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2014年01月30日

柿喰う客『世迷言』01/29-02/04本多劇場

 中屋敷法仁さんが作・演出される人気劇団柿喰う客の新作本公演です。劇団としては下北沢初進出で、初本多劇場。立ち見も出る満員ってすごいですよね。上演時間は約1時間30分。

 終演後のトークで中屋敷さんがおっしゃっていたんですが、柿喰う客の新作は1年半に1本のペースだそうです。主宰だけでなく所属俳優も外部で活躍されているので、劇団公演も貴重になってきましたね。

 出演者の役柄をシャッフルして上演する乱痴気公演は、土日の夜の2ステージあります。毎回必ずやってて凄いなぁと思います。

 ⇒劇評「2014/2/4 「柿喰う客」 新作本公演〈世迷言〉」(村上湛)※2014/02/11加筆
 ⇒CoRich舞台芸術!『世迷言』※こりっちでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫
 竹から生まれた姫は健やかに美しく育つが、鬼の夢に悩まされていた。大勢の男性から求婚された姫は、鬼退治をしてくれた人のところに嫁ぐと言う。
 ≪ここまで≫

 「竹取物語」など日本の古い物語を題材にした戯曲で、演出は2012年の『無差別』(岸田國士戯曲賞最終候補作)と系統が似ていました。

 梯子と低い階段でできた空間をショッキングピンクや緑、赤などのカラフルな照明で染める舞台。チラシのビジュアルどおり役者さんの衣装は基本的にシャープなデザインのスーツ。ゴリっとソリッドな空気で、コンテポラリー・ダンスやフィジカルシアターとも受け取れる振付や群舞があるのですが、セリフは古語や歌舞伎調で、ストーリーも民話ベースなので不思議な感覚です。狙い定めたアンバランスというか、中屋敷さんの言葉を借りれば「圧倒的なノンフィクション」でしょうか。

 大部分が客席の方を向いた語りだったり、型どおり(振付どおり)の動きの連続だったり(たとえば見得を切るなど)するので、登場人物の心の交流が少ないのが個人的には残念。
 篠井英介さんの終盤の方の一人語りに聞き入りました。橋本淳さんも人間ではない役なのですが、生き生きとした感情表現があって良かったです。
 玉置玲央さん、永島敬三さんは足腰の動きが力強くて、どんな動きにも安定感があってきれいでした。高い身体能力はやはり魅力ですね。

 ここからネタバレします。

 姫(鉢嶺杏奈)をめとろうとする帝(七味まゆ味)の妹(深谷由梨香)が、猿(橋本淳)と交わるはめになるところから面白くなってきました。篠井英介さん演じる鬼はもともと人間の女性でしたが、鬼になってから翁(富岡晃一郎)と交わって姫を産みます。異種交配というと『God save the Queen』でも2人の作家が描いてましたし、今の若い世代の流行なのかなぁと考えたり。以前に見学したワークショップを思い出しました。いわゆる普通の男女の恋愛と交配(セックス)を経た再生産(出産)を、ドラマにしたいとは思わないのかな、と。

 終盤に出演者の名前を言っていくのと、カーテンコールがないのも『無差別』と同じでしたね(今回はスタッフの名前は言わなかったけど)。

 ≪終演後のトーク≫
 出演:中屋敷法仁 七味まゆ味 篠井英介

 篠井:渡辺えりさんが観にいらしていて「久しぶりにアングラ観たわ」とおっしゃっていました。えりさんには気に入っていただけると思っていたんです(実際気に入ってらしたと思います)。

 この一言で「そっかアングラ演劇か!」と勝手にストンと納得(笑)。

≪東京、石川、大阪≫
出演:七味まゆ味、玉置玲央、深谷由梨香、永島敬三、大村わたる、葉丸あすか、鉢嶺杏奈、橋本淳、富岡晃一郎/篠井英介
脚本・演出:中屋敷法仁 美術:原田愛 照明:松本大介 音楽:JEMAPUR 音響:高橋克司 振付:北尾亘 衣裳:髙木阿友子 ヘアメイク:梅澤裕子 演出助手:入倉麻美 舞台監督:川除学 宣伝美術:山下浩介 宣伝写真:引地信彦 映像撮影:竹崎博人 広報:吉田プロモーション 票券:北澤芙未子 制作助手:加藤恵梨花 制作:斎藤努 助成:芸術文化振興基金/アーツカウンシル東京 後援:北國新聞社 企画:柿喰う客 主催:ゴーチ・ブラザーズ、関西テレビ(大阪)、ブリーゼアーツ(大阪)
【発売日】2013/11/22 通常料金:5,500円【前】前半割引:4,800円【昼】平日昼割:5,300円【乱】乱痴気公演:5,500円(キャストシャッフルにて上演)
http://kaki-kuu-kyaku.com/main/?p=3101

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:43 | TrackBack

FUKAIPRODUCE羽衣『女装、男装、冬支度』01/29-02/02座・高円寺1

 女優の深井順子さんがプロデュースし、糸井幸之介さんが作・演出・音楽・美術などをトータルに手掛けるFUKAIPRODUCE羽衣(以下、羽衣)は、「CoRich舞台芸術まつり!2012春」グランプリ受賞団体です。座・高円寺1での新作の初日を拝見しました。上演時間は約2時間休憩なし。

 “妙ージカル”という羽衣オリジナルの音楽劇を観る度に、唯一無二の劇団だと感じます。俳優は100%以上の力を出し切って、性愛も劣情もさらけ出して、人間を丸ごと肯定して命を謳歌して、歌って踊ります。何度も涙しました。観る者の心を打つ歌と踊りって、巧くなきゃいけないわけじゃないんだと教えられます。

 もう何度も書いてるんですが、また書きます。アイドル(AKB48とかジャニーズ系男子とか)に糸井さんの歌を歌って欲しい!誰かプロデュースしてくださーい!!

 糸井さんが幻冬舎plusで連載をされています⇒「小劇場の美しい女優さん」

 ⇒CoRich舞台芸術!『女装、男装、冬支度

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 ―「女装」する女と「男装」する男が愛の冬支度。
 ≪ここまで≫

 十数個の墓石が舞台奥に一列に並んでるだけのシンプルな横長の空間。『サロメvsヨカナーン』のように複数の男女のカップルの群像劇のスタイルでした。タイトルにありますように今回のテーマの1つは「冬」。「女装」「男装」は観てのお楽しみ。

 小学生から老人まで、市井の人々の卑近な日常をむき出しにする意味で、下ネタはいつもながら堂々。苦手な方もいらっしゃるかもしれません。私は昔はとても苦手だったんですが(今でも好きではないですが)、演劇を15年も観てしまって慣れたのか、ただ年を取って開き直ったのか(笑)、だいぶん平気になりました。また、羽衣の場合は等身大の今の私たちの全てを肯定する意味で、必要な表現なのだと納得できます。普段は絶対に口にしないし、家族内でも恋人同士でも共有できないような心と体の本音を、羽衣の舞台に登場する人々が体現してくれるのです。
 
 愚かしいけれど愛らしい男女が汗だくになって歌って踊るのを観ていると、だんだんと性別や年齢、ストーリーから思考が解き放たれて、目の前で躍動する野性的な人々(=俳優)が、輝いて、とんでもなく魅力的に見えてきます。
 俳優は皆さん魅力的なんですが、初日の熱がまだ冷めないので、ちょっくら叫ばせて下さい。伊藤昌子さんかっこいーーーっ!大石将弘さんと鯉和鮎美さんのペアはバランス最高、エロかわいい!大石さんは私が今まで観た中で一番セクシーで惹かれました。日高啓介さんは脂がのっていて何をやっても素敵。熊川ふみさんコケティッシュでキレがある!

 これもいつものことですが、歌が良かった……♪今回はパンフレットに歌詞が載ってなくて曲名もわからなかったのが残念。いつか歌詞カード付きのCDを発売してくれるんでしょうか~。カラオケで大勢で歌いたい。

 ここからネタバレします。

 墓石をよく見ると出演者それぞれの名前が彫られています。開幕前から「これから登場する俳優は全員死者なんだなぁ」と思っていました。いずれ死ぬ人類(=私)、または生きていながら死んでいる人間のようで人間でないものたちが、舞台上にずっといました。

 凍結する道路で2人乗りのバイクを飛ばす不良男女、ホテル代がないから墓場で情事にふける男女、オナニーにはまる男児と彼に怪我をさせられた女児、ピンサロ嬢とダメ男、愚かなケンカばかりする馬鹿ップル、妻子持ちと不倫する若い女性、亡き夫と会話をし続ける老婆などの各エピソードは、音楽と歌に合わせて、しばしば男VS女という構図で踊りとともに演じられます。終盤に入ると、各カップルは互いの衣装を取り換えて、男女の性別が入れ替わります。

 各エピソードに結末をつけてくれていましたが、そこまでする必要はないんじゃないかと思いました。たとえば深井さん演じるお婆さんの想像の中の出来事だったと締めくくっていいんじゃないかと。もうその前までに、出演者全員のことが大好きになっていたし、エピソードや性別といった枠を超えたものを受け取れていたから。

第17回公演 第6回演劇村フェスティバル参加作品
出演:深井順子、日高啓介、鯉和鮎美、高橋義和、澤田慎司、(以上、FUKAIPRODUCE羽衣)、伊藤昌子、ゴールド☆ユスリッチ(散歩道楽)、代田正彦(★☆北区AKTSTAGE)、浅川千絵、熊川ふみ(範宙遊泳)、島田桃子、/大石将弘(ままごと)、墨井鯨子、鈴木利典(扉座)
プロデューサー:深井順子 作・演出・音楽・美術:糸井幸之介  舞台監督:渡辺了((株)ダイ・レクト) 照明:松本永 音響:佐藤こうじ(Sugar Sound) 音響操作:寺澤光 衣装:吉田健太郎 振付:木皮成 装置:西廣奏 助手:新部聖子(FUKAIPRODUCE羽衣) 宣伝美術:林弥生 絵:糸井幸之介 短歌:深井順子 制作:坂田厚子 林弥生 大石丈太郎 鈴木裕二 企画・制作 FUKAIPRODUCE羽衣 企画:ヴィレッヂ 細川展裕 後援:杉並区 提携:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
【発売日】2013/12/07 全席指定  前売り/当日:3,200円   さいふにやさシート:2,000円 (各回枚数限定/当日引き換え券:やや見づらいお席になる可能性がございます。) ウルトラマニアチケット:10,000円 (羽衣マニア向けのスペシャルチケット。チケット2枚分にお土産付。) 早割り 2,700円 ※2013年12月7日(土)~12月25日(水)までに、FUKAIPRODUCE羽衣公式サイトにてチケットお求めのお客様に限り、前売り2,700円でご購入いただけます。(枚数限定) ※さいふにやさシートは公式サイト及びローソンチケット、ウルトラマニアチケットは公式サイトのみ取り扱いとなります。未就学児童はご入場いだだけません。
http://www.fukaiproduce-hagoromo.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 01:09 | TrackBack

2014年01月24日

Theater 045 syndicate『12匹』01/23-28相鉄本多劇場

 スエヒロケイスケさんの新作に興味があり、演出:眞鍋卓嗣、美術:杉山至、照明:榊美香という座組みは昨年の『とりつくしま』が面白かったので伺いました。上演時間は約1時間55分。

 レジナルド・ローズ作『十二人の怒れる男』の“ネトゲ”版で、全体の印象がtsumazuki no ishiサンプル俳優座であるという驚きのミクスチャーでした(笑)。これからご覧になる方は開演前に当日パンフレットの用語集を読んでおくといいと思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『12匹

 ≪あらすじ≫
 ネットゲームに没入しているネトゲ廃人たちのチームが、ゲーム内のバグにはまる。仲間ばかりだと思っていたのに、知らない奴もやって来た。
 ≪ここまで≫
 
 お尻が乗る部分だけ赤色になった黒いイスが、同じ向きにズラリと並び、舞台に均等に敷き詰められています。舞台奥の壁にはたたみ2~3畳ぐらいの大きさの鏡が貼り付けられていて、客席が映っていました。客席のお座布団の色も黒と赤だったので、舞台とつながっている感もあり。

 複雑な設定が整理され、登場人物それぞれの思いも丁寧にすくあげる会話劇になっていました。ネット上で匿名の人々が集合しているのを、舞台でうまく表しているな~と思いました。スエヒロケイスケさんの戯曲というと泥臭かったり、ねっとりしていたりするのも魅力ですが、眞壁さんの演出で清廉、素直といった印象があって新鮮でした。
 いい大人の男性がスカしてかっこつけていて、それが滑稽に見えない(ストレートにきどっている)のは苦手でした。

 ここからネタバレします。

 ネットゲームにいつも集まってチームを組んでいる9人のうち、リーダーだった人物がある事件の容疑者になり、やがて他のメンバーも実世界で被害を受け始めます。『十二人の怒れる男』の流れを汲みつつ、ネットの匿名性を生かす展開があって面白かったです。今起こった事件が9年前にある学校で起こった事件(?)に似ていることから、イジメ、学校、保護者などがテーマにのぼりましたが、皆で検証していくのを理解するのが難しかったな~。

第1回本公演
出演:佃典彦(劇団B級遊撃隊)、木村健三(マシュマロウェーブ)、寺十吾(tsumazukinoishi)、吉村公佑(劇団B級遊撃隊)、今井勝法、大和田悠太、松村良太、野々山貴之(劇団俳優座)、増井友紀子、細川岳、平野圭太、宍戸麻衣、佐々木友里、中山朋文(theater 045 syndicate)
脚本:スエヒロケイスケ 演出:眞鍋卓嗣 美術・杉山至 照明・榊美香 音響・岩野直人 舞台監督・後藤恭徳 制作:中山祝子 三井田明日香 スーパーバイザー:大西一郎 プロデューサー・製作総指揮:中山朋文
日時指定・全席自由 前売り3,500円 当日3,800円
http://theater045.exblog.jp/20891057/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:17 | TrackBack

2014年01月22日

名取事務所『運転免許 私の場合』01/22-26下北沢「劇」小劇場

 小川絵梨子さんが1998年のピュリッツァー賞、オビー賞、ニューヨークドラマ評論賞、ドラマデスク賞などを受賞した米国戯曲を翻訳・演出。ポーラ・ヴォーゲルという女性劇作家の戯曲です。2009年に青年座でも上演されているんですね。

 いい戯曲が、みずみずしく、生々しく、柔らかく、立体化されていました。さすがのクオリティーです。あ~小川さんにまた本当にいいお芝居を紹介していただきました。幸せ。

 上演時間は約1時間45分。前売り完売のようですので、当日券については主催者にお問い合わせください。

 ⇒CoRich舞台芸術!『運転免許 私の場合

 ≪あらすじ≫
 幼いころから私に優しくしてくれるペックおじさん。車の運転も教えてもらって、他にも…
 ≪ここまで≫

 舞台はシンプルな抽象空間で透明のイスが数脚あるだけ。ほぼ俳優の演技だけで見せてくれます。照明、音響、衣装などのスタッフワークは演技を慎重に支えるぐらいの役割です。主人公の女性リトルビットとその叔父ペックの2人以外の3人の俳優は、コロスとして色んな役を演じます。

 1960年~70年代のアメリカが舞台で、大人のリトルビットが子供のころを振り返り、彼女とその家族、特にペックおじさんとの間に起こったことを、回想シーンで描いていきます。時系列ではなく、パズルがランダムにはまっていくようにエピソードが紡がれるので、謎解きの楽しみがあります。時間も場所も行ったり来たりするし、断片的でもあるおかげで、ばらまかれたピースを自分で拾って繋げていくのが面白いんですよね。年齢を17歳、16歳、15歳とさかのぼっていくのも効果的です。各エピソードから登場人物のセリフの裏にある本当の気持ちを類推していって、「ああ、だからなのか、そうだったのか」とわかると、軽妙なやりとりの奥にある深い心の傷が見えてきたり、助けを呼ぶ声が聴こえてくるような、そんな体験ができます。

 自分に悪いことが起こっていても、その渦中にいる時は、それがどのくらい不幸なことなのか、わからないものですよね。後になって客観的に振り返った時に初めてその意味を知ったり、大人になってから自分が失ったものに気づいたりするものだと思います。だから、「不幸なこと」を経験させられるリトルビットの演技が、あくまでも子供で、無邪気で、素直で、明るかったのがとても良かったです。また、ほとんどの役者さんが、その場で起こることをその場で感じて生きる演技を精一杯してらしたように思いました。そういうお芝居は観ていてドキドキできるだけでなく、不思議なことに、客観視もできるんですよね。観客は、目の前で起こるお芝居を材料にして、いろんな思考をめぐらすことができるんです。ブレヒトの異化効果を使わなくても、そういうことは可能なんだと、私はよく思っています。

 ここからネタバレします。ネタバレ以降は書けたら書きます。

現代英米演劇連続上演シリーズ2 How I Learned to Drive - Paula Vogel
出演:中村彰男(ペックおじさん)、斉藤深雪(女性コロス:主人公の母など)、荒木真有美(主人公の女性リトルビット)、小林亜紀子(若いコロス:ペックの妻、リトルビットの祖母など)、西山聖了(男性コロス:祖父、語り部、プロムでリトルビットを踊りに誘った背の低い同級生、リトルビットが27歳の時にバスで偶然会った10代の青年、など)
作:ポーラ・ヴォーゲル 翻訳・演出:小川絵梨子 美術:内山勉 照明:桜井真澄 音響:齋藤美佐男 衣装:樋口藍 舞台監督:村田明 稽古助手:山本しのみ 制作:松井伸子 栗原暢隆 上演権協力:ネイラー、ハラインターナショナル プロデューサー:名取敏行 製作・主催:名取事務所
前売4,000円 当日4,500円(全席指定・税込) 学生2,000円 未就学児童の入場不可。
http://www.nato.jp/profile/2014/drive1401-1.html

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Posted by shinobu at 23:10 | TrackBack

2014年01月21日

Bunkamura『冬眠する熊に添い寝してごらん』01/09-02/01 Bunkamuraシアターコクーン

 小説家の古川日出男さんの書き下ろし戯曲を蜷川幸雄さんが演出されます。上演時間は約3時間45分(途中休憩1回を含む)。色んな意味で、物量が圧倒的…!

 下記は公開稽古の動画です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『冬眠する熊に添い寝してごらん
 レビューは記録程度。

 あらすじはこちら

 ロビーでは戯曲掲載の雑誌が販売されていました。

新潮 2014年 02月号 [雑誌]

新潮社 (2014-01-07)

 単行本もあるようですね。

冬眠する熊に添い寝してごらん
古川 日出男
新潮社
売り上げランキング: 1,736

 ライフル競技の選手である一(はじめ)役の井上芳雄さんと、その弟の恋人で詩人のひばり役の鈴木杏さんが良かったです。
 あと、富山の薬売り役の石井愃一さんのセリフにじっと聞き入りました。

 制作発表での皆さんの発言はこちらにテキストがあります。観終わってこの動画を見ると、鈴木さんが「いざ覚えようと台本を開くと、頭から煙が出ています」とおっしゃるのに深く頷いてしまいます(笑)。

 ここからネタバレします。

 明治から平成の日本のさまざまな要素が混合。犬と人の交わりも。
 新潟の石油採掘場と回転すし屋が混在する終盤の場面は圧巻でした。
 井上芳雄さんと鈴木杏さんのラブシーンは食い入るように見つめちゃいました。よくあそこまで作れるなぁと思いました。

Bunkamura25周年記念
≪東京、大阪≫
出演:上田竜也(KAT-TUN)、井上芳雄、鈴木杏、勝村政信、立石涼子、大石継太、冨樫真、間宮啓行、木村靖司 石井愃一、瑳川哲朗、沢竜二、妹尾正文 清家栄一 飯田邦博 岡田正 塚本幸男 野口和彦 新川將人 木内竜喜 青山郁彦 島本和人 本多新也 堀文明 澤魁士 駒木根隆介 プリティ太田 野辺富三 羽子田洋子 加藤弓美子 土屋美穂子 難波真奈美 小川紘司 中西晶 大串三和子 神尾冨美子 佐藤禮子 谷川美枝 田村律子 百元夏繪 益田ひろ子 宮田道代 中島来星
生演奏:福島広之 閏間健太 佐藤健一 棚網遊太
脚本:古川日出男 演出:蜷川幸雄 美術:中越司 照明:勝柴次朗 音楽:門司肇 音響:鹿野英之 衣装:前田綾子 ヘアメイク:河村陽子 擬闘:栗原直樹 演出補:井上尊晶 演出助手:大河内直子 舞台監督:小笠原幹夫 [企画]Bunkamura [主催・製作]Bunkamura/Quaras
【発売日】2013/11/17 S・\9,500 A・\7,500 コクーンシート・\5,000(税込) ※未就学児童のご入場はご遠慮いただいております。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/14_toumin.html
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/14_toumin/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:28 | TrackBack

【ワークショップ・オーディション】劇団チョコレートケーキ「6月新作公演『サラエヴォの黒い手』WSオーディショ ン」※ 2/14(金)23時59分〆切(メールのみ)

 劇団チョコレートケーキが6月新作公演の出演者募集のためワークショップ・オーディションを実施します。以下は公式ブログより。

 同劇団は『治天ノ君』で第21回読売演劇大賞の作品賞、男優賞、女優賞、演出家賞にノミネートされ、2013年度サンモールスタジオ選定賞で最優秀脚本賞と最優秀男優賞を受賞されています。また、昨年の『治天ノ君』、一昨年の『「熱狂」「あの記憶の記録」』では、観客が選ぶ「CoRich舞台芸術アワード!」で2年連続第一位を獲得。

 ■劇団チョコレートケーキ第24回公演『サラエヴォの黒い手』
  2014年6月11日(水)~15日(日)@駅前劇場(下北沢)
  作:古川健 演出:日澤雄介
 
 ●WSオーディション内容(抜粋)
 【応募条件】年齢 20代~30代の男性
 ・日程 (※1日、ご希望日をお選びください。)
  ①2月15日(土)18時~22時
  ②2月18日(火)18時~22時
  ③2月20日(木)12時~16時 
  ④2月20日(木)17時~21時
 
 参加費:2000円(テキスト代、当日お支払い)
 締切:2/14(金)23時59分

【ワークショップ・オーディション】 ※公式ブログより

劇団チョコレートケーキでは、6月に駅前劇場(下北沢)で行う本公演の出演者を募集しています。

■演目■
劇団チョコレートケーキ 
第24回公演「サラエヴォの黒い手」
作 古川健  
演出 日澤雄介
2014年6月11日(水)~15日(日) @駅前劇場(下北沢)

●WSオーディション内容
テキストを使った稽古にご参加頂きます。
・日程 (※1日、ご希望日をお選びください。)
①2月15日(土)18時~22時
②2月18日(火)18時~22時
③2月20日(木)12時~16時 
④2月20日(木)17時~21時


●場所
都内某所

●参加費 2000円(テキスト代、当日お支払い)

●持ち物 動きやすい服、履物、筆記用具、飲み物

【応募条件】
年齢 20代~30代の男性

①6月9日~15日に行う次回公演に、出演を希望される方。(チケットノルマはございません。詳細はお問い合せ下さい。)
②5月から開始する稽古に参加可能な方。

③今回は、20代~30代の男性キャストを募集しております。それ以外(女性の方、年齢の当てはまらない方)の方でのワークショップだけの参加も承ります。しかし、応募多数の場合は、オーディション参加の方を優先させていただきます。

【応募/お問合せ先】
 劇団チョコレートケーキ
 info(アットマーク)geki-choco.com
※件名を「オーディション希望」とし、
本文に①氏名、②年齢・性別、③電話番号(携帯) 、④メールアドレス(連絡が迅速にとれるアドレスをご記載下さい)、⑤参加希望日、⑥これまでの簡単な演劇経歴 をご記入の上、お送り下さい。

締切 2/14(金)23時59分

●劇団について
その作風から社会派や骨太、劇団名詐欺と称されるものの、緻密な調査に基づいて練り出される古川健のハードな台詞表現に加え、純度の高い人間関係を表出させる日澤雄介の演出により、一方的な「目撃」だけでは留めておけない劇空間を表出することを目指している。
現在、演出家日澤雄介、劇作家古川健を中心に、岡本篤、菅野佐知子、西尾友樹、浅井伸治の6名が所属。

●受賞歴
2012年
「一九一一年」で古川健が佐藤佐吉優秀脚本賞を受賞。
2013年
「CoRich舞台芸術アワード!2012」 第1位を獲得(「熱狂」「あの記憶の記録」)。
岡本篤が2012年度佐藤佐吉賞 優秀助演男優賞を受賞(北京蝶々「都道府県パズル」)。
日澤雄介が若手演出家コンクール2012 最優秀賞を受賞。(「親愛なる我が総統」)。
「親愛なる我が総統」で古川健が第1回せんだい短編戯曲賞最終候補ノミネート。
CoRich舞台芸術まつり!2013において西尾友樹が俳優賞を受賞。
2014年
第21回読売演劇大賞、作品賞(『治天ノ君』)、男優賞(西尾友樹)、演出家賞(日澤雄介)各賞にノミネート。
「治天ノ君」が「CoRich舞台芸術アワード!2012」において第1位を獲得(二連覇)。
2013年度サンモールスタジオ選定賞において、最優秀脚本賞(古川健)最優秀男優賞(西尾友樹)を受賞。


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:04 | TrackBack

【ワークショップ】風琴工房「詩森ろばワークショップ」締切:Aは2/15、Bは2/25(メールのみ)

 風琴工房を主宰する劇作家・演出家の詩森ろばさんによる俳優ワークショップ情報です。以下はCoRich舞台芸術!の掲示板より。応募者多数の場合は早めに締め切る場合あり。

 風琴工房『国語の時間』は第21回読売演劇大賞の作品賞にノミネートされています。

 ■風琴工房 詩森ろば ワークショップ
 【A】3月3日~8日
 【B】3月17日~22日
 参加費:10,000円
 応募締切:Aは2/15、Bは2/25
 ※応募者多数の場合は、早めに締め切る場合がございます。

 ■風琴工房 詩森ろば ワークショップ ※こちらより
 
以前より要望のありました詩森ろばのワークショップを行います。
2年振りの開催です。本年はこれ一回です。
テキストを使用し、対話と解釈を結びつける実践的なワークショップです。

(【A】と【B】は同じプログラムです。どちらの場合も全回参加が条件です。)

【A】
3月3日(月) 18:00~22:00
3月5日(水) 18:00~22:00
3月6日(木) 18:00~22:00
3月8日(土) 13:00~22:00

【B】
後半日程
3月17日(月) 18:00~22:00
3月19日(水) 18:00~22:00
3月20日(木) 18:00~22:00
3月22日(土) 13:00~22:00

●開催場所  世田谷区・杉並区の施設(下北沢・高円寺周辺)

●参加費   10,000円

●募集人員  各コース 14名程度

●参加条件  舞台での演技経験のある方/
       メールのできる環境にある方(携帯メール可)
       ペアワークで進めますので、全回参加できる方のみ。

●応募方法 タイトルを「ワークショップ希望」
      ※お名前/性別/年齢/簡単なプロフィール/参加希望日程
      をorgan【アットマーク】windyharp.org まで。タイトルがないと認識できず、
      受け付けられない場合がございますのでお気を付け下さい。

※返信はパソコンメールより行います。
 パソコンメールをすべてはじく設定にしている方は、
 このアドレスからの返信を受け取れるよう設定を
 お願いいたします。

●応募締切 Aは2/15、Bは2/25
※応募者多数の場合は、早めに締め切る場合がございます。


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:51 | TrackBack

【ワークショップ・オーディション】てがみ座「2014年6月公演&冬の新作公演の出演者募集」※2月3日(月)〆切(郵送必着)

 長田育恵さんが主宰される演劇ユニットてがみ座の出演者募集です。長田さんは井上ひさしさんの元お弟子さん。『地を渡る舟』でメルマガ号外を発行しました。以下はCoRich舞台芸術!の掲示板より。詳細は公式サイトでもご確認ください。

 ●てがみ座 第10回公演「新作」二都市ツアー オーディション
 【応募条件】19歳以上の男女。演劇経験不問。
 【応募要項・応募用紙のダウンロードはこちらから】

 ・公演1
  2014年6月9日(月)~15日(日)
  アート・イン・レジデンス(滞在制作)企画 ※近畿地方
  てがみ座 番外公演 [改訂再演]
 ・公演2
  2014年11月26日(水)~12月14日(日)
  東京&豊橋 二都市ツアー
  てがみ座 第10回公演『タイトル未定』[新作]

 <第一次審査/書類審査>
 締切:2014年2月3日(月)必着

 <第二次審査/台詞審査>
 2月12日(水) または 2月13日(木)
  都内会場・所要時間1時間程度
  審査料:2,000円 (当日受付にて)

 <第三次審査/シーンクリエイションWS>
 2月26日(水)~28日(金) 3日間
  都内会場
  審査料:無料

Posted by shinobu at 13:42 | TrackBack

2014年01月20日

Ring-Bong『しろたへの春 契りきな』01/18-26サイスタジオコモネAスタジオ

 文学座の女優でもある山谷典子さんの脚本を上演するRing-Bongの新作は、日帝時代のソウルと現代日本を行き来するお芝居でした。上演時間は約1時間55分。

 そういえば昨年の読売演劇大賞作品賞で5作品に選ばれた風琴工房『国語の時間』も、韓国・東亜演劇賞の主要三部門を受賞した『가모메 カルメギ』も、日本の支配下にあった朝鮮を舞台にしていました。

 山谷さんの戯曲『あとにさきだつうたかたの』は3月に加藤健一事務所で上演されます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『しろたへの春 契りきな』※こりっちでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 1942年、ソウル。京城と呼ばれ日本の支配下にあった時代。
 小さな写真館を経営する日本人が反日活動の受刑者たちの写真を撮影することになった。
 それは受刑者に管理番号をつけて写す、まぎれもないただの「記録」。

 「いつかまた本当の写真を」
 父の思いは娘に受け継がれ、やがて舞台は現代の東京へ。

 ファインダーを通して見えてくる二つの時代とは…。
 ≪ここまで≫

 日本人が朝鮮人の言葉も名前も奪って、差別して支配していた史実だけでなく、1945年の日本敗戦後のソウルも描いています。日韓の歴史にとどまらず、国と市井の人々という大きなテーマへと広がりました。

 歌が上手な俳優さんが多くて、ピアノ演奏と歌を披露するシーンに説得力がありました。演技は説明的で残念。私はこういう↓演技が好きなんですよね。

 ここからネタバレします。

 京城と呼ばれたソウルで生まれ育った日本人女性(主人公)と、5歳の時から日本人の家に奉公して大学まで出してもらったため、朝鮮語が話せない朝鮮人男性が登場し、お互いに慕っています。主人公の父親は写真技師で、使用人の朝鮮人女性と相思相愛でした(主人公はこの2人の間に生まれたと後でわかります)。でも2つの恋は日本敗戦を機に引き裂かれてしまいます。
 人は時代に翻弄されるものだけれど、その実、個人レベルの人間同士の交流には、国や国籍なんて関係ないということが、力強く示されました。「日本のために、国家のために」と朗々と謳い上げる政治家は信用するに足りないことがよくわかります。
 
 日本に帰国しようとする写真技師に、朝鮮人が護身用の銃を渡すのですが、彼は受け取らずに返します。「銃を持ったら自分が何をしでかすかわからない」といった意味のセリフがありました。身の程を知る、分相応に生きるというフレーズはマイナスの意味に捉えられることが多い気もしますが、私は黒田育世さんのこの記事を思い出し、「踏みとどまる」勇気について考えます。

出演:山口雅義、高野絹也、辻輝猛、長瀬良嗣、田中宏樹、松山尚子、村松えり、小野文子、松垣陽子、山谷典子
脚本:山谷典子 演出:小笠原響 照明:小沢淳 音響:山崎哲也  衣裳:友好まり子 美術:乗峯雅寛 舞台監督:坂野早織 制作:華のん企画 
【発売日】2013/11/11(前売り・当日とも)一般 3,500円 学生 2,500円
http://ameblo.jp/ringbong/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:10 | TrackBack

2014年01月17日

【写真レポート】新国立劇場「2014/2015シーズンラインアップ発表会」01/17新国立劇場地下2階稽古場

 新国立劇場のオペラ、バレエ・舞踊、演劇の計3部門の芸術監督が揃う「2014/2015シーズンラインアップ発表会」に伺い、その後の演劇部門の記者懇談会にも参加させていただきました。演劇部門の芸術監督として2期目を迎えられた、宮田慶子さんのご発言をまとめたレポートです。

 【写真は左から:福地茂雄理事長、宮田慶子演劇芸術監督、飯守泰次郎次期オペラ芸術監督、大原永子次期舞踊芸術監督】

20140117_NNT.jpg

 戯曲だけで観たいと思わせるものばかり!正統派のストレート・プレイ(せりふ劇)がずらりと並ぶラインアップに、宮田さんのセンスと信念が表れていると思います。これまでの実績も含め、私が受け取った全体の印象は“素直”そして“正攻法”。個人的には新国立劇場演劇研修所の修了生を大勢キャスティングする企画が継続されて、とても嬉しいです。
 懇談会では、新国立劇場を「演劇人が腰を落ち着けて、集中して仕事のできる場所」、そして「若い演劇人を取り上げて、未来をつくる場所」にしたいと語ってくださいました。
 
 ⇒新国立劇場「新国立劇場2014/2015シーズンラインアップが発表されました!
 ⇒新国立劇場「演劇部門2014/2015シーズンラインアップ

 【昨年度の振り返りと成果、そして今年度の抱負】

20140117_miyata1.jpg
宮田さん

 宮田:芸術監督として走っているうちに、いよいよ2期目を迎えることになりました。ラインアップ説明会も数えてみると5回目です。オペラの飯守先生、バレエの大原先生とこのように並ばせていただいて、もう一度改めて、新たな気持ちで2期目をスタートさせたいと思っています。

 この1年、自分なりに色んな仕掛けをしてきたつもりではいます。おかげさまで劇場入り口に立っておりますと、「新国立劇場の演劇に初めて足を運んだ」とお声掛け下さるお客様が大変多くいらして、本当に嬉しく思っております。出演者、スタッフの皆が一丸となって健闘してくれまして、非常に質の高い作品を送り出すことができ、色々な評価をいただいて、より多くのお客様に足を運んでいただけるようになったことを嬉しく思います。

 多くの俳優、演出家に「新国立劇場では落ち着いて、雑音なく仕事ができて嬉しい」とよく言っていただきます。地下2階のリハーサル・フロアは安心して集中できる環境が整っており、朝から夜まで、長ければ12時間ずっと作品づくりができる、非常に幸せな現場だと思います。俳優、演出家が望む限りのたっぷりの時間、たとえば40日間という長期間、思う存分、納得がいくまで稽古ができる。そしてどこよりも長い期間、劇場に入っていられるので、本番の舞台でのリハーサルが長くできます。それを演劇人たちが楽しみにしてくれているのが嬉しいです。この落ち着いた、内容のある作品作りを続けていきたいと思っています。

 マンスリー・プロジェクトでは、小劇場を使ったレクチャーやリーディングに本番と同じぐらい大人数のお客様がつめかけてくださっています。なじみやすい環境づくりを目指してきたことが、少しずつお客様に伝わってきたかなと思います。面白い内容にして、無料の公演として継続していきたいです。
 新国立劇場の作品で全国ツアーができるように、企画の段階から知恵を絞りながら進めている最中です。おかげさまで各地の劇場と個人的に話をさせていただくことも多く、まだまだ試行錯誤中ですが条件は整いつつあります。

 おかげさまで当劇場の演劇部門のお客様は増えていますが、世の中を見ますと、やはり若い層はコンピューターのネットワークに気をとられていたり、ゲームの方が面白かったりして、演劇を観てくださる観客はちょっと大人しくなってきているような気もします。そういった中でも、きちんとした作業をしていけば底力のある観客層を育てられると思うので、我々としてはなんとかその一翼を担いたい。質と深さの両方を求めていける現場でありたいと思っています。

20140117_NNT_siryo.jpg

 【2014/2015シーズンラインアップについて】

 宮田:演劇部門は年間8本、うち中劇場公演が2本、小劇場公演が6本で例年通りです。おかげさまで「近代以降の日本の演劇が影響を受けた海外の作品」を紹介するシリーズ「JAPAN MEETS・・・-現代劇の系譜をひもとく」は、私が芸術監督になった初年度から継続しておりまして、非常にご好評いただいております。お客様に「ひとつの視点にまとめられているので観やすい」と言っていただけて、定着してきました。
 世界の演劇界の常識といえる名作、つまりグローバル・スタンダードという意味でもあります。すべて新翻訳し、今の言葉、舞台の生きた言葉で上演しております。戯曲文学ではなく、そこから一歩踏み出した舞台の台本としての言葉に置き換えた上演を、お客様に楽しみにしていただけるようになりました。今年度はブレヒト作『三文オペラ』とイプセン作『海の夫人』を、私が演出します。

 ちょうど今、30代の若手演出家に焦点を当てた企画「Try ・Angle -三人の演出家の視点-」の3本目、サルトル作『アルトナの幽閉者』の稽古中です。これもおかげさまで非常に大きな評価をいただきました。年末年始にかけて続々と色んな演劇賞にノミネートされ、受賞もさせていただきまして、本当に嬉しく思っております。
 新シーズンは「二人芝居―対話する力―」と題して、2人芝居を3本企画しました。俳優が2人しか出ませんから見た目は地味ですが(笑)、二人芝居は芝居の底力というか、芝居の基本なんですね。芝居とは2人の濃密なやり取りが、1人増えるごとに三人芝居、四人芝居、五人芝居、アンサンブルもいる大人数の芝居…と多角形化していくもの。人間と人間が本気で、本音でしゃべり合うこと。言葉はかわさなくとも目線や態度、オーラやパワーなど様々なもので、人とちゃんと向かい合うこと。演劇でも何でもそれが基本です。二人芝居は1対1の“線”なので、その“線”がどんどん太くなっていくイメージです。そこにお客様が加われば三角形(=トライアングル)になる。そんな空間になるんじゃないかと思っています。

 今はとかくディスコミュニケーションと言われています。若い世代はソーシャルネットワークで繋がっているんですが、(実際のところ)どうでしょうか?私も時々気になっているんですが、相手の目を見てしゃべる子がちょっと少なくなってきた。目は見ていたとしても何らかの、ちょっとしたフィルターがかかっていたり、敵対していたり、構えていたりして、素直に心の窓を開けて相手と目を向き合える関係が非常に少なくなっている。子供だけではなく、子供にそうさせてる我々大人もきっとそうなんだと思います。自分が傷つかないための最低限の見えないフィルターをかけながら、相手と情報のやりとりをするためだけに目を向け合ってる。情報を得るタイミングをつかむためだけに、相手の目を見ている。情報のやりとりだけならばコミュニケーションとは言わないし、データが行き来するだけでいいのなら、もしかしたら人間である必要もないかもしれない。「人間はデータじゃない、生身だよ」というとなんだかアナログな言い方になっちゃいますけれども、「データ“なんか”じゃ、やりとりできないものを、やりとりすること」に、もう一度、がっつり、組みたい。そう思って二人芝居を企画しました。
 二人芝居では演出家の腕が非常に試されます。2人しかいない劇空間をどうやってお客様に豊かに提示できるのか。これは演出家にとって、とても挑戦的な演目になると思います。

 枠としては今までを踏襲しているものもありますが、さらに気を引き締めて、やはりここでしかできない質と深さのある作品づくり、そして、より積極的に外に向かって発信できるようにしたいと思っています。


 【各作品について ※以降はしのぶよりひとこと】 

20140117_miyata2.jpg
宮田さん


 ●2014年9月 JAPAN MEETS・・・-現代劇の系譜をひもとく-Ⅸ 『三文オペラ』 [新訳上演]
  作:ベルトルト・ブレヒト 翻訳:谷川道子 演出:宮田慶子
  出演:池内博之 ソニン 石井一孝 大塚千弘 あめくみちこ 島田歌穂 山路和弘
 宮田:ご存じ『三文オペラ』からスタートです。ブレヒト研究の第一人者である谷川道子さんが新翻訳に挑戦してくださっています。演出家(=宮田)の女心としては(笑)、主役のマックには二枚目の優男であるだけじゃなく、エレガンスと野性味を併せ持った方が欲しいと思い、『るつぼ』でプロクターを演じた池内博之さんを。相手役のソニンさんは海外研修を終えてニューヨークから帰って来ます。そのほかにも演劇界、ミュージカル界の実力派俳優が揃っていますので楽しんでいただけると思います。
 ※宮田さんは劇団青年座研究所時代に『三文オペラ』出演経験があり、青年座公演と新国立劇場演劇研修所1期生試演会で演出もされています。

 ●2014年10月シリーズ二人芝居~対話する力 Vol.1 『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』 [日本初演]
  作: デイヴィッド・ヘア 翻訳: 鴇澤麻由子 演出: 蓬莱竜太
  出演:若村麻由美 ほか
 宮田:女二人芝居、しかも妻と愛人という関係です。その演出に男性の蓬莱竜太さんが取り組みます。女性2人の復讐心理戦と言っていい作品ですが、最後にはそれを超えたところにたどり着きます。ロンドンで2002年に初演された時は、マギー・スミスとジュディ・デンチというゴールデンコンビでとても話題になった作品で、日本初演です。二人芝居企画はのっけから、ガツン!と濃密な空間をご覧いただけるのではないかと思います。
 ※蓬莱竜太さんが自作でない戯曲を劇団外で演出されるのは初めてだそうです。若村麻由美さんの相手役が気になる!

 ●2014年11月 シリーズ二人芝居~対話する力 Vol.2 『ご臨終
  作:モーリス・パニッチ 翻訳:吉原豊司 演出:ノゾエ征爾
  出演:温水洋一 江波杏子
 宮田:カナダで非常に人気のあるモーリス・パニッチの作品です(過去レビュー⇒)。風采の上がらない中年男と、間もなく死んじゃうかもしれない老婆の二人芝居。なんと温水洋一さんと江波杏子さんという理想的な配役が叶いました!演出は若手でどんどん力をつけているノゾエ征爾さんです。こちらもお見逃しなく。
 ※『ご臨終』は2006年に拝見して、すごく面白かったんです!ノゾエさんの演出も楽しみです。

 ●2014年12月 シリーズ二人芝居~対話する力 Vol.3 『星ノ数ホド』 [日本初演]
  作・ニック・ペイン 翻訳:浦辺千鶴 演出:小川絵梨子
  出演:鈴木杏 浦井健治
 宮田:ロンドンで2012年に初演された話題作で、物理学者と養蜂家という出会うはずのない若い男女2人のラブ・ストーリー。同じシチュエーションがちょっとずつ違う形で、演劇的に、何度も繰り返されていくんです。人と人が、いかに奇跡的に出会い、恋におち、カップルになるのか。我々の日常を大切にしたくなるような作品です。鈴木杏さんと浦井健治さんというお2人にもふさわしい戯曲だと思います。演出には、おかげさまで昨年の『OPUS/作品』で非常に大きな評価をいただいた小川絵梨子さんがあたります。
 ※鈴木杏・浦井健治・小川絵梨子という組み合わせは垂涎もの!

 ●2015年4月 『ウィンズロウ・ボーイ
  作:テレンス・ラティガン 翻訳:小川絵梨子 演出:鈴木裕美
 宮田:『長い墓標の列』『マニラ瑞穂記』(⇒新国立劇場演劇研修所試演会の稽古場レポート)に続き、新国立劇場演劇研修所の修了生を積極的に起用するシリーズの3作目です。『ウィンズロウ・ボーイ』(⇒過去レビュー)は家族の話ですので、修了生だけではなく先輩の俳優に助けていただく形になります。
 演出を鈴木裕美さんにお願いしました。鈴木さんは研修所の公演を本当によくやってくださって(過去レビュー⇒)、エネルギーをもって指導に当たってくださっています。翻訳は小川絵梨子さん。彼女は演出だけでなく翻訳の才能もあるんです。ラティガンは20世紀イギリスの代表的劇作家で、新国立劇場での上演は初めてかもしれません。とてもきちんと日常を描いている作家なので、新しく登場するのが楽しみです。
 ※2005年の「テレンス・ラティガン3作連続公演」では『ウィンズロウ…』を坂手洋二さんが演出されていました。鈴木さんは初演出になります。いい戯曲なのでまた観られるのが嬉しい!

 ●2015年5月 JAPAN MEETS・・・~現代劇の系譜をひもとく~Ⅹ 『海の夫人
  作:ヘンリック・イプセン 翻訳:アンネ・ランデ・ペータス、長島確 演出:宮田慶子
  出演:麻実れい 村田雄浩 眞島秀和 橋本淳 ほか
 宮田:「JAPAN MEETS・・・」がとうとう10作目になり、個人的にとても嬉しく思っております。第1回目の『ヘッダ・ガーブレル』で取り上げたイプセンが再登場。イプセン作品の中では、抽象的な意味でも、女性に対するオマージュが強く表れている作品だと思います。ぜひとも麻美れいさんにやっていただきたいと思っていたら、その願いが叶いました。『ヘッダ・ガーブレル』と同様に翻訳はアンネ・ランデ・ペータスさんと長島確さんです。ノルウェー語から日本語、日本語から日本語という翻訳方法で、さらに劇的な言葉を紡ぎ出します。
 ※『ヘッダ・ガーブレル』は現代劇として観られました。またそういう出会い方をさせていただけるかも。

20140117_NNT2.jpg

 ●2015年6月 『東海道四谷怪談
  作:鶴屋南北 演出:森新太郎
 宮田:森新太郎さんは演出家として本当に大ブレイクしていて、あちこちから引く手あまたになっています。彼は『ゴドーを待ちながら』『エドワード二世』と2本続けて、当劇場で素晴らしい成果を残してくれました。今度は中劇場で、なんと『東海道四谷怪談』に挑戦します。森さんはお岩に焦点をあてたいと言ってまして、力のある演出になると思います。
 ※森新太郎さんは見逃せない演出家です。中劇場をどう料理してくださるのかも楽しみ。

 ●2015年7月 「長塚圭史 新作
  作・演出:長塚圭史 振付:近藤良平
  出演:近藤良平 首藤康之 長塚圭史 松たか子
 宮田:最後が長塚圭史さんの新作です。2012年の年末年始に大人と子供の両方が楽しめる企画として上演した『音のいない世界で』と、全く同じキャストが揃いました。私は大好きな空間だったんですが、「子供には難しすぎる・怖すぎる」といったご意見もいただきまして、再挑戦となります。近藤良平、首藤康之、長塚圭史、松たか子という新国立劇場ならではのユニットが「鏡」をモチーフにした新作を立ち上げます。今度は夏休みの大人と子供のための企画になると思います。
 ※劇場内だけでなくロビーなども、子供がわくわくするような仕掛けがあるといいなと思います。


 【しのぶの感想】
 冒頭で福地茂雄理事長が「グローバル化」の話をされたのもあり、「グローバルな国立劇場のあり方」について少し考えました。飯守泰次郎次期オペラ芸術監督はドイツ、大原永子次期舞踊芸術監督はイギリスで長くご活躍のようで、お2人とも日本人でありながら外国人のようでもありました(飯守さんはオペラ愛あふれる方、大原さんは“現場のたたき上げ”を自称されており、新国立劇場バレエ団の“肝っ玉おっ母”のように頼りになる方のようにお見受けしました)。それに比べると宮田慶子さんはピュアな日本人で、来年度のラインアップは今年度より全体的にドメスティック(日本国内向け)な印象です。ただ、「もっともナショナルなものこそインターナショナルのものになり得る」という考え方もありますし、私としては、現代日本人のディスコミュニケーションについての宮田さんの問題意識に共感しているので、日本人の観客と向き合う作品選びに批判的な気持ちは起きませんでした。戯曲だけでも観たいと思わせるものばかりなので、来年度も全部通っちゃうと思います。

 日本の戯曲が2本だけで、新作が1つ(しかもファミリー向け)というのは少し残念ではありました。個人的にはできれば修了生が出るシリーズは日本の戯曲であって欲しかったですね。とはいえ鈴木裕美さん演出の『ウィンズロウ・ボーイ』はすごく楽しみです。
 懇談会で演劇ジャーナリストの女性が、「来日して新国立劇場のオペラの演出をしている外国人演出家に、演劇部門の演出も依頼してはどうか」と提案されていて、私も同感でした。今年4月のクリーゲンブルク演出『ヴォツェック』はとても面白そうです。
 ⇒新国立劇場「【特別コラム】ドイツ演劇界の鬼才、クリーゲンブルク演出 オペラ「ヴォツェック」の衝撃

新国立劇場演劇部門2014/2015シーズンラインアップ:http://www.nntt.jac.go.jp/play/variety/#anc2014_15

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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Posted by shinobu at 23:48 | TrackBack

2014年01月16日

無隣館若手自主企画・綾門企画『天啓を浴びながら卒倒せよ』01/16-19アトリエ春風舎

 『止まらない子供たちが轢かれてゆく』でせんだい短編戯曲賞大賞を受賞された綾門優季さんの新作なので観に行きました。上演時間は約1時間10分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『天啓を浴びながら卒倒せよ

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 『止まらない子供たちが轢かれてゆく』は、小学校のときに巻き込まれた学級崩壊の体験を、わりとそのまま注ぎ込みました。これ以降、日常生活の実感をそのまま注ぎ込む、ということに興味をそそられています。
 いま、僕の世代でいちばん切実な問題は、SNS疲れ、と断言できます。twitterのフォロワー数やfacebookにアップする楽しそうな写真やLINEの返答の速さで、人間の価値が決まるわけではありません。僕は僕の周りにみえる邪悪な触手を、ぶっちぎって走りぬきたい。綾門優季
 ≪ここまで≫

*この作品には、光源の明滅など、視覚的に強い映像表現が含まれます。
出演:黒木絵美花(無隣館)、坂倉夏奈(無隣館)、田中孝史(無隣館)、横地梢(無隣館)、むらさきしゅう
脚本・演出:綾門優季(無隣館) 照明:井坂浩(青年団) 映像:工藤尚輝 美術:辻本直樹(Nichecraft) 音響:櫻内憧海(お布団) 音響協力:藤田卓仙 舞台監督:清野草太(無隣館)  ドラマトゥルク:朝比奈竜生(無隣館) 演出助手:恩田學 宣伝美術:横地梢(無隣館) 宣伝写真:大橋絵莉花 制作:赤刎千久子(無隣館)、垣谷文夫(無隣館) 制作補佐:鉄炮塚亜希 総合プロデューサー:平田オリザ
【発売日】2013/11/23 前売・当日2000円
http://s.seinendan.org/link/2013/10/3211

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2014年01月15日

【稽古場レポート】うずめ劇場『砂女←→砂男』[2]01/11都内某所

 ペーター・ゲスナーさんのインタビューの後、『砂女←→砂男』の稽古場でゲスナーさんによる『砂女』のシーン稽古と、出演者による『砂男』の読み稽古を拝見しました。

 『砂女』は人間関係の臨場感を追求した会話劇で、『砂男』は天野天街マジック炸裂!「2種類の全く違う芝居をやる」という意味がよ~くわかりました(笑)。『砂男』の直筆台本はシアターアーツ2014年春号に掲載予定だそうです!

suna_shugo.jpg

 ●うずめ劇場『砂女←→砂男』 ⇒演出家インタビュー
  2014/02/07(金) ~11(火)@ザ・スズナリ
  「砂女」原作=安部公房 構成・演出=ペーター・ゲスナー
  「砂男」原作=E.T.A.ホフマン 脚本・演出=天野天街(少年王者舘)
  「砂女←→砂男」オリジナルテーマソング『今日』(歌=UA 作曲=坂本弘道)
 ≪タイムテーブル≫
  2/07(金)14:00砂男/19:00砂女 
  2/08(土)14:00砂女/19:00砂男
  2/09(日)14:00砂男/19:00砂女
  2/10(月)14:00砂女/19:00砂男
  2/11(火)14:00砂女/19:00砂男
  ⇒CoRich舞台芸術!で予約できます。※1/31までチケプレ実施中!
   両作品ともに前売4500円なので、2公演通し券6800円だと2200円もお得!
   2/7(金)14:00開演の『砂男』は公開ゲネプロで一律3000円です。
   半券提示で割引になる飲食店あり。詳細は劇団にお問い合わせ下さい。

 ■『砂女』シーン稽古

 愛人関係にあるらしい大人の男女が寝室で駆け引きをする、とてもエロティックな場面。ほんの2~3分の短いシーンを、なんと2時間も繰り返して稽古されました。ゲスナーさんはこまごまとシーンを止めて、「今のはここがダメ」と率直にフィードバックされます。時には俳優の相手役をしてアイデアを出すこともありましたが、演技の根本的なあり方について話す時間が多く、その言葉はとても厳しいです。役者さんが自立を求められる現場ですね。
 ゲスナーさんがおっしゃっていたことは至極真っ当で、きつく言われる俳優さんはつらかったことと思いますが、何度も頷きながら拝聴しました。

suna_2actors.jpg

 ゲスナー:あなたは役者なのに、自分を演出している。自分の考えていることを口に出してもらえませんか?まだ“セリフだから”しゃべってる。自分がしゃべりたいから、しゃべるようにしてください。しゃべりたい理由を見つけて。このセリフを本当にしゃべりたいと思う理由を。今までの自分の経験を使ってください。

 ゲスナー:自分の悩みを見せた方がいい。自分の個人的なことを別にして演技をすることはできない。それを怖がっていてはだめ。体と関係を作ってください。そうじゃないと演技はできない。

suna_peterS1.jpg
ゲスナーさん

 ゲスナー:(今のは)言われた通りのことをやっているだけ。あなたは無意識だけど、私を麻原彰晃(=独裁者)にしてしまう。私はドイツ人で、ヒットラーに祖母を殺されました。独裁者の国の人間だから気になるんです。私は独裁者になりたくない。失敗していい。私に言われたからやるのではなく、自分の思いとして自由にやってください。自分の意識でやるのが大事。

 ゲスナー:日本人は(目上の人を)尊敬しなきゃ、失礼のないようにしなきゃと考えるけど、舞台では反抗があっていい。逆に、犯行的になってくれた方がいいぐらい。あなたは(私に)合わせたいと思っている。でも合わせすぎると存在がなくなってしまう。チェスの駒になっちゃう。

 ゲスナー:今、あなたはただの“働き”になっている。あなたはいつも自分以外の人に決めてもらって、本当の自分の意見をまだ信じてない。自分のことを裏切っている。自分を信じないのは、役者が一番やってはいけないこと。自分に関係ないことをするのは失礼なことです。子供に戻るのはやめて。出された宿題をやるのはやめて。

 ゲスナー:相手と関係を作れ!相手と関係を作るしかない。これが好き、あれが嫌いとか、はっきりとした意見があれば作れる。そうでなければ人形です。舞台でパートナーシップをとるためには自分の意識でやるのが大事。そうすれば近づける。自分自身が役者になれる。

 ゲスナー:言われたとおりにしかしないのでは、足りない。あなたは一人ぼっちです。自分のことを大事にしてるだけ。自分ひとりで全部クリアしないといけないと思ってる。家に帰って自分だけで、自分の中だけでやってもだめ。稽古中にしかできないんです。その勇気がほしい。

 ゲスナー:役者はいつも山を登らなければいけない。


 ■『砂男』読み稽古

 ゲスナーさんが次のお仕事に行かれた後、出演者は『砂女』の群読部分を稽古し、次に『砂男』の読み稽古が始まりました。車座になって各自のセリフを言っていきます。台本は確認用に床に開いて置いていますが、基本的に見ません。セリフの確認作業も兼ねて、オープニングの数ページを繰り返しました。

suna_circle.jpg

 最初の1分間ほど聴いただけで、私は(声は出さずに)大笑いしてしまいました!少年王者舘のお芝居をご覧になった方はご存じのことと思いますが、天野戯曲は言葉あそびやダジャレが多用され、1つの単語を複数人で発したり、トリッキーな発語順で輪唱のような効果を生んだり、とても独特なのです。機械的な丁寧語の中に突然、ホラー映画の決まり文句のような際立った印象を与える言葉が挿入され、どぎまぎ、わくわくさせられました。

 『砂女』はすでに通し稽古を済ませてほぼ完成しているので、数日後からは『砂男』に集中した稽古になるようです。セリフの意味と感情を一致させた演技をする俳優が多かったですが、天野さんの演出で様変わりしそう!2作品の本番がとても楽しみになりました。

 ※天野さん直筆の『砂男』の台本をチラっと覗かせていただきました。…容易にはワープロ打ちできないですね。そして文字がアーティスティック!雑誌掲載が決まっているのは、すでに台本が完成していることを意味します。天野さんは遅筆で有名な方でもあるので、今作品については完成度にも期待できるのではないでしょうか。

 ⇒CoRich舞台芸術!で予約できます。

 【『砂女』通し稽古写真】
suna_butai2.jpg

出演:井村昂、後藤まなみ、荒牧大道、荒井孝彦、石山慶、太田朝子、奥野美帆、キムナヲ、河村岳司、日下諭、日下範子、竹内もみ、高橋佑輔、谷原広哉、二宮彩乃、政修二郎、山村涼子
「砂女」 原作=安部公房 構成・演出=ペーター・ゲスナー
「砂男」 原作=E.T.A.ホフマン 脚本・演出=天野天街(少年王者舘)
舞台美術:石原敬 照明:桜井真澄  音響:岩野直人  映像:浜嶋将裕 音楽:坂本弘道 衣装:仲村祐妃子 宣伝美術:アマノテンガイ  ロゴ:田岡一遠  スチール:宮内勝 振付:夕沈  舞台監督:井村昂  舞監助手:伊東龍彦、村信保  演出助手:二宮彩乃、石坂雷雨 文芸担当:藤澤友 制作:佐藤武、松尾容子 主催:うずめ劇場
【発売日】2013/11/10 前売4,500円 当日5,000円 学生3,000円(要証明) 2公演通し券6,800円(団体扱いのみ) 未就学児童の入場は不可です。
http://uzumenet.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:49 | TrackBack

【ワークショップ】REALWAVE「深田晃司監督による映像演技ワークショップ2月(全2日間)受講生募集」2/5-6実施(専用フォームあり・先着順)

 映画「ほとりの朔子」が1/18に公開される深田晃司監督による映像演技ワークショップ情報です。詳細はCoRich舞台芸術!の掲示板をご覧ください。

 ■REALWAVE「深田晃司監督による映像演技ワークショップ2月(全2日間)受講生募集」
  講義回数:映像演技ワークショップ2回
  日時:2014年2月5日(水)、6日(木)
  講義時間:11:30~16:30
  講師:深田晃司監督
  受講料:18,000円/学割15,000円(ともに税込)
  受講資格:年齢制限無し、学歴・経験の有無は問いません。事務所に所属してる方も可。
  定員:16名(先着順)

 深田さんは「ほとりの朔子」でナント三大陸映画祭2013グランプリ、若い審査員賞を受賞、タリンブラックナイト映画祭2013で最優秀監督賞を受賞されています。
 2011年の「歓待」が素晴らしかったです。「東京人間喜劇」も同じ時期に拝見しました。青年団の俳優さんが多数出演されています。そういえば深田さんは今月、「新年工場見学会2013」に出演されていました。

Posted by shinobu at 14:07 | TrackBack

2014年01月14日

青☆組『人魚の夜』01/10-20こまばアゴラ劇場

 吉田小夏さんが作・演出される劇団青☆組の公演を、出演者に惹かれたこともあって久しぶりに拝見。上演時間は約1時間40分。

 しとしとと、湿り気のあるお芝居でした。自然な会話劇に見えそうでいて、かなり意図的にデフォルメされてるなぁと思いました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『人魚の夜
 レビューは記録程度です。

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 ある日、父が、女を拾ってきました。
 浜辺を散歩していたら、うっかり拾ってしまったのだと言います。
 こんな海辺の田舎町ではあっという間に噂になるからと、たしなめましたが、その女、もう、戻れないと言うのです。

 ほろ苦いペーソスと繊細さを持ち味に、市井の人々の営みを描き続ける青☆組。
 最新作は、少しふしぎ(SF)な「未来の昔話」シリーズ。日本古来の伝承をモチーフに描く、男と女の物語。
 あなたの心の琴線をそっとなでる、大人の為の官能的なおとぎ話をお届けします。
 ≪ここまで≫

 役者さんの中では数年ぶりに故郷に帰ってきた兄(井上裕朗)と、父が幼かった頃の学校の先生(渋谷はるか)が良かったです。

 ここからネタバレします。

 過去公演のポストパフォーマンストークで、徳永京子さんが「湿り気のある空気をオカキを食べる乾いた音が中和していた」といった感想を述べられていたんです。この作品でもそれを思い出しました。最後の方でポリポリと音のなるお菓子を食べる場面がありましたよね。

出演:荒井志郎、藤川修二、大西玲子、(-以上、青☆組)、小瀧万梨子(青年団)、田村元、渋谷はるか(文学座)、佐々木美奈、吉田圭佑、井上裕朗
脚本・演出:吉田小夏 舞台監督:森山香緒梨 舞台美術:濱崎賢二(青年団)  照明:伊藤泰行  音響:泉田雄太・杉山碧(La Sens) 劇中歌 作詞・作曲:吉田小夏 演出助手:松本ゆい 宣伝美術:空  宣伝写真:chara*coco*  制作:岩間麻衣子  企画サポート:福寿奈央(青☆組) 主催・企画制作:青☆組./.(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 技術協力:鈴木健介(アゴラ企画)  制作協力:堤佳奈(アゴラ企画)
【休演日】1月13日(月)【発売日】2013/12/01 【一般】予約/前売 3,200円  当日3,500円 【前半割引*】対象期間 <1月10日(金)~12日(日)>予約/前売 のみ ・・3,000円【学生・シニア(65才~)】 予約/前売/当日・・・2,800円(要身分証明書)【中高生】 予約/前売/当日2,000円(要学生証) 全席自由席・整理番号付 シニアチケットは、65才以上の方を対象とした割引チケットです。 学生・シニア・中高生のチケットは、当日学籍や年齢のわかるものをご提示ください。
トークゲスト発表
1月10日19:30・・・古川貴義 (箱庭円舞曲 主宰)
1月12日18:30・・・尾身美詞 (青年座/On7)+On7女優陣
1月14日19:30・・・近藤芳正 (俳優)
1月15日19:30・・・組員 (青☆組 劇団員)
http://www.aogumi.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:41 | TrackBack

【オーディション】オフィスコットーネ「8月公演『密会』出演者募集」※2/14〆切(郵送のみ)

 大竹野正典さん(2009年没)の戯曲を連続上演しいるオフィスコットーネが、8月公演『密会』の出演者オーディションを実施します。演出は日澤雄介さん(劇団チョコレートケーキ)。詳細は公式サイトでご確認ください。

 大竹野さんは2009年に亡くなった関西の劇作家・演出家です。
 ⇒関連サイト「くじら企画
 ⇒fringe blog「大竹野正典さん、逝く
 ⇒中西理の下北沢通信(旧・大阪日記)「大竹野正典氏が逝去
 ⇒前回公演「山の声

 ●オフィスコットーネ『密会』
  8月14日~18日@ザ・スズナリ
  作:大竹野正典 演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
 ・オーディション
  実施日:2014年2月21日~24日 
   ※舞台の本番中の方は時間帯の応相談
  場所:都内スタジオ
  募集対象:
   25歳~35歳ぐらい 女優2名
   30歳~50歳ぐらい 男優2名
  応募資格:
   2014年7月からの稽古に参加できる方。
   大竹野正典作品もしくはオフィスコットーネプロデュースを観劇していること。
  〆切:2/14まで(郵送のみ)

  ※オフィスコットーネアナザー公演「サヨナフーピストル連続射殺魔ノリオの青春」が2014年2月6日(木)~11日(祝)に上演されます。

Posted by shinobu at 18:36 | TrackBack

【稽古場レポート】うずめ劇場『砂女←→砂男』[1]演出家ペーター・ゲスナーさんインタビュー

 うずめ劇場『砂女←→砂男』の稽古場にお邪魔し、劇団主宰の演出家ペーター・ゲスナーさんにインタビューをさせていただきました。この公演は『砂女』『砂男』と題された新作2本を交互上演する企画で、ゲスナーさんは安部公房作「砂の女」を戯曲化した『砂女』を演出されます。『砂男』の演出は少年王者舘の天野天街さん。

 ゲスナーさんは旧東ドイツ生まれのドイツ人で、2008年から2011年まで調布市せんがわ劇場の芸術監督を務められ、現在は2004年から教鞭を執っている桐朋学園芸術短期大学の教授でいらっしゃいます(⇒Wikipedia)。ゲスナーさんの日本における演劇人生の集大成となる、『砂女←→砂男』について詳しく語ってくださいました。

 ●うずめ劇場『砂女←→砂男』 ⇒稽古場レポート
  2014/02/07(金) ~11(火)@ザ・スズナリ
  「砂女」原作=安部公房 構成・演出=ペーター・ゲスナー
  「砂男」原作=E.T.A.ホフマン 脚本・演出=天野天街(少年王者舘)
  「砂女←→砂男」オリジナルテーマソング『今日』(歌=UA 作曲=坂本弘道)
  ⇒CoRich舞台芸術!で予約できます。※1/31までチケプレ実施中!
   両作品ともに前売4500円。2公演通し券6800円だと2200円もお得!
   2/7(金)14:00開演の『砂男』は公開ゲネプロで一律3000円です。
   半券提示で割引になる飲食店あり。詳細は劇団にお問い合わせ下さい。

 【写真:ペーター・ゲスナーさん】
suna_Peter1.jpg

 ―新作2本立てで公演期間が5日間の小劇場公演(会場は下北沢のザ・スズナリ)というと…確実に赤字ですよね(笑)。なぜこのような企画を?
 ゲスナー:ひとことで言うと、昨年、私が50歳になったから(笑)。日本に来てちょうど20年になります。その間にせんがわ劇場や桐朋学園で日本のために働いてきました。セゾン文化財団の助成金をいただいて外国に行っていた期間もあり、私が主宰する劇団うずめ劇場の活動があまりできなかった。これを機に戻ろうと思ったんです。
 私が20年間、日本で何をしていたのか。この公演はその意味であり、まとめでもあります。私は日本演劇界における外国人の演劇人として、自分を実験用のモルモットのようにして、大失敗をしながらも色んなことをやってきました。過去には劇団黒テントにユダヤ系アメリカ人がいましたが、もう亡くなっています。せんがわ劇場や桐朋学園で働くのも外国人としては私が初めてでしたから、私はいわば旅人、発見者、パイオニアといった存在。そんな自分が外国の演劇と日本の演劇のどこが一番面白いか、何を試してみたいかをまとめてみた結果が、この企画です。

 ―日本の小説をドイツ人であるゲスナーさんが演出し、ドイツの小説を日本人の天野天街さんが演出する“日独対決”になっていますね。チラシも2種類あります。
 ゲスナー:普段ならチラシは1種類しか作らないんですが、全く違う2作品を上演するので2種類作りました。和風と洋風で違うデザインになっています。和風はご覧のとおり天野さんによるデザインです。洋風の表側はあるカメラマンのオリジナル写真で、ちゃんと使用料をお支払いしています。オリジナル・テーマ・ソングも作りました。作曲はチェリストの坂本弘道さん。歌はUAさんに歌っていただきます。坂本さんは天野さんが演出する『砂男』の舞台で生演奏もします。

 【写真:2種類のチラシ】
suna_flyer.JPG

 ―もう一人の演出家に、天野天街さんを迎えた理由を教えてください。
 ゲスナー:天野さんはアングラ演劇のジャンルに入る演出家ですが、決して古臭くありません。また彼はアングラ演劇だけでなく、歌舞伎や能の型や様式、約束事も全部使っています。それでいて怖いぐらいモダンに見えることもある。彼は日本ならではの術を使ってる。私はその演劇に一番興味があります。
 アングラ演劇はどこか古臭いとか、もう終わったなどと解釈するのはもったいない。日本の若い演劇人たちに一番パワーがあった時代の演劇です。テントを作ったりもしていましたよね。でも今の小劇場では自分の友達と集まって小さな世界を作ってばかり。あのパワーは誰がどうやって引き継いでいくのかと思っていたら、彼がいた。天野さんはアングラ演劇と現代の演劇をつなぐ人。私はそのミッシング・リンクを見つけた気持ちです。
 日本の演劇評論家から認められるかどうかはわからないけど、私はヨーロッパの演劇評論家として、彼を高く評価します。20年間日本の舞台を観てきて、天野さんはとてもハイレベルな仕事をしていると思うから。

 ―なぜ安部公房の小説「砂の女」を舞台化することにしたんですか?
 ゲスナー:「砂の女」は私の母の本棚にあって、14歳の時に初めてドイツ語で読みました。それ以来ずっと頭にあり、内容もはっきり覚えています。「砂の女」のストーリーは、20年間日本にいた自分が、今一番表現したいことにフィットしているんです。たとえば主人公が自分に似てる。私は今、彼と同様に砂の中(=日本)にいるようなものです。
 日本に来たら上演してもいいと思っていたんですが、演出のいい形をずっと見つけられなかった。舞台上に砂が必要だと思ってたから。でも砂は…すごくやりにくいんですよね(苦笑)。やっと違う方向性を見つけたので、やれることになりました。
 『砂女』の台本は、小説「砂の女」を劇団員と実際に演じてみながら作っていきました。完成まで1年間以上かかりましたね。今からもまた少し変える予定です。

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 ―もう1本にホフマン作「砂男」を選んだ理由は?
 ゲスナー:50歳になり改めて感じているのは、何事もプラスに動けばマイナスも生じるということ。世界にはいつもその反対側があるということ。その2つの中間にいながら働きたいと思っているんです。だから直球ですが、一方が『砂女』なら、その反対は『砂男』だなと(笑)。外国人と日本人というのも二項対立です。ゲスナーがプラスなら天野はマイナス、その逆も然り。男と女、汚いと綺麗、西洋と非西洋など、相反するものの中間で全てが動いているということに興味があります。

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 ―ゲスナーさんが演出される『砂女』について、もう少し詳しく教えてください。
 ゲスナー:「砂の女」も「砂男」もそうですが、1人の男性主人公が旅に出るといったストーリーは割合に多いんです。日本には私小説という伝統がありますね。村上春樹も日本でよく上演されるカフカも、ある意味、私小説です。安部公房もカフカに近いんですよ。そして彼は満州生まれで、日本の島国文化だけじゃなく大陸文化も持っている。また、三島由紀夫と同じくヨーロッパ文化をすごく勉強していて、「砂の女」にはヨーロッパのキリスト教的な考えも入っています。私が面白いと思うのは、安部公房の見方が日本的なだけじゃなくて西洋世界風でもあること。両者をつないで働いているところが私に似てると思うんです。

 この世界でうまく生きてきて繁栄した人類は、だんだんと周囲(=自然)がどうでもよくなって自己中心的になり、世界への理解が薄れ、自然から離れていったという解釈があります。安部公房の作品には日常とは違う世界がいつも出てくる。それは人間が人間だけでは生きられないことを表しています。たとえば戯曲『友達』では主人公の家に急に他者が大勢入り込んできて、まるで津波みたいに主人公の生活を奪ってしまう。2011年の津波は突然2万人の命を奪いました。これが自然の強さですよね。実は100年前に同じことが起こっていたのに、人間はそれを無視していました。そう考えると、2万人の死は果たして津波のせいなのか、それとも人間の罪なのか。自然とともに生きることは残酷です。それは「砂の女」における砂の中で生活する2人も同じ。砂の大波が来たら死ぬ可能性があるから、あの小説の中では自然は無視できない存在なのです。

 【写真:『砂女』イメージ写真(引用元)】
suna_image.png

 ―『砂男』について、もう少し詳しく教えてください。
 ゲスナー:「砂の女」における砂の中での暮らしには原始的な面があり、ある意味で東京のモダンな生活から過去の生き方に戻っていく話と言えます。『砂女』は日本の新劇のように人間関係をしっかり描く演出をします。「砂男」はその逆で、人間が機械のようになっていくので、未来に進む話と言えます。天野さんのお芝居では俳優が機械みたいにしゃべりますから、『砂男』は台本の中身だけじゃなくて演技形式も似たものになりますね。
 これから時代は一体どっちにいくのでしょうか。「砂の中の過去」に戻るのか、「機械の未来」に進むのか。お客さんとともにある本番は紛れもなく「今」なので、過去、現在、未来という3つの点をぐるぐると行ったり来たりするような公演になります。ちなみにUAさんが歌う曲のタイトルは「今日」です(笑)。

 ―出演者オーディションを3度も実施されました(関連エントリー⇒)。昨年5月から参加している俳優もいる長期に渡る企画で、本番用の稽古以外に合宿やワークショップへの参加も必須という珍しい募集概要だったと思います。
 ゲスナー:私は時々自分が講師をするワークショップを開催しています。2日間のうちに発表も行う、いわば小さな勉強会です。でも私と天野さんという2人の演出家と仕事をするためは、私の指導だけでは全然足りないんです。日本の俳優は自分の所属する集団内に沈んでいて、あまり変化することもなく、「あれはできるけど、これはできない」という状態に甘んじている(本来はあれもこれもできるべき)。俳優としての意識を強く持ってもらわなければいけません。そして私だけが指導するのでは意味がないんです。個人差がありますし、好みも相性もありますから。また、他の講師によるワークショップを私が見られれば、参加者の振るまいから彼らのことを知ることができ、私の方からも俳優たちに近づくことができます。

 【写真:シーン稽古中】
suna_schene.jpg

 ―志が高くて、贅沢な舞台創作の場を設けられたんですね。成果はいかがでしたか?
 ゲスナー:この公演の出演者は、9月に井田邦明さん(コメディアデラルテ)、10月に森田雄三さん(イッセー尾形さんの舞台の演出家)、11月に服部宜子さん(パントマイム)のワークショップに参加し、12月からは『砂女』の稽古で私の演出を受けると同時に、夕沈さんによる『砂男』のダンス指導が続いています。そして最後に天野さんがやって来る。俳優にとってはとても険しい道程です。
 俳優は時々、演出家に自分をまかせてしまうことがありますが、井田さんを好きになっても1週間でお別れ。森田さんと相性が合っても服部さんにバトンタッチ。すぐに指導者が変わるから、自分を誰かにまかせることができないんです。私はそれが俳優らしいと思います。俳優は自分の意志で動き、自分で頑張らないといけない。自分の核となる部分をしっかり持って、集団でお互いに助け合うのです。この数か月で無意識にそういうものが培われたと思います。1日で2種類の全く違う芝居をやることにも耐えられるようになり、心の準備もできたでしょう。
 日本の芸事は1人の先生に師事するものですが、色んな人の指導を受けるのは西洋風と言えます。芝居の内容だけでなく、公演の進め方、作り方も和洋折衷。私が20年間日本にいて、できたこと、できなかったことの全てが入っている企画なのです。

 ―お客様にメッセージをどうぞ。
 ゲスナー:この公演のために非常にたくさんのお金を使いました…(笑)。こんな公演を再び実現するのは不可能かもしれません。公演期間が短いから一瞬で消えることになりますので、ぜひ日程を確認してご予約はお早目に。
 人間の体力、能力をギリギリのところまで使っている作品です。うずめ劇場の本当のベストになります。もし観てみたいと興味を持ったら、今回を観に来た方がいいです!(笑) これがうずめ劇場です!!

 ※この公演終了後の予定として、ゲスナーさんは2014年10月に俳優座劇場で別役実さんの新作を演出されることが決まっています。

出演:井村昂、後藤まなみ、荒牧大道、荒井孝彦、石山慶、太田朝子、奥野美帆、キムナヲ、河村岳司、日下諭、日下範子、竹内もみ、高橋佑輔、谷原広哉、二宮彩乃、政修二郎、山村涼子
「砂女」 原作=安部公房 構成・演出=ペーター・ゲスナー
「砂男」 原作=E.T.A.ホフマン 脚本・演出=天野天街(少年王者舘)
舞台美術:石原敬 照明:桜井真澄  音響:岩野直人  映像:浜嶋将裕 音楽:坂本弘道 衣装:仲村祐妃子 宣伝美術:アマノテンガイ  ロゴ:田岡一遠  スチール:宮内勝 振付:夕沈  舞台監督:井村昂  舞監助手:伊東龍彦、村信保  演出助手:二宮彩乃、石坂雷雨 文芸担当:藤澤友 制作:佐藤武、松尾容子 主催:うずめ劇場
【発売日】2013/11/10 前売4,500円 当日5,000円 学生3,000円(要証明) 2公演通し券6,800円(団体扱いのみ) 未就学児童の入場は不可です。
http://uzumenet.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:17 | TrackBack

2014年01月13日

世田谷パブリックシアター『TRIBES トライブス』01/13-26新国立劇場小劇場

 『TRIBES トライブス(意味は“種族”)』は生まれつき耳が不自由な息子がいる家族のお話。ニーナ・レインさんという英国人劇作家の戯曲で2010年初演です。演出は熊林弘高さんで、翻訳・台本は木内宏昌さん。『おそるべき親たち』、『秋のソナタ』のコンビですね。上演時間は約2時間20分(途中1回の休憩を含む)。

 とても面白かったです!大胆さと繊細さを兼ね備えた俳優の演技をじっくり観察し、小刻みに変化する関係性を、美しい音楽とともに前のめリでノリノリになって味わい、楽しむことができました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『TRIBES トライブス

 ≪あらすじ≫ パンフレットより
 夕食のテーブルを囲む家族。父親のクリストファーは評論家、母親のベスは小説家希望。二人の間には三人の子供がいる。長男のダニエルは学者志望で論文を執筆中、長女のルースはオペラ歌手を自称しているが、二人とも一人前とはいえないパラサイト状態にある。クリストファー言うところの“クリエイティブ”志向が強い一家ではあるが、次男のビリーは生まれつき耳が不自由な青年であった。食卓で好き勝手にしゃべり続ける家族たちの中で、一人静かに座り続けるビリー。
 そのビリーがある日、家族に向かって嬉しそうに告白を始めた。好きな女性ができた、と。その女性シルビアもいずれ聴力を失う運命にあった。シルビアの登場により、家族の中にさざ波が立ち始める。両親はリップリーディング(読唇)に長けたビリーが、健聴者に代表されるような一般社会で生活することを望み、限られた世界の伝達方法である「手話」を遠ざけてきた。が、シルビアはビリーに「手話」を教え、ビリーは家族が知らないうちに、本当の意味で意志を確認しあえる自分の“居場所”を「手話」によって獲得していたのである。その事実に驚く家族。中でもビリーに深い愛情を抱くダニエルの同様は激しかった…。
 ≪ここまで≫

 急に立場が逆転するのがスリリングで、犯罪サスペンスの香りもほんのり漂ってくる、緊張感のある会話劇です。とてもいい戯曲だと思います。
 黒い鏡面の床に黒いグランドピアノがあるシャープな抽象空間で、モノトーンの衣装をまとった障がい者族と健常者族が対立…と書くと、いわゆる“とんがった翻訳劇”という印象を与えるかもしれません。でも、次々にかかる美しい音楽の選び方に遊び心があり、あえてベタを狙っているように感じて何度もニヤリとしました。ごく普通の会話劇ではありえない身体表現をどんどん繰り出して、会話に意味や背景を付加していきます。それはダンスにも見えて、言葉(手話も含む)以上に雄弁でした。まるで凝りに凝ったミュージックビデオ集を見ているような感覚にもなりました。

 ここからネタバレします。

 ピアノをダイニング・テーブルにしてカトラリーの音をわざと鳴らすようにしたり、何かと大き目の騒音をたてる動作をしたり、“音”の演出が細かいです。

 口から生まれたおばけばかりの猛獣屋敷の中で、無言の天使のような存在だったビリー(田中圭)が、恋人(中嶋朋子)と手話を獲得した上に、リップ・リーディングで経済的にも自立して名誉も手に入れたら、すさんだ暴力男に変身してしまいました。知的で可憐な中嶋朋子さんと、がたいのいい長身に静かな狂気を秘めた田中圭さんとの対比がとても良かったです。

 客席から登場した白い衣装のビリーは、やはり白い衣装のまま、客席から退場(家族の衣装は黒、シルビアは白から灰色に変化)。異なる種族はそんなに簡単に寄り添い合うことはできないですよね。安易な結末じゃないのも好み。

[出演] 田中圭(ビリー・生まれつき聴覚障害がありリップリーディングが得意) 中泉英雄(ビリーの兄ダニエル・大学教授を目指すニート) 大谷亮介(ビリーの父クリストファー・批評家) 中嶋朋子(ビリーの恋人シルビア・耳が聴こえなくなる運命にある) 中村美貴(ビリーの姉ルース・オペラ歌手のたまご) 鷲尾真知子(ビリーの母ベス・小説を書くのが趣味)
[作] ニーナ・レイン[翻訳・台本] 木内宏昌[演出] 熊林弘高[美術] 二村周作 [照明] 笠原俊幸 [音響] 長野朋美[衣裳] 原まさみ [ヘアメイク] 鎌田直樹[手話コーディネート] 米内山陽子 [舞台監督] 澁谷壽久[宣伝美術] 三堀大介 [宣伝写真] 石黒淳二 票券:菅谷舞 制作助手:永田景子 制作:清水幸代 プロデューサー:浅田聡子
【休演日】1/20【発売日】2013/11/09 全席指定  一般 A席6,500円/B席4,000円 高校生以下 一般料金半額(世田谷パブリックシアターチケットセンター店頭&電話予約のみ取扱い、年齢確認できるものを要提示) U24 一般料金半額(世田谷パブリックシアターチケットセンターにて要事前登録、登録時年齢確認できるもの要提示、オンラインのみ取扱い、枚数限定) 友の会会員割引 A席6,000円  せたがやアーツカード会員割引 A席6,200円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/01/tribes.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:43 | TrackBack

2014年01月12日

うずめ劇場「森田雄三ワークショップ」10/19楽ちん堂CAFE

 2014年2月公演『砂女←→砂男』に向けて、演出家のペーター・ゲスナーさんが主宰するうずめ劇場は、参加俳優のワークショップを行いました(オーディション告知エントリー⇒)。
 そのうちの1つである森田雄三さんのワークショップを、2013年10月に見学させていただきました。会場こんなところ。以下、発表会と懇親会が終わった後の簡単な感想です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『砂女←→砂男

 「口から言葉が出たかと思うと、自分のことしか話さない。実際に自分のことしか考えていない、自分勝手な若者でしかない。しかも生きようとする動機が弱弱しい。人前では泣けても一人暮らし中の家の中では泣けない。そんな状態のくせに、人間とともに居ないと、誰かとつながっていないと、生きていけない。でもそれを伝えることができない。
 そんな滑稽な人類でも、生まれながらに備わっているものは、やはり美しく悲しく滑稽で、そして可愛らしくて面白い。笑いを生むぐらいの価値はある。だったらそのまま、ありのままの自分をさらけ出して、自分勝手に生きればいいじゃないか。他人に頼って、謝って感謝して、自分の思い通りに。ただし、自分で選択をして。」
 そんな、ワークショップだったかと。

 「恋愛にもセックスにも夢を持てない若者は、どうやって生きることを選べばいいのか。その選択肢のひとつは、演劇。」
 これにも共感した。

出演:井村昂、後藤まなみ、荒牧大道、荒井孝彦、石山慶、太田朝子、奥野美帆、キムナヲ、河村岳司、日下諭、日下範子、竹内もみ、高橋佑輔、谷原広哉、二宮彩乃、政修二郎、山村涼子
「砂女」 原作=安部公房 構成・演出=ペーター・ゲスナー
「砂男」 原作=E.T.A.ホフマン 脚本・演出=天野天街(少年王者舘)
舞台美術:石原敬 照明:桜井真澄  音響:岩野直人  映像:浜嶋将裕 音楽:坂本弘道 衣装:仲村祐妃子 宣伝美術:アマノテンガイ  ロゴ:田岡一遠  スチール:宮内勝 振付:夕沈  舞台監督:井村昂  舞監助手:伊東龍彦、村信保  演出助手:二宮彩乃、石坂雷雨 文芸担当:藤澤友 制作:佐藤武、松尾容子 主催:うずめ劇場
【発売日】2013/11/10 前売4,500円 当日5,000円 学生3,000円(要証明) 2公演通し券6,800円(団体扱いのみ) 未就学児童の入場は不可です。
http://uzumenet.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:02 | TrackBack

2014年01月10日

【オーディション】LAUSU(ラウス)「5月俳優座劇場公演の出演者オーディション」※1/17(金)18時〆切(メールのみ)

 川田希さんと吉田隆太さんのプロデュースユニットLAUSU(ラウス)の第一回公演の出演者募集です。川田さんは女優でもありプロデューサーでもあります(関連エントリー⇒)。吉田隆太さんは元Studio Lifeで、今は空想組曲の制作者です。

 ●LAUSU(ラウス)第1回公演05/14-18俳優座劇場
  脚本:大森美香(映画「宇宙兄弟、ドラマ『東京バンドワゴン』)
  演出:千葉雅子(猫のホテル)

 ・オーディション日時:2014年1月下旬
  応募資格:18歳以上の男女
  〆切:1/17(金)18時〆切(メールのみ)
  詳細は画像↓をご覧ください。

20140110_lausu1.jpg

Posted by shinobu at 12:59 | TrackBack

2014年01月09日

劇団東京乾電池『かもめ』01/07-12ザ・スズナリ

 劇団東京乾電池の『かもめ』を拝見。演出は女優の角替和枝さん。上演時間は約2時間10分休憩なし。

 原作に忠実なセリフ劇で面白かったー!ニーナを田舎くさくて純朴な凡人にして、古典悲喜劇を観客側にグッと引き寄せます。そして全体をニーナ(=かもめ)の物語と印象づける工夫のおかげで、とてもわかりやすい『かもめ』になっていました。

 使われていた神西清訳『かもめ』は、青空文庫で読めます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『かもめ』※こりっちでカンタン予約!
 レビューはネタバレ前まで。

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 芸術の革新を夢見る若手劇作家トレープレフと、恋と名声にあこがれる女優志望の娘ニーナ。
 トレープレフは、恋人のニーナを主役に、新しい形式の劇を上演することにする。
 しかし、トレープレフの母である大女優のアルカ―ジナと、その恋人で流行作家のトリゴ―リンは、まったく彼を理解しようとしない。
 トレープレフは、田舎暮らしを嫌うアルカ―ジナの兄ソーリンに母への鬱屈した思いや、芸術の革新の必要性について語る。
 ソーリン家の領地内、湖と地平線の眺めが広がる急設された仮舞台で、トレープレフの劇がいよいよ幕を開ける。
 ≪ここまで≫

 ところどころダンボールを使った抽象空間に、具象の衣装、小道具、家具を用いて場面転換。安っぽいかと思いきや、衣装や道具が豪華でうっとり。アルカージナのドレスのレース使いがツボ♪ヘアメイクもしっかり。
 演技スペースを舞台前と奥に分け、ストーリーは基本的に前部分で進み、奥の通路を使って場面の意味を補完したりプラス・アルファしたりします。

 出演者の演技にバラつきはありますが、心情や関係性に、登場人物が戯曲の中で果たすべき役割がくっきり表れていました。演出にはっきりとした意図があり、芯が通っているからだと思います。

 ニーナは服のセンスも悪く、お世辞にも美しいとはいえない少女として登場。その親しみやすさがミソだったんですね…!おかっぱ頭に丸メガネのキモくてダサいトレープレフの愚直さが魅力的。温厚そうでいて優柔不断ゆえにずるいイケメンのトリゴーリンが、執筆について本気で悩んでいることに共感できたのは収穫。アルカージナはわがままで愛らしくてプライドの高いゴージャスな大人の女優であることをキープしつつ、恋人を自分のものにするためには知能犯にも野獣にもなる、女の本性をさらけ出してくださいました。

 ここからネタバレします。

【出演】アルカ―ジナ:宮田早苗 ニーナ:松元夢子 トレープレフ:岡部尚(ダブルキャスト:川崎勇人) トリゴ―リン:嶋田健太 ドールン:谷川昭一朗 ソーリン:伊東潤 マーシャ:吉川靖子 メドヴェージェンコ:山地健仁 シャムラーエフ:吉橋航也 ポリーナ:麻生絵里子 小間使い:鈴木千秋 ヤーコフ:本田彰秀 料理人:飯塚祐介
脚本:A・チェーホフ 訳:神西清 演出:角替和枝 舞台監督:戸辺俊介 照明:日高勝彦 音響:原島正治 舞台美術:柄本明 衣装:鈴木千秋 宣伝美術:血野滉修、山肩重夫 演出助手:沖中千英乃、太田順子、鈴木一希 企画:高田恵美 協力:ノックアウト 制作・主催:劇団東京乾電池
【発売日】2013/10/19 前売3000円、当日3500円
http://www.tokyo-kandenchi.com/2014kamome.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:32 | TrackBack

俳優座劇場プロデュース『音楽劇「わが町」』01/08-12俳優座劇場

 有名な米国戯曲『わが町』を音楽劇に。評判は耳にしていまして、再々演でやっと拝見。3演目で開幕前に前売り完売なんて大人気なんですね。これから4月末ごろまで演劇鑑賞会のツアーが続くようです。

 『わが町』はやはり名作。何度も観てるのに涙してしまいます。上演時間は約2時間45分(途中休憩10分と5分の2回を含む)。初日は2800円で超お得でした♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『音楽劇「わが町」

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 アメリカ・ニューハンプシャー州の小さな町グローヴァーズ・コーナーズ。ギブズ医師の息子ジョージと、隣に住む地方新聞の編集長ウェブ氏の娘エミリーは幼馴染み。穏やかで誠実な両親や町の人々に見守られ成長した二人は互いに恋をし、やがて結婚の日をむかえる。結婚式は町のみんなに祝福され新生活は幸せに満ちていた。だが9年の歳月が過ぎたとき、二人に思いもよらない出来事が訪れる……。
 ≪ここまで≫

 エミリーの家が下手側で、ジョージの家が上手側でした。これまでに観た『わが町』と上下(かみしも)が反対で新鮮でした。

 楽曲の種類が似た感じのものが多くて、ちょっと飽きが来ちゃったかな~。間奏の時間を演技で埋めるのが難しそうですね。

 ここからネタバレします。

 「…太陽系、宇宙、神の御心」で必ず泣いてしまいます。

俳優座劇場プロデュースNo.93 俳優座劇場60周年
出演:土居裕子(エミリー・ウェブ)、原康義(進行係・ストロベリーソーダ屋・神父)、粟野史浩(ジョージ)、瀬戸口郁(ギブズ医師)、麻乃佳世(ギブズ夫人)、川井康弘(ウェブ氏)、花山佳子(ウェブ夫人)、保可南(レベッカ・ギブス)、茜部真弓(ジョー・クローウェル、ウォーリー・ウェブ、サイ・クローエル)、岡のりこ(ソームズ夫人)、金子由之(酔っ払いのサイモン・スチムソン)、金成均(牛乳屋ハウイ・ニューサム・ウィラード教授)、藤側宏大(ワレン巡査) ピアノ演奏:佐藤拓馬
脚本:ソーントン・ワイルダー 翻訳:鳴海四郎 演出:西川信廣 音楽:上田亨 作詞:宮原芽映 美術:二村周作 照明:桜井真澄 音響:山北史朗 衣裳:山田靖子 ステージング:室町あかね 舞台監督:泉泰至 演出助手:道場禎一 歌唱指導:北川潤 満田恵子 企画制作:俳優座劇場 大道具:俳優座劇場舞台美術部 森島靖明 小道具:高津映画装飾 中村エリト 衣裳:東京衣裳 吉野真理子 履物:神田屋 運搬:マイド 牧野雄治 宣伝写真:玉川豊 宣伝美術:ミネマツムツミ
一般5600円 ★ハーフチケット2800円(1月8日) グリーンチケット[学生]2800円(俳優座劇場のみ扱い)
http://www.haiyuzagekijou.co.jp/schedule/?ca=1

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:52 | TrackBack

【写真レポート】韓流ぴあ/ヤマハ株式会社『韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク~キム・スンデ&チョン・ドンソク~』記者会見12/19ヤマハホール

 「韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク」第3弾はキム・スンデさんチョン・ドンソクさんお2人のコンサートで、2日連続の計2ステージ上演でした(⇒情報掲載 ⇒第1弾第2弾)。

 残念ながら本番は鑑賞できず、初日開演前に行われた記者会見にのみお邪魔しました。⇒お2人ご出演のコンサートのレビュー ⇒チョン・ドンソクさんインタビュー(ミュージカル『ウェルテルの恋』)

 日本での活動開始からちょうど1年経ち、2人だけの本格的なコンサートが初めて実現したそうです。お話を拝聴して興味がわいたのでロビーでCDを購入。日本版はDVD付きです。

Two Of Us ~歌ある限り~ 日本盤
キム・スンデ&チョン・ドンソク
ワーナーミュージック・ジャパン (2013-08-28)
売り上げランキング: 193,163

 ●キム・スンデさんプロフィール:1980年生まれ。合気道2段、格闘技3段の有段者。体育大学への進学を考えていたところ、偶然に演劇・映画学科の入試説明会に参加することになり、大学の演劇科に進学。“演劇中毒者”と呼ばれるほどの徹底したキャラクター分析による演技は国内外で高く評価されている。

 ●チョン・ドンソクさんプロフィール:1988年生まれ。高校時代から声楽を学び、韓国芸術高等学校在学中の2009年に『ノートルダム・ド・パリ』でミュージカル・デビュー。優れた美貌と歌声で次々と話題作に出演。韓国と日本での活躍が最も期待される俳優の1人。

【写真左から:ドンソクさんとスンデさん(C)韓流ぴあ】
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 司会:日本で初めての2人でのコンサートへの意気込みは?
 スンデ:まさか日本で今日、このようなステージでコンサートができるとは思っていませんでした。感慨無量です。「これから少しずつがんばって活動していって、1年後には日本でコンサートができるようになったらいいね、必ず実現しようね」と、事務所の方々と約束したのがちょうど1年前。正確に1年後に、こうして2人でステージに立つことができて本当に嬉しく思いますし、感動しています。
 ドンソク:まず、このようなコンサートができることを本当にありがたく思っています。日本でこのようなステージに立てることには、大きな意味があると思います。長い間、スンデさんと一緒に活動してきて、ぶつかり合うこともありましたが、助け合ってきました。その2人で日本でコンサートができるのが本当に嬉しいですし、幸せに思っています。ありがとうございます。

 司会:ぎりぎりまで選曲を迷われていたようですね。今回の選曲のポイントは?
 スンデ:今年の10月にCDを発売し、そのプロモーションで日本に来た際に、この度のコンサートのお話をいただきました。それから長い時間かけて選んだんです。世界的に有名な曲もありますし、年末なので温かい気持ちになれるようなクリスマス・ナンバーもあります。韓国の情緒を感じていただけるような、そして韓国のミュージカルを紹介できるような選曲もしました。1つのジャンルに偏らず、さまざまな曲をお聞かせできるようにしました。期待していただいていいんじゃないでしょうか。
 ドンソク:期待してください!

【写真:スンデさん(C)韓流ぴあ】
seungdae1.jpg

 司会:今回のコンサートは1人ずつのソロはもちろん、2人のコラボレーションを楽しめるのも大きなポイントだと思います。どういったところが見どころですか?
 ドンソク:2人の声質が全く違うので、合わないんじゃないかと思われるかもしれません。でも逆に、違う声質がぴったりと重なった時に、すごい相乗効果があらわれると思っています。最初から似た声質であれば練習量も少なくていいと思うのですが、私たちのように違う声質の場合は、すごく練習を重ねなければなりません。最初はぶつかり合っていた声が、だんだん合ってくると、そのハーモニーは素晴らしい相乗効果を生むと思います。今日のデュエット曲には皆さんがよく知っている曲を選びましたので、2人の声質がどのように混ざり合うかを、ファンの皆さんに楽しんでいただけると思います。自分たちも心配せず本番を迎えようと思っています。

【写真:ドンソクさん(C)韓流ぴあ】
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 質問:お2人が初めて会った時の第一印象と、いま感じているそれぞれの魅力を教えてください。
 スンデ:第一印象についてはドンソクさんにお譲りしようと思います。ドンソクさんは後輩であり友達でもある、他には居ない特別な存在です。偶然なのかどうかはわかりませんが、同じ作品の同じ役柄を演じることが多かったので、役に対する思いや悩みを2人でよく話し合っていました。そうやって凄く分かり合えたと思います。お互いがそれぞれにないものを持っていますので、私に足りない部分をドンソクさんがフォローし、ドンソクさんが持っていないところを私がフォローする。足りないものを補い合っているので、2人で一緒にやるとより素晴らしいものが生まれる。そういう関係です。
 ドンソク:最初の出会いはとても強烈だったんです。2人とも海兵隊出身なのですが、それを知っていたのは僕の方だけでした。韓国の海兵隊出身者は後輩が先輩をちょっと怖がる傾向がありまして、自分もそうだったので、最初はスンデさんのことを避けていたんです。そのうちにスンデさんが僕も海兵隊出身だと知り…その後はご想像にお任せしたいと思います(笑)。

【写真:スンデさん(C)韓流ぴあ】
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 質問:このコンサートはファンクラブ1周年記念イベントでもあります。日本のファンの印象はいかがですか?
 ドンソク:ファンの方々の印象は、日本と韓国とでは本当に違うと感じています。韓国の場合はアピールするパワーが強いんですが、日本は気遣いの心が凄いなと思います。公演が終わった後、韓国のファンの方々は近づいて来て握手を求めたり、「サインを書いてください」と言って来ることが多いんですが、日本のファンの方々は「(僕の)邪魔をしてしまうんじゃないか」という気遣いをしてくださって、遠くから見守っているようで、それが本当に印象深かったんです。日本人はそういう思いやりや気遣いの心が強いと聞いてはいたんですが、ファンの方々までそんな配慮をしてくださると知って、すごくびっくりしました。最初は好かれていないんじゃないか、嫌われているんじゃないかと思ったほどでした。公演中も、拍手が少なくて「どうしたのかな、今日はうまくいったはずなんだけどな…」とちょっと不思議に思ったりしたんですけれども、きちんと歌を聴いてから拍手をする配慮の心だったと、後から知りました。韓国も日本もファンの方々にはそれぞれのいいところがあるんじゃないかなと思っています。

【写真:ドンソクさん(C)韓流ぴあ】
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 質問:今後の日本での活動予定は?
 スンデ:まだ具体的な予定はありません。日本での2人の本格的なコンサートは今日が初めてですし、あせって決めたりするのではなく、皆さんに歌や演技を披露しながら、ちょっとずつ活動をしていって、できるだけたくさんの人たちに観ていただけるように努力していきたいと思います。さっき「本当に2人で頑張っていかなければいけないな」と、ラーメンを食べながら誓いました(笑)。応援してください。

 司会:今後のお2人の韓国でのご予定を簡単にご紹介します。スンデさんは来年2月まで三谷幸喜原作の演劇『笑の大学』に出演、創作ミュージカル『HERO』にも出演されます。ドンソクさんは日本でも上演された創作ミュージカル『太陽を抱く月』の来年の再演が決定しました。

【写真左から:ドンソクさんとスンデさん(C)韓流ぴあ】
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●12/19(木)セットリスト
1. Any Dream Will Do(From ヨセフ・アンド・ザ・アメイジング・テクニカラー・ドリームコート)
2. Close Every Door(From ヨセフ・アンド・ザ・アメイジング・テクニカラー・ドリームコート)
3. 最後のダンス(From エリザベート)
4. 足を踏み出すことができなければ(From ウェルテルの恋)
5. 私の愛、スジョン(From 我が心のオルガン)
6. Der Mann. Der Ich Einst War(From モンテ・クリスト伯)
7. Music Of The Night(From オペラ座の怪人)
8. Now And Forever(リチャード・マークス)
9. 魔王(フランツ・シューベルト)
10. I(From Yiruma)
11. Perhaps love(ジョン・デンバー)
12. クリスマス・イブ(山下達郎)
13. Last Christmas(ワム!)
・アンコール
14. This Is The Moment(From ジキル&ハイド)
15. Le Temps Des Cathedrales (From ノートルダム・ド・パリ)
16. 闇が広がる(From エリザベート)

Musical Concert &Talk Kim Seung Dae & Jeon Dong Suk
韓流ぴあ/ヤマハ株式会社『ファンクラブ 1st ANNIVERSARY LIVE キム・スンデ&チョン・ドンソク CHRISTMAS CONCERT』
出演:キム・スンデ & チョン・ドンソク 演奏:小島亜紀子(ピアノ)、小久保里沙(パーカッション)、他 MC:古家正亨 通訳:河井佳 
発売日:一般発売 11月5日(火)10:00~ 料金:全席指定8,500 円(税込)
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1345932


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:07 | TrackBack

2014年01月06日

2013年しのぶの観劇ベストテン

2013_best10.jpg
2013年の総決算

 2013年のしのぶの観劇ベストテンを発表します。お先にwonderlandの「今年の3本」に参加させていただきました。
 ベストテンは「CoRich舞台芸術アワード!2013」にも投票します。日本劇団協議会の会報紙「join」の「私が選ぶベストワン2013」、「シアターアーツ2013年年間回顧」にも参加予定です。
 ご参考:シアターリーグ「新聞の2013年演劇回顧

 ※2013年の観劇本数は243本(内、同じ作品を3回観たのは1公演、同じ作品を2回観たのは3公演、ダブルキャストで両公演観たのが1公演、ゲスト出演者違いで2回観たのが1公演)。

■メルマガ号外■ ※初日の早い順。

・メルマガ号外 モジョ ミキボー上演委員会『モジョ ミキボー』(再演)
・メルマガ号外 クロムモリブデン『連続おともだち事件
・メルマガ号外 ハイバイ『』2013年版
・メルマガ号外 演劇ユニットてがみ座『地を渡る舟-1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち
 ※メルマガ号外を出したかったのに、時間も余裕もなくて出せなかった公演⇒ナイロン100℃『わが闇(再演)』


■心に残る10本■ ※初日の早い順。 ※号外を発行した公演を除く。
・テアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)
・イキウメ『獣の柱
・SPAC・静岡県舞台芸術センター『黄金の馬車』
・Runs First『帰郷 The Homecoming』
・彩の国さいたま芸術劇場『ザ・ファクトリー3 さいたまゴールド・シアター×瀬山亜津咲 ワーク・イン・プログレス公開』 
・葛河思潮社『冒した者』
・ヨーロッパ企画『建てましにつぐ建てましポルカ』
・Doosan Art Center Produce・東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『가모메 カルメギ
・こまつ座&ホリプロ公演『音楽劇「それからのブンとフン」』
・渡辺源四郎商店『イタコ探偵工藤よしこの事件簿』
次点:こまつ座&ホリプロ『木の上の軍隊』(蓬莱竜太さんの脚本に)


■日本劇団協議会機関誌「join」80号特集「私が選ぶベストワン2013」■ ※2014/04/06加筆

・舞台
 Runs First『帰郷 The Homecoming』

・女優(対象となる舞台)
 工藤由佳子(渡辺源四郎商店『オトナの高校演劇祭「ひろさきのあゆみ~一人芝居版」』、渡辺源四郎商店『イタコ探偵工藤よしこの事件簿』)

・男優(対象となる舞台)
 浅野雅博(モジョ ミキボー上演委員会『モジョ ミキボー』(再演)、Runs First『帰郷 The Homecoming』、世田谷パブリックシアター『「ジャンヌ」―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実―』、俳優座劇場プロデュース『もし、終電に乗り遅れたら…』 )

・演出家(対象となる舞台)
 小川絵梨子(名取事務所『ピローマン』、新国立劇場『OPUS/作品』、Runs First『帰郷 The Homecoming』)

・スタッフ(分野・対象となる舞台)
 伊藤佐智子(衣装)
 (Bunkamura『マクベス Macbeth』)

・団体(理由)
 SPAC・静岡県舞台芸術センター
 (「ふじのくに⇄せかい演劇祭2013」の開催、オリジナル作品の新創作、レパートリー作品の再演・海外ツアー、中高生鑑賞事業を評価する。)

・戯曲(作家名)
 『木の上の軍隊』(蓬莱竜太)

・ノンジャンル※海外国内問わず、すべての舞台芸術から1作品
 Doosan Art Center Produce・東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『가모메 カルメギ』


▼演劇関連のお仕事▼
・「CoRich舞台芸術まつり!2013春」審査員(初回より7年連続)。
・劇作家女子会×時間堂presents『劇作家女子会!』6月14日(金)19時30分の回終演後のトークにゲスト出演
・intro『わたしーTHE CASSETTE TAPE GIRLS DIARY』7月19日(金)19時30分の回終演後のトークにゲスト出演
・TACT/FEST 親子クリティック
・高校演劇/東京都山手城南地区大会の審査員 ⇒都大会では都立片倉高校のみ拝見
・【登壇します】日本文化政策学会第7回研究大会企画フォーラム「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場を考える ~文化政策の視点から~」12/01(日)午前9:30-11:10東京芸術劇場中リハーサル室1  ⇒終了のご報告
・【お知らせ】公益社団法人国際演劇協会日本センター「高校生劇評グランプリ」の選考委員をつとめます


▼執筆▼
・「SPT 09 特集 本棚のなかの劇場「劇的なる本」235冊


●稽古場レポート
・テアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』03/15都内某所


●記者発表
・韓国ミュージカル『ウェルテルの恋』 ⇒プレスツアー参加報告  ⇒チョン・ドンソクさんインタビュー  ⇒キム・ダヒョンさんインタビュー  ⇒演出家インタビュー  ⇒韓国公演初日レビュー  ⇒日本公演初日レビュー(ダヒョン版)
・シアター風姿花伝「10周年記念プロジェクト制作発表会」02/04シアター風姿花伝
・わらび座『ミュージカル「ブッダ」』5/7-12シアター1010 ⇒制作発表会見写真レポート
・SPAC・静岡県舞台芸術センター「ふじのくに⇄せかい演劇祭2013」6月1日~30日開催!プレス発表会記事⇒前編後編
・『芸劇eyes番外編第2弾「God save the Queen」』09/12-16東京芸術劇場シアターイースト ⇒記者・媒体関係者懇談会写真レポート
・『「ジャンヌ」―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実―』09/05-24世田谷パブリックシアター  ⇒制作発表写真レポート
・可児市文化創造センター・ala Collectionシリーズvol.6『秋の螢』10/10-16@吉祥寺シアター
 ⇒公演製作記者発表の写真レポート ⇒「劇場施設見学」写真レポート
・韓流ぴあ/ヤマハ株式会社『韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク~キム・ダヒョン~』10/11 YAMAHAホール
・フェスティバル/トーキョー13(F/T13)⇒「記者懇談会」写真レポート
・NODA・MAP『MIWA』10/4-11/24 制作発表記者会見写真レポート
・韓流ぴあ『韓国ミュージカル俳優コンサート&トークVol.2~キム・ジェボム~』11/14サントリーホール・ブルーローズ


●情報掲載
・Studio Life『音楽劇 アルセーヌ・ルパン カリオストロ伯爵夫人』製作発表6/15都内某所
・Studio Life「『LILIES』製作発表レポート」10/09銀座・某店舗
・Studio Life『LILIES』11月20日開幕・ゲネプロ・レポート
・かながわの伝統文化の継承と創造プロジェクト実行委員会『カナガワ リ・古典プロジェクト/2014紅葉ヶ丘』01/11-12横浜市紅葉ヶ丘地区の3つの劇場


●政治的な意見
・【意見】7月21日の参議院議員選挙で自民党に圧勝して欲しくない理由
・【記録】2013年11月26日特定秘密保護法案が衆院特別委員会で可決
・【意見】舞台芸術関係者の皆様、ぜひご一読ください⇒表現人の会「特定秘密保護法案に反対する賛同人募集


●その他
・【つぶやき】俳優の演技について(2013年4月)
・【新聞記事】岡田利規さん「21世紀現代演劇の先陣を切る」「僕らを知れば演劇が変わる」(朝日新聞フロントランナー)を読んで/「嘘」の力について
・【レポート】新国立劇場演劇「マンスリープロジェクト・トークセッション Try・Angle-三人の演出家の視点-」09/15新国立劇場小劇場
・【ご報告】東京大学見聞伝ゼミナールのサイトにインタビュー記事が掲載されました
・【速報】ソン・ギウン脚色、多田淳之介演出『가모메 カルメギ』が韓国で第50回東亜演劇賞の作品賞、演出賞、舞台美術・技術賞の三冠を受賞!

・【ON-PAM】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]「文化政策ラボ1 鈴木忠志さんとのディスカッション」06/04森下スタジオCスタジオ
・【ON-PAM】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]「第二回文化政策委員会『理想と現実のはざま~日本版アーツカウンシルの動向から考える文化行政の未来~』」09/03神奈川芸術劇場中小スタジオ
・【ON-PAM】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]「第3回文化政策委員会『公共・劇場について考えるー劇場法制定を受けて』」12/04東京芸術劇場プレイハウス・ロビー

・「しのぶの演劇レビュー」TOPで演劇関連情報の告知をしています。2013年は約114件。


▼2013年を振り返って▼

 写真↓は2013年10月27日の光化門広場(ソウル)
kokamon1.jpg

 2012年に続き、2013年もレビューが書けなかったですね…仕事が落ち着き始めた秋の終盤ごろから、やっと少し時間が取れるようになりました。今年は短い感想と記録を残すことだけでも、ちびちびやろうと思います。メルマガは今までどおり継続します。ワークショップ・オーディション情報が驚くほど好評なので、メルマガ同様、続けようと思っています。

 総観劇数243本中、メルマガの「先月のベスト3&その他」に選んだのは104本でしたので、打率的には4割2分ですね。6割打者だった時期もあるんですが、CoRich舞台芸術まつり!やTACT/FEST 2013、高校演劇地区大会、そしてフェスティバル/トーキョーなど、自分なら選ばないような作品を観る機会が増えたため、打率が下がったんだろうと思います。気づかないうちに偏ってタコツボ化しないためにも、意識的に専門分野外の観劇をしていきたいです。とはいえ、ストレート・プレイに本格的に回帰していくつもりでもいます。事あるごとに書いてきましたが、9月受けたインタビューでまたはっきりとさせることができました。俳優の演技重視の観劇姿勢は今後も続きそうです。

 観たくて複数回通った作品は4つあります。韓国ミュージカル『ウェルテルの恋』は主演のキム・ダヒョンさん目当てで2度観ました。メルマガ号外を発行したクロムモリブデン『連続おともだち事件』は、家族を連れてもう一度観に行きました。3回行ったのはテアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』(作・演出:谷賢一)です。初日観劇し、2回目でお友達を誘ってささやかな観劇の会を開いたのはRunsFirst『帰郷』(演出:小川絵梨子)。谷さんは(『従軍中の…』ではないですが)小田島雄志・翻訳戯曲賞文化庁芸術祭賞演劇部門・優秀賞を受賞され、小川さんは紀伊国屋演劇賞個人賞千田是也賞を受賞されました。お2人の今年のご活躍がとても楽しみです。
 東日本大震災と東電福島第一原発事故から2年半~3年弱経っても、「復興」は見えてこないし、心身の傷の上に新たな傷が生まれて被さって、より複雑に、ねじれ、こじれていっているように感じます。wonderlandの「今年の3本」に書いたとおり、私は当事者の立ち場で今と向き合っている日本人の演劇に胸打たれ、それら(彼ら)に頼っています。

 2012年秋にソウルで取材をした韓国創作ミュージカル『ウェルテルの恋』日本公演からはじまり、2013年は韓国関連の舞台を多数拝見しました(コンサートも含め20公演ほど)。旅行が苦手な私がまさかソウル一人旅まで敢行するとは…(今年も行きます)。アミューズミュージカルシアター(←音が鳴ります)のおかげで日本にいながら5本も韓国創作ミュージカルを観ることができたんですが、直近数作でK-POPスターを主演にするようになったのが残念。集客ができなかったための戦略変更だと考えると無理もないと思います。やっぱりビジネスなんですよね。
 ビジネスといえば、劇団青羽(韓国)『そうじゃないのに』(キム・クァンボ演出)終演後のトークで、「昨年この作品が韓国で10個も演劇賞を受賞したのは、過度に商業的になっている韓国演劇界への警鐘だ」という話題が出ていたんです。今年『가모메 カルメギ』が東亜演劇賞で三冠受賞したことからも、賞を選考する韓国の舞台芸術関係者の気概を感じます。
 
 欠かさず観るようにしている新国立劇場の演劇は、今年もほぼハズレなしの佳作揃い(『長い墓標の列』『効率学のススメ』内企画アッセンブリー、『アジア温泉』『OPUS/作品』『エドワード二世』『ピグマリオン』)。特に若手演出家3人(森新太郎、小川絵梨子、上村聡史)を特集する「Try・Angle-三人の演出家の視点-」は素晴らしい企画だと思います(⇒トークセッションのレポート)。無料のマンスリープロジェクトも充実していて、芸術監督の宮田慶子さんに感謝しています。

 2013年からこの私的ベストテンに「政治的な意見」という項目を増やすことになりました。そもそも2009年の事業仕分けから「しのぶの演劇レビュー」における私の政治的発言が始まり、2010年の劇場法ラウンドテーブルでは合計10エントリーのレポートを掲載。2011年3月11日以降は東日本大震災および原発事故に関する主張が増えました。2012年9月からはこどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願い、有志の会の活動のお手伝いをしています(12月には学会のフォーラムに出ました)。演劇にお世話になって約15年になリますし年齢も年齢ですから、ご恩に報いる必要があると感じています。また、自分では気づかなかったのですが、私の深くない知識や拙サイトのアーカイブが意外にお役に立っているようなので、今年も演劇ファンの1人として感じたこと、考えたことを発信していきたいと思います。


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2014年01月03日

【オーディション】ハイバイ「2014年以降の新作と『ヒッキー・カンクーントルネード』再演の出演者オーディション」02/06必着(郵送のみ)

 岩井秀人さんが作・演出・出演される劇団ハイバイが、2014年以降の新作と『ヒッキー・カンクーントルネード』再演の出演者オーディションを実施します。岩井さんは『ある女』で岸田國士戯曲賞を受賞し、テレビドラマ脚本や映画出演でもご活躍。映画『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』では準主役級でした。

 ■ハイバイオーディション情報
  応募条件:心身共に健康な18歳以上の男女。
  会場:都内
  書類審査後に二次審査、三次審査あり。
  二次審査日程:2月22日~23日に計6回実施。いずれか1回に参加してください。
  二次審査費用:1,000円
  三次審査日程:2月26日(水)、2月27日(木)
  締切:2014年2月6日(木)郵送必着

 ↓岸田國士戯曲賞作です。

ある女
ある女
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岩井 秀人
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 ↓くだらないし下品なんだけど、試みの面白さに唸らせられる異色作です。もちろん笑えます。岩井さんの演技も素晴らしいです。

ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE [Blu-ray]
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売り上げランキング: 11,115

■2014.1.2「ハイバイオーディション情報」 公式サイトより

この度、ハイバイでは、出演者オーディションを行います。2014年以降の新作や再演「ヒッキー・カンクーントルネード」などに出演して頂ける魅力的な俳優との出会いを求めます。
ご応募おまちしております。

<応募方法>
応募書類はこちら(PDF/word)からダウンロードして下さい。
宛先 〒151-0053 東京都渋谷区代々木3-54-7-307 ㈲quinada内 ハイバイ
締切 2014年2月6日(木)必着
※写真・書類の返却はいたしません。個人情報は本オーディションにのみ使用致します。
※住所・氏名を記載し、80円切手を貼った返信用封筒(長3)を同封してください。
※書類審査合格者には2月14日(金)までに合否を郵送にて発送します。
 届かない場合は郵便事故が考えられるので、電話でお問い合わせください。

<二次審査>
A 2月22日(土)11:00~14:00
B 2月22日(土)14:30~17:30
C 2月22日(土)18:00~21:00
D 2月23日(日)11:00~14:00
E 2月23日(日)14:30~17:30
F 2月23日(日)18:00~21:00
(都内会場)いずれか1回ご参加下さい。
※オーディション参加費用 1,000円(当日受付でお支払い下さい。)

<三次審査>
2月26日(水)
2月27日(木)
(都内会場) 時間未定

<応募条件>
※心身共に健康な18歳以上の男女。
※合否連絡ではなく、出演して頂きたい場合は改めてこちらからご連絡させて頂きます。

<ハイバイの今後の予定>
2014年6、7月 新作ツアー
2014年10、11月 再演ツアー
2015年 再演ツアー
お問い合わせ Tel 080-6562-4520(ハイバイ)

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
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2014年01月01日

メルマガ 2014年1月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2014年1月のお薦め舞台9本+αをご紹介します。

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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 115    2014.01.01  2,032部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎新年あけましておめでとうございます。
  長い目のお正月休みを満喫されていますか?
  今年も“しのぶの演劇レビュー”をどうぞよろしくお願い申し上げます。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

 ◎facebookページ↓でブログ更新を報告しています。
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○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め9本+α】
   
   ◎No.1→SPAC『真夏の夜の夢(再演)』
       01/14~03/14静岡芸術劇場
       http://www.spac.or.jp/midsummer2014.html

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→チェルフィッチュ『地面と床』
       12/15-23神奈川芸術劇場・大スタジオ
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1221151124.html

 ◆3【編集後記】

   ◎多田淳之介さんが韓国・東亜演劇賞の主要賞を受賞!
   ◎ソウル観劇旅行を検討中でございます~。

 ◆4【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め9本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※間違いがあるかもしれません。最新情報や詳細は公式サイトでご確認を。
 ※お薦めの高額演劇公演が少なかったので、10本から9本にしました。


1.日本テレビ『真田十勇士』
  01/07-02/02青山劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:中村勘九郎、松坂桃李、比嘉愛未、福士誠治、中村蒼、
    高橋光臣、村井良大、鈴木伸之、青木健、駿河太郎、石垣佑磨、
    加藤和樹、音尾琢真、加藤雅也、真矢みき、ほか
   脚本:マキノノゾミ 演出:堤幸彦
   S席:¥11,500 / A席:¥9,000
    http://www.ntv.co.jp/sanada60/index.html
   中村勘九郎さん、松坂桃李さんら豪華イケメンが揃った時代劇。
   マキノノゾミさんの脚本を映画監督の堤幸彦さんが演出されます。


2.Bunkamura『冬眠する熊に添い寝してごらん』
  01/09-02/01 Bunkamuraシアターコクーン
  Bunkamura25周年記念
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:上田竜也(KAT-TUN)、井上芳雄、鈴木杏、立石涼子、
    大石継太、石井愃一、瑳川哲朗、沢竜二、勝村政信、ほか
   脚本:古川日出男 演出:蜷川幸雄
   S9,500円 A7,500円 コクーンシート5,000円
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/14_toumin/index.html
   作家の古川日出男さんが新作戯曲を書き下ろし、蜷川幸雄さんが演出。
   「100年の時空を超えてヒトと熊と犬をめぐる一大叙事詩」って、
   ものすごそう。井上芳雄さんが蜷川作品に出演されるのは約10年ぶり。


3.世田谷パブリックシアター『TRIBES トライブス』
  01/13-26新国立劇場小劇場
  ☆出演:田中圭、中泉英雄、大谷亮介、中嶋朋子、中村美貴、鷲尾真知子
   脚本:ニーナ・レイン 翻訳・台本:木内宏昌 演出:熊林弘高
   一般:A席6,500円/B席4,000円 高校生以下:一般料金半額 
   U24:一般料金半額 劇場会員、区民割引などあり。
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/01/tribes.html
   2010年英国初演戯曲を熊林弘高さんが演出。翻訳・台本は木内宏昌さん。
   田中圭さんと中嶋朋子さんが耳の不自由なカップルを演じます。
   ※世田谷パブリックシアターの企画ですが、会場は新国立劇場です。
   熊林&木内ペアといえば『恐るべき親たち』↓が
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1108234411.html
   3月に上演↓されますね。
    http://www.geigeki.jp/performance/theater041/


4.OFFICE SHIKA × Cocco『ジルゼの事情』
  01/16-26 CBGKシブゲキ!!
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:Cocco、オレノグラフィティ、丸尾丸一郎、ほか
   脚本・演出:丸尾丸一郎
   前売・当日6300円
    http://shika564.com/gilse/
   ミュージシャンのCoccoさんがお芝居に初出演。それだけで観たい!
   作・演出は劇団鹿殺しの丸尾丸一郎さんです。
   ※1/11日(土)10時より追加公演の前売り発売開始。


5.アトリエ・ダンカンプロデュース『七変化音楽劇「有頂天家族」』
  01/16-26本多劇場
  ≪東京、京都≫
  ☆出演:武田航平、渡辺大輔、新垣里沙、佐藤美貴、小手伸也、
      小林至、成清正紀、奥田努、藤原薫、樹里咲穂、久保酎吉
   原作:森見登美彦 脚本・演出:松村武
   6,500円
    http://www.duncan.co.jp/web/stage/uchoten/index.html
   『詭弁 走れメロス』↓に続いて松村武さんが森見登美彦さんの小説の
    http://www.duncan.co.jp/web/stage/melos/index.html
   脚本・演出を手掛けられます。主演も引き続き武田航平さん。


★6.こまつ座『太鼓たたいて笛ふいて』
  01/16-02/09紀伊國屋サザンシアター
  ≪東京、大阪、鹿児島≫
  ☆出演:大竹しのぶ、木場勝己、梅沢昌代、山崎一、阿南健治、神野三鈴
   脚本:井上ひさし 演出:栗山民也 ピアノ演奏:朴勝哲
   入場料8,400円 学生割引 6,300円
    http://www.komatsuza.co.jp/program/index.html#130
   2002年の初演で読売演劇大賞最優秀作品賞などの主要な賞を多数獲得した
   井上ひさしさんによる林芙美子の音楽評伝劇。2004年公演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0414173843.html
   同じキャストによる6年ぶりの再演です。どうぞお見逃しなく。


7.トライアングルCプロジェクト『フローズン・ビーチ』
  01/23-26神奈川芸術劇場・大スタジオ
  ≪横浜、埼玉、茨城、石川、兵庫、北海道、湘南台、岡山、東京≫
  ☆出演:石田えり、松田美由紀、渡辺真起子、山口美也子
   脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:高羽彩
   前売・当日6,000円(プレビュー公演価格)※未就学児童入場不可
    http://www.frozenbeach.info/
   『フローズン~』はKERAさんの岸田國士賞受賞作。2002年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2002/0717232145.html
   石田えりさんら妖艶な大人の女優陣と高羽彩さんの演出にも期待。
   3月の東京公演では前売6,500円/当日6,800円になります。


8.柿喰う客『世迷言』
  01/29-02/04本多劇場
  ≪東京、石川、大阪≫
  ☆出演:七味まゆ味、玉置玲央、深谷由梨香、永島敬三、大村わたる、
      葉丸あすか、鉢嶺杏奈、橋本淳、富岡晃一郎、篠井英介
   脚本・演出:中屋敷法仁
   通常料金:5,500円 前半割引:4,800円 平日昼割:5,300円
   乱痴気公演(キャストシャッフルにて上演):5,500円
    http://kaki-kuu-kyaku.com/main/?p=3101 ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=50305
   中屋敷法仁さんが作・演出(出演も)される人気劇団柿喰う客が、
   劇団本公演で本多劇場に進出。岸田國士戯曲賞の最終候補に選ばれた
   『無差別』↓以来、1年半振りの新作戯曲です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0716232853.html


9.フジテレビジョン『ミュージカル「フル・モンティ」』
  01/31-02/16東京国際フォーラム ホールC
  ☆出演:山田孝之、大和田美帆、中村倫也、ムロツヨシ、勝矢、
    佐藤仁美、浦嶋りんこ、保坂知寿、鈴木綜馬、ブラザートム、他
   脚本:テレンス・マクナリー 作曲・作詞:デヴィッド・ヤズベック
   原作:映画「フル・モンティ」 演出・翻訳・訳詞:福田雄一
   S席11000円  A席9000円  B席7000円
    http://fullmonty2014.jp/
   山田孝之さんの初舞台は男性のストリップ・ショーで有名な
   映画『フル・モンティ』のミュージカル。


 ★★★────────────────────────────── 
  前売4000円台の気になる作品を4本ご紹介します。
   (上述の高額公演の9本中にも、席種・日程により格安券あり)
 ──────────────────────────────★★★

★【1】名取事務所『運転免許 私の場合』
  01/22-26下北沢「劇」小劇場
  ☆出演:中村彰男、斉藤深雪、荒木真有美、小林亜紀子、西山聖了
   作:ポーラ・ヴォーゲル 翻訳・演出:小川絵梨子
   前売4,000円 当日4,500円 学生2,000円
    http://www.nato.jp/profile/2014/drive1401-1.html
   小川絵梨子さんが米国戯曲を翻訳・演出されます。
   現代英米演劇連続上演シリーズ1のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0321162151.html
   小川さんは紀伊國屋演劇賞個人賞↓を受賞されたばかりです。
    http://www.kinokuniya.co.jp/contents/pc/label/20131217150000.html


【2】π*π(パイパイ)『マーブル』
  01/23-27小劇場 楽園
  ☆出演:松尾貴史、松永玲子(ナイロン100℃)
   脚本・演出:きたむらけんじ(劇団東京フェスティバル)
   前売・当日共4,800円
    http://www.nelke.co.jp/stage/piepie/
   松尾貴史さんと松永玲子さんの2人芝居です。昭和の新宿界隈に
   実在した“流しの写真屋”の故・渡辺克巳さんの物語。


【3】劇団山の手事情社『ドン・ジュアン』
  01/24-30東京芸術劇場シアターウエスト
  ☆出演:山本芳郎、浦弘毅、倉品淳子、山口笑美、大久保美智子、川村岳、
    岩淵吉能、斉木和洋、植田麻里絵、三井穂高、小栗永里子、安部みはる、
    谷洋介、石原石子、辻川ちかよ
   原作:モリエール 演出:安田雅弘
   一般4,500円 ペア8,000円 高校生以下2,000円
   ※当日は前売料金の500円増し
    http://www.yamanote-j.org/works/works_donjuan201310.html
   山の手事情社は安田雅弘さんが演出される劇団です。安田さんは昨年、
   ヨーロッパ三大演劇祭の1つであるルーマニアのシビウ国際演劇祭で
   特別功労賞を受賞されました。劇団公式facebookページの新聞記事↓
    http://tinyurl.com/kqtmsda
   『タイタス・アンドロニカス』↓(2009年ルーマニア)の動画(3分弱)
    http://www.youtube.com/watch?v=3vZq0SeBeV4


【4】ブス会*『男たらし』
  01/29-02/04ザ・スズナリ
  ☆出演:内田慈、古屋隆太、大窪人衛、佐野陽一、松澤匠、金子清文
   脚本・演出:ぺヤンヌマキ
   一般シート(指定席)前売4200円/当日4500円
   ブスシート(入場整理番号付自由席・1~3列目)前売4200円/当日4500円 
    http://busukai.com/
   AV監督でもあるぺヤンヌマキさんが作・演出されるブス会*の新作。
   過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0805140357.html
   紅一点の主役は内田慈さん。彼女を取り巻く男優陣もすごく魅力的!


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売3000円台以下の気になる作品を5本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》クロムモリブデン『曲がるカーブ』
  01/09-23赤坂RED/THEATER
  ≪大阪、東京≫
  ☆出演:クロムモリブデン劇団員
   脚本・演出:青木秀樹
   一般:前売3,500円/当日3,800円 学生:前売2,500円/当日2,800円 
   ハヤクロ!(1/9・10前売券のみ):一般前売3,000円 学生前売2,000円
   観劇宿泊パックあり(東京公演のみ)
    http://crome.jp/
   青木秀樹さんが作・演出されるクロムモリブデンは、再演をしない劇団。
   今年で25周年を迎えるそうです!昨年3月公演でメルマガ号外↓を発行。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0307104848.html
   今回はバットもボールも出て来ない、真夏の高校野球モノとのこと。


《2》江戸糸あやつり人形座『人形音楽劇 泣いた赤鬼』
  01/10-14座・高円寺2
  ☆出演(人形):結城一糸・結城民子・結城敬太・結城榮・金子展尚
   出演(俳優):田中英樹 古市裕貴 王子菜摘子
   原作:浜田廣介 脚色:畑澤聖悟(渡辺源四郎商店)
   演出:天野天街(少年王者館) 音楽・演奏:園田容子
   全席自由 人3,800円 小人1,500円 学生2,500円
   平日割引(14日のみ)大人3,000円 小人1,000円 学生2,000円
   「鬼」特別割引1,000円:名前、生誕地、現住所に「鬼」の付く人。
    http://naita-akaoni.com/
   人形遣いが操る人形と俳優が出演する人形音楽劇です。
   有名童話『泣いた赤鬼』を畑澤聖悟さんが脚色し、天野天街さんが
   演出するとは!それだけで観たくなります。


《3》Q『こq「最新の私は最強の私」「油脂越しq」』
  01/16-19 3331 Arts Chiyoda
  ☆出演:飯塚ゆかり、角梓、椎橋綾那、田中美希恵、吉岡紗良
   脚本・演出:市原佐都子
   一般前売 2000円 一般当日 2300円
    http://qqq-qqq-qqq.com/Qwordpress/?page_id=666
   市原佐都子さんが作・演出されるQ(キュー)の短編2本立て。
   『油脂越し』↓は刺激的で面白い舞台でした。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0706162057.html
   F/T13公募プログラム参加作品↓の評価も高かったです。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1129230025.html


《4》FUKAIPRODUCE羽衣『女装、男装、冬支度』
  01/29-02/02座・高円寺1
  第6回演劇村フェスティバル参加作品
  ☆出演:深井順子、日高啓介、鯉和鮎美、高橋義和、澤田慎司、伊藤昌子、
   ゴールド☆ユスリッチ、代田正彦、浅川千絵、熊川ふみ、島田桃子、
   大石将弘、墨井鯨子、鈴木利典
   作・演出・音楽・美術:糸井幸之介
   前売り/当日:3,200円 さいふにやさシート:2,000円 
   ウルトラマニアチケット:10,000円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.fukaiproduce-hagoromo.net/
   糸井幸之介さんが作・演出・音楽・美術などをトータルに手掛ける
   FUKAIPRODUCE羽衣の新作。座・高円寺1は大きめの劇場なので、
   どんな空間になるのかも楽しみ。直近2作品のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0202125258.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0711234517.html


《5》ミクニヤナイハラプロジェクト『シーザーの戦略的な孤独』
  01/30-02/02吉祥寺シアター
  ☆出演:足立智充、光瀬指絵、本多力
   脚本・演出:矢内原美邦
   一般2800円/学生2500円/当日3200円
    http://www.nibroll.com/myp/caesar/strategic_loneliness.html
   『前向き!タイモン』で岸田國士戯曲賞を受賞された矢内原美邦さんが、
   今回は『ジュリアス・シーザー』を基に新作を発表。

≪首都圏以外≫

★○SPAC『真夏の夜の夢(再演)』
  01/14~03/14静岡芸術劇場
  1月の日程:18(土) 15時、19(日) 14時、25(土) 13時、26(日) 14時
  ☆出演:SPAC、他
   作:シェイクスピア 小田島雄志訳『夏の夜の夢』より 
   潤色:野田秀樹 演出:宮城聰 音楽:棚川寛子
   上演時間:2時間15分 (途中休憩含む) 日本語上演/英語字幕
    http://www.spac.or.jp/midsummer2014.html
   本番直前の稽古見学&バックステージツアー:1/12(日)13:30
    http://spac.or.jp/news/?p=8666
   アーティスト・トーク:1/19、1/25、2/1、2/23終演後
   バックステージツアー(要予約):1/18(土)、1/26(日) 終演後
   1/18(土)は片道1,000円の東京・静岡往復バスあり(要予約)。
    http://www.spac.or.jp/nonstopbus

  ●お薦めポイント●
   野田秀樹さんの潤色戯曲を宮城聰さんが演出された『真夏の夜の夢』は
   野田さんの詩的なせりふをじっくり味わえる“祝祭音楽劇”です。
   初演は「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」↓で2ステージのみ上演され、
    http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/nightsdream.html
   チケットは瞬く間に完売でした。レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0611165148.html
   初演の記者発表レポート↓に野田さんと宮城さんによる作品解説あり。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0414230505.html
   待望の再演は1月~3月の週末に計9ステージ上演されます。
   ※1/14~3/14の平日は中高生鑑賞事業公演として上演があり、
    一般の観客が観られるステージもあります。


≪朗読≫

 ○東京芸術劇場『「自作自演」<第8回>高橋源一郎×藤田貴大』
  01/18東京芸術劇場シアターイースト
  ☆出演:高橋源一郎、藤田貴大
   一般3,000円 65歳以上割引2,500円 25歳以下割引2,000円
   高校生割引1,000円 ※障害者割引あり
    http://www.geigeki.jp/performance/theater044/
   2人の作家が自作を読み、その後に語り合う2部構成の企画です。
   今回はマームとジプシーの藤田貴大さんと、作家の高橋源一郎さん。
   高橋さんは藤田さんが作・演出された『cocoon』をご覧になり↓
    http://hiwihhi.com/takagengen/status/367928477275521024
   朝日新聞の論壇時評(2013年8月)↓で取り上げられました
    http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201308280609.html


 ○神奈川芸術文化財団『日常/オフレコ 岡田利規トーク&リーディング』
  1月19日(日)14:00~KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ
  ☆第一部:トーク
    テーマ「インスタレーションとパフォーミング・アーツ」
    出演:岡田利規 × 本展覧会キュレーター
   第二部:リーディング『日常/オフレコ 世界の秘密』
    岡田利規書き下ろし小説(展覧会図録収録)
    出演:山縣太一(チェルフィッチュ)
    入場料:展覧会チケットを当日受付にて販売。
    自由席(定員制/整理券配布あり)。
     http://www.offreco.info/events/
   岡田利規さんの書き下ろし小説を山縣太一さんがリーディング。


 ≪ダンス≫

 ○新国立劇場ダンス『ある女の家(再演)』
  01/23-26新国立劇場中劇場
  ☆出演:浅野和之、河内大和、竹内英明、藤田桃子、小野寺修二
   ※梶原暁子は怪我で降板。
   構成・振付:小野寺修二
   A席5,250円 B席 3,150円
    http://www.nntt.jac.go.jp/dance/performance/140123_001624.html
   小野寺修二さんが構成・振付・出演されるダンス公演。
   初演を見逃したので今度こそ。


 ≪オペラ≫

 新国立劇場がレパートリーのオペラを再演します。鵜山仁さん演出『カルメン』、
 栗山民也さん演出『蝶々夫人』を連続で。両公演のチケット代は同じです。
 S席23100円 A席18900円 B席12600円 C席7350円 D席4200円 Z席1500円

 ○新国立劇場オペラ『カルメン』
  01/19-02/01新国立劇場オペラ劇場「オペラパレス」
  ☆作曲:ビゼー 演出:鵜山仁
    http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/140119_001605.html

 ○新国立劇場オペラ『蝶々夫人』
  01/30-02/08新国立劇場オペラ劇場「オペラパレス」
  ☆作曲:プッチーニ 演出:栗山民也
    http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/140130_001606.html
   2007年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0710114401.html


≪ご参考≫
  「しのぶの演劇レビュー」↓に今月のしのぶの観劇予定あり。
    http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.チェルフィッチュ『地面と床』
  12/15-23神奈川芸術劇場・大スタジオ
  ☆能舞台を抽象化したステージで死者と生者が邂逅。日本の苦々しい現実と
   わくわくするほど素晴らしい音楽とのギャップが、私にとっては異化効果。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1221151124.html

2.城山羊の会『身の引きしまる思い』
  11/29-12/08三鷹市芸術文化センター星のホール
  ☆現実と虚構が混在するエロすぎの白昼夢(笑)。
   主題歌の歌詞も素敵。ひばりや毛虫に認められる人間になりたいです。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1204225901.html 

3.モダンスイマーズ『死ンデ、イル』
  11/20-12/08ザ・スズナリ
  ☆福島第一原発に近い浪江町から二本松に避難した女子高生が失踪。
   突然家も故郷も奪われた方々の気持ちをお芝居で疑似体験できました。
   豪華キャストで格安チケットの劇団公演としても記憶しておきたい。
    http://www.modernswimmers.com/nextstage/

次点:Studio Life『LILIES』
   11/20-12/08シアターサンモール
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1202233858.html

  その他はイサンゴ・アンサンブル『プッチーニのラ・ボエーム』、
  万能グローブ ガラパゴスダイナモス『ナイス・コントロール』
  サスペンデッズ『さよならを教えて』、Bunkamura『マクベス』、
  produce lab 89『官能教育 三浦直之×堀辰雄「鼠(ねずみ)」』、
  DULL-COLORED POP『アクアリウム』※福岡、大阪、宮城、岡山ツアー中!
  SPAC『忠臣蔵』、CATプロデュース『SEMINAR』など(順不同)。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2013年12月(観劇数20作品)は残念ながら発行せず。


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 ◆3 【編集後記】
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 ◎東京デスロックの多田淳之介さんが演出された『かもめ』↓が
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1105133408.html
  韓国・東亜演劇賞の作品賞、演出賞、舞台美術・技術賞を受賞!
  外国人演出家としては初の受賞だそうです。速報エントリー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1230175423.html
  2013年の私的小劇場ベスト3↓にランクインしたお芝居です。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1225143530.html
  日本公演が実現しますように!!


 ◎キム・ダヒョンさん観たさにソウル観劇旅行を検討中♪

 ・韓国ミュージカル『太陽を抱く月』
  01/18-02/23日芸術の殿堂CJトワル劇場(韓国)
  ☆主演:キム・ダヒョン、チョン・ドンソク、キュヒョン
   http://bit.ly/1g9PNsg

  今月上演される下記公演は韓国創作ミュージカルの日本版なんですね。

 ・東宝芸能『シャーロック ホームズ~アンダーソン家の秘密~』
  01/22-02/04東京芸術劇場 プレイハウス
  ≪大阪、東京、福岡、長野、愛知、宮城、岩手≫
  ☆出演:橋本さとし、一路真輝、浦井健治、昆夏美、石井一彰、
      宇野まり絵、竹下宏太郎、コング桑田、大澄賢也
   訳詞:森雪之丞 上演台本:中谷まゆみ 演出:板垣恭一
   S席:10,500円/A席:7,350円
    http://www.s-holmes.com/


 ◎「CoRich舞台芸術アワード!2013」投票受付中!
   http://stage.corich.jp/award/2013/index.php
  既に投票した人も多数いらっしゃいます。いろいろですね~。
   http://stage.corich.jp/award/2013/list.php
  「観てきた!」クチコミ数によって投票数や配点が変わります。
  今からでもじゃんじゃんクチコミしましょう!私もがんばろっ。


 ◎「高校生劇評グランプリ」の選考委員をつとめさせていただきます。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1126143722.html
   自分の言葉で書いた本気の文章をお待ちしています。
   劇評投稿は【 2014年1月15日〆切 】。間もなくです!
    https://www.hs-theatrereview-gp.jp/index.html


 ◎こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願い署名活動中です。
  【 1月の街頭署名の予定:1/7、1/11 】
  俳優の八嶋智人さんが街頭署名のお手伝い↓をしてくださいました!
   https://twitter.com/kodomoaogeki/status/361392366831157249
   https://twitter.com/meganeouji840/status/361403711639138304
  有志の会の公式サイト:http://kodomoaogeki.com/
  有志の会の公式ブログ:http://kodomonosiro.blog.fc2.com/
  署名用紙をダウンロードして署名し、有志の会までご郵送ください。
  WEB署名もできます⇒ http://www.change.org/kodomo-aogeki
  公式ツイッター:https://twitter.com/kodomoaogeki
  Facebookページ:http://www.facebook.com/kodomo.aogeki


 ◎これから上演される公演の「しのぶの演劇レビュー」内記事

  【情報掲載】『カナガワ リ・古典プロジェクト/2014紅葉ヶ丘』
   01/11-12横浜市紅葉ヶ丘地区の3つの劇場
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1205172750.html


 ◎おすすめ舞台中継など on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【NHK Eテレ】1月4日(土)14:00~16:30
   こまつ座『イーハトーボの劇列車』
    http://bit.ly/1kPv0gF
   出演:井上芳雄、辻萬長、木野花、松永玲子 ほか
   脚本:井上ひさし 演出:鵜山仁

  【NHK BSプレミアム】1月6日(月)午前0時40分~3時30分 ※1/5深夜
   パルコ『非常の人 何ぞ非常に~奇譚 平賀源内と杉田玄白~』
    http://www4.nhk.or.jp/p-stage/x/2014-01-05/10/15431/
   出演:佐々木蔵之介 岡本健一 小柳友 奥田達士 篠井英介
   脚本・演出:マキノノゾミ

  【WOWOW】1/10(金)よる11:00~
   「美輪明宏ドキュメンタリー~黒蜥蜴を探して~」
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/104620/index.php
   出演:美輪明宏 横尾忠則 深作欣二 北野武 宮崎駿 ほか

  【WOWOW】1/11(土)よる9:00~
   NODA・MAP『MIWA』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/104326/index.php
   出演:宮沢りえ 瑛太 井上真央 小出恵介 古田新太 他
   作・演出・出演:野田秀樹


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2013年12月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「箱入り息子の恋」←胸きゅんヒリヒリ。星野源さんも夏帆さんもいい。
    http://www.hakoiri-movie.com/
  ・「はじまりのみち」←いい映画でした。さすが原恵一監督。
    http://www.shochiku.co.jp/kinoshita/hajimarinomichi/
  ・「演劇1・2」←約6時間の平田オリザさんのドキュメンタリー。
    http://engeki12.com/
  ・「美輪明宏ドキュメンタリー~黒蜥蜴を探して~」
    http://www.uplink.co.jp/miwa/ ↑日本の現代史の勉強にもなる。
  ・「人生、いろどり」←夫の傲慢で頑なな態度から安倍政権を想像。
    http://www.irodori.co.jp/asp/nwsitem.asp?nw_id=4474


 ◎2013年9月にインタビュー↓していただきました。
   http://kenbunden.net/general/archives/4333 告知エントリー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1120155340.html
  なぜメルマガで情報発信を始めたのか、これから何を観たいのか、
  どうしていきたいのか。誇張のない本音をまとめていただけました。


 ◎注目している役者さんに「しのぶさんのサイトでいつも
  オーディション情報をチェックしています」と言われて嬉しい!
  「受かりました!」と言われるともっと嬉しい♪
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Posted by shinobu at 00:00 | TrackBack