フェスティバル/トーキョー13(F/T13)の公募プログラムに選ばれた作品です。私はsons wo:は初見。カゲヤマ気象台さんが作・演出・音響を手掛けられています。上演時間は約1時間20分。
劇場の舞台に客席がしつらえられており、客席が演技スペースになっていました。若い俳優による自信がなさそうな立ち姿、言葉と体がつながっていない語り、つまらない物語にダサい選曲…きっと外枠を作ったり、茶化したりしてくれるのかなぁと待ってみたのですが、そのままでした…。
⇒CoRich舞台芸術!『野良猫の首輪』
レビューは記録のみ。
評論家の佐々木敦さんのご感想を下記に貼り付けておきます。ご参考にどうぞ(2013/12/07加筆)。
まだすごく感動している。
— 佐々木敦 (@sasakiatsushi) 2013, 12月 7
新たに一本観たのに、まだ前ので感動している。
— 佐々木敦 (@sasakiatsushi) 2013, 12月 7
さて、ここからは本日なのだが、シアターグリーンにて、sons wo:『野良猫の首輪』。実は複数の知人からあまり芳しくない感想を事前に聞いていたのだが、全然そんなことなかった。僕はこの作品を、全面的に、心の底から、自信と責任を持って、熱烈に支持する。これはすごく重要な作品だ。
— 佐々木敦 (@sasakiatsushi) 2013, 12月 7
sons wo:の舞台は過去何作か観たことがあり、主宰で作演出のカゲヤマ気象台(という名前なのだ)とアフタートークをしたこともある。だがこれまでの作品はどれも、やりたいことはわかるがやり切れてない、という印象があった。言葉も身体も観念に溺れてしまっているような。だが、これは違う。
— 佐々木敦 (@sasakiatsushi) 2013, 12月 7
まずなんといっても台詞が、言葉が素晴らしい。そして言葉たちによって紡ぎ上げられる物語も、それはSFと呼んで差し支えのない、一見かなり荒唐無稽な物語なのだが、実に実に魅力的なのだ。同時にここには、この国で生きる僕たちの日常と、その日常の連続から成る人生への省察が重ねられている。
— 佐々木敦 (@sasakiatsushi) 2013, 12月 7
それは痛々しく、儚く、かなしみとくるしみに覆われていて、だがしかし、確かに、よろこびと幸福と希望を身に纏ってもいる。いや、何とかしてそれらを身につけようとしている。明日に架ける橋。僕はほんとうに、今だって、思い出すと涙が出てくるのだ。まさかsons wo:に泣かされるとは。
— 佐々木敦 (@sasakiatsushi) 2013, 12月 7
あの独特な、もたつきながら痙攣する躯の動きも、それはほぼ徹底して全編全員がそうなのだが、今回はとても効果的だと思った。あの独特な、心ない感じの発話も。主演の女優さんは、名前がわからないのだけれど、すごくよかった。彼女はほとんど薄目のまま演じていたようだった。あんなのはじめて見た。
— 佐々木敦 (@sasakiatsushi) 2013, 12月 7
終演後、特に名を秘す或る方と話したが、彼も今回の公募ではこれだと思うよと言っていた。sons wo:『野良猫の首輪』は今日が最終日。このあと7時から千秋楽がある。まだ間に合うので、行けるひとは是非行って欲しい。
— 佐々木敦 (@sasakiatsushi) 2013, 12月 7
≪あらすじ≫
私。なぜか地球とは違う星にたどりつき、宇宙人と会う。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
サイモン・アンド・ガーファンクル「明日に架ける橋」の歌詞を字幕で見せられるとは。
≪東京、静岡、大阪≫
出演:一川幸恵、大石英史、小野紗知、菊川恵里佳、椎谷万里江(拘束ピエロ)、杉亜由子、スズキジュンコ、峰松智弘(劇団百日紅御一行様)、八木光太郎
脚本・演出:カゲヤマ気象台 舞台監督:伊藤智史 美術:小田原のどか 照明:みなみあかり 音響:カゲヤマ気象台 衣装:金藤みなみ(Nichecraft) 垣本朋絵(激コミ デザイン部) イラスト:チャナ 演出助手:森田和人(劇団森) 翻訳:anico 制作:飯塚なな子 共催:フェスティバル/トーキョー 主催:sons wo:
【発売日】2013/10/05 一般:2,500円(当日300円増) U30(30歳未満):2,300(要予約/受付にて要身分証明書提示) F/T3演目セット割:9,900(F/Tチケットセンターのみで取扱い) 高校生以下無料 * 日本語上演、英語字幕つき
http://strayscollar.tumblr.com/
http://www.festival-tokyo.jp/program/13/stray_s_collar/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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