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2014年03月31日

【ご報告】「第1回高校生劇評グランプリ表彰式」が行われました

 選考委員をつとめさせていただきました、高校生劇評グランプリの表彰式が行われました。⇒発表のご報告 ⇒高校生劇評グランプリ公式ツイッター

 受賞者一人ひとりに国際演劇協会日本センター会長の永井多恵子さんから表彰状が手渡され、記念撮影も一人ずつほがらかに。格式高い式でありながら、とてもアットホームな雰囲気でした。表彰状授与の後は選考委員長の扇田昭彦さんからの全体講評があり、他の選考委員からもお祝いの言葉を述べさせていただきました。

 ⇒News-Headline【舞台への探究心に溢れた力作】「高校生劇評グランプリ」受賞作品が公式サイトで公開中(2014/04/25加筆)

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 「高校生劇評グランプリ」は来年も実施されるようです。たくさんの高校生に劇評を書いてみていただきたい、そして、舞台を観に行って欲しいと思います。【宣伝⇒おすすめ舞台を紹介する無料メルマガやってます♪ 本日深夜発行!】

 ⇒wonderland「第1回高校生劇評グランプリ表彰式

 なんとNODA・MAP『MIWA』作・演出・出演の野田秀樹さんと、舞台美術の堀尾幸男さんがいらっしゃって、扇田さんが聞き手となり、『MIWA』の劇評で最優秀賞を受賞された石本秀一さんも交えたトークの時間が、たっぷり30分ほどありました。石本さんは『MIWA』を2度観て、その戯曲も読み、劇評執筆には冬休みの2週間をあてたとのこと。美輪明宏さんを研究するうちに寺山修司にたどりついて、『毛皮のマリー』も読んでらっしゃいました。時間をかけて練り上げられた劇評だったんですね。

 質疑応答では高校生から積極的に質問が出て、野田さんも堀尾さんも率直に彼らと対話をされました。野田さんが高校時代から演劇をされているのは有名ですが、堀尾さんも高校演劇をされていて、しかも俳優で主役をやられていたとは!他にも貴重なお話を伺いました。たとえばこちら↓

 ※正しいタイトルは『ぼくらが非情の大河をくだる時』です。

 式の後の懇親会でお会いした高校生の皆さんは、感受性豊かで素直で聡明で、誇張じゃなく本当にキラキラ輝いていました。受賞者の中で本日欠席だった1人を除く10人のうち、たしか6人が演劇部や英語演劇部の所属だったと思います。その全員が将来はプロの演劇関係者を目指しているとのこと。

 そういえば東京芸術劇場の「高校生割引」を利用している人が多かったです!(今回も高校生応援特別割引がありました)「高校生割引で1,000円だったから観に行った。それが初観劇だった」という方も。そして劇評を書くほど熱心な観客になってくれたんですね。昨年お会いした大学生も高校生割引の利用者でした。若者へ手厚いサービスはすぐに実を結びます。
 今回の受賞者には歌舞伎、ミュージカル、海外からの招聘公演の招待券がプレゼントされました。ジャンルを問わず積極的に観に行って、全身で舞台を浴びるように体験してきてもらいたいです。

 最後に。このような立派な式を滞りなく進行してくださったディレクターさん、制作さん、本当にありがとうございました。曽田修司さんの柔和な司会もプロの女性カメラマンのムードづくりも素晴らしかったです。この企画に参加させていただいたことを心から誇らしく、嬉しく思いました。

 ※入賞作品はいずれ一般の方もお読みいただける形で公開される予定です。

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●最優秀賞
 石本秀一(早稲田実業学校高等部1年)「MIWA―愛の伝道師その人生とは」(『MIWA』NODA・MAP/東京芸術劇場プレイハウスについて)
●優秀賞
 伊澤拓人(麻布高校3年)「『MIWA』概観」(『MIWA』NODA・MAP/東京芸術劇場プレイハウスについて)
 グンナレ更(東京学芸大学附属高等学校2年)「魔女となった観客」(『マクベス Macbeth』Bunkamura/シアターコクーンについて)
 高崎麻里亜(千葉県立船橋高校2年)「体感‐MIWAの世界」(『MIWA』NODA・MAP/東京芸術劇場プレイハウスについて)
 高野暉子(埼玉県立芸術総合高等学校3年)「教育の影響力」(『フランケンシュタイン』東京グローブ座/東京グローブ座について)
 近澤璃希(渋谷教育学園幕張高等学校1年)「深く掘り下げた新古典『マクベス』」(『マクベス Macbeth』Bunkamura/シアターコクーンについて)
 奈良弥春(都立若葉総合高校2年)「衝撃が半端じゃない」(『バカロックオペラバカ 高校中パニック! 小激突!!』大人計画/PARCO劇場について)
 蓮見厚輝(筑波大学附属駒場高校1年)「悲劇への供物」(『珈琲法要』河村企画/アトリエ春風舎について)
 平川千晶(横浜雙葉高等学校2年)「見るべきもの」(『木の上の軍隊』こまつ座&ホリプロ/天王洲銀河劇場について)
 藤井颯太郎(兵庫県立宝塚北高等学校3年)「原作ピグマリオンと名作マイフェアレディ」(『ピグマリオン』新国立劇場/新国立劇場について)
 山中友恵(聖心女子学院高等科2年)「愛され続けている舞台」(『レ・ミゼラブル』東宝/帝国劇場について)
●団体賞
 工学院大学附属高等学校 観劇・劇評投稿奨励の取り組みに対して

【選考委員】
扇田昭彦(演劇評論家)
阿部順(全国高等学校演劇協議会事務局長、千葉県立松戸高校教諭)
高野しのぶ(現代演劇ウォッチャー、しのぶの演劇レビュー主宰)
田中綾乃(三重大学准教授、演劇評論家)
萩尾瞳(演劇・映画評論家)

主催:公益社団法人 国際演劇協会日本センター
実施運営:高校生劇評グランプリ(GP)実行委員会/公益社団法人 国際演劇協会日本センター/東京都高等学校演劇研究会/ワンダーランド(小劇場レビューマガジン)
協賛:松竹株式会社、東宝株式会社、公益財団法人都民劇場、公益社団法人日本演劇興行協会
協力:歌舞伎座、劇団四季、新国立劇場、新橋演舞場、世田谷パブリックシアタ―、帝国劇場、株式会社東急文化村、東京芸術劇場、フェスティバル/トーキョー実行委員会
後援:関東高等学校演劇協議会、公益社団法人日本演劇協会
特別協力:こりっち株式会社
(50音順)
https://www.hs-theatrereview-gp.jp/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:00 | TrackBack

2014年03月28日

【ご報告】高校生劇評グランプリ「第一回グランプリ結果発表」

 選考委員をつとめさせていただきました、高校生劇評グランプリの結果が発表されました。⇒発表ページ
 受賞者の高校生の皆様、おめでとうございます!

 ●第一回グランプリ 最優秀賞
  石本秀一様 (早稲田実業学校高等部 1年)
  劇評タイトル:「MIWA―愛の伝道師その人生とは」

 【講評】舞台を言葉にして心にとどめ、未来の読者に届ける (高野しのぶ)

 素直な気持ちをてらいなく流れるように綴った若者らしさみなぎる快作や、舞台で描かれていた課題を自分自身のこととして真摯に考察する力作など、読ませる劇評ぞろいでした。行間からあふれ出る高校生ならではの柔軟でみずみずしい感性に触れ、私自身が新鮮に舞台作品と出会い直すことができました。
 知的好奇心を存分に働かせて、舞台を観て感じたことを自分の言葉で書き留めれば、作品を心身のより深いところにとどめ置くことができます。そして作品の作り手と他の観客、さらには作品を観ていない人とも感動を共有することができるのです。
 まずは気軽に書き始めてみて欲しいと思います。劇評の書き方は書きたいと思った時に学べば大丈夫。嘘のない言葉は広く伝播し、思いもかけない出会いを沢山もたらしてくれるはずです。遠い未来の読者にもあなたの劇評を届けてください。


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:35 | TrackBack

鳥公園『緑子の部屋』03/26-31 3331 Arts Chiyoda B104

 鳥公園は西尾佳織さんが作・演出される劇団です。『緑子の部屋』は先に大阪の劇場で上演され、東京公演の会場は学校だった建物の教室でした。上演時間は約1時間15分。

 「CoRich舞台芸術まつり!2014春」審査員として拝見しました(⇒92本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。下記にも後日転載します。⇒転載しました(2014/04/02)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『緑子の部屋

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 ある日、緑子がいなくなりました。
 緑子の友人、恋人、兄が集ってそれぞれに、自分と緑子の話、自分から見て「お兄さんと緑子はこう見えてた」、「彼氏と緑子はこう見えてた」、「友達と緑子はこう見えてた」、「え、そんなこと言われたくないんだけど」、「や、でも緑子からはそう聞いてたし」、「ていうかお兄さんってサー」・・・・・・。

 話すほど、遠のきます。
 緑子の不在、ポッカーン。
 ≪ここまで≫

 ■不在の他人、消失した他人とは私自身である

 学校の教室の壁が白く塗られていました。床には白いカーペットが敷かれており、学校によくある金属製の脚と木を使ったイス数脚と、よく似た素材のテーブルが置かれています。客席は演技スペースをL字型に囲むスタイル。質素だけれど、そぎ落とされたおしゃれ感のある空間でした。そこに洗練されたカジュアル・ルックの若者3人(男性2人、女性1人)が登場します。役者さんが若者らしい現代口語を話し、複数人をシームレスに演じていくのはチェルフィッチュの『三月の5日間』に似ていました。

 今どきのごく普通のおしゃべりから、緑子という若い女性の育ちや性格、友人・恋人関係などが少しずつ浮かび上がってきます。3人の役者さんは緑子に関わりのあったさまざまな人物を、短いエピソードごとに演じ分けていき、激しく動きながら長いセリフを言い続けたり、言葉の意味とは明らかに違う体の動きを見せるなど、負荷の高い演技をされていました。

 昨年9月に拝見した鳥公園の短編『蒸発』は、肌で確かめられるような生々しい肉感があって、それゆえの切実さや切迫感から、鼻を突くような刺激的なエロスもあったと思うんです。それに比べると今作は知性できれいに整理整頓されているような印象を受け、個人的には物足りなかったです。

 ここからネタバレします。

 衣裳のデザインはクールでスポーティー。一見、普段着っぽくはあるのですが、舞台美術との統一感や色のバランスなどにもこだわりがありそうです。3人ともナイキやニューバランスのカラフルで派手な運動靴を履いています。全然汚れていないので、運動靴というよりは「高そうな衣装」に見えました。

 女性のロングスカートは鮮やかな青色で、中に履いたスパッツがうっすら透けて見える布地でした。また、Tシャツの胸元は胸の谷間が見えるかどうかギリギリのラインまで開いています。クールなエロスを狙っているのだろうと思いました。男性がシャツの左胸に可愛らしいブローチを2個付けていたり、もう1人の男性は短パンで足の肌がある程度露出していたり、衣裳がもたらす効果に気配りが見られます。衣裳なんだから当然といえば当然ですが、この俳優さんたちは普段はきっとこんな服は着ていないだろうと思いながら眺めることになりました。

 壁に取り付けられた白い箱や、舞台中央奥の隅っこにポツンと建てられている白いロッカーを開くと、穴とともに草木の緑色が現れました。壁と床の白地に茶、緑といったアースカラーが配色され、やがてあるタイミングで、ロッカーの穴から黄色いパンティーや真っ青なブラジャーなど、色とりどりの女性の衣服や小物(ゴミ?)が、おもちゃ箱をひっくり返したように引き出されてきます。カラフルな洋服たちが紐に吊り下げられ、洗濯物を干したような状態で舞台を横切って宙ぶらりんになりました。

 画としても見栄えがするし、空間全体に与えるインパクトも鮮烈で巧妙だと思いましたが、全てがいかにも狙った感じに見えてしまい、どうにも苦手でした。たとえば俳優の動線についても、演技スペースの周囲を走ったり、教室の窓枠を使ったり貪欲にチャレンジされていましたが、「チャレンジするための行為」にとどまっていて、私にはあまり効果的だとは感じられませんでした。ハイセンスな映像演出も含め全体がインテリジェンスでのっぺりと均一化され、“ある定型(パターン)”になっているように感じました。

 画集の中の1枚の絵について語るシーンから始まり、それと相似するシーンで終幕します。絵の中の人物が自分を見ている、もしくはその人物は私自身であるという視点を美しく示し、自死したのかもしれない緑子や、その他の「不在」になった人々もまた自分自身であるという、当事者性をはっきりさせるのが潔いと思いました。

 紅一点の女優さん(武井翔子)は主に緑子の友人の「イヨ」役でしたが、時には回想シーンで緑子役を演じることもあり、最後には「イヨ」でもあり「緑子」でもあり「アヤ」でもあるという、1人の人間なのに3人、もしくは無数の人類を代表する生命体といった存在感を担われていました。こういう瞬間に立ち会えた時、舞台を観に来て良かったと思います。

≪大阪、東京≫
【大阪公演】芸創セレクション参加【東京公演】千代田芸術祭2012「おどりのば」スカラシップ対象公演
出演:武井翔子、浅井浩介(わっしょいハウス)、鳥島明(はえぎわ)
脚本・演出:西尾佳織 舞台監督/若旦那家康 舞台美術/中村友美 照明/石田光羽 衣装/藤谷香子(FAIFAI) 写真撮影/塚田史子、宇津木健司 宣伝美術/鈴木哲生 制作/萩谷早枝子 鳥井由美子 制作協力/柿木初美 会場協力/3331 Arts Chiyoda 企画・製作/鳥公園 主催/大阪市(大阪公演)、鳥公園(東京公演)
【発売日】2014/01/24 前売 2800円/当日 3100円 U25 2500円 全席自由席・日時指定・整理番号付き
http://bird-park.info/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:12 | TrackBack

2014年03月26日

劇団印象-indian elephant-『グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory』03/26-30調布市せんがわ劇場

 劇団印象(いんぞう)-indian elephant-は、鈴木アツトさんが作・演出される劇団です。『グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory』は第18回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作。私は劇作家協会の月いちリーディングという企画で、最初に朗読劇として拝見しました。⇒オーディション告知

 「CoRich舞台芸術まつり!2014春」審査員として拝見しました(⇒92本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。下記にも後日転載します。転載しました(2014/06/17)。 

 ⇒鈴木アツトさんの「インドの代理出産クリニックへの突撃取材日記
 ⇒CoRich舞台芸術!『グローバル・ベイビー・ファクトリー』 ※こりっちでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 先進国の不妊の苦悩と、発展途上国の貧困は交換可能なのか?

 37歳の砂子は、40歳に近づくにつれ、結婚していない自分に不安を抱くようになっていた。結婚しろ、子供を作れという家族からのプレッシャーもあり、お見合い結婚をするが、幸せな新婚生活も束の間、子宮に癌が見つかり、すぐに全摘出手術を受けることに。
 子どもを産めない身体になった砂子が子どもを持つには、代理出産という方法しかなかった。インドにある外国人向け代理出産クリニックの存在を知った砂子は、その最後の手段に身を投じていくのだが・・・。
 ≪ここまで≫

 ■ネタ化される現代の生命についての考察

 不妊と代理母、そしてタイトルになっている“世界規模の赤ちゃん工場”という旬の社会問題と真正面から向き合ったストレート・プレイでした。先進国と発展途上国の搾取の構造や、何もかもが商売やニュースのネタにされていく現代の消費文化について、観客の私も当事者の一人になって考えさせられました。

 「(自分と配偶者の遺伝子を継ぐ)子供が欲しい」という“平凡な幸せ”を求める日本人女性が、不妊に悩んだ末に代理母出産を決心します。「外国人向け代理母出産」というビジネスが実行されていく中で、主人公の家族の反応や、インド人代理母と依頼者夫婦との関係、胎内の精子と卵子の様子などが描かれていきます。出来事を一面的ではなく表と裏から、もしくは横から、上からも見つめる複眼的な視点を持つ戯曲でした。セリフが確信を持った言葉に聞こえたのは、作・演出の鈴木アツトさんが現地取材をされたからかもしれません。

 深刻な問題を生々しく扱っていますが、コミカルかつ軽快に展開していくので暗くなり過ぎませんし、ファンタジーの要素も大いにあります。場所の移動が頻繁にあるため転換に工夫が見られましたが、残念ながら演劇的なフィクションの立ち上がり方には、まだまだ改善の余地があるように思われました。

 小山萌子さんはスリムで美しい体型も活かして、主人公砂子を魅力的に演じていらっしゃいました。目的達成のためには手段を選ばないエリートの砂子は、ともすれば観客の嫌われ者になりかねません。でもわがままを通す子供っぽさの元にある切実さが伝わってきたので、人間として愛らしく見えました。真剣であればあるほど滑稽に映るのも良かったです。彼女を媒介にして出来事を多面的に解釈することが出来ました。

 ここからネタバレします。

 精子くんたちが被り物を着て登場…いや~…リーディング公演を観ていたので知ってはいたけれど、やっぱりちょっと引きますね(笑)。でもすべて女性が演じているし、ミニスカートの衣装も可愛らしく見えてきたので、すぐに慣れました。

 砂子の子供を産むことになったインド人女性ナジマは夫の借金を返すため、つまりお金のために代理母になりました。ナジマに感謝した砂子は彼女に手紙を書き、やがて2人の間で文通が始まって、ナジマは文字の読み書きができるようになります。そんなほのぼのとしたエピソードを挟みつつ、心が痛む事件が連続します。砂子は「赤ちゃんに(自分以外の女性の)産道を通って欲しくない」という理由でナジマに帝王切開を強要し、ナジマはお腹の中の赤ん坊に情が湧いて、代理母ハウスから逃亡します。結局ナジマは無事に女児を出産しますが、生まれた途端に砂子に取り上げられ、一度も抱っこできないまま、代理母ハウスから姿を消しました。

 砂子の親友の女性ジャーナリスト那智とカメラマンが、インド人女性に代理母出産を依頼する日本人を探してインドに来ており、偶然、砂子とその夫に遭遇するという事件も起こりました。那智は経済格差を悪用した搾取だと砂子を批判し、砂子は「ごく普通の幸せを望んで何が悪いの?」と反論。未婚で子供を産む予定もない那智は、砂子が自分のことを「普通ではない」と見なし、蔑んでいるのだと言い返して、2人は決別します。

 カメラマンは「褐色の肌のインド人の母親から、黄色い肌の日本人の赤ん坊が生まれてくる写真を撮りたい。それぐらいインパクトのある写真が欲しい」と言います。これも代理母ビジネスと同様、人間が命を生み出す営みのネタ化、商品化です。真面目な日本人同士の胸がしめつけられるような対立の後に、砂子の夫が「もし日本人がほぼ絶滅して俺たちが最後の夫婦(つがい)だったとしたら、誰も代理母出産を非難しないんじゃないか」と言いました。種の保存というテーマが追加されて、ぐっと世界観が広がりました。人間に限らずあらゆる種の生殖、繁栄、衰退、絶滅を想像し、さらには地上から宇宙へと思考を飛ばすことが出来ました。

 念願の赤ちゃんを得て帰国した砂子は、普段の生活を再開します。朝起きて、着替えて、珈琲を淹れて、ベビーシッターがやってくる。そして以前どおりに出勤して「変わらない朝の風景」を繰り返すのです。妊娠も出産もせずに子供を得て、乳児期の子育てもしない砂子の姿を、冷やかに照明が照らして終幕。解釈は人それぞれだと思いますが、私は作者の鈴木さんが代理母出産に異議を唱えているのだと受け取りました。

 細かいですが、笑えたセリフを書き留めておきます。砂子の夫は食品を入れるパックやビニール袋などを製造している会社に勤めています。冷凍保存された砂子の卵子とともに彼の精子をインドに送ることになり、彼はその場で「新鮮な精子を提供」させれられることに。精子を入れる容器が彼の会社の製品だったというが可笑しかった!あと、「外は競争社会なんだろ?出るのが怖い」という精子のセリフも(笑)。

 ※セリフは正確ではありません。

第18回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作
【出演】砂子:小山萌子(エンパシィ)、砂子の母・インド人医師:井口恭子(青年座映画放送)、代理母出産コーディネーター:難波真奈美、砂子の父・カメラマン:広田豹(ブルバキ・プリュス)、ナジマ:水谷圭見(イッツフォーリーズ)、砂子の夫:鈴木智久(Studio Life)、精子の1つ、砂子の親友のジャーナリスト砦那智:橘麦(e-factory)、砂子の妹、他:滝香織、中島由貴、山村茉梨乃、今村有希(激弾BKYU)、中原瑞紀、平岩久資(有限会社レトル)、田村往子
脚本・演出:鈴木アツト 舞台美術:西宮紀子 舞台監督:川田康二 照明:小坂章人 音響:斎藤裕喜 振付:スズキ拓朗 衣裳:西原梨恵 演出助手:永妻優一(appleApple) 絵:大野舞"denali" 宣伝美術:BERM DESIGN TOKYO 制作:村上理恵
ポストパフォーマンストークを開催
3/27(木)14:00 ゲスト:永井愛さん(劇作家・演出家)
3/28(金)14:00 ゲスト:松田正隆さん(劇作家・演出家)
3/29(土)17:00 ゲスト:坂手洋二さん(劇作家・演出家)
【発売日】2014/01/20 前売 3,000円・当日3,500円 未就学児入場不可 全席自由
http://www.inzou.com/gbf/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:28 | TrackBack

2014年03月25日

On7『痒み』03/25-30シアター711

 On7(オンナナ)は新劇の老舗劇団に所属する若い女優さんたちが結成した、女優ばかりの劇団です。今回が旗揚げ公演(第0回公演は実施済み)で、『痒み』は作・演出に大阪在住の劇作家・演出家のサリngROCKさんを迎えた新作です。上演時間は約1時間30分弱。全席自由ですので、劇場にはお早めにどうぞ。

 「CoRich舞台芸術まつり!2014春」審査員として拝見しました(⇒92本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。下記にも転載します。 

 ⇒zakzak「新劇の女優が演劇界に新風 アラサー女優7人「On7(オンナナ)」結成
 ⇒CoRich舞台芸術!『痒み』※こりっちでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 郊外にある、超普通大学の写真サークルに所属する女子7人。
 3月。彼女たちは卒業記念展覧会の準備に力を注いでいた。
 いよいよ開催3日後に迫ったある日、メンバーの1人が姿を消した。
 残された6人は普通に1人を探し、普通に探すのを諦め、普通に卒業し、
 普通にそれぞれの道を歩んだ。
 卒業してから、6人は普通の食事会を開いた。
 それぞれの近況を報告したり、笑ったり、陰口を言ったり、噂話をしたりする、
 普通の食事会。
 それからも6人は、年に一度、普通の食事会を開いた。

 そして、10年後。
 10回目の普通の食事会に、いなくなったはずの7人目が現れた。
 彼女の出現で、6人は普通じゃない環境に放り出される事になる。
 見渡す限りの砂漠、生い茂るジャングル、森の奥の住人たち、そして真っ赤な湖と崖。

 そこでも、彼女たちの人生は、続いていく。
 ≪あらすじ≫

 ■叫んでも暴れても可愛い!若手新劇女優の底力

 白い布や石膏のような素材でできた、砂漠、宇宙、銀世界などを想像させる白い抽象舞台。床の中央に空いた丸くて大きい黒い穴が、かなりのインパクトです。白い空間なので照明が映えました。舞台全体を照らす映像演出も時々ありましたが、これ見よがしでないのが良かったです。

 大学の同窓生たちがある事故(?)をきっかけに異空間に転送されてしまう荒唐無稽な設定で、現実を軽々と飛躍する短いエピソードが連なっていきます。登場人物のキャラクターがそれぞれに濃くて、女優さんたちは戯画的な役作りをされており、「あんなに可愛いコがこんなことまで!?」という、意外性のある体を張った演技もされます。

 私の個人的感覚ですが、こういう作品は雑な印象を与えたり、過剰に下品になって見苦しくなる傾向があると思うんです。でもこの作品では、そういうことは全くありませんでした。とにかく若い女優さんが可愛い!崩れても品がある!そしてセリフが明晰!歴史ある劇団に所属してある程度の年数を経た方々は一味違うなぁと、素直に感心してしまいました。

 このお芝居に登場する32歳前後の女性たちは、過酷かつ悲惨な状況に置かれているはずなのですが、場の空気は基本的に明るくコミカル。たまに挿入される心の闇の部分の描写も効果的で、一本調子にならない演出にとても好感を持ちました。ミソジ女性の本音がよどみなく垂れ流されるセリフは、皮肉が利いていて痛快です。でも深刻にはなりすぎず、女性らしい可愛げもありました。選曲も筋が通っていていいムードだったと思います。

 豪華な当日パンフレットが無料で配布されました。色んな企業の広告が載っていて、ちょっと驚きました。あれだけ集めた営業努力も凄いと思います。広告を入れることをなるべく避ける団体もありますよね。いわゆる小劇場劇団とは文化が違うのだろうなと思いました。

 ここからネタバレします。

 10年ぶりに再会した大学時代の同窓生アイとともに南国旅行に出かけた7人は、飛行機事故に遭って無人島に墜落。なぜか生き残ってしまった女性たちは、発見したシェルターで延命したり、原住民と家庭を持ったり、砂漠に順応して進化を遂げたりして、それぞれの道を進み、やがて自分が最も望むものとは、本当にやりたいことは何なのかと突き詰めていくことになります。

 ごく平凡な日常と、突然訪れた事故。生死の間にある時空が南国での日々だったのでしょうか。無人島で3日、3か月、3年と時が経っていき、とうとう老女になって全員集合する時が訪れました。やはり老いは外せないテーマですよね。青春の日々もひどいケンカも何もかも、良い思い出か笑い話になっていきます。それぞれに濃いキャラクターを演じてきた7人が皆老いて、ひたすら笑顔を浮かべるのを眺めながら、私もいつかああなるのだろう、ああなれればいいなと思いました。ただ、最後はちょっとあっけなかったですね。あっけないという後味は悪くないと思うのですが、ストンと落ちるような何かが欲しかったです。

 感情面で振り切れる瞬間があったり、たとえば人間ではないものを演じたり、7人とも自分を晒して貪欲にチャレンジされているのが素敵でした。それぞれに魅力的だったのですが特に印象に残ったのは、潔癖症だったのに虫を入れる料理を作るようになり、なんと毛むくじゃらの動物を出産したモモ役の小暮智美さん。冒頭の場面の鼻につくセレブ気取りの道化的な演技と、南国の先住民族風の衣裳に着替えてからの荒々しい演技とのギャップが良かったです。野性的な肉体美にも惹かれました。


第一回公演
出演:小暮智美(青年座):潔癖症だったのに獣の子を産む、尾身美詞(青年座):写真部で一番のおバカさん・お腹に虫が卵を産む、安藤瞳(青年座):小学4年の子供がいる真面目な母親・ブログで発散、渋谷はるか(文学座):皮のライダージャケットのカメラマン、吉田久美(演劇集団円):原住民と結婚したが流産・昔の恋人トモ君が忘れられない、保亜美(俳優座):タイで夫と学校を建設・一番才能がある、宮山知衣(テアトル・エコー放送映画部):原住民との家庭に満足して日本に帰りたくない
脚本・演出:サリngROCK(突劇金魚) 舞台監督:今村智宏(青年座) 舞台美術:根来美咲(青年座) 照明:鷲崎淳一郎(ライティングユニオン) 音響:児島塁(Quantum Leap*) 宣伝写真:美島菊名 宣伝デザイン:武内雄介 宣伝衣装:高木渚 宣伝ヘアスタイリング:松尾由紀子(brisa) 宣伝メイク:KOTOMI WEB:木下奈緒、西嶋裕之 サポート:安藤優 制作:高橋ゆうき 宣伝撮影協力:等々力スタジオ 企画・制作:On7
【発売日】2014/02/01 前売・当日3500円 初日割引 3000円
http://onnana.com/arc_1.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2014年03月24日

【ご報告】アクターズワークス「小川絵梨子シーンスタディ」のレポートについてご紹介いただきました

 「小川絵梨子シーンスタディ」を実施したアクターズワークスの柚木佑美さんが、今回のレポートについて公式サイトに書いてくださいました。

 投稿ごとに独立したURLがないようなので、記録を残すために、以下の通りそのまま引用させていただきます。

 ●演劇ライター・高野しのぶさんの小川絵梨子WSレポート(2014年3月24日)

今回の小川絵梨子WSには、演劇ライターの高野しのぶさんが参加されていた。
もともと、小川さんと私を結びつけて下さったのは高野さんだ。
ライターとしてWSの見学を希望されていたのだが、小川さんのWSは基本見学NG。だが、小川さんにご相談したところ話はコロコロ転がって「一緒に受講」になってしまった。
その旨をお知らせした時、「………電車でメールを読んで、クラっとしました…。」というメールが返ってきた(笑)。

高野さんは我々と一緒に、シアターゲームだけならまだしも、俳優同様に役演じて下さった。見事に3日間! 
横で拝見していると役者以上の努力だったと思う。

その、文字通り体を張ったレポートの第一弾がアップされました。
大変興味深いレポートです。ぜひご一読下さい。
「しのぶの演劇レビュー 写真レポート」
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0323153308.html

柚木佑美

 ●小川絵梨子WS(2014年3月20日)

昨日、小川さんのWSが終わりました。
私は、その余韻でまだ夢の中です。
今から15年ほど前、私の師キャリー・ジベッツさんのレッスンに出会った時も、衝撃が走りました。

その時を思い出すほどの気持ちです。

その時から今まで、「現場に対応するために」「役者としてプライドを持って仕事をするために」と、このやり方で私自身も訓練してレッスンもして来て、でも、それをきちんと生かして演出していただいた経験はほとんどありませんでした。
その理由のひとつは、日本と海外の「演出」というものの考え方などの違いにあると思っています。
ご存知のとおり、サンフォード・マイズナーテクニックはアメリカからのものです。小川さんもアクターズスタジオで演出を学ばれた方。
演技のルーツが同じで、共通用語、共通認識があるのです。

もちろん、それだけではなく小川絵梨子さんの素晴らしい才能と人格がこの結果をもたらして下さいました!

メイドインUSAの本の中だけで読んでいた演出が、実際に自分たちになされた時、「こんなに豊かなものだとは!」と体で実感できました。

私の役者としての体験は、3日間ともずっと、最初から、「柚木」と「役」がちゃんと同居、シェアして存在していました。
「私、役からもどれませ~ん」みたいな妖しい感じではなく(笑)、とても現実的に存在していて、「柚木」がやること感じることが全部「役」に生かすことができる、「役」という役を前に進めていくことに役立っている・・・そういう感じ。

私の、私たちのやってきたことはやっぱり間違っていなかった・・・。

こんな体験ができ役者として、こんなに幸せなことはありません。

小川さんに深く感謝いたします。
そして、また絶対やるぞぉ~~~~~!!!!


柚木佑美


※引用は以上です。

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Posted by shinobu at 20:06 | TrackBack

2014年03月23日

【写真レポート】アクターズワークス「小川絵梨子シーンスタディ」【1】3日間のあらまし

 アクターズワークスが主催する「小川絵梨子シーンスタディ」に俳優として参加してきました。講師の小川さんから見学ではなく参加するよう勧められ、主宰者で俳優指導者・女優の柚木佑美さんが快諾してくださったので、合計3日間ガチンコで闘ってまいりました…!
 4回に分けてレポートします。⇒〔3日間のあらまし・当ページ〕〔小川語録1〕〔小川語録2〕〔しのぶの感想

 ●アクターズワークス
  「現場で活躍する映画監督や演出家のワークショップ第二弾
   小川絵梨子シーンスタディ」告知エントリー
  期間:2014年03/17(月)~19(水)
  時間:3日間とも13:30~17:30(結果的に3日間とも18時を過ぎました)

 小川さんは第3回小田島雄志・翻訳戯曲賞、第19回読売演劇大賞優秀演出家賞・杉村春子賞、第48回紀伊國屋演劇賞個人賞、第55回毎日芸術賞・第16回千田是也賞、第21回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞されている、日本で今もっとも注目を集める30代の翻訳・演出家の一人です。
 ⇒プロフィール(カムトゥルー内)(シス・カンパニー内
 ※小川さんの発言を掲載している過去エントリー⇒

20130217_ogawaWS2s.jpg

 私が観たいストレート・プレイを作ってくれる日本人は小川さんではないかと、この数年ずっと思ってきました(⇒私のインタビュー記事、⇒俳優の演技についての個人的考察 ⇒書評)。
 小川さんのワークショップの内容と彼女の発言を、俳優や演出家の皆さんと共有したい。それによって彼女のような演出家と協働できる作り手が増えて欲しい。また、俳優の仕事とは何で、一体どういう職業なのかを、私が体験したことを通じてお伝えしたい。そんな思いでまとめた長文レポートです。よかったら観客の皆さんも読んでいただけたらと思います。

■3日間のあらまし

 参加者は男女半々で12名(時々13名)。アクターズワークスなどでキャラクター&シーンクラスまで修了した俳優のみを対象にした、ハイレベルなワークショップです。

【 1日目 】

 ●自己紹介
 車座になって名前を言っていく。全員がこの場で呼ばれたい名前の名札をつけています。

 小川:今回のワークショップにおける私の目的(仕事・ミッション)は、俳優のインナーワーク(内面・感情の訓練)等のワークショップから、本番用の実際の稽古場へと橋渡しをすること。顔合わせ、稽古、本番を3日間で疑似体験する試みです。
 柚木:日本の俳優が稽古場でダメ出しを言われて落ち込んでしまうのは、演出家が“先生”でもあるから。皆さんに「自分は大丈夫だ」と思ってほしい。そのために小川さんに来ていただいた。

 ●鬼ごっこ
 まずは普通の「鬼ごっこ」から。鬼を1人決めて、タッチされたら手を挙げて鬼であることを宣言し、誰かを追いかけることの繰り返し。大人が本気で爆走。私はしょっぱなに転んで左ひざを打撲。次は「名前鬼」。ルールを忘れました…というか最初に思いっきり間違えて皆に笑われました。ここでも汗だく。

 ●ゲーム
 勝つごとに1~3点もらう。減点もある。自分で加算して最後に得点を発表。一位と二位、そして最下位とブービー賞には、小川さんが翌日に飲み物をプレゼント。

 1.「ジェスチャーゲーム」:2チームに分かれてチーム対抗戦。各チーム内の1人がお題をジェスチャーで表現し、早く正解を出したチームが勝ち。正解するごとにジェスチャーをする人は変わる。お題は「世界の国の名前」「映画の題名」「戯曲の題名」。正解が出たら全員が床に座る(その早さを競う)というルールだったため、スクワットを数十回やることに。筋肉痛確定。
 2.「ウィンクキラー」:全員でトランプを引いてキラーを決定(1人また2人)。全員で室内を歩く内、ウィンクをされた人は倒れて離脱。キラーを探す心理戦になる。
 3.「主犯共犯(ジェダイVS帝国軍)」:全員でトランプを引いて帝国軍を決定(主犯1人と共犯2人)。全員が目を閉じて待つ中、音をたてずに、主犯の命令で共犯2人がそれぞれに誰かを叩く。目を開ける。叩かれた2人が他の人々(=ジェダイ)と協力して帝国軍を探す。ジェダイの中に帝国軍が紛れた状態での心理戦・嘘つき合戦になる。

20130217_ogawaWS1s.jpg

 ここまでで2時間経過。

 ●公開お悩み相談室
 参加者の質問や相談に小川さんが答えていく。小川さんが約1時間半しゃべりっぱなし。

 ●戯曲『12人』シーンスタディー
 男女の比率を均等にしてランダムに2チームに分けて、小川さんが配役発表。鬼ごっことゲームの間に参加者を観察して配役を決めたと思われる。登場人物を『12人』から『8人』にして上演。人数合わせのためにAチーム、Bチームの両方に出る俳優あり。
 ※『12人』は『12人の怒れる男』(⇒Wikipedia)の舞台を現代日本に置き換えた小川さんの戯曲です。⇒過去レビュー

 Aチーム、Bチームの順に1~15ページまで読む。

 小川:明日に向けての宿題です。できればセリフは覚えないで。顔を台本に向けなくてもいいぐらいにしてくること。何をしなきゃとか考えなくていいように。相手のセリフを追わなくていいように。70%ぐらいは相手と居られるように。聞いていられる状態にする。自分がその場にどう居て、どう聞くか、なぜ発言をしないのかが重要。

 小川:戯曲内で議論される事件について把握しておいてください。登場人物たちは初対面です。初対面だから、誰もがいい風に思われたい。相手に感じ良く居てください。常に役として居ること。この場で起こることが全て。

 18時25分解散。

20130219_ogawaWS12s.jpg

 【 2日目 】

 ●ゲーム
 1.「ジェスチャーゲーム」:お題は「東京の地名」「料理の名前」。やはりスクワットで汗だく。
 2.「ウィンクキラー」:キラー2人から開始。私は初めてキラーになり撃沈。ウィンクで両目閉じちゃうし…。
 3.「裏切り」:小川さんが考案したゲーム。2人1組のペアを作り1人だけ余りを出す。余りになった人は2人組になれるよう他のペアに突進。ペアになってる人々は自分の相手を裏切って、余りの人とペアになることができる。皆、1人になりたくないので叫び、走り回り、くっついて離れてが延々と続く…。私は人数の関係で不参加で高みの見物。めちゃくちゃ面白くて笑いが止まらず、お腹が痛くなりました。
 4.「主犯共犯(ジェダイVS帝国軍)」:私は初めて共犯になり勝利(⇒打ち上げで“魔女”呼ばわりされご満悦)。

 ここまでで約1時間経過。

 ●戯曲『12人』シーンスタディー
 Bチーム、Aチームの順に読む。その後、小川さんによるノート(ダメ出し)と宿題。

 小川:登場人物は4日間ずっと法廷で傍聴していた。だからしゃべりたくて仕方ない。世間話はもっとわいわいして。ヴォーカル・エナジー(声の力)を上げて。エネルギーを高くしてください。

 小川:『12人』はリアクション芝居。話すことだけじゃなく、リアクションでその人物がどういう人なのかわかる。具体的なことを想像してください。言葉が具体的であることが大切。

 小川:どんな事件だったのか視覚化しましょう。被告が父親に殴られてボコボコにされたのなら、どういう風に?体にあざもあったでしょう。きっと法廷で写真も見たよね。エリートのお父さんの顔写真も、放火された家の写真も。4日間を視覚化して具体的に想像しておく。裁判で聴いてきたことを視覚化する。自分の中に持っておく。事実を体に落としていかないといけない。

 小川:長いセリフを言う人は、しゃべってる時ほど、聞いてください。相手の話を聞いているのが大事。しゃべっていることに自意識を向けないこと。大事なのは自分のペースじゃなく、作品のペース。

 小川:小道具を(自分で持ってきて)使っていいので、自分の役ができる作業を探ってください。具現化するのがいい。

 簡単な装置を建て込んで、18時15分ごろ解散。

20130219_ogawaWS24s.jpg

 【 3日目 】

 ●戯曲『12人』シーンスタディー
  各チームに10分間の作戦タイムを与えた後、Aチーム、Bチームの順に読む。その後、小川さんによるノート。

 小川:なるべく広く、自分からスペースを使うこと。果敢にやっていってください。
 小川:ぼんやり感想を言ってるみたい(それではダメ)。文頭にある「えー…」というセリフでも、他者と関わろうとしている「えー…」にしてください。言葉が停滞しないことが大事。このお芝居の登場人物はみんな、納得できる評決を出したいんです。

 ●エクササイズ (約20分間)
 「トラスト(TRUST・信頼)」:6~7人が立って円になり、中央に1人立つ。中央の人は周囲の全員とひとりずつアイコンタクトを取ってから、目を閉じて体の力を抜いて、左右前後の自由な方向に倒れる。それを周囲が力を合わせて受け止め、もとの位置に戻してあげる。何度か繰り返してから、中央に立つ人を交代していく。倒れるには勇気がいる。受け止める側は倒れる人を怖がらせないようにする。お互いに味わう。

 小川:中央の人は自分の意志じゃなく、流れるままに飛び込んで。力を抜いて、棒になってください。倒れるのに不安にならないで。この面子なら絶対に受け止めてくれる。大丈夫!
 小川:あせらない。不安にならない。私たちが自分を信じなければ、受け止められない。私たちも彼女(=中央の人)の重みを感じさせてもらいましょう。彼女の重みを感じられることを喜んでください。
 小川:これは芝居と同じこと。舞台上で起こることと全く同じです。倒れてきてくれるから、受け止められる。
 小川:でもTRUSTをやったからって、一緒にやった人全員を信じなきゃダメってことじゃないですよ(笑)。

 ●戯曲『12人』シーンスタディー
 Aチーム、Bチームの順に読む。その後、小川さんによるノートと今回のワークショップのまとめ。

 小川:最初の1日目からたったの3日間で、皆さんはここまで自分でやったんです。シーンスタディーはたった2日間で、ぐんぐん良くなりました。相手のために、芝居のために、進めることができていた。みんなが(何かを)持ってきて試そうとしてくれた。自信を持ってください。現場なら稽古初日にこれぐらいできるといいですね。

 18時10分ごろ終了。装置や荷物を片づけて撤収。そして打ち上げ。


 ※計4回のレポートです⇒〔3日間のあらまし・当ページ〕〔小川語録1〕〔小川語録2〕〔しのぶの感想

写真提供:アクターズワークス、高野しのぶ
アクターズワークス「現場で活躍する映画監督や演出家のワークショップ第二弾 小川絵梨子シーンスタディ」
期間:2014年03/17(月)~19(水)
告知エントリー:http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0201172728.html


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Posted by shinobu at 15:33 | TrackBack

【美術展情報】日本舞台美術家協会(JATDT)舞台美術展2014「『Pの間』間じる~舞台美術のPLAY・PLAN・PLEASURE」3/30(日)20時まで開催中!

 日本舞台美術家協会(JATDT)による舞台美術展2014「『Pの間』間じる~舞台美術のPLAY・PLAN・PLEASURE」が、ただいま東京芸術劇場5階のギャラリー1にて開催中です。以下、主催者よりいただいた情報です。

 ●舞台美術展2014「『Pの間』間じる~舞台美術のPLAY・PLAN・PLEASURE」
 開催期間:2014年3月21日(金)~30日(日)11時~20時
 会場:東京芸術劇場5階ギャラリー1
 ⇒公式サイト
 ⇒公式ツイッター
 ⇒facebookページ
 ⇒facebookイベントページ

p-ma2014_s.jpg

 200作品以上の舞台美術の展示があるそうです。ワークショップも連日開催。ワークショップの申し込みは3/10で〆切とありますが、今も受け付けているとのこと。お友達やお子様連れでフラっと遊びに行くといいかも!

■日本舞台美術家協会(JATDT) 舞台美術展 2014
 「Pの間」 間じる~舞台美術のPLAY・PLAN・PLEASURE

舞台美術が出来上がるプロセスは、普段客席からは見ることが出来ないもうひとつの物語。 作品×共同製作者×舞台美術家の組み合わせの数だけ、数え切れない創作のドラマが存在します。今回のJATDT展「Pの間」では、舞台美術の創作過程に焦点を当てた展覧会とワークショップを同時開催。舞台美術家の創作過程を疑似体験することで、舞台美術を始め、舞台芸術全般への興味や広がりを体感できる開かれた空間です。日々生み出されるたくさんのアイデア(PLAY=発想)からコラボレーション(PLAN =共有)を経て、舞台上で輝く作品(PLEASURE=喜び)へ昇華される、舞台美術家の創作の熱を、この3つのPが交錯する「Pの間」で、あなたも感じてください。

*展覧会:舞台美術の創作過程を体感できるアミューズメントパークのような迷宮空間。舞台美術家協会員の旬の作品が200作品以上勢揃いします。

*ワークショップ:子どもから大人まで、舞台美術に関心のある方から通りすがりの方まで、あらゆる層の方々が舞台美術の楽しさを疑似体験できるワークショップを連日多数開催。舞台美術を遊びながら学ぶ。そんな体験を一緒にしてみませんか?


公式サイト:http://www.jatdt.net/pnoma/p-noma.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:32 | TrackBack

2014年03月22日

【オーディション】SPAC「ニコラス・シュテーマン演出『ファウスト 第一部』エキストラ出演者オーディション」04/14実施・04/26-27本番※04/10〆切(郵送orメールor持参)

 「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」で上演される『ファウスト 第一部』のエキストラの男性俳優募集です。詳細は公式サイトでご確認ください。開催地は静岡です。

 演出家はニコラス・シュテーマンさん。本作の完全版でベルリン演劇祭最優秀賞を受賞されています。

 ◎募集:男性の俳優(若干名)
 ◎オーディション日程・場所:
  日程:2014年4月14日(月) 
  場所:静岡県舞台芸術公園
 ◎締切:4月10日(木)必着(郵送・Eメール・持参とも)

 ◎稽古・公演日程
  稽古:4月24(木)~25(金)の午後
  本番:4月26日(土)18時開演、27日(日)13時開演

【急募!】「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」上演作品 『ファウスト 第一部』エキストラ出演者オーディションのお知らせ ※公式サイトより

演劇祭の注目作品、『ファウスト 第一部』に出演する男性エキストラを募集します!
演出のニコラス・シュテーマン氏はベルリン演劇祭2012で上演した本作が評価され、同年のテアター・ホイテ誌「年間最優秀演出家賞」に輝くなど、現代ドイツ演劇を代表する演出家です。その後も本作はアヴィニョン演劇祭を始めとするヨーロッパ各地で上演されており、今回は記念すべき日本初上演となります。

(公演詳細)
『ファウスト 第一部』
4月26日(土)18時、27日(日)13時
静岡芸術劇場
演出:ニコラス・シュテーマン
製作:ハンブルク・タリア劇場、ザルツブルク音楽祭
ドイツ語上演/日本語字幕
http://www.spac.or.jp/f14faust.html


この舞台に出演する、エキストラの男性俳優を広く公募します。

【オーディション 概要】
◎募集
男性の俳優(若干名)

◎オーディション日程・場所
日程:2014年4月14日(月) ※日程の都合が難しい場合は応相談
場所:静岡県舞台芸術公園(静岡県静岡市駿河区平沢100-1)

◎応募条件
・4月24(木)~4/27(日)の全日程に参加できること。
・年齢18歳以上、国籍不問(ただし日本語、英語、ドイツ語のいずれかを解すること)
・舞台作品の出演経験があること。
・「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」に参加する一員として自覚を持ち、外国のカンパニーおよびSPACと共に舞台作品を作る意欲に溢れていること。

◎稽古・公演日程
稽古:4月24(木)~25(金)の午後
本番:4月26日(土)18時開演、27日(日)13時開演
いずれも場所は静岡芸術劇場(静岡県静岡市駿河区池田79-4)。

◎その他
・少額ですが出演料をお支払いします。
・出演の際、遠方の方で宿泊が必要な場合は、施設使用料として一日千円をお支払いいただければ、上記期間内で最大4泊までSPACが用意します。
・オーディション参加のための交通費・宿泊費の支給、および出演にかかる交通費の支給はありません。
・上記期間中は4/27(日)17:30開演のSPAC『マハーバーラタ』を観劇できます。(チケットは割引料金が適用されます。)

◎併願
『よく生きる/死ぬためのちょっとしたレッスン』オーディションワークショップ(4/16~19)
http://spac.or.jp/news/?p=9907
との併願は不可ですが
ミリアム・ゴルトシュミットによる演劇ワークショップ(4/29~5/3)
http://spac.or.jp/news/?p=9873
との併願はできます。

◎締切
4月10日(木)必着(郵送・Eメール・持参とも)
応募者多数の場合は書類選考にてオーディション参加者を決定いたします。
選考結果は4/12(土)までにメールでご連絡させていただきます。

◎応募方法
下記の二点を郵送、e-mail、または持参にてお申し込みください。
1.プロフィール(現住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、学歴、職歴など。またご自身の出演経験や作品情報などを詳しくお書きください。)
2.写真2点(上半身と全身がわかるもの)

※確実に連絡のつくメールアドレスをご記入ください。
※迷惑メールの対策などでドメイン指定を行っている場合はSPACからのメール(apply(あっとまーく)spac.or.jp)を受信設定してください。
※応募資料は返却いたしませんのでご了承ください。なお、個人情報は静岡県舞台芸術センターが厳重に管理し、本企画に関するご連絡以外には使用いたしません。

皆様の応募をお待ちしております。

お申し込み・お問い合わせ:
SPAC-静岡県舞台芸術センター
「『ファウスト 第一部』エキストラ募集係」宛
〒422-8005 静岡市駿河区池田79-4
TEL.054-203-5730 
特設メールアドレス:apply(あっとまーく)spac.or.jp


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:08 | TrackBack

【ワークショップ・オーディション】SPAC「『よく生きる/死ぬためのちょっとしたレッスン』出演者募集をかねたワークショップ」04/16-19実施※3/30〆切(郵送orメールor持参)

 「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」で上演される体験型演劇『よく生きる/死ぬためのちょっとしたレッスン』の出演者募集です。詳細は公式サイトでご確認ください。開催地は静岡です。

 テアトロ・デ・ロス・センティードスの劇団員による4日間のワークショップを実施し、参加者の中から劇団員とともに公演に出演する出演者を選抜するそうです。

 <ワークショップ概要> 日本語通訳あり
  実施期間:4/16(水)~19(土)【要全日程参加】
  応募締切:3/30 (日)<必着>(郵送・Eメール・持参とも)
 <稽古・公演概要>
  稽古期間:4/20(日)~25(金)
  公演期間:4/26(土)~4/29(火・祝)

■出演者募集!オーディションワークショップ開催『よく生きる/死ぬためのちょっとしたレッスン』公式サイトより

「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」で上演される『よく生きる/死ぬためのちょっとしたレッスン』
に出演する俳優を募集します。
『よく生きる/死ぬためのちょっとしたレッスン』はスペインのバルセロナを拠点に活動するテアトロ・

デ・ロス・センティードス(五感の劇場)による観客参加型の演劇です。五感に訴える上演スタイルで話

題となり、ヨーロッパを中心に公演を重ね、今回初めて日本での上演が実現します。

テアトロ・デ・ロス・センティードスの劇団員による4日間のワークショップを実施し、ワークショップ

参加者の中から劇団員とともに公演に出演する、出演者を選抜いたします。
たくさんのご応募をお待ちしております。

<ワークショップ概要> 日本語通訳あり(ワークショップは英語で行われます。)
実施期間:4/16(水)~19(土)【要全日程参加】
(各日6時間程度のワークショップを実施予定です。詳しいスケジュールは改めてご連絡いたします。)
会場:舞台芸術公園内稽古場
募集人数:16名(うち5名の方に公演に出演していただきます。)
参加費:3,000円
応募資格:
・性別不問
・年齢18歳以上
・国籍不問、ただし日本語を解すること
・ワークショップ・稽古・公演期間の全日程参加できること
応募締切:3/30 (日)<必着>(郵送・Eメール・持参とも)

<稽古・公演概要>
稽古期間:4/20(日)~25(金)
公演期間:4/26(土)~4/29(火・祝)
公演日時:(各日3回公演)
4/26(土)11時・13時・15時開演
4/27(日)11時・13時・15時開演
4/28(月)15時・17時・19時開演
4/29(火・祝)12時・14時・16時開演
公演会場:静岡県職員会館 もくせい会館(静岡市葵区鷹匠3-6-1)
上演時間:70分

————————

応募方法:▼下記の①~②を添付の上、郵送、Eメール、または持参にてお申し込みください。
①プロフィール(現住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、学歴、職歴。またご自身の出演経験や

作品情報などあればできるだけ詳しくお書きください。)
②写真2点、上半身と全身がわかるもの

※Eメールでご連絡する場合がありますので、確実に連絡のつくメールアドレスをご記入ください。
※締切日を過ぎてからのお申し込みは受け付けません。
※応募者多数の場合には書類選考をいたします。(4/5(土)までにご参加の可否をご連絡いたします。


※応募資料は返却いたしませんのでご了承ください。なお、個人情報は静岡県舞台芸術センターが厳重に

管理し、本企画に関するご連絡以外には使用いたしません。
※遠方からの参加の場合、宿泊施設をご案内いたします。ご希望の方はご相談ください。
※ワークショップにて選抜された出演者には出演料をお支払いいたします。

お申し込み・お問い合わせ:
SPAC-静岡県舞台芸術センター「『よく生きる/死ぬためのちょっとしたレッスン』出演者募集係」宛
〒422-8005 静岡市駿河区池田79-4
TEL.054-203-5730 
特設メールアドレス:apply(あっとまーく)spac.or.jp

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2014年03月21日

【演劇講座】カルチャーセンター東急セミナーBE青葉台校「今からはじめる!演劇部(講師:古川貴義)」04/15-06/17(計5回)※3日前まで受付可

 箱庭円舞曲主宰の古川貴義さんによる、初心者から経験者まで受講可能の演劇講座のご案内です。カルチャースクールの企画ですね。気軽に参加してみてはいかがでしょうか。以下、主催者よりいただいた情報です。

 ■「今からはじめる!演劇部」 ⇒公式サイト
 講師:古川貴義
 期間:04/15-06/17(第1・3・5火曜日 19:15~21:00)
 受講料:17,100円(全5回)

■「今からはじめる!演劇部」 講師:古川貴義(演出家・劇作家・俳優)

カルチャーセンター東急セミナーBE青葉台校では4月期から箱庭円舞曲の主宰である古川貴義氏をお迎えし、実践的な演劇講座を開講します。

「今からはじめる!演劇部」
2014/04/15(火) 19:15-21:00
2014/04/29(火) 19:15-21:00
2014/05/20(火) 19:15-21:00
2014/06/03(火) 19:15-21:00
2014/06/17(火) 19:15-21:00

受講料:17,100円(全5回)
※3日前まで受付可
※途中受講可、見学可、体験可
※4/15には1000円で受講できる特別体験講座もございます(WEB申し込み不可)。


「自分以外の誰か」を演じたり、相手の演技に応える楽しさを味わいながら、「コミュニケーションの芸術」である演劇を、実践で学んでいきます。「演じる」とはどういうことかを考えていくと、日常も少し違って見えるかもしれません。

まったくの初心者から経験者まで幅広くお待ちしております。
半年経つ頃には公演も打てるようになるかもしれません?!

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:07 | TrackBack

【俳優養成】映画美学校「アクターズ・コース第4期受講生募集」5/13開講※5/7〆切(郵送or持参)

 渋谷の映画美学校のアクターズ・コース第4期の受講生募集情報です。⇒昨年の告知

 平日夜と土日の開講ですので、学生や社会人でも通えそうです。詳細は公式サイトでご確認ください。

【映画美学校アクターズ・コース第4期募集情報】
 受講期間:2014年5月13日(火)ー2015年3月末
 受講資格:18才以上でありプロの俳優を目指す人であれば学歴、経験の有無は問いません。
 定員:24名(定員になり次第締め切ります。なお、当コースの最少開講人数は16名です)
 授業日程:原則として火曜、金曜の19:00-21:30、土曜に行います。

 受講料:368,000円(税込)
 入学登録料:10,000円(税込)
 保険料:9,000円(税込)
 受付〆切:2014年5月7日(水)まで
 ⇒アクターズコース公式ツイッター
 ⇒「アクターズ・コース第4期・開講記念イベント」4/12、4/19映画美学校

【アクターズ・コース第三回公演『美学』】
 3月28日~30日@アトリエ春風舎
 作・演出:田上豊
 ※アクターズ・コース第3期生のための新作書き下ろし公演です。

Posted by shinobu at 13:42 | TrackBack

【ワークショップ】アプレ「三浦大輔特別ワークショップ」4/26、27、29実施※4/11〆切(郵送のみ)

 映画「愛の渦」が公開中の三浦大輔さん(ポツドール)のワークショップ情報です。下記はCoRich舞台芸術!の掲示板より。お申し込み方法等は公式サイトでご確認ください。

 ■『愛の渦』の三浦大輔監督ゴールデンウィーク特別3日間ワークショップ
  [開催日] 4月26日(土)27日(日)29日(祝)
  [締め切り] 4月11日(金)(必着)
  [参加費] 3万円

Posted by shinobu at 01:27 | TrackBack

2014年03月20日

ホリプロ『幽霊』03/20-30 Bunkamuraシアターコクーン

 森新太郎さんがイプセン戯曲を演出されます。『幽霊』はノルウェーで1881年に発表された5人芝居です。上演時間は約2時間10分休憩なし。

 意外な演技方法だったので最初はどうやって観ればいいのか、つかみづらかったのですが、慣れてくると乗っかって楽しんでいけました。戯画的で人形めいた演技の会話劇で、岩松了作品のようでもあり。美術がハイセンス!照明とのコンビネーションに驚かされました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『幽霊

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 舞台はノルウェー西部のフィヨルドに臨む名士アルヴィング家の屋敷。
 十年前に他界した夫の功績を讃える記念式典の前日、牧師のマンデルスは、信仰に背を向けて生きる未亡人が、故アルヴィング大尉の名声に傷をつけていると非難する。
 しかし彼女は、夫の私生活が救いようのないほど堕落していたこと、そして一人息子のオスヴァルのため、世間にはそれをひた隠しにして生きてきたことを告白する。
 未亡人が愛のない偽りの人生を送っていたことを知り、牧師はショックを隠しきれない。
 そんな中、留学先のパリから帰国したオスヴァルが、女中レギーネとの結婚願望を母親に打ち明ける。
 しかしレギーネは、故アルヴィング大尉が放蕩の挙句、当時の女中に産ませた異母兄妹であった・・・・。
 ≪ここまで≫

 誤解や思い込みのせいで皮肉な結末がやってくる、面白い戯曲です。ごくごく素直にイプセンって凄いな~と思いました。

 ここからネタバレします。

 家具も衣装も現代風でシャープな印象。下手に玄関へと続く廊下があり、中央は四角いステージです。中央より少し上手側の奥に、大きな観葉植物が置いてあります。木の部分がねじれていて、上部に大きな緑色の葉が垂れ下がっています。つまり能舞台なんですね。お能のように登場人物は死者、つまり“幽霊”というわけです。

 舞台中央に長さ10メートルはありそうな大きな白いソファが設置されています。下手側は背もたれのあるソファ状ですが、上手に向かって背もたれが徐々に低くなり、上手側はベンチ状です。主な家具はそれだけで、道具を移動させる場面転換もありません。シンプルで見事なステージングだと思いました。
 
 自分は脳軟化症(?)だと告白した息子オスヴァルが、とうとう介護が必要な状態になってしまった瞬間、舞台奥の白い巨大な壁の裏から照明が当たり、壁の骨組みが透けて、まるで柱と窓の組み合わせのように見えてきます。同時に舞台上の家具にも白々と照明が当たり、なんと一瞬にして居間が病室に変貌します。衣装も小道具も何も変わらず、ただ照明が変わっただけなのに!恐ろしい景色でした。

【出演】ヘレーネ・アルヴィング:安蘭けい オスヴァル・アルヴィング:忍成修吾 牧師 マンデルス:吉見一豊  女中 レギーネ:松岡茉優 大工 エングストラン:阿藤快
脚本:イプセン 翻訳:毛利三彌 演出:森新太郎 美術:伊藤雅子 照明:佐々木真喜子 音響:藤田赤目 衣裳:半田悦子 ヘアメイク:川端富生 演出助手:坂本聖子 舞台監督:足立充章 稽古場プロンプター:チョウヨンホ 主催:ホリプロ
指定席 \8,000 コクーンシート \5,000
http://hpot.jp/stage/yurei

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:28 | TrackBack

2014年03月15日

東京芸術劇場『おそるべき親たち』03/02-16東京芸術劇場シアターウエスト

●「舞台『おそるべき親たち』を観て語る会」を開催しました。

舞台『おそるべき親たち』
日程:2014年3月15日(土)14時開演
上演時間:約2時間20分(休憩15分を含む)
2010年のレビュー:http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1108234411.html

Les parents terribles by Jean Cocteau
出演:佐藤オリエ 中嶋しゅう 麻実れい 満島真之介 中嶋朋子
作:ジャン・コクトー 翻訳・台本:木内宏昌 演出:熊林弘高 美術:島次郎 照明:笠原俊幸 衣裳:原まさみ 音響:長野朋美 ヘアメイク:鎌田直樹 舞台監督:澁谷壽久 
【休演日】3/5,12【発売日】2013/11/23 一般6,000円、65歳以上割引5,000円、25歳以下割引3,000円、高校生割引1,000円
※65歳以上、25歳以下、高校生割引チケットは、東京芸術劇場ボックスオフィスにて、前売のみ取扱い。(枚数限定・要証明書)
※障害をお持ちの方:10%割引にてご観劇いただけます。前売のみ、一般販売より取扱い。お付添いの方は1名様まで無料となります。(チケットお引取りの際に、障害者手帳をご提示ください。)詳しくは劇場ボックスオフィスまでお問合せ下さい。
https://www.geigeki.jp/performance/theater041/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:17 | TrackBack

サンプル『シフト』03/14-23東京芸術劇場シアターイースト

 松井周さんが作・演出される劇団サンプルが、2007年に上演した『シフト』を再演します。初日の上演時間は約2時間(休憩なし)。

 めっちゃくちゃ刺激的で面白かったです!ある意味過激と言える性的表現がありますので、私の感覚ですとR25ですね。ただ、その表現方法が…私にはツボ!(笑) ミーハーな言葉で言うと、“尊敬すべき変態”が観られるので(笑)、大人はシアターイーストに行くべし!(心が大人なら10代でも大丈夫♪)

 緻密に組み立てて連携する俳優の演技と、美術、照明、音響、衣装などのスタッフワークとの融合から生まれる劇的時間は、まさに舞台芸術。ダムのある村の小さなコミュニティーがそのまま“世界”の姿になり、凝り固まった因習という近景と、人類の歴史という遠景の両方の視座を得て、私たちが生きる今も自ずと浮かび上がります。

 【舞台写真 撮影:青木司 左から奥田洋平、野津あおい】
sample_shift1s.jpg

 ⇒CoRich舞台芸術!『シフト

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 山と川に囲まれた村。
 元々の村はダムの建設によって沈んでいる。
 大型スーパーの進出はその村を危機に陥らせる。
 村民は伝統を蘇らせ、村おこしをはかろうとする。
 村のある家に、都会から男がやってくる。
 娘と結婚するために。
 村では今、外からの血が必要とされている。
 ≪ここまで≫

 初演同様、相撲の土俵を模したステージでした。天井からはいくつも綱がぶら下がり、綱の先には透明のラップにくるまれたさまざまな物体が揺れています。たとえば洋式トイレの便座、自転車、障子の木枠、たまねぎの束など。物をひっかける部分は丸い輪っかになっていて、首を吊り用の綱にも見えます。その綱と物がセットで命を示しているように思いました。
 土俵の綱に沿うようにきれいに配置されていた干し草は、俳優が動くごとにバラバラと散らばり、ステージを汚していきます。土俵の中の人々は干し草の中にいる家畜にも見えました。

 あえて強烈にキャラクタライズされた登場人物たちの常軌を逸した行動を笑いながら、自分もまた他者から見ればただの変態なのだと心の中で嗤いました。…それにしても俳優の変態っぷりは凄いです……。強靭な理性と技術がないとできないんじゃないでしょうか……特に家具と…(言えない)。初演で古舘寛治さんが演じていたおじさん役を、武谷公雄さんが演じているとわかった途端、「うわああぴったりだっ!!!」と思って吹き出してしまいました(失敬!)。武谷さんは真性マゾだとおもふ。

 松井さんが当日パンフレットに書かれているとおり、『「伝統」や「習慣」はそのように始まり、終わり、いずれ、また始まる』のだと思いました。どんなものも生まれて生きて、思いもかけない事件をきっかけに、あっという間に滅ぼされ、衰弱して消え入ります。私もやりたいことを成し遂げられず、志なかばで、「間に合わない」で死ぬでしょう。それが地層になっていくんですね。

 【舞台写真 撮影:青木司 右は黒宮万理】
sample_shift3s.jpg

 ここからネタバレします。後から書けたら書きます。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:松井周 天野天街

 松井:犬のブリーディングを人間でやったらという発想。別の視点で人間を描こうとした。

 松井:吊り下がる物がラップに巻かれてるのは量販店「ドン・キホーテ」のイメージ。商品の羅列。資本主義の幽霊というか、生ものに触れられないイメージ。
 天野:床に敷かれた藁がエロティックですね。卵も出てくるし。

 天野:「(そんなに忘れっぽいと)将来自伝書けないよ」「指紋だらけ」というセリフが印象に残った。

 天野:異世界を(緻密に)構築してしまうと夢でなくなる。部分だけを作る方が広がりがある。

 松井:このお芝居は23日までやってます。“相撲みたいな芝居”と言っていただければ。(会場で笑いが起こる。全然違うし!)
 天野:(サンプルは)新・土着系、または土足系とか。
 松井:あ、土着、いいですね。よくアングラって言われるんですが(そうでもないので)。


サンプル:13
【出演】吉田鷹男(みすずの婿):古屋隆太(サンプル・青年団)、安藤(花屋店主・大手建設会社の息子・真性ペドフィリア):奥田洋平(サンプル・青年団)、恵(ダムで息子を亡くした老女):野津あおい(サンプル)、二子(晴子とみすずのおば):兵藤公美(青年団)、晴子(みすずの姉):黒宮万理(少年王者舘)、鍋島(養鶏所経営・二子の情夫・晴子とみすずの実質的な父?):武谷公雄、みすず:市原佐都子(Q)
脚本・演出:松井周 舞台監督:谷澤拓巳 舞台美術:杉山至+鴉屋 照明:木藤歩 衣裳:小松陽佳留(une chrysantheme) ドラマターグ:野村政之 WEBデザイン:斎藤拓 宣伝写真:momoko japan フライヤーデザイン:京(kyo.designworks) 制作:冨永直子(quinada)、富田明日香 企画:松井周、三好佐智子(quinada) 主催:サンプル、quinada 助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団) 、芸術文化振興基金 提携:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
【発売日】2014/01/25(全席自由席・整理番号付)
一般    前売:3,500円、当日:3,800円
<前半割> 前売:3,200円、当日:3,500円 ※3月14日~16日限定
学生    前売・当日共:2,500円(来場の際、受付にて学生証提示)
高校生以下 前売:1,000円(東京芸術劇場ボックスオフィスにて前売のみ取扱い)(来場の際、受付にて学生証提示)
※高校生以下チケットの当日の販売はありません
http://samplenet.org/2013/12/06/13_shift/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:39 | TrackBack

2014年03月14日

あやめ十八番『江戸系 諏訪御寮』03/12-16小劇場楽園

 あやめ十八番花組芝居の俳優でもある堀越涼さんが作・演出・出演・主宰(振付も)される演劇ユニットです。『江戸系 諏訪御寮』の上演時間は約2時間強、休憩なし。

 「CoRich舞台芸術まつり!2014春」審査員として拝見しました(⇒92本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。下記にも転載します。 

 ⇒CoRich舞台芸術!『江戸系 諏訪御寮

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより
 誠訪の家には近づくな
 門には大きな鬼の面
 真っ黒髪の御寮さん
 夜毎夜毎に香を焚く
 ≪あらすじ≫

 ■大河ドラマの趣がある和風ホラー恋愛譚

 小劇場楽園は大きな柱を挟んでL字型に客席が設営された劇場です。ほぼ正方形のステージ中央には陰陽魚の模様が描かれ、壁は障子で囲まれ、舞台上の出入口の1つにはタイトル文字が書かれたのれんが掛けられています。怪談が似合う和風の空間で、現代服の人々が歌い、舞い、演じます。ステージから柱を挟んで反対側には電子ピアノ、サックス、ヴァイオリン、パーカッション等の演奏者が控える場所があり、一部には演奏と出演を兼ねる人もいました。客席通路も含め劇場内全体を使ったお芝居でした。

 戯曲は力作で、本筋にまつわるサイド・ストーリーも面白いので、休憩込みで3時間の大作にしてもいいのではないかと思いました。2つの家族の話だと、たとえばケラリーノ・サンドロヴィッチ作『百年の秘密』(約3時間25分休憩込み)もあります。生演奏を含むさまざまな演出的趣向については、戯曲が複雑な構成であるせいか、全体的に盛り込み過ぎの印象を受けました。

 客席通路で大きな声を出す場面が少なくなく、私個人としては耳がつらかったです。大劇場でも通用する声量をお持ちの役者さんは、そのあたりの調整もしてもらえたらと思いました。
 印象に残った役者さんは、篠塚家長男・春平役の美斉津恵友さんと、諏訪家長女・琴美役の金子侑加さんでした。

 ここからネタバレします。

 幕開けに朗読劇の体裁で、十六島という架空の島を舞台にした“人食い鬼の出てくる昔ばなし”を語ります。そして作・演出・主宰の堀越涼さんが口上で、現在の十六島における「みやげもの屋を営む篠塚家 VS 介護デイサービス業を営む“拝み屋”諏訪家」という本編の構図を解説しました。

 主軸になるのは不思議な少女と篠塚家長男との恋愛で、その少女の正体が実は篠塚家の祖母だったというエピソード。祖母が記憶喪失の状態で少女の体に乗り移ったのは、諏訪家代々の呪いの誤った効力のせいでした。呪いの原因をたどっていくと、“人食い鬼の出てくる昔ばなし”に突き当たります。大河ドラマのような重厚さに感心しました。人食い鬼(正確には子鬼に若い女を食わせる母鬼)は今も存在しており、篠崎家の悲恋のエピソードが一件落着した後も、諏訪家の呪いと生贄の歴史は続いていきます。諏訪家長女は実は本人ではなく、鬼の呪術で延命した赤子・千代だったという結末は、痛快などんでん返しになっていましたが、2時間に収めるには要素が多すぎたと思います。

 篠塚家と諏訪家の人々が同じ場に登場しながら、別の空間(それぞれの家の居間)にいる演技をしたり、中盤あたりにある少女と篠塚家長男が出会う場面を、プロローグ的に冒頭付近でも演じていたり、歌謡シーンで出演者が本編には関係のない話題を観客に話しかけたり、その他にもさまざまに演劇ならではの手法が採用されていました。やる気も工夫も素晴らしいと思いますが、削れるところは削ってシンプルにした方が、物語が分かりやすくなると思います。たとえば諏訪家が今に至るまでのエピソードは難解に感じました。

 「恋の片道切符」「ダイアナ」「すてきな16才」「悲しき16才」「お嫁においで」などのオールディーズや「ガラスの十代」といった80年代ポップスなど、古い目の名曲を生演奏とともに歌い踊ります。明るい音調に悲しい思いを乗せるなど、あえてギャップを持たせることで感情や展開を粒だたせていました。しかしながら、ただでさえ複雑な物語の流れを寸断してしまっており、持ちうる最大限の効果が出ていたとは言い難かったです。まず、2時間のドラマに対して歌謡シーンの数が多すぎたのではないでしょうか。ある場面を演じてからそれに合った歌謡シーンになる場合、観客にとっては同じ意味の場面を重複して観ることになるので、その点でもテンポが落ちていました。いっそのこと演じる場面はカットして、歌謡シーンだけで表現してもいいのではないかと思いました。




 ※蛇足ですが「恋の片道切符」が流れた時は安倍公房『砂の女』(⇒過去レビュー)を思い出しました。

出演:北沢洋(花組芝居)、美斉津恵友(花組芝居)、堀越涼(花組芝居)、笹木皓太(あんかけフラミンゴ)、大森茉利子、土佐まりな、熊野善啓(チャリT企画)、中島美紀(ポかリン記憶舎)、金子侑加、森田萌(劇団てあとろ50')、加藤素子(さいたまゴールド・シアター)、ほか、【音楽】十倉彩子、吉田能(花掘レ/PLAT-formance)
【楽隊】猫柳(ピアノ) :吉田能 炉端(サックス) :十倉彩子 鳥澤(ヴァイオリン):森村典子
作・演出・振付:堀越涼 演出助手:紗弓 舞台監督:岩谷ちなつ 照明プラン:南香織 照明操作:平井奈菜子 振付協力:谷山知宏(花組芝居) 衣裳:もなみのりこ 宣伝美術:[切り絵]田畑諒 [題字]加藤絵莉子 [デザイン]吉田能 記録撮影:密本豹 PR動画:飯田裕幸 票券管理:田畑諭 当日運営:あおきいおり 劇団制作:吉澤明菜(あやめ十八番) 企画・製作:あやめ十八番
【発売日】2013/12/11 全席自由・税込 一般前売:2,800円/当日:3,000円 前半割引(前売りのみ対象)2,500円
http://ayame-no18.iftaf.jp/?page_id=19

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Posted by shinobu at 16:33 | TrackBack

2014年03月13日

【オーディション】東宝「宮本亜門演出・最新作ミュージカル『ヴェローナの二紳士』オーディション(アンサンブル募集)」※一般向け書類審査は4/10(木)朝に受付実施

 宮本亜門さんが演出される最新作ミュージカルのオーディション情報です。キャリアがない方も受けることができるオープン・オーディションです。以下は公式サイトからの情報です。

 第1次審査に『プロとして十分なキャリアのある方』向け(①)と、『キャリアはないけれど、実力とやる気に溢れた方!』向け(②)の2種類があります。②は既定の応募用紙を持参して、来たる4月10日に行われるスタッフによる書類審査を受けられます。受付時間:朝9時半~11時半

 ●東宝ミュージカル『ヴェローナの二紳士』
  出演:西川貴教 堂珍嘉邦 島袋寛子 霧矢大夢、他
  原作:シェイクスピア 演出:宮本亜門
  公演期間:2014年12月~2015年1月
  会場:日生劇場

 ・募集する役柄:アンサンブル(特に、ラテン系のダンス、音楽、楽器が得意な方)

■『ヴェローナの二紳士』オーディション要項 
 ※応募用紙は公式サイトからダウンロードしてください。

2014年12月、宮本亜門の最新作ミュージカル『ヴェローナの二紳士』の上演を予定しております。
この明るくエネルギーに溢れたミュージカルに相応しい方々に出会うべく、
この度アンサンブルオーディションを行います。

キャリアの有無にかかわらず才能のある方に出会いたい、との思いから、
実力のある方ならどなたでも参加して頂けるオーディションを実施します!


※4月4日に二次審査の審査方法をアップしますので、受験される方は必ず事前にご確認下さい。

≪募集する役柄≫ アンサンブル(特に、ラテン系のダンス、音楽、楽器が得意な方)

≪応募条件≫
稽古期間:2014年10月~
公演期間:2014年12月 - 2015年1月(日比谷 日生劇場)予定
以上の日程に参加出来る方。

≪第1次審査≫:
以下の二つの審査方法から どちらか一方 をお選びください。
書類審査を通過しなかった方は予備審査に参加できません。


■審査方法その1:
書類審査
『プロとして十分なキャリアのある方』

既定の応募用紙(写真を2枚貼ってください 全身・バストアップ)を
2014年3月27日必着で下記の住所までご郵送ください

〒100-8415
東京都千代田区有楽町1-2-2
東宝日比谷ビル11階
東宝(株)演劇部『ヴェローナの二紳士』オーディション係

二次審査に進まれる方にのみ、4月4日までにご連絡を差し上げます。


■審査方法その2:スタッフによる予備審査
『キャリアはないけれど、実力とやる気に溢れた方!』

既定の応募用紙(写真を2枚貼ってください 全身・バストアップ)を
ご持参の上、下記にいらして下さい。

受付日時:4月10日(木)9時半—11時半
場所:新宿村スタジオ セントラル402スタジオ
持参するもの:踊れる着替え・靴


≪第2次審査≫:2014年 4月11日 都内 演出:宮本亜門によるダンス・歌の審査

【問合せ先】東宝株式会社演劇部 03-3591-1211

*オーディションへのご応募に際して、東宝株式会社が応募者より取得致しました個人情報は本公演のオーディション募集の目的にのみに使用させて頂きます。これ以外の目的に使用することはございません。


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:41 | TrackBack

TBS『9days Queen ~九日間の女王~』02/26-03/16赤坂ACTシアター

 脚本:青木豪、演出:白井晃という組み合わせに惹かれて『9days Queen ~九日間の女王~』を観に行きました。舞台美術が大がかりで、二階席から全体を眺められてとても幸運でした。衣装も豪華!デザインと模様を見ているだけでも心躍るほどです。上演時間は約2時間45分(途中20分休憩を含む)。

 赤坂ACTシアターの演劇公演は有名スターが多数出演されるので、演劇ファンではないお客様も大勢いらっしゃると思います。ごく一般の観客がスターの熱演を楽しみつつ、主要登場人物が大勢いる歴史劇の複雑な展開に置いていかれることなく、時間軸にそってスムーズに物語を味わい、そして最後には涙しながらメッセージを受け取って帰る。そんな娯楽大作の王道を示してくださったように思いました。

 生演奏・歌を担当されている青葉市子さんは、飴屋法水さんともよく作品創作をされているミュージシャンです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『9days Queen ~九日間の女王~

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 厳格なプロテスタントのジェーン・グレイ(堀北真希)は、野心的な父ヘンリー・グレイ(神保悟志)と虚栄心の強い母フランシーズ・グレイ(久世星佳)の元を乳母エレン(銀粉蝶)と一緒に離れ、ヘンリー8世の未亡人キャサリン・パー(朴璐美)の宮殿で王女メアリー1世(田畑智子)やエリザベス1世(江口のりこ)と共に貴族としての教育を受けていた。そこで家庭教師ロジャー・アスカム(上川隆也)と出会う。宮殿では勉学だけではなく、エドワード6世(浅利陽介)やブラックバード(青葉市子)との出会いなど様々な経験をする。
 そんな中、キャサリンは再婚相手のトマス・シーモア(姜暢雄)との間に身籠った子供を出産後死去、ジェーンは再び親元へ戻ることとなった。
 やがて、摂政サマセット公(春海四方)の政敵ジョン・ダドリー(田山涼成)の権力が上昇し、最高権力者にのし上がると、王位継承権を持つジェーンは、彼の息子ギルフォード(成河)と結婚させられてしまう。そんな中、エドワード6世の健康が悪化し、ジョン・ダドリーはカソリックのメアリー1世が後継者となる危険性を解き、ジェーンを次の女王にしようと画策する。その後エドワード6世が死去し、ジェーンは突然イギリス女王になるのだと告げられて驚愕するも、拒むことが出来ず女王即位する。エドワード6世の死の直後に避難していたメアリー1世は、自分の即位を認めるように要請するも、ジョン・ダドリーはそれを無視してジェーンの即位を発表。しかしメアリー1世は王冠への権利を主張するためロンドンに進軍し、多くの支持を得てあっという間に王位を奪還してしまう。メアリー1世から改宗を条件に死刑を回避することを提案されるがジェーンはこれを拒否。王位を剥奪された彼女は……
 ≪ここまで≫

 三方の高い壁に囲まれた部屋を、さらに大きな三方の壁で囲むという入れ子状態の舞台装置でした。強者の権力、それによる閉塞感などが想像できます。ジェーンの清楚な白、メアリーの燃える赤、エリザベスの冷たい水色といった衣装の色使いが雄弁。ジェーンのドレスに羽の模様があしらわれていることが、下手前のカラス(ミュージシャン・青葉市子)との共通点になっています。客席通路やステージの地下部分なども含め、大きな舞台空間をすみずみまで使うステージングで、場面転換や時の流れ、登場人物の歴史上の役割などもうまく示されていました。大劇場用の演出テクニックがあるのだなと思いました。

 主人公ジェーンが女王に即位して9日後に処刑されることは、題名で既に示されています。そんな不幸な結末を知りながらも、わくわくドキドキできるお芝居になっていました。特にジェーンが処刑台に登ることを自ら決心することになる、最後の問答には聞き入りました。そこに作者(青木豪)の力強いメッセージがあり、私はその意味にハっとして、涙しました。やっぱり劇場に演劇を観に行くことは、教会に通うことと似ていると思います。

 ここからネタバレします。セリフは全く正確ではありません。

 ジェーンが無理やり結婚させられた相手ギルフォードもまた、ジェーンと同様に父親に虐げられ、自分の思う人生を生きられない青年でした。最初は反発し合っていた2人が徐々に戦友のようになっていくエピソードは、童話や漫画などによくある冒険物語のようで面白かったです。

 ジェーンがロンドン塔に入れられると、二重だった壁が開いて分解され、舞台袖にハケて、奥から三重目の壁が現れます。この転換は圧巻でした(二階席から堪能)。彼女はやっとしがらみ(二重の壁)から解放された、それでもまだ牢獄の中(三重目の壁の中)だったんですね。

 新女王となったメアリーがジェーンに提示した、処刑を免れるための条件は、ジェーンがプロテスタントからカトリックへと改宗することでした。元家庭教師のロジャーはジェーンに「生きろ(改宗するとサインしろ)」と必死で訴ます。しかしながら、ジェーンが悩んだ末に出した結論はこのようなものでした。
 「女王になるということは、国民に“改宗しろ”などと命令する身分になるということ。それは私にはできないし、やりたくもない。つまり、分不相応な私が女王になる決断をしたこと自体が間違いだったのだ。それは私の自己愛と保身からの行動だった。私は罰を受けるべきです。」
 これは安倍晋三首相のことだと直感しました。また、ジェーンは断頭台にのぼった時、こうも言います。「私の罪は、無責任に他人の意見を聞いた(そして実行した)ことです。」これは…私自身のことだな、と。ダメ押しされたように感じました。

 ロジャーは「間違いに今気づいたんだから、それでいい(生きろ)」、「君は追い詰められていた(選択肢も選択権もなかった)」と色んな角度からジェーンの正当性を示そうとし、彼女の命を救おうとします。私も彼と同じ気持ちでいながら、やはりどこかで「そんなに人生はうまくいかない」という思いもありました。そこで浮かび上がってくるのが「生き残るためにロンドンを去る」と決断したエリザベスです。彼女はメアリーが病死した後、約50年にわたりイギリスの女王として君臨することになります。
 人生は純粋かつ善良に生きようとしても、それを徹底できないことがある。もし私自身がそういう窮地に立たされたら、自分の命をどう考え、何を選ぶのか。大きな課題をいただきました。

 唐突ですが、2014年3月11日の松江哲明監督のツイートを引用しておきます。

)


【出演】ジェーン・グレイ……堀北真希 ギルフォード・ダドリー……成河 エリザベス1世……江口のりこ メアリー1世……田畑智子 エドワード6世……浅利陽介 トマス・シーモア……姜暢雄 ローズ……愛名ミラ ロバート・ケット……和泉崇司 ブラックバード……青葉市子 キャサリン・パー……朴璐美 ヘンリー・グレイ……神保悟志 サマセット公……春海四方 フランシーズ・グレイ……久世星佳 エレン……銀粉蝶 ジョン・ダドリー……田山涼成 ロジャー・アスカム……上川隆也
アンサンブル:関戸将志 角田明彦 西川瑞 神原弘之 神田敦士 遠藤広太 久仁明 平良あきら 斎藤アキノブ
生演奏・歌:青葉市子
脚本:青木豪 演出:白井晃 音楽:三宅純 美術:松井るみ 照明:齋藤茂男 音響:井上正弘 衣裳:太田雅公 ヘアメイク:川端富生 アクション:渥美博 振付:原田薫 映像:栗山聡之 演出助手:豊田めぐみ 舞台監督:田中政秀 制作:笠原健一、滝口久美 宣伝:ディップス・プラネット 企画製作:TBS
【休演日】3/3,10【発売日】2013/12/11 S席 11,500円 A席 9,500円(全席指定・税込)
http://www.9days-queen.com/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:08 | TrackBack

2014年03月10日

松竹『スーパー歌舞伎II(セカンド)「空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―」』03/05-29新橋演舞場

 市川猿之助さんが主演されるスーパー歌舞伎II(セカンド)第一弾『空ヲ刻ム者』を拝見。作・演出はイキウメの前川知大さんです。佐々木蔵之介さん、浅野和之さん、福士誠治さんら現代演劇の俳優も出演されています。上演時間は約4時間20分(途中30分、20分の幕間を含む)

 若手演劇人である前川さんの歌舞伎界デビューなので楽しみにしていました。最後まで観ての感想は…ひとことで言うとこちら↓

 ⇒CoRich舞台芸術!『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 舞台はいにしえの日本。
 ある山間の村に、十和(とわ 市川猿之助)という才能に恵まれた若い仏師がいた。しかし彼は、村人たちの暮らしも病床の母親も救うことのできない仏教に苛立ちを募らせていた。
 十和の幼なじみの一馬(かずま 佐々木蔵之介)も不作に苦しむ村人たちを憂い、彼らの暮らしをよくするため、都に出て官吏の道を選ぶ。一方、母の死と都から来た役人との争いから十和も村を出なければならなくなる。その後、牢に入れられ、盗賊と交わりながら成長する十和。かたや都に出たものの下級役人として無力感を募らせる一馬。それぞれの思いを胸に別々の道を歩んだ十和と一馬。一度は分かれた二人の道は、やがてまた交わる日を迎えるのだが…。
 ≪ここまで≫ 

 定式幕が開くと口上が始まってびっくり。お芝居を観に行くというより「猿之助に会いに来た」という感覚が歌舞伎の醍醐味だな~。「~~申し上げ奉りまする」って素敵な日本語ですよね。一人ずつ味わわせていただきました。

 十和と一馬の心境の変化が衣装の色合いで几帳面に表現されていたので、登場の度に楽しかったです。たとえば「黒が増えた/黒地にラメになった/紫を被った」など。猿之助さんの装いがどんどん派手になっていって、終盤は大胆なアクロバット&スペクタクルに。最後はもうストーリーなんてぶっ飛びましたね(笑)。そう考えると、もっと設定や展開はシンプルにしてもいいんじゃないかと思いました。いろいろ削ってしまっても大丈夫じゃないかと。

 最初の幕間(30分)は2階のかべす茶屋で、開演前に予約していた肉うどん(800円)をいただきました。美味しゅうございました。
 こちらの会場限定のお酒↓、新橋演舞場2階ロビーで販売中。本数制限がありますので、開演前の早目のご購入がよろしいかと。

 ここからネタバレします。

 猿之助さんとのNHK大河ドラマ「風林火山」 (2007年) での共演から始まり、現代現劇でのご縁を経ての今回の歌舞伎出演だったと、蔵之介さんが口上でおっしゃっていました。

 「大きな目的のためには犠牲を厭わない」「○○(たとえばお上、たとえば仏像)のためなら命もかける」なんてことは美談でもなんでもなく、「目の前にある命が大事」という力強いメッセージを伝えてくれました。こういう真面目なところが前川作品の好きなところです。

 巨大な装置が入れ替わったり、額縁を覆うほど大きな布の幕を何度も衣替えしたり、どっさりと音がするほどの大量の紙吹雪を降らせたり、大がかりで豪華な演出も楽しめましたが、私が一番好きだったのは十和の母が亡くなる場面。ばったり倒れたりせず、客席に背を向けてゆっくりと舞台奥へと歩いて去っていきました。その時、ステージはドライアイスの煙でしめやかに覆われ(死者が登場する場面はドライアイスあり)、母の向かう先には大きな鏡が設置されていました。背中と顔が同時に見えたり、立ち去るようでいて、実はこちらに向かっているようにも受け取れたり、色んな想像ができました。その後、十和を守った仏師見習いの伊吹と、十和の師匠となる仏師の九龍も同様に死者として登場するので、生者と死者をつなぐ媒体として仏像(=鏡)の存在を感じることができました。

 十和は再び仏師となった時に、「仏なんてない。仏像(=鏡)に映るのは自分自身だ」という境地にたどり着きます。十和と彼の作った“仏像”(木くずのみ)のおかげで一馬は目を覚まし、2人は農民を武装させて利用しようとする貴族たちに反旗を翻しました。しかし、多勢に無勢。絶体絶命のピンチに陥ったその時、巨大な不動明王像が出てきて(九龍の魂が入ってる?)、2人の敵を一掃してくれるのです。さらには空飛ぶ道具をプレゼントしてくれたので、十和と一馬は武装した農民たちが集まる朱雀門へと(彼らを止めるために)飛んでいくことができました(ここで宙乗り)。となると、「やっぱり仏は存在した(困った時の神頼み)」ってことになったんじゃ…。ま、いっか!


≪東京、大阪≫
【出演】十和:市川猿之助 長邦:市川門之助 双葉:市川笑也 菖蒲:市川笑三郎 興隆:市川寿猿 喜市:市川弘太郎 時子:市川春猿 吾平:市川猿弥 九龍:市川右近 伊吹:福士誠治 鳴子:浅野和之 一馬:佐々木蔵之介 森一生 ほか
作・演出:前川知大 スーパーバイザー:市川猿翁 美術:堀尾幸男 照明:原田保 音楽:長沢勝俊 音楽:藤原道山 衣裳:毛利臣男 音響:山見孝 振付:尾上菊乃丞 舞台監督:井口祐弘 林和宏 制作:岡崎哲也 真藤美一 小野田惠 本田景久 企画協力:パルコ ケイファクトリー 製作:松竹株式会社
【休演日】3/17 【発売日】2014/01/25 1等A席15,000円 1等B席11,000円 2等A席7,000円 2等B席5,000円 3階A席5,000円 3階B席3,000円 桟敷席16,000円
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/2014/03/post_56.html
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/schedule/2014/3/post_137.php
http://www.kabuki-bito.jp/news/2013/11/post_956.html


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 18:19 | TrackBack

2014年03月09日

流山児★事務所『田園に死す』02/28-03/10ザ・スズナリ

 流山児★事務所の『田園に死す』は天野天街さんが寺山修司作品を脚色・構成・演出した作品で、2009年に初演され、流山児★事務所はその年の紀伊國屋演劇賞団体賞を受賞しました。2011年に再演がありましたが、私は今年の最終公演(再々演)で初めて拝見しました。上演時間は約2時間10分休憩なし。

 寺山修司の自伝的映画『田園に死す』をもとにしたメタ構造のお芝居で、短いシーンを積み重ねて寺山修司というアーティストの10~40代の人生と、彼の作品(詩、演劇、映画)を立体化していきます。このお芝居自体が“寺山修司”そのものであり、同時に“天野天街”でもあるように感じました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『田園に死す

田園に死す [HDニューマスター版] [DVD]
キングレコード (2013-04-24)
売り上げランキング: 10,095

 ≪あらすじ≫
 父を戦争で亡くして母と暮らしているシンジは、口うるさい母にうんざりして家出を考えている。「一緒に東京にかけおちしよう」と持ち掛ける人妻が現れ…。
 ≪ここまで≫

 プロジェクション・マッピングやアナログの手品的仕掛けなど、小刻みに変容し続ける凝りに凝った演出です。やっぱり群舞は見どころですね。流山児★事務所はミュージカルもよく上演されていますし、劇団員の皆さんは海外ツアーにも参加されていて、舞台俳優としての底力がアップしているのではないかと思いました。

 2時間10分は少々長く感じました。繰り返しの多用は天野作品の特徴ですが、もし1時間30分ぐらいに凝縮すれば、鮮烈な悪夢のような体験としてより魅力が増す気がします。その方が忘れられないお芝居になるんじゃないかと、勝手ながら思いました。

 ここからネタバレします。

 お腹を自転車用空気入れで膨らませる“せつ”役の坂井香奈美さんの、艶のある演技が魅惑的でした。
 最後は舞台奥の壁が開き、ザ・スズナリの外観を完コピした舞台美術が姿を現します。原作の映画のように、このお芝居自体もメタ演劇にする仕掛けに心躍りました。

出演:大内厚雄、伊藤弘子、小川輝晃、木暮拓矢、深山洋貴、小林七緒、冨澤力、柏倉太郎、平野直美、沖田乱、中田春介、蒲公仁、眞藤ヒロシ、坂井香奈美、阿萬由美、山下直哉、荒木理恵、山丸莉菜、小寺悠介、竹田邦彦、辻京太、飯塚克之、日下部そう、後藤英樹、桜井玲奈、藤村直樹、酒井和哉、藤村一成、小林夢二、鶴田理紗、宮川安利、佐原由美、艶嬢さとみ、さとうこうじ、流山児祥
原作:寺山修司 脚色・構成・演出:天野天街 【音楽】J・A・シーザー【芸術監督】流山児祥【美術】水谷雄司【照明】小木曽千倉【音響】岩野直人【振付】夕沈【映像】濱島将裕【舞台監督】伊東龍彦 小林岳郎【演出助手】小林七緒 石坂雷雨【制作】米山恭子【宣伝美術・絵】 花輪和一【宣伝美術・文字】 山田勇男【Special thanks】九條今日子【主催】流山児★事務所
【発売日】2014/01/09 前売:4,200円 当日:4,500円 学生券:3,500円(要学生証提示 流山児★事務所、ザ・スズナリでの取扱のみ) * 当日券の発売は開演の1時間前より。
http://www.ryuzanji.com/

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Posted by shinobu at 22:38 | TrackBack

2014年03月08日

【オーディション】城山羊の会「2014年11月公演出演者募集・中高生~20代前半に見える男性」※4/4〆切(郵送のみ)

 山内ケンジさんが作・演出される演劇ユニット「城山羊の会」のオーディション情報です(⇒直近の過去レビュー)。詳細は公式サイトでご確認ください。

 山内さんはCMディレクターとしても有名で、昨年の舞台『効率の優先』で岸田國士戯曲賞の最終候補に選ばれました。

 ●城山羊の会「新作」
  公演期間:2014年11月29日(土)~12月9日(火)
  会場:下北沢ザ・スズナリ

 ・出演者募集
  応募条件:中高生~20代前半に見える男性
  実施日程:2014年4月19日(土)・20日(日)
  〆切:4月4日(金)郵送必着

  ※城山羊の会の2014年11月公演のほか、城山羊の会の制作をしているイーピン企画が企画制作するミステリー演劇への出演依頼の可能性あり。

Posted by shinobu at 11:28 | TrackBack

2014年03月07日

岩松了プロデュース『宅悦とお岩~四谷怪談のそのシーンのために~』03/07-23駅前劇場

 岩松了さんが若い俳優と創作するお芝居の第二弾。出演者は1人を除いて全員が実名の役を演じています。上演時間は約1時間45分。

 ある劇団の稽古場を舞台に夢と現実が入り混じる現代口語劇でした。岩松さんのお芝居は自然な会話をしているようで、当然のごとくフィクションでもあるところが魅力ですよね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『宅悦とお岩~四谷怪談のそのシーンのために~

 ≪あらすじ≫
 演劇賞を受賞した演出家ミナミ(小林竜樹)が主宰する劇団の稽古場。次回作は『東海道四谷怪談』の宅悦とお岩のシーンに焦点を当てる予定だが、脚本ができていない。ミナミは劇作家の安藤に執筆を依頼しているが、安藤はあまり乗り気ではない。というのも、宅悦役の尾上が降板してしまったのだ。
 ≪ここまで≫

 劇場に入ると、舞台面側に障子と戸板のパネルが数枚、客席から舞台を隠すように建てられていました。そのパネルを移動させて場面転換します。どんな場面でも『四谷怪談』と、劇中劇であることが示されているようでした。

 うまくいっていない稽古と殺伐とした人間関係を同時多発会話で表現。ほんの一言しゃべるだけで、登場人物それぞれの個性が際立ち、顔と名前、キャラクターが一致しました。舞台より映像で活躍してる役者さんが多いようですね。持ち物を生かすキャスティングとキャラクター設定になっているのかしら。「こういう人がああいう演技をすると面白い」というポイントを押さえているのだと思います。

 アイドル(?)の“梅宮万紗子”のマネージャー役の駒木根隆介さんは、裏のある人物なのがぴったり。
 お岩役の吉牟田眞奈さんの怒りが振り切れた様子が可笑しかったです。とことんやってくださるので可愛らしく見えました。彼女を怒らせる尾上寛之さんが憎らしく思えるほど(笑)。

 ここからネタバレします。

 パネルがどんどん移動して、劇作家安藤の夢のシーンが挿入されていく場面で、小道具の滝沢恵と付き人の藤木修が出会い系サイトを経由して待ち合わせをします。なぜ安藤はそこにひっかかったのかな~。彼女が尾上、児玉、高橋の間で揺れ動いていたからなのかしら。

 舞台でシーン稽古が始まると、熱心に演じているのに誰もその稽古を見ないどころか、雑談を始めてしまいます。この場面は人間のわがままさ、愚かさを表現しつつ、稽古の長期間を短く凝縮しているのではないかと考えました。とても面白かったです。
 きっとまた血の参事が起こるんだろうなと思ったら、やっぱりそうでした。読めちゃったのは残念。

 ふしぎな軽み、意外性、衝撃はあるけど、重みやまとまった空気感は重視されていないように感じました。そこが岩松作品らしさというか、独自性なのだと思うのですが、今作は私にはちょっと物足りなかったですね。初日だったせいもあるかもしれません。 

岩松了プロデュース Vol.2
出演:安藤聖(劇作家)、梅宮万紗子(妊娠詐欺のアイドル)、尾上寛之(公演を降板した元・宅悦役)、亀田梨紗(ミナミとできてる女優)、児玉拓郎(安藤に首ったけ)、小林竜樹(演出家ミナミ)、駒木根隆介(ヤクザ)、清水優(劇団員)、高橋ひろ無(安藤に惚れて児玉を刺す)、滝沢恵(小道具)、永岡佑(アイドルとヤクザに騙される伊右衛門役)、橋本一郎(舞台監督)、藤木修(高橋ひろ無の付き人)、裵ジョンミョン(宅悦役)、吉牟田眞奈(お岩役)
脚本・演出:岩松了 舞台監督:伊東龍彦/舞台美術:原田愛/照明:杉本公亮/音響:高塩顕 舞台監督助手:吉成生子/照明操作:古矢涼子/衣裳協力:雲出美緒 大道具:ステージファクトリー/小道具:高津装飾美術  宣伝美術:坂村健次/舞台写真:松井康一郎/制作:土井さや佳 制作協力:コムレイド、リトルジャイアンツ 企画・製作:(有)鈍牛倶楽部
【休演日】3/10,16 自由席:3,300円/指定席:3,800円 前半割引 自由席:3,000円/指定席:3,500円
http://www.dongyu.co.jp/iwamatsu-pro/

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Posted by shinobu at 22:16 | TrackBack

【劇団員募集】クロムモリブデン「新規所属メンバー大募集」※3/24〆切(郵送のみ)

 青木秀樹さんが作・演出されるクロムモリブデンが、新規所属メンバーを募集しています。⇒クロムモリブデンとは 

 唯一無二といえる劇団です。役者だけでなくスタッフも募集中。どうぞご検討ください。

 [役者募集]
 ・応募資格
  18歳以上25歳未満の方。プロアマ経験、男女問いません。
  5月上旬から都内での稽古に参加できる方。
  (週2~5日18~22時、本番2週間前からは週6日13~22時)
  8月28日~9月15日の本番全日程に参加できる方。

 [スタッフ募集]
 ・演出助手・衣裳サポート・小道具・照明助手・制作・当日運営
 ・書類審査あり

 3月24日(月)郵送必着です。

Posted by shinobu at 11:15 | TrackBack

【オーディション】Studio Life「『トーマの心臓』出演劇団員オーディション」※3/21〆切(郵送のみ)

 男優集団Studio Lifeが舞台『トーマの心臓』出演者オーディションを兼ねた劇団員オーディションを実施します。『トーマの心臓』は同劇団の代表作です。⇒2010年のレビュー

 昨年も行われていたので〆切が伸びたのかもしれません。公演概要も発表されていますね。以下、CoRich舞台芸術!の掲示板より。
 
 ●スタジオライフ「『トーマの心臓』出演劇団員オーディション」
  【募集締切】2014年3月21日(郵送必着)
  【資格】 18歳~25歳までの容姿端麗で健康な男子。(自薦・他薦は問いません)

☆Studio Life『トーマの心臓』出演劇団員オーディション開催☆

舞台『トーマの心臓』(2014/5/24~6/22紀伊國屋ホール・7/11~13シアタードラマシティ)に出演する容姿端麗な男子(自薦・他薦不問)を大募集

【主催】劇団Studio Life
 1985年に結成された劇団Studio Life。所属俳優は男性のみで、唯一の女性メンバー、脚本・演出担当の倉田淳が織りなす独創的で美しい世界観が人気を集めている。作品の原作は、少女漫画や耽美系の小説、海外の翻訳ものなどが中心だが、今回、萩尾望都原作の『トーマの心臓』を5-6月に東京・7月に大阪で再演することとなり、出演者を募集している。このオーディションは同劇団の第13期新人オーディションを兼ねるため、合格者は1年間の研修後、劇団員として採用される。募集するのは、舞台を始めさまざまな分野で活躍できる芯の強い容姿端麗な男子。

資格 18~25歳までの容姿端麗な男子。自薦・他薦不問。
締切 2014年3月21日(必着)
選考 1次/書類(選考後返信封筒にて連絡。3月下旬頃)
   2次/面接(3月29日)
   3次/実技・歌唱(3月30日)
※2次・3次オーディションの際、カメラで撮影を行い、媒体に使用する場合があります。予めご了承くださいますようお願いいたします。
合格後 1年間の研修後、スタジオライフに所属。優秀者は『トーマの心臓』に出演。
備考 審査料無料。入団費無料、団費3000円/月。週5日のバレエ、ジャズダンスレッスン、ワークショップを開催(無料)。

応募方法・応募資料
履歴書(身長、体重、3サイズ、未成年者は保護者の同意文を明記)に写真2枚(顔アップ・全身各1枚=3カ月以内に撮影)、80円切手を貼った返信用封筒(返信先を明記)を同封して郵送。

問い合わせ 03-5929-7039(平日12:00~18:00)
宛先 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南1-6-5 高円寺サマリアマンション204
劇団スタジオライフ「新人募集」係

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Posted by shinobu at 11:03 | TrackBack

2014年03月06日

雷ストレンジャーズ『ブラウニング バージョン』03/05-09シアターサンモール

 ⇒CoRich舞台芸術!『ブラウニング バージョン

出演:モロ師岡、紫城るい、倉石功、萬谷法英、杉浦一輝、松村良太、田辺千絵美
作:テレンス・ラティガン
訳・演出:小山ゆうな
美術・衣裳:大島広子
照明:成瀬一裕
舞台監督:高橋良直
http://kamist.main.jp/?page_id=22

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Posted by shinobu at 23:37 | TrackBack

2014年03月05日

【イベント情報】映画美学校「アクターズ・コース第4期・開講記念イベント」3/17、3/21、4/12、4/19映画美学校

 渋谷の映画美学校が、アクターズ・コース第4期(2014年5/13より開講)の開講記念イベントを実施しています。今月以降に行われるイベントの情報です。⇒2011年の募集告知 ⇒2012年の募集告知 ⇒2013年の募集告知

 同校講師である劇作家・演出家・俳優の松井周さん(サンプル)と、映画監督で同校主任講師の古澤健さんの対談⇒ 

 ●募集ガイダンス&開講記念イベント ⇒公式サイト
  3月17日(月)19:00ー オープンスクール(講師:近藤強)
  3月21日(金・祝)17:00ー 募集ガイダンス 
  4月12日(土)14:00ー 募集ガイダンス
  4月19日(土)14:00ー 『監督と俳優が語る演技のヒミツ』深田晃司(『ほとりの朔子』ナント三大陸映画祭グランプリ)と俳優によるトー クイベント

 今月末に第3期の受講生による修了制作公演があります。

 ・映画美学校アクターズ・コース第三回公演『美学
  ⇒CoRich舞台芸術! ⇒facebook
  期間:03/28(金) ~30(日)
  会場:アトリエ春風舎
  作・演出:田上豊(田上パル)

Posted by shinobu at 11:42 | TrackBack

【ワークショップ】アクターズワークス「プロのためのマイズナーテクニックWS~エクササイ ズクラス募集~2014年4月~5月」※4/15〆切(メールのみ)

 女優・俳優指導者の柚木佑美さんのワークショップのご案内です。⇒ワークショップのレポート(2006年) ⇒柚木さんインタビュー(2007年) 詳細は公式サイトでご確認ください。

 ★参加希望者多数のため、昼クラス(13:30~16:30)を追加募集中です。 ※4/22に定員に達して締め切られました。

 アクターズワークスでは今月、シーンクラス修了者向けに「小川絵梨子シーンスタディ」を実施します(⇒募集告知エントリー ※募集は終了)。今回は今年最後のエクササイズクラスになるかもしれないとのこと。※エクササイズクラス終了後、ディープエクササイズクラス、キャラクター&シーンクラス等が受講可能になります。

■アクターズワークズ「プロのためのマイズナーテクニックWS~エクササイズクラス募集~」

【日程】2014年4月26日(土) ~5月6日(火・祝) …計10回 (いずれも時間は18:00~21:00)
 ※予備日程などもありますので詳細をご確認ください。
【会場】都内施設 世田谷・杉並区など
【定員】最多10人(応募者多数の場合、書類審査をさせていただきます)
【申込締切】2014年4月15日(火)
【受講料】35.000円
【受講条件】18歳以上の、プロの俳優もしくはプロを目指す新人の方で心身ともに健康な方

Posted by shinobu at 08:34 | TrackBack

【ワークショップ・オーディション】木ノ下歌舞伎「『三人吉三』上演のためのワークショップオーディション」※04/21〆切(郵送orメール)

 木ノ下裕一さんが監修・補綴を手掛ける木ノ下歌舞伎が、2014年秋に京都で上演予定の『三人吉三』(演出:杉原邦生)の出演者募集を兼ねたワークショップ・オーディションを実施します。講師は杉原邦生さん。詳細は公式サイトでご確認ください。

 関東で行う稽古中の交通費は一部補助、京都公演中の移動費、宿泊費は木ノ下歌舞伎が負担してくれます。ワークショップ・オーディションの会場は横浜です。2015年6月に東京、その他にて再演予定。

 ■木ノ下歌舞伎『三人吉三』
  監修・補綴:木ノ下裕一 演出:杉原邦生
  会場:京都市内
  上演時期:2014年10月中旬
  ※2015年6月、東京他にて再演を予定

 ・ワークショップオーディション@急な坂スタジオ
  2014年4月27日(日)・28日(月)・29日(火・祝)
 【日時】
  1次|2014年4月27日(日)13:00~16:30 / 18:00~21:30
  1次|2014年4月28日(月)13:00~16:30 / 18:00~21:30
  〈計4コマの内いずれか1コマ〉
  2次|2014年4月29日(火・祝)13:00~16:30 / 18:00~21:30
  〈計2コマの内いずれか1コマ〉
 【ワークショップ講師】杉原邦生
 【応募資格】
  18歳以上の心身ともに健康な方/お芝居、ダンスなどこれまでの経験・経歴は不問
  2014年8月(中旬予定)から開始される稽古と、公演に参加できる方(稽古場は横浜又は都内を予定)
 【応募〆切】
  2014年4月21日(月)必着(メールの方は当日22:00まで有効)

Posted by shinobu at 07:58 | TrackBack

2014年03月04日

ニッポンの河川『大きなものを破壊命令(再演)』03/01-09東京芸術劇場シアターイースト

 福原充則さんが作・演出される演劇ユニット“ニッポンの河川”の再演を拝見。上演時間は約1時間5分。⇒初演レビュー

 終演後のトークでこの作品には「2011年の東日本大震災への応答の意味が込められていた」と知りました。それは…気づかなかった……!
 このインタビュー↓がとても面白いです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『大きなものを破壊命令(再演)』
 レビューはほぼ記録のみ。

 ≪あらすじ≫
 無差別殺人犯“首絞めジャック”を倒そうとする15歳の少年の話と、敵の陣地から脱走してきた四人姉妹の話が、クルクル入れ替わる。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 そういえば、ろうそくの火は弔いだったなぁ…などと帰り道に考えました。少年も姉妹たちも死んじゃいますよね(半分ロボットの長女は生き残ったかしら)。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ ※かなりうろ覚えです。すみません。
 出演:福原充則 光瀬指絵 徳永京子(演劇ジャーナリスト)

 徳永:福原さんは照れ屋のロマンチスト。

 光瀬:セリフを言うこと、演じ分けること、カセットテープの入れ替えを含む音響と照明の操作をすることを、分けずにやる。
 徳永:複数の糸をよって縄を編むような感じ?
 光瀬:まさにそうです!
 福原:演じ分ける際は「価値観を変えてください」と言います。

 福原さんはこれまで再演はしてこなかったけれど、「昔の自分は今の自分とは別人で、セリフが自分の好み(笑)」ということで、再演は今後するつもりがあるそうです。

出演・音響・照明:峯村リエ、佐藤真弓、中林舞、光瀬指絵
脚本・演出:福原充則 舞台監督/中西隆雄 音響アドバイザー/益田トッシュ イラスト/城岡帆乃香 宣伝美術/天野史朗 制作/笠原健一 重田知子 制作協力: プラグマックス&エンタテインメント 提携: 東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 企画・製作: ニッポンの河川
【前売 (河)】\3,300-(早期観劇割引・平日マチネ割引)【前売 (川)】\3,500-【当日券】\3,700-【学生割引】\2,800-【高校生割引】\1,000-
http://jriver-meirei.com/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:36 | TrackBack

2014年03月02日

【レポート】新国立劇場演劇「マンスリープロジェクト・トークセッション「Try・Angle-三人の演出家の視点-」をふりかえって」03/01新国立劇場小劇場

 新国立劇場演劇部門のシリーズ企画「Try・Angle」で演出をされた3人の演出家(小川絵梨子/森新太郎/上村聡史)と、芸術監督の宮田慶子さんという、プロパーの演出家4人によるトークセッション。これが2回目になります。⇒1回目のレポート
 
 小川さんが読売演劇大賞優秀演出家賞、毎日芸術賞千田是也賞、紀伊国屋演劇賞個人賞(美術の二村周作さんも)を受賞、森さんは読売演劇大賞の大賞と最優秀演出家賞、森さん演出の『エドワード二世』が最優秀作品賞を受賞しました。上村さんの『アルトナの幽閉者』はただいま上演中でとても好評です。

 以下、私がメモしたことをアップしました。語尾などに統一性はありませんし、正確性にも責任は持てませんので、どうぞご容赦ください。他のお客様のツイートをtogetterにまとめましたので、相互補完していただければコレ幸い!

 最初に宮田さんがお1人で登場。トークについての説明後、3人の演出家がそれぞれ別の扉から登場しました。

 ■今回上演した作品について

 宮田:30代の演出家というと作・演出、そして主演も兼ねる人が多い世代なのですが、演出のみをする3人に新国立劇場で作品を発表していただきました(森37歳、小川35歳、上村34歳)。

 宮田:上演順に、小川さん。『OPUS/作品』はいかがでしたか?
 小川:終わってみると良かったことしか思い出せないんですが。『OPUS/作品』はステージを重ねるごとに私のやりたい方へと変わっていってくれた。
 宮田:ほとんど全公演観てましたよね。ダメ出しは毎日?
 小川:はい、役者さんにイヤって言われない限り(笑)。ほぼ全ステージを観て、自分の勉強をしていたように思います。

 宮田:森さんは『エドワード二世』(チラシを出しつつ)。このチラシ見るの久しぶりよね?
 :はい、そうですね。あんな芝居になると思ってなかった(笑)。チラシとは全然違う作品になりました。企画から上演までの間に留学期間を挟んでいたので、影響を受けましたね。向こうの美術館に行って、赤、青、黄色といったカラフルな色彩を見たり。そしておとぎ話などのように、リアルから飛んでしまう作り方もあるなと思って。ちょうどロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターでも同じ時期に『エドワード二世』が上演されることになっていたから、絶対に違う演出にしようと。「日本人はここまでやっちゃうんだぞ」と示したかったし、英国人に「こういうのもアリ」って思わせたかった。なのにロンドン版でも壁が金色だったらしくて…どんな奇跡的な偶然なんだ!って(笑)。でも演出は違うものだったので、真似をしたことにはならずにすみました。

 宮田:上村さんの『アルトナの幽閉者』はいま上演中です。あと1週間。やっとここまできましたね!
 上村:小学生の作文みたいな言い方で申し訳ないんですが…楽しいです(笑)。構想から2年半ぐらい、時間をかけられました。Aだ、Bだと話し合って結果的にCを採用するなど、アイデアの積み重ねができました。
 宮田:民主的な稽古場ですよね。お互いの才能を持ち寄ろうじゃないか、と。みなさんが演出だけをやっているから、その可能性をわかってるんじゃないかな。


 ■演出家の交流/ライバル同士

 小川:3人の演出家の企画であることを意識していました。私の中ではそれが大きくて。全部同じ劇場だったし、お2人の舞台を観て、すごく悔しかったり、刺激を受けました。
 上村:僕なんてお2人が賞を取っちゃったから、すごいプレッシャーでしたよ(笑)。稽古場に入るとそんなこと気にしてられないし、忘れてましたが、稽古場に入るまでのあの廊下で「どういうテンションで稽古場に行けばいいんだろう…」とうつうつとしてました(笑)。
 :小川さんの『OPUS/作品』は現代劇だし読んでいなかったので気にならなかったけど、上村くんが『アルトナ~』を選んだのにはびっくりしました。すごいのを選ぶなぁと。自己責任で勝手にやってください(という気持ち・笑)。サルトル作『汚れた手』を演出しましたが、まだあれは『アルトナ~』よりは娯楽性があるので。サルトルをやると俳優の知性を問われるでしょ?戯曲読解しかしない人と、サルトルの業績をちゃんと知ってる人とでは全然違うんだよね。
 宮田:サルトルの戯曲は俳優を侵略するかのごとく、動物的、論理的、理知的においつめる。

 宮田:演出家は孤独だと思います。このように演出家同士が顔を合わすことなんてめったにないんです。次代を担う皆さんには、ぜひ親しくなってほしかった。こういう機会、あまりなかったでしょう?
 :そうですね、僕はあまり(演出家で)親しい人はいないです。仲良くしゃべって、相手の栄養になることを言っちゃったら「なんであんなこと言ったんだろう」って思いますしね(笑)。
 小川:『エドワード二世』を観た後は、面白かったし、すごく悔しかったから、森さんの顔も見たくないと思ってすぐ帰ったんですが(笑)、帰り道にいろいろ考えて、私とは違う演出をする方だと思ってリスペクトできた。
 宮田:30代半ばから40代半ばが一番面白いと思う。やりたいことも見えてくるし、私も激動でした。皆さんは、いい意味で自分の道を示してくれたことが良かった。

 小川:私は演劇界にがっつり食い込んでいくタイプじゃなかった。一人でポツンとやっていると思っていた。でもそれは言い訳だったなと。演出しかしていない30代を紹介するこの企画では「どうぞ比べてください」となるのは当たり前。そこから逃げちゃだめだと思いました。「私、一匹狼だもん!」じゃなくて。ここで勝負していかなきゃなと思いました。森さんが読売演劇大賞で大賞を受賞した時は、すぐ親に電話して「森さんが大賞だって!(怒)」って言ったりしました(笑)。刺激をもらってます。


 ■俳優との向き合い方

 宮田:演出家は俳優に育てられるものだと思います。
 :究極的にいうと、戯曲との対峙のしかたにおいて、演劇では俳優と演出家は公平だと思います。同じ戯曲を読んでいることにおいて平等だから。俳優さんに間違いを指摘されると穴に入りたくなる…。毎回直されますね。悔しいと思うんだけど、俳優さんのアイデアの方が面白ければ、そちらを採用する。それを続けていきます。
 :僕はト書きを大事にする男なんですよ(小川さんが「男」という言葉に反応して笑う)。「にっこり」って書いてあるのに俳優がにっこりしてなかったら「にっこりしろよ!」って思うし、「かすれた声で」と書いてたらかすれた声で読んでほしい。というのも昔、ト書きを無視しまくっていて、それで失敗して学んだんです。ト書きはあとから効いてきたりするから。

 :僕は(俳優に)「こうしてください」と投げっぱなしにする方なので、俳優さんはやりにくそう。上村君は冷静に(俳優と)キャッチボールやってんでしょ?
 上村:(僕の稽古場を)見たことないのに何言ってんの(笑)。今回は辻萬長さんに救われました。楽しかったし勉強になりました。「こういう言い方をしてください」と言うと聞いてくれないんだけど、その前のセリフを「こう聞いてください」と言えば聞いてくれる。芝居はリアクションなんですよね。人の言葉を聴く稽古場の空気を作ってくださいました。あと、萬長さんは稽古初日にセリフが全部入ってて(覚えていて)…。あんな膨大なのに。

 小川:『OPUS/作品』の出演者はとてもチャーミングな方々でした。段田さんと近藤さんは演出もしてらっしゃるので、私が緊張してるのもわかってくださってたのかも。段田さんはセリフを覚えるのが早いんです。それで他の4人が「段田さんに負けないぞ、エイエイオー!」って言ってセリフ合わせしてたり(笑)。愛情深い現場を作ってくださっていました。だからいとおしい作品として残ってるんだと思います。


 ■森さんの稽古は長時間

 宮田:森さんの稽古は夜遅くまで終わらなくって心配してました。普通は13時から始まってだいたい20時には終わるけど、退館時刻の22時ぎりぎりまでやりますよね。
 :僕は…冷静さを失うんです…。やめられなくなっちゃう。「今日はここまでやりたい!」ってなって。
 宮田:私も30代のころは長時間稽古してたんですが、ある時、年配の俳優さんが倒れてしまって。そこで(反省して)学びました。俳優さんたちは稽古修了後の本番でまた闘うのだから、いいコンディションにしないといけないんです。『エドワード二世』には80代の西本裕行さんも出演されてたでしょ?
 :西本さんとはもう4回もやってるし、西本さんと僕とは特別な関係なんです。「なんでもやるよ」って言ってくれていて。
 宮田:そういえば『エドワード二世』では「兵隊1」みたいな役もやってましたよね。西本さんが「休む暇ないよー」「着替えたらすぐ出番なんだよー」っておっしゃってましたよ?
 :あれ、一番楽しそうな役だと思って。
 上村:森さんは俳優に対して慈愛の気持ちはないの?(場内爆笑)
 :ピーター・ブルックの本に「役者は上演中に休んだらだめ」って書いてあったから。休みなく出る方がいいんだと思って、香盤表を見て楽屋で休む時間がないようにキャスティングしてました(場内爆笑)。


 ■スタッフとの協働

 宮田:美術や照明などのスタッフさんに、稽古開始の1か月以上前から演出プランのプレゼンをします。今回は翻訳もあるから、(皆さんが作品にかかわったのは)もっと前からでしたよね。演出家の仕事は多岐にわたります。私の場合、稽古が開始した時には公演の半分は終わったような気分です。
 演劇は「いいもの勝ち競争」。演出家だけでなく周囲のいいアイデアをどんどん採用していく。スタッフさんとのやりとりで印象に残ったことはありますか?

 :この劇場で上演した『ゴドーを待ちながら』は対面客席の舞台で、この小劇場に大きな道を作りました。僕は初めて新国立劇場で演出する作品だったし、エンドステージ(プロセニアム)のつもりだったんですが、美術の磯沼陽子さんに言われたんです。「若いんだから守りに入んなよ!」って。磯沼さんは亡くなられましたが、その声は今も残ってます。芝居は面白いと思ったものに突き進むことが必要だと思いました。面白そうだと思ったら、難しそうでも1週間はその方向で悩んでみる。
 『エドワード二世』は壁がすべて金色の美術だったんです。美術の堀尾幸男さん、プレゼンがうまいんですよ!もともと箱型の美術というイメージは伝えていたんです。すると堀尾さんが昔話のつづら箱みたいに3つの箱を持ってきて、1つ目が黒、2つ目が鉄さび、そして3つ目に金だったんですね。そりゃー…「金、面白いな」って思うんですよ(笑)。さすが巨匠と呼ばれるだけある、手練手管は学ぶところがあると思いました。

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上村聡史さん(新国立劇場より)

 上村:たっぷり時間があったので、美術の池田ともゆきさんと1年半かけて打ち合わせができました。月1回会ってそれを口実に飲みに行って(笑)。この戯曲を今やることの意味から考えていきました。
 宮田:美術は…大きいですよね、幕が開いてパっと最初に目に入りますし。
 :美術が一番大事だと思います。無駄な情報があると俳優もやりづらいし、観客もわかりづらい。演出家の考えばかりが前面に出てもだめだし。使い勝手もよくないといけません。『エドワード二世』の美術は最初、出入り口は1つだけにしたいと言っていたんですが、到底無理でした(結果的には1つではなくなった)。
 宮田:『OPUS/作品』の床にひっかき傷のような模様が入ってたのが、とても好きでした。凝ってますよね。
 小川:二村さんがよく考えてくださって。ものづくりに心血を注ぐとそれは作品に反映されます。舞台が丁寧に作られていると、俳優のモチベーションもあがる。
 宮田:スタッフのこだわり、しつこさ、腕の見せ所ですよね。

 上村:『アルトナ~』は閉塞感を出すことが重要なので、最初は四角い空間を考えていたんですが、円形に行きつきました。
 :僕、(本番を観て)八角形なのかと思ってたら、アール(円形)なんですよね、アールは金かかるんですよー、上村くん、贅沢にやってんなと思って。
 小川:森さんだって、『エドワード二世』の紙ふぶきはお金かかってるんじゃないですか?
 :あれ、全然安いですよ、お金かかってないです!戦闘場面は柄本君(=『エドワード二世』主役の柄本祐さん)が100人切りとか言うから、1人が5回ずつ兵隊役で出たら100人になるかな~と考えてたら(ここで宮田さんが「また俳優をこき使って!」とつっこみ)、堀尾さんに「蜷川幸雄はね…」って提案されて…。僕に蜷川さんの話なんかしないでよ!って思ったんですけど、堀尾さんが「蜷川さんは上から物を降らすよね」「スペクタクルをやってみなよ」とか言うから…それでスペクタクルをやることに。劇場に入ってから紙くずを撒いて、演技して…演出部の方々が紙くずを拾って掃除して…何度もやりました。劇場に入ってからしかできなかった作業です。
 上村:あの壁は、この小劇場が開館して以来、最も高い壁だったんじゃない?
 :あー、そうでした。高さはありました。
 宮田:天井も作りそうな勢いだったよね。
 :いやーさすがに天井は作らないです。(ここから照明の話に。)


 ■小川さんの美術がエンドステージでない理由

 :小川さんに聞きたかったんだけど、どうして三方、四方囲みの舞台にするの?
 小川:観客に近い距離で見せたい、というか、エンドステージ(プロセニアム:劇場の片方にステージがあり、観客が一方向からそのステージを見る形状)が苦手なんです。客席と舞台が近いことを大事に作ってきたから。
 上村:エンドステージだと絵を作りやすいんですよね。三方、四方囲みだと俳優をちゃんと動かさないと見切れちゃう。小川さんの作品を観て、俳優の気持ちをそこまでほじくるんだ~と思った。
 小川:私は絵を作らない、というか、絵が思い浮かぶのはシーンが立ち上がってから。役者の心理で三方、四方囲みの舞台で作ってくれた方が、やりやすいんですよね。逃げてるんだと思います。
 宮田:そういう謙虚なところが小川さんのいいところだし、私は好きです。「逃げてる」とは言うけど、三方、四方囲みの舞台で作れるのは武器でもあるよね。舞台の周りを客席が囲むのは、怖くてなかなかできない。俳優のリアルな気持ち、体の圧力など、ちゃんとできれば立体で見せられる。


 ■翻訳/今後の展望

 宮田:今回は新訳で、翻訳家の方々とも話し合っていただきました。翻訳家の先生方も…個性的ですよね~。
 :河合さんは意外と、いえ、とても柔軟な方でやりやすかったです。
 上村:でも「モリシン被害者の会」を結成されてたみたいだけど?(笑)
 宮田:そうそう、先週は翻訳家のトークだったからね(笑)。
 :…否定しません。
 宮田:小川さんはご自身も翻訳をするけれど、今回は平川さんの翻訳でした。
 小川:平川さんには自分からは出てこない言葉をたくさん出していただきました。例えば男の人の言葉とか。あと、私の言葉は幼いなと思ったり…。

 宮田:最後に、これからやりたいことを教えてください。また、今回は3本とも翻訳戯曲でした。日本語の戯曲について思うところも。
 上村:次は人情喜劇を大きな劇場でやります。今年は翻訳劇ばかりですが、日本語の戯曲だと三好十郎や清水邦夫に興味がある。僕は日本の劇作家の新作を演出することもありますが、『アルトナの~』のように、大きいことはすぐ隣にあるってことを感じられるお芝居を作っていきたい。
 :法と秩序とか、大きな力や社会構造が見える戯曲が好きなので、古典をよくやることになります。翻訳劇には大きな闘争が描かれている。(今の日本に)そういう劇作家が現れたら新作でもとは思いますが。

 小川:日本語の戯曲だと岸田國士が大好きで日本でもニューヨークでも何度かやってます。野望としては、世界初演をやってみたい。より多くの人に作品を観てもらえる気がするから。ベケットが好きなので最終的にはベケット作品を。あと、暗め重めの翻訳の人だと思われているようなんですが(笑)、コメディーも好きです。
 古典を解体して再構築することにも興味がある。何度も他人の手で上演されているものを、自分の手で新しく作りたい。『エドワード二世』を観て、演出家が前面に出てくるような作品も、やってもいいかなと思い始めました。
 日本語にはまだ気負ってしまうかも。たとえば三島由紀夫をやるなら稽古場で「ヤバイ」「うざい」とか使っちゃいけない気がするし(笑)。私は実家が本屋で父が編集者だったんです。父は三島由紀夫の原稿を取りに行ったりもしていたので、三島戯曲にあこがれはありますが、父に怒られそう(笑)。

 宮田:私は「世界中の何万冊の戯曲があなたを待っている!」と言い聞かせて、元気を出そうと思っています。演出家がキーマンとして元気でいれば、いい現場になり、いい芝居になり、お客様にいいものを観ていただける。この企画をして本当に良かったです。(観客に向かって)この3人はこれからどんどん活躍していきます。広く演劇を観ることが、演劇を豊かにしていきます。新国立劇場以外の彼らの公演もどうぞ観に行ってください。

 宮田:ライバルなんだから、みんな別の扉から退場してね!(笑)⇒登場と同じく別の扉から退場。これが絵的にも決まっていて、粋でした。


3月1日(土)19:00~
出席者:小川絵梨子 森新太郎 上村聡史 聞き手:宮田慶子
http://www.nntt.jac.go.jp/play/monthly/
http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/140213_003860.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:16 | TrackBack

【レポート】新国立劇場演劇「マンスリープロジェクト・トークセッション戯曲翻訳の現在Ⅱ」02/23新国立劇場小劇場

 新国立劇場演劇部門の「マンスリープロジェクト・トークセッション 戯曲翻訳の現在Ⅱ」を拝聴しました。出席者は『OPUS/作品』の平川大作さん、『エドワード二世』の河合祥一郎さん、『ピグマリオン』の小田島恒志さん、『アルトナの幽閉者』の岩切正一郎さん。司会は演劇ライターの鈴木理映子さん。
 
 客席の9割方はびっしり埋まるほどの盛況でした。話されたことはかなり専門的だったんですが、置いて行かれているような空気は感じなかったです。リテラシー高い…!司会の鈴木さんもおっしゃるように、小劇場の作り手の方も聴きに行くといいと思います。マンスリープロジェクトは観客だけではなく作り手にもお勧めです。

 以下、私が少しメモしたことをアップしました。語尾などに統一性はありませんし、正確性にも責任は持てませんので、どうぞご容赦ください。togetterまとめや他のブログと相互補完していただけたらと思います。

 ⇒togetter「いしはらっちさんによる新国立劇場マンスリー・プロジェクト「トークセッション 翻訳戯曲の現在 II」まとめ
 ⇒Minze「2014/2/23 新国立劇場マンスリー・プロジェクト「戯曲翻訳の現在 Ⅱ」レポート
 ⇒かのこの劇場メモ~半券の余白「「新国立劇場マンスリープロジェクト〜戯曲翻訳の現在Ⅱ」を聴講する

 出席者ごとに発言を分けました(舞台に向かって左側の席から順番)。ところどころ他の人とのやりとりも入っています。

 ■『OPUS/作品』の平川大作さん

 平川:『OPUS/作品』は自分で探してきた戯曲ではなかったので、依頼を受けた“請負い仕事”として1年2か月前にテキストと出会いました。居合のように正面から立ち向かう感じです。プロの音楽家が登場するのでクラシックの専門用語などが多くて。本番の半年前には完成しました。
 平川:『OPUS/作品』で音楽関係者から「稽古場とは言わない(練習場だ)」と指摘を受けました。でも私はあえて“稽古場”などの演劇の要素を入れようと、虎視眈々と狙っています。そこから飛躍があるかもしれないから。
 平川:戯曲『コペンハーゲン』から引用します。ハイゼンベルクのセリフ「うまくいけばそれでいい。」


 ■『エドワード二世』の河合祥一郎さん

 河合:『エドワード二世』はイギリスの古典演劇。原文と照らし合わせながらチェックしました。テキレジをする際も、原文の流れを理解しないといけないので、常に確かめていく。エリザベス朝時代の舞台は客席の方へと張り出したステージで、観客に話しかける形式です。地道に固めていきました。
 小田島:『エドワード二世』の演出は森新太郎さん。彼は非常に細かい人で、仕事をしたことがある我々は皆「モリシン被害者の会」のメンバーです(笑)。
 河合:僕もバーナード・ショーの翻訳をしたいのに、小田島さん(にその仕事を取られて)ばかり(笑)。僕は「(Rhymeのない)ブランク・バースを訳しなさい」と言われ続けています。夏目漱石が福田恒存を批判して「沙翁劇は翻訳できない」と書いているように、そのまま翻訳するのは難しい。原文と日本語の息が合うように翻訳しました。ただ、森さんは「なめらかな訳にしないでくれ」「原文のニュアンスを共有したい」とおっしゃるので、その方向にも。
 河合:(台本が完成していても)稽古場には最初の1週間は行くようにしています。やはり現場に行かないと。
 河合:児童文学も翻訳します。本は読んだ時に完成しないといけない。舞台のセリフは役者が言うことで完成する。
 河合:『国盗人』『按針』『フォルスタッフ(文楽)』など翻訳だけでなく上演台本も書いています。シェイクスピアは音楽的にこだわって訳します。自分の読み取った世界を、原文に忠実に表現していく。翻訳家は作家でなくてはいけない。


 ■『ピグマリオン』の小田島恒志さん

 小田島:『ピグマリオン』には倉橋健先生の名訳が既にあります。1914年時点で「Bloody」という言葉がどう受け取られていたか。今作では「クソ」と訳しました。言わされる石原さとみさんは大変だったと思います。
 小田島:俳優がどうしても言いづらかったので、「涙がほほを伝い落ちた」というセリフの後半を「流れ落ちた」と変えたことがある。小説は何度でも読み直せるが、舞台は聞き逃すと違う場面に進んでしまうから、聞き取れるようにすることも大切。
 小田島:上演台本を担当した人の名前だけが記載されている公演を散見しますが、下訳をした人の名前も明記して欲しい。誰の解釈を通して上演台本を作成したのか、クレジットに表記すべき。主張しておきたい。
 小田島:翻訳戯曲や古典の上演はいつ誰が書いたか、または時代背景など、情報先行で堅苦しい印象がついているが、生身の人間の芝居を楽しむのが重要。詳しいことは後から調べればわかる(何も知らなくたっていい)。これも強く主張したい。


 ■『アルトナの幽閉者』の岩切正一郎さん

 岩切:カシミアとウールの違いについて。カシミアは細い糸の中が空洞になっているんです。(カシミアをセリフだと捉えると)俳優が発することによって、その言葉の管の中に空気が通って、空洞を埋めてくれる。(ウールのように中身の詰まった)翻訳言語でぎっちり、カッチリ詰めて動かせないより、舞台でやるべきことに効果が出るような、カシミヤのような言葉がいい。
 岩切:戯曲は生身の人間が語るものなので稽古が始まってから語尾は変えました。
 岩切:(自分の翻訳を音読するかどうかという質問に対して)読みます。私は役柄になり切るタイプで、テープに録音もします。狭い家で家族は迷惑してるだろうと思います(笑)。『アルトナ~』では石膏粘土で人形を作って絵具で色も塗りました。
 小田島:(岩切さんに比べると)自分はまだまだだと思いました…(笑)。



新国立劇場マンスリープロジェクト「トークセッション 戯曲翻訳の現在 Ⅱ」
2月23日(日)18:30@小劇場
出席者:平川大作 (大手前大学准教授)/河合祥一郎(東京大学大学院教授)/小田島恒志(早稲田大学教授)/岩切正一郎(国際基督教大学教授) 聞き手:鈴木理映子
http://www.nntt.jac.go.jp/play/monthly/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:03 | TrackBack

【ワークショップ】SPAC「ミリアム・ゴルトシュミットによる演劇ワークショップ」※3月24日〆切(メールor郵送or持参)

 「ふじのくに⇄せかい演劇祭2011」の上演されたピーター・ブルック演出『WHY WHY』に主演された、ドイツ人女優ミリアム・ゴルトシュミットさんのワークショップが、静岡で開催されます。

 『WHY WHY』と終演後のトークを拝見しまして、ミリアムさんはいわゆる普通の“俳優”には収まらない方だと思いました。誤解を生むかもしれませんが、スピリチュアルな意味で、異なる階層に存在する方ではないかと感じたんです。

 静岡で合計5日間、4本の観劇と3日間のワークショップに参加する贅沢なスケジュールです。時間のある俳優さんはぜひ。SPACを体験するのにもいい機会だと思います。

 ●ミリアム・ゴルトシュミットによる演劇ワークショップ ⇒公式サイト
  実施期間:4/29(火)~5/3(土)【要全日程参加】
  成果発表会:5/3(土)11時開始
  ※英語・日本語通訳あり
  ※遠方からの参加の場合、無料の宿泊施設をご案内いたします。

  対象:日本で活動する俳優(18歳以上) 定員20名
  参加費:10,000円(下記スケジュール内の4作品の観劇代金を含む)
  応募締切:(郵送・Eメール・持参とも)3月24日(月)<必着>
  ※応募者多数の場合には書類選考をいたします。

Posted by shinobu at 11:23 | TrackBack

2014年03月01日

【ご報告】悲劇喜劇2014年3月号「特集=2013年演劇界の収穫」に参加しました

 悲劇喜劇2014年3月号「特集=2013年演劇界の収穫」に私も参加させていただきました。劇場ロビーに置いてあることもありますので、ぜひお手にとってご覧ください。

 第17回鶴屋南北戯曲賞を受賞した北村想さんの戯曲『グッドバイ』も掲載されています。

Posted by shinobu at 15:20 | TrackBack

メルマガ 2014年03月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2014年3月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。

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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 117    2014.03.01  2,071部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎3月は観たい公演が多すぎて、毎年悲鳴とため息でございます…。
  
    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

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   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

 ◎facebookページ↓でブログ更新を報告しています。
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○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→スーパー歌舞伎II『空ヲ刻ム者―若き仏師の物語―』
       03/05-29新橋演舞場
         ≪東京、大阪≫
       http://bit.ly/1fVQB1k

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→福島県立いわき総合高等学校演劇部『あひる月13』
       02/21-23王子小劇場
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0222214751.html

 ◆3【「CoRich舞台芸術まつり!2014春」第一次審査結果発表! 】

   ◎最終選考対象となる10団体が決定しました!
    http://stage.corich.jp/festival2014/result.php

 ◆4【編集後記】

   ◎第58回岸田國士戯曲賞の受賞作が発表されました!

 ◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※間違いがあるかもしれません。最新情報や詳細は公式サイトでご確認を。


★1.東京芸術劇場『おそるべき親たち』
  03/02-16東京芸術劇場シアターウエスト
  ☆出演:佐藤オリエ、中嶋しゅう、麻実れい、満島真之介、中嶋朋子
   脚本:ジャン・コクトー 翻訳・台本:木内宏昌 演出:熊林弘高
   一般6,000円、65歳以上割引5,000円、25歳以下割引3,000円、
   高校生割引1,000円 ※障害者割引などあり
    https://www.geigeki.jp/performance/theater041/
   ジャン・コクトーの戯曲を熊林弘高さんが演出。2010年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1108234411.html
   キャストもスタッフも贅沢な座組みによる、大人向けの会話劇です。
   濃密で官能的で、フレッシュでスリリングなストレート・プレイに期待。


2.世田谷パブリックシアター
  『神なき国の騎士―あるいは、何がドン・キホーテにそうさせたのか?』
  03/03-16世田谷パブリックシアター
  ≪東京、兵庫、新潟≫
  ☆出演:野村萬斎、馬渕英俚可、木村了、深谷美歩、谷川昭一朗、
    村木仁、中村まこと、我妻恵美子、松田篤史、高桑晶子、
    塩谷智司、奥山ばらば、鉾久奈緒美、小田直哉、齋門由奈
   脚本:川村毅 演出:野村萬斎
   一般 S席7,000円/A席5,000円
   高校生以下 一般料金半額 U24 一般料金半額
   劇場会員、区民割引などあり。※未就学児童はご入場いただけません
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/03/post_344.html
   川村毅さんがセルバンテス作『ドン・キホーテ』の舞台を現代日本にして
   脚本を書き下ろし、野村萬斎さんが演出、出演されます。
   キャストも魅力的な方が多く、大駱駝艦の競演に惹かれます。
   ※下方でご紹介する『荒野のリア』も川村さんの新作です。


3.雷ストレンジャーズ『ブラウニング バージョン』
  03/05-09シアターサンモール
  テレンス・ラティガン上演シリーズ vol.1
  ☆出演:モロ師岡、紫城るい、倉石功、萬谷法英、杉浦一輝、
      松村良太、田辺千絵美
   脚本:テレンス・ラティガン 演出:小山ゆうな
   前売り5,500円 当日5,800円
    http://www.parraweb.com/#!bv/c1n3u ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=50311
   英国の劇作家テレンス・ラティガンの『ブラウニング・バージョン』は、
   とっても面白い戯曲です!2005年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1022230616.html


4.ワンツーワークス『流れゆく庭-あるいは方舟-』
  03/06-12赤坂RED/THEATER
  ☆出演:奥村洋治、武田竹美、関谷美香子、山下夕佳、重藤良紹、
      今村洋一、早川紗代、佐川和正、ほか
   脚本・演出:古城十忍
   前売4,000円 当日4,500円 U25(25歳以下)2,500円 
   ワンツーチケット(2回観劇用)6,500円
   ※10歳未満の児童はご入場いただけません。
    http://www.onetwo-works.jp/nextstage_naga.html
   災害への危機意識の低さをコミカルに風刺したお芝居↓の再演。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0703234330.html
   初演は2008年。震災を経た今、伝わる意味も重さも変わるかも。


5.こまつ座&ホリプロ『ムサシ ロンドン・NYバージョン』
  03/07-15 Bunkamuraシアターコクーン
  ≪東京、韓国、広島、長崎、石川≫
  ☆出演:藤原竜也、溝端淳平、鈴木杏、六平直政、吉田鋼太郎、
    白石加代子、大石継太、塚本幸男、飯田邦博、堀文明、井面猛志
   脚本:井上ひさし 演出:蜷川幸雄
   S席 10,500円/A席 8,500円/コクーンシート 5,000円
    http://hpot.jp/stage/musashi
    http://www.komatsuza.co.jp/program/index.html#139
   『ムサシ』は井上ひさしさんの2009年初演戯曲です。↓レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0313204728.html
   英国、米国、シンガポールなどのツアーを経て東京、そして韓国へ。
   戦争ができる国へと性急に変えられようとしている今の日本で、
   井上さんが『ムサシ』に遺した言葉は、より強く響くのではないかしら。
   

6.トライアングルCプロジェクト『フローズン・ビーチ』
  03/10-19 CBGKシブゲキ!!
  ≪横浜、埼玉、茨城、石川、兵庫、北海道、湘南台、岡山、東京≫
  ☆出演:石田えり、松田美由紀、渡辺真起子、山口美也子
   脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:高羽彩
   前売6,500円 当日6,800円
    http://www.frozenbeach.info/
   『フローズン~』はKERAさんの岸田國士賞受賞作。2002年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2002/0717232145.html
   石田えりさんら妖艶な大人の女優陣と高羽彩さんの演出にも期待。
   横浜プレビュー公演から地域ツアーを経て東京へ。


7.ティーファクトリー『荒野のリア』
  03/13-23吉祥寺シアター
  W.シェイクスピア生誕450年/吉祥寺シアター シェイクスピアシリーズ
  ☆出演:麿赤兒、手塚とおる、笠木誠、志村史人、玉置玲央、宮内克也、
      森下庸之、太平、有薗芳記、中村崇、川村毅
   原作:シェイクスピア「リア王」(松岡和子訳)
   構成・演出:川村毅
   4,800円(前売)  5,000円(当日)  公演初日特別価格4,000円
    http://www.tfactory.jp/
   川村毅さんがシェイクスピア作『リア王』を構成、演出。
   麿赤兒さん演じるリア王をぜひ目撃したいですね。
   上述の『神なき国の騎士~』も川村さんの新作戯曲です。


★8.ホリプロ『幽霊』
  03/20-30 Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:安蘭けい、忍成修吾、吉見一豊、松岡茉優、阿藤快
   脚本:イプセン 翻訳:毛利三彌 演出:森新太郎
   指定席¥8,000 コクーンシート¥5,000
   お得な当日引換券:高校生¥1,000
   夫婦50¥9,600(2枚で) シニア¥5,600
    http://hpot.jp/stage/yurei
   森新太郎さんがシアターコクーンに初進出し、イプセン戯曲を演出。
   それだけでも必見です。森さんは読売演劇大賞の大賞および
   最優秀演出家賞を受賞したばかり。対象作のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1009192441.html
   森新太郎インタビュー:http://bit.ly/1fVP8YV


9.石井光三オフィス『女40歳 肉屋のムスメ』
  星野園美 初プロデュース公演
  03/26-30「劇」小劇場
  ☆出演:田島令子 俵木藤汰 福島まり子 野本光一郎 高畑裕太 星野園美
   脚本・演出:田村孝裕(ONEOR8)
   前売:指定席4000円 2階さじき席2500円
   当日:指定席4300円 2階さじき席2800円
   ※未就学児童入場不可
    http://bit.ly/1kbiEki
   女優の星野園美さんが、ご自身が出演するお芝居をプロデュース。
   田村さんが新作を書き下ろして演出されるのに興味あり。
   田村さんというと4月の『きりきり舞い』↓も新作(原作あり)ですね。
    http://www.meijiza.co.jp/info/2014_04/


10.劇団☆新感線2014年春興行『いのうえ歌舞伎「蒼の乱」』
  03/27-04/26東急シアターオーブ
   ≪東京、大阪≫
  ☆出演:天海祐希 松山ケンイチ 早乙女太一 梶原善 森奈みはる
    粟根まこと 高田聖子、橋本じゅん 平幹二朗、右近健一 河野まさと
    逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ 礒野慎吾、
    吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ 早乙女友貴 川原正嗣 武田浩二 他
   脚本:中島かずき 演出:いのうえひでのり
   S¥12,500 A¥10,500 B¥7,500 ヤングチケット¥2,000[22才以下]
    http://www.aonoran.com/
   人気スターの出演でいつもまぶしい劇団☆新感線の新作。
   中島かずきさんによる平将門を題材にした国つくりの物語に興味あり。
   

 ★★★────────────────────────────── 
  前売3000円台の気になる作品を4本ご紹介します。
   (上述の高額公演10本中にも、席種・日程により格安券あり)
 ──────────────────────────────★★★

【1】ニッポンの河川『大きなものを破壊命令(再演)』
  03/01-09東京芸術劇場シアターイースト
  ☆出演:峯村リエ、佐藤真弓、中林舞、光瀬指絵
   脚本・演出:福原充則
   前売 (河)3300円(早期観劇割引・平日マチネ割引)
   前売 (川)3500円 当日3700円 学生割引2800円 高校生割引1000円
    http://jriver-meirei.com/
   福原充則さんが作・演出されるニッポンの河川の再演。初演レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0811175217.html
   4人の女優が音響、照明の操作をしながら演じる、挑戦的なお芝居。
   敢えてアナログな機材を使って動き回るバカバカしさも微笑ましく。


【2】北九州芸術劇場プロデュース『彼の地』
  03/07-09あうるすぽっと
  ≪福岡、東京≫
  ☆出演:岩本将治 大神拓哉 尾崎宇内(崎は異なる漢字) 佐藤恵美香
    椎木樹人 上瀧征宏 高野由紀子 髙山力造 多田香織 寺田剛史
    服部容子 平嶋恵璃香 美和哲三 吉田砂織 リン 脇内圭介 若狭勝也
    佐賀野雅和 異儀田夏葉
   脚本・演出:桑原裕子(KAKUTA)
   一般 前売3000円(当日3500円) 学生 前売2500円(当日3000円)
    http://bit.ly/1fVQiDw
   北九州芸術劇場が東京の演出家を呼んで地元で創作するシリーズです。
   桑原裕子さんが書き下ろし、演出される北九州の町の匂いの群像劇。
   出演者はオーディション選抜されています。松井周作品のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0306172348.html


【3】岩松了プロデュース『宅悦とお岩~四谷怪談のそのシーンのために~』
  03/07-23駅前劇場
  ☆出演:安藤聖、梅宮万紗子、尾上寛之、亀田梨紗、児玉拓郎、小林竜樹、
      駒木根隆介、清水優、高橋ひろ無、滝沢恵、永岡佑、橋本一郎、
      藤木修、ペ・ジョンミョン、吉牟田眞奈
   脚本・演出:岩松了
   自由席:3,300円/指定席:3,800円 
   前半割引 自由席:3,000円/指定席:3,500円
    http://www.dongyu.co.jp/iwamatsu-pro/
   岩松了さんが若者とともに創作するお芝居の第二弾は、『四谷怪談』
   のある場面を1本の芝居にしようとする俳優たちの群像劇。


【4】サンプル『シフト』
  03/14-23東京芸術劇場シアターイースト
  ☆出演:古屋隆太、奥田洋、野津あおい、兵藤公美、黒宮万理、
      武谷公雄、市原佐都子
   脚本・演出:松井周
   全席自由席・整理番号付 一般前売:3,500円、当日:3,800円
   <前半割 ※3月14日~16日限定> 前売:3,200円 当日:3,500円 
   学生前売・当日共:2,500円 高校生以下 前売:1,000円
    http://samplenet.org/2013/12/06/13_shift/ 初演の記録↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0131011503.html
   松井周さん率いるサンプルが2007年の作品を再演します。
   ある山村に越してきたよそ者が、奇妙な因習に翻弄されていくお話。
   出演者は様変わりで、個性が際立つ俳優が揃っています。
   研ぎ澄まされたセンスから生み出される、倒錯空間に浸りたい。


≪歌舞伎、ダンス、その他≫

 ○新国立劇場マンスリープロジェクト
 「トークセッション[Try・Angle-三人の演出家の視点-]をふりかえって」
  3月1日(土)19:00~新国立劇場小劇場
  ☆出席者:小川絵梨子 森新太郎 上村聡史 聞き手:宮田慶子
    http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/140213_003860.html
   無料・要予約。前回のトークセッションのレポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0915232709.html
   3人の若手演出家を取り上げた新国立劇場の「Try・Angle」シリーズの
   締めくくりに、3人と芸術監督の宮田慶子さんによるトークがあります。
   上村さん演出の『アルトナの幽閉者』↓は3/9まで上演中!お勧めです。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0223172337.html


 ★○スーパー歌舞伎II(セカンド)『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』
  03/05-29新橋演舞場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:市川猿之助 川門之助 市川笑也 市川笑三郎 市川寿猿 
      市川弘太郎 市川春猿 市川猿弥 市川右近 福士誠治 
      浅野和之 佐々木蔵之介 他
   作・演出:前川知大
   1等A席15,000円 1等B席11,000円 2等A席7,000円 2等B席5,000円
   3階A席5,000円 3階B席3,000円 桟敷席16,000円
    http://bit.ly/1fVQB1k
   市川猿之助さん座長公演でイキウメの前川知大さんが歌舞伎に初挑戦!
   前売り完売でしたが、また松竹のサイトで買えるようになってますよ~!

  ●お薦めポイント●
   新作歌舞伎というと、ここ数年では野田秀樹さんと宮藤官九郎さんが
   話題になりました。三谷幸喜さんは文楽を作られましたね。
   猿之助さんが始めて前川さんと組んだお芝居はこちら↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0906183220.html
   このご縁から約5年で今回につながったのかと思うと感慨深いです。
   歌舞伎俳優以外に浅野和之さん、佐々木蔵之介さんらが出演されます。


 ○ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『KONTAKTHOF―コンタクトホーフ』
  03/20-23彩の国さいたま芸術劇場大ホール
  ☆出演:ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団
   演出・振付:ピナ・バウシュ
   S席一般10,000円 学生7,000円 A席一般7,000円 学生5,000円 
   B席一般5,000円 学生3,000円 劇場会員割引などあり。
    http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/507
   ピナ・バウシュ作品の来日公演です。亡くなってもう4年半経つんですね。


 ≪ご参考≫
  「しのぶの演劇レビュー」↓に今月のしのぶの観劇予定あり。
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
  毎年言ってますが、年度末の3月は面白そうな公演が多いです…。
  今月は「CoRich舞台芸術まつり!」最終選考作品を最優先で!


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.福島県立いわき総合高等学校演劇部『あひる月13』
  02/21-23王子小劇場
  ☆震災から約3年経った被災地の高校生の今。俳優がそれぞれに
   一人で立っているのが素晴らしい。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0222214751.html
   ※3/22にいわきで上演されます→ http://iplayfes.exblog.jp/
   顧問のいしいみちこ先生のワークショップのレポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0225001732.html

2.新国立劇場演劇『アルトナの幽閉者』 ※ただいま上演中!
  02/19-03/09新国立劇場小劇場 
  ☆1959年のドイツの話なのに、今の自分のことのように頷きながら観劇。
   愚かな人間たちの標本を眺め、じっくり思考をめぐらせる3時間半。
   若者にも観て欲しいです。学生当日券は一般の半額ですよ!  
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0223172337.html

3.tamagoPLIN『さいあい~シェイクスピア・レシピ』
  02/21-23シアタートラム
  ☆シェイクスピアを引用して、元気よくコミカルに踊る野菜たちが、
   心を込めた料理を食べることで生まれる“愛”を体現してくれました。
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/02/tamago_pln.html
   作・演出・出演のスズキ拓朗さんの作品は、若手演出家コンクールで
   3/5夜、3/9昼に『FRIENDS~踊る戯曲~』↓の上演があります。
    http://jda.jp/contest01.html

  他はうずめ劇場『砂男』、うずめ劇場『砂女』、東宝芸能・キューブ
  『ミュージカル シャーロックホームズ~アンダーソン家の秘密~』、
  マームとジプシー『Rと無重力のうねりで』、範宙遊泳『幼女X』、
  アル☆カンパニー『失望のむこうがわ』、
  革命アイドル暴走ちゃん『騒音と闇』など(順不同)。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2014年2月(観劇数16作品)は残念ながら発行せず。


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 ◆3 【「CoRich舞台芸術まつり!2014春」第一次審査結果発表!】
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 ◎日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバル
  「CoRich舞台芸術まつり!2014春」の審査員をつとめております。
   http://stage.corich.jp/festival2014/
  グランプリ受賞団体には活動支金として100万円が支援されます。

  第一次(ネット)審査にて92作品の中から10作品が選ばれました!
   http://stage.corich.jp/festival2014/result.php
  初日順⇒笑の内閣(京都)、あやめ十八番(東京)、On7(東京)、
   劇団印象-indian elephant-(東京)、鳥公園(東京)、
   Q(東京)、演劇集団 砂地(東京)、ロ字ック(東京)、
   Baobab(東京)、劇団B級遊撃隊(愛知)

  3ヶ月間で審査員が10作品を鑑賞し、6月下旬にグランプリを発表します。
  よかったら対象作品をご覧になって感想をクチコミしてくださいね!

   CoRich舞台芸術!:http://stage.corich.jp/
   メンバー登録:http://stage.corich.jp/user_register.php
   携帯サイト:http://stage.corich.jp/m/

 ≪3月の「CoRich舞台芸術まつり!2014春」最終選考作品≫

 ○笑の内閣『ツレがウヨになりまして』
  02/28-03/04 KAIKA(京都)
  ≪北海道、東京、京都≫
  ☆脚本・演出:高間響
   http://warainonaikaku.sitemix.jp/ ↓こりっちでカンタン予約!
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=49951
   http://stage.corich.jp/festival2014/detail.php?stage_main_id=39001

 ○あやめ十八番『江戸系 諏訪御寮』
  03/12-16小劇場 楽園(東京)
  ☆脚本・演出:堀越涼
   http://www.ayame-No18.iftaf.jp ↓こりっちでカンタン予約!
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=50869
   http://stage.corich.jp/festival2014/detail.php?stage_main_id=39792

 ○On7『痒み』
  03/25-30シアター711(東京)
  ☆脚本・演出:サリngROCK
   http://onnana.com ↓こりっちでカンタン予約!
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=52594
   http://stage.corich.jp/festival2014/detail.php?stage_main_id=41292

 ○劇団印象-indian elephant-
  『グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory』
  03/26-30調布市せんがわ劇場(東京)
  ☆脚本・演出:鈴木アツト
   http://www.inzou.com/gbf/ ↓こりっちでカンタン予約!
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=52206
   http://stage.corich.jp/festival2014/detail.php?stage_main_id=40956

 ○鳥公園『緑子の部屋』
  03/26-31 3331 Arts Chiyoda(東京)
  ≪大阪、東京≫
  ☆脚本・演出:西尾佳織
   http://bird-park.info/
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=53271
   http://stage.corich.jp/festival2014/detail.php?stage_main_id=41898


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 ◆4 【編集後記】
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 ◎第58回岸田國士戯曲賞の受賞作が発表されました!
   http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/award58.php
  岡田利規さんが選考過程についてツイート↓されています。
   https://twitter.com/okada_kpa58
  飴屋法水さんの『ブルーシート』にはいわき総合高校の高校生が出演。
  同校教諭のいしいみちこ先生の高校生向けワークショップを見学し、
  レポート↓を書きました。いしい先生の言葉を読んでいただきたいです。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0225001732.html
   

 ◎東浩紀さんが経営するゲンロンカフェのイベントに初参加しました。
  高山明×東浩紀「観光と演劇は社会を変えるか
  ――Port B観光リサーチセンターと福島第一原発観光地化計画の未来」
   http://peatix.com/event/25915 終了後の写真↓
   https://twitter.com/yuvmsk/status/438699111429066752
  「演劇」を軸にテーマがどんどん増えて飛躍して、なんと4時間超。
  想像していたよりもずっと刺激的で、ずっとずっと面白かったです。
  ゲンロンカフェにはまた行きたいと思いました。


 ◎2月から話題になっている「ナショナル・シアター・ライヴ2014」は
  英国最高峰の舞台作品を映画館で観られるシリーズです。
   http://dramanavi.net/news/2014/02/2014-8.php
  3月に『フランケンシュタイン』の再上映があるそうです。


 ◎1月にソウルで韓国創作ミュージカルを2本観てきました♪
  旅行の記録のみブログにアップ↓しています。劇場周辺の写真あり。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0211231119.html


 ◎こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願い署名活動中です。
  3月の街頭署名の予定:3/8(土)14:00-15:00、3/23(日)16:00-17:00
  俳優の八嶋智人さんが街頭署名のお手伝い↓をしてくださいました!
   https://twitter.com/kodomoaogeki/status/361392366831157249
   https://twitter.com/meganeouji840/status/361403711639138304
  有志の会の公式サイト:http://kodomoaogeki.com/
  有志の会の公式ブログ:http://kodomonosiro.blog.fc2.com/
  署名用紙をダウンロードして署名し、有志の会までご郵送ください。
  WEB署名もできます⇒ http://www.change.org/kodomo-aogeki
  公式ツイッター:https://twitter.com/kodomoaogeki
  Facebookページ:http://www.facebook.com/kodomo.aogeki


 ◎おすすめ舞台中継など on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【NHK BSプレミアム】3/3(日)午前0時00分~午前3時30分 [土曜深夜]
   世田谷パブリックシアター『ジャンヌ』
    http://www4.nhk.or.jp/p-stage/x/2014-03-02/10/16123/
   出演:笹本玲奈/今井朋彦/伊礼彼方/中嶋しゅう/村井國夫/ほか
   作:バーナード・ショー 翻訳:中川龍一/小田島雄志 演出:鵜山仁
   制作発表会の写真レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0702162507.html

  【WOWOW】3/8(土)よる9:00~ 
   Bunkamura『シダの群れ3 港の女歌手編』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/104726/index.php?m=01
   出演:阿部サダヲ 小泉今日子 ほか
   脚本・演出:岩松了 
   ※「シダの群れ」シリーズ前2作も合わせて放映。

  【WOWOW】3/15(土)よる9:00~ 
   大パルコ人(2)バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/104809/index.php?m=01
   出演:佐藤隆太 勝地涼 ほか
   脚本・演出:宮藤官九郎


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2014年2月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「映画 中村勘三郎」←亡くなる直前まで密着した映像記録。
    http://www.kyodo-tv.co.jp/kanzaburo_movie2013/
  ・「映画 謎解きはディナーのあとで」←伏線回収が見事。宮沢りえさん貫録!
    http://www.nazotoki-movie.jp/dvd/
  ・「旅立ちの島唄~十五の春~」←南大東島の人々はIT機器を使わないのかな。
    http://www.bitters.co.jp/shimauta/
  ・「共喰い」←最後の田中裕子さんのセリフが素晴らしい。
    http://www.tomogui-movie.jp/
  ・「地獄でなぜ悪い」←遊びに遊んだ痛快作。俳優もぶっ飛んでて良い。
    http://play-in-hell.com/


 ◎2013年9月にインタビュー↓していただきました。
   http://kenbunden.net/general/archives/4333 告知エントリー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1120155340.html
  なぜメルマガで情報発信を始めたのか、これから何を観たいのか、
  どうしていきたいのか。誇張のない本音をまとめていただけました。


 ◎注目している役者さんに「しのぶさんのサイトでいつも
  オーディション情報をチェックしています」と言われて嬉しい!
  「受かりました!」と言われるともっと嬉しい♪
  「しのぶの演劇レビュー」に情報掲載をご希望の方は、
  お問い合わせフォーム↓からどうぞ。
   http://www.shinobu-review.jp/contact/
  ※必ず掲載するわけではありません。ご了承ください。


 ◎ツイッターやってます!フォロワー約5000人に感謝♪
  ⇒ @shinorev : http://twitter.com/shinorev
  観劇感想の速報もたまにつぶやきます。
  震災・原発事故、選挙関連のリツイートも多いです。


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
   http://stage.corich.jp/
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪ メンバー登録はこちら↓
   http://stage.corich.jp/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://stage.corich.jp/m
  公式アプリiPhone版・ダウンロード↓
   http://bit.ly/18djpPV
  公式アプリAndroid版・ダウンロード↓
   http://bit.ly/18djsLF
  アプリでチラシ拡大可能!「あと○日で開幕・終幕」がわかって便利。
  最新版では「観たい!」「観てきた!」コメントも表示されます。


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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