭・大河原の愛人)、盛隆二(大家・趣味はIT関係、蘭に横恋慕したことがある)、岩本幸子(大河原の妻・折り紙作家)、森下創(新しく引っ越してきた安斎・公務員)、大窪人衛(大河原の息子・高校三年生)、清水葉月(忍。安斎の娘・通信制の高校に通う高校1年生)、手塚とおる(男)
脚本・演出:前川知大 舞台監督:谷澤拓巳 美術:土岐研一 照明:松本大介 音楽:かみむら周平 音響:青木タクヘイ 衣裳:今村あずさ ヘアメイク:西川直子 演出助手:熊井絵理 宣伝美術:鈴木成一デザイン室 制作:湯川麦子 プロデューサー:中島隆裕 演出部:松尾明日望 音響操作:鈴木三枝子 大道具制作:C-COM 運搬:マイド 当日運営:藤木やよい 吉田直美 提携:こどもの城青山円形劇場 後援:TOKYO FM 運営協力:サンライズプロモーション東京 主催:イキウメ/エッチビイ
【発売日】2013/09/22 前売 4,200 円 / 当日 4,400 円(全席指定・税込) ※未就学児童入場不可。
http://www.ikiume.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2013年11月18日

【ワークショップ・オーディション】KUNIO11「『ハムレット』2014年夏・京都、豊橋、札幌、東京公演の出演者募集」※11/25〆切(郵送のみ)

 来年の夏、杉原邦生さんがシェイクスピアの『ハムレット』を演出されます。7月に続いて、第二回目のワークショップオーディションが実施されます。ツアーは京都、豊橋、札幌、東京の4か所に増えたんですね。稽古は東京およびその近郊で行われます。以下、公式サイトより。

 ワークショップ・オーディションは京都と東京の2か所で行われます。応募資格は18歳以上の男性。経験不問。我こそはと思う役者さん、どうぞご応募ください。※応募概要をよくお読みください。

 杉原邦生さんの最新作はフェスティバル/トーキョー13・木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談―通し上演―』11/21-24@あうるすぽっと。今月の私のNo.1おすすめ公演です。木ノ下歌舞伎は「CoRich舞台芸術まつり!2013春」でグランプリを受賞しています。

 ●KUNIO11『ハムレット』
  2014年7月3日(木)~8月3日(日)京都、豊橋、札幌、東京公演
  演出・美術=杉原邦生
  作=ウィリアム・シェイクスピア

 【ワークショップオーディション日程】
 《京都会場》 場所:京都芸術センター
  1次 | 2013年12月1日(日)①11:00~15:00 ②16:30~20:30
  2次 | 2013年12月2日(月)13:00~18:00
 《東京会場》 場所:森下スタジオ
  1次 | 2013年12月3日(火)①12:00~16:00 ②17:30~21:30
  2次 | 2013年12月4日(水)13:00~18:00

 【クリエーションワークショップ日程】 ※参加必須
 2013年12月5日(木)、6日(金)、2014年 3月24日(月)~ 31日(月) 場所:森下スタジオ

  応募締切:11月25日(月)消印有効

■KUNIO11「『ハムレット』ワークショップ・オーディション

2014年夏、新作公演KUNIO11『ハムレット』を上演いたします。 2013年より継続してワークショップを重ね、約一年間のクリエーション期間を経て、全国4カ所で の上演を行います。どうぞご期待ください。

KUNIO11『ハムレット』

演出・美術=杉原邦生
作=ウィリアム・シェイクスピア

日時・会場

《京都公演》7月3日(木)~7日(月) 会場:京都芸術センター
《豊橋公演》7月12(土)、13日(日) 会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
《札幌公演》7月24日(木) 会場:札幌市教育文化会館 小ホール
《東京公演》8月1日(金)~3日(日) 会場:あうるすぽっと


>>出演者を募集いたします。

本公演は、去る2013年8月に第一回目のオーディションを行い、クリエーションのためのワークショップを継続しています。今回は12月に実施する第二回目のワークショップオーディションの募集です。募集要項をお読みのうえ、以下より応募用紙をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、お申し込みください。ご応募お待ちしております。

【ワークショップオーディション日程】
《京都会場》 場所:京都芸術センター
 1次 | 2013年12月1日(日)①11:00~15:00 ②16:30~20:30
 2次 | 2013年12月2日(月)13:00~18:00

《東京会場》 場所:森下スタジオ
 1次 | 2013年12月3日(火)①12:00~16:00 ②17:30~21:30
 2次 | 2013年12月4日(水)13:00~18:00

【クリエーションワークショップ日程】
2013年12月5日(木)、6日(金)、2014年 3月24日(月)~ 31日(月) 場所:森下スタジオ

【公演期間】
《京都公演》6月25日(水)~7月8日(火)《豊橋公演》7月10日(木)~7月13日(日)
《札幌公演》7月22日(火)~7月24日(木)《東京公演》7月28日(月)~8月3日(日)
・上記は劇場入りの期間です。舞台稽古、リハーサル、ゲネプロなどの期間を含みます。

【応募条件】
・18歳以上の男性。経験は不問です。
・2014年5月中旬より予定している東京および近郊での稽古、及び上記の公演期間に参加可能な方。
・上記のクリエーションワークショップに参加可能な方。
・公演への出演が決まった場合は、ご自身での責任で稽古及び公演に参加できる方。
・2014年 5月 より予定している稽古、および上記期間内の公演に参加可能な方。
・夏期、冬期のいずれかのワークショップオーディションに参加可能な方。

【応募方法[郵送のみ]】
①以下より所定の応募用紙をダウンロードして必要事項をご記入ください。
②応募用紙+バストアップ・全身の写真各1枚をご用意のうえ、下記住所まで郵送でお申し込みください。
・11/28(木)に書類選考の結果をメールにてご連絡いたします。
・合否に関わらず応募書類の返却はいたしません。
・公演への出演が決定した場合、公演期間(稽古期間は除く)の交通宿泊費は負担いたします。
・出演者のチケットノルマはありません。若干の出演料をお支払いたします。

   ・Word    ・PDF  ←公式サイトでダウンロードしてください。

応募締切 11月25日(月)消印有効

【申込み、お問合せ】
KUNIO  〒606-8283京都市左京区北白川仕伏町90-5
     TEL・FAX:075-712-6004

助成:公益財団法人セゾン文化財団
主催:京都芸術センター、KUNIO

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:50 | TrackBack

2013年11月17日

サンプル『永い遠足』11/17-25にしすがも創造舎

 フェスティバル/トーキョー13はオープニングの日の野外劇の後、ラビア・ムルエ連続上演3作品を観て、松井周さん率いるサンプル『永い遠足』世界初演へ。上演時間は約2時間弱。

 会場はモロ体育館。物語がやって来ては去り、近づいては消え入り、俳優がずっと遠くに感じられて、意味が全然わからなかったんですが、最後の最後に『オイディプス王』として全てが結ばれたように感じて…物凄いものだった…というのが観劇直後の感想です。疲労困憊で、しばらく朦朧としていました。俳優さんが老若男女問わず全員セクシー!一体何なんだ!

 ロビーにて雑誌サンプル「変態」を購入(税込1,000円)。文学座アトリエ公演で上演された戯曲『未来を忘れる』が掲載されています!

【舞台写真 撮影:青木司】
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 ⇒CoRich舞台芸術!『永い遠足

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 生命の起源から高度先進医療までを見渡す、現代演劇版「人間/生き物」観察記。
 ≪あらすじ≫

 ポスト・パフォーマンス・トークのゲストは映像作家の小泉明郎さん。松井周さんの作・演出作品を初めてご覧になったそうで、ものすごく興奮してらっしゃいました。松井さんにどんどん質問をぶつけて、ノートにメモを取る熱心さ。おかげさまで、意味がよく分かっていなかった私にとって、大いにヒントになる言葉を聴くことができました。※小泉さんは雑誌サンプル「変態」で松井さんと対談されています。
 松井さんの「物体に物語を貼り付ける」という感覚、または「人は誰もが演じている(血のつながった家族も、家族である風な演技をしている)」という解釈、それが「着脱可能」であるという自由さは、いつもとても面白いと同時に恐ろしいとも思います。

 ここからネタバレします。

 男が女になって、人間が犬(?)になって。そういう変態(メタモルフォーゼ)も、息子(久保井研)と母(羽場睦子)の間に生まれた娘(野津あおい)という近親相姦の変態(アブノーマル)も。

 トラック(電気自動車)の荷台に美術が積み込まれている、可動式舞台。運ばれていく、とどまらない(止まることができない)、ずっと流れていくイメージ。下手の壁を照らす黄色っぽい緑の照明が怖かった。

 ネズミ(奥田洋平)がくれた人工の眼球を、オイディプス(久保井研)が手に取った時、その眼球がとてもリアルな造形だったせいもあって、散らばっていたエピソードが一気につながって、有機的に結びついたような感覚がありました。『オイディプス王』のギリシア時代と、クローン人間が闊歩して移植用の内臓を誰もが容易に手に入れられる未来とが、同時に起こったような。松井さんのトークによると「生態系を舞台にあらわすこと」もテーマの1つだったそうで、円環する生命の輪が閉じたような、何もかもが混ざり合った気味の悪い一体感もあったように思います。


フェスティバル/トーキョー13(F/T13)
出演:古屋隆太、奥田洋平(以上サンプル・青年団)、野津あおい(サンプル)、羽場睦子、稲継美保、坂口辰平(ハイバイ)、坂倉奈津子、久保井研(唐組)
作・演出:松井周 舞台監督:鈴木康郎、浦本佳亮、谷澤拓巳 舞台美術:杉山至(+鴉屋) 照明:木藤歩 音響:牛川紀政 衣裳:小松陽佳留(une chrysantheme) 字幕:門田美和 演出助手:山内晶 ドラマターグ:野村政之 WEBデザイン:斎藤 拓 宣伝写真:momoko matsumoto フライヤーデザイン:京(kyo.designworks) 制作:三好佐智子(quinada)、冨永直子(quinada) 助成:公益財団法人セゾン文化財団 協力:レトル、青年団、ハイバイ、唐組、至福団、シバイエンジン 製作:サンプル・quinada 共同製作・主催:フェスティバル/トーキョー
一般前売開始:2013年10月5日(土)10:00より 料金:自由席(整理番号付) 一般前売 3,500円(当日 +500円) 学生 3,000円、U18(18歳以下)1,000円(前売・当日共通、当日受付にて要学生証提示)
http://www.festival-tokyo.jp/program/13/the_long_field_trip/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:24 | TrackBack

2013年11月16日

SPAC『わが町(再演)』11/16-24静岡芸術劇場

 SPAC・静岡舞台芸術センターの『わが町』再演です。演出は初演と同じく文学座の今井朋彦さん。キャストは一部変わっています。上演時間は約2時間30分(途中休憩を含む)。

 初演は出自の違う俳優がそれぞれの特技を披露していくような、バラバラな印象を受けたんですが、再演は座組み全体に一体感があり、もう何度も観ている『わが町』なのに終盤で涙してしまいました。

 開演前に劇場のすぐ隣のカフェ・シンデレラで芸術総監督の宮城聰さんによる10分程度のトークがありました。早めに劇場に行けば誰でも聴くことができます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『わが町

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 ◇第1幕  グローヴァーズ・コーナーズのある一日
 ◇第2幕  恋と結婚
 ◇第3幕  それから9年後…
 アメリカ合衆国の北東部、ニューハンプシャー州の片田舎にグローヴァーズ・コーナーズはある。食料品店とドラッグストアーが一軒ずつ、それでこと足りてしまう小さな町。19世紀の終わり、車が普通に走るようになる少し前の時代にこの町に生まれ、隣同士の家に育った町医者ギブス氏の息子ジョージと、地元新聞の発行人ウェブ氏の娘エミリーは、同じ学校で青春時代を過ごし、やがて結婚する。太陽は変わらず何千回、何万回と東の空にのぼり、星々はこの町に住む人々の生き様、そして死んだ後に眠る土地を見つめ続ける…。
 ≪ここまで≫

 進行役(原文ではStage manager:舞台監督)がお芝居の解説をしていく中、何もない素舞台で、ごく平凡な人々のたわいない日常が描かれます。俳優は白色と生成り色に統一された衣装を着ており、自分の役を演じる時には色のついたスカーフやエプロン、ヘアバンドをしたりして配役を区別します。それをはずすと「誰でもない誰か」になるんですね。「これは演劇です」「これから~~をお見せします」と進行役が観客に語る、劇中劇の構造になっているのは戯曲どおりで、役を演じていない俳優が舞台上に待機して、お芝居を見守っていることも多いです。前半は少々退屈な場面もあったんですが、中盤以降、特に“山の上”の場面は素晴らしかったですね。

 「人は生まれて結婚して、結婚した男女は添い遂げる」のが至極当然のごとく、進行役は語ります。1930年代のアメリカの常識は、2013年の日本では残念ながらそうではなくなっている。そういう気づきも年を経ることに変わっていくんでしょうね。数年置きに観ておきたい戯曲です。

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保可南さんと野口俊丞さん

 初演で「野口さんがジョージなら、保さんにエミリーをやって欲しかった」と思っていたら、なんとそれが叶って、お2人がメインキャストをつとめる再演を観ることができました。再会した野口さんと保さんと、初演と同様に記念撮影をさせていただきました。2人とも成長、というよりは成熟されているように思いました。やはり俳優は年を重ねて経験を積むことで、どんどん変化して個性がよりくっきりとしてきて、プロの俳優としての存在感を増していかれるのだなと思いました。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 手紙の宛名についてのレベッカ(伊比井香織)のセリフは今回もじーんときました。「…西半球、地球、太陽系、宇宙、神の御心。」

 ジョージとエミリーがお互いがお互いのために生まれてきたのだと気づいた場面。つまり2人が恋人同士になる瞬間は、やはり私にとってはこの戯曲の目玉です。今井演出では、ストロベリークリームソーダ屋さん(牧山祐大=進行役)に入ってイスに座るまでは、周囲の人々に2人を観察させますが、いよいよ2人が話し始めると、俳優全員を舞台からハケさせて、広い広い、なにもない舞台の中央に2人っきりにさせます。ジョージがエミリーに「君が僕の悪いところを指摘してくれて嬉しい」「農業大学に行くのはやめる(君と一緒にいたいから)」と告白をしていきます。ウブなジョージが勇気を出して、少しずつエミリーに心を近づけていくのですが、震える感情がつぶさに見て取れました。

 結婚式が始まるところで新郎新婦が迷いを見せる場面も良かったです。ジョージは母に「結婚なんてしない。なぜ大人にならなきゃいけないの?」と言い出し、母は一瞬動転しますが、すぐにジョージをピシリと叱ります。きょとんとして、または、ほんの一瞬正気を失って、能面のような表情になるジョージ。でもパっと目を覚ましたように正気を取り戻して、凛とした青年に戻ります。『わが町』は色んなバージョンを観てきましたが、この短い場面のジョージの豹変に心から納得できたのは、今回が初めてでした。エミリーも父に「私はずっとお父さんのものだって言ってくれてたじゃない。家に帰りたい!」と言い出します。そこで父はジョージを呼び、エミリーを大切にすると約束させるのです。ジョージが取り乱すエミリーに優しく語り掛け、彼女を抱きしめます。野口さんが背が高くて保さんが背が低いので、野口さんは保さんを頭上からすっかり包み込むような姿勢で、保さんは思い切り背伸びをしていました。若いカップルがギュっとしがみつくように抱きしめ合うのは、恋や愛じゃなく、ただ立ってるために必死といった様子でとっても可愛いらしいです。

 【舞台写真 公式facebookページより】
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 2人は勇気を振り絞って結婚し、農場を持って子供も生まれて幸せに暮らしていたのに、2度目の出産がうまくいかず、エミリーと赤ん坊は死んでしまいます。雨の中、エミリーの葬式がしめやかに執り行われるのを、幽霊になったエミリー自身が眺めている墓地の場面は、それまでの幸せな日常が丁寧に描かれていたからこそ、涙を誘います。ずっと泣き崩れているエミリーの母(ウェブ夫人:本多麻紀)がとても良かったです。彼女は子供を2人とも亡くしてしまったんですよね。そして誰もいなくなった墓地に一人残って、地面にひざをついてエミリーの墓を見つめるジョージ。彼の落胆と悲しみが静止した姿勢からよく伝わってきました。これらは下手と中央に広がる墓地とは離れた、上手奥で無言で演じられるのですが、黒い傘で表情などもほぼ見えないのに、とても雄弁でした。

 エミリーは墓地でじっとしていることに我慢できず、自分が子供だった頃の誕生日を再体験しはじめます。白い衣装だったグローバーズコーナーズの人々は、その回想ではカラフルで楽しげな衣装をまとい、エミリーの家の台所の家具にも色が塗られていて、幸福だった日々がもっと幸福であったように思い起こされます。まあ、ここで、泣くよね…観客もね。エミリーは若い母(ウェブ夫人:本多麻紀)が自分に気づかない、時は戻らない、自分は生きている人たちとはかかわれないと気づき、この世に別れを告げます。この「さようなら」と呼びかける場面も素晴らしかったです。エミリーが家族や町の名前を言葉にするごとに、その言葉が意味するものたちが色づき、躍動し、私の心によみがえってきました。

出演:石井萠水(ウォーリ)、いとうめぐみ(ソームス夫人)、伊比井香織(レベッカ)、大内智美(ジョー・クローウェル/サイ・クローエル)、大高浩一(サイモン・スティムスン:教会のオルガン弾き)、大庭裕介(ジョー・ストッダード)、奥野晃士(ギブス)、木内琴子(ギブス夫人)、小長谷勝彦(ウェブ)、すがぽん(ハウイ・ニウサム:牛乳屋)、保可南(エミリー)、野口俊丞(ジョージ)、本多麻紀(ウェブ夫人)、牧山祐大(進行役)、三島景太(ウィラード教授)、横山央(サム・クレイグ)、吉植荘一郎(ワレン巡査)
脚本:ソーントン・ワイルダー 演出:今井朋彦 訳: 森本薫 音楽: 松本泰幸 照明デザイン: 大迫浩二 衣裳デザイン: 竹田徹、堂本教子 舞台美術: 深沢襟 舞台監督: 内野彰子 舞台: 市川一弥、永野雅仁 衣裳: 丹呉真樹子 照明操作: 松村彩香 音響: 山﨑智美 舞台監督助手: 中尾栄治 制作: 中野三希子 支援:平成25年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業 ふじのくに芸術祭共催事業
【休演日】11/18-22 一般4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
http://www.spac.or.jp/13_ourtown.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:39 | TrackBack

2013年11月15日

【写真レポート】韓流ぴあ『韓国ミュージカル俳優コンサート&トークVol.2~キム・ジェボム~』11/14サントリーホール・ブルーローズ

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ホール入口のポスター

 『韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク』第2弾(⇒第1弾)は、今年のアミューズミュージカルシアターでの2公演(⇒)で主演されてきたキム・ジェボムさん(⇒公式サイト

 ミュージカルの世界を一瞬で体現する演技と歌唱力にすっかり魅了されました。トークで見せてくれたのは素朴で飾らない、自然体の好青年の素顔。ちょっと天然入ってましたね(笑)。第1弾のダヒョンさんとはある意味、対照的な方でした。

 ※第3弾「キム・スンデ&チョン・ドンソク」は12/19~20の2日間で12/20分は完売。12/19と12/20ではセットリストに6曲違いがあるそうです。
 ※第4弾は2014年1月31日に決定。

 【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
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 以下、トークの内容です。走り書きのメモをもとに書き起こしたので間違いはあると思います。ご容赦ください。

 司会:ジェボムさんはミュージカル俳優として韓国で絶大な人気を誇っていらっしゃいます。出演もひっきりなしですね。
 ジェボム:ミュージカルはいつも難しいと思います。歌だけではなく演技も踊りも、時には楽器もできなければいけない。練習を休むこともできません。いつも足りないところに気づかされる。

 司会:ミュージカル俳優になったきっかけは?
 ジェボム:テレビや映画の俳優になろうと思っていたので、演技の学校に行きました。卒業の時に同期の友達2人がミュージカル『地下鉄1号線』に出ていて、それがとても楽しかったので自分もやってみたいと思った。彼らができるのに自分もできないわけがない、チャレンジしなければと。友達に負けたくないという意味ではなく(笑)、『地下鉄1号線』が楽しかったから。運よくオーディションに受かって『地下鉄1号線』に出られることになり、それが今に続いています。
 司会:いつから俳優になろうと思っていたんですか?
 ジェボム:ジャッキー・チェンのカンフー映画のファンだったので、そのころから。
 司会:じゃあ、いつかはカンフー映画に出たいと?
 ジェボム:(笑)。私はテコンドー有段者なので機会があればぜひ。

 【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
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 司会:ジェボムさんは韓国のブロードウェイともいわれるソウルの大学路(テハンノ)で、数多くの舞台に出演されています。
 ジェボム:テハンノは自分の人生の挑戦の場。生き生きとした文化を肌で感じられる場所です。劇場だけじゃなく稽古場もたくさんあるので、体操着で歩いているのは休憩中の俳優だったりしますよ。

 司会:テハンノで数作品かけもちされていますよね。
 ジェボム:1つの作品だけに出るのが、作品に対してもお客様に対してもいいことだと思います。でも俳優としての欲がありまして。ある作品と重なって違う作品のオファーが来て、出たいと思ったらOKする。また違う話が来て、出たいと思う。そして休みなく作品に出ることになる。お客様と絶え間なく会えるのは嬉しい悩みです。公演が同時期に重なっているので、1つの作品ではこんな役、もう1つでは違う役になって、観ていてこんがらがるかもしれない。でも俳優という職業を千年万年と生きられるわけではないので、欲が出てしまうんです。

 【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
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 司会:コンディションを保つのは大変なことだと思います。どうやって体調のコントロールをされているんですか?
 ジェボム:ビタミンを取ることです。練習がそのまま運動にもなりますが、運動もしています。難しいのが、作品が重なった時ののどのケアです。どうしてものどを酷使してしまうので、ステージを台無しにしてしまったこともあって…。だから病院にもよく行ってケアしています。

 司会:同じ事務所の俳優キム・スロさんが、テレビのバラエティー番組でジェボムさんのことを絶賛されていたんですよね。それで韓国の検索ランキングでジェボムさんが1位になったとか。
 ジェボム:はい、1位になりました!キム・スロさんにはお礼のメールを送ったんですが、そこに「次は自分の力で1位になります」と書きました。

 【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
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【セットリスト】
01 「本当にきれいですね」(『パルレ(洗濯)』より)

02 「言えない名前」(『風月主 美しきファランの禁断の愛』より)
03 「君に向かう道」(『風月主 美しきファランの禁断の愛』より)
 ジェボム:本を読んだ時、自分はヨルを演じたいと思ったのですがサダム役に。彼は他人のために奉仕することができる人間です。
04 「もう一度」(『兄弟は勇敢だった?!』より)
 ジェボム:他にも歌いたいのですが、この作品でソロはこの一曲だけなので。
05 「Destiny」(『あなたの初恋探します』より)
 ジェボム:スローで悲しげな曲が多くなったので、楽しい曲を選んでみました。
06 「男の初恋」(『あなたの初恋探します』より)
07 「ああ、ロッテ」(『ウェルテルの恋』より)
08 「何だったのだろうか」(『ウェルテルの恋』より)
09 「足を踏み出すことができなければ」(『ウェルテルの恋』より)
10 カーテンコール 「Destiny」(『あなたの初恋探します』より)
 ※カーテンコールだけ踊りありで歌ってくださって、超~~~キュートでした!

 【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
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 私は『ウェルテルの恋』の韓国取材の時に、舞台稽古でほんの少しだけ演技を拝見したのが、ジェボムさんとの初めての出会いでした。今回、『ウェルテル~』から3曲歌ってくださって、ジェボムさんならではの解釈で作り上げられたウェルテルを味わうことができました。 「ああ、ロッテ」は初恋に胸焦がす幸せな歌で、ウブでシャイな少年らしい恥じらいを清潔さとともに表現。ロッテの結婚を知って絶望する「何だったのだろうか」は、前曲と打って変わって太い、低い、ギラギラとした声で圧倒します。まさに豹変。 「足を踏み出すことができなければ」では、覚悟を決めたウェルテルの心の静謐さが、優しく、細やかに響かせる小さな声から伝わってきました。自分の感情と全身を使って1曲ごとにガラリと世界を変えて、ウェルテルの心のありさまを精密に描き出します。私はこんな俳優の演技を観たい、こういうミュージカルを観たいと思います。

 最後にお手紙を読みながら日本語で思いを伝えてくださいました。※その後にカーテンコールがありました。

 ジェボム:今日は夢のような日です。人生で初めてのコンサートを日本で開くことになるなんて。夢のようです。来てくれた皆様、関係者の皆様に心から感謝します。とても幸せです。これからもがんばって、期待を裏切らないような俳優になります。愛しています。ありがとうございます。今日の日を忘れません。(※文章は完全に正確ではないです)

 【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
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 終演後はジェボムさんのお見送りがあり、韓国のジェボムさんのファンクラブから観客全員へのプレゼントとして、ジェボムさんのイニシャル入りのガーゼのハンカチをいただきました。ありがとうございました!

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Mlusical Concert &Talk Kim Jaebum
出演:キム・ジェボム(김재범
バンド:小島亜紀子(ピアノ) EITA(ギター) 小久保里沙(パーカッション) MC:古家正亨 通訳:河井佳 主催:韓流ぴあ
全席指定 6,000円(税込)
http://community.pia.jp/hanryu/2013/09/eve-kjb.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:17 | TrackBack

【俳優養成】新国立劇場演劇研修所「第10期生(平成26年度入所)募集」※願書受付期間12/09-23(郵送のみ)

 新国立劇場演劇研修所第10期生募集要項が公示されました(⇒昨年の告知記事)。当サイトを「新国立劇場演劇研修所」で過去ログ検索していただければ、関連エントリーは多数あります。⇒11/27、11/30に授業見学会あり

 同研修所は日本唯一の国立の俳優学校。年齢制限は18才以上・30才以下。研修期間は3年間で、研修は“原則的に”(月)~(金)の週5日間フルタイム(午前10時から午後6時・土日祝に授業等がある場合もあり)です。授業料(予定)は年額220,000円(税別)で毎月奨学金あり(月額6万円支給 ※ただし3年次はなし)。募集人数は12名程度。⇒講師陣のプロフィール

 ●新国立劇場演劇研修「第10期生(平成26年度入所)募集」 ⇒公式サイト
  ・願書受付期間:平成25年12月9日(月)~23日(月・祝)必着
   ※募集要項と願書は公式サイトからPDFでダウンロードできます。
  ・募集人数:12名程度
  ・対象年齢:平成26年4月1日時点で、満18才以上、満30才以下
  ・試験日程:
   第1次試験:平成26年1月11日(土)・12日(日)のいずれか1日
   第2次試験:平成26年1月17日(金)
   第3次試験:平成26年1月19日(日)

 ↓新国立劇場演劇研修所 紹介動画(約2分20秒)。

【 演劇研修所 第10期生(平成26年度入所)の募集について 】

新国立劇場演劇研修所では、プロの俳優を目指す第10期生を募集いたします。たくさんのご応募をお待ちしております。
第10期生の募集要項・願書はこちらからPDFファイルを開きますダウンロードしていただけます。
PDFファイルを印刷できる環境をお持ちでない方には、郵送いたします。
下記お問合せ先までご連絡ください。

■募集概要

・募集人数:12名程度

・応募資格:
プロフェッショナルな俳優としての舞台活動を目指していること。
高等学校卒業もしくはそれと同等の実力を有すること。
平成26年4月1日時点で、満18才以上、満30才以下であること。
心身共に健康であること。
外国籍の人の場合、日本語が理解できること、および研修期間中の在留資格が取得できること。

・試験日程:
第1次試験:平成26年1月11日(土)・12日(日)のいずれか1日
第2次試験:平成26年1月17日(金)
第3次試験:平成26年1月19日(日)
※試験は芸能花伝舎(新宿区西新宿)、及び新国立劇場リハーサル室(渋谷区本町)で行います。

・受験料:5,000円(消費税込) ※振込手数料はご負担下さい。

・願書受付期間:平成25年12月9日(月)~23日(月・祝)必着
※なお、20日(金)~23日(月・祝)は新国立劇場地下1階楽屋口でも提出できます。
※e-mailおよびFAXでの申込は受付いたしません。


■お問い合わせ・願書送付先
公益財団法人 新国立劇場運営財団
演劇研修所 第10期生 選考試験係
〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1
Tel:03-5351-3011(代)(月~金10:00~17:00/土日祝を除く)


■研修概要

研修期間:3年間
※第10期生は平成26年(2014年)4月から平成29年(2017年)3月まで

主な研修内容

3年間の研修で、明晰な日本語を発語し、柔軟な身体表現を習得するために、(1)演技、(2)ムーブメント、(3)ヴォイスの基礎訓練を重ね、これらを俳優の演技として表現できるステップにまで高めていきます。
1年次では、日本語表現がいかなる技法によって支えられているかを体験し、戯曲、詩、散文をテキストに用い、文章表現に対する理解力と、声がいかに台詞として実体化されていくかのプロセスを探求します。
2年次では、「シーンスタディ」を中心にしたカリキュラムとなり、様々な役柄に挑む過程で、俳優として最も大切な自らのキャラクターを創造していく意思を築きあげます。また研修には、舞台表現として必要とされる技芸(歌唱、殺陣、日本舞踊、ダンスなど)にあわせて、演劇史や芸術理論、劇作家や美術家のレクチャーなど座学も盛り込まれています。
3年次は、舞台人としての表現を確立するための実践的な舞台実習を行います。公演を通じて、幅広い演技を身に付けるとともに、舞台芸術の創造者として、演劇の将来を担うための自覚を高めていきます。

主な研修場所:新国立劇場演劇研修所(芸能花伝舎内)、新国立劇場リハーサル室 など


■授業料・奨学金

授業料:年額220,000円(消費税別) *25年度実績
奨学金:月額60,000円給付 ただし、3年次は奨学金の給付はありません。 *平成25年度実績

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:35 | TrackBack

【俳優養成】新国立劇場演劇研修所「授業見学会(入所希望者向け)」11/27、11/30実施※11/24〆切(メールのみ)

 新国立劇場演劇研修所が入所希望者向けの授業見学会を実施します。ヘッド・コーチの池内美奈子さんは素晴らしい俳優指導者です。プロの舞台俳優を目指す若い方、ぜひご応募ください。以下、公式サイトからの情報です。第7期生試演会②『華々しき一族』はチケット発売中。

 ●新国立劇場演劇研修所「授業見学会」
  日程:①11月27日(水) 16:00~17:30
      ②11月30日(土) 13:00~14:30
  会場:新国立劇場 リハーサル室
  講師:池内美奈子(演劇研修所ヘッド・コーチ)
  参加資格:プロの舞台俳優を目指し、新国立劇場演劇研修所への入所を希望している方
   (第10期生選考試験は2014年1月に実施。⇒公式サイト
  定員:各回30名程度(応募者多数の場合は抽選)
  参加費:無料
  〆切:平成25年11月24日(日) ※メールのみ

■2013年11月13日 研修所ニュース「演劇研修所 授業見学会を開催します」

 プロの舞台俳優を目指し、新国立劇場演劇研修所への入所を希望している方を対象に、研修の一端をご覧いただける授業見学会を開催します。 
 

 日  程:①平成25年11月27日(水) 16:00~17:30
      ②平成25年11月30日(土) 13:00~14:30                                                                                   
 会  場:新国立劇場 リハーサル室 

 授業内容:池内美奈子演劇研修所ヘッド・コーチによるヴォイスの授業をご覧いただきます。
      身体や呼吸の使い方を訓練し舞台俳優としての発声を身につけるための授業です。
 
 参加資格:プロの舞台俳優を目指し、新国立劇場演劇研修所への入所を希望している方
      (第10期生選考試験は、2014年1月に実施します。)

 定  員:各回30名程度
      *応募者多数の場合は、抽選とさせていただきます。
      *当日の集合場所等は、参加決定の後、お知らせします。

 参加費:無料 

 申込方法:参加希望の方は、
      ①ご希望の日時
      ②お名前
      ③年齢
      ④電話番号(日中にご連絡が取れる電話番号)
      ⑤学校名・所属団体名
      を明記の上、eメールにてお申込みください。                                    
eメール送信先:engeki_boshu(アットマーク)nntt.jac.go.jp

*ご提出いただきました個人情報は、今回の授業見学会にのみ使用し、漏洩・流出・不正使用がないよう、
必要かつ適切な管理を行います。
 
 申込締切:平成25年11月24日(日) 

      *抽選の結果は、eメールにてお知らせいたします。
      *ドメイン指定などのeメール受信設定をされている場合は、上記アドレスからのeメールが受信できるよう
設定の変更をお願いいたします。

【お問い合わせ】
  新国立劇場演劇研修所 授業見学係
   TEL:03-5351-3011(代)(月~金 10:00~17:00) 
eメール:engeki_boshu(アットマーク)nntt.jac.go.jp
 

 
 第10期生選考試験のご案内については、こちらをご覧ください。
 
 演劇研修所第7期生試演会②『華々しき一族』チケット発売中!
 公演情報はこちら

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:11 | TrackBack

2013年11月12日

【オーディション】キティエンターテインメント「西田シャトナー作・演出・2014年8月公演『ロボ・ロボ2014』出演者募集」※11/24〆切

 惑星ピスタチオで過去に2回上演された戯曲が、同劇団の座付作家・演出家であった西田シャトナーさんご自身による演出で、2014年8月にサンシャイン劇場で上演されます。男女1名ずつの出演者募集情報です。以下はCoRich舞台芸術!の掲示板より。

 ■キティエンターテインメント 西田シャトナー作品『ロボ・ロボ2014』キャスト募集!
 西田シャトナー脚本『ロボ・ロボ』を2014年夏、上演することとなりました。公演にあたり、出演頂ける俳優を男女1名ずつ募集致します。南の島で目覚めた7体のロボットたち-----今作品は、劇団「惑星ピスタチオ」で2度上演され、今も根強い人気を誇る美しい作品です。西田シャトナーの世界へ一緒に冒険して頂ける俳優達との出会いを、心より願っております。

 ●キティエンターテインメント『ロボ・ロボ2014』
  作・演出:西田シャトナー
  日程:2014年8月28日(木)~9月1日(月) 9ステージ予定 
  会場:サンシャイン劇場(東京・池袋)
  ※稽古開始は7月下旬を予定。
  〆切:2013年11月24日(日)

 ☆詳細は「オーディションバンク」に登録すれば見られます。住所、氏名、生年月日、電話番号などの個人情報の登録必須。応募には同サイトでのプロフィール登録必須。

Posted by shinobu at 18:15 | TrackBack

【ワークショップ・オーディション】西瓜糖「2014年8月下北沢駅前劇場公演の出演者募集」2014年1~2月に実施※定員になり次第〆切(郵送のみ)

 演劇集団「西瓜糖」は文学座所属の演出家、劇作家、女優(山像かおり・松本祐子・奥山美代子)が結成した集団です。来年夏の第3回公演について、有料(1日3時間×3日間で¥15,000)のワークショップ・オーディションが実施されます。以下、公式サイトのからの情報です。

 ●西瓜糖・第3回公演「タイトル未発表」
  期間:2014年8月29日(金)~9月5日(金)
  会場:下北沢駅前劇場
  出演:佃典彦(劇団B級遊撃隊主宰)、宮島健、山像かおり、奥山美代子、他
  脚本:秋之桜子 演出:松本祐子

 ・ワークショップ・オーディション
 1期~3期の中から希望の期間を1期を受講
  1期 2014年1月31日(金)、2月1日(土)、2月2日(日)
  2期 2014年2月7日(金)、2月8日(土)、2月9日(日)
  3期 2014年2月13日(木)、2月14日(金)、2月15日(土)
  ※18時から21時の予定。場所は都内文京区。

 ●西瓜糖・第3公演ワークショップ・オーディション(公式サイトのPDFより抜粋)

西瓜糖は文学座の作家、演出家 女優の3人で結成された演劇企画集団です。 2012 年の旗揚げ公演及び 2013 年第 2 回公演では記録的な動員数とご支持をいただきました。第3回公演は、下北沢駅前劇場にて 2014年8月 29日~9月5日に上演いたします。この、西瓜糖第3回公演のキャスティングをワークショップを通じて行います。若干名の募集ですが、新作のあて書き、書き下ろし作品となりますので、性別、年齢、芸歴等は問いません。西瓜糖のメンバー3人がワークショップ講師となります。

 ・費用:計3日間の各回¥15,000(テキスト料含む)。費用は各回の初日にご持参いただきます。
 ・定員:各回20名様ほど。定員になり次第締め切り。
  ※各回の定員情報はウェブサイトでご確認ください。

 ・応募方法
 以下を郵送のこと。
 ・履歴書(必ずご連絡先、お電話番号、 身長、体重もお書きください)
 ・何回目を受講希望か必ずお書きください
 ・L 判サイズの顔写真。
 ・返信用封筒 ご住所お名前を宛名に記し、長形3号以上の封筒に 90 円切手をお貼りください。返信は 2014年 1 月になります。
  郵送先:〒112-0012東京都文京区大塚 3-37-2-302 西瓜糖事務局 菊池 宛

●秋之桜子(山像かおり)
2005 年「羽衣 1011」の脚本家としてデビュー。 羽衣 1011 公演の他、他劇団、映画、WEB ドラマ…など様々なジャンルの脚本を手がけ評価は高い。 第 16 回劇作家協会新人戯曲賞優秀賞受賞「猿」。

●松本祐子
文学座所属。演出家として多数の舞台を手がけている。 桜美林大学総合文化学科非常勤講師。 2005年毎日新聞千田是也賞受賞。

「西瓜糖」ウェブサイト:http://suikato.web.fc2.com/
お問い合わせ info.suikato(アットマーク)gmail.com


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:56 | TrackBack

【ワークショップ・オーディション】革命アイドル暴走ちゃん「国内デビュー戦『騒音と闇』WSオーディション」11/23、24実施※概要請求11/20〆切(メールのみ)

 今年8月のヨーロッパツアーで旗揚げを果たした、二階堂瞳子さん率いる革命アイドル暴走ちゃん(⇒ツイッター)の初の日本公演の出演者募集です。ワークショップだけの参加も可能。以下、CoRich舞台芸術!掲示板からの情報です。⇒ヨーロッパツアー出演者募集エントリー

 応募前の覚悟用に(笑)、ヨーロッパツアーの舞台写真などをぜひご覧ください。

 ●革命アイドル暴走ちゃん『騒音と闇』
  公演日程&会場:2014年2/14~16@相鉄本多劇場
  ワークショップ・WSオーディション日程:
   11月23日(土) 13:30-17:00
   11月23日(土) 18:00-21:30
   11月24日(日) 13:30-17:00
  参加費用:500円
  概要請求締切日:11月20日23:59まで
  ※応募書類をメールで請求してからの申込です。お急ぎください。

Posted by shinobu at 15:00 | TrackBack

【参加者募集】SCOT「演劇人のための鈴木教室」12/23-25吉祥寺シアター※11/30〆切(メール、郵送、FAX)

 富山県利賀を拠点とするSCOTが、演出家の鈴木忠志さんによる「演劇人のための鈴木教室」を東京で開講します。12/12-26に吉祥寺シアターで上演されるSCOT『シンデレラ』『新釈・瞼の母』『リア王』に合わせた企画です。以下、公式サイトからの情報です。

 ON-PAM文化政策ラボで鈴木さんのお話を拝聴し、色んな疑問が氷解しました。鈴木さんが考案された俳優の訓練法「鈴木メソッド」は海外の演劇学校でも採用されており、鈴木さんの後継として宮城聡さんが芸術総監督となったSPAC(静岡舞台芸術センター)にも引き継がれています。

 ■SCOT「演劇人のための鈴木教室」
  日時:12月23日(月・祝)、24日(火)、25日(水) 18:00-21:00
  会場:吉祥寺シアター
  対象:将来リーダーを目指す演劇人(演出家、制作者、俳優など)
   ※リーダー養成が目的なので演出家と制作者推奨。俳優は意識の高い人なら、ぜひ。
  定員:30名(応募者多数の場合選考あり)
  受講料:無料
  締切:11月30日(土)<メール、郵送、FAX必着>
  応募書類は公式サイトからPDFダウンロードしてください。
   ※推薦人の覧がありますが、身元と経歴確認のためのものなので、どなたでもOK。

 ●2014年2月上旬に雪に囲まれた利賀で行う「鈴木教室・第2弾」(4泊5日を予定)では、鈴木メソッドの実践を学ぶことができます。今回の受講者の中の希望者が対象。

■12月に吉祥寺シアターで開催する<演劇人のための鈴木教室>の詳細決定

1960年代から演劇界を牽引し、利賀から発信する国際的活動と俳優訓練法スズキ・トレーニング・メソッドで、世界の注目を集め続けている演出家・鈴木忠志による、日本の未来を担う演劇人のための初めての総合演劇教室。将来のリーダーを目指す若い演劇人が、鈴木忠志の演劇論をきき、舞台稽古の現場に立ち会い、討論する3日間。

1.日時 2013年12月23日(月・祝)、24日(火)、25日(水) 18:00-21:00
2.会場 吉祥寺シアター(TEL. 0422-22-0911)
3.プログラム
 ・鈴木忠志が語る演劇論
  <身体論>、<演出論>、<演劇の国際性>について
 ・「シンデレラ」の舞台稽古見学
  12月26日に上演する「シンデレラ」の仕込み、舞台稽古を見学して、鈴木忠志の舞台ができる過程を知る
 ・ディスカッション
  鈴木忠志と参加者とのQ&A
4.対象
  将来リーダーを目指す演劇人(演出家、制作者、俳優など)
5.定員 30名
6.受講料 無料
7.参加資格
  ・12月23日~25日のプログラムすべてに参加できること
  ・推薦人がいること(推薦人の規定は特にありません。どんな方でも結構です)
8.応募方法、締切
  ・応募書類に必要事項を記入して、郵送、FAXまたはメールで下記にお送りください。
   〒108-0074 港区高輪2-15-24-201 SCOT
   FAX 03-3445-8012
   E-mail info(アットマーク)scot-suzukicompany.com
  ・締切 11月30日(土)<必着>
  ・審査の上、12月10日(火)までに参加の可否をご連絡します。
9.その他
  今回の受講者の中で希望者は、2014年2月上旬に利賀で行う「鈴木教室・第2弾」(4泊5日を予定)に参加することができます。


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:51 | TrackBack

ワンツーワークス『ドキュメンタリーシアター「息をひそめて―シリア革命の真実―」』11/11-17赤坂RED/THEATER

 「シリアからの難民が200万人を超えた」「サリンが使われた(らしい)」というニュースはインターネットで流れてくるごとに胸を痛めつつ追ってはいたのですが、正直なところ、“報道”というものに対する疑念がないわけではなく、何が本当なのかわからないと思っていました。

 このドキュメンタリー演劇に、事実を教えてもらえたように思います。「内戦じゃなくて大虐殺が起こっているんだ」というセリフ(=実在の人物の発言)がありました。他にも数々の証言が…。
 無料で配布されるパンフレットに、シリアの現状を詳しく解説する年表や地図などの資料が載っています。上演時間は約2時間。※10歳未満の児童の入場不可。

 初日は目算で6割ぐらいの入りでしょうか。満席になりますように。明日11/12(火)19時の回には、シリア取材をされた演出家ゾウ・ラファティさんが登壇するポスト・パフォーマンス・トークがあります。

 ⇒英語の紹介記事「Zoe Lafferty Presents:The Fear of Breathing – Stories from the Syrian Revolution, 11/11
 ⇒CoRich舞台芸術!『息をひそめて―シリア革命の真実―

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 混乱を極めるシリアに密かに入国し、インタビュー取材にあたったのは、「BBC」(英国放送協会)のポール・ウッド、イギリスの新聞社「デイリー・テレグラフ」のルース・シャーロック、そして演出家のゾウ・ラファティ。

 窒息しそうな圧政と恐怖の環境に身を置きながら取材に応じたのは、「打倒! アサド政権」を掲げて「自由シリア軍」をつくるため政府軍を脱走した兵士たち、首都・ダマスカスのホテルのオーナー、拷問を受けた経験を持つ学生活動家、ラジオのDJを務める女性活動家、反政府軍のメディアコーディネーター、ある母親、ある写真家……。

 その数々の証言から、既に死者10万人とも言われる、シリアの現状が鮮明に浮かび上がる。 2012年7月、ロンドンで初演。またたく間に反響を巻き起こした真実の物語。 いよいよ日本上陸。本邦初演。
 ≪ここまで≫

 英国BBCのポール・ウッドさん、英国の新聞社「デイリー・テレグラフ」のルース・シャーロックさん、演出家のゾラ・ラファティさんの3人が、約半年の間に数回シリアに密入国し、現地の運動家やホテルのオーナーなどに継続してインタビューしてきた記録だそうです。冒頭のセリフはこちら。
 「この芝居はシリアでの取材に基づいている。話されていることはすべて事実で、登場人物は全員実在している。台詞は一言一句、彼らの話した言葉通りである。身元が特定されないように名前は変更してある。」

 カメラとジャーナリストに向かって話す場面と、リアルな回想シーンからなるお芝居で、現地の映像も流れます。見て、聞いているだけでつらいですが、シリアで起きていることを知る方法として、この観劇体験はいいものだと私は思います。
 新聞や本を読んだり、テレビやネット上の動画を見たり、(日本には)色んな情報収集方法があります。演劇では、目の前で怒り、泣き、苦しむ人を見て、感じ取ることができます。俳優がその心身を使って、懸命に、実在する人物の思いを伝えてくれるから。

 2012年7月ロンドン初演、そして2013年11月のこの公演で日本初演となりました。ますます泥沼化してるなんて。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 写真家(松田洋治)「これまで見て来た戦場とは全然違う。全く容赦がない。誰でも無差別に殺している。政府は殲滅しようとしている。」

 会計士(川辺邦弘)「私が住んでいた家の隣のマンションが爆撃で全壊しました。住人がいるのに、そのまま。私はがれきの中から人を引っ張り出しました(でも上半身がなかったり、足や腕だけだったり)。子供数十人を含む120人の人を埋葬しました。」

 ダマスクス大学の青年クワタバ(形桐レイメイ)は収容所で拷問され、解放されてもまたすぐにつかまって、今度は恩赦で解放されて、でもまた追われて…とうとうシリアを脱出します。
 クワタバ「僕は自由シリア軍に入隊する。トルコに養成施設がある。武器を密輸するんだ。学生のころが懐かしい…(一瞬涙ぐむ。でも彼は軍人になる決意をして歩みだす)。」

"The Fear of Breathing – Stories from the Syrian Revolution"
出演:萩原流行、奥村洋治、松田洋治、川辺邦弘、関谷美香子、越智哲也、日暮一成、赤城海斗、形桐レイメイ
脚本:ゾウ・ラファティ 取材:ルース・シャーロック ポール・ウッド ゾラ・ラファティ [翻訳]霜康司 演出:古城十忍 美術=礒田ヒロシ  照明=磯野眞也  音響=黒澤靖博  舞台監督=浜辺心大朗  衣裳=高木渚 イラスト=古川タク  デザイン=西英一  スチール=富岡甲之  票券=ぷれいす 協力=タクンボックス/Gプロダクション/アイズ/オーケープロダクション/アクトレインクラブ/文学座/オフィスクロキ/一二の会/「エンジェル」の皆様 制作=藤川けい子   製作=(株)オフィス ワン・ツー
The original interviewers: Zoe Lafferty, Paul Wood, Ruth Sherlock
The original editor & director: Zoe Lafferty
The original producer: Chris Foxon
The original producing house: the Finborough Theatre, London
Artistic Director(First performed at the Finborough Theatre): Neil McPherson    
【発売日】2013/09/18 全席指定 前売4,000円  当日4,500円 U25(25歳以下) 2,500円   ワンツーチケット(2回観劇チケット) 6,500円
※「U25」は「ぷれいす」のみでの取り扱い。要証明。
※「ワンツーチケット」は本公演を2回観たい方のためのチケットです。同じ回の2枚予約ではありません。「ぷれいす」のみでの取り扱い。
※受付開始および当日券販売開始は開演の1時間前、開場は30分前です。
※10歳未満の児童はご入場いただけません。
http://www.onetwo-works.jp/nextstage_syria.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:38 | TrackBack

2013年11月10日

東京グローブ座『Some Girl(s)』10/25-11/10東京グローブ座

 アメリカの劇作家、映画監督のニール・ラビュートさんの戯曲を箱庭円舞曲の古川貴義さんが演出されます。ジャニーズ事務所所属の三宅健さんが主演する舞台です。上演時間は休憩なしで約2時間。ラビュート作品のレビュー⇒

 若い男性が元カノに会っていくお話で、主役の三宅さんが4人の女優さんそれぞれと2人芝居をしていきます。三宅さんはほぼ出ずっぱりで、しゃべりっぱなし。なかなかにハードルの高い役にチャレンジされていました。女優さんは4人とも綺麗でした。

 劇場入り口付近のポスターです↓
20131107somegirl%28s%29.JPG

 ⇒CoRich舞台芸術!『Some Girl(s)

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 講師の仕事をしながら、小説を書いている主人公。
 婚約者との結婚を前に、アメリカ各地を旅行し、昔の恋人達に会いに行く。
 結婚という人生の大きな1歩を踏み出すにあたって、過去に、かつて自分が傷つけてしまったであろう恋人達とそれぞれ会い、どうにかして償い「間違いを正したい」と思っている。しかし女性達は、突然の男性の訪問に戸惑い、あまり歓迎していない様子。

 物語、つまり男の旅が進行するうちに、次第に見えてくる様々な事実。

 ── 女性達がずっと胸に秘めていたもの、男に求めたそれぞれの償いのかたちとは?
 ── そして、男の本当の目的は何なのか? 果たしてこれは誰のためなのか?
 ≪ここまで≫

 舞台はホテルの一室。2階建ての具象美術で、2階部分の壁に映像が映し出されます。アメリカの主要都市を旅するので、その土地らしさを出す工夫が面白かったです。部屋が転換ごとにがらりと変わるのも見どころ。たとえばベッドの上に載せる枕やクッションなどが、いかにもアメリカっぽいデザインなんですよね。あるある~と頷きながら拝見しました。転換要員として3人の俳優さん(?)による家具移動ダンスが観られます。これがまた音楽に合ってるし、楽しかったです。古川さんといえばDJとしても活動されていて、劇団公演でも個性的な選曲が印象に残ります。この作品では選曲がとってもフィットしていると思いました…が、選曲ではなく、オリジナル曲でした。凝ってますね。

 帰り道にふと想像しました。2人芝居を4つ作る以外の可能性もあったんじゃないかしら、と。たとえば中屋敷法仁さんだったら、どの順番で付き合っていたか等をわかりやすくするために、戯曲には登場しない人物も出したんじゃないかな~とか。いえ、今回の演出が悪いとは全く思っていません。あまりに潔く2人芝居×4だったものですから。

 三宅さんにガンガンにケンカを売っていくボビー役の村川絵梨さんがとても良かったです。翻訳劇によくある「なんとなく外人っぽい言葉遣い」が全くなく、その人として舞台にいらっしゃいました。

 ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。

 小説家の男性(三宅)はニューヨークからシアトルに飛んでサム(宮地真緒)に会い、シカゴでタイラー(岡田あがさ)、ボストンでリンジー(村岡希美)に会って(リンジーにこっぴどくいじめられて)、最後にロサンジェルスでボビー(村川絵梨)に会います。タイラーとの濃厚キスシーンは最初、客席の空気の凍り具合がすごかった(笑)。とてもエロティックでいい場面でした。下着姿を披露された村岡さんの抜群のスタイルに見惚れました。大人のエスプリが効いたコミカルな演技も素晴らしかったですね。

 だいたいフィアンセがいるのに、なぜわざわざ飛行機に乗って元カノたちに会いに行くんでしょうか。その理由は最後のボビーとの場面でわかります。注目された彼の著作は、自分自身の恋愛遍歴について書いたものでした。味を占めた彼は、元カノとの再会をネタに新作を書こうとしたんですね。ホテルでの会話をすべて録音していたのです。ボビーに追いつめられて、とうとう、心の奥にある本音を絞り出すように、「自分は結婚しようとしているけど、本当に愛したのは、今も愛しているのは君なんだ」と叫びますが、ボビーはひとこと「もう遅いよ」。

 ボビーが去った後、ホテルにフィアンセから電話がかかってきます。にこにこしながら「愛してる」と何度もつぶやく彼にスポットが当たりました。そう、ただの、根っからの嘘つきなんですよね。そして元カノたちの証言からすると、常に自分から相手を振ってきた、というか、逃げてきたダメ男です。特にリンジーのエピソードではよくわかります(夫のいるリンジーとの不倫がばれたとたん、大学を辞めて違う土地に逃げた)。三宅さんがもっともっとダメっぷりをさらけ出してくれると、ラストの意味がより伝わるだろうと思います。

≪東京、大阪≫
出演:三宅健、宮地真緒、岡田あがさ、村岡希美、村川絵梨
作:ニール・ラビュート 翻訳:髙田曜子 演出:古川貴義 美術:中根聡子 照明:佐藤啓 音響:加藤温 映像:横山翼 石田肇 衣裳:ゴウダアツコ ヘアメイク:大宝みゆき ステージング:丸山和彰(CAVA) 演出助手:長町多寿子 舞台監督:林和宏 宣伝美術:永瀬祐一 宣伝カメラマン:廣田美緒 宣伝スタイリスト:ゴウダアツコ 宣伝ヘアメイク:惣門亜希子 SHINICHIRO 永嶋麻子 フジワラミホコ 宣伝PR:ディップス・プラネット 制作:赤羽ひろみ 制作助手:加藤恵梨花 キャスティング:明石直弓 プロデューサー:山下秀樹 伊藤達哉 時田曜子 エグゼクティブプロデューサー:藤島ジュリーK. 主催・企画製作:東京グローブ座 制作協力:ゴーチ・ブラザーズ 運営協力:キョードー大阪(大阪公演)
【休演日】10/30 11/6【発売日】2013/08/31 全席指定S\8,500 A\7,500 B\5,500
http://www.somegirls.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:30 | TrackBack

鳥の劇場『「セールスマンの死」(日中韓俳優出演・3ヵ国語版)』11/09-10新国立劇場小劇場

BeSeTo_20th.JPG
総合パンフレット

 第12言語演劇スタジオ『多情という名の病』に続いて、第20回BeSeTo演劇祭の国際共同制作作品を拝見しました。

 アーサー・ミラーのピュリッツァー賞受賞作『セールスマンの死』を、鳥取を拠点に活動する鳥の劇場の中島諒人さんが演出。2012年初演で、今回は中国、韓国、日本の俳優が出演する3か国語版となります。上演時間はカーテンコール込みで約1時間40分。

 私なんかが今更言うことではないですが、『セールスマンの死』は本当にいい戯曲ですね。今年2月に文学座で観たばかりだったので、比較できたのも良かったです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『「セールスマンの死」(日中韓俳優出演・3ヵ国語版)

 《作品解説》 公式サイトより
アメリカ現代演劇を代表する劇作家アーサー・ミラー(1915-2005)が、ピュリッツァー賞を受賞した戯曲です。鳥の劇場で2010年12月に初演された作品を、国際共同作品として再演します。約60年前にアメリカで書かれた戯曲を通して、グローバル経済が席巻する今の世界を見つめ、働くことの意味、生きることの意味、家族の意味を問いかけます。
 《ここまで》

 下記は鳥の劇場公演の舞台写真です(公式サイトより)。装置は今回も同じ。

20131110_death_of_a_salesman_tori1.jpg

 登場人物を減らし、エピソードも多数カットされていますが、戯曲の芯の部分はしっかり伝わってきました。父ウィリィは中国語、母リンダは韓国語、息子ビフは日本語というように、異なる言語で話すけれど言葉が通じているように演じます。1949年初演のアメリカ戯曲を中国人、韓国人、日本人が演じ、しかも資本主義のシステムによって崩壊していく家族を描いた作品なので、現在の世界情勢、日本の社会問題などが自ずと頭に浮かんできて、お芝居と重なってきます。
 
 「最初っからタイトルでネタバレしてるやんっ!」と突っ込む関西のおばちゃん2人組が、ちょくちょく出てきてちょっかい出してくれるのが楽しいです。息抜きとしても大いに機能していました。それにしても全体的に暗すぎたと思いますね(おばちゃんたちも「暗い!」って言ってたけど・笑)。私の場合、暗い話を暗くやると、その暗さを暗さそのものとして受け取りづらくなります。暗さを舞台上で過剰に表すことはせずに、観客の心の中で形作られるよう誘導する作品の方が、演劇体験としては好みです。

 ここからネタバレします。

 お金持ちになりたい、有名になりたい、特別な存在でいたいという欲望から逃げられない男たちと、その夢に依存する女(母リンダ)。そんな図として観ていました。功名心って今も昔も変わらないなぁと思います。「金持ち=有名人=勝利者」と洗脳されてしまうと不幸せだなぁとも。中島さんはこの戯曲について「資本主義という物語の魔力的側面を的確に捉えている」とパンフレットで評されていました。

 ウィリィは息子との関係が少し回復したことで、会社をクビになったものの、前向きに生き直そうとしているかのように見えました。でも一攫千金に成功した兄の姿が脳裏にちらつき、やはり保険金目当てで自殺してしまいます(自分の車で事故を起こして死亡)。葬儀に誰も来なかったということは、ウィリィは他人が喜ぶことをしてこなかったんだろうな~。

 よく流れた日本語の歌は「ひらいたひらいた」(UA)と「月の砂漠」。選曲や鳴るタイミング、音量がSCOTっぽかったです。


第20回BeSeTo演劇祭 鳥取公演プログラム
出演:高橋等 王衛國(東京公演のみ) ユン・ジンヒ 葛岡由依 中垣直久 赤羽三郎(鳥取公演のみ) 村上里美 中川玲奈 声の出演:榊原毅 中島諒人
原作:アーサー・ミラー 翻訳:倉橋健 演出:中島諒人 舞台美術:来間直樹 タカマスヨシコ 照明:田中陽一郎 音響:石井俊祐 舞台監督:岩崎健一郎 山本朋幸 通訳(鳥取公演のみ):田川智子 チャン・ウンジン
前売・当日共 一般:3,000円 学生:1,500円 *全席指定
http://www.birdtheatre.org/engekisai/program/salesman.php
http://www.beseto.jp/20th/program/tottori_prog01.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:28 | TrackBack

2013年11月09日

シアタースタジオ・インドネシア『オーバードーズ:サイコ・カタストロフィー』11/09-13池袋西口公園

20131109_Overdose_Psycho-Catastrophe.jpg
チラシはこちらより

 本日、フェスティバル/トーキョー13(F/T13)が開幕しました!⇒記者懇談会の写真レポート あいにく風邪気味になってしまい、お昼から始まった数々の開幕イベントは全て見逃すという残念な日に(涙)。でもシアタースタジオ・インドネシアによる夜の野外公演『オーバードーズ:サイコ・カタストロフィー』だけは頑張って観に行きました。

 まず巨大な竹製の装置に圧倒されます。重なる屋根のように組まれた竹の内側で演技が行われるとばかり思っていたら、なんとスルスル登って、てっぺんまで!異空間に完全に連れ去られました。

 上演時間は約1時間。カイロがもらえたので寒さには耐えられました。対面客席で全席自由です。客席と舞台の間に柵があるので、たぶん上の方の席が見やすいじゃないかと思います。

20131109_Overdose_Psycho-Catastrophe_stage.jpg

 ⇒CoRich舞台芸術!『オーバードーズ:サイコ・カタストロフィー

 シアタースタジオ・インドネシアは『バラバラな生体のバイオナレーション! ~エマージェンシー』で昨年のF/Tアワードを受賞し、今年の主催演目に選ばれました。私は残念ながら前作は見逃しています。演出家のナンダン・アラデアさんは先月、42歳で急逝されました(⇒F/T13ニュース)

 前知識なしで(というか、すべて忘れ去って)観始めました。言葉は全くわかりませんし、字幕もないので、ただ起こることを驚きながら眺め続けました。
 出演者は竹を登る5人と、巨大な銅鑼を叩いたり、お経のような声を発する、僧侶か仙人のような衣装を着た人との、合計6人の男性です。5人の衣装は腰の部分を隠すざっくりとした短パンだけで、上半身も足も露出しています。ものすごく鍛えられた体!背中の筋肉を見ているだけでも、ちょっと特別な、なんとなく神聖な心地になるほどです。竹の棒につかまって自在に登り降りする屈強な男性たちを見ながら、健全なる精神は健全なる身体に宿るのだろうな~などと考えました。

 装置から「竪穴式住居」「高床式倉庫」を連想し、出演者の衣装、そして肉体から、おそらく狩猟・採集生活をしていた時代の人類ではないか…と想像。ぶら下がっている大きな木の幹は、木そのものだったり、獲物だったり、船だったり、農具だったり、色んなものに見えました。池袋という都会にいながら、心はすっかり古代の地球を旅していました。

 1人だけぽっちゃり体型の方がいて、なんと1度、竹から滑って水の中に落ちたんです。怖かった…でもすぐに何ともなさそうに起き上って、またてっぺんまで登って行かれました。体が濡れてしまって、この寒いのに大丈夫かしらと少し心配にもなりました。どうかこれからも雨が降りませんように!

 2分間の作品紹介動画↓で屈強な男性たちをチラ見!

 ここからネタバレします。

 公式サイトによると「海と船、自然と人間」「1883年のクラカタウ山の大噴火と津波災害」を題材にしているんですね。なるほど、私の想像もそんなにハズレてはなかったみたい。ではあの仙人のような人は神または予言者、そして語り部だったのかしら。

 5人の男性全員が中央にぶら下がっている木の幹に乗って、立ち、竹の棒を櫂のように動かしながら、遠くを見つめる演技をしたとき、竹の空間は広い海になりました。この時、私も一緒に時空を超えた実感があり、感動しました。

 木の幹には数か所、丸い穴が貫通していて、その中に竹の棒を通して串刺し状態にします。イノシシや牛などの獲物を捕まえたのかしらと想像。竹をはずし、今度は木の幹のすこしへこんだ穴をすり鉢のように使って、何か小さなものを、竹ですり潰していました。何かしらの農具になったんですね。そして出来上がった粉を両の手ひらに大切そうに乗せて、客席の方へと持ってきてくれました。まるで捧げものをするかように、観客の目の前に。手に取ると、どうやら香木を粉砕したものだったようで、とてもいい香りがしました。野外の竹の空間で、かぐわしい自然の香りを嗅いで、またもや心は異空間へトリップ。

 写真↓中央の丸いものは、身長の高さぐらいはある金属製の銅鑼です。竹の梯子の影が映っています。
20131109_Overdose_Psycho-Catastrophe_stage1.JPG


フェスティバル/トーキョー13(F/T13)
出演:ゴディ・スワルナ、ヘンドラ・セティアワン、マブスティ、アデ・イイ・サリフディン オトン・ドゥラヒム ディンディン・サプルディン
演出:ナンダン・アラデア 舞台美術:オトン・ドゥラヒム 音響デザイン・映像オペレーター:エンリー・ジョハン・ジャオハリ デジタルムードメーターデザイン:タゥヒッド・ヌル・アザール 照明:オマン・アブドゥラフマン 舞台監督:ディンディン・サプルディン スタッフプロダクション、演出部:ファリッド・イブヌ・ワヒド、イスバトゥラァ・アリバスヤ 経理:ルディ・ルスタンディ 制作:ハサヌディン・サティビ、ラトゥ・セルフィ・アグネシア プロデューサー:セノ・ジョコ・スヨノ、アグス・ファイサル・カリム アドバイザー:ラノ・カルノ(バンテン州副知事)、H.マルワン、ジャトニカ・ナンガミハルジャ
東京公演スタッフ 技術監督:寅川英司 技術監督アシスタント:河野千鶴 舞台監督:弘光哲也 演出部:渡邊武彦、加藤由紀子、佐藤豪 照明コーディネート:佐々木真喜子(株式会社ファクター) 音響コーディネート:相川晶(有限会社サウンドウィーズ) 協賛:ガルーダ・インドネシア航空会社 後援:インドネシア共和国大使館 製作:フェスティバル/トーキョー、シアタースタジオ・インドネシア 主催:フェスティバル/トーキョー
【休演日】11月11日(月) 【発売日】2013/10/05 料金:自由席(整理番号付) 一般前売 3,500円(当日 +500円) 学生 3,000円、U18(18歳以下)1,000円(前売・当日共通、当日受付にて要学生証提示)
http://www.festival-tokyo.jp/program/13/overdose/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:19 | TrackBack

【稽古場情報】水天宮ピット「小スタジオ1、2、3『2014年4月~9月使用期間分』選考申込受付中」※11/30〆切(郵送 or 持参)

 東京芸術劇場が運営する稽古場「水天宮ピット」が小スタジオ1・2・3について(⇒フロアアガイド)、2014年4月~9月の選考申込を受け付けています(⇒前回の告知エントリー)。

 以下、稽古場からいただいた情報です。小スタジオ3は広くはないですが、水天宮ピットの中でも格安で、利用料金は制作室付きで1日2,000円(8日以上なら長期割引あり)です。芸術団体の皆さん、どうぞご検討ください。

 ●水天宮ピット「H26年度上半期の小スタジオ選考申込」
  選考受付期間:2013年11月1日(金)~11月30日(土)※当日消印有効
  ⇒利用料金
  ⇒2010年・無料使用感想レポート(PDF)

◆H26年度上半期の小スタジオ選考申込開始◆

H26年度上半期の小スタジオ選考申込開始のお知らせです。

小スタジオ1または2をご希望の場合は使用希望スタジオに「小スタジオ」、
小スタジオ3をご希望の場合は「小スタジオ3」と明記してください。
※小スタジオ3は小スタジオ1・2と仕様が異なりますので、ご注意ください。

◎選考受付期間:2013年11月1日(金)~11月30日(土)※当日消印有効

◎使用期間:2014年4月1日(火)~2014年9月30日(火)

◎応募方法
  下記のURLから使用申請書と使用計画書をダウンロードし、ご記入ください。
  選考申込には、登録申請団体が主催した過去の公演チラシ(過去の活動実績)の提出が必要です。
  
  ※団体登録をしていない場合は団体登録申請書の同時提出が可能です。
  ※各様式は水天宮ピット窓口でも配布しています。

  ダウンロードURL
  『団体登録申請書』 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/entry.doc(Word)
  『使用申請書』→http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/shinsei.doc(Word)
  『使用計画書』→http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/plan.doc(Word)

  記入例:必ず記入例をご参照ください。
  『団体登録申請書』 記入例 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/entry_ex.pdf(PDF)
  『使用申請書』記入例 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/shinsei_ex.pdf (PDF)
  『使用計画書』記入例 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/plan_ex.pdf (PDF)

ご記入いただいた書類は、水天宮ピットへ持参、または郵送にて受付いたします。

 ◎提出先
  〒103-0015 
   東京都中央区日本橋箱崎町18-14 
水天宮ピット
   TEL:03-6661-6901


※正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:53 | TrackBack

時間堂『森の別の場所』11/01-11シアター風姿花伝

 時間堂は黒澤世莉さんが演出される劇団です。今回はリリアン・ヘルマン作『森の別の場所』を黒澤さんが翻訳・演出。上演時間は約3時間(途中休憩1回を含む)。

 南北戦争直後のアメリカ南部の、とある成金一家のお話でした。強欲でワンマンの父に搾取・支配される2人の息子たち、そんな父に取り入る末娘、そして敬虔なキリスト教信者の母。急展開する最後の約45分間が面白かったです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『森の別の場所

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 街中が知っている「疑惑」の家族、騙しあいの一夜。

 戦争後、商売で成功した富豪として森の中に住むハバード家。
 夏の音楽会の夜、森の外からの来訪者によって家族内の危ういバランスが崩されていく。
 誰が騙し、誰が裏切り、誰がうまく出し抜くのか。
 決着は翌朝、誰の思いもよらない形でやってくる。

 南北戦争後の南部アメリカを舞台としたリリアン・ヘルマンの骨太かつ滑稽な家族劇を、黒澤世莉が鮮烈に新訳、時間堂の軽やかな演技体で走り抜く。

 すべての事実はその聖書に書いてある。
 ≪ここまで≫

 俳優の演技だけで見せていくスタイルで、3時間の大河ドラマを持たせるのは難しかったんじゃないでしょうか。シンプルな舞台美術で音楽も最小限で、照明もほとんど変わりません。衣装はがんばって用意されたんだろうと思います。なぜ床の色があんなに鮮やかな、くっきりとした緑色だったのかしら(「森」だから?)。どうせなら美術はブラックボックスにした方が、衣装が生えたんじゃないかな~。劇場の壁や階段を含む舞台の隅から隅まで、白い照明で照らしつくす必要はなかったと思います。むしろ何かに焦点を絞るために暗くする(ある部分を明るくする)方がよかったのではないかしら。

 役者さんは全体的に胸から上で(心と頭で)演技をされているように見えました。足腰が弱いというか、地に足がついていないというか。現代劇ではなく大河ドラマなので余計に気になったんだと思います。
 ヒザイミズキさんが演じた母のひたむきさが、度が過ぎて滑稽に見えて、笑えたのが良かったです。

 ここからネタバレします。これからご覧になる方はお読みにならないでくださいね。

 昔起こった殺人事件について、父のアリバイをくつがえす証拠を母が持っており(聖書に事実を書き残していた)、それを利用した長男が、父の会社や財産をすべて奪って自分のものにします。エンディングでは新たな暴君の誕生を示唆する空気がないわけではなかったですが、さらっとし過ぎだと思いました。照明なども含め、堂々と主張する演出も観たかったです。

≪東京、大阪≫ 時間堂・シリーズ発掘 01
出演:菅野貴夫、鈴木浩司、直江里美、ヒザイミズキ、阿波屋鮎美、長瀬みなみ、松井美宣、髙橋智哉、中谷弥生、西本泰輔、早川毅、原田紀行
作:リリアン・ヘルマン、翻訳・演出:黒澤世莉 照明:工藤雅弘 衣裳:阿部美千代 音楽:後藤浩明 演出助手:野邉紗保莉 宣伝美術:デザイン太陽と雲 スチール写真:松本幸夫 ヘアメイク:タカダヒカル Web 制作:小林タクシー ビデオ制作:$堂 主催・企画制作 : 時間堂
前売開始:2013 年 10 月 10 日(木)10:00 全席自由・日時指定・税込/購入順整理番号付き 前売・当日 一般:3,200 円 割チケ!:2,700 円  
・割チケ! 以下の条件を満たされた方は、2,700 円で観劇いただけます。 [時間割] 時間堂に関するものをお持ちくださった方 (グッズ・過去公演のフライヤー/パンフレットなど)[遠割]東京都 23 区外からお越しの方[森割] お名前に「森」の字が入っている方[淑女割]女性の方[劇割]演劇づくりに携わっている方[紳士割]男性の方
【全日程】 学割:学生の方(演劇養成所含む)受付にて学生証をご提示ください 【全日程】 リピ割:本公演をご覧いただくのが2回目以降の方。受付にて半券をご提示ください
※BUY1 GET1 キャンペーン(枚数限定)前売券を 10 月 17 日までにご購入いただいたお客様に、おひとり様分のお値段でペアチケットを差し上げます!ご家族・ご友人と楽しいひとときをお過ごしください。(カルテットオンラインのみでのお取り扱いです お申し込み後、時間堂からお振り込み先をご連絡します。ご入金の確認を以ってご予約完了です。各種割引の併用はできません。)
http://jikando.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:51 | TrackBack

2013年11月08日

第12言語演劇スタジオ(韓国)『多情という名の病』11/05-06新国立劇場小劇場

BeSeTo_20th.JPG
総合パンフレット

 第20回BeSeTo演劇祭の招聘演目です。第12言語演劇スタジオ(제12언어연극스튜디오 ⇒facebook ⇒ツイッター)はソン・ギウンさん(성기웅  ⇒ツイッター ⇒playDBの個人ページ)が作・演出されるソウルの劇団で、私は先日ギウンさんが脚本を書き、協力演出された『カルメギ』を観たばかり。

 ギウンさんご自身の恋愛、それも複数の男性とお付き合いをする女性“多情(タジョン)”との関係について、赤裸々に語っていきます。ドキュメンタリーを装った、凝った構成が面白かったです。東京公演初日の上演時間は約2時間40分(休憩を含む)。

 原題は「다정도 병인양하여」(⇒playDB公演ページ)。英語の題名は"Too much love, too many loves"だそうです(こちらより)。ソウル公演のチラシがこちらで見られます。ポップでおしゃれな感じですね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『多情という名の病

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 一夫一婦制に疑いを抱いていた「僕」は、複数の男たちと遊ぶユニークな女「タジョン(多情)」の愛人になった。特別な時間と秘密の関係を楽しむが、彼女の男女関係は不安定かつ理不尽で「僕」を混乱させた。そして「僕」はいつしか、彼女の唯一の恋人になりたいと思うようになる…。
 優れた感受性と言語への探究心にあふれた戯曲を繊細で緻密に演出。いま韓国演劇界で最も注目を集めるソン・ギウンの代表作。(日本語字幕つき)
 ≪ここまで≫

 ギウンさんは1930年代(日帝時代)の韓国を舞台にした作品を書く作家として有名だそうですが、この作品のような嘘か本当かが判別できない劇中劇構造を持つ、複雑な現代劇を書き、演出もできる方なのだと知れて良かったです。ギウンさんは日本留学経験があり、日本語が堪能でいらっしゃいます。日本語で「私はソン・ギウンです」と自己紹介されるので、よりリアルに感じられました。

 下記は韓国公演の舞台写真(公式サイトより)。東京公演では日本語字幕です。スクリーンが大きいので字幕の動き方、映像との兼ね合いも楽しめました。
20131105_the_12th_tongue_theater_studio_tajo.jpg

 ここからネタバレします。

 タジョンの過去の恋愛遍歴をグラフで分析したり、彼女と同等の立場になるために、わざと他に恋人を作ったり…主人公ギウン(ギウンさんを他の俳優が演じています)の行動は滑稽で、可愛らしいです。

 体を密着させて、男性のリードに女性が合わせていくというタンゴの技法を、タジョンの恋愛と重ね、実際に俳優がタンゴを踊る場面がたくさんあります。よくお稽古されていてかっこよかったです。映画「タンゴ・レッスン」から1人の女性が3人の男性と次々に踊っている場面が流れました(↓ニコニコ動画より)。まさにコレ!男女の性愛だと思って見ると…エロい(笑)。

 ギウンは誰かと結婚したタジョンと約2年ぶりに再会し、彼女を題材にした脚本(第一稿)の上演許可をもらおうとしますが、拒絶されます。彼女は「あなたのことを書いて。それが私も知りたかったことだから」と。その会話をiPhoneで録音していることがタジョンにばれて、ひどく非難されますが、そのやりとりも含めて劇中で録音を披露してくれました。凝ってますよね~。

 ただ、もう私はこういう時期(結婚前の成人の恋愛事情うんちゃらかんちゃら)は通り過ぎたかも~……(遠い目)。とにかく面倒そう(笑)。要はタジョンは妊娠したから結婚したんだと思うんです。子供ができたら変わらざるを得ないんですよね。

 P(ピー)と呼ばれている(ように記憶している)役を演じていたショートカットヘアの女優さんについて、「どこかで観たことがある気がするけど、気のせいだろうな~(韓国人だし)」と思っていたら、なんと『アジア温泉』で成河さん演じるアユムの恋人ヒバリを演じられていた、イ・ボンリョンさんでした!ひゃー!

 ⇒打ち上げ風景。東京デスロックの方々も一緒に。

 ⇒JUNG CULTURE『ソウル演劇祭、ソウル演劇人対象イファリョン、「40歳になったが、そのどのような変化も検出されなくて...」
 第一回ソウル演劇人大賞にて、第12言語演劇スタジオのソン・ギウンさんが演出賞、俳優のファリョンさんが演技賞、ヨン・ミンチョルさんが音響デザイン賞を受賞されたそうです。


The 12th Tongue Theatre Sutudio
出演:第12言語演劇スタジオ(オ・ヨン イ・ファリョン ヤン・ドンタク マ・ドゥヨン イ・アンナ イ・ボンリョン キム・ファヨン ソン・ギウン)
脚本・演出:ソン・ギウン ドラマターグ:キム・スルギ 美術監督:ソ・ジヨン 技術監督:ヨン・ミンチョル 照明:チェ・ボユン 衣装:ホン・ムンギ 小道具:キム・ダジョン 音楽:ビョン・ジュンソプ パク・テソン タンゴ指導:ヤン・ドンタク 舞台監督:ジョン・ジンモ 演出助手:キム・ヒョンスク オペレーター:イム・ユジョン 字幕翻訳:浮島渡 主催:BeSeTo演劇祭実行委員会
【発売日】2013/09/01 前売・当日共 一般:3,000円 学生:1,500円
http://www.beseto.jp/20th/program/tokyo_prog05.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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WOWOW・産経新聞社・フジテレビジョン・ネビュラプロジェクト『ショーシャンクの空に』11/02-10サンシャイン劇場

 1994年の映画『ショーシャンクの空に』が日本で初めて舞台化されました。主演は成河(ソンハ)さんと益岡徹さん。東京公演は10日までで、その後ツアーがあります。上演時間は約3時間(途中休憩10分×2回を含む)。

 私は映画の爽快感が苦手だったので、「彼(主人公)は本当は存在しなかったかもしれない」とした喜安浩平さんの脚色のおかげで、物語に入り込むことができました。作品のテーマである“希望”を、目に見えない、形もない不確かなものと徹底して描いていたのも良かったです。虚構だからこそ信じられるってこと、ありますよね。それが演劇の力でもあると思います。

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 ⇒CoRich舞台芸術!『ショーシャンクの空に
 レビューはほぼネタバレ以降のみ。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 暗闇でひとりペンを走らせるレッド。30年以上服役していたショーシャンク刑務所で出会った一人の男のことを思い出していた。元銀行家のアンディー。不思議な男だった。どんな劣悪な環境におかれても自らを保ち、希望を捨てず、未来を信じていた。長い囚人生活で、刑務所内で希望を持つことの怖さを知っていたレッドは、そんなアンディーをまぶしくも温かく見守ってきた。なにもかもが変わってしまったシャバには馴染めず、孤独で、またムショに戻ろうかと考えたとき、レッドは、アンディーとのある約束を思い出す──
 ≪ここまで≫

 主人公アンディー(成河)の部屋の壁には女優のポスターが貼られていました。その女優が実際に登場する演出が楽しいです。

 ここからネタバレします。

 出所したレッドはスーパーで働いていますが、一向に生活に慣れることができません。数十年もの収容所生活で起きたこと、特に冤罪で投獄され無期懲役を言い渡されたけれど、脱獄を果たしたスーパーマン、アンディーのことを書き留めることで、精神状態を保っていました。

 レッドが働くスーパーで万引きをする少年役(山崎彬)が追加され、彼と似た人物として刑務所の新入りトミー(同じく山崎彬)が登場します。シャバでの現在と、塀の中での過去(もしかすると空想)が重なり、レッドの覚書(または小説)の虚構性が強調されて良かったと思います。

 とうとう思いつめてしまったレッドは窓から飛び降りそうになりますが、実行に移す直前に、アンディーが言い残した石の下の鍵(だったかな)を思い出し、仕事も何もかも放り出して部屋を出て行きます。そして、とある木の下に石を見つけ、その下にあった赤い缶箱の中のアンディーの手紙を読みます。やがて2人はメキシコの海辺で再会するという、一見、映画と同じとも受け取れるハッピーエンドになっていました。
 でも本当はレッドは窓から飛び降りたかもしれないし、また、もし部屋から出たとしても、国境は超えられなかったかもしれない。そもそもアンディーは存在しなかったのかも…。そういう風にも受け取れる台本、演出になっていたのが良かったです。パっと明るくて、スカっとできるエンディグではなく。

≪東京、大阪、福岡、名古屋、松本≫
【出演】アンディー:成河、レッド:益岡徹、ノートン所長:粟根まこと(劇団☆新感線)、ケンドリクス:畑中智行(キャラメルボックス)、ハドリー刑務主任:筒井俊作(キャラメルボックス)、ブルックス:大家仁志(青年座)、ヘイウッド:今奈良孝行、少年/トミー:山崎彬(悪い芝居)、リタ・ヘイワース:高橋由美子、ラクエル・ウェルチ:宇野まり絵、マリリン・モンロー:新良エツ子、ルースター:山崎和如、バグズ:日栄洋祐(キリンバズウカ)、囚人他:鈴木秀明(キャラメルボックス)
『ショーシャンクの空に』スティーヴン・キング/著 浅倉久志/訳 原作:『刑務所のリタ・ヘイワース』(新潮文庫刊『ゴールデンボーイ ―恐怖の四季 春夏編―』所収 ) 脚本:喜安浩平 演出:河原雅彦 美術:松井るみ 照明:大島祐夫 音響:藤本純子 スタイリスト:高本阿友子 ヘアメイク:武井優子 殺陣:武田浩二〈アクションクラブ> ステージング:安田栄徳 演出肋手:渡邊干穂 舞台監督:矢島健 演出部:高庄優子/瀬戸元哲/五十嵐彩乃 美術肋手:中西紀恵 照明操作:片山通子/川添真里/関口大和/鶴岡大樹/勝本英志≪東京公演≫ 音響操作:藤原志都花 音響機材協力:KTO 小道具協力:高津装飾美術 犬道具製作:C-COM/拓人/オサフネ製作所 特殊効果:ギミック 衣裳部:平野遥香 衣裳制作:山中摩耶/立花文乃/ピカイア 衣裳協力:溝口貴之〈東京衣裳> ウィッグ協力:三川屋/アートネイチャー 編曲:「Put The Blame on Mame」「I Wanna Be Loved By You」 鶴来正基 「Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)」清水俊也 音楽協力:高岡原詞 プロデューサー:仲村和生〈ネビュラプロジェクト> 武田吉孝〈WOWOW> 山本淳子〈産経新聞社> 制作:鎌倉知香〈WOWOW> 木村友香〈産経新聞社> 金田ひろみ〈ネビュラプロジェクト> 制作助手:安井和恵 瀧見守里〈WOWOW> 和泉さなえ〈産経新聞社> 宣伝美術:柳沼博雅〈GOAT> 宣伝写真:平田光二<アボロ創研> 宣伝スタイリスト:川端恵美 宣伝ヘアメイク:伊藤麻由美〈air supply> 舞台写真:伊東和則 宣伝美術進行:小森和博〈ネビュラプロジェクト> 主催:WOWOW 産経新聞社 ネビュラプロジェクトフジテレビジョン≪東京公演≫ 制作協力:サンライズプロモーション大阪≪大阪公演≫ スリーオクロック福岡公演 制作:ネビュラプロジェクト/ナッポスユナイテッド
前売開始:9月1日(日)10:00 全席指定(税込) 7,500円
http://shawshank-stage.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:12 | TrackBack

M Musical Art/ぴあ/Quaras『韓国ミュージカル「Jack the Ripper ジャック・ザ・リッパー」』11/04-30KAAT神奈川芸術劇場ホール

 ミュージカル『Jack the Ripper ジャック・ザ・リッパー』はチェコ・ミュージカルを韓国版にして2009年に初演されました。それから韓国では毎年続けて上演されている人気作で、日本では昨年、青山劇場で初演されました。この作品を観て韓国ミュージカルにハマったというお知り合いがいたので、お値段高い目ですが行ってみました。上演時間は約2時間半(途中休憩20分込み)。

 韓国ミュージカルを観たことがない方は、この作品から入ってもいいんじゃないでしょうか。まずは歌唱力(声量)に圧倒されると思います。現在、プレイガイドによっては割引券も出ているようです。劇場にあったポスター↓
20131104_JackTheRipper.jpg

 ⇒CoRich舞台芸術!『Jack the Ripper

 ≪あらすじ≫ 2012年のぴあサイトより 
 1888年ロンドン。
 捜査官アンダーソンは売春婦だけを狙う、「ジャック・ザ・リッパー」と呼ばれる殺人鬼を追っていた。 アンダーソンは、その残忍な手口のため、マスコミには非公開で捜査を進めようとする。 しかしロンドンタイムズ紙の記者、モンローはジャックに関しての スクープ記事を書くため、 アンダーソンに接近する。 麻薬中毒者で金が必要なアンダーソンは、モンローの口車に乗せられ、情報提供して対価を得る取引に同意してしまう。
 4回目の殺人が起こったある日、アンダーソンの前に犯人を知っているという人物が現れる。 彼は、7年振りにアメリカからロンドンに渡ってきた外科医ダニエル。 ダニエルと元売春婦のグロリアにはジャックとの因縁があった…。
 数日後、事件がますます混迷の度合いを深めていく中、 アンダーソンは囮捜査を計画するが、ロンドンタイムズ紙の1面に「ジャック・ザ・リッパー」の殺人予告の記事が掲載される。 そして、アンダーソンと彼のかつての恋人だったポリーまでも、 予期せぬ事件に巻き込まれる…。
 果たして、殺人鬼「ジャック・ザ・リッパー」の正体とは…?
 そして本当の目的とは…?
 ≪ここまで≫

 美術も衣装も凝っていて、スター俳優の迫力の歌を存分に聴かせる娯楽大作でした。血なまぐさい凄惨なストーリーですが、悪役(ヒール)のカッコ良さを前面を出して、エンターテンメントに徹しています。照明の色使いは紫に黄色とか、原色系の対比が鮮やかで韓国っぽいですね。韓国のミュージカル俳優さんはやはり声量がすさまじいです。この作品もそうでしたが、たまに耳閉じなきゃと思うぐらい(笑)。
 
 客席は大盛り上がりでカーテンコールが始まるやいなや総スタンディング状態。日本じゃないみたい(笑)。私はこういう雰囲気が苦手なので乗れませんでしたが、お好きな方がハマる気持ちはわかります。

 初日には神奈川県知事と韓国領事館領事がいらしていたようで、開演前に場内アナウンスによる紹介とお2人が握手をされる場面もありました。客席には韓国人の一般客も大勢いらした様子で、韓国ミュージカルは日韓市民の文化交流の場になっているんですよね。

 ここからネタバレします。誤読もあるかもしれませんのでご容赦ください。

 メインの俳優さんは実力があるし、アンサンブルも豪華で、どんでん返しのあるストーリーも楽しみました。ただ、『ノートルダム・ド・パリ』ほどではなかったですが、「次はこの歌、そして次はこのシーンですよ」とシーンごとにくっきりと分け目ができてしまっているのは残念。歌謡ショーのように感じちゃうんですよね。
 私が好きだったのは、アンダーソン刑事とその元恋人の娼婦ポリーが、灰が舞うロンドンの街を歩いていく場面。ポリーが優しい声で歌うんです。どちらかというと私はこういう歌が聴きたい派。そしてアンダーソンとポリーの間に心の交流が見えるのも好きです。

 大やけどを負い、梅毒にもなってしまったグロリアを助けるため、新鮮な内臓欲しさに墓荒らしまでしてきた外科医ダニエルは、なんと自分が切り裂きジャックと化してしまいました。刑事にも新聞記者にもその真実がばれた後、自害したグロリアを抱きかかえながら、ダニエルは吐露します。自分はグロリアが憎かったのだと。ダニエルが娼婦を次々に殺していったことにも、そこに快感を覚えたことにも納得できました。愛情と責任感にさいなまれ、自分で自分を追いつめてしまう人間にも共感できます。

 ジャック役のキム・ボムレさんの「わはははは~」という笑い声はまるで漫画(笑)。歌声は別ですが、スターの存在感的には石原裕次郎さん、江守徹さんを思い浮かべました(この役の髪型が似てるだけ?)。総立ちのカーテンコールでは日本語で「これで終わりだと思うなよ」と決めてくださいました(カンペ見直してたのがキュート)。

【私が観た回の出演者】ダニエル(医師):オム・ギジュン ジャック:キム・ボムレ アンダーソン(刑事):キム・ジュンヒョン モンロー(記者):イ・ヒジョン ポリー(娼婦・アンダーソンの元恋人):ソ・ジヨン グロリア(娼婦・ダニエルと恋に落ちる):キム・ヨジン 他
主催:M Musical Art/ぴあ/Quaras 製作:M Musical Art/SM Contents Investment,Inc./CJ E&M/INTERPARK
【発売日】2013/10/19 S席 16,000円 A席 11,000円 X席 11,000円 Y席  8,000円 ※全席指定 ※未就学児童入場不可 ※X席、Y席はイス付立見席となります。
http://jack-the-ripper.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:59 | TrackBack

世田谷パブリックシアター『クリプトグラム(cryptogram)』11/06-24シアタートラム

 小川絵梨子さんが翻訳・演出されるので、私的には必見の舞台。『クリプトグラム(cryptogram)』は米国の劇作家デイヴィッド・マメットさんの1994年初演戯曲で、成人男女と少年が登場する三人芝居です。タイトルの意味は暗号、あるいは(神秘的な)シンボル。マメット作品のレビュー⇒ 映画の脚本家・映画監督としても有名な方ですね。

 意味深な言葉のやりとりから、3人と登場しないある人物との関係や、それぞれの真意を探っていきます。上演時間は約1時間20分と短いですが、謎解きの緊張感が保たれ、男女および親子の愛憎のドラマも濃密でした。恐ろしいお話でした…小川さんにはまたもや、非常に面白い戯曲をご紹介いただけたなぁと思います。 

 舞台を観てからチラシとパンフレット(1000円)を眺めてみると、絵図に意味が隠され、暗号になっているんですね。紙質も含めデザインが凝っていてとてもハイセンスですね~。

20131106_cryptogram.JPG

 ⇒『クリプトグラム』ニューヨーク初演をご覧になったひびのけいさんのツイート
 ⇒CoRich舞台芸術!『クリプトグラム(cryptogram)

 マメットさんが脚本を担当された映画は、アマゾンで検索して見つけた中だと下記3本は見ました。どれも面白かったです。
 ↓デ・ニーロファンだった私。

アンタッチャブル スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2013-08-23)
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 ↓ショーン・ペンの「忘れないため」というセリフが今でも引っかかっています。

俺たちは天使じゃない [DVD]
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 ↓ブラット・パックにハマってた。中学生が観ても意味わかってなかったかも(笑)。80年代なつかしい。

きのうの夜は… [DVD]
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ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (2005-12-21)
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 ≪あらすじ≫
 もう夜遅いし、お母さんは何度も2階に行ってベッドに入りなさいって言うけど、お父さんが帰ってくるのを待ってるんだ。明日、一緒に森にキャンプに行くから、その準備をしなきゃ。楽しみで眠れない。ううん、眠れない理由はそれだけじゃない。
 ≪ここまで≫

 舞台は中央に階段がある居間。ステージ下手側にも客席があるので、客席が舞台をL字型に囲んでいます。階段の上には子供部屋があり、上手袖側に玄関と台所へと続くドア枠があります。階段は下手に向かって数段のぼると踊場があって、そこで90度折れ曲がって上手天井方向へと伸びる形状をしています。床も家具も色が白とブルーグレーのグラデーションで統一されていて、古びて薄汚れているとか、実体が希薄で憂いが支配している等の印象を与えます。
 穏やかなピアノの音色と、要所要所で威力を発揮する照明(映像?)が、上品で洗練されたストレート・プレイの空気を作ってくれました。

 ジョン(坂口湧久)はドニー(安田成美)の息子で小学校高学年ぐらいだということは、お芝居が始まってすぐにわかるのですが、デル(谷原章介)が何者なのか、2人とどういう関係なのかは、なかなかわかりません。幕開けすぐに暗号解読が始まり、ずっと集中して観ることができました。

 子役があんなに重要な役どころとは!膨大なせりふ量ですし、難解ですし、よくここまでお稽古されたなぁと感心しました。パンフレットのクレジットで、3人の出演者の中で子役が一番上になっているのにも納得でした。これは子供が見た物語なんですね。
 プレビュー初日時点の印象ですが、谷原章介さんはまだ役柄について確かなものつかんでいらっしゃらないように見えました。安田成美さんはとっても、とっても可愛らしい方だな~と思いました。たぶん真面目で素直で優しい方なんじゃないかしらと勝手に想像。ただ、ドニー役は他人から嫌われたり、怖がられたりする性質を、もっと表面に出してもいいのではないかと思いました。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 デル(谷原章介)はドニーとその夫の昔からの友人で、ずっとホテル暮らし。実はゲイだと終盤にわかります。デルは先週、ドニーの夫と1週間のキャンプに行って、そこで夫から大切なナイフをプレゼントされたと言っていましたが、それは嘘でした。本当はドニーの夫は愛人を連れてデルのホテルに宿泊していたのです。自分に嘘をついて裏切ったデルを、家から追い出すドニー。大人2人の間に起こったことを、ジョンはずっと見ていました。ジョンは「誰かが僕を呼んでる声がする」「お母さん、死んでしまいたいと思ったことある?(僕はある)」などと言い、なかなか寝ようとしません。子供の恐怖に大人が全く気付かないのが苛立たしいし、恐ろしかったです。

 ナイフという物体そのものに色んな意味が込められていると思います。デルがジョンにナイフを渡し、ジョンがそれを触る場面だけでなく、舞台中央の小さなテーブルにナイフがただ置かれているだけでも、空恐ろしさが漂います。ドニーたちは戦中、戦後を生きている人たちで、ナイフはドニーの夫にとって戦争勝利の勲章のような大切なものだったのだから(後から、ただ買っただけとわかりますが)、私個人としてはそういう時代や、戦争の空気をもっと感じたかったかな~。

 小さな子供を子供部屋で一人で寝るようにしつけるのは、日本にはあまりない習慣ですよね。私はそれが保育、教育的に良いとは思えないタイプなので、なぜドニーがあれほどまでにジョンを一人ぼっちにさせて、自分から離しておきたいのかが、ずっと疑問でした。デルが言ったように、「(夫だけが悪いわけじゃない)ドニーにも問題がある」んでしょうね。最後の最後にドニーが徹底的にジョンを拒絶するところで、ドニーの異常なまでの頑なさが感じ取れました。できればドニーのそういう性質を、もっと前の場面から観たかったと思います。

出演:谷原章介、安田成美、坂口湧久 ※ジョン役は坂口湧久くんと山田瑛瑠くんの交互出演となります。
脚本:デイヴィッド・マメットDavidMamet 翻訳・演出:小川絵梨子 [美術]二村周作[衣裳]前田文子[照明]三谷恵子[音響]尾崎弘征[舞台監督]佐川明紀[演出助手]大澤遊[技術監督 熊谷明人[プロダクション・マネージャー]勝康隆[プロデューサー]穂坂知恵子[宣伝美術]近藤一弥[イラストレーション]望月梨絵 プログラム(パンフレット)スタッフ→ 編集・発行:世田谷パブリックシアター デザイン:近藤一弥 DTP:大河原達(Kazuya Kondo Inc.) イラストレーション:望月梨絵 鼎談写真:御堂義乗 印刷:株式会社オノウエ印刷
一般 5,000円 ※プレビューは一般4,500円(友の会・アーツカード会員割引はございません。高校生以下・U24 2,250円) 高校生以下 2,500円 U24 2,500円 友の会会員割引 4,500円 せたがやアーツカード会員割引 4,700円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2013/11/post_342.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:50 | TrackBack

2013年11月06日

【オーディション】劇団印象-indian elephant「2014年3月公演『グローバル・ベイビー・ファクトリー』出演者募集」12/01〆切(メールのみ)

 鈴木アツトさんが作・演出される劇団印象-indian elephant-が、2014年3月公演の出演者オーディションを実施します。⇒劇団印象の過去レビュー 

 『グローバル・ベイビー・ファクトリー』は第18回劇作家協会新人戯曲賞入選作で、私は昨年9月のリーディング公演を拝見しています。その名のとおり「赤ちゃん工場」についての物語で、現代のさまざまな社会問題を織り込んだ面白い戯曲でした。以下、劇団からいただいた情報です。

 ●劇団印象-indian elephant- 2014年3月公演
  『グローバル・ベイビー・ファクトリー』@調布市せんがわ劇場
 ・オーディション日程(以下のいずれか1コマにご参加ください。)
  A・12月6日(金)18:00~22:00
  B・12月7日(土)13:00~17:00
  C・12月7日(土)18:00~22:00
  参加費:1000円(ワークショップ受講料・テキスト代・会場費)
  参加資格:心身ともに健康な方。
  申し込み締切:12月1日(日)24時(応募者多数の場合、書類選考あり)

▲劇団印象-indian elephant- 「グローバル・ベイビー・ファクトリー」公演オーディション!▲

劇団印象-indian elephant-は、2014年3月、調布市せんがわ劇場にて、
第18回劇作家協会新人戯曲賞入選作「グローバル・ベイビー・ファクトリー」を上演します。
今回、その出演者(および演出助手)を募集致します。

■オーディション日程■(以下のいずれか1コマにご参加ください。)
A・12月6日(金)18:00~22:00
B・12月7日(土)13:00~17:00
C・12月7日(土)18:00~22:00

【参加費】 1000円(ワークショップ受講料・テキスト代・会場費)
【参加資格】 心身ともに健康な方。劇団印象-indian elephant-観劇の有無は問いません。
【申し込み締切】 2013年12月1日(日)24時(応募者多数の場合、書類選考をさせていただきます。)
【申し込み方法】
以下の項目を、info(アットマーク)inzou.comまでお送りください。

件名は「GBFワークショップ応募」でお願い致します。

・名前(ふりがな)
・生年月日/年齢/身長
・所属
・これまでの経歴/出演作品
・今までご覧になった劇団印象-indian elephant-作品があればそのタイトル
・応募動機(200字から400字程度)
・メールアドレス/携帯電話番号
・写真(上半身)
・AからCまでのうち、希望の時間帯(できれば第3希望まで)

■場所■
杉並区荻窪の、劇団印象-indian elephant-稽古場

《劇団印象-indian elephant-とは》
“印象”と書いて“いんぞう”と読む、劇団印象-indian elephant-は、劇作家・演出家の鈴木アツトを中心に2003年に設立。
「遊びは国境を越える」という信念の元、“遊び”から生まれるイマジネーションによって、言葉や文化の壁を越えて楽しめる作品を創作し、
観劇後、劇場を出た観客の生活や目に映る日常の景色の印象をガラッと変える舞台芸術の発信を目指している。

主な受賞歴
「グローバル・ベイビー・ファクトリー」で、第18回劇作家協会新人戯曲賞入選。
「青鬼」で若手演出家コンクール2012優秀賞と観客賞を受賞。

■お申し込み・お問い合わせ■

劇団印象-indian elephant-
http://www.inzou.com/
info(アットマーク)inzou.com

ご質問などお気軽にお問い合わせ下さい。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:56 | TrackBack

2013年11月05日

Doosan Art Center Produce・東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『가모메 カルメギ』10/01-26Doosan Art Center Space111(韓国・ソウル)

 10月25日~27日の2泊3日でソウル観劇旅行に行ってまいりました。お目当てはこの公演。チェーホフ作『かもめ』を韓国人のソン・ギウンさんが脚色し、日本人の多田淳之介さん(東京デスロック)が演出されます。出演は日韓の俳優です。しかも舞台を1930年代の日帝時代の朝鮮に移し替えるというチャレンジングな企画で、私的には必見だったんです。約1か月ものロングラン公演だったおかげで、千秋楽のマチネに滑り込めました。

 ⇒舞台の動画(5分間)が観られます。

 東京デスロックらしい演出を堂々とやりきり、直近数十年の日韓の歴史をヒット曲によって浮かび上がらせます。さらには人類の現在、未来をもあらわす素晴らしい作品でした。
 多田さんが韓国で初めて韓国人と創作されたのは2008年の『ロミオとジュリエット』。その年の私の小劇場ベスト3にランクインした作品で、2009年にはキラリ☆ふじみでの日本公演がありました。『カルメギ』も日本公演がどうか実現しますように!

 多田さんのブログ⇒「ソウルにて、つれづれと。 」 
  ↑私も最近感じてたことが書かれています。作り手にも観客にもおすすめです。

 【写真】劇場入り口。ドゥサンという財閥が運営する新しい劇場です。
karumegi6.jpg

 ⇒韓国サイト「ニュースカルチャー[カルチャーフォト]日本人演出家が描いた植民地時代知りたい場合は…演劇“かもめ”
 ⇒韓国サイト「K-POP流れる日帝時代に飛んできたチェーホフ "かもめ"」(多田淳之介さんインタビュー)
 ⇒韓国サイト「EDAYLY・多田淳之介さんインタビュー
 ⇒産経新聞「歴史と現在踏まえ、未来を考えてほしい 舞台「カルメギ(かもめ)」演出 多田淳之介さんインタビュー
 ⇒トゥギャッター「東京デスロック+第12言語演劇スタジオ 『가모메 カルメギ』

 【注】
 ・タイトルの『가모메』は、『かもめ(The Seagull)』の日本語発音をハングルで表記したもので、「カモメ」と発音します。対してカタカナの日本語タイトル『カルメギ』は『かもめ(The Seagull)』の韓国語で、韓国語発音をカタカナで表記しています。
 ・登場人物の名前は朝鮮名と日本名ですが、このレビューではわかりやすくするためにチェーホフ作『かもめ』の登場人物名を使います。
 ・字幕なしで観劇したので、誤読、事実誤認などは多数あると思います。

 ≪あらすじ≫ 劇団公式サイトより
 植民地朝鮮の1936年の夏
 新しい芸術を求める文学青年リュ・ギヒョクは、田舎の伯父チャ・ヌンピョの家で暮らしながら戯曲と小説を書いている。ギヒョクの母でありながら女優でもあるチャ・ヌンヒは、 東京から日本の小説家、塚口次郎と共にギヒョクのところへ訪れる。
 ある日の夕方、ギヒョクは家の近くにある湖でソン・スニムを主人公にした自分の戯曲を公演するが、ヌンヒと観客の反応に失望し、公演を中止してしまう。それから数日後、ギヒョクは自分が愛しているスニムが、塚口と近い関係になっていくことに気づき、苦しみながら自害事件を起こしてしまう。
 リュ・ギヒョクとソン・スニム、塚口とチャ・ヌンヒの四角関係のほか、『カモメ』のさまざまな人物の間にさまざまな愛の感情が生まれる。そして彼らに戦争の影が近付いてくる。
 ≪ここまで≫

 ステージを2方向から挟む対面客席で、中央に大きな白い木枠がそびえており、どちらから観てもプロセニアムになる美術です。「これは演劇(虚構)です」という宣言とも受け取れます。舞台上には古びて廃品のようになった家具などが、ところ狭しと転がっています。木製のイス、洋服ダンスに混ざってブラウン管テレビ、ノートパソコン、さらには千歯扱きのような古道具も見つけられます。それらの間を埋めているのが無数の新聞紙です。韓国の新聞にまじって日本の新聞もありました。ピンク、緑、青などのカラフルな色彩を思い切って使う照明の力は大きく、舞台は軽々と時空を超えました。後述するK-POPなどの現代曲を使う演出も効果的でした。

 【舞台写真 (劇場公式サイトより)】
karumegi1.jpg

 四幕喜劇である原作『かもめ』のように、この作品もきちんと4つの幕に区切られている印象を受けました。第1幕は自然な会話劇で物語設定と登場人物を紹介、第2幕ではこのお芝居特有のあるルールを見せて観客に理解を促し、第3幕ではそのルールに加えてぶっ飛んだ演出が続出、そして第3幕と第4幕の間で物語上に大きな事件が起こり、最終幕ではその数年後が描かれます。※四幕劇になっているというのは私の個人的解釈で、実際どうだったかはわかりません。

 『かもめ』の舞台を1930年代の朝鮮に置き換えて、登場人物を朝鮮人と日本人にし、それを日韓俳優によって上演すること自体が面白い上に、有名古典を材料にして現代を批評する作品になっていたのが素晴らしいです。日本による一方的な加害の歴史を経て、日本と韓国の間には1945年から2013年まで約70年の時間が流れました。その間の日韓の文化交流をポップスや歌謡曲で振り返り、過去と現在の日韓両国を舞台上に並立させて、さらには日韓から世界へ、未来へと広げていく演出になっていました。今、韓国人と日本人がともに作る、そしてともに観るお芝居として非常に意義のある作品だと思います。
 多田さんのご厚意で、観劇前に構成前の脚本を読ませていただきました。ソン・ギウンさんの脚色戯曲が多田さんの演出によって立体化される際に、どれほどドラスティックな変更が行われているかを知ることができました。地点の三浦基さんが「演劇は批評行為である」という意味のことを、過去のインタビューでおっしゃっていたように記憶しているのですが、この作品でもそれを確認できました。

 トレープレフの伯父ソーリンを演じたクォン・テッキさんの演技に見入りました。時が経つごとに老衰していくのを繊細に表現されていて、何も語らず、ただ歩いているだけで加齢がわかりました。
 夏目慎也さんがある韓国語を発すると、必ず笑いが起こっていました。そのセリフの意味は「聞いてますか?」だったそうです。韓国語の発音が日本人っぽくて、意味が意味なだけにおかしいんでしょうね。

 【写真】リーフレットとパンフレット(約400円)。パンフレットには舞台写真がふんだんに。戯曲も一部掲載。
karumegi8.JPG

 ここからネタバレします。

 時は1930年代、場所は日本に支配されていた時代の朝鮮、ソウル近郊の田舎です。湖畔には朝鮮人と日本人が集まります。トリゴーリンとメドヴェジェンコはこの物語では日本人です。また、医師ドールンの助手の看護師(女性)も日本人です。朝鮮人は朝鮮語と日本語を解し、日本人はほぼ日本語しか話せません。ドールンはエスペラント語も話せる知識人で、時々エスペラント語の会話も出てきます。
 トレープレフを除く多くの朝鮮人は、内地(主に東京)にあこがれを抱いています。原作のモスクワに当たるのが東京というわけです。登場人物の削除・追加もありました。宿の管理人シャムラーエフの妻ポリーナの代わりに、彼の長女エギョン(マーシャの姉)が登場します。エギョンはドールンに恋していますが、ドールンには助手兼恋人の日本人看護師がいます。

 時代と場所の変更以外で私が注目したのは2点です。1つ目はニーナが妊娠しないこと。原作のニーナはトリゴーリンとの間に子供をもうけたけど死なせてしまい、トリゴーリンにも捨てられて1人で女優を続けていきます。実家に居続けて小説家になったトレープレフに比べたら、ニーナの方がずっと大人です。でもニーナがトリゴーリンとの恋に破れただけになると、トレープレフの自殺の原因はほぼ失恋だけに絞られることになります。それだと物足りない気がしていたんですが、多田さんの演出によって、若い2人の間にある問題が恋愛だけに矮小化されることはありませんでした。
 2つ目はトレープレフの自殺(服毒自殺)を舞台上で演じることです。原作では銃声だけが聞こえて、トリゴーリンに彼の自殺を伝えるドールンのセリフで終幕します。でもこの作品では、トレープレフは舞台上で苦しみながら死に、ドールンのセリフはカットされていました。韓国の演劇に詳しい方にお聞きしたところ、韓国ではトレープレフの自殺を舞台上で見せることが多いそうです。これには驚きました。

 【舞台写真 (動画のスクリーンショット)】
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 一番初めに、間野律子さんが登場します。現代のカジュアルな服装で、首にはおしゃれなヘッドフォンをかけていて、幼い少年のよう。そこに黒いチマチョゴリを着た女性マーシャが登場します。現代と過去が交わる奇妙な時間が流れます。やがてマーシャを追いかけてメドヴェジェンコ(日本人)が登場し、2人が会話するのを少年は不思議そうに眺め、そのまま劇を外側から観察する者として舞台上に居続けます。後からやってきたドールンと看護師(日本人女性)らとトレープレフが会話をしている間も、少年は静かに見守っていますが、一人芝居を上演するために走ってやってきたニーナとトレープレフが湖岸で出会った時に、突然トレープレフから話しかけられて、劇中の登場人物ヤーコフへと変身します。現代の少年が『カルメギ』の世界を体験していくという枠組みがはっきりしました。ここで字幕に『カルメギ』の文字。オープニングです。

 そういえば、間野さんが客席に向かって「こんにちは、私は朝鮮の少年ミョギです」と韓国語で自己紹介する数分間がありました。「発音からすると日本人だけど、彼女は朝鮮人の少年なのだ」と、観客は理解します。間野さんは劇を俯瞰する視点と、日本人でありながら朝鮮人であるというフィクションを、終始保ち続ける特殊な役どころとして存在し続けます。彼女が動く度にそこに込められた意図を探りたくなるため、常にある程度の緊張感を保ちながらの観劇になりました。

 このように、脚本を変える(または意味を付加していく)演出が非常に面白いんですよね。たとえば、前半の見せ場のひとつであるニーナの一人芝居は、なんと全てカット!これは衝撃的で…爆笑してしまいました(笑)。でもアルカージナはじめ周囲の人々の心無い反応にトレープレフが絶望したことは、ニーナが登場する前にたっぷり表現されていたので、展開上は問題なし。いやはや痛快でした。

 先述した、このお芝居特有のあるルールとは、俳優の動線です。舞台への出ハケが、ある1方向のみに制限されているのです。私が座った方の客席から見た場合、下手手前から上手奥へと進みます。どんな人物も下手手前から登場し、上手奥にハケて、次も必ず下手手前から登場するのです。流れ的におかしくても、そのルールは徹底されます。2005年の『ニセS高原から(三条会組)』でも採用されていましたね。一直線の道や円環を想像させるので、時間の経過、生きて死ぬまでの人生、輪廻転生、同じことの繰り返しなどが自ずと頭に浮かび、『カルメギ』の物語と融合していきます。

 やがてその動線を逆行する人物も出てきます。上手奥から下手手前へと逆に進むと、時間の逆行やそれを望む登場人物の感情など、自ずと意味が付加されます。たとえば第4幕で東京から帰国したニーナが上手奥から出てきた時、彼女は「昔に戻りたい、あの日に帰りたい」と思っていただろうし、トレープレフが最初の自殺未遂をした時に逆行したミョギ(朝鮮の少年)は、「この劇が始まった時、トレープレフがニーナと恋仲で幸せだった時に戻りたい」と思っていたでしょう。ミョギはさらにもう1度逆行したシーンがあったように思います(たしか徴兵された時かと。うろ覚えです)。

 【舞台写真 (劇場公式サイトより)】
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 動線のルールを示したのが第2幕だとすると、それ以上に突拍子もない演出が飛び出すのが第3幕だと言えます。なんとトリゴーリンが白いスーツにスパンコール付きの赤い蝶ネクタイをして、マイクを持って登場。まるでちんどん屋さんみたい(笑)。手にはCDショップで買ってきたのであろう若い女性K-POPスターのCDと、おまけのポスターが入ったビニール袋を持っています。トリゴーリンがパチンと指を鳴らして合図をすると、流行中のK-POPが流れ出し、彼はマイクを通してニーナを口説きます。その他にもiPhoneなどの現代の道具が出てきて、観客はぐっと親近感を持つとともに、意外性に驚いて、時には笑います。

 多田演出といえば現代のポップスを多用するのも特徴なんですよね。『カルメギ』ではK-POP、韓国ラップ、Perfume、「百万本のバラ」(加藤登紀子)、韓国ドラマ「冬のソナタ」主題歌などが流れました。「百万本のバラ」は“女優に恋をする”ので『かもめ』にばっちりフィットですね。「冬のソナタ」は別れ話を切り出したトリゴーリンを、アルカージナが強引に説得する場面で流れ、客席は多いに沸きました。『かもめ』が古典名作だとしても、大女優と若いつばめの恋は、大衆に受け入れられた恋愛メロドラマと大差ないですよね。楽曲によっては韓国語版と日本語版の両バージョンが使われており、この数十年間の日韓の文化的接点や交流を思い起こさせます。

 K-POPファンであることを観客に知らしめ、何かしでかしてくれる人物となったトリゴーリンが、大声で大演説をぶちます。「昔、内地と朝鮮は同じ国も同然、兄弟みたいな仲だった」「我執を捨てれば、新しい視野が広がる」「小我の愛ではなく、大我の愛」「「私」ではなく「我々」、そして「我々」の拡張」など。そのちょうど裏側では同時にシャムラーエフが、同じく大声でこう語っていました。「新道が通ったまでは良かったが、堤防があの様では水なんか入れられない」「今年は日照りで凶作。あの工事を中断したせいだ。途中で放り出したんだからひどい。元通りにできないし。」「何度苦情を言っても「シカタナイヨ、シカタナイ」と言われる」と。能天気な日本人と地に足のついた暮らしをしている朝鮮人が対比されました。

 【舞台写真 (劇場公式facebookページより)】
karumegi3S.jpg

 第3幕と第4幕の間に起こったのは、戦争です。上手奥から登場したメドヴェジェンコ(夏目)が旭日旗を手に持ち、ミョギに拳銃を持たせる場面は空気が凍りついたようでした。日本人が朝鮮の少年を“志願兵”として徴兵していったんですね。この時のメドヴェジェンコは、上手奥から動線に逆行する形で登場していたと思います。世界(=ルール)を壊す者が現れたという意味でしょうか。
 ※多田さんにうかがったところ、旭日旗の使い方についてはかなりの議論を要したそうです。
 
 出兵したミョギをはじめ、湖畔から移動する人が出てくると、登場人物全員による追いかけっこが始まりました。皆、下手手前から上手奥へと走り抜け、また下手手前から登場して走り出します。順番は朝鮮から日本へ行くアルカージナとトリゴーリン、トリゴーリンを追うニーナ、そしてニーナを引き止めたいトレープレフ、トレープレフを愛しているマーシャ、マーシャと結婚するメドヴェジェンコ…と続きます。他のグループは、日本人看護師と同行するドールンと、愛するドールンを追いかけるエギョン(ポーシャの変形)。狩りで獲物を追って走るソールン、シャムラーエフの姿もありました。
 本気で走っているように見えるので、その追いかけっこをコメディーとして楽しむ観客も多くいました。爆笑が起きたのは、ニーナを必死で追っていたトレープレフの目の前で、上手奥の劇場の扉が急にバタン!と閉じられて、彼だけ置いてきぼりにされたところ。私と反対側に座っていた観客は、壁を叩いてジタバタするトレープレフを見て笑っていたと思います。私はというと、美術の柱のせいで彼の姿が見えなかったのもあってか、とても悲しい気持ちになっていました。トレープレフが母親に去られ、恋人に捨てられ、自分だけ都会に行けずに田舎に閉じ込められたからです。扉が乱暴に閉まるのはいい演出だと思いました。

 第4幕でトレープレフは麦わらの帽子をかぶり、新聞を拾い集め始めます。ちょうど私の目の前にあった日本の新聞には「北朝鮮の武装化」と、「日本の非核三原則(の形骸化)」について大きく取り上げられていました(おそらく)。新聞とは歴史の集積であり、ゴミのように捨てられ、忘れられた/忘れられていく過去を象徴していると思います。トレープレフはその過去のかけらたちを、農夫が作物を収穫するように籠の中に入れていきます。歴史をひとつずつ振り返り、確認していくようでした。トリゴーリンが言っていた「朝鮮の赤い土の中には無限の未来を開く豊富な地下資源だけでなく、過去二千年の歴史と文化が眠っている」ことを、彼は自分で調査・研究して発見していったのではないでしょうか。

 【舞台写真 (劇場公式サイトより)】
karumegi4.jpg

 やがて老ソールンを見舞うために、人々が湖畔に戻って来ます。トレープレフは下手の端っこにいながら、彼らをじっと観察しはじめました。朝鮮人女性が日本の着物を着ています。メドヴェジェンコ(日本人)と結婚させられたマーシャは黒いチマチョゴリではなく、紺色の地味なかすりの着物、ピンク色のドレスを着ていたアルカージナは、黒地にきらびやかな模様の入った留袖です。トリゴーリンも一緒になって、小説家になったトレープレフの噂話をしており、アルカージナは「これからは、内地語でだけ、ものを書く時代が来るかもしれないよ」と言い出します。彼らを無言で見守るトレープレフの表情に、憐れみと悔しさが見て取れました。トレープレフは歴史を知り、朝鮮を知り、人間を見つめ直したのだと思います。この演出のおかげで私は、彼が小説家になれたことに納得できました。

 トレープレフがたった一人でいるところに、派手な色使いでペラペラの生地の貧相なドレスを着たニーナが、マイクを持って上手奥から登場します。赤い蝶ネクタイをして、マイクを持ってしゃべっていたトリゴーリンに似ています。彼女は軽薄な日本に染まってしまったんでしょうね。「私は、かもめ。翼を傷めたかもめ。でもいつか、私はまた舞い上がるわ。」と言うニーナのドレスには、腰下まで垂れ下がった白い羽が付いていました。
 トレープレフの切実な思いが通じることはなく、ニーナは東京に向かって上手奥へと去り、彼は服毒自殺をします。舞台中央であえぎ苦しむ中、銃声が響きました。彼は悶えながら鳴り続ける銃声に反応し、まるで見えない銃弾に打たれているよう。本当は自殺だったけれど、彼はいろんなものに殺されたんだと思いました。ニーナに振られたからだけではなく。

 トレープレフの死後、下手手前から次々と人々が出てきて、舞台に横たわり死んでいきます。倒れずに上手奥へと歩いていく人は、まだ死んではおらず、再び下手手前から現れ、ぐるぐると歩き続けます。まずはソールンが老衰で死亡。兵士姿のミョギが、銃の連射の音が聞こえる中、死亡。上海に行ったドールンと看護師も早いうちに亡くなります。メドヴェジェンコは終戦時に死んで、その妻マーシャは長く生き残っていました。たぶんニーナが一番長生きだったように記憶しています。※メドヴェジェンコの死亡年は後から多田さんに聞きました。
 
 【舞台写真 (劇場公式サイトより)】
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 人々が歩いて死んでいく時、字幕に西暦年が出る演出があったそうなのですが、私が観た回は、「1945」というテキストが映写機のエラーで表示されないハプニングがありました。私には誰がいつ死んだのか見当がつかず、ゆっくりと歩いていく『カルメギ』の登場人物は、私の中で“人類”を象徴する人々へと変化していきました。そのおかげで遠い遠い未来、何万年も先の地球を想像できました。横たわっていた俳優が再び立ち上がり、全員が上手奥へと去った後、誰もいなくなった舞台はしらじらとした照明に照らされて、虚空を感じさせました。その時、ニーナの一人芝居のセリフが私の中に蘇ってきたんです。「人も、獅子も、天空を舞う鷲も、そして太古に生きた恐竜も、大鳥も、麒麟も、一角獣も…(略)一切の生きとし生けるものは、悲しい命のめぐりを終え、消え失せた」。その無の世界が、目の前に示されたように思いました。数千、数万世紀先の、静まり返った地球。闇。

 …と思っていたら、現代のカジュアルルックに着替えた俳優たちが、下手手前からぞくぞくと登場しました。字幕には2013年とあります。ラヴェルの「ボレロ」が流れていました。そして爆撃の音も。「ボレロ」といえば繰り返しです。2013年の今も戦争は続いていますから、人類の愚行の繰り返しをあらわしたのだと思います
 ※「ボレロ」には旋律が2つしかないことから、日本と韓国をあらわしてるという解釈もあるそうです。

 カーテンコールの時、俳優はみんな現代服を着ていました。間野さんが登場した最初の場面、つまり今、ココに戻ったように感じました。


【韓国/ソウル公演】2013年10月1日(火)~26日(土)Doosan Art Center Space111
【出演】 チャ・ヌンヒ(アルカージナ):ソン・ヨジン〈コキリ(像)マンボ〉 イ・ジュング(シャムラーエフ):イ・ユンジェ〈第12言語演劇スタジオ〉 チャ・ヌンピョ(ソーリン):クォン・テッキ 御手洗(メドヴェジェンコ):夏目慎也〈東京デスロック〉 塚口次郎(トリゴーリン):佐藤誠〈東京デスロック〉 イ・エギョン(原作には登場しないイ・ジュングの姉(マーシャの姉)・ポリーナの変形):オ・ミンジョン〈シンギル・マンファギョン(蜃気楼・万華鏡)〉 ドクトル・カン(ドールン):ホ・ジョンド 看護婦いさ子(ドクトルの助手・恋人):佐山和泉〈東京デスロック〉 ミョギ(朝鮮の少年・現代の少年):間野律子〈東京デスロック〉 イ・エジャ(マーシャ):ジョン・スジ〈第12言語演劇スタジオ〉 ソン・スニム(ニーナ):キム・ユリ〈ノルタン〉 リュ・ギヒョク(トレープレフ):ホ・ジウォン
原作: アントン・チェーホフ「かもめ」 脚色・協力演出:ソン・ギウン 演出:多田淳之介 制作:Doosan Art Center 主催:Doosan Art Center、カルメギ・プロジェクト 協力/助成:セゾン文化財団、東京デスロック、第12言語演劇スタジオ 後援:Doosan、韓国文化芸術委員会
チケット代はおそらく一般30,000ウォン。学生割引などあり。
東京デスロック「カルメギ」公式:http://deathlock.specters.net/karumegi/index.html
劇場公式:http://www.doosanartcenter.com/space111/perform.asp?pfmcGbn=Past&pfmcYear=2013&idx=55
playdb:http://www.playdb.co.kr/playdb/PlaydbDetail.asp?sReqPlayNo=52899
インターパーク:http://ticket.interpark.com/Ticket/Goods/GoodsInfo.asp?GoodsCode=13009365


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
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Posted by shinobu at 13:34 | TrackBack

2013年11月01日

メルマガ 2013年11月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2013年11月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。

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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 113    2013.11.01  2,013部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎11月は演劇祭尽くし!厳選しようがないので、減らす努力をしませんでした。
  ここはパパっと第一印象で、直観で、選んでみてください!エイヤ!

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

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    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

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○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→フェスティバル/トーキョー13(F/T13)
        木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談―通し上演―』
        11/21-24あうるすぽっと
    http://www.festival-tokyo.jp/program/13/tokaido_yotsuya/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→Doosan Art Center Produce『カルメギ』(韓国)
        http://deathlock.specters.net/karumegi/index.html

 ◆3【「フェスティバル/トーキョー(F/T13)」が開幕します!】

   ◎11/09から12/08まで、池袋エリアを中心に先鋭舞台芸術が集結!
    http://festival-tokyo.jp/

 ◆4【日本・中国・韓国による「BeSeTo(ベセト)演劇祭」開催中!】

   ◎記念すべき第20回目は、利賀、鳥取を経て、東京で開催中です。
    http://www.beseto.jp/20th/

 ◆5【「現代イプセン演劇祭2013」のテーマは『人形の家』】

   ◎ノルウェー、ベルギー、ルーマニア、チリ、日本の『人形の家』勝負!
    http://tinyurl.com/qjdtlz6

 ◆6【編集後記】

   ◎ソウル2泊3日観劇旅行に行ってきました。

 ◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※最新情報、詳細は公式サイトでご確認ください。


1.松竹『さらば八月の大地』
  11/01-25新橋演舞場
  ☆出演:中村勘九郎 今井翼 山口馬木也 田中壮太郎 鴫原桂  
       中村いてう 有薗芳記 広岡由里子 関時男 木場勝己 檀れい
   脚本: 鄭義信 演出: 山田洋次
   1等席:12,600円 2等席:8,400円 3階A席:4,200円
   3階B席:2,600円 桟敷席:13,600円
    http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/schedule/2013/11/post_116.php
   鄭義信さんの新作に、歌舞伎俳優の中村勘九郎さんが主演。
   舞台は戦時下の満州映画撮影所だそうです。


2.ネビュラプロジェクト/ナッポスユナイテッド『ショーシャンクの空に』
  11/02-10サンシャイン劇場
   ≪東京、大阪、福岡、名古屋、松本≫
  ☆出演:成河、益岡徹、粟根まこと、畑中智行、筒井俊作、大家仁志、
       今奈良孝行、山崎彬、高橋由美子、宇野まり絵、新良エツ子、ほか
   原作:『刑務所のリタ・ヘイワース』(著:スティーヴン・キング 訳:浅倉久志)
   台本:喜安浩平 演出:河原雅彦
    7,500円
    http://shawshank-stage.jp/
   有名ハリウッド映画を、原作小説をもとに舞台化。喜安浩平さんの台本と
   河原雅彦さんの演出で、演劇ならではの『ショーシャンク~』が観られそう。
   主演が成河(ソンハ)さんなので、彼目当てで観ても損はないかと。
   個人的には、映画と違うラストシーンになっていたらいいな~と思います。


3.東宝『ええから加減』
  11/03-26シアタークリエ
  ≪東京、金沢、富山、大阪、名古屋、東京、福岡、広島、新潟、札幌≫
  ☆出演:藤山直美、高畑淳子、赤井英和、田山涼成、他
   原作:永田俊也 脚本・演出:田村孝裕
   11,000円
    http://www.tohostage.com/eekara/
   昨年、菊田一夫演劇大賞、読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した
   コメディーの再演。東京・北千住公演、地域ツアーを経て東京・日比谷へ。


4.パルコ・プロデュース『ザ・スーツ THE SUIT』
  11/06-17 PARCO劇場
  パルコ劇場40周年記念公演
  ☆原作:キャン・センバ モトビ・マトローツ バーニー・サイモン
   演出・翻案:ピーター・ブルック
   ¥8,400 U-25チケット¥4,000(25歳以下) ※未就学児の入場不可
    http://www.parco-play.com/web/play/suit/
   『魔笛』↓以来のピーター・ブルック作品の来日公演。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0327193653.html
   舞台は1950年代の南アフリカ。不倫をした妻と、その夫の物語。
   公式サイトの動画を観たところ、セクシーな歌声も楽しめそう。

★5.世田谷パブリックシアター『クリプトグラム(cryptogram)』
  11/06-24シアタートラム
  ☆出演:谷原章介、安田成美、子役
   ※子役は坂口湧久と山田瑛瑠の交互出演。
   脚本:デイヴィッド・マメット 翻訳・演出:小川絵梨子
   一般 5,000円 高校生以下 2,500円 U24 2,500円
   劇場会員、区民割引などあり。
   ※プレビューは一般4,500円 高校生以下・U24 2,250円
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2013/11/post_342.html
   デイヴィッド・マメット戯曲を小川絵梨子さんが翻訳・演出。
   男、女、そして子供の3人芝居です。小川さんの演出なので、
   繊細で濃密な本格派ストレート・プレイが観られると思います。
   “cryptogram”は英語で「暗号」「(神秘的な)シンボル」という意味。


6.Bunkamura『シダの群れ 第三弾 港の女歌手編』
  11/06-30 Bunkamuraシアターコクーン
  ≪東京、北九州、大阪≫
  ☆出演:阿部サダヲ 小泉今日子 豊原功補 市川実和子 赤堀雅秋 末吉秀太
    佐藤銀平 永岡佑 岡田力 足立理 桜木テン 戸井田稔 吹越満 小林薫
   脚本・演出:岩松了
   S¥9,500 A¥7,500 コクーンシート¥5,000
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_shida/index.html
   岩松了さんが作・演出される任侠もの第3弾。第1弾、第2弾レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0908003649.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0509130035.html
   岩松作品に出演される小泉今日子さんが好きです。たとえばこの作品↓とか。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0209155422.html


7.PARCO THE GLOBE TOKYO PRESENT
  『いのうえシェイクスピア「鉈切り丸」~W.シェイクスピア<リチャード三世>より』
  11/08-30東急シアターオーブ
  ≪大阪、東京≫
  ☆出演:森田剛 成海璃子 秋山菜津子 渡辺いっけい 千葉哲也 山内圭哉
    木村了 須賀健太 宮地雅子 麻実れい 若村麻由美 生瀬勝久 ほか
   原作:シェイクスピア 脚本:青木豪 演出:いのうえひでのり
   S席:12,500円 A席:10,500円 B席:8,500円
    http://www.parco-play.com/web/play/natagirimaru/
   森田剛(主演)、いのうえひでのり(演出)、青木豪(脚本)というと
   『IZO』↓が面白かったので、今回も期待しちゃいます。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0123142630.html


8.新国立劇場演劇『ピグマリオン』
  11/13-12/01新国立劇場中劇場
  ☆出演:石原さとみ 平岳大 小堺一機 綱島郷太郎 増子倭文江 橋本淳
    春風ひとみ 倉野章子 佐藤誓 櫻井章喜 ほか
   脚本:ジョージ・バーナード・ショー 演出:宮田慶子
   S席8,400円 A席5,250円 B席3,150円 Z席 1,500円
    http://www.atre.jp/13pygmalion/
   映画も有名なミュージカル『マイ・フェア・レディー』の原作戯曲を
   宮田慶子さんが演出。ミュージカルとは違う結末だそうです。
   G・B・ショー作品というと、『ジャンヌ』↓も面白かったです。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0702162507.html
   11/22、24に同劇場で無料リーディング公演『ディア・ライアー』↓あり。
    http://www.atre.jp/13pygmalion/blog/?p=582
   【訂正】メルマガでは1/22のみ上演としていました。失礼いたしました。

9.俳優座劇場プロデュース『もし、終電に乗り遅れたら…』
  11/14-24俳優座劇場
  ☆出演:浅野雅博、小田伸泰、外山誠二、逢笠恵祐、岩崎正寛、
       若井なおみ、米倉紀之子、林亜沙子、槙乃萌美、里村孝雄
   脚本:アレクサンドル・ヴァムピーロフ 演出:菊池准
   一般=5600円 ハーフチケットデー(11月14日・15日)=2800円
   グリーンチケット(学生)=2800円
    http://www.haiyuzagekijou.co.jp/produce/
   終電を逃した男性2人が真っ赤な嘘をつき、騒動を巻き起こすコメディー。
   ロシアの戯曲に興味あり。浅野雅博さんが主演なので、ことさらに楽しみ。


10.パルコ・プロデュース
  『大パルコ人2・バカロックオペラバカ「高校中パニック!小激突!!」』
  11/24-12/29 PARCO劇場
  パルコ劇場40周年記念公演
  ≪東京、宮城、大阪、愛知≫
  ☆出演:佐藤隆太、勝地涼、永山絢斗、宮藤官九郎、川島海荷、三宅弘城、
    皆川猿時、少路勇介、よーかいくん、坂井真紀、綾小路翔
   脚本・演出:宮藤官九郎
   ¥9,000 ヤング券(U-25チケット 25歳以下対象)=¥5,500
    http://www.parco-play.com/web/play/bakarock/
   宮藤官九郎さんの新作。前回の大パルコ人↓は「メカロックオペラ」でしたが、
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0509230026.html
   今回はオペラの前後に「バカ」が2つも。バカを極めた内容かと(笑)。
   前髪クネ男(=勝地涼)by「あまちゃん」↓に会いたい。
    http://matome.naver.jp/odai/2137755799451463901


 ★★★────────────────────────────── 
  前売4000円台の気になる作品を4本ご紹介します。
   (上述の高額オススメ舞台10本中にも、席種・日程により格安券あり)
 ──────────────────────────────★★★

【1】ラッパ屋『ダチョウ課長の幸福とサバイバル』
  11/01-10紀伊國屋ホール
  ≪東京、福岡、札幌≫
  ☆出演:ラッパ屋劇団員、ラサール石井、小林健一、ともさと衣、他
   脚本・演出:鈴木聡
   前売り・当日4800円 11/1、2夜、5、6昼&夜は前売り・当日4300円 
   エコノミー券2800円(当日引換券。平日の回のみ・枚数限定・年齢制限なし)
    http://rappaya.jp/
   ラッパ屋の30周年記念公演は、日本のサラリーマンの今を描く新作。
   公式サイトの鈴木聡さんの「ごあいさつ」より↓
   「永久に戦争しない国に生まれただけでも幸せだよね、と思ってきたが
   それすら怪しくなってきた。」 ほんとに、そうですよね…。


【2】青年団『もう風も吹かない』
  11/07-18吉祥寺シアター
  ≪東京、三重≫
  ☆出演:青年団劇団員22人(一部ダブルキャスト)
   脚本・演出:平田オリザ
   前売・予約・当日共、同じ料金。日時指定・全席自由席・整理番号付き。
   一般:4,000円 学生・シニア:3,000円 高校生以下:2,000円
   劇場会員割引などあり。未就学児童の入場不可。
    http://s.seinendan.org/play/2013/08/1822
   平田オリザさんが大学生のために書き下ろした作品を、劇団本公演として
   8年ぶりに上演。青年団の俳優はヨーロッパ公演などで飛び回っています。
   大人数が一堂に会する本公演は貴重な機会だと思います。


【3】イキウメ『片鱗』
  11/08-24青山円形劇場
  ≪東京、大阪、福岡≫
  ☆出演:浜田信也、安井順平、伊勢佳世、盛隆二、岩本幸子、森下創、
       大窪人衛、清水葉月、手塚とおる
   脚本・演出:前川知大
   前売 4,200円 当日 4,400円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.ikiume.jp/
   人気劇団イキウメの新作はお得意のホラー。同じく青山円形劇場で上演された
   『太陽』↓で、前川知大さんは読売文学賞 戯曲・シナリオ賞を受賞。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1201221658.html


【4】演劇ユニットてがみ座
  『地を渡る舟-1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち-』
  11/20-24東京芸術劇場シアターウエスト
  ☆出演:福田温子 今泉舞 箱田暁史 石村みか 古河耕史 近藤フク
    生津徹 多根周作 七味まゆ味 松角洋平 原扶貴子 中村シユン 青山勝
   脚本:長田育恵(てがみ座) 演出:扇田拓也(ヒンドゥー五千回)
   前売・当日共に4000円  ※未就学児童の入場不可。
    http://tegamiza.net/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=49472
   劇作家の長田育恵さん率いるてがみ座が、新作で芸劇に進出。
   終戦間近の日本に実在した、若き民俗学者たちの群像劇、でしょうか。
   渋めのキャスティングにも期待できそう。


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売3000円台以下の気になる作品を3本ご紹介します。
   (上述の高額オススメ舞台10本中にも、席種・日程により格安券あり)
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》渡辺源四郎商店『イタコ探偵工藤よしこの事件簿』
  11/15-17こまばアゴラ劇場
  ≪青森、東京≫
  ☆出演:渡辺源四郎商店劇団員、他
   脚本・演出:畑澤聖悟、工藤千夏
   一般予約3,000円 一般当日3,300円 学生予約2,000円 学生当日2,300円
    高校生以下500円 高校生以下当日800円
   〔モーニング割引〕一般予約2,000円 一般当日2,300円 学生予約1,000円
    学生当日1,300円 高校生以下:無料・要予約
    http://www.nabegen.com/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=49578
   畑澤聖悟さん率いる渡辺源四郎商店は、青森を代表する劇団といって
   差し支えない活躍をされています。『イタコ探偵工藤よしこ~』は畑澤さんの
   連続ラジオドラマの舞台化。「イタコ」の女探偵が事件を解決する、
   「火サス」のような典型的テレビ推理ドラマ風、ご当地ミステリー娯楽作。
   11/17(日)朝10時のモーニング割引がお得!高校生以下は無料・要予約!


《2》パラドックス定数『殺戮十七音』
  11/19-24荻窪小劇場
  ☆出演:植村宏司、西原誠吾、井内勇希、小野ゆたか
   脚本・演出:野木萌葱
   整理番号順入場。前売¥3,000 当日¥3,200 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.pdx-c.com/?cat=4
   野木萌葱さんが作・演出される劇団パラドックス定数の1年ぶりの公演。
   出演するのは男優のみ。緻密なセリフの応酬が特徴です。
   どうやらテーマは俳句? 野木さんは今年、青年座に戯曲提供↓されました。
    http://seinenza.com/performance/public/208.html


《3》城山羊の会『身の引きしまる思い』
  11/29-12/08三鷹市芸術文化センター星のホール
  ☆出演:石橋けい、KONTA、岡部たかし、ふじきみつ彦、原田麻由、
       島田桃依、岸井ゆきの、成瀬正太郎、岩谷健司
   脚本・演出:山内ケンジ
   全席自由/日付指定/整理番号付 
   [一般] 前売3,200円 当日3,500円 高校生以下1,000円(前売・当日とも)
   早期観劇割引・平日マチネ割引↓
   [一般] 前売2,700円 当日3,000円 高校生以下1,000円(前売・当日とも)
    http://shiroyaginokai.com
   CMディレクターとしても有名な山内ケンジさんは、気鋭の劇作・演出家。
   今年3月の『効率の優先』↓は会社内でタブー炸裂の刺激的な舞台でした。
    http://shiroyaginokai.com/contents/1306kouritu.html
   初の長編映画『ミツコ感覚』↓もとても面白かったです。
    http://mitsukokankaku.jp/


≪リーディング、その他≫

 ○Produce lab 89『官能教育 糸井幸之介×「安寿と厨子王」』
  11/01音楽実験室 新世界
  ☆出演:糸井幸之介(FUKAIPRODUCE羽衣)、井上みなみ(青年団)
   テキスト:森鴎外『安寿と厨子王』
   構成・演出・出演:糸井幸之介 振付:中林舞
   自由席 2,500円+ドリンク代(当日・予約共)
    http://www.producelab89.com/
   六本木と西麻布の間にあるライブハウスでの、エロティックな朗読会。
   今回も朗読の域をはるかに超えた舞台になりそうです。
   お友達を誘って、お酒を片手に、西麻布の夜をお過ごしください。
   大人だけが楽しめる1時間です。22時の回がオススメ!


 ○アジア舞台芸術祭『国際共同制作ワークショップ上演会』
  11/04東京芸術劇場シアターウエスト
  ☆出演:アジア各国の俳優と日本のオーディション合格者ら
   演出:森新太郎、佐々木透、ほかアジアの演出家4名
   入場無料・要予約
    http://www.butai.asia/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=49989
   ハノイ、ソウル、シンガポール、台北、東京からの参加俳優が、
   6人の演出家のもと6チームに分かれてワークショップで作品創作し、
   それぞれ10分間のオリジナル作品を発表します。観覧無料です。


 ○東京芸術劇場『芸劇+トーク 異世代作家リーディング
  「自作自演」第7回 松尾スズキ×岩井秀人』
  11/14東京芸術劇場シアターウエスト
  ☆出演:松尾スズキ 岩井秀人
   一般3000円 65歳以上割引2500円 25歳以下割引2000円 高校生割引1000円
    http://www.geigeki.jp/performance/theater042/
   2人の作家が自身の小説・戯曲などを読み、語り合う企画の第7弾。
   松尾スズキさんと岩井秀人さん…なんて贅沢。トークで大笑いできそう。


 ○新国立劇場マンスリープロジェクト
  『リーディング公演 ジェローム・キルティ作「ディア・ライアー」より』
  11/22、24新国立劇場中劇場
  ☆出演:春風ひとみ 水野龍司
   作:ジェローム・キルティ 演出:宮田慶子
   無料・要予約 ※応募期間:10/22(火)~11/11(月)
    http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/131022_003484.html
   先述の『ピグマリオン』でもご紹介した朗読公演。無料はお得過ぎ!
   『ピグマリオン』が出来上がるいきさつを描いた戯曲だそうです。


≪ミュージカル、オペラ≫

 ○東宝『レ・ミゼラブル』
  11/04-27帝国劇場
  ≪東京、福岡、大阪、愛知≫
  ☆出演:キム・ジュンヒョン 福井晶一 吉原光夫 川口竜也 笹本玲奈 昆夏美
    平野綾、知念里奈 和音美桜 里アンナ 青山郁代、磯貝レイナ 若井久美子
    山崎育三郎 原田優一、田村良太 駒田一 KENTARO 萬谷法英
    森公美子 浦嶋りんこ 谷口ゆうな 上原理生、野島直人 他
   脚本:アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
   原作:ヴィクトル・ユゴー 作詞:ハーバート・クレッツマー
   演出:ローレンス・コナー、ジェームズ・パウエル
   翻訳:酒井洋子 訳詞:岩谷時子
   S席13,500円 A席9,000円 B席4,000円
    http://www.tohostage.com/lesmiserables/
   4月に帝国劇場で開幕した新生『レ・ミゼラブル』がツアーを経て凱旋。
   映画版↓も大ヒットしましたし、初めての方もぜひ劇場へ!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0113230916.html


 ○日生劇場『オペラ「リア」』
  11/08-10日生劇場
  日生劇場開場50周年記念《特別公演》
  ☆出演:日本人オペラ歌手、他
   原作:シェイクスピア『リア王』 台本:クラウス・H・ヘンネベルク
   作曲:アリベルト・ライマン 演出:栗山民也
   S席16,000円 A席13,000円 B席9,000円 C席7,000円 D席5,000円
   学生券(28歳以下)5,000円
   「リア」「フィデリオ」セット券(10%引き)S席26,100円 A席21,600円
    http://www.nissaytheatre.or.jp/program/2013/04/program-674.html
   栗山民也さんが日本初演のドイツ・オペラを演出されます。
   出演者の高田正人さんがご自身のブログ↓で
    http://yaplog.jp/dachin55/archive/506
   「お芝居の人や芝居が好きな人に見てほしい」とおっしゃっています。
   開幕に先駆けて、作曲家アリベルト・ライマンさんの講演会↓あり。
    「ライマンの創作と『リア』」11/04ドイツ文化会館ホール
     http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja11688460v.htm
    日独通訳付・入場無料。


 ○音楽座ミュージカル・Rカンパニー『ミュージカル「ラブ・レター」』
  11/15-20新宿文化センター
  ≪東京、大阪、足利、愛知、東京・町田≫
  ☆出演: 美羽あさひ 広田勇二 宮崎祥子 高野菜々 益山武明、他
   原作: 浅田次郎 脚本・演出:ワームホールプロジェクト
    http://www.ongakuza-musical.com/sakuhin/loveletter.php
   音楽座ミュージカルの新作。原作は浅田次郎さんの短編小説です。
   人気作『メトロに乗って』↓も浅田さん原作でした。   
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2000/1030181259.html


≪ご参考≫
  「しのぶの演劇レビュー」↓に今月のしのぶの観劇予定あり。
    http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
  ※10月分が表示されています。最下部の「先月のしのぶ」をクリックすれば、
   11月分のスケジュールが表示されます。申し訳ございません。

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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.Doosan Art Center Produce『カルメギ』
  10/01-26 Doosan Art Center Space111(韓国)
  ☆韓国の劇場のプロデュース公演です。日韓の俳優が出演。
   チェーホフ作『かもめ』の舞台を日帝時代のソウル近郊に置き換え、
   東京デスロックらしい演出を堂々とやりきり、直近数十年の日韓の
   歴史をヒット曲によって浮かび上がらせます。さらには人類の現在、
   未来をも舞台上にあらわしていました。ぜひ日本公演の実現を。
    http://deathlock.specters.net/karumegi/index.html

2.こまつ座&ホリプロ公演『音楽劇「それからのブンとフン」』
  10/03-15天王洲銀河劇場
  ≪神奈川、東京、大阪≫
  ☆舞台上に井上ひさしさんと、彼の作品(文=ブン)たちが居ました。
   何にでも変身できて、世界中を飛び回る“ブン”とは、井上作品のこと。
   井上さんがこの世にいない今、私自身が「後に続く者」なのだと切に実感。
   劇中のセリフ「法の助手が、法を助手にすれば怖いものなし」とは、
   今まさに日本で起ころうとしていることだと思います。
    http://www.komatsuza.co.jp/program/past/2013/index.html

3.新国立劇場演劇『エドワード二世』
  10/08-27新国立劇場小劇場
  ☆数百年前の英国歴史劇を、徹底的に戯画化。レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1009192441.html
   森新太郎さんが演出される舞台は見逃したくないですね。たとえば、
   11月は「アジア舞台芸術祭2013」。11/04午後から上演会があります。
    http://www.butai.asia/j/
   12月は橋爪功さん主演、シーラッハ作『犯罪』『罪悪』の朗読公演。
    http://tkr2000.cocolog-nifty.com/honyakmonsky/2013/10/post-7c35.html
   来年3月はイプセン作『幽霊』@シアターコクーン。
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/14_yurei.html

次点.文学座アトリエ『未来を忘れる』★本日11/01まで上演中!
    http://www.bungakuza.com/mirai/

  その他はNODA・MAP『MIWA』、多田淳之介演出『3人いる!』@韓国、
  劇団昴『本当のことを言って下さい』、華のん企画『三人姉妹』、
  ぴあ『韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク キム・ダヒョン』、
  梅田芸術劇場『TRUE WEST』、SPAC『サーカス物語』、など(順不同)。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2013年10月(観劇数21作品)は残念ながら発行せず。

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 ◆3 【「フェスティバル/トーキョー13(F/T13)」が開幕します!】
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 ◎今年で6度目を迎えた「フェスティバル/トーキョー13」、
  通称F/T13(エフティー・ジュウサン)が11月9日(土)に開幕!
   http://festival-tokyo.jp/ ↓記者懇談会写真レポート
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0914171639.html
  12月8日(日)まで、池袋エリアを中心に先鋭舞台芸術作品が集まります。

  11月9日(土)昼12時からのオープニング・イベントは参加無料!
   http://ft-openprogram.jp/opening
  池袋西口に集合して、お祭りの気分を盛り上げていきましょう♪ 

  11月に観られるオススメ作品をご紹介します(初日順)。


 【 ドキュメンタリー/物語 】

★○ラビア・ムルエ連続上演・3作品
  11/14-17東京芸術劇場内
   『ピクセル化された革命』(入場無料・要Web予約)
    http://www.festival-tokyo.jp/program/13/the_pixelated_revolution/
    内容:YouTubeに投稿されたシリア内戦。撮影者が銃弾に倒れる。
   『33rpmと数秒間』
    http://www.festival-tokyo.jp/program/13/33rpm/
    内容:自殺した革命家のfacebookにメッセージが書き込まれる。
   『雲に乗って』 
    http://www.festival-tokyo.jp/program/13/riding_on_a_cloud/
    内容:ラビア・ムルエさんの弟イェッサ・ムルエさんが出演。
  ※2007年のラビア・ムルエ講演会の記録↓が読めます。
   http://anj.or.jp/tif2007/pocket/rabia/


★○木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談―通し上演―』
  11/21-24あうるすぽっと
  ☆監修・補綴:木ノ下裕一 演出:杉原邦生 作:鶴屋南北
    http://www.festival-tokyo.jp/program/13/tokaido_yotsuya/
   通し上演の全編で約6時間!1日がかりです。幕見券あり。

  ●お薦めポイント●
   歌舞伎を現代に読み替え上演する京都のカンパニーの新作です。
   今年の「CoRich舞台芸術まつり!2013」でグランプリ↓を受賞しました。
    http://stage.corich.jp/festival2013/grand_prix.php#b
   木ノ下歌舞伎作品ではないですが、演出の杉原邦生さんによる
   F/T11『エンジェルス・イン・アメリカ』第一部、第二部一挙上演↓が
    http://www.festival-tokyo.jp/program/11/AngelsInAmerica/
   素晴らしかったので、四谷怪談にも大いに期待。
   観劇前に木ノ下裕一さんの音声ガイダンス↓をどうぞ!
    https://soundcloud.com/kinoshitakabuki


 【 活きのいい若手に出会う! 】

 ○子供鉅人『HELLO HELL!!!』
  11/28-12/02シアターグリーン BIG TREE THEATER
  ≪大阪、東京、北九州≫
  ☆作・演出:益山貴司
    http://www.kodomokyojin.com/hello_hell/ 
    http://www.festival-tokyo.jp/program/13/hello_hell/cast.html
    ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=47869

 ○Q『いのちのちQⅡ』
  ☆11/29-12/01アサヒ・アートスクエア
   作・演出:市原佐都子
    http://qqq-qqq-qqq.com/
    http://www.festival-tokyo.jp/program/13/the_qlobe_of_life_II/

  ※益山貴司さんと市原佐都子さんは「演劇最強論」↓でも紹介されています。
    http://www.asukashinsha.co.jp/book/b104845.html


 【 無料のオープン・プログラムで、気軽に街とアートを楽しむ! 】

  街で突然始まる「フラッシュ・モブ」のパフォーマンスに遭遇しましょう。
  「何ソレ?」と思った方、約40秒の動画↓をご覧ください♪
   http://www.youtube.com/watch?v=vfuJ9f_4Wa4

  「F/Tモブ・スペシャル」
   http://www.festival-tokyo.jp/program/13/mob/
  11月9日(土)~12月8日(日)毎週末@池袋エリア

  無料のオープン・プログラム↓は他にもあります!
   http://ft-openprogram.jp/


 ●チケットは基本的に5000円以下です。
  1つ観たら、他にも観たくなるのがF/T。ご予約はお早めに。
   http://festival-tokyo.jp/ticket/ ※要会員登録
  3演目セット割¥9,900、海外演目スペシャルパス¥15,000もまだありますよ!

 ・公式ツイッターをフォローしてお得な情報をGET!
  フェスティバル/トーキョー:http://twitter.com/festivaltokyo
 公募プログラム:http://twitter.com/FTram
 ・facebookページもあります。
  http://www.facebook.com/pages/Festival-Tokyo/183075992071


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 ◆4 【日本・中国・韓国による「BeSeTo(ベセト)演劇祭」開催中!】
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 ◎1994年から日本・中国・韓国で継続開催されている「BeSeTo演劇祭」。
  第20回目となる今年の会場は日本で、10月より利賀、鳥取、東京で開催中です。
   http://www.beseto.jp/20th/

  私が観たいと思っている作品をご紹介します(初日順)。

 ○第七劇場(日本)『三人姉妹』
  11/02新国立劇場小劇場
  ☆出演:フランス人と日本人の俳優
   脚本:チェーホフ 演出:鳴海康平
    http://www.beseto.jp/20th/program/plus_tokyo_prog10.html
   フランスで日仏俳優が創作したチェーホフ作『三人姉妹』。

 ○第12言語演劇スタジオ(韓国)『多情という名の病』
  11/05-06新国立劇場小劇場
  ☆出演:第12言語演劇スタジオ
   脚本・演出:ソン・ギウン
    http://www.beseto.jp/20th/program/tokyo_prog05.html
   ソン・ギウンさんがチェーホフ作『かもめ』を翻案し、多田淳之介さんが演出した
   『カルメギ』↓を韓国で拝見。先月のしのぶのベスト1舞台になりました。
    http://tinyurl.com/n7km8kx
   ギウンさんの作・演出作品もぜひ観てみたいと思います。
    
 ○鳥の劇場(日本)『セールスマンの死 (日中韓俳優出演・3ヵ国語版)』
  11/09-10新国立劇場小劇場
  ☆出演:鳥の劇場
   原作:アーサー・ミラー 演出:中島諒人
    http://www.beseto.jp/20th/program/tottori_prog01.html
   鳥取に拠点を持つ鳥の劇場の作品を、東京で観られる貴重な機会。


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 ◆5 【「現代イプセン演劇祭2013」のテーマは『人形の家』】
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 ◎2010年に第1回目が開催され、好評だった「現代イプセン演劇祭」。
  今年のテーマはヘンリック・イプセンの代表作『人形の家』です。
   NPO法人 舞台21『現代イプセン演劇祭』
   11/27(水)~12/15(日)@あうるすぽっと、シアターX、他
    http://tinyurl.com/qjdtlz6

  日本以外にノルウェー、ベルギー、ルーマニア、チリの舞台が観られます。
  中規模劇場にこだわったカンパニーのフェスティバル↓でもあるんですね。
   http://www.owlspot.jp/performance/131127.html

  気になる作品をご紹介します(初日順)。タイトルはすべて『Nora ノーラ』。

 ○ティージースタン(ベルギー)『Nora ノーラ』
  11/27-28あうるすぽっと
  ☆2012年オスロ初演。フランダース、オランダでその年のベスト10に選出。

 ○ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場(ルーマニア)『Nora ノーラ』
  12/04-05あうるすぽっと
  ☆ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場というと、今年2月に
   東京芸術劇場で上演された『ルル』↓が記憶に新しいですね。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0303233132.html

 ○カンパニーデラシネラ(日本)『Nora ノーラ』
  12/07-08あうるすぽっと
  ☆出演:川口隆夫 竹内英明 傳川光留 中川春樹 小野寺修二
   演出:小野寺修二 テキスト:山口茜 
   マイム・ダンス・演劇が融合する舞台。出演はなんと男性のみ。

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 ◆6 【編集後記】
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 ◎10月はソウル2泊3日観劇旅行に行って参りました~♪
  一番のお目当てだった多田淳之介(東京デスロック)演出『カルメギ』↓は、
   http://tinyurl.com/lp54j2o
  期待以上でした。小劇場コメディーやミュージカルは客席も刺激的。
  ソウル歴史博物館↓の日帝時代の展示も収穫でした。
   http://www.seoulnavi.com/miru/282/


 ◎韓国ミュージカル俳優のキム・ダヒョンさんのコンサート↓では、
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1012220945.html
  銀座の音楽専用ホールで贅沢な時間を過ごせました。11月はこちら↓。
  ぴあ『キム・ジェボム~韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク Vol.2』
   11/14サントリーホール ブルーローズ
    http://community.pia.jp/hanryu/2013/09/eve-kjb.html
   12/19-20は「キム・スンデ&チョン・ドンソク」↓です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1018150104.html


 ◎こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願い署名活動中です。
  12月に1件、個人的に行動することになりそうです。
  俳優の八嶋智人さんが街頭署名のお手伝い↓をしてくださいました!
   https://twitter.com/kodomoaogeki/status/361392366831157249
   https://twitter.com/meganeouji840/status/361403711639138304
  有志の会の公式サイト:http://kodomoaogeki.com/
  有志の会の公式ブログ:http://kodomonosiro.blog.fc2.com/
  署名用紙をダウンロードして署名し、有志の会までご郵送ください。
  WEB署名もできます⇒ http://www.change.org/kodomo-aogeki
  公式ツイッター:https://twitter.com/kodomoaogeki
  Facebookページ:http://www.facebook.com/kodomo.aogeki


 ◎これから上演される公演の「しのぶの演劇レビュー」内記事

  【写真レポート】フェスティバル/トーキョー13(F/T13)「記者懇談会」
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0914171639.html
   11/9(土)~12/8(日)開催

  【写真レポート】NODA・MAP「『MIWA』制作発表記者会見」
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0823164946.html
   東京公演ただいま上演中。大阪、北九州公演あり。

  【情報掲載・写真あり】Studio Life「『LILIES』製作発表レポート」
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1020222336.html
   11/20-12/08シアターサンモール


 ◎おすすめ舞台中継 on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【WOWOWライブ】11/16(土)18時~
   ナイロン100℃『わが闇』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/103843/
   出演:ナイロン100℃、他
   作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

  【WOWOWライブ】11/23(土・祝)23時~
   東京芸術劇場『ストリッパー物語』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/103903/
   出演:リリー・フランキー、渡辺真起子、でんでん、他
   脚本:つかこうへい 構成・演出:三浦大輔 レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0729151107.html


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2013年10月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「初夜と蓮根」←土田英生さんの戯曲の映画化。風間杜夫さん主演。
    http://www.randc.jp/artist/shyoyatorenkon/discography_detail/2589/
  ・「千年の愉楽」←高良健吾さん素晴らしいな~。
    http://www.wakamatsukoji.org/sennennoyuraku/
  ・「だいじょうぶ3組」←乙武洋匡さんを映画に記録したことに既に価値あり。
    http://daijyobu-3.com/
  ・「自転車でいこう」←障碍者と生きる大阪・生野の街。泣くわ、こんなん。
    http://www.montage.co.jp/jitensya/
  ・「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」←松田龍平さん目当て。
    http://www.tantei-bar.com/


 ◎注目している役者さんに「しのぶさんのサイトでいつも
  オーディション情報をチェックしています」と言われて嬉しい!
  「受かりました!」と言われるともっと嬉しい♪
  「しのぶの演劇レビュー」に情報掲載をご希望の方は、
  お問い合わせフォーム↓からどうぞ。
   http://www.shinobu-review.jp/contact/
  ※必ず掲載するわけではありません。ご了承ください。


 ◎ツイッターやってます!フォロワー4800人超えに感謝♪
  ⇒ @shinorev : http://twitter.com/shinorev
  観劇感想の速報もたまにつぶやきます。
  震災・原発事故、選挙関連のリツイートも多いです。


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
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  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
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  アプリでチラシ拡大可能!「あと○日で開幕・終幕」がわかって便利。
  最新版では「観たい!」「観てきた!」コメントも表示されます。


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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Posted by shinobu at 00:00 | TrackBack