『韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク』第2弾(⇒第1弾)は、今年のアミューズミュージカルシアターでの2公演(⇒1、2)で主演されてきたキム・ジェボムさん(⇒公式サイト)
ミュージカルの世界を一瞬で体現する演技と歌唱力にすっかり魅了されました。トークで見せてくれたのは素朴で飾らない、自然体の好青年の素顔。ちょっと天然入ってましたね(笑)。第1弾のダヒョンさんとはある意味、対照的な方でした。
※第3弾「キム・スンデ&チョン・ドンソク」は12/19~20の2日間で12/20分は完売。12/19と12/20ではセットリストに6曲違いがあるそうです。
※第4弾は2014年1月31日に決定。
【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
以下、トークの内容です。走り書きのメモをもとに書き起こしたので間違いはあると思います。ご容赦ください。
司会:ジェボムさんはミュージカル俳優として韓国で絶大な人気を誇っていらっしゃいます。出演もひっきりなしですね。
ジェボム:ミュージカルはいつも難しいと思います。歌だけではなく演技も踊りも、時には楽器もできなければいけない。練習を休むこともできません。いつも足りないところに気づかされる。
司会:ミュージカル俳優になったきっかけは?
ジェボム:テレビや映画の俳優になろうと思っていたので、演技の学校に行きました。卒業の時に同期の友達2人がミュージカル『地下鉄1号線』に出ていて、それがとても楽しかったので自分もやってみたいと思った。彼らができるのに自分もできないわけがない、チャレンジしなければと。友達に負けたくないという意味ではなく(笑)、『地下鉄1号線』が楽しかったから。運よくオーディションに受かって『地下鉄1号線』に出られることになり、それが今に続いています。
司会:いつから俳優になろうと思っていたんですか?
ジェボム:ジャッキー・チェンのカンフー映画のファンだったので、そのころから。
司会:じゃあ、いつかはカンフー映画に出たいと?
ジェボム:(笑)。私はテコンドー有段者なので機会があればぜひ。
【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
司会:ジェボムさんは韓国のブロードウェイともいわれるソウルの大学路(テハンノ)で、数多くの舞台に出演されています。
ジェボム:テハンノは自分の人生の挑戦の場。生き生きとした文化を肌で感じられる場所です。劇場だけじゃなく稽古場もたくさんあるので、体操着で歩いているのは休憩中の俳優だったりしますよ。
司会:テハンノで数作品かけもちされていますよね。
ジェボム:1つの作品だけに出るのが、作品に対してもお客様に対してもいいことだと思います。でも俳優としての欲がありまして。ある作品と重なって違う作品のオファーが来て、出たいと思ったらOKする。また違う話が来て、出たいと思う。そして休みなく作品に出ることになる。お客様と絶え間なく会えるのは嬉しい悩みです。公演が同時期に重なっているので、1つの作品ではこんな役、もう1つでは違う役になって、観ていてこんがらがるかもしれない。でも俳優という職業を千年万年と生きられるわけではないので、欲が出てしまうんです。
【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
司会:コンディションを保つのは大変なことだと思います。どうやって体調のコントロールをされているんですか?
ジェボム:ビタミンを取ることです。練習がそのまま運動にもなりますが、運動もしています。難しいのが、作品が重なった時ののどのケアです。どうしてものどを酷使してしまうので、ステージを台無しにしてしまったこともあって…。だから病院にもよく行ってケアしています。
司会:同じ事務所の俳優キム・スロさんが、テレビのバラエティー番組でジェボムさんのことを絶賛されていたんですよね。それで韓国の検索ランキングでジェボムさんが1位になったとか。
ジェボム:はい、1位になりました!キム・スロさんにはお礼のメールを送ったんですが、そこに「次は自分の力で1位になります」と書きました。
【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
【セットリスト】
01 「本当にきれいですね」(『パルレ(洗濯)』より)
02 「言えない名前」(『風月主 美しきファランの禁断の愛』より)
03 「君に向かう道」(『風月主 美しきファランの禁断の愛』より)
ジェボム:本を読んだ時、自分はヨルを演じたいと思ったのですがサダム役に。彼は他人のために奉仕することができる人間です。
04 「もう一度」(『兄弟は勇敢だった?!』より)
ジェボム:他にも歌いたいのですが、この作品でソロはこの一曲だけなので。
05 「Destiny」(『あなたの初恋探します』より)
ジェボム:スローで悲しげな曲が多くなったので、楽しい曲を選んでみました。
06 「男の初恋」(『あなたの初恋探します』より)
07 「ああ、ロッテ」(『ウェルテルの恋』より)
08 「何だったのだろうか」(『ウェルテルの恋』より)
09 「足を踏み出すことができなければ」(『ウェルテルの恋』より)
10 カーテンコール 「Destiny」(『あなたの初恋探します』より)
※カーテンコールだけ踊りありで歌ってくださって、超~~~キュートでした!
【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
私は『ウェルテルの恋』の韓国取材の時に、舞台稽古でほんの少しだけ演技を拝見したのが、ジェボムさんとの初めての出会いでした。今回、『ウェルテル~』から3曲歌ってくださって、ジェボムさんならではの解釈で作り上げられたウェルテルを味わうことができました。 「ああ、ロッテ」は初恋に胸焦がす幸せな歌で、ウブでシャイな少年らしい恥じらいを清潔さとともに表現。ロッテの結婚を知って絶望する「何だったのだろうか」は、前曲と打って変わって太い、低い、ギラギラとした声で圧倒します。まさに豹変。 「足を踏み出すことができなければ」では、覚悟を決めたウェルテルの心の静謐さが、優しく、細やかに響かせる小さな声から伝わってきました。自分の感情と全身を使って1曲ごとにガラリと世界を変えて、ウェルテルの心のありさまを精密に描き出します。私はこんな俳優の演技を観たい、こういうミュージカルを観たいと思います。
最後にお手紙を読みながら日本語で思いを伝えてくださいました。※その後にカーテンコールがありました。
ジェボム:今日は夢のような日です。人生で初めてのコンサートを日本で開くことになるなんて。夢のようです。来てくれた皆様、関係者の皆様に心から感謝します。とても幸せです。これからもがんばって、期待を裏切らないような俳優になります。愛しています。ありがとうございます。今日の日を忘れません。(※文章は完全に正確ではないです)
【舞台写真 (C)韓流ぴあ】
終演後はジェボムさんのお見送りがあり、韓国のジェボムさんのファンクラブから観客全員へのプレゼントとして、ジェボムさんのイニシャル入りのガーゼのハンカチをいただきました。ありがとうございました!
Mlusical Concert &Talk Kim Jaebum
出演:キム・ジェボム(김재범)
バンド:小島亜紀子(ピアノ) EITA(ギター) 小久保里沙(パーカッション) MC:古家正亨 通訳:河井佳 主催:韓流ぴあ
全席指定 6,000円(税込)
http://community.pia.jp/hanryu/2013/09/eve-kjb.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガも発行しております。