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しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2013年12月19日

京都造形芸術大学舞台芸術研究センター・フェスティバル/トーキョー『石のような水』12/05-08にしすがも創造舎

 フェスティバル/トーキョー13(F/T13)の招聘演目をマチネとソワレで拝見。松田正隆さん(マレビトの会)が脚本、松本雄吉さん(維新派)が演出・美術を手掛ける作品です。アンドレイ・タルコフスキーの映画『ストーカー』、『惑星ソラリス』などを参照して創作されたとのこと。上演時間は約2時間。 ⇒舞台写真

 『イキシマ』が好きだったので期待して伺いました。場面転換などが映画っぽいなぁと思ったんですが、当然ですね。私はタルコフスキー作品は『惑星ソラリス』『ノスタルジア』だけ見ていますが、学生の頃なのでちゃんとわかってなかったと思います。よくご存じの方は楽しみも感慨も大きいかもしれません。

 ⇒CoRich舞台芸術!『石のような水

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 「都市」と「記憶」に取り組む二人のラディカリストの邂逅。立ち入り禁止区域「ゾーン」をめぐるSFメロドラマ

 悲劇を知る都市の記憶と取材者自身の体験とを交叉させる『ヒロシマ-ナガサキ』シリーズ、物語の断片を街なかで散発的に上演する『マレビト・ライブ』など、先鋭的な試みを続けるマレビトの会の松田正隆が、タルコフスキーの映画『ストーカー』等を下敷きにした「メロドラマ」の執筆に取り組む。演出は、数々の野外劇を通じて未知の風景を出現させてきた維新派の松本雄吉。「演劇」「劇場」のあり方をラジカルに問い直す二人が、今、敢えて劇場空間で展開する物語演劇に向き合う。決定的(と思われた)破局の後の世界。立ち入り禁止区域「ゾーン」への案内人とその家族、死者と再会するためそこを訪れる人々が織りなす人間模様が、不穏で不安定な都市の日常を浮かび上がらせる--―。
 ≪ここまで≫

 ロボットのような、もしくは幽霊のような、心ここにあらずの演技が面白かったです。そんな振付のような演技と、心通わせる自然体の演技が頻繁に入れ替わるように繰り出されるのは、俳優の技術が高いからできることだろうと思いました。ただ、それに引き込まれたかというと、そうではなく…。どうも演出が苦手のようです。

 あんなに制限されているのに山中崇さんは感情の動きも見えるかのようだったし、落涙もされていて。プロの俳優って素晴らしいなと思いました。

 ここからネタバレします。

 建て込まれた舞台装置は、圧迫感もスケール感も大きくて、目撃できて良かったと思いました。でもお話と合ってるかというと、どうなのかしら…。舞台奥にあるシンメトリーに重なったパネルの真ん中部分が開いて、ゾーン内部の儀式(?)のようなことが行われる場面などは、もっと抽象性の高い(手作り感が少ない)美術の方がよかったんじゃないかな~とか、素人考えですが、思いました。

出演:山中崇、占部房子、武田暁、小坂浩之、酒井和哉、筒井潤、西山真来、幡司健太、増田美佳、森正吏、山口惠子、和田華子
作:松田正隆 演出・美術:松本雄吉 参照作品:『ストーカー』、『惑星ソラリス』等(いずれもアンドレイ・タルコフスキーの映画作品) 照明:吉本有輝子 音響・音楽:荒木優光、佐藤武紀 衣装:清川敦子 舞台監督:大田和司 舞台監督助手:浜村修司 演出部:柏木準人 小道具:相澤怜美、吉本博子、境野香穂里 美術制作:柴田隆弘 宣伝美術:塚原悠也(contact Gonzo) デザイン協力:西村 空撮協力:小川航空 制作:川原美保 制作・広報:土屋和歌子 制作助手:山崎佳奈子 企画立案:松田正隆、森山直人(京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター) 制作協力:維新派、マレビトの会、torindo、丸井重樹 制作支援:京都芸術センター 製作:京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター 共同製作・主催:フェスティバル/トーキョー
【発売日】2013/10/05 自由席(整理番号付) 一般前売 4,500円(当日 +500円) 学生 3,000円 U18(18歳以下)1,000円(前売・当日共通、当日受付にて要学生証提示)
http://www.festival-tokyo.jp/program/13/water_like_stone/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2013年12月19日 13:49 | TrackBack (0)