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2014年04月29日

Kawai Project『「から騒ぎ」Much Ado About Nothing』04/27-29東京大学駒場キャンパス・21KOMCEE MMホール

 ※2016/08/13に投稿した記事です。新サイトにも転載。

 2014年のしのぶの小劇場ベスト3より転載。
 「英文学者・翻訳家の河合祥一郎氏がシェイクスピア戯曲を翻訳、演出したKawai Projectは、キャストの大半が新国立劇場演劇研修所の修了生。みずみずしい演技でセリフを生きた言葉にして伝え、海外古典劇を現代日本人が本気で笑えるコメディーに仕上げていた。形式ばった演技の沙翁劇が幅を利かす演劇界において画期的な成果と言える。」

 メルマガ2014年5月号より転載。
 「俳優ありきのシェイクスピア劇でめちゃくちゃ楽しかった!何もない空間の四方を客席が囲み、俳優が観客に自然に関わってくる。呼吸が開かれているから、ゲラゲラ笑えて親身になれた。こんな日本語と演技で沙翁劇を味わいたかった。夢が叶った気持ち。」

 ⇒CoRich舞台芸術!『「から騒ぎ」Much Ado About Nothing

シェイクスピア生誕450周年記念
出演:大樹桜、沖田愛、小田豊、北澤小枝子、北野雄大、窪田壮史、荘田由紀、白川哲次、髙橋洋介、滝香織、趙栄昊(チョウヨンホ)、野口俊丞、西山竜一、三原玄也、峰崎亮介、森川由樹、森下庸之、山﨑薫、頼田昂治
ヴァイオリニスト:下田詩織 パーカショニスト:井上仁美
脚本:シェイクスピア 翻訳・演出:河合祥一郎
1500円(全席自由・税込)
http://ameblo.jp/shoichiro-kawai/entry-11771019665.html

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:59 | TrackBack

2014年04月25日

【映画】ナショナル・シアター・ライヴ2014『コリオレイナス』04/25-30 TOHOシネマズ日本橋

 イギリスの演劇作品を映画館で上映する「ナショナル・シアター・ライヴ2014」。『フランケンシュタイン』に続いて『コリオレイナス』を拝見しました。上映時間は約3時間15分(上映前の宣伝と、15分間の休憩、5分間の演出家インタビューを含む)。

 めちゃくちゃ良かったです…『コリオレイナス』 は舞台で2度観てたのに何も意味わかってなかったのね私…。俳優も演出もすごくいい!
 ドンマーウェア・ハウスって250席しかない劇場なんですね。あんな至近距離…鼻血ものっ!(レビューは2014/07/03にアップしました)

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 主演コリオレイナス役に『アベンジャーズ』や『マイティ・ソー』で一躍世界の人気俳優となったトム・ヒドルストンを迎え、 人気ドラマシリーズ『SHARLOCK(シャーロック)』に出演するマーク・ゲイティスがメニーニアス役を演じる。 演出はドンマー・ウエアハウスの芸術監督ジョシー・ルーク。原作はシェイクスピアが政治の陰謀と復讐を描いた悲劇。
 ≪ここまで≫

 俳優あってこその、そぎ落とした演出なんだろうと思います。主演のトム・ヒドルストンさんは顔も体も超美形。演技もうますぎる…。お芝居としての感動は『フランケンシュタイン』より『コレオレイナス』の方が大きかったですね。シェイクスピアの作品だってことを忘れるぐらい、今を描いたお話に見えました。

 演出のジョシー・ルークさんは37歳の女性でドンマー・ウェアハウスの芸術監督。若い!凄い!

 ナショナル・シアター・ライヴはこれで3作品目になりますが、俳優の演技がいつも素晴らしくて、私が東京で観ているストレート・プレイとの差を見せつけられ、毎度帰り道はガクーン…となります。もちろん舞台芸術のジャンルはさまざまで、日本には日本の伝統芸能の歴史があり、驚くべき多様性もあって、それは他にはないことだと思っていますが、心理主義リアリズムの演技においては、やはり歴史の差を見せつけられるような気持ちになります。あとは劇場のあり方というか、演技者と観客との距離や、空間自体が目指すものの差も感じたり。

 ナショナル・シアター・ライヴはこれからも見続ける予定で、私自身が映画を見るために舞台を観に行かない選択をしていることにもショックを受けています。2500円でこれだけのものが見られるのですから、お芝居を観るために劇場ではなく映画館に行くことにも疑問はありません。新しい時代が来た気がしています。

By William Shakespeare Directed by Josie Rourke
演出:ジョシー・ルーク 原作:ウィリアム・シェイクスピア
出演:トム・ヒドルストン、マーク・ゲイティス、ピーター・デ・ジャージー、他
National Theatre Live will broadcast the Donmar Warehouse production of Coriolanus, with Tom Hiddleston in the title role and Mark Gatiss as Menenius, directed by Josie Rourke, live from their Covent Garden home.
2500円
http://www.ntlive.jp/
http://ntlive.nationaltheatre.org.uk/productions/ntlout5-coriolanus

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:24 | TrackBack

Q『迷迷Q』04/24-05/01こまばアゴラ劇場

 (キュー)は市原佐都子さんが作・演出される演劇ユニットです(⇒facebookページ)。市原さんは今年3月のサンプル『シフト』に俳優として出演されていました。『迷迷Q』は新作で、上演時間は約1時間40分。

 「CoRich舞台芸術まつり!2014春」審査員として拝見しました(⇒92本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。下記にも後日転載します。※転載しました(2014/05/22)。

   松井周さんのツイート↓です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『迷迷Q

 ≪あらすじ≫
 生理の時にあれだけの血が出るのって人間だけらしい。お母さんは生理になる暇もなくいつも妊娠してるけど。
 ≪ここまで≫

 ■タブーの陳列から命の理を導き出す戯曲

 こまばアゴラ劇場を通常の状態で使うプロセニアムの舞台で、床はコンクリートが露出した灰色、壁は黒色、ロフトの手すり等のパイプ部分は白色に塗られています。舞台下手には洗濯機、中央には閉ざされた箱型の部屋があって、部屋の中も屋根の上も演技スペースになります。

 ガーリーと言って差し支えない風貌の若い女優さんが4人登場し、可愛らしい仕草でギョっとするようなことを言い続けます。独白が多くてあまり会話劇にならないのは、人と人との交流が観たいと思うタイプの私には物足りなかったですが、演出意図だろうと思うので不満はありません。むしろ潔さが痛快なぐらいです。

 2013年2月に横浜で上演された『いのちのちQ』も、扱われる題材とその提示方法が衝撃的でした。観劇後しばらく経って冷静になってから整理してみるまで、私は重要なテーマに気づかなかったんです。『迷迷Q』もまた、観終わった時は「ヤバいものを観た!」という興奮でいっぱいいっぱいでした。こうやって文章にする段階でやっと、戯曲にあらわされていた意味をじっくり考えることができます。獣姦や異種交配は今までにも取り上げられていましたが、今回は人間について、命について、さらに踏み込んだ内容になっていると思いました。

 母を演じた吉田聡子さんは身体と声の力強さも生かしきって、いつもながらのド迫力でした。ただ、自分から発するものは大きくても、相手役や観客からはあまり受け取っていないように見えました。また、Qの公演でもマームとジプシーの公演でもあまり変化がないのはもったいない気がします。吉田さんであることに気づかないぐらいの演技も観てみたいです。
 犬のフランシーちゃんを演じた吉岡紗良さんは、大きな目を開きながら、相手役と観客に対して心も開いてコミュニケーションをされているように見えて、他の共演者とは少し違う存在感があり、私は好感を持ちました。

 ここからネタバレします。

 夫と犬のような性交をして子供をわんさか産んできた母は、11人分のごはんを作る毎日。公園では野良犬とともに野グソをして、犬にお尻を舐めさせて「(温かくて)温泉みた~い♪」と喜び、そして犬は母が落とした便を食べる。…強烈なエログロが混濁して、目も耳も覆うべきじゃないかと思うような場面ですが、若い女優さんが躊躇なく元気に語るので見入ってしまいます。飲食、排泄、性交、出産、死といった人間の原始的な営みを、動物、昆虫、魚等の生き物全般のそれと同列に陳列していくような、斬新奇抜な戯曲でした。

 娘の園子は上半身が人間で下半身が馬のケンタウルスに山で犯されましたが、ピルを常飲しているので妊娠することはありません。園子はケンタウルスを連れて帰って自分の部屋で飼い、他人を襲わないように自慰を教えたところ、ケンタウルスは自慰にふけって弱っていき、やがて死んでしまいました。ケンタウルスの精子で汚れた無数のティッシュは部屋中に転がり、薬のせいで妊娠しない園子の存在と相まって、人工的な不妊という不毛のイメージを形成します。それは気の向くままに性交して出産し続ける母とは対照的です。

 園子とケンタウルスは白米とタラコを食べていました。タラコを“孵化できなかった卵の集合体”だと考えると、それはティッシュに包まれて受精できなかった精子と同じですから、やはり不毛の象徴になります。そういえば、一度に10匹以上生まれる犬の赤ちゃんのことが話題にのぼりました。出産時に薄い粘膜に包まれている点ではタラコと似ていますが、子犬は育ってまた子犬を産む可能性がありますから、これもまた対照的です。タラコと精子を園子の世界、犬を母の世界だととらえると、ここにも知性重視の園子と、本能的に生きる母との違いがあらわれているように思いました。

 舞台中央に設置された箱の中は園子とケンタウルスが暮らす部屋で、「飼育小屋」と呼ばれていました。「飼育小屋」の中での演技は外から直接は見えません。ビデオカメラを通して部屋の外壁に大きく映写する方法で生中継されます。また、園子がほぼ初対面の若い女性たちとエスニック料理店で食事をする場面も映写されました。ナチュラル志向を気取る若い女性たちはやたら「素晴らしいわっ」と連呼し、上っ面ばかりで中身のない女子トークで盛り上がります(園子以外)。そして彼女らの中の1人のfacebookのタイムラインも壁いっぱいに写し出されました。グルメ写真や友人との幸せそうな集合写真で埋め尽くされたタイムラインからは、日常の空虚さがにじみ出ており、そこにもまた不毛な空気がありました。差しさわりのない関係しかつくらず、インターネットのSNSで見栄を張る若者の生活は味気ないです。他の場面と違って映像のみで表現されるのは、今どきの若者が埋没するネット世界の閉塞感を象徴しているように感じました。

 母は園子のお友達ののんちゃんが飼ってる犬のフランシーちゃんを誘拐してきて、自分専用のバター犬にしますが、やがて犬は夫に肛門を犯されて死んでしまいます。犬の遺体は母の手で料理され、から揚げになって一家の食卓へ。フランシーちゃんは居なくなったけど、園子たちの血肉になりました。そんなワイルドすぎる母が亡くなると、彼女のお葬式には子供や孫たちが大勢集まり、みんなが悲しんで泣きました。母は居なくなったけど、たくさんの子孫の心の中にくっきりと残っていたんですね。また母は、後産で出てくる自分の胎盤をお刺身にして子供たちと食べていたとも言っていました。つまり母は子供たちの心だけでなく、肉体にも残っていたのです。他人に迷惑をかけずひっそり生息する園子よりも、動物的な母の方が人間という種として幸せなのではないか…そんな思いがよぎりました。

 そういえば、フランシーちゃんの元飼い主ののんちゃんが引っ越す時に言っていました。「私はいなくなるけど、園子ちゃんの中にいる私のことをよろしくね」と。人間は生殖して自分のDNAを後世に残すだけでなく、出会った誰か・何かとかかわりを持つことで、自分の部分を相手の心身の中に残していきます。そう考えると、「話す/聞く」「作品を作る/鑑賞する」「食べる/食べられる」といった行為も、性交であり生殖であると解釈できるのではないか…。この舞台に散らばっていた無数の要素が一気につながったように感じました。

 ケンタウルスの死後、園子は大河ドラマを見ます。どうやら武将が登場するエピソードのようで、馬のいななきが聞こえました。ケンタウルスが数百年前の日本で駆け回る姿を想像し、現在と過去がつながりました。また、順序は違いますが、死んだ母と園子が語る場面もあったのです。想像は未来にもどんどん広がって、地球上の生態系や仏教的な生命のめぐりなど、壮大なイメージがつながって、ぐるりと円を描くような感覚が得られました

 開幕してすぐに床にポップコーンがまき散らされ、女優さんが拾って食べることがありました。犬のフランシーちゃん(誘拐後はハワイちゃんに改名)の肉で作ったから揚げも、舞台中央に1切れ転がっていました。それらは果たしてゴミなのか食べ物なのか、線引きができません。フランシーちゃんの体で繁殖するノミやダニの話もありました。寄生虫にとってはフランシーちゃんの体が世界の全てで、彼らはそこで生まれて死んでいきます。舞台の床の上と犬の体表で起こる食物連鎖を想像しました。

 人間と動物(の差異)をテーマにしている現代劇作家というと、すぐに思い浮かぶのは飴屋法水さんと平田オリザさんです(平田さんは人間とアンドロイドへと移っていますが)。また、人肉食は野田秀樹さんが長年取り扱われているテーマです。作・演出の市原さんは若くして、その両方をさらりと俎上に載せているのです。将来どういう方向に進まれるのか私には見当が付きませんが、見逃せない劇作家であることは間違いないと思います。

 前述しましたが、このお芝居はほぼ独白ばかりで構成されていました。ほんの少しの会話があったとしても、俳優同士の生々しい意見の対立やドキドキするような心の交流は、全くと言っていいほどありませんでした。市原さんがそんなものは求めていないからだと思います。でも私はそこが観たいと思う観客なので、いつかそういう方向性も選択肢の1つに加えていただけたらなぁと、小さな野心を表明しておきます。

 ※引用したセリフは正確ではありません。


【出演】のんちゃん:飯塚ゆかり、園子:坂口真由美、犬のフランシーちゃん(後のハワイちゃん):吉岡紗良、母:吉田聡子
脚本・演出:市原佐都子 【舞台監督】鈴木弥子【舞台美術】中村友美【照明】井坂浩(青年団)【音響】柴田未来【衣装】桑原史香【映像演出・制作】森すみれ(鳥公演)【宣伝美術】吉田聡子【制作】渡邊由佳梨 有上麻衣 芸術監督:平田オリザ 技術協力:鈴木健介(アゴラ企画) 制作協力:木元太郎(アゴラ企画) 企画制作:Q (有)アゴラ企画 こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画 こまばアゴラ劇場
【発売日】2014/03/13一般…前売り 2500円 / 当日 2800円 前半割…前売り 2000円 / 当日 2300円 リピーター割…一律 2000円(半券をご提示ください)
http://qqq-qqq-qqq.com/Qwordpress/?page_id=721


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2014年04月24日

【写真レポート】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]文化政策委員会「2014年度キックオフ・ミーティング」04/16 Nextミーティングルーム

 東京の亀戸にあるネビュラエクストラサポート(Next)のミーティングルームにて、舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]文化政策委員会の「キックオフ・ミーティング」が開催されました。この日の参加者は25名。

 [ON-PAM]アクテビティWebサイトに掲載する文化政策委員会のレポート執筆の協力をさせていただきました。以下、私が担当した部分を転載いたします。
 2013年の[ON-PAM]文化政策委員会についてのエントリー⇒

 [ON-PAM]はアーティスト・芸術団体と観客の間を繋ぐ全国的・国際的な会員制ネットワークです。舞台芸術の制作者でなくとも入会可能です。⇒入会案内

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 まず80日間の英国留学から帰国したばかりの文化政策委員会の委員長、伊藤達哉さんより今年度の方針についてお話がありました。文化政策委員会はその名のとおり文化政策について研究し、具体的な政策提言を行っていくことも目的の1つとしています。ただ、ON-PAMとして提言を1つにまとめあげるのではなく、会員の多様性を重視した組織であるON-PAMならではの方法を探るのもいいのではないかと述べられました。

 次に昨年度に実施された3回の文化政策ラボについて、各担当者より簡潔な報告がありました。第1回は演出家の鈴木忠志さんをゲストに招いたディスカッション(担当:伊藤)、第2回は助成金を出す側の担当者が一堂に会し、制作者の質問に答える討論会(担当:中村茜)、第3回は座・高円寺の芸術監督である佐藤信さんの基調講演と、フェスティバル/トーキョー元実行委員長の市村作知雄さん、ウィーン芸術週間の前ディレクターのシュテファニー・カープさんと前ドラマターグのマティアス・ピースさん、そして佐藤さんを交えたパネル・ディスカッション(担当:丸岡ひろみ)でした。

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 今年度もまた3回実施される文化政策ラボの開催方法について、今回の進行をつとめる武田知也さんから説明がありました。昨年度はすべて3時間ほどだったため、ゲストの話を聴いただけでその後の議論が深まらなかったことや、開催地が東京だけだったことなどが問題点として挙げられました。
その後の質疑応答では、会員から「3回のうち1回は1泊2日の合宿形式で行い、あとの2回は1日間(朝から夜まで)にしてはどうか?」、「合宿形式の会場は首都圏以外がいい」などの意見が出ました。

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 次回の文化政策ラボは6月に開催予定で、去る3月に文化庁が発表した「文化芸術立国中期プラン」をテーマの候補として検討していることなどが、担当の中村さんから発表されました(注:他にも候補のテーマがあり、詳細は決まり次第、告知するとのこと)。
 参考:『文化芸術立国中期プラン~2020年に日本が,「世界の文化芸術の交流のハブ」となる~

 また、12月の文化政策ラボの担当者である伊藤さんは「ラボの実行メンバーになることに、自分はメリットしか感じていません」と語り、文化政策委員会の活動への積極的参加を会員に勧めました。

 今回のキックオフ・ミーディングでは1人ずつの自己紹介は行わず、新しい試みとして“ワールド・カフェ”形式によるディスカッションを行いました。
 参考:ワールド・カフェとは?

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 1つのテーブルに着席している約5人で、与えられたテーマについて10~15分ほど話をします。リラックスして、自由に、相手を尊重してお互いの話を遮らないことなどがルールです。各テーブルの代表者1名が話し合った内容を簡単に報告してから、座席を移動して新しいグループを作り、また次のテーマについて話し合いを始めます。テーマは「なぜ制作をやっているのか」「制作にとって大切なこと/制作として大事にしてることは?」「文化政策委員会に期待すること」「文化政策委員会で取り組むべきこと/話し合うべきこと」でした。テーブルの上には大きな模造紙が貼り付けられてあり、誰もがメモをすることができます。白い紙が文字で黒く埋まっていくのを見ることで、議論が積み上げられたことを視覚的に確認できました。

 進行の武田さんのスムーズな誘導により、とてもで実りの多いディスカッションになったと思います。「少人数で話せて良かった」という声もありました。個人的には「物事には二面性があり、ピンチからチャンスを見つけられる」「制作者に必要なのは鈍感力」という話が印象に残っています。ON-PAM会員それぞれが持つ知識や知恵の一部を、大人数で一気に共有できたように感じました。終了後の懇親会でも初めて会った方々と有意義な交流ができました。

 より詳しい内容がアクテビティWebサイトに掲載されています。ぜひご覧ください。 

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写真提供:ON-PAM

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Posted by shinobu at 13:34 | TrackBack

2014年04月23日

範宙遊泳『うまれてないからまだしねない』04/19-27東京芸術劇場シアターイースト

 山本卓卓さんが作・演出される劇団範宙遊泳の新作です。東京芸術劇場eyes plusに選ばれてシアターイーストに進出。上演時間は約2時間。

 舞台中央面側の床に設置されたプロジェクターから舞台奥の壁に大きく映写する文字や映像と、俳優とのコンビネーションという手法においては、今年2月のTPAMで拝見した『幼女X』と同じだと思います。だからどうしても比べてしまったところもありましたね。『幼女X』の方が映像と肉体との拮抗があって面白かったです。

 ※『幼女X』は5月にマレーシアで、現地俳優によるマレー語での上演が決まっています。

 ⇒CoRich舞台芸術!『うまれてないからまだしねない

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 一瞬だけ空が緑色に輝いてからというもの
 地球には異変が起こりはじめた。
 すべての犬が散歩に行かなくなり、猫は左にしか曲がらなくなった。すべての花は自ら捩じれて茎にこぶ結びをつくるようになり、カエルはそれまでの倍以上跳ね上がるようになった。
 電柱の足場のボルトはどうしてだろう確実に以前より延び、すべての道路標示はさらさらと粉になって方方へ消えた(まるで旅に出るみたいに)。
 老人は皆風船のように膨らんで空に浮かび、いつか若者はそれを針で突いて割るだろう。
 すべてが着実に、ただし誰にも気付かれないように、そうなっていく。そして誰も気付かないうちに、着実に、地球から何もかもが消え去っていく。
 本当に誰もそれに、気が付かなかった。
 ≪ここまで≫

 範宙遊泳にも出演歴のある、フランスに留学中の女優の竹中香子さんのブログを思い出しました。「ミニマルで、シンプルな、簡単に言うと「映画的な」、リアリズムな演技形態にこそ、必須なのが、圧倒的な存在感。」なのだと思います。この作品で俳優はいわゆる“リアリズムの演技”しかしていなかったわけではありませんが、俳優自身の年齢相応の登場人物を、現代の話し言葉で演じていました。あの空間と映像演出に対して肉体の存在感が弱かったなぁと思います。

 この作品に限ったことではないのですが、人生や生死を扱う若い作家の作品で最近よく思うのが、生から死までの時間が短いということ。震災で津波も原発事故もありましたから、死を考えるのは当然だし必要なことだと思います。でも、日本は深刻な高齢化社会であることも事実ですよね。子供が生まれて自立しても親はすぐに死ねるわけじゃなく、驚くべきことが起こり続けるのが人生であるなぁ~…と、アラフォーのおばちゃんである私は日々実感せざるを得ません。まだ生きている、生きなければならない、いつ死ねるかわからないといった贅沢な不安も、生死の間に埋め込んでもらいたいなと思いました。

 ここからネタバレします。

 お芝居における映像と文字の使い手というと天野天街さんだと思います。『真夜中の弥次さん喜多さん』でも雨が「ザーザー」降りましたが、今作では視覚的な効果だけを狙ったのではなく、登場人物として「ザァザァ」という文字を使ったのかもしれません(トークでの発言から)。ただ、私には絵、動画、光(照明効果)にしか見えないんですよね。人物として認識できるのはプロジェクターの操作をしてる人であって、画像じゃないというか。私はロボット演劇も(アンドロイド演劇も)得意じゃないんです。人が見たい、人と人の間に起こることを体験したいと望むタイプの観客です。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ おぼろげな記憶をもとにしたメモです。正確性はお約束できません。
 出演:山本卓卓 森達也(映画監督/作家) 

 森:大学でも教えてるんだけど、学生は新聞も本も読んでない。テレビも見てない。何を見てるかって言うとネットだよね。もちろんネットで本も新聞も読んでるのかもしれないけど。

 山本:SNSが発達して、文字やテキスト自体が生き物だという感覚があるんじゃないかと思う。

 森:この作品は…全部がいろんなメタファーなんですよね。

 山本:誰もが楽しい、悲しいと思うような、観客が同じ感想を持つ演技はさせないようにしている。ある演技を見て笑う人もいれば、泣く人もいる。そんな演出をする。

eyes plus
出演:大橋一輝、熊川ふみ、埜本幸良(以上範宙遊泳)、伊東沙保、大石将弘(ままごと)、椎橋綾那、田中美希恵、名児耶ゆり、波佐谷聡、福原冠
作・演出・映像/山本卓卓 美術監督/たかくらかずき(範宙遊泳) 楽曲製作/千葉広樹 美術/中村友美 照明/山内祐太 音響/高橋真衣 舞台監督/櫻井健太郎 衣裳/藤谷香子(FAI FAI) 演出助手/木村和博(いきずり) 制作助手/柿木初美 つくにうらら(カミグセ) 川口聡(範宙遊泳) 制作/宮永琢生(ままごと) 坂本もも(範宙遊泳/ロロ) 主催:範宙遊泳 助成:アーツカウンシル東京
【休演日】4/21【発売日】2014/02/15【一般】予約:3000円/当日:3500円 【学生】予約:2500円/当日:3000円【高校生】1000円 【中学生以下】500円
http://hanchuyuei.com/top.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2014年04月21日

ゲンロン『相馬千秋×東浩紀 司会:上田洋子 ポスト311の「トーキョー」――東京五輪の文化プログラムをどう世界に開くか』04/19ゲンロンカフェ

 東浩紀さんが経営するゲンロンカフェでのトークショーに伺うのは2月以来2度目(⇒前回のレビュー)。今回のゲストは相馬千秋さんです。司会はロシア文学者の上田洋子さん。なんと休憩なしで4時間半!

 ⇒togetterまとめ
 ⇒ニコニコ動画

 私はいつもどっぷりと演劇界に入り込んでいるので、“アート”“批評”などの世界から演劇を見る視点をお持ちの方々のお話は、とても刺激的です。また、私自身もちょうど日本における「公共」の意味について興味を持っていたのでタイムリーでした。以下、私がメモしたことです。

 ≪メモしたこと≫ ※ごくごく一部ですし、間違いはあると思いますのでお許しを。

 東:フェスティバルに祝祭はやっぱり必要ではないか。大きい音が鳴るとかビカビカ派手に光るとか。盛り上がることが大事。

 相馬:「r:ead」では中国、韓国、タイ、日本の4か国語の通訳を用意している。大変だけれど、そこは死守している。
 東:東アジア圏の交流の際、お互いのことを知らなさすぎる。共通の話題がないから歴史認識を話すことになってしまう。フェスティバル・ボムの対談でもいきなり歴史認識の話題になった。

 相馬:F/Tは毎回数万人を動員していたが、有料のチケットでリピート鑑賞するコアな観客は5000人ぐらいだったと思われる。でもそれは世界的にも(他のフェスティバルでも)普通のこと。
 東:西洋でハイカルチャーを好きな人はお金持ちが多い。でも日本でハイカルチャーを好きな人は貧しい。
 東:巨万の富を持っている人が文化を支えるのは普遍の真理。
 東:お金はあるけど時間がない人にリーチするのがIT。ゲンロンカフェはネット中継(1本800円)があるから運営できている。

 東:日本のアートはハイコンテクスト。記号と文脈の蓄積でできている。共通の認識がある人しか楽しめない。わかる人にしかわからない。たとえば今の仮面ライダーは歴代の仮面ライダーが勢ぞろいする。エヴァンゲリオンはコンテクスト抜きで図像で評価すると笑われる。日本の良さを紹介するのは難しい。

20140419_soma_azuma.JPG

 相馬:震災以降に決心したこと。何も言わないより、言った方がいい。何もしないより、した方がいい。
 相馬:(3.11のような)きわめてラディカルな断絶が起こった時、自分が自分であるという物語を、文学や演劇がつむいでくれる。

 東:アートの仕掛けで死者と対話する。鎮魂する。再生する。
 相馬:アートは死者も、まだ生まれていない命も対象にできる。まだまだ可能性がある。

 東:「福島第一原発観光地化計画」の表紙は梅沢和木の絵。一人にとって大切なものが、みんなが見るとクズ(それが彼の絵が示していることの1つ)。大切なものがゴミクズになっていく。たとえばガレキ。それを受け入れることが追悼。

 東:日本が国内の死者を弔おうとすると、韓国や中国から怒られる。国外の死者を弔おうとすると、右翼に怒られる。日本は追悼の失敗をしてきた。東アジアでは(戦死者のための)葬式すら行われていない。我々はあれだけの死という犠牲のもとに平和の世界に生きているのに。
 東:日本は戦後、死者をうまく追悼できていない。しかも今はブログやツイッターなどで死者が生き残ってしまう。

 東:戦後、日本には若くて元気な人向けの文化しかない。これからの未来がある人に向けたものしかない。死者に向けたものがない。自分は42歳だが、震災後、見たいと思うアートがあったかというと、ない。歌舞伎や時代劇には矛盾、苦しみ、悲しみ、死などがあったはず。
 東:日本のポップカルチャーやサブカルチャーは「人が死なない」前提になっている文化。あの世界には死がない。キャラクターは蘇るし。

 東:日本は成熟期に入った。ゆるやかな衰退期とも言える。日本は負け方、降り方を学ばなければ。

 相馬:演劇で行われることは虚構だけど、身体はリアル。日本のサブカルチャーのカウンターとして舞台芸術が機能するかもしれない。

 相馬:息子が生まれて、ジャニーズ系のアイドルや羽生結弦選手に興味を持つようになった。うちの子もあんな風になれたりするかなって想像するから(笑)。
 東:いい傾向だと思う。アートも人間であれば誰でも経験していること(子育てとか)に入り込むべき。僕は自分の娘がAKB48に入るとか絶対考えないけど(笑)。

 東:ヨーロッパは送り手と受け手を種別してしまう。西洋の演劇は舞台と舞台の外側を固く分けている。テンポラリーにカオスを作ることしか考えられない。発信者の空間だけを守るのではなくて、発信者と受信者の両方を考える。

 東:日本の祭りはみんなが演技者であり、同時に観客である。日本の文化の場合は表現者と鑑賞者が一体になっている。たとえばカラオケもコミックマーケット(コミケ)も。公共性を担うのは表現者だけじゃなくて、鑑賞者もだ。

 上田:昔はお能も稽古をするものだった。
 東:俳句も短歌もそうだよね。参加型アート。
 相馬:日本の習い事文化はすごい。

 東:観客がつくる公共性というものがある。無償のボランティアによって運営され、50万人以上集めるようになったコミケこそ公共。行政が提供する公共イベントとは違う。国家や自治体がやっていない公共性がある。西欧的であろうとしなくていい。メセナではない民からの集金システムを考えるべき。この国の公共性は官ではなく民にある。

 東:祝祭空間においてのみ公共性が発揮される。公共性の定義とは、自分の立ち場を度外視してしゃべること。酒を飲んだりしてね。そうでないと(たとえば組織の人間であることを前提にすると)利害を考えてしまう。

 東:(西洋から来た)演劇は見る者と演じる者に分けてしまう。(ルソーの考えはそれとは違って)ルソーは「ダランベールへの手紙」で公共性について書いている。丘に集まって盛り上がること、そしてそこに木を植えること。ルソーは媒介が嫌い。直接性が好き。貨幣や言語も嫌い。


 ≪トーク終了後の打ち上げで話題になったこと≫ 

 「演劇には複製はない。これだけ複製が氾濫する時代に、それはアドバンテージかもしれない。複製があることで富を生み出していた音楽などを逆転する。」

 「ゲンロンに相馬千秋がゲストに呼ばれること自体が、フェスティバルトーキョーの価値のひとつ(演劇がアート界から注目を集めることになった)。」

 「クレーマーと向き合うしかない時代になった」
 「公と関係することは、もはやリスクかもしれない」
 「経営を特別視しない」


出演者:相馬千秋 東浩紀 司会:上田洋子
前売/2600円(1ドリンク付き)◆==ゲンロン友の会/学生証提示で2100円に!==◆講義後はバータイムになります。お楽しみ下さい!お席はチケット購入順ではなく、当日ご来場になった方から順にご案内致します。
http://peatix.com/event/30561


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:43 | TrackBack

ゲンロン『高山明×東浩紀「観光と演劇は社会を変えるか――Port B観光リサーチセンターと福島第一原発観光地化計画の未来」』02/26ゲンロンカフェ

 作家、思想家の東浩紀さんが経営するゲンロンカフェのトークショーに初めて伺いました。ゲストはPort Bの高山明さん。

 ⇒ニコ生タイムシフト視聴
 ⇒togetterまとめ
 ⇒insiderivers.com「ベルリンのスクワットとジプシーの歴史、そして、京都学派的な何かについて。」

 演劇ファンだから高山さんの話を聴くだけでも面白いだろうとは思っていましたが、ここまでとは…!あらためて、東さんはものすごく面白い方だと思いました。頭の中身をひっくり返されたような体験…になりました。

 ゲンロンカフェに行ったのはこれが2度目です。始めて行ったのは「福島第一原発観光地化計画展」でした。
 ⇒huffpost「福島第一原発観光地化計画展」が問う「ポスト311建築」と「ポスト311アート」

 ゲンロンカフェのお客様は男性が大多数だそうですが、この回はいつもより女性が多い目だったそうです。哲学、思想、言論関係でなく演劇に興味がある方が集まったからでしょうか。

 東:日本は話芸の文化。このイベントも「ショー(show)」。
 東:カタカナの職業は滅びるのでは。10年前に生まれたものは10年後にはもう消滅してる可能性がある。
 東:日本の大学には所詮100年の歴史しかない。ヨーロッパの大学は古代ギリシアまでその起源を遡ることができる。日本の大学教授と西洋の大学教授の地位が違うのは当然。
 東:日本の傑作文学というと紀行文(例:紀貫之「土佐日記」、紫式部「源氏物語」など)。そこらじゅうに歌碑があることでもわかるように、日本人は旅をして歌を詠む。Port Bの参加型演劇作品は「旅」かもしれない。


 高山さんのお話では、「明け方に窓から外を眺めた時、分裂しそうになった自分の脳が、丸いものを見たことで1つに戻った」というエピソードが特に印象に残りました。

 ツイッターで何度か書いてるのでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、私は東さんとは大学時代の劇団でご一緒してまして、そのご縁で今も知り合いなのです。終了後の打ち上げ(?)にもお邪魔しました。本物のインテリの皆さんが話されることは、「刺激的」というひとことでは言い表せないほどで…ついていくのに必死(ついていけてなくても動揺しないように必死)。東さんは大学時代から全然変わっていないなぁとまた確認。印象が“細くて小さい人”から“太くて大きい人”になったぐらいかな(笑)。「大きい」には「包容力がある」の意味も含みます。

 「福島第一原発観光地化計画展」に展示されていた黒瀬陽平さんの作品がすごく面白かったので、それをご本人にお伝えできて良かったです。黒瀬さんはツイッターだと怖そうだし感じ悪そうだったんですが(失敬!)、実際は礼儀正しくて語り口が柔らかで、好感度の高いイケメンでした。


前売/2500円(1ドリンク付き)◆==ゲンロン友の会/学生証提示で2000円に!==◆講義後はバータイムになります。お楽しみ下さい!
http://peatix.com/event/25915


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 18:37 | TrackBack

2014年04月18日

Quaras『夜中に犬に起こった奇妙な事件』04/04-20世田谷パブリックシアター

 ジャニーズ事務所所属の森田剛さん主演のストレート・プレイです。演出は鈴木裕美さん。『夜中に犬に起こった奇妙な事件』は2012年にロンドンで初演された海外戯曲ですが、蓬莱竜太さんの脚色によって、静岡を舞台にした日本のお話になっていました。上演時間は約3時間10分(途中15分の休憩を含む)。

 ⇒公演公式facebookページ
 ⇒ロンドン公演をご覧になった方の詳しい感想
 ⇒ロンドン公演の小さい舞台写真がまとめて見られるページ

 ⇒CoRich舞台芸術!『夜中に犬に起こった奇妙な事件

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
15歳の少年の幸人(森田剛)はある日、近所に住む佐久間婦人の家の庭で、
彼女の飼い犬が石で殴り殺され死んでいるのを発見する。

犬を殺したのではないかと疑われた幸人は独力で犯人捜しを始め、
担任の瑛子(小島聖)からアドバイスを受け、その内容をノートに書き付けていく。
そして近所の白瀬さん(木野花)らに聞き込みを行おうとするが、
父親の誠(入江雅人)は、他人のことに首を突っ込むな、と息子を叱りつけるのだった。

幸人は誠の言いつけを聞かずに捜査を続けていたが、
誠が捜査の詳細を書いたノートを見つけ、
言う事を聞かない息子を殴り、ノートを取り上げてしまう。

幸人は、取り上げられたノートを探そうと誠の部屋を調べていると、自分宛ての手紙を何通か見つける。
その手紙の差出人は、2年前に病院で心臓発作により急死した母親の広美(高岡早紀)からだった―――。
 ≪ここまで≫ 

 物語は単純に明るいものではないのですが、俳優さんたちの息の合ったコンビネーションで素早く軽やかに展開していきます。客席は森田さんのファンの女性が大半でしょうから、暗く、重くなり過ぎないようにという演出意図もあるんだろうと思います。
 日本の地名がたくさん出てくるし、映像で日本語もバンバン表示されるのに、なぜか私は西洋のお話であるように感じていました。不思議だな~。

夜中に犬に起こった奇妙な事件
マーク ハッドン
早川書房
売り上げランキング: 27,945
夜中に犬に起こった奇妙な事件 (ハリネズミの本箱)
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 ここからネタバレします。セリフ等は正確ではありません。

 新幹線の車窓から見える景色を黒板に映写している時、東静岡のグランシップが見えて気分がちょっとアガリました(笑)。

 幸人(ユキト=森田剛)は先生(小島聖)の勧めで、犬殺しの犯人捜しの日々をノートに記録し続けます。やがてそれが学校で劇として上演されるので、このお芝居そのものが学校で上演された作品であるという劇中劇の構造になっています。それがはっきりわかるような仕掛けが、演技や演出にもっと散りばめられているといいなと思いました。
 また、幸人の学校には障害のある子供たちが通っており、たぶん石鹸や汚物などを食べてしまう子供もいました。そういう学校の雰囲気も感じ取りたかったです。

 幸人は殺された犬のことが好きだったから、犯人を捜し出そうとします。彼にとってはただの犬ではなく、とても大切な存在だったんですよね、きっと家族や他の人間と同じぐらいに。数学検定準一級に合格し、自分のノートを基にした劇の上演にも成功した幸人は「一人で東京に行って自信がついた」「僕は何でもできる」とつぶやきます。犬殺しの犯人だった父親(入江雅人)と幸人との関係は、父親が新しく飼うようになった犬(本物のゴールデンレトリバー)のおかげで修復されていきました。幸人(人間)と犬(動物)の違いとは何なのか。そういう問いもあるんだと思います。

 俳優さんがお辞儀をするカーテンコールの後に、幸人が解いた数学の問題を解説するライヴ形式の場面がありました。森田さんはピカピカの装飾入りの衣装に、他の俳優さんは全員が真っ赤な衣装に着替えて登場します。映像でもド派手に盛り上げてくれました。このおかげで(?)お約束のスタンディング・オベーションになるムードがなくなって、個人的には本当に良かったです。

≪東京、大阪≫
"The Curious Incident of the Dog in the Night-time"
出演:森田剛、高岡早紀、小島聖、西尾まり、宮菜穂子、柴一平、安田栄徳、石橋徹郎、久保酎吉、入江雅人、木野花
原作:マーク・ハッドン(Mark Haddon) 脚本:サイモン・スティーヴンス(Simon Stephens) 演出:鈴木裕美 翻訳:広田敦郎 美術:奥村泰彦 照明:小川幾雄 映像:秋葉哲也 音楽:かみむら周平 音響:長野朋美 衣裳:関けいこ ヘアメイク:宮内宏明 振付:熊谷拓明・柴一平 演出助手:福原麻衣 舞台監督:村田明 映像機器:マルチバックス 制作:ドラマチック・デパートメント 運営協力:キョードー大阪(大阪公演) 宣伝:ディップス・プラネット プロデューサー:堂本奈緒美(東京グローブ座) 古田直子(Quaras) 主催:東京グローブ座 企画・製作:Quaras
【休演日】4/9,16【発売日】2014/03/01 S席11,000円 A席9,000円 (全席指定・税込)
http://www.cidn.jp/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:14 | TrackBack

【オーディション】「舞台『天元突破グレンラガン~炎撃篇~』出演者募集」※5/16(金)12時〆切(メールのみ)

 劇団☆新感線の中島かずきさんが脚本を担当されていたアニメ『天元突破グレンラガン』が舞台化されます。舞台版の脚本・演出はIZAMさん。以下、公式サイトよりオーディション情報です。

 ●舞台「天元突破グレンラガン~炎撃篇~」
  2014年10月22日~26日@全労済ホール/スペース・ゼロ
  脚本・演出/IZAM
 ・応募資格
  男性:18歳~35歳くらい
  女性:18歳~30歳くらい
 ・締め切り:5月16日(金)12時 ※メールのみ

■舞台「天元突破グレンラガン 炎撃篇」出演者オーディションのお知らせ ※公式サイトより

キャリアの有無に関わらず、「天元突破グレンラガン」への熱い想いのある方と一緒にこの作品を作っていきたいとの考えから、どなたでも参加して頂けるオーディションを実施します!

■「天元突破グレンラガン」

2007年、株式会社ガイナックス制作のアニメーション。一人の男の成長を熱く描く巨大メカ作品。
DVD売上総数は30万枚を越え、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞をはじめとした多くの賞を受賞した。放映から7年が経つ今も、中島かずき氏が描いたその熱い物語はファンの心を捉え続けている。そんな伝説的アニメが遂に、舞台化決定!ガイナックスの全面協力のもと、アニメでは表現することのできなかった新たな「天元突破グレンラガン」が幕を開ける。

■公演概要
タイトル:舞台「天元突破グレンラガン~炎撃篇~」
日時:2014年10月22日(水)~26日(日)
会場:全労済ホール/スペース・ゼロ
スタッフ:脚本・演出/IZAM
企画・制作:天元突破グレンラガン~炎撃篇~製作委員会

■応募資格
男性:18歳~35歳くらい
女性:18歳~30歳くらい
※プロダクション所属を問いません。

■応募方法
写真(バストアップ&全身)を含むプロフィールに「天元突破グレンラガン」に対する熱い想いを添えたものをPDF形式で下記アドレスにまでメールにてお申し込み下さい。(ファイル名はタレント名)
・プロフィールフォーマット(PDFデータ・エクセルデータ)

応募先
stage.gurren(アットマーク)gmail.com
件名「天元突破グレンラガン オーディション」
締め切り:5月16日(金)12時

選考方法

一次審査・・・書類審査  ※5月末に合格者にのみ二次審査の詳細を通達
二次審査・・・面接・実技  ※6月中旬、都内スタジオにて実施予定
最終審査・・・公式サイトにて公開オーディション  ※7月中旬決定予定

(c)GAINAX・中島かずき/アニプレックス・KDE-J・テレビ東京・電通
(c)天元突破グレンラガン~炎撃篇~製作委員会


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:19 | TrackBack

ホリプロ『酒と涙とジキルとハイド』04/08-30東京芸術劇場プレイハウス

 三谷幸喜さんの新作は元気なコメディーでした。上演時間は約1時間45分。今回が初舞台という優香さんが、歌舞伎俳優の片岡愛之助さんとタレントで俳優の藤井隆さんと一緒に、大暴れされていました。
 東京芸術劇場公演の後、5月には天王洲銀河劇場でも公演があります。

 ⇒CoRich舞台芸術!『酒と涙とジキルとハイド

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 舞台は19世紀末のロンドン。 ジキル博士が開発した新薬は、人間を善悪二つの人格に分ける画期的な薬、のはずだった。 それを飲んだジキル博士は、別人格のハイド氏に変身する、はずだった。学会発表を明日に控え、薬がまったく効かないことに気づいたジキル博士。 追いつめられた末の、起死回生の策とは?
 ≪あらすじ≫

 ここからネタバレします。 セリフ等は正確ではありません。

 ジキル博士の新薬とは、飲むと自分の中の悪い部分だけが抽出された悪人に変身するというもの。でも全く効かないので、売れない俳優(藤井隆)に悪人ハイド氏を演じさせることにします。ジキル博士が薬を飲んでパネルの裏に飛び込むと、隠れていたハイド氏がパネルから飛び出してくるという、非常にアナログな「そんなの誰も騙されないよ!」とつっこみたくなるような思いつきですが、明日の学会での発表のために本気で稽古を始めます。

 ジキル博士の婚約者のイヴ(優香)は資本家のご令嬢。俳優が大げさに演じる凶暴なハイド氏に魅せられてしまい、抑制していた本当の自分に目覚めてしまいます。イヴは「好きな人の前では緊張して本当の自分を出せない、でも好きじゃない人の前では本当の自分をさらけ出せる。だから本当の自分を好きになってくれる人は、私の好きな人じゃない…」という悩みを冒頭で打ち明けていました。そこからまさかSMになっていくとは(笑)。

 明日の学会で新薬の発表をしなければ、研究費がもらえなくなっちゃう。だからジキル博士は「新薬はできた」と嘘をつくことに決めた。これって……STAP細胞騒動ですよね…?終盤でイヴが「発明は失敗でした、ごめんなさいと謝ればいいのに」と言ってたような…。忘れちゃいました、すみません。

≪東京2会場、大阪≫
出演:片岡愛之助、優香、藤井隆、迫田孝(ジキル博士の助手プール役) ミュージシャン:高良久美子 青木タイセイ
脚本・演出:三谷幸喜 美術:松井るみ 照明:服部基 音響:井上正弘 音楽:高良久美子 衣裳:前田文子 ヘアメイク:川端富生 演出助手:大江祥彦 舞台監督:松坂哲生 主催:フジテレビ/ホリプロ 共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 協力:松竹株式会社 企画制作:ホリプロ
*4月8日,9日はプレビュー公演。【休演日】4/14,21,28 【発売日】2014/02/08
S席 \9,500 A席 \7,500 U-25チケット \5,500(※25歳以下対象・当日指定席券引換・要身分証明書)
4/8, 4/9 プレビュー公演チケット S席 8,500円 A席 6,500円 高校生割引 1,000円(※東京芸術劇場のみ取り扱い)
※【東京芸術劇場 プレイハウス】はプレビュー公演あり 全席指定S¥8,500 A¥6,500
※U-25チケット=2/8[土]以降販売・25歳以下対象・前売りのみ取扱い・当日指定席券引換・要証明書
http://hpot.jp/stage/sakenamida
https://www.geigeki.jp/performance/theater046/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:00 | TrackBack

【映画】ナショナル・シアター・ライヴ2014『フランケンシュタイン』03/28-30、04/04-06 TOHOシネマズ日本橋

 イギリスの演劇作品を映画館で上映する「ナショナル・シアター・ライヴ2014」。『フランケンシュタイン』Aバージョンを3月に、Bバージョンを4月に拝見しました。

 フランケンシュタイン博士と怪物(クリーチャー)を2人の俳優が交互に演じる公演で、ベネディクト・カンバーバッチさんとジョニー・リー・ミラーさんの2人ともが、2012年のローレンス・オリヴィエ賞主演男優賞を受賞されたそうです。
 日本では東山紀之さんと坂本昌行さんの主演で昨年11月に上演されました(上演台本:倉持裕、演出:鈴木裕美)。

 TOHOシネマズ日本橋はオープンしたばかりのシネマコンプレックスで、今年は何度も通うことになりそう。以下、リンクなどの記録のみです。


Frankenstein By Nick Dear
Frankenstein a new play by Nick Dear based on the novel by Mary Shelley
Aバージョン3/28(金)~3/30(日) フランケンシュタイン博士:ベネディクト・カンバーバッチ、怪物:ジョニー・リー・ミラー
Bバージョン4/4(金)~4/6(日) フランケンシュタイン博士:ジョニー・リー・ミラー、怪物:ベネディクト・カンバーバッチ
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、ジョニー・リー・ミラー、ナオミ・ハリス、他
演出:ダニー・ボイル/原作:メアリー・シェリー/脚本:ニック・ディアー/音楽:アンダーワールド
http://www.cinematoday.jp/page/N0059474
http://www.cinematoday.jp/page/N0060783
http://dramanavi.net/news/2014/02/2014-8.php
http://eiga.com/news/20140226/2/


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Posted by shinobu at 19:51 | TrackBack

【映画】松竹「グランドシネマ 坂東玉三郎 日本橋」03/20~TOHOシネマズ日本橋

 TOHOシネマズ日本橋で「グランドシネマ 坂東玉三郎 日本橋」を観てきました。2012年の舞台『坂東玉三郎特別公演 日本橋』を映画用に編集したものです。上映時間は約2時間27分休憩なし。

 TOHOシネマズ日本橋で3/20からロードショーが始まり、今は朝10時からの回のみになっています。お化粧して行ってもダメね、ボロボロ泣いちゃうから!

 ⇒CoRich舞台芸術!『坂東玉三郎特別公演 日本橋
 レビューは記録程度です。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 大正のはじめ、日本橋には指折りの二人の名妓がいた。稲葉家お孝と、瀧の家清葉である。しかしその性格は全くの正反対で、清葉が品よく内気なのに引き替え、お孝は達引の強い、意地が命の女だった。医学士葛木晋三は清葉に姉の俤(おもかげ)を見て、雛祭りの翌日に七年越しの想いを打ち明けた。しかし清葉は、ある事情で現在の旦那以外に男は持たないと固く誓った身のため、拒んでしまう。葛木は傷心の別れの後、雛祭に供えた栄螺(さざえ)と蛤を放つために一石橋へ向かった。そこで偶然お孝と出会い、お孝は清葉と葛木の関係を知りながら進んで葛木に身を任せ二人は馴染みになった。
 ≪ここまで≫

 坂東玉三郎さんの着物の着こなしや所作を見つめて、大正時代の日本の生活にはこういう風景があったのかなと、少し懐かしく感じながら味わいました。でも徐々に失われて“遠い過去のこと”として鑑賞してる自分もいるわけで。ルキーノ・ヴィスコンティ監督の映画「山猫」を思い起こしました。

山猫 [DVD]
山猫 [DVD]
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紀伊國屋書店 (2011-09-24)
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 ここからネタバレします。

 熊の毛皮を着た五十嵐(永島敏行)を動物呼ばわりするなら、彼を取り込んだお孝(坂東玉三郎)もやはり獣の道に堕ちるのを避けられない。そう解釈するならば、やはり人間と動物の違いがテーマなんですよね。先日の『夜中に犬に起こった奇妙な事件』もそうだったよなぁと考えました。

 葛木(松田悟志)がお孝のもとを去る決心をせざるを得なかったのは、彼女と五十嵐(=熊)の関係が許せない(悔しい)から。医大の暗い部屋の中で彼が苦々しく吐露する場面がありました。『浮いていく背中に』と同じですね…。女性はこういうことを知っておかないとね。うん。

[グランドシネマ 坂東玉三郎 日本橋 上映時間:146分 ]
監督:十河壯吉 編集:坂東玉三郎 製作・配給: 松竹
一般2000円
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/24/
http://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=010864

松竹主催公演 坂東玉三郎特別公演『日本橋』[上演月]2012年(平成24年)12月[上演劇場]日生劇場
【出演】稲葉家お孝:坂東玉三郎 瀧の家清葉:高橋惠子 葛木晋三:松田悟志 笠原信八郎:藤堂新二 雛妓 お千世:斎藤菜月 植木屋 甚平:江原真二郎 五十嵐伝吾:永島敏行、ほか
作:泉鏡花 演出:齋藤雅文、坂東玉三郎
チケット料金:【ご観劇料(税込)】
SS席:18,000円(プレミアム特典つき) S席:13,000円 A席: 7,000円 B席: 3,000円
http://www.tamasaburo-nihonbashi.com/
http://www.nissaytheatre.or.jp/program/2012/07/program-508.html


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Posted by shinobu at 19:17 | TrackBack

2014年04月17日

【ワークショップ・オーディション・発表公演】BATIK「『「SHOKU」-黒田育世のレパートリーを踊る試み-』出演者募集」※4/21〆切(郵送のみ)

 ダンサー・振付家の黒田育世さんのダンス集団BATIKが、ワークショップ参加者を募集しています。成果発表会は6月に公演として行われます。以下は公演公式facebookイベントページより。

 2010年に黒田さんにインタビューをさせていただきました。⇒報告エントリー

 ●BATIK『「SHOKU」-黒田育世のレパートリーを踊る試み-』
 ・成果発表公演
  2014年6月13~15日予定
  会場:KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ

 ・ワークショップ日程
  5月20,22,24,25,27,29,31日
  6月1,3,5,7,8,9~15日
 ・参加費:4万円
 ・応募締切:4月21日(月)郵送必着
 ・オ−ディション日程:4月26日(土)

■国内外で再演され続ける「SHOKU」と黒田育世ソロ作品をワークショップ参加者に完全振付けし、ワークショップ参加者とBATIKダンサーによる成果発表公演を行います。

■日時
6月13日(金)19:30開演
6月14日(土)17:00開演
6月15日(日)15:00開演
(開場は開演の30分前)

■会場
KAAT神奈川芸術劇場 / 中スタジオ

■チケット料金
前売:2000円(一般・学生共に)
当日:2500円
※整理番号付きチケット、入場は整理番号順です。

■チケット取り扱い[4月18日(金)より発売!]

BATIK オンラインチケット
→http://batik.jp/
ハイウッド
→ 03-3320-7217(平日11:00~19:00)
カンフェティ
→http://confetti-web.com/
→0120-240-540(平日 10:00~18:00)
チケットかながわ
→http://www.kaat.jp/
→0570-015-415 (10:00~18:00)

※KAAT神奈川芸術劇場(10:00~18:00)、神奈川県立音楽堂(13 :00~17:00/ 月曜休)の窓口でもお取り扱いします。


■ワークショップ参加者(出演者)募集中!!
ーーーーー
◎応募条件
原則として、オーディション、ワークショップおよび発表、すべてに参加できること
参加費:4万円
ーワークショップ日程ー
5月20,22,24,25,27,29,31日
6月1,3,5,7,8,9~15日
ー成果発表公演ー
2014年6月13~15日予定
会場:KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ
◎応募に必要なもの(A4サイズ2~3枚程度にまとめて下さい)
①プロフィール(市販の履歴書をご利用頂いても構いません)
②写真(顔写真、前身写真)
③応募の動機
④BATIK又は黒田育世の作品をみたことがあるかどうか、お書き添え下さい。
⑤連絡先を明記ください。(電話またはメールで、オーディションのご案内をします。)
◎応募方法
《書類審査》
上記、応募書類をご郵送ください。
2014年4月21日(月)必着!

《オーディション参加者発表》
2014年4月23日(水)
書類選考の上、オーディション参加の合否をお伝えします。

《オ−ディション》
2014年4月26日(土)
会場:参加者決定後、連絡致します。
◎郵送先
〒160-0023
東京都新宿区西新宿4-34-18-213
ハイウッド 「SHOKU」オーディション募集係
ーーーーー
お問い合わせ
tel:03-3320-7217
e-mail:info(アットマーク)hiwood.jp


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:27 | TrackBack

【ワークショップ】アプレ「2014年5月『箱入り息子の恋』の市井昌秀監督ワークショップ」※5/9〆切(郵送のみ)

 映画監督の市井昌秀さんのワークショップ情報です。情報はCoRich舞台芸術!の掲示板より。公式サイトもあります。
 映画「箱入り息子の恋」はすごく面白かったし、俳優の演技も良かったと思います。

 ■アプレ「市井昌秀監督ワークショップ」
  [開催日] 5月26日(月)29日(木)6月2日(月)3日(火)
  [申し込み 締め切り] 5月9日(金)(必着)
  [参加費] 3万円

■「箱入り息子の恋」の市井昌秀監督ワークショップ 5月開催

5月のアプレ・ワークショップのご案内を致します。

5月はアプレのワークショップには初登場! 
先ごろ日本映画監督協会新人賞を受賞されたばかり。
『箱入り息子の恋』の市井昌秀監督です。

ワークショップのスケジュールは4日間。
ワークショップ用のテキストで参加者全員がチームに分かれ、
意見交換しながらシーンを監督と作るというのが基本の流れです。


『市井昌秀監督ワークショップ』
[開催日] 5月26日(月)29日(木)6月2日(月)3日(火)
[申し込み 締め切り] 5月9日(金)(必着)
[参加費] 3万円

[応募方法・応募資料]
顔・全身写真2枚、80円切手2枚を同封のうえ郵送。

[備考]
http://www.apres.jp/

[問い合わせ] 
03(5745)7336

[宛先] 
〒150-0012 渋谷区広尾5-19-1
「アプレ・ワークショップ参加希望」(監督名)係

[監督プロフィール]
1976年4月1日、富山県出身。関西学院大学在学中より芸人を目指し髭男爵を結成。1999年、髭男爵を脱退。その後、俳優・柄本明が主宰の劇団東京乾電池を経て、ENBUゼミナールに入学し、映画製作を学ぶ。
04年に初の長編作品となる自主映画「隼(はやぶさ)」が06年の第28回ぴあフィルムフェスティバルにおいて、準グランプリと技術賞を受賞。長編2作目となる「無防備」が第30回ぴあフィルムフェスティバルにおいてグランプリと技術賞、Gyao賞も受賞する。
そして同年開催の第13回釜山国際映画祭のコンペティション部門にてグランプリ受賞、翌年の第59回ベルリン国際映画祭フォーラム部門にも正式出品され、国内外から高い支持を得た。
13年には、初の商業映画「箱入り息子の恋」が公開。同年のモントリオール世界映画祭「ワールドシネマ部門」に正式出品。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:17 | TrackBack

2014年04月15日

【ワークショップ・オーディション】演劇集団 砂地「ワークショップオーディション参加者募集」6/11-15、6/18-22実施※〆切は明記なし(専用フォームorメール)

 船岩祐太さんが演出される演劇集団 砂地が2015年以降の作品の出演者募集を兼ねたワークショップオーディションを開催します。同時に劇団員も募集されるとのこと。
 演劇集団 砂地の5月公演『3 crock』はCoRich舞台芸術まつり!2014春の最終選考作品です。以下、CoRich舞台芸術!の掲示板より。

 ■演劇集団 砂地 2014年ワークショップオーディション
  2015年以降の作品の出演者募集、劇団員募集を兼ねる
  実施期間:2014年6月11日(水)~15日(日)/ 6月18日(水)~22日(日)
  参加費:7000円(5日間)
 ※A、B、C、経験者クラスあり

 応募資格の1つに「『演劇集団 砂地』ないしは『船岩祐太演出作品』を観たことのある方」とあります(必須ではありません)。「何でもいいからとにかく舞台に出たい人」ではなく、「砂地の舞台に出たい」「船岩さんの指導を受けたい」という俳優さんの参加をお勧めします。

 オーディションを兼ねた有料ワークショップは俳優を搾取している印象があるので、私はあまり掲載しないようにしています。でも今回は出演者募集を兼ねてはいるものの、純粋に訓練の場としての参加を促しているようですので掲載しました。船岩さんは自分の信念と言葉を持った、饒舌な講師だと個人的には思っています。⇒関連エントリー

■演劇集団 砂地 2014年ワークショップオーディション開催!
 劇団員募集オーディション同時開催!

2014年6月11日(水)~15日(日)/ 6月18日(水)~22日(日)

演劇集団 砂地では、2015年以降の作品の出演者を募集するワークショップオーディションを開催致します。幅広い年齢層の役がある作品を予定しておりますので、ぜひ年齢を問わず、ご応募下さいませ。
5日間のワークショップにご参加頂き、演劇集団砂地【演出】船岩祐太のもと、俳優同士がコミュニケーションをとる方法の再確認や、一つのテキストを通して、ドラマを創り上げる過程を学びます。

■劇団員の募集について■
結成以来、プロデュース形式での公演を企画して参りましたが、現在劇団員を募集中です。
演劇集団 砂地では年間約2本の公演を継続的に上演していく予定です。永きに渡り演劇集団 砂地での作品創りに参加していただける方を広く募集いたします。

【募集内容】
俳優・・・・若干名   スタッフ・・・・演出部、演出助手、制作 若干名

【選考】
俳優・・・・ ワークショップに参加の上、本人との面談により決定します。
スタッフ・・・・ 面談の上、決定いたします。
(スタッフでの参加をご希望の場合は直接お問い合わせ下さい。)

【応募資格】

1、『演劇集団 砂地』ないしは『船岩祐太演出作品』を観たことのある方。

(観たことのない方は、履歴書にてこちらで選考させて頂きます)

2、演技経験のある方

3、基本的にワークショップ全日程に参加できる方

【出演者オーディション対象作品】

2015年以降の演劇集団 砂地公演作品

【詳細】

日時 …

◆2014年6月11日(水)~15日(日)

【Aクラス】13時~17時 【Bクラス】18時~22時

◆2014年6月18日(水)~22日(日)

【Cクラス】13時~17時 【★経験者クラス】18時~22時

★経験者クラス(過去に砂地のワークショップを受けた方が対象)では、シーンスタディを中心に行います。初めて受講される方は、A・B・Cクラスからお選び下さい。AorBクラスを受けた後に、経験者クラスに参加することも可能です。
★Cクラスと経験者クラスの同時受講はできません。また、初めての方の経験者クラスの受講はご遠慮ください。

参加費・・ 7000円(5日間)

場所・・・23区内(詳細は追ってお知らせします)

【お申し込み方法】

★こちらのメールフォームよりご応募ください。
http://form1.fc2.com/form/?id=812720

※メールフォームが開けない場合は、お手数ですが、①氏名 ②性別 ③年齢 ④ご連絡先 ⑤ご希望のクラス ⑥応募の目的(ワークショップ受講、出演者オーディション等)をご記載の上、info(アットマーク)sunachi.net までメールでご応募ください。

確認次第、応募受付完了のメールをお送りいたします。

追って経歴書をお送りください。使用するテキストや、当日の詳細につきましては、メールにてご連絡いたします。

【お問い合わせ】
演劇集団 砂地
TEL:080-4929-3400  MAIL:info(アットマーク)sunachi.net
※メールでのお問い合わせはお返事に1日以上かかる場合がございますので、お急ぎの場合は、お電話でお問い合わせください。

Posted by shinobu at 13:41 | TrackBack

【オーディション】水戸芸術館ACM劇場「2015年2月プロデュース公演『十二夜』森新太郎演出作の出演者募集」※6/29〆切(郵送or持参)

 茨城県水戸市の水戸芸術館ACM劇場が森新太郎さんを演出に迎え、シェイクスピア作『十二夜』を上演します。以下、劇場公式サイトより出演者募集情報です。

 森新太郎さんは2013年の読売演劇大賞の大賞、最優秀演出家賞受賞者です。水戸芸術館では『十二人の怒れる男』(2010年)、『夏の夜の夢』(2012年)を手掛けられています。

 ■ACM劇場プロデュース公演『十二夜』@水戸芸術館ACM劇場
  上演時期:2015年2月
  作:シェイクスピア 演出:森新太郎
  出演:近藤芳正(マルヴォーリオ役) ほか

 ・オーディション
  実施日:2014年7月19日(土)終日
  参加費:2,000円 
 ・募集人数
  男性―10名程度……女装に自信がある方も大歓迎。
  女性―1名……歌に自信がある方、大歓迎。
  ※居住地・国籍・年齢不問
 ・応募締め切り
  ご持参の場合―2014年6月29日(日)午後6時まで
  ご郵送の場合―2014年6月29日(日)必着

■ACM劇場『十二夜』森新太郎演出作の出演者募集

2015年2月に水戸芸術館ACM劇場で上演予定の、シェイクスピア作・森新太郎演出『十二夜』。
本公演のマルヴォーリオ役には、舞台や映画・TVで活躍を続ける俳優・近藤芳正氏の出演が決定しております。今回はマルヴォーリオ以外、全ての役柄の出演者を大募集します。演出には、読売演劇大賞をダブル受賞など、現在最注目の演出家・森新太郎氏です。この機会、どうぞお見逃しなく!

<茨城県に縁のある皆さまへ>
ACM劇場では、茨城県に縁のある若いアーティストと共に新しい可能性にチャレンジしていく“未来サポートプロジェクト”を推し進めています。我こそは、というみなさんのご応募、お待ちしております。

▼公演概要

■公演名
 ACM THEATRE PRODUCE『十二夜』
■演出
 森新太郎
■出演
 近藤芳正 ほか
■公演期間
 2015/2/7(土)~2/15(日)を予定。
■会場
 水戸芸術館ACM劇場
■稽古日時
 2014/12/16(火)~※12月は週5日・13時~20時頃を予定。
■稽古場
 水戸芸術館リハーサル室・ACM劇場
■出演料
 あり。
 ※交通費自己負担。
 ※滞在費(宿泊費等)の一部支給あり。
▼募集要項

■応募条件
 ・稽古および本番すべてに参加できる方
 ・体力とやる気に溢れている方
 ・宣伝活動(ラジオ出演等)にご協力いただける方
 ※居住地・国籍・年齢不問

■募集人数
 男性―10名程度……女装に自信がある方も大歓迎。
 女性―1名……歌に自信がある方、大歓迎。

■オーディションについて
 2014年7月19日(土)終日
 オーディション参加費:2,000円
 ※オーディションはグループに分かれて行ないます。
 ※オーディション時間については、申込締め切り後、改めてご案内致します。

■申込方法
 所定の申込用紙に必要事項をご記入の上、水戸芸術館エントランスホール内チケットカウンターへご持参いただくか、下記のお申し込み(お問い合わせ)先までご郵送ください。
 ※申込用紙は水戸芸術館エントランスホール内チケットセンターでお受け取り頂くか、下記よりPDFファイルをダウンロード・印刷して使用してください。

 ≫募集チラシ(表)
 ≫募集チラシ(裏)
 ≫申込用紙(PDF)

■応募締め切り
 ご持参の場合―2014年6月29日(日)午後6時まで
 ご郵送の場合―2014年6月29日(日)必着

■お問い合わせ・お申し込み
 水戸芸術館ACM劇場「十二夜」出演者募集係
 TEL:029-227-8123(10:00~18:00)
 〒310-0063 茨城県水戸市五軒町1-6-8

▼演出家紹介

森新太郎
演出家

1976年生まれ。2000年、円・演劇研究所入所。06年『ロンサム・ウェスト』にて演出デビュー。09年『コネマラの骸骨』で平成21年度文化庁芸術祭賞優秀賞、08年『田中さんの青空』『孤独から一番遠い場所』にて2009年毎日芸術賞演劇部門第11回千田是也賞を受賞。13年『汚れた手』『エドワード二世』で第21回読売演劇大賞の大賞・最優秀演出家賞(『エドワード二世』は最優秀作品賞も受賞)、平成25年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。水戸芸術館ではこれまで『十二人の怒れる男』(10年)、『夏の夜の夢』(12年)を手掛けている。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:35 | TrackBack

2014年04月14日

花柳千代舞踊研究所『第15回花柳千代の会-千代振付作品集①-』04/13国立劇場小劇場

 新国立劇場演劇研修所1期生の山本悠生さんが大役をつとめるので、国立劇場小劇場にて『花柳千代の会』を拝見。山本さんといえばこの2人芝居が素晴らしかったんです。上演時間は休憩20分を含んで2時間強だったかと…うろ覚えです。

 日本舞踊…カッコいい!ピタリ、ピタリと止まるのが美しくて見とれました。そして重心の低いこと!お尻も太もももふくらはぎも、すごい筋肉痛になるんじゃないでしょうか…。さらりと跳ねて止まり、回って止まる、安定した品のある動きに感嘆の溜息。宮城聰さん曰くの「日本の舞台は二次元」も確かめられました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『第15回花柳千代の会-千代振付作品集①-

 踊りも公演自体も素晴らしかったです。花柳千代さんはなんと90歳!ご自身で構成・振付をなさって、最後に10分ほど一人で踊られました。2012年に亡くなった跡取りの花柳太郎さんのことや、日本舞踊という世界について、ほんのちょっとだけ触れることができて、非常にいい鑑賞体験になりました。

 新国立劇場演劇研修所の修了生がこんな舞台に立つことができるのは、花柳千代さんが同研修所の講師だからなんですね。7期生で出演したのは授業以外にもお稽古を続けた有志のようです。30分もの大作「孑孑(ぼうふり)」で主役をつとめた山本悠生さんは、研修時に花柳太郎さんの指導を受けていたそうで、司会の樋田慶子さんが「太郎先生は今、この劇場にいらっしゃると思います」とおっしゃっていました。

 ●長唄創作「若衆舞」
  出演:花柳千代姫

 ●大和楽「あやめ」
  出演:花柳寿二郎(特別出演)

 ●一中節「都見物左衛門」
  出演:花柳千慶

 濃い山吹色の着物を来た女性が登場。でも立ち姿が…男性?!歌詞の意味に沿う振付が施されており、遊女が出てくると女性に変身。日本の芸術の「見立て」の大胆さ、豊かさを見ることが出来ました。

 ~~~休憩20分~~~

 ●狂言創作「孑孑(ぼうふり)」
  出演:大ぼうふら:山本悠生 小ぼうふら:花柳千代沙枝 ぼうふらたち:新国立劇場演劇研修所7期生(安藤ゆかり、岩澤侑生子、デシルバ安奈、山下佳緒利、寺内淳志、長谷川直紀)

 山本さんは期待以上の踊りと演技を見せてくださり、年月の重みを実感しました。


 ●一中節「競牡丹」
  出演:花柳千代


出演:花柳寿二郎、花柳千慶、花柳千代姫、花柳千代沙枝、花柳千代、新国立劇場演劇研修所修了生、他
6,000円(全席自由)
平成26年4月13日(日)午後6時開演
http://www.hanayagichiyo.com/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:08 | TrackBack

2014年04月13日

砂の上の企画『水分-みくまり』04/10-13旧平櫛田中邸アトリエ

 悪い芝居の山崎彬さんの一人芝居ということで、彼見たさに行ってまいりました。旧平櫛田中邸は千代田線「根津駅」から徒歩13分。会場にたどり着くまでにかなり迷いましたが(汗)、温かいお昼間に散歩するのにはとても気持ちのいい町並みでした。

 上演時間は約1時間35分。山崎さんは舞台中央に座ったままほとんど動かなかったので、朗読劇でも良かったんじゃないかと思いました。桟敷席だったのもあり、上演時間も長すぎるように感じました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『水分-みくまり

 山崎さんの一人芝居なのに、山崎さんが、動かない…。もちろん演出意図があるのでしょうけど、これは“宝の持ち腐れ”ではないかと思わざるを得ませんでした。首藤康之さんと近藤良平さんが出演してるのに踊らなかった、『音のいない世界で』を思い出しました。

 違う回を観劇されたお客様のツイート↓です。

 ここからネタバレします。

 1人で1時間半以上のセリフを覚えて語るのは、セリフの分量的にも大変だろうと思います。山崎さんは最後の方で立ったり動いたりはされていましたが、ほとんど腰かけたり、床に座ったりしたままでした。また、登場人物の一人語りと状況説明の文体で、会話がほとんどないので、朗読の方が鑑賞しやすかっただろうと思います。私はほとんど山崎さんの顔を見ることはなく、ただ耳を傾けて想像を膨らませていました。

 山奥で猟犬と暮らす猟師の男が雪山で見知らぬ女を救い、2人と1匹で春夏秋冬を過ごす。やがて男は女と交わるが、女はすぐに彼らを捨てて出て行って、消えてしまう。納屋で彼女の免許証を見つけた男は、免許証の住所を尋ねる。東京のとある家にたどり着くと、インターホン越しに「娘は何年も前に蒸発しました」との返事。男はそのまま山に帰り、犬との暮らしに戻る。やがて犬も死んで、雪に埋もれて猟師も死ぬ(ジープに乗って自死?)。

 猟師が鹿を狩ってさばいて、人間の食べる部位、獣に与える部位、そのまま自然に返す部位などに分けることや、身重の女鹿を撃ってしまい、お腹にいた小鹿が生まれても生き延びられない(であろう)ことなど、地球上の生命の食物連鎖や、猟師と女の関係などを暗示するエピソードがありました。

 山崎さんは猟師、犬、女、そして猟師と女を「お父さん」「お母さん」と呼ぶ「僕」も演じます。「僕」とはいつか猟師と女の間に生まれる赤子のことだろうと想像させますが、最後の最後に、猟師の遺体が土に返った後に生まれてくる、何かしらの生命体になります。猟師のもとを去った女がどこかで産んだ赤子でもよさそうですが、水底から空を仰ぐ描写があったので、たぶん「赤子」じゃなくて「自然」じゃないかな。だからタイトルが「水分」なのかしら。
 じっとしている山崎さんの身体、存在を「生命」と見立てる試みだったのかもしれません。んー、だったとしても私には物足りなくて、1時間35分は長すぎました。空調のない部屋の桟敷席も辛かったです。

砂の上の企画#5
出演:山崎彬(悪い芝居)
脚本・演出:司田由幸(砂の上の企画) 美術:加藤ちか 室礼:片桐功敦(花道みささぎ流家元) 音楽:寺田英一 宣伝美術:東學 写真:渞忠之 制作:郡山純一(砂の上の企画)
前売り3,000円、当日3,500円
(※全席自由席となっております。当日受付にてのご精算となります)
(※各回30席程度とお席に限りがございますので、お早めのご予約をお願いいたします)
(※演出の都合上、全席桟敷席(座布団席)となります。怪我などの特別のご事情がございます場合は事前にお問い合わせください。)
http://www.suna-no-ue.com/cn4/mikumari_2.html

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Posted by shinobu at 14:59 | TrackBack

2014年04月12日

【情報掲載】Studio Life「『トーマの心臓』製作発表会見」04/08都内某所

 男優ばかりの劇団スタジオライフが、劇団の代表作の1つである『トーマの心臓』の7度目の再演を発表しました。⇒2010年のレビュー ⇒オーディション告知:

 『トーマの心臓』は少女漫画界の巨匠・萩尾望都さんの不朽の名作。私も大好きな漫画で、親子代々読み継いでおります(笑)。
 スタジオライフと萩尾さんとのご縁は長く、これまでに萩尾作品は『トーマの心臓』『訪問者』『メッシュ』『マージナル』『11人いる!』『続・11人いる!』が同劇団によって舞台化されました。
 萩尾さんは「『トーマの心臓』はスタジオライフと倉田さんに出会って開花した、ものすごく幸福な作品」とおっしゃっています。
 ※萩尾さんが登壇されたスタジオライフの製作発表記事⇒

 今回も『LILIES』と同様、劇団代表作の舞台美術が文学座の乗峯雅寛さんに変わります(⇒乗峯さんが登壇されたセミナーのレポート)。劇団より製作発表レポートを頂戴しましたので掲載します。 

 ●Studio Life『トーマの心臓』公演公式サイト
  2014年5月24日(土)~6月22日(日)@紀伊國屋ホール
  2014年7月11日(金)~13日(日)@梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
  ※Auslese(アウスレーゼ)、Spatlese(シュペートレーゼ)、Riesling(リースリング)、Kabinett(カビネット)のクアドラプル(4種類)・キャスト。

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 ■少女漫画界のカリスマ・萩尾望都の傑作漫画を劇団スタジオライフが7度目の再演!!
  劇団スタジオライフ 舞台『トーマの心臓』製作発表会見レポート (劇団より提供)

 劇団スタジオライフによる『トーマの心臓』の再演が決定し、このほど神保町にあるティーサロンにて製作発表会見が開かれた。
 少女漫画界の巨匠・萩尾望都の不朽の名作を原作に採り、原作の世界を忠実に3次元へと昇華させた同作は、劇団スタジオライフの代表作にして出世作。会見は、第1部を原作者の萩尾を迎えてのトークショー、第2部を劇団員たちによる記者会見という2部構成で行われた。
 イベント開始前から会場内はエレガントな雰囲気。作品の舞台となるドイツの寄宿学校=“シュロッターベッツ高等中学”の制服に身を包んだ劇団員たちが報道陣一人ひとりに紅茶をサーブするなど、原作ファンならピンとくる趣向を様々に凝らして、劇中世界へといざなう。

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萩尾望都さん

 まずトークショーでは、萩尾とスタジオライフの演出家・倉田淳がざっくばらんに懇談を。両者は1996年の初演時以来18年間にわたり交流しているだけあり、最初から打ち解けた様子で会話の花を咲かせていった。
 今でこそ世界中で愛され高く評価されている『トーマの心臓』だが、約40年前に少女コミック誌上で連載を始めた当初は読者の人気アンケートで最下位となり、打ち切りの危機を何度も味わったとのこと。そんな秘話を聞いた倉田が「テーマが(時代の)先へ行きすぎていたのでは…」と言うと、萩尾は「当時の担当編集さんからも『小学生の女の子が読むんだよ!?』とよくたしなめられましたが、自分が小学生の頃はこれくらい読んでた憶えがありましたし、“人が面白くないと言っても自分は面白いと思う!”と強気でした。自分のことしか考えないものですから(笑)」と。そのユーモラスな語り口に記者席からも笑い声が絶えない。
 また、倉田が昨年LAで購入したという英語翻訳版『トーマの心臓』単行本を取り出し、漫画カルチャーの世界的広がりと近年の状況について言及。萩尾は「ヨーロッパを漫画漬けにしたいですね」と野望(!?)を明かし、その上で、これからも長く活動していくためには「筋力と眼力の強い作家が生き残るんじゃないでしょうか。バレリーナなどと同じで我々も、何日か休むと手が描き方を忘れてしまうので、絶えず描いていたいなと思います」と、40年以上最前線で漫画界をリードし続ける作家らしい凄みを覗かせた。
 トークの締めには、萩尾から今公演へ向けてのメッセージが。「『トーマの心臓』はスタジオライフと倉田さんに出会って開花した、ものすごく幸福な作品だと思います。ふつう漫画からは読者もだんだん離れていくものなのに、舞台という新しいジャンルで別の方向に組み立てて下さって、8度も上演して頂いて。スタジオライフのファンとしても嬉しいし、原作者としてもこんな幸福なことはありません。今回の舞台も楽しみにしております」と、力強いエールを送った。

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 続く記者会見では、劇団代表の河内喜一朗、脚本・演出を担当する倉田淳、およびメインキャストの面々が登壇。
 河内は「1996年の『トーマの心臓』初演時、我々がそれまでやってきた小劇場での反応とはまるで違うお客様からの反応を浴び、“これが本当の芝居の反応なのか”と肌で感じたことを思い出します。以来この作品は、再演するたびごとに、前回にはない新たな発見をもたらしてくれました。レゾンデートル(存在意義)をいかに見つけるか――というテーマに向かって邁進することが、舞台上の役者たちを10代の少年に見せてくれます。スタジオライフにとって、いつの時代もずっと演じ続けるべきテーマではないかと思っております」と作品への思いを語った。「毎回新たな発見がある」という点に倉田も強く同意し、「この作品をスタジオライフのライフワークにさせて頂けたら有難い限りです」と、『トーマの心臓』とともに歩んできた劇団の18年間、そしてこれからに想いを馳せた。

トーマの心臓 (小学館文庫)
萩尾 望都
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 役者たちからも一言ずつ挨拶。1997年から断続的に主人公ユリスモールを演じてきた山本芳樹は「大切に大切に演じさせて頂きたいと思います」と述べ、Wキャストでもう一人のユリスモール役となる松本慎也は「入団10年の全てをかけて最高の『トーマ』にしたい」と意気込んだ。
 一方のエーリク役は、2003年以来11年ぶりのエーリク役起用となるベテラン・及川健と、入団2年未満の久保優二、田中俊裕という新人2名の抜擢によるトリプルキャストで送る。この両極端なキャスティングが、“相手役が替われば芝居が替わる”スタジオライフ名物ともいえるWキャスト・トリプルキャストの醍醐味を、今回も味わわせてくれそうだ。「11年ぶりのエーリク役です。…11年です!!(笑) 演劇界の先輩方にはおいくつになっても女学生役を演じきる方がいらっしゃいますが、私もその域に入ってきたのかなと。とにかく若々しく、これが最後だと思って頑張ります」(及川)。
 また、4年前の公演でユリスモールを演じた青木隆敏が、今回は『トーマの心臓』きっての悪役サイフリート役にキャスティングされているのも見どころ。サイフリートはサブキャラクターでありながら、悪魔的魅力に満ち、かつ物語の暗部を担う重要なキーマンだ。青木は「この4年間で僕の中の“悪い種”が育ってしまった結果の配役だと思います(笑)。僕自身の心の堕落をしっかりと受け止めて、悪の華を咲かせたいと思います!」と、爆笑と期待を誘った。

 劇団スタジオライフ『トーマの心臓』は、5月24日~6月22日:東京・紀伊國屋ホール、7月11日~7月13日:大阪・シアター・ドラマシティにて上演。

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 【おまけ】 『訪問者』↓は『トーマの心臓』のメインキャラクターであるオスカーのサイドストーリー。とてもお薦めです。

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【出演】ユリスモール:山本芳樹/松本慎也 エーリク:及川健/久保優二/田中俊裕 オスカー:岩﨑大/仲原裕之 レドヴィ:関戸博一 アンテ:宇佐見輝 バッカス:牧島進一/原田洋二郎 サイフリート:青木隆敏 ミュラー校長:曽世海司 シュヴァルツ:楢原秀佳 ヴェルナー氏:山﨑康一 ヴェルナー夫人:石飛幸治 その他:緒方和也 澤井俊輝 鈴木翔音 若林健吾 千葉健玖 藤波瞬平 他  ※A・S・R・Kのクアドラプルキャスト公演となります。 ※出演者は都合ににより変更となる場合もございます。
原作:萩尾望都 脚本・演出:倉田淳 舞台美術:乗峯雅寛 舞台監督:倉本徹 音響:竹下亮(Office my on) 照明:阪口美和 衣装:竹原典子 ヘアメイク:河村和枝(p-bird) アクション:渥美博 演出助手:平河夏 大道具:俳優座劇場 宣伝デザイン:福田真一 イラスト:東逸子 デスク:武井啓子 制作:稲田佳織 大野純也 宮崎千琴 横塚夏奈 プロデューサー:河内喜一朗
一般<前売> 5,800円 一般<当日> 6,000円 club LIFE会員<前売・当日共> 5,600円 ウイークデイ・サンキューチケット<前売限定販売> 3,900円 ※未就学児童入場はご遠慮ください。
劇団HP:http://www.studio-life.com/
「トーマの心臓」公演HP:http://www.studio-life.com/stage/toma2014/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2014年04月10日

【写真レポート】アクターズワークス「小川絵梨子シーンスタディ」【4】しのぶの感想

 アクターズワークスが主催する「小川絵梨子シーンスタディ」に俳優として参加してきました。最終回は私の感想のまとめです。

 ※計4回のレポートです⇒〔3日間のあらまし〕〔小川語録1〕〔小川語録2〕〔しのぶの感想・当ページ〕

 【しのぶの感想】
 ・俳優をやってみてわかったこと
 ・取材者の視点から
 ・今後、一観客として希望すること

 ■俳優をやってみてわかったこと

 ・俳優は複数のことを同時に行っている。セリフをしゃべったり段取りの行動をしたりする以外に、その場に居て外部を意識する等。何が起こるかわからない状況に身を置き、臨機応変にポジティブに反応している。それが出来ている俳優は魅力的。

 ・ゲームには心身をほぐしコミュニケーションを円滑にする効果がある。疲労すると無駄な自意識がなくなり、素の自分をさらすことになる。客観性や目的意識が必要な心理戦や頭脳戦になると、同時に複数のことを戦略的に行うことになり、俳優としての能力が鍛えられる。

 ・映画、戯曲などの名作は観て、読んで知っておくべき。それが共通言語になる。例:映画「スターウォーズ」シリーズ

 ・稽古場はずっと同じ場所がいい。物を置いておける利点はもちろん、毎日の成果が蓄積される実感があった。部屋や場所が変わるとリセットされてしまう気がする。

 ・小川さんの稽古場は自由かつ奔放でいられて、優しく守られている、隔離された安全地帯だった。現場に居る時間は私にとっては完全な非日常で、このワークショップの使命を果たすことに没頭できた。

 ・小川さんは俳優の訓練も受けているから、実体験に基づいた言葉に説得力がある。そして俳優にとても優しい。小川さんはノートの時に「いい方向に進んでいます。ちょっと試させてください。」とよく言っていた。対等なコミュニケーションの場になるよう演出家の方から働きかけ、俳優もそれに応える、成熟した稽古場だったと思う。

 【写真↓『12人』シーンスタディー中。左端は1号役を演じる柚木さん。私とダブルキャストだった。】
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 ・『12人』で私が演じたのは陪審員長の1号。足の不自由な9号役の女性が能動的に歩き回ってくれたおかげで、本番中に血の通ったアイ・コンタクトをとることができた。戯曲に書かれていない有機的な交流が生まれて、これが俳優のクリエイションなのだと実感できた。

 ・小川さんのノートと宿題を受けて、帰宅してからやることが山積みになった。いつもの仕事と並行してやるのが辛かった。タスクはこのワークショップのことだけに絞りたいと思ったが、それは現実的ではない。稽古が終わってからバイトに行く俳優もいるし、公演中の空き時間に他の撮影の仕事もする俳優もいるのだから。※韓国のミュージカル俳優は3公演掛け持ちすることもある(それ以上もあるかも)。

 ・私はワークショップが終わってから現実に戻ってくるまで、(レポート準備もあったとはいえ)丸2日間はかかった。でも他の参加者の中には打ち上げの後にバイトに行く人もいたし、翌日朝早くから撮影の仕事がある人もいた。もう次のワークショップに参加している人もいる。俳優とは心身と頭脳を酷使する仕事だ。あらためて、俳優は絶対やりたくないと思った(笑)。また、ごくごく私的なことだが3日で1.5kg痩せた(笑)。

 ・そもそも下手だったせいもあるが、私は十数年前よりも演技がうまくなっていた。自分を客観視できていたし、演技の選択肢も複数知っていて、冷静に判断し、選択しながら自由にその場に居られた。質の高い舞台を大量に観ることも、演技の上達方法の1つだと確認できた。

 【写真↓『12人』のために私が用意した資料など。人物分析/事件把握/視覚化/小道具、等】
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 ■取材者の視点から

 ・今回の参加者はレベルが高く、ワークショップの内容が充実していた。小川さんの言っている意味をすぐに理解できるから、あ・うんの呼吸で進み、シーンスタディーも1度演じるごとに格段にレベルアップしていった。私の経験からすると、一般公募の俳優向けワークショップは参加者の出自も実績も目的もバラバラな場合が多く、期待したほどの成果が上がらないことがほとんどだ。参加者の選抜基準が厳しい今回は、実り多い、貴重な場だっただろうと思う。

 ・小川さんはものすごく言葉数の多い講師だった。具体例を出しながら、時に教師になり、時に道化になり、懸命に、全身で、語り掛け続ける。何より圧倒的だったのは、嘘をついていないことがはっきり伝わってくることだった。裏がないから駆け引きをする必要もない。虚勢を張っても(取り繕っても)、彼女にすべて見透かされることも皆わかっていた。誰もがありのままに、正直に居られたと思う。信頼のコミュニケーションはスピードが早い。結果的に短時間で人間関係に厚みが増し、豊かになる。

 ・プライベートを守るから、心を開くことができる。拘束(ルール)があるから自由になれる。しゃべりながら、聞いている。会話はキャッチボールではなくラリー。自分を褒めることも仕事。……実人生に応用できることが大量にあった。

 ・稽古場が安全であることを参加者全員が共有することで、自然と結界が張られ、聖域になる。各自が創造性豊かになれる。学校などの教育現場もこのように安全で守られているべきだと思った。やはり演劇を義務教育に取り入れて欲しい(たやすいことではないとは知りつつも)。

 【動画↓自分が思っているより自分は魅力的。自分でそう確かめられるようにする訓練だった。】

 『[カンヌでグランプリを受賞したCMがすごい!] たったの180秒で考え方が変わるCMがここに存在


 ■今後、一観客として希望すること
 
 小川さんの発言にもあったように、観客は舞台に自然に引き込まれなかった時、どういう見方をすればいいのかを考え出して、サっと頭を切り替える。私はできればそんな風に見方を変えずに舞台に引き込まれたい。ただ、残念ながら私の知る限りにおいて、東京にそういうストレート・プレイはあまりない。なぜなら、私が観たいストレート・プレイを作れる日本人の俳優が少ないから。そして、そんな舞台を作りたいと思っている演出家も多くはないからだ。先述のとおり、やはり小川さんは私の夢を叶えてくれる数少ない演出家の1人だと思う。

 今回のワークショップには、小川さんが作りたいと思う演劇を、ともに目指そうとする俳優が揃っていた。主催者で参加者でもあった柚木佑美さんがアクターズワークスのブログに書かれたように、「演技のルーツが同じで、共通用語、共通認識があった」のだと思う。それは小川さんが初日に言っていた「ベーシック・テクニック(基礎的な技術)」の存在を、全員が共有できていたことに他ならない。だからたったの3日間で「稽古初日にこれぐらいできるといい」というところまでたどり着けたのだ。

 小川さんのワークショップ講師経験は、今回を含め、今までに5回だけだそうだ。彼女が演出家で、アクティング・コーチではないからでもあるが、日本だと小川さんの意図をすぐに理解できる俳優がいつも揃うわけではなく、ワークショップをしても相応の効果が見込めないことも理由らしい。今回のようなワークショップ(もしくは稽古場)を増やすためには、小川さんの言う「ベーシック・テクニック」を持つ俳優が増えることが必須だ。

 私は、自分が観たいと思う種類の舞台を観たいと強く願っている。そんな貪欲でわがままな観客の立場から、この場を借りて提案をさせてもらおうと思う。演劇の作り手の皆さんにはまず、現代演劇の演技方法には「ベーシック・テクニック」があるということ、そしてそれを学ぶ場があるということを知ってもらいたい。そして、俳優だけでなく演出家の方々にも、実際にやってみてもらいたい。だって俳優を知らなければ演出はできないはずだから。今後もアクターズワークスの企画をはじめ、役に立つと思われるワークショップ情報を当サイトで発信していくので、ぜひ参考にして欲しい。
 
 ※現代演劇の演技方法は非常に多彩で、優劣があるわけではありません。私の考えはこちら⇒
 ※東京には俳優養成の場が多数、多様に存在します。好みや相性もありますから、俳優さんはいろいろ試して自分に合う方法論や教室を見つけて欲しいと思います。

 【写真↓打ち上げ会場にて。先に帰られた1人だけ写ってない…ごめんなさい!】
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 ※計4回のレポートです⇒〔3日間のあらまし〕〔小川語録1〕〔小川語録2〕〔しのぶの感想・当ページ〕


写真提供:アクターズワークス、高野しのぶ
アクターズワークス「現場で活躍する映画監督や演出家のワークショップ第二弾 小川絵梨子シーンスタディ」
期間:2014年03/17(月)~19(水)
告知エントリー:http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0201172728.html


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【写真レポート】アクターズワークス「小川絵梨子シーンスタディ」【3】小川語録2

 アクターズワークスが主催する「小川絵梨子シーンスタディ」に俳優として参加してきました。小川さんの発言をまとめたエントリー【小川語録2】です。

 ※計4回のレポートです⇒〔3日間のあらまし〕〔小川語録1〕〔小川語録2・当ページ〕〔しのぶの感想

 【小川語録2】
 ・相手を動かすための言葉をかける
 ・自分の演技は相手がつくってくれる/自分ひとりで時間を埋めない
 ・戯曲『12人』シーンスタディーのノートより
 ・自意識をコントロールする具体的な手段
 ・リスクを取って挑戦する/一番難しいところに素敵なものがある
 ・演出家・小川絵梨子から俳優へのお願い

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 ■相手を動かすための言葉をかける

 小川:セリフをしゃべる前の(戯曲にも書かれていない)「えっと」という言葉はいらない。それは自分のペースにしてしゃべろうとしている。迷わずポンと行ってください。不安にならずに進めてください。そうすれば相手が(反応を)くれるから。

 小川:相手と関わるためにしゃべれば、自分の中に意識が戻ることはない。自分の内面に向いた言葉は説得力を持たない。自分から意識をはずすことで、俳優は自由になっていく。

 小川:セリフは相手にかけてください。相手を動かすための言葉をかけるんです。会話はキャッチボールではなくラリー。しゃべり終わった後に自分の自意識に戻らないこと。自分の意識は体の中じゃなく、伸ばした手の先にある。前に出した手が握っている杖にある。その杖を周りが支えてくれる。

 小川:意図的な準備をして、感情を作ってから、しゃべるのはだめ。気持ちの準備はしないでください。入っていこうとするのではなく、入りたくなるようにする。そうすれば次のモーメントが生まれて、相手から(反応を)もらえる。


 ■自分の演技は相手がつくってくれる/自分ひとりで時間を埋めない

 小川:話すときも、聞いていること。相手を受け入れて、本当に聞く。とっても難しいことだけど、しゃべっていても素直に、そのままに、聞いてください。

 小川:あなたの感情は、外側が、相手が作ってくれる。かといって空っぽで向かって来られてもダメなんだけどね。

 小川:根が育つから木は育つ。その根が育つのは太陽があるから。太陽とは相手のこと。相手を立てれば、自分に返ってくる。

 小川:目の前にいる人たち、可愛いよね。ありがとうって言って、(反応、存在感を)もらうんだよ。ジャッジするんじゃなく。

 小川:なんとなく自分ひとりで時間を埋めるのはだめ。自意識が出ちゃうと変な“待ち”時間になる。具体的な助けを求めて、“待ち”にならないようにする。基本的には自分じゃなくて相手。相手に自分を見せてあげる。そうすれば変な“待ち”の時間にならない。

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 ■戯曲『12人』シーンスタディーのノートより

 小川:怒っていたり、怖そうな言葉ほど、いい感じに話す。自分がリベラルに見えるように。自分の役の弁護人になってください。自分の役はバカじゃない。

 小川:たいていの戯曲では、(登場人物が)何かを打破しようとして物語が進むものです。セリフを感想文には絶対にしないこと。セリフは感想ではなく、意図のある、他者と関わっていく言葉です。前へ、前へと相手に渡すこと。それを積み重ねていく。

 小川:チャンスがあれば動く。飛び込むことが大事。シャットダウンしない。飛び込んで話す、動く。どんどん工夫して。動けばわかる。フィジカライゼーション(physicalization:身体的に表現すること)は大切。たとえばイスに座るだけでも10パターンはできる。セーフゾーンでちまちましていては成長しない。

 小川:セリフを言った後に気持ちは出てくるもの。気持ちは後からついてくる。
 小川:語尾を引っ込めるともったいない。相手に渡せるようにしてください。

 小川:ここは本番前の稽古場じゃない。ワークショップです。失敗なんてない!飛び込んで!100点なんてない。何も怖くない。自分を信じてください。自分を60%信じていても、残りの40%のダメなところに固執して落胆して(シャットダウンして)しまうことがよくある。悪い方を見つけて注目すると「あーダメだー!」となってアワアワと慌ててしまう。プラスの方を信じてください。「私、けっこういい感じじゃね?」という風に。「私、ちゃんとできてるかも…!」と信じると、のびのびできる。でないと延々と“できない地獄”に入ってしまう。2%でも信じられたら占めたもの。「水の上を歩け!」と言われて、「それ…できるかも!」と信じられたら奇跡。それが私たち(演劇人)がやっていることです。

 小川:私が俳優だったら“暑い”という設定はラッキーだと思う。“暑い”という感覚を使えるから演技のチョイスが増える(ハンカチで汗を拭く、仰ぐなど)。設定は「感じなくちゃダメ」なんじゃなくて、「使える」と思えばいい。常に“暑い”と思い続けるのは、なしですよ。そんなの無理だし(だって実際は暑くないんだし)、常に「暑い」と思い続けるのは芝居に参加していない証拠。例えば「ここは高田馬場だ!」って常に思ってなくても、今、私たちは高田馬場にいますよね。そういうことです。


 ■自意識をコントロールする具体的な手段

 小川:失敗しても持続したエネルギーのままでいること。意識がつながっていればいい。

 小川:もし舞台上で気が散ってしまったら、目に見えてるものを利用するといい。たとえば「あの花きれいだな」とか「座っているソファがふわふわだな~」とか。私は匂いや手触りなど、感覚に近い物で意識を戻せと言います。

 小川:恋人同士の役なのにどうしても相手を好きになれない場合、何でもいいから1個でもいいところを見つける。たとえば「服のボタンが好き」でもいい。舞台上で(心身の)シャットダウンをすると、自分が下手に見えてしまう。

 小川:役者が一番困るのが「ヤバイ!」「もうダメだ!」と思ってしまうこと(意識が内向きになってしまう)。たとえば一本のロープのように、支えの棒を(心の中に)持っていて欲しい。自分でわかっていれば道を外さない。あくまでも自分をコントロール下に置いて、手触りを確かめられる状態で居るように。

 小川:舞台上の恋人役のことを「本当に好きにならなきゃ」と思ったらアウト。そんなの不可能でしょう。でも「ここは稽古場で、芝居のためだ」と思えば好きになれる。全部逆の発想です。

 小川:目的と状況は相反するものだから、逆から攻めるのが大事。泣こうとすると泣けない。でも泣くまいとすれば泣ける。悪人を演じるときはそのキャラクターのいい部分を探す。

 小川:怒っていないのに怒る演技をしなきゃだめなこともある。それはなんとかしなきゃいけない。「攻撃する気持ち」にならなくても、「攻撃する」と自分で決めて感情を起こすことはできる。ドライで実践的な方法があるんです。私は「地図を描け」とよく言います。戯曲の地図もありますが、自分の役の地図を。道に迷っても地図があれば戻れる。地図のポイントや曲がり角をきちんとやるようにすればいい。

 小川:やることがない方が不自由。だって何でもやっていいと言われたら、何をすべきかわからない。何をするかを決めると自由になれる。

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 ■リスクを取って挑戦する/一番難しいところに素敵なものがある

 小川:リスクを取ること。怖いところにも行くこと。そして楽に存在すること。準備よりも相手が大事。自分の中に固執しないこと。それが実践につながる。

 小川:道は自分でつくっていくものです。茫洋(ぼうよう)なリハーサルはダメ。自分からトライしてください。行動したからわかる。自分で手触りを感じながら積み上げる楽しさを味わってください。苦手だと思っても楽な気持ちのところで芝居をしない。自分のやりやすいチョイスでやっちゃうと退屈。何も起こらない。守りに入りすぎて自信のない小さなチョイスをしたら、相手は「何がしたいの?どう見せたいの?見せたくないの?」という風に、わからなくなる。リスクを取ることを大事にしてください。そうすれば自由になれる。どんどん前に進んでいくことの面白さを感じてください。それを続ければ絶対に厚みが出る。

 小川:誰でもたった1つの答えを出したいと思うもの。でも、やってみる度に違う答えになることもある。正解はあります、でも全部が正解なんです。全てを抱える力が重要。むしろそれがないと俳優はできない。白黒つけられない真ん中のグレーで居ることは恐ろしいことだと思う。でもそこからしか芸術は生まれない。多様性と着地点のない不安感を持ったまま、いろいろ試してやってみることに楽しさがあります。一番難しいところに素敵なものがある。


 ■演出家・小川絵梨子から俳優へのお願い

 小川:皆さんに(一演出家として)1つだけお願い。演出家も人間です。お願いだから冷たくしないで!(笑) 演出家を見ていれば、その人があせってたり、困ってたりするのはわかるはず。みな同じ人間です。役割が違うだけ。演劇に限らず社会的コミュニケーションの範疇ですよね。ノート(ダメ出し)の時、怖い顔しないで欲しい。「聞いてますよ」と演出家に伝えて欲しい。演出家も見られている方なのだから。見てる方が見られてる方より強い。怖くしないでね!

 小川:ノートはコミュニケーションです。お互いに平等に話せばいい。水掛け論や感情論になるのはproductive(生産的)じゃない。演出家も役者が怖いんです。所詮同じ人間です。人間的価値は全く変わらない。だからこそ稽古場をセイフティー(安全)にしたい。(色んな現場があるけど)自分だけでもそれを守ることを心掛けて欲しい。日本だと誰が売れてるか(人気があるか)で全てのヒエラルキーが決まるので難しいんですが、本質的には演出家も俳優も対等です。
 
 小川:野犬の群れの話は知ってますか?野犬は何かと闘おうとする時、おびえる一匹を皆で食い殺すんだって。だから「私、おびえてるんです!」というアピールはしないこと。キャスティングされたらそれでOK!私はやる気がない人が一番いやです。


 ※計4回のレポートです⇒〔3日間のあらまし〕〔小川語録1〕〔小川語録2・当ページ〕〔しのぶの感想


写真提供:アクターズワークス、高野しのぶ
アクターズワークス「現場で活躍する映画監督や演出家のワークショップ第二弾 小川絵梨子シーンスタディ」
期間:2014年03/17(月)~19(水)
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【写真レポート】アクターズワークス「小川絵梨子シーンスタディ」【2】小川語録1

 アクターズワークスが主催する「小川絵梨子シーンスタディ」に俳優として参加してきました。小川さんの発言をまとめたエントリー【小川語録1】です。

 ※計4回のレポートです⇒〔3日間のあらまし〕〔小川語録1・当ページ〕〔小川語録2〕〔しのぶの感想

 【小川語録1】
 ・東京の稽古場の現状/現場での心構え
 ・ストーリーを伝えることが俳優の仕事/自分を褒めることも仕事です
 ・俳優は求道者じゃない/プライベートなことは晒(さら)さず守る
 ・リアリティーは自分の中にはない。外側にある。
 ・フル(full)の感情なんて幻想/100%を目指さない
 ・ドライにコントロールする/自分の頭の中にある色んな自意識を許す

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 ■東京の稽古場の現状/現場での心構え

 小川:私の場合、1か月の稽古期間があるとすると、1週間は読み稽古をする。本当は2週間はやりたいけどプロデューサーに文句を言われるので(笑)1週間だけ。2週間経つと役者のクセや、俳優として何をやる人なのかが見えてくる。共通言語がないから、それぐらいは時間がかかる。米国には(俳優や演出の)教育機関があるからベーシック・テクニックが通じるんだけど、日本では通じないことの方が多い。対処方法としては、早いうちに(稽古が始まる前に)ワークショップをやっておくこと。だから一緒に仕事をするのが2回目、3回目の俳優だとすごく楽になる。

 小川:どんな現場でも俳優はみんな不安なもの。でもノート(ダメ出し)を出すとパーソナルに(個人的なこととして)受け取っちゃうのは問題です。ノートはただのコミュニケーションであって人格否定じゃない。へこまなくていいんですよ。キャスティングされた時点で、すべてOKなのだと信じて欲しい。公演が終わるまで座組みは家族。稽古場では家族のように受け入れて、許して欲しい。そして公演が終わったら「解散」するんです。三人芝居をやっていた時、ツアー先の千秋楽が終わって「解散!」と言って別れたらすっきりした(笑)。

 小川:自分と合わない演出家も(俳優も)います。「いろんな舞台があり、現場があるんだな~」と軽く受け取る方がいい。現場が自分に合わなくて怒ってしまうと、(自分の心身が)シャットダウンしてしまう。共演者を認めることは絶対大事。というか、それが一番重要かもしれない。嫌うと心が開かなくなる。現場では「みんな、居てくれてありがとう」と思うこと。ステージ上で相手と一緒にいるのが一番大事。

 小川:お客さんは頭がいいし貪欲だから「ああ、この芝居はこういう風に観ればいいのね」と配慮して観てくれるけど、自分に相手のセリフが聴こえなかったら、お客さんにも聴こえないんです。聴こえない(耳に入らない/心に届かない)言葉は、本当に聴こえない。相手役に「お前、それじゃ聴こえないよ」と伝えないのは残念なこと。そこ(相手のセリフが自分の心に届かないこと)を無視しないで。概念として大切にして欲しい。

 小川:日本の演劇界では精神力が強かったり、負けん気が強い俳優が生き残る傾向がある。勇気が必要。委縮しないように。フラットに立ってることが大切。「これは変だ」と思ったら、変だと思っていればいい。おかしな風に流されないようにする。その場に合わせるんじゃなくて、人間として考える。


 ■ストーリーを伝えることが俳優の仕事/自分を褒めることも仕事です

 小川:私はアクティング・コーチじゃないですから、観客に作品を見せることを優先します。私たちの理想、高みは、毎回同じなのに毎回フレッシュでいること。俳優がふわふわと、いいエネルギーで舞台上にいる方が、絶対にいい作品になる。でも俳優の感情よりもストーリーの方が大事。俳優は自分の気持ちよりも仕事を大事にすべきです。感じることが目的ではない。ストーリーを伝えることが仕事。

 小川:自分の内面に引っこんでいく言葉は、時にはリアリティーがあるかもしれない。でも役者としての仕事(ストーリーを伝えること)の方がよっぽど重要。

 小川:「自分はちゃんとできてる」と思うことは、もはや仕事です。「誰か褒めて~!」と待ってても、誰も褒めてくれません!

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 ■俳優は求道者じゃない/プライベートなことは晒(さら)さず守る

 小川:演技の稽古はセラピーではありません。俳優は求道者じゃない。自己鍛錬のバカボンド(放浪者)じゃない。私たちは修行者じゃなく、表現者です。「一人ずつ滝に打たれて修行する」のは違う。気持ちができたから芝居ができるわけじゃない。後期スタニスラフスキーを読めばわかることですが、演技は感情から始まるだけじゃないんです。体を動かすことで心が動くことがある。メソード演技で陥りやすい間違いです。スタニスラフスキーはもっとドライで実践的なんです。

 小川:お母さんの死など、自分のパーソナルな部分にごく近い事柄は守っておくべき。自分のプライベートは守ってあげて欲しい。心だけはオープンにして、でも秘密は晒(さら)さなくていい。守るから、(心身を)開くことができるんです。たとえばバイオリンで使いこなせる音階を広げていくように、使える範囲で使いましょう。


 ■リアリティーは自分の中にはない。外側にある。

 小川:(手を胸の前に差し出して)ここにリアリティーがある。そうすればインナー(内面・感情)もついてくる。インナーの探求が目的ではない。リアルは外にある。そう思えば非常に楽になれる。そしてインナーとアウター(外で起こること・行動)を別にしないこと。

 小川:大事なのは自分の中のリアリティーじゃない。「We don't fucking care what you feel!(あなたが何を感じてるかなんて、私たちは全く興味ない!)」。自分の中を気にしないで。感情は後からついてくる。しゃべりながら気持ちを感じることはやめて。We just need "YOU"!(私たちが欲しいのは“この場に居るあなた”だけ)。しゃべっちゃってから、感じるの。感じながらしゃべるのは見ていてウザいし、ストーリーが回らない。

 小川:自分で自分の内面をチェックしてる限り、本当の感情なんて生まれない。チェック機能は演出家にまかせて。Believe yourself!(自分を信じて!) 目の前に起こっていることに集中してください。やってみてから、リアリティーがついてくる。

 小川:一番怖いのは、意識が自分の中に入って行っちゃうこと。たとえば泣きながら歌う自意識過剰なアイドルと同じ。自分が自分の方を見てしまうとダメ。そんな演技は説得力ゼロです。

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 ■フル(full)の感情なんて幻想/100%を目指さない

 小川:100%(=フル)の感情を目指したい気持ちはわかる。でもそれは不可能。日常でもありえないことです。人間の心はもっと複雑でカラフル。一色にしようとすると、わけがわかんなくなる。人間は記号化できません。フルになろうとすると自分の内側の方に自分の目が向いてしまって、他者をはじいてしまう。フルを目指した途端に、演技が嘘になる。フルへの幻想は持たない方がいい。

 小川:時にはフル(full:目いっぱい)の感情が必要な場合もあるけど、コントロール下にあることが大切。漫画「ガラスの仮面」の“北島マヤ化”はやめましょう!彼女が共演者に居たら、すっごく迷惑だと思う。

 小川:怒るシーンがある場合、爆発させたい気持ちはわかるけど制御することが大切。例えば「攻撃したい」という気持ちなのか、「誰かの関心を引きたい」という気持ちなのかで全然違う。同じシーンにいる周りの俳優の目を意識するなどして、フルの怒りをおさめることもできる。私は「わめかないでください」とよく言います。

 小川:「うまくやんなきゃ」じゃなくて、「のびのび、ある程度、できるかな~」という気持ちでいればいい。がんばればがんばるほど逆に行っちゃうものだから。人間がやってることなんだから完璧なんて無理。最初から100点を目指さない。打率を上げるために訓練をするんです。例えばピアノのレッスンだと最初はバイエルから始めます。なのにいきなり100%(フル)を目指すと、佐村河内化しちゃう。

 小川:演技は脳みそだけでやることじゃない。最初は脳みそから入ったとしても、後は体でやることです。たとえば自転車に乗る場合、構造を知ってても、使いこなせるまでに時間がかかりますよね。道具に使われているうちは、家をつくれない。道具を使いこなせるようになれば、街だってつくれる。


 ■ドライにコントロールする/自分の頭の中にある色んな自意識を許す

 小川:ドライな側面からのアプローチをしないと、芝居は成立しない。どこかドライでいるのが大事。たとえば演じる役と自分の素の状態の割合は、6対4ぐらいでいい(役:素=6:4)。

 小川:例えば新国立劇場の舞台に立つ場合、「ここは初台だ」という自分の中の現実は残しておくこと。「ここは劇場だ」と思って舞台に立つこと。がんばって役人物の背景や感情を背負おうとすると、間違います。たとえば「ここは戦場で俺は絶体絶命だ!」という気持ちでいっぱいになることは不可能。

 小川:演技をしている最中に、自分の頭の中の小さな自分(=自意識)が、「お腹空いた!」「ここは法廷じゃない、稽古場だよ!」などと、お芝居とは関係のない現実について囁いてきても、許してあげること。退治して消去しようとするんじゃなく、認めて許すことが大事です。その方が自分らしくなる。集中が切れてもいい。集中できない自分も許す。

 小川:自分から「感じよう」と意識して感じるのは、その時点で残念。感じようとして感じると、自意識が表に出てきちゃう。自意識はなくてはならないもの。そしてコントロールするものなんです。感じようとするのではなく、感じる体でいること。肯定的に心身を開いていること。感情をチョイスする以前にこの場に居られることが大切。今ここの瞬間を楽しんでください。


 ※計4回のレポートです⇒〔3日間のあらまし〕〔小川語録1・当ページ〕〔小川語録2〕〔しのぶの感想


写真提供:アクターズワークス、高野しのぶ
アクターズワークス「現場で活躍する映画監督や演出家のワークショップ第二弾 小川絵梨子シーンスタディ」
期間:2014年03/17(月)~19(水)
告知エントリー:http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0201172728.html

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2014年04月09日

新国立劇場演劇『マニラ瑞穂記』04/03-20新国立劇場小劇場

 新国立劇場演劇研修所の修了生が多数出演するシリーズの第2弾です(⇒第1弾)。2011年に4期生の試演会で上演された作品(⇒稽古場レポート)が、新国立劇場の本公演に登場。
 お薦め前売り情報としてメルマガに掲載し、今月の1番のお薦め演劇としても紹介しておりました。上演時間は約2時間40分(途中休憩15分を含む)。

 期待どおり「いいお芝居観たー!」と大満足♪ 国立の劇場で上演されることに大いに納得の、出演者多数の歴史群像劇です。まず『マニラ瑞穂記』という戯曲がすごく面白い!こんな戯曲を書く劇作家が今いるのかどうか…すぐには思いつきません。そして細部まで丁寧に立体化して戯曲の核心を突く演出と、戯曲ためにストイックに演じる俳優たち。日本人が書いた素晴らしい戯曲を、日本人の俳優、スタッフが真摯に届けてくださいました。

 四方囲みの客席なので上から眺めるのもいいらしいです。たとえば当日券のZ席(1,620円)でも遜色ないかもしれません。定価のA席5,400円、B席3,240円でもお買い得の、今ぜひ観ておきたいお芝居だと思います。

 ⇒ぴあ「栗山民也インタビュー 『マニラ瑞穂記』
 ⇒ぴあ「現代を映した“危険な”歴史劇で千葉哲也ら躍動!
 ⇒おけぴネット「新国立劇場『マニラ瑞穂記』稽古場レポート
 ⇒CoRich舞台芸術!『マニラ瑞穂記

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 あてらはもう、とうに破滅しとるんやで。
 これより先きへは落ちられんとこへ落ちとるのや。
 1898年(明治31年)
 マニラの日本領事館には、フィリピンの独立運動を支持する日本人の志士たちや
 "からゆきさん"たちが、内乱で混乱する市井から避難していた。
 そんな中、日本領事・高崎のもとに、日本に帰国したはずの秋岡伝次郎があらわれる。
 賤しい生業をしていても日本人の誇りを忘れず、愛国精神にのっとって行動する奇妙な男、秋岡。かつてシンガポールで女衒として名を馳せていた秋岡は、高崎の忠告に改心を誓うが、堅気の仕事も時の政治に邪魔をされ、再び南方へと流れ着いたのだった。
 フィリピンをめぐり各国の思惑が見え隠れする中、秋岡は志士たちの求めに応じパトロンとなる。折しも、独立を支援してきたアメリカ軍の勝利が伝えられるが......。
 ≪ここまで≫

 四方囲みの客席で私はいつもの客席とは反対側でした。周囲に2段分の段差がある正方形の舞台は非常に開放感があり、天井中央から日本国旗が垂れ下がっています。場所がフィリピンのマニラだからか、床には部分的に細い竹を組み合わせたような装飾がほどこされています。役者さんの出はけ口は四方にあり、どこが玄関なのか廊下なのか等は、はっきりとは記憶できませんでした。衣裳や小道具は具象ですが、全体的に抽象性が増して良かったと思います。

 スペインからの独立運動が起こり、マニラは内戦状態にあります。日本からフィリピン独立軍を支援しにやってきた若き日本人運動家たちと、食べていくために日本を飛び出して売春をする“からゆきさん”たち、そして彼女たちの売買を取り扱う女衒・秋岡(千葉哲也)らが、日本領事館に避難してきました。領事館には人間味のある領事(山西惇)の他に、日本の国益のため、天皇のためには死もいとわない軍人(古河耕史)もおり、身分も職業も生き方もまるで違う多数の日本人が、異国の地でしばらく同居することになります。

 日本人運動家たちはフィリピン独立軍の勝利のために、日本から軍隊を派遣して欲しいと言います。日本の軍人も、アメリカ軍が進出してきたこともあり、東南アジアにおける日本の地位を堅持するためにも、日本軍の派遣は効果的だと考えています。そこで、日本領事館で日本人の死者が出れば、日本から軍隊が派遣されるのではないか…というアイデアが出てくるのです。男たちの間では「誰を犠牲にするか(殺すか・自殺するか)」が当然のことのように話題にのぼりますが、女たちはそんなことには興味がありません。彼女たちは商売がしたいので「早く戦争が終わって欲しい、終わらないなら違う国に行きたい」ぐらいに思っています。

 肝の据わった娼婦たちと、理想に燃えて空回りしていく軍人や運動家たちとの対比が見事でした。特に娼婦役の女優さんたちの図太さときたら!皆さん、か細い体なのに、お芝居に砂塵を含んだ熱風を起こすかのような迫力がありました。彼女らは蔑まれる存在であることを自覚していますが、自分の体で稼いだ金で生きている、もしくは家族を養っている自負があり、生命力の発露が真っ直ぐで、清々しいです。

 2011年版同様、異国で長年暮らし、口のきけなくなった日本人の老女シズ(稲川実代子)に焦点が当たっていました。彼女は日の丸の旗にだけは強い興味を示し、言葉を発することができないのに「君が代」を歌うことはできるのです。
 自民党による「日本国憲法改正草案」(平成24年4月27日決定)には「(国旗及び国家) 第三条 国旗は日章旗とし、国家は君が代とする。日本国民は、国旗及び国家を尊重しなければならない。」という条項が現行憲法に新たに加えられています。インターネットでニュースを読んでいる方は既におわかりのことと思いますが、安倍政権は国民に愛国心を強いる方向へと進んでいます。『マニラ瑞穂記』はあらためて「国って一体何なんだろう」と考える、絶好の機会だと思います。⇒参考エントリー

 ここからネタバレします。途中です。加筆できるかどうかはわかりません。

 秋岡と領事とシズ以外はすべて、新国立劇場演劇研修所の修了生が演じています。2011年の試演会と同じ役を演じている方も多く、再演と言ってもいいぐらいのクオリティーが初日から出ていたように思います。
 千葉哲也さん、山西惇さん、稲川実代子さんの演技方法と、修了生のそれとはやはり違うものだと思いました。手法の優劣や上手、下手ではなく、単に種類が違うんですよね。私が観たいのは、俳優が本人でありながら、役人物でもある状態で、舞台上にただ存在する演技です。そういう演技には心が前のめりになって吸い込まれていくから。先日観たナショナル・シアター・ライヴフランケンシュタイン』の主役だったベネディクト・カンバーバッチさんは、まさにそういう演技だったと思います。

【出演】秋岡伝次郎:千葉哲也、高崎碌郎:山西惇、シズ:稲川実代子、古賀中尉:古河耕史、タキ:髙島レイ、ウィルソン大尉:前田一世、淡路書記官:宇井晴雄、岸本繁:今泉薫、いち:藤井咲有里、梶川弥一:長本批呂士、平戸健三:今井聡、さく:木原梨里子、はま:斉藤まりえ、くに:仙崎貴子、長七:原一登、もん:日沼さくら、ボーイ伊藤:大里秀一郎、斉藤多賀次郎:梶原航、清平(運動をやめると言ってきた若者):形桐レイメイ、米兵ジミー:林田航平
声の出演(独立軍の兵士):前田一世、大里秀一郎
脚本:秋元松代 演出:栗山民也 美術:伊藤雅子 照明:田中弘子 音響:吉澤真 衣裳:中村洋一 ヘアメイク:鎌田直樹 方言指導:大原穣子 藤木久美子 歌唱指導:伊藤和美 擬闘:渥美博 プロンプ:横山友香 協力:鈴木なお 薄平広樹 坂川慶成 永澤洋 演出助手:坪井彰宏 舞台監督:三上司 制作担当:伊澤雅子
【休演日】4/8,15【発売日】2014/02/15 改定前(消費税5%)A席5,250円 B席3,150円 改定後(消費税8%)A席5,400円 B席3,240円 Z席1,620円(公演当日、ボックスオフィスのみでの販売。1人1枚、電話予約不可。)
※消費税率の引き上げに伴い、2014年4月1日よりチケット料金を改定いたします。ただし、3月31日までのご購入については改定前の料金でお買い求めいただけます。
なお、3月31日までにお申し込みいただいても、チケット代金のお支払いが4月1日以降となった場合は改定後の料金を申し受けます。予めご了承ください。
※Z席は2014年4月1日より税込1,620円(本体1,500円)に改定いたします。
http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/140401_001632.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2014年04月08日

新国立劇場オペラ『ヴォツェック』04/05-13新国立劇場オペラパレス

 ドイツ人演出家のアンドレアス・クリーゲンブルクさんによるオペラ『ヴォツェック』。伊達なつめさん特別コラムを読んで興味を持ち、すごく久しぶりに新国立劇場のオペラ劇場(オペラパレス)に行ってきました。

 凄い演出でした…!気になっている方はどうぞお見逃しなく。舞台写真をぜひご覧ください!

 ⇒CoRich舞台芸術!『ヴォツェック

 ≪あらすじ≫
 内縁の妻マリーとその息子と暮らすヴォツェックは、大尉の髭剃りと医師の実験台になる仕事をして食いつないでいる。美しいマリーは貧しい生活に疲れて鼓手長と浮気をしてしまい、彼女の浮気に気づいたヴォツェックは狂気に駆られて彼女を刺殺してしまう。
 ≪ここまで≫

 悲惨な話がさらに悲惨に、凄惨に…!オペラだけど社会派かつ戦慄ホラー(笑)。オペラといえば「古典」の印象もありますが、演出でヴィヴィッドな現代性を持つものなんですね。

 楽隊を使って劇中劇的に主人公の狂気を見せたり、人形やナイフなどの小道具を多用して色んな意味を持たせたり。そして子役の配置が効果絶大!ラストが物凄かったです…ナイフが、人形が、落書きが…水に反射する照明が…全て繋がりました。ほんっとに怖すぎて、ヒー!って言っちゃいました(心の中で)。

 1925年初演なんですね。音楽は門外漢です。特にこういう新しいオペラの音楽は本当にわからない…。主役2人は演技も良かったし、歌も素晴らしかったです。

 ここからネタバレします。

 湖のほとりでマリーを刺殺したヴォツェックは、酒場で手に付着した血をいぶかしがられて、再び湖へ。ナイフを湖に沈め、自分の手を洗い清めようとして、自分が水死してしまいます。舞台中央に横たわるヴォツェックとマリーの遺体(マリーの遺体は人形で表現)を照明が照らし、その光が反射して、箱型の空間に映っていました。箱の中央には息子がぽつんと立っていて、箱の壁に当たる丸い光の中には、ちょうど2人分の遺体の影が出来ています(⇒舞台写真)。箱が舞台奥から舞台面側へと客席に近づくように移動しはじめると、丸い光が少しずつ下方へと下がっていきました。それはまさに2人の遺体が水底へ沈んでいくようでした。

【出演】:ヴォツェック:ゲオルク・ニグル 鼓手長:ローマン・サドニック アンドレス:望月哲也 大尉:ヴォルフガング・シュミット 医者:妻屋秀和 第一の徒弟職人:大澤建 第二の徒弟職人:萩原潤 白痴:青地英幸 マリー:エレナ・ツィトコーワ マルグレート:山下牧子 合唱:新国立劇場合唱団 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
作曲:アルバン・ベルク 演出:アンドレアス・クリーゲンブルク 指揮:ギュンター・ノイホルト 美術:ハラルド・トアー 衣裳:アンドレア・シュラート 照明:シュテファン・ボリガー 共同制作:バイエルン州立歌劇場
【発売日】2013/11/23 S席23,100円 A席18,900円 B席12,600円 C席7,350円 D席4,200円 Z席 1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/140405_001608.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2014年04月07日

【オーディション】シアターコクーン+大人計画「ミュージカル『キレイ~神様と待ち合わせした女~』出演者募集」※5/26〆切(郵送のみ)

 大人計画の松尾スズキさんが作・演出されるミュージカルの出演者募集情報です。『キレイ~神様と待ち合わせした女~』は2000年、2005年に上演され、今回が再々演になります。詳細は公式サイトでご確認ください。

 ●シアターコクーン・オンレパートリー2014+大人計画
  ミュージカル『キレイ~神様と待ち合わせした女~』再々演
  12月東京@Bunkamura シアターコクーン
  1月初旬~下旬大阪@シアターBRAVA!
 <作・演出>松尾スズキ
 <募集人数>若干名
 <応募資格>
  ①高校卒業以上
  ②2014年10月上旬~11月末稽古、12月~2015年1月下旬公演に参加可能な事
 <応募〆切>2014年5月26日(月)郵送必着

 ≪2000年6月初演DVD≫ ⇒観に行けずDVDを鑑賞。DVDどこにあるかな…。

キレイ 神様と待ち合わせした女 [DVD]
ポニーキャニオン (2001-04-18)
売り上げランキング: 45,718

 ≪2005年7月再演DVD≫ ⇒過去レビュー ⇒オーディション告知エントリー

キレイ-神様と待ち合わせした女-2005 [DVD]
TBS (2006-07-19)
売り上げランキング: 71,541

■シアターコクーン・オンレパートリー2014+大人計画
『キレイ ~神様と待ち合わせした女~』 公式サイトより

<作・演出>
松尾スズキ

<出演>
未定

■募集要項

<活動内容>
【12月東京】Bunkamura シアターコクーン、【1月初旬~下旬大阪】シアターBRAVA!
シアターコクーン・オンレパートリー2014+大人計画 「キレイ」に出演

<募集人数>
若干名

<応募資格>
①高校卒業以上
②2014年10月上旬~11月末稽古、12月~2015年1月下旬公演に参加可能な事

<応募方法>
①履歴書(芸歴、身長・体重、スリーサイズを明記)
②写真(顔・全身、各1枚 Lもしくは2Lサイズ、カラーモノクロ共に可)
③返信用封筒(定型サイズにて住所・氏名を明記し、82円切手を貼付)
④演技、歌唱、ダンス歴があれば具体的に明記してください。
※①~④をBunkamuraシアターコクーン「キレイ」キャスト募集係宛までお送りください。
※受付は郵送のみとさせて頂きます。

<郵送先>
〒150-8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1
Bunkamura シアターコクーン「キレイ」キャスト募集係

<応募〆切>
2014 年5月26日(月)必着
書類審査の上、6月12日(木)までに結果を郵送いたします。
※電話での合否のお問合せには応じかねます。
※尚、応募書類はご返却出来ませんので、予めご了承ください。
※応募書類はオーディション以外の目的では一切使用いたしません。

<1次審査>
2014年6月中旬~下旬東京都内(詳細は書類審査通過者に郵送いたします。)
審査内容:ダンス(動き)、歌唱、演技
2次審査に関しましては、1次審査後にご連絡いたします。


<お問合せ>
Bunkamuraシアターコクーン「キレイ」係まで
kirei-audition(アットマーク)bunkamura.co.jp 

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:53 | TrackBack

【オーディション】フェスティバル/トーキョー14「白神ももこ振付『春の祭典』出演者募集」※4/25深夜〆切(応募専用フォームあり)

 今秋のフェスティバル/トーキョー14にて、モモンガ・コンプレックスの白神ももこさんが振付を手掛ける『春の祭典』の出演者募集情報です。白神さんはダンサー、振付家、演出家で、私は彼女の作品をいくつか拝見し、才気あふれるアーティストだと思っています。
 ※4/11-14に白神さん演出公演あり

 【稽古スケジュール・会場(予定)】
  稽古開始:2014年7月~(週3日程度)
  会場:急な坂スタジオ
 【公演日程・会場(予定)】
  日程:2014年11月中旬 フェスティバル/トーキョー14上演予定
  会場:豊島区内の劇場
 【応募条件】
  ・18歳以上の健康な男女。
  ・稽古~本番期間に責任をもってご参加いただける方。
  ・ダンス、演劇などの経験者
 【応募締切】2014年4月25日23時59分

 ※フェスティバル/トーキョー14の理念や概要などはまだ発表されていません。でも舞台芸術制作者の植松侑子さんがフェスティバル/トーキョー14の制作チーフになられたことを知り、彼女が関わるならきっと公演は実現するだろうと思いましたので、この募集情報を掲載いたしました。

■白神ももこ振付『春の祭典』出演者オーディションのおしらせ ※公式サイトより

フェスティバル/トーキョー14にて上演されるダンス作品『春の祭典』(振付:白神ももこ、美術:毛利悠子)に出演するダンサーを募集いたします!

これまで様々な振付家たちが挑んできたストラヴィンスキー作曲のバレエ音楽『春の祭典』。今回フェスティバル/トーキョーの委嘱により、
振付家・白神ももこ(モモンガ・コンプレックス主宰)と美術家・毛利悠子がこの作品に新たな視点と感性で挑みます。
11月の上演に向け、出演者オーディションを実施いたしますのでぜひご応募ください。

【稽古スケジュール・会場(予定)】
稽古開始:2014年7月~(週3日程度)
※詳細なスケジュールは合格者の方に追ってご連絡いたします。
会場:急な坂スタジオ(横浜市西区老松町26-1)

【公演日程・会場(予定)】
日程:2014年11月中旬 フェスティバル/トーキョー14上演予定
会場:豊島区内の劇場

【応募条件】
・18歳以上の健康な男女。
・稽古~本番期間に責任をもってご参加いただける方。
・ダンス、演劇などの経験者

※劇団、事務所等のご所属がある場合は、出演の了承を予めご確認ください。
※未成年の方の出演にあたっては、事前に保護者の同意をいただきます。

【待遇】 
謝礼あり:経験・実績に応じて考慮します。
傷害保険加入(費用はF/T事務局が負担)。

【オーディション詳細】
一次選考:書類審査
※合否いずれの場合も、選考結果を4月26日以降にメールにてご連絡いたします。二次選考前日までにメールが届かない場合は、
事務局にお問い合わせください。

二次選考:ワークショップ形式、面接
5月3日(土)12:00~18:00 急な坂スタジオ (予定)

【応募方法】
・以下の必要事項をWEBサイトのエントリーフォームからお送りください。
1.氏名(よみがな)2.生年月日 3.年齢 4.性別 5.ご住所(郵便番号)
6.最寄駅 7.日中連絡のつく電話番号 8.メールアドレス
9.ご職業(舞台芸術関係の場合は、ご所属) 10.身長、体重
11.舞台経験(経験のある方は、なるべく詳しくご記入下さい。) 12.特技
13.志望動機(200字〜400字)※志望動機の中に『春の祭典』と聞いて連想すること、イメージなども含めてお書きください。
14.顔写真(正面からのもの)、全身写真
15.過去にご覧になったことのあるモモンガ・コンプレックス及び白神ももこ演出作品

【応募先】
■エントリーフォーム
https://qooker.jp/Q/auto/ja/ftharunosaiten/entryform/
にアクセスし、必要事項を入力してください。
※お送りいただきました個人情報は、『春の祭典』出演者オーディションの選考のほか、出演者としての参加または本事業に関連する連絡、
および主催者の業務改善のための内部利用を目的として利用することがあります。

【募集人数】 若干名

【応募締切】 2014年4月25日23時59分

【出演者募集についてのお問合せ先】
フェスティバル/トーキョー実行委員会 事務局
『春の祭典』 出演者募集
メール:harunosaiten.ft(a)gmail.com ※(a)を@に変えて送信してください。
Tel: 03-5961-5202 Fax: :03-5961-5207 http://festival-tokyo.jp/

白神ももこ(振付家/演出家/ダンサー)
1982年生まれ、東京都出身。モモンガ・コンプレックスではすべての作品の構成・演出・振付を担当し、無意味・無駄を積極的に取り入れユニークな空間を醸し出す作風には定評がある。
音楽劇『ファンファーレ』や木ノ下歌舞伎『義経千本桜』に演出で参加、岡崎藝術座の神里雄大とのユニット鰰[hatahata]など共同製作も多い。 また、2012年フェスティバル/トーキョーでのF/Tモブ、北九州演劇フェスティバルのパレード演出など 街にダンスを沸きあがらせる企画にも多く携わる。 急な坂スタジオサポートアーティスト。 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみアソシエイトアーティスト。
モモンガ・コンプレックス http://www.momongacomplex.info/

毛利悠子(美術家)
1980年神奈川県生まれ。日用品やジャンクと機械部品を再構成した立体物を展示環境に寄り添わせることで、磁力や重力、光、温度など、目に見えない力をセンシングするインスタレーション作品を制作している。主な個展に2013年「おろち」(watingroom)、2012年「サーカス」(東京都現代美術館ブルームバーグ・パヴィリオン)、主なグループ展に2013年「メディアアートキッチン」(インドネシア国立美術館、ジャカルタ)、2012年「アートと音楽ー新たな共感覚をもとめて」(東京都現代美術館)、「アノニマスライフー名を明かさない生命」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])など国内外多数。東京の駅構内の水漏れの対処現場のフィールドワーク「モレモレ東京」主催。


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:31 | TrackBack

明治座『きりきり舞』04/06-26明治座

 諸田玲子さんの同名小説を田村孝裕さんが戯曲化し、上村聡史さんが演出されます。主演は田中麗奈さん。上演時間は約3時間20分(途中35分の休憩を含む)。⇒えんぶ稽古場レポート

きりきり舞い (きりきり舞い1/光文社文庫)
光文社 (2014-02-21)
売り上げランキング: 6,631

 ⇒CoRich舞台芸術!『きりきり舞
 レビューはほぼ記録のみ。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
主人公の舞は『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘。
両親と江戸日本橋通油町の借家で暮らしながら、
趣味と実益をかねて踊りの稽古にはげんでいる。
18歳の小町娘の夢は玉の輿。
それなのにあァ、一九に縁談をぶちこわされてばかりだ。

一九は稀代の奇人で大酒飲み、飲めばきまって大騒ぎ。
借金だらけで家計も火の車。
母のえつはとうに匙を投げてしまい、きりきり舞いをするのはいつも舞。

そんな舞の家へ、次々に奇人がころがりこんできた!

一九の押しかけ弟子になったのは謎の浪人、今井尚武。
尚武は一九の出生のヒミツとかかわりがあるらしい。

もう一人は幼なじみで葛飾北斎の娘のお栄。これがまたトンデモナイ奇人で・・・。

そんな最中、舞は武家の若者に見初められた。さァ、玉の輿の夢は叶うのか?

奇人にかこまれ、舞の毎日は山あり谷あり、怒って泣いて笑っての大忙し。
それでもお江戸の庶民は元気はつらつ。
ユーモアとペーソスたっぷりの、とびきり愉快な人情喜劇。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 病床の老人が今井のことを敵だと知った上で看病されていたことがわかり、今井(吉沢悠)が男泣きする演技が良かったです。
 若殿(今井ゆうぞう)がなぜマイクを持って歌うんだろうと思ったら、今井さんは「歌のおにいさん」だった方なんですね。

出演:田中麗奈、加藤雅也、吉沢悠、板尾創路、山崎静代、八十田勇一、今井ゆうぞう、矢部太郎、熊谷真実、篠井英介、ほか
原作:諸田玲子 脚本:田村孝裕 演出:上村聡史
【発売日】2014/02/25 S席(1階席、2階席正面)10,000円 A席(2階席左右)7,000円 B席(3階席正面)5,000円 C席(3階席左右)3,000円
http://www.meijiza.co.jp/info/2014_04/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2014年04月06日

原田ゆう『浮いていく背中に』04/04-06北品川フリースペース楽間

 ダンサーの原田ゆうさんが作・演出される演劇公演を観に伺いました。昨年12月に上演されたばかりの『浮いていく背中に』の再演です。

 戯曲は小説として読んでも十分に面白い作品だと思いました。ただ、演劇作品としては物足りなかったです。朗読劇でも良かったんじゃないかな~。

 原田さんが第18回劇作家協会新人戯曲賞を受賞された『見上げる魚と目が合うか?』をロビーで購入(500円)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『浮いていく背中に
 レビューはほぼ記録のみ。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 「バックじいちゃん」と呼ばれていた老人がいた。その老人は何年もの間、毎朝欠かさずに中学校前の長い通りをゆっくりとバックして歩いていた。「バックじいちゃん」がいなくなってしばらく経った頃、同じようにバック歩行する男が現れる。男に誘われ一緒にバック歩行をする女、さらにまた別の女が二人に加わり、奇妙なバック歩行コミュニティが生まれる。
 それぞれの生活とバック歩行が交錯する、わずかに進んでいく物語。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 「3Pしたのが許せなくて妻(渡邉亜希子)に離婚を突きつけた夫」のエピソードは可笑しかったな~。「3Pしたのは10年前で、夫とは5年前に出会って3年前からつき合って、結婚して1年なのに」ね。男性のことがよくわかりますね(笑)。

出演:大石丈太郎、小泉芽由紀、渡邉亜希子
脚本・演出:原田ゆう 照明|松本永 音響|山口紘 舞台監督|湯山千景 宣伝美術|岡部正裕(voids) 制作|植松侑子
【発売日】2014/02/01 前売2,500円、当日3,000円(全席自由)  初日割(4/4 19:30の回)前売2,000円、当日2,500円
https://sites.google.com/site/haradyna20/next

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:39 | TrackBack

2014年04月05日

【オーディション】DULL-COLORED POP「2014年7月公演・音楽劇『河童(仮)』追加キャスト募集」4/13(日)、4/14(月)実施※〆切は特になし(メールのみ)

 谷賢一さんが作・演出される劇団DULL-COLORED POPが、7月の吉祥寺シアターでの新作音楽的の追加キャストを募集します。応募条件はプロとしての意識がある方、あるいはプロを志す意思のある方。性別、経歴などは問わず。

 ※4/9に応募者多数のため締め切られました

 谷さんは昨年の『最後の精神分析-フロイトvsルイス-』で小田島雄志・翻訳戯曲賞と文化庁芸術祭賞演劇部門・優秀賞を受賞。8月末に初日を迎えるKAAT神奈川芸術劇場『Lost Memory Theatre』(演出:白井晃)のテキストを担当されます。スケジュールの合う俳優さんはぜひ。以下、公式サイトより。

 ■DULL-COLORED POP vol.14 音楽劇『河童(仮)』 ⇒一部情報解禁
  期間:2014年7月18日(金)ー7月27日(日)
  会場:吉祥寺シアター(計13ステージを予定)
 ・オーディション概要
  参加費:500円(テキスト代として)
  開催日時:
  1. 4/13(日)13:00-21:00
  2. 4/14(月)13:00-21:00
   →上記日程のうちいずれか、1-2時間ほどお時間を頂き、ご参加頂きます。
  応募方法:メールのみ

■DCPOP14『河童』、追加キャストオーディションのお知らせ ※公式サイトより。

この度DULL-COLORED POPでは、下記の公演にあたり追加キャストオーディションを行う運びとなりましたので、お知らせ致します。

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《主宰・谷より》

 こんにちは。DULL-COLORED POP主宰の、谷賢一です。
 この度、弊団体の第14回新作本公演として、芥川龍之介が晩年に遺した中編小説『河童』を題材にした音楽劇を上演することとなりました。
 音楽にはアマヤドリやクロムモリブデンへの楽曲提供で活躍中の岡田太郎、振付には演劇・ダンス業界の第一線で活躍中の最高に素敵な方に集まって頂きました(情報公開前で、喋れないのが残念ですが……)。
 つきましてはこの『河童(仮)』、現時点でのキャスティングだけでは想定しているスケールに届かなさそうだぞ、ということが判明し、追加キャストを募集させて頂くことになりました。個性豊かな俳優さんたちとの出会いを心待ちにしております。
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■公演概要

DULL-COLORED POP vol.14 音楽劇『河童(仮)』
期間:2014年7月18日(金)?7月27日(日)
会場:吉祥寺シアター(計13ステージを予定)


■オーディション概要

参加費:500円(テキスト代として)

開催日時:
 1. 4/13(日)13:00-21:00
 2. 4/14(月)13:00-21:00
→上記日程のうちいずれか、1-2時間ほどお時間を頂き、ご参加頂きます。

内容:自己PR、インタビュー、テキスト、簡単なワークショップなど

場所:都内某所(参加者にのみお伝えします。新宿・池袋から電車で5分程度の場所です)


■お申し込み方法

以下の必要事項を記入の上、までご連絡下さいませ。
その際、顔写真を最低1点、メールにご添付下さい。

[1] お名前
[2] ふりがな
[3] 性別
[4] 生年月日
[5] メールアドレス(PCからのメールが受信できるアドレスをお願いします)
[6] 携帯電話番号
[7] 簡単なプロフィール・経歴
[8] 応募動機
[9] 参加を希望する時間帯
  ※開催日時のうち、オーディションに参加可能な時間帯をすべてご記入下さい。
   記入例1)13(日)の15時~21時、14(月)の19時以降。
   記入例2)13(日)の13時~19時。14(月)はNG。

ご注意:
・メールアドレスは必ず【パソコンからのメールが受信できるアドレス】をご記入下さい。
 携帯アドレスへの送信エラーが多発しています。なるべくPCアドレスをご記入下さい。
・劇団からの返信を持って応募完了とさせて頂きます。
 2~3日待って返信がない場合は、info(アットマーク)dcpop.orgまでお問い合わせ下さい。
・返信は、劇団のオーディション受付担当者の個人アドレスから送信させて頂きます。


■応募条件

・プロとしての意識がある方、あるいはプロを志す意思のある方
・オーディションに参加出来る方
・稽古に参加出来る方(稽古期間:2014/6/16-7/14 場所:都内某所)
 ※上記期間以前に、数回プレ稽古を行う可能性があります。(相談可)
・日本語か英語で、きちんとお話が出来る方
・チケットノルマなどはありません。


■劇団紹介

◎劇団紹介:DULL-COLORED POP

2005年の旗揚げ以降、社会の枠からはみ出しちゃった人間たちを、飽くまでポップに、どこまでもグロテスクにえぐり続ける若手劇団。文学的奥行のある主題を現代人のポップカルチャーとして描き出す。

現代劇、古典悲劇、不条理、海外戯曲、ミュージカルと、演劇の枠を右から左まで駆け抜ける荒れくれた正統派として、東京の若手演劇シーンで独特の存在感を光らせている。

http://www.dcpop.org/


◎作家・演出家紹介:谷賢一

1982年、福島県生まれ、千葉県柏市育ち。DULL-COLORED POP主宰。Theatre des Annales代表。作家・演出家・翻訳家。日本劇作家協会・事業委員。青年団演出部所属。

明治大学演劇学専攻、ならびにイギリス・University of Kent at Canterbury, Theatre and Drama Study にて演劇学を学んだ後、劇団を旗揚げ。「斬新な手法と古典的な素養の幸せな合体」(永井愛)と評された、ポップでロックで文学的な創作スタイルで、脚本・演出ともに幅広く評価を受けている。

近年では翻訳家としても頭角を表し、2013年には木場勝己・石丸幹二主演による舞台『最後の精神分析 ─フロイトVSルイス─』の演出を手掛け、同作で第6回小田島雄志・翻訳戯曲賞、ならびに文化庁芸術祭・優秀賞を受賞した。

近年の代表作に、DULL-COLORED POP『アクアリウム』(全国5都市)・『最後の精神分析』(日暮里d-倉庫)・『完全版・人間失格』(青山円形劇場)、東京グローブ座製作『ストレンジ・フルーツ』、Theatre des Annales『従軍中のウィトゲンシュタイン(略)』(こまばアゴラ劇場)・『ヌード・マウス』(赤坂レッドシアター)、世田谷パブリックシアター製作『モリー・スウィーニー』(シアタートラム)などがある。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:25 | TrackBack

【写真レポート】SPAC「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」プレス発表会②03/27アンスティチュ・フランセ東京エスパス・イマージュ

 SPAC・静岡舞台芸術センター「ふじのくに⇔せかい演劇祭2014」プレス発表会の写真レポート②です。
 ⇒写真レポート①
 ⇒SPAC公式ツイッター
 ⇒スケジュールは公式サイトでご覧ください。Let's はしご観劇!

 アヴィニョン演劇祭に公式招聘された『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』について、演出の宮城聰さん、出演者の阿部一徳さんと美加理さん、そして共同製作を行うKAAT神奈川芸術劇場の崎山敦彦さんが登壇されました。

 アヴィニョン演劇祭への公式招聘の意義と、巨大な装置を新制作する理由、今後盛んになっていくであろう公立劇場の共同製作の方法など、演劇界の将来像がうっすらと見えてくるような、とても興味深いお話でした。

 ●SPAC「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」公式サイト
  2014年4月26日(土)~5月6日(火・祝)
  会場:静岡芸術劇場、舞台芸術公園、他
  ・ステージ数が少ないのでご予約はお早めに!※完売演目あり。
  ・東京・静岡間の夜行バスあり!
  ⇒CINRA「東京中心ではない多様性のあり方 芸術総監督・宮城聰に聞く

【写真:後列左から宮城聰、美加理、天野天街、阿部一徳 前列左から高瀬竣介、秋山実優、宮城嶋静加】
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 ■アヴィニョン演劇祭は7月4日~27日開催/7月中旬にSPACは2演目を上演

 司会:SPAC製作の2演目がアヴィニョン演劇祭に公式招聘されました。

 ・『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』(演出:宮城聰)
  期間:2014年7月7日(月)~19日(土)
  会場:ブルボン石切場

 ・『室内』(演出:クロード・レジ)
  期間:2014年7月15日(火)~27日(日)
  会場:モンファヴェホール

 ※『室内』は3つの演劇祭に参加します。
 「ウィーン芸術週間」5月11日(日)~14日(水)
 「クンステン・フェスティバル・デザール」5月20日(火)~24日(土)
 「アヴィニョン演劇祭」7月15日(火)~27日(日)

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宮城聰さん

 宮城:アヴィニョン演劇祭で7月の中旬ぐらいにSPACの2演目が同時に上演されることになります。これは日本の劇場だけじゃなくて、世界の劇場から見ても快挙じゃないかなと思っています。また、日本の演出家による現代演劇が公式招聘されるのは20年振りのことです。
 ピーター・ブルックが石切り場で『マハーバーラタ』を上演したのがおよそ30年前。自分が演劇を志しはじめてプロの演劇人になりたいと思っていた頃、その噂を聞きました。自分が演出家になった頃からの一生涯の目標、ゴールが、「いつか石切り場で自分の芝居をやりたい」ということだったんです。なので、その生涯の目標がこうやって叶ってしまうと(笑)、この後自分はいったいどうするのかなぁ…なんて思ってるんですけど…そんな年齢になったのかなと思ったりもしています。まあ、感慨無量ということですね(笑)。

 宮城:僕もとても驚いているんですが、『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』は世界中の演劇人があこがれるフェスティバルの、メイン会場のオープニング作品として11ステージも上演する。しかも今回、石切り場という会場では僕らの作品だけしか上演されません。それぐらい長期間、使用させていただきます。僕の記憶でも石切り場で13日間(休演日を含む)もやる公演なんて見たことがないです。
 そして『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』と『室内』は、よくもこの組み合わせになった、というぐらいに正反対の作品です。僕としてはこの2つの作品を生み出せたということで、世界中の劇場人たちに、日本にこういう劇場があるんだと認識してもらえる非常にいいチャンスだなと思っています。


 ■『室内』の演出家クロード・レジさんとの共通点 ↓舞台写真 ⇒昨年のプレス発表会

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 宮城:『室内』を演出されたクロード・レジさんはフランス演劇界の巨匠です。レジさんは再演をほとんどされない方なんですが、かつて大成功をおさめられた『室内』については、「とにかくもう一度作りたい」と20年以上、再演計画を温めて来られた。でもレジさんの要求があまりに厳格なものですから、名乗りを上げる劇場がなかったんですね。
 『彼方へ 海の讃歌(オード)』という作品で、レジさんが静岡に2週間ほど滞在製作された時、SPACの役者や制作体制を見て、SPACに可能性を見出していただいて、「SPACなら『室内』を作れるんじゃないか」と提案してくださった。僕らも、歴史に残る作品を生み出せるんじゃないかと思い、『室内』を引き受けることが出来て本当に名誉なことだと思います。

 去年5月からの『室内』の稽古の前に、レジさんは2月の『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』のフランス・ツアーを観に来てくださいました。終演後に笑顔で僕をハグして、レジさんは「(『室内』と)正反対だからいい」と言ってくださったんです。
 僕は一方的に、レジさんとは目指していること、願っていること、夢見ていることが共通していると思っていまして、レジさんも同じように感じてくださったのかなと思いました。とっても共感が出来る人が目の前にいて、その人は90歳で、僕の35年先にいると思えることは、僕にとって希望です。


 ■ヨーロッパの劇場は三次元、日本は二次元

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 宮城:僕がヨーロッパの劇場に行ってつくづく思うのは、2500年前の古代ギリシャの劇場と同じく、観客が客席から舞台を見下ろす形状になっているということ。そうやって舞台の奥行を生かすんです。見下ろす観客にとって、舞台の奥行は高さになる。ヨーロッパの演劇では、縦・横・高さという三次元をいかに使うかが演劇人の技量になり、演出家や俳優の腕の見せ所になるんですね。
 一方で日本は、演劇ばかりじゃなく美術も含めて、とっても得意なのが二次元なんです。奥行すなわち高さがなく、縦と横しかない。舞台もタッパ(天井高)が低くて横幅がすごく広い。奥行きを表そうとして背の低い子役を使ったりすることもある。それはなぜかと言えば、客席が見下ろし型でないからなんですね。見下ろす場合は背の低い子役なんて効果がない。日本の場合、客席の目線が舞台とほぼ同じ。最後列でも立ってる役者と同じぐらいの高さしかない。だから二次元ができるんですね。

 【↓石切り場に備え付けられている客席】
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 宮城:僕らは二次元の蓄積を、絵巻物から始まって江戸時代を経て現代にいたるまで、かなり長いこと持っているわけです。白黒のモノトーンでものを描くことの蓄積もあります。世界を相手に戦うときには、そういった蓄積を生かした我々の得意技で戦わないと、当然勝ち目がない。石切り場という空間で二次元を実現するには…と考えて、たどり着いたのがこの装置だったんです。
 円形の輪っか状の舞台の内側に、10cmずつの非常になだらかな段差のついた1000人の客席があって、舞台は盆踊りのやぐらのように、ものすごく高いところにある。最後列からも舞台を見上げる形になるので、舞台の奥行はほとんど使えない。それで舞台がほぼ完全に二次元になるんですね。1000席の客席の周りに、絵巻物の紙を広げたような舞台が展開する空間構成を考えてみました。

 【↓SPACが提案した石切り場の装置の模型】
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 ■「世界中の誰もやってないことをやる」という提案が受け入れられた

 宮城:「会場に備え付けられている1000席の客席は使わず、新たに1000席を全部作ってくれなんて、まさか採用されるわけないよな、でも私たちはやる気はあるんだぞと見せておきたいな」と思って、一応、言ってみるだけ言ってみたんです(笑)。そしたら、真に受けてくれるんですよね…。ここがフランス人の素晴らしいところだと思います。「世界の誰もやってないことをやる」という提案に対しては、「おお、おもしれぇじゃねえか」と乗ってくれるんですね。もちろんその感覚はディレクターでもあるオリヴィエ・ピィさんにも共有されていると思います。ともかく「世界中の誰もやってないことをやる」ことに賭けている。それを面白がってくれるのがアヴィニョンのお客様だろうとも思っています。


 ■『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』に出演する2人の俳優より

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阿部一徳さん

 阿部:アヴィニョン演劇祭への公式招聘の話を聞いた時、非常に興奮して、いまだにその興奮状態が続いています。個人的には宮城さん、美加理と芝居を作って24年目に入ります。これまで色んなところに(芝居をしに)行きました。そんなことも思い出されたりして、ここまで来たなぁ~という思いが強いです。
 今までも色んな国の屋外で芝居をやってきましたが、『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』アヴィニョン公演の会場は、この模型でもわかるように桁違いというか、桁外れというか(笑)、ものすごく巨大な空間です。この丸い通路の中に1000人以上の観客が入る装置なんです。1000人規模で、この空間で、11ステージある…。普段からそうなんですけれど海外はとにかく体調管理が大変で、今回は体調管理…できるのか!?と。個人的にはタバコもやめまして、アヴィニョンに控えています(隣席で宮城さん、崎山さんが笑う)。
 先日までソチ・オリンピックがありました。日本を背負ってはいないですけど、私も気分的にはオリンピック選手です。ずっと日本の現代演劇の劇団が正式には招聘されていなかったこともありまして、今後日本の演劇界が注目されるように、できるだけ万全のコンディションで11ステージ、飛ばしていきたいと思います。非常に楽しみです。皆さんぜひアヴィニョンまで足を運んで、応援しに来ていただけたらと思います。その前に静岡公演もあります。

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美加理さん

 美加理:『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』は2003年に初演されて、いくつかの国で上演させていただきました。初演の会場は東京の博物館の中でした。歴史あるものたちの息づかいが感じられる空間で、この作品は生まれたんです。過去2回、フランスのケ・ブランリー博物館で上演させていただいた時も、いにしえの人々の生活や、自然と共に時間を紡いできたものたちの中で、演じさせていただき、育ってきた作品です。他にはインドネシアの野外の世界遺産で上演させていただいたこともあります。
 私たちが今生(こんじょう)で生かしていただいていることの、もっと奥の方にある息吹を感じながら、皆でやらせていただいた作品です。今回、アヴィニョンの石切り場という壮大な自然の中で、また何が生まれるのか。そこで一緒に体験してくださるお客様とともに、どういったことが生まれるのか。生き物としての演劇、つまり行為が、どのように立ち現われていくのだろうか。とてもわくわくいたしますし、生かしていただいて、体験させていただいて、それを多くの方と共有できることが本当に嬉しいです。
 今この場にいることに緊張しているぐらいなので(笑)、アヴィニョンでやらせていただくことの興奮みたいなものは、私にはまだないんですが、とにかくメンバー一丸となりまして、心を込めて、その場でその作品を、また別に生き物として生まれなおすように、一生懸命頑張りたいと思います。もしよろしかったら、その空気を一緒に感じていただけるように、日本からも多くのお客様にいらしていただけたらと思っております。

 【↓石切り場の写真】
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 宮城:客席の外側の円は一周90メートルぐらいあります。
 美加理:アクティングエリアが途方もなく広いので、ずっと走りっぱなしです。SPACのみんな、お客様、空間からパワーをいただいて、全公演を死なないでつとめて(笑)、無事に帰って来れたらと思っています。


 ■SPACとKAATとの共同製作について

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崎山敦彦さん

 崎山:KAAT神奈川芸術劇場は平成26年度、共同製作事業に力を入れております。色々ある中の1つが『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』です。文化庁も公立劇場に対して共同製作をするよう奨励してまして、私は作品づくりのノウハウを広めることも目的だと思っておりますが、やり方は色々あります。今年、KAATは九州の劇場と一緒にケベックの『セブン・フィンガーズ』というサーカスを招聘予定で、今後さまざまな招聘や共同製作をします。たとえばA館がチラシをつくり、B館が招聘事業をして、C館がホームページをつくり、D館が制作をするといった、制作の合理化を図る方法など、色んなやり方があると思います。

 『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』については当館の技術監督である堀内真人、そして照明チーフが一緒にディレクションに参加し、アヴィニョン演劇祭後の凱旋公演として、KAAT神奈川芸術劇場で9月中旬ごろに上演する予定です。これは共同製作としては初めてのケースで、人的交流を作品づくりに投入し、一緒にものづくりをすることになります。
 当館の堀内は数十年前はク・ナウカにいたんですよね?(ク・ナウカを主宰していた宮城さんが頷く)。昔の制作者や仲間が各地の公立劇場に就職してどんどん広がっていって、こういう共同製作が非常にやりやすくなっています。堀内がKAATに居たから、宮城さんのSPACとつながったわけです。

 宮城:ものをつくっていくチームをSPACとKAATの混成チームとして立ち上げていくことが、僕らにとっても日本の演劇界にとっても、意味があると思っています。縦割りで役割分担をするんじゃなくて、創作の現場に両方の劇場から人が入って1つのチームをつくる。これによってお互いが、自分たちの欠点を知るだけじゃなく、長所を知ることもできる。そして知っている者からまだ知らない若い者へと情報を伝えることもできる。

 変な言い方ですけど、公立劇場というと全く結果のわからないことに挑戦していく野蛮な志、冒険心みたいなものを失うんじゃないかという見方をされがちで、自分たち自身にもそういう危惧が確かにある。なぜなら自分たちは自分たちなりのやり方を、SPACならSPACなりの方法を、確立しようという意志がどうしても強いんです。うっかりすると、自分たちのやり方を内に向けて閉じていくことになりかねない。
 この人的交流によってもう一度、結果がわからないことに馬鹿になって飛び込んでいく荒々しさを、お互いのスタッフが取り戻せるんじゃないか。最初はぶつかったりもするでしょうけれど、よその人が入ってくることによって、殻のようなものが破れていき、もう一度冒険心が呼び戻されるんじゃないかと、楽しみにしています。

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 崎山:とてもありがたいことだと思います。7月には約1か月間、SPACの制作と技術の方々がKAATにいらして、この4月にKAATのアーティスティック・スーパーバイザー(芸術参与)に就任する白井晃の作品に加わっていただきます。色んな人的交流を生かしつつ、全体がステップアップを計れるよう目指していければと思っています。
 宮城さんが今回のせかい演劇祭のコンセプトに書かれていますように、やはり敬意をもって接していくことだと思います。敬意をもって人的交流し、一緒に力を合わせることによって、新しい世界が生まれていくのではないかと考えています。

 宮城:KAATの大ホールはあらためて図面を見ると相当大きいですよね。客席をしまえるので巨大な箱型の空間になります。さすがに今回の装置の全部は入らなくて、円形の通路の中が500席ぐらいになっちゃいますけど、うまくできた小屋だと思いました。
 崎山:ありがとうございます。共同で“作業”をするのは簡単なんですが、一緒にものを作っていくことに意味を見出しています。一緒にものを作る和気あいあいとした場を持つ。それもひとつの共同製作だと思っています。


 ※アヴィニョン演劇祭への日本の作品の公式招聘について
 アヴィニョン演劇祭は年ごとにテーマを決めて、テーマとなった国の作品をまとめて紹介していた時期がありました。かつて日本特集があったのが、ちょうど20年前だそうです。
 2007年には江戸糸あやつり人形・結城座が、ジャン・ジュネ作、フレデリック・フィスバック演出『屏風』等で公式招聘されています。関連サイト⇒

 ⇒写真レポート①はこちらです。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2014年04月04日

【写真レポート】SPAC「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」プレス発表会①03/27アンスティチュ・フランセ東京エスパス・イマージュ

 SPAC・静岡舞台芸術センター(⇒公式ツイッター)が「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」を開催します(過去エントリー⇒)。

 今年は開催時期がゴールデンウィークに変わりました。SPAC製作の2演目と日本のお芝居が1演目、フランス、ドイツ、スペインの5演目の他に、映像上映が4つあります。

 SPACが製作した舞台『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』(演出:宮城聰)と『室内』(演出:クロード・レジ)が、今夏のアヴィニョン演劇祭に公式招聘されるというビッグニュースの報告会もありました。

 ※2回に分けて写真レポートを掲載します。⇒写真レポート②
 ※長いレポートですので、写真を目印にして、気になる演目からご覧ください。

 ●SPAC「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」公式サイト
  2014年4月26日(土)~5月6日(火・祝)
  会場:静岡芸術劇場、舞台芸術公園、他
  ・ステージ数が少ないのでご予約はお早めに!※完売演目あり。
  ・東京・静岡間の夜行バスあり!
  ⇒CINRA「東京中心ではない多様性のあり方 芸術総監督・宮城聰に聞く

 ■演劇祭のキャラクターの名前を募集中!

 宮城:演劇祭のキャラクターをSPACの衣裳部が作りました。目と鼻と口でできています。静岡の町をうろうろすることになりそうです。夏目漱石流に言いますと「名前はまだない」(笑)。今、名前を募集中です。可愛がってやってください。

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 ■アンスティチュ・フランセ日本・芸術部門主任のディアーヌ・ジョスさんのご挨拶

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ディアーヌ・ジョスさん

 ジョス:SPAC『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』が今年のアヴィニョン演劇祭の公式プログラムに招聘されました。宮城さんの才能の偉大さと、その才能が世界有数の演劇祭から認められたことを示す、非常に意義深いものです。クロード・レジと日本の俳優の皆様たちによる『室内』もアヴィニョン演劇祭で再演されます。

 数年来、SPACはフランスを代表する演出家や劇作家を招いて来られました。その交流と成果としての共同製作、そして何より人と人との関係が日仏文化関係の中心にあって、それをさらに豊かに強いものにしてきました。私共とSPAC、そしてSPACとフランスのアーティストや演出家との交流関係は既に長きに渡り、そして今後も続いていくことでしょう。

 宮城様、そしてSPACの皆様の飽くことのない芸術的な交流への熱意に、この場をお借りして私個人としても心から御礼申し上げます。皆様、ぜひ静岡でお会いしましょう。

 ■芸術総監督より「ふじのくに⇄せかい演劇祭2014」のテーマについて

 宮城:今の世界情勢、とりわけアジアの情勢について、かつて歴史上で起こったことが繰り返されるのではないかと、不安に感じられていることと思います。夏目漱石は小説「三四郎」の中で「日本より頭の中のほうが広いでしょう」「とらわれちゃだめだ」と書いています。日露戦争に勝って日本の文化的なナショナリズムが高まり、一種の盛り上がりのようなものが多くの国民の中に生まれていたであろう時期に、漱石は警鐘を鳴らしていた。本当にそういう時代に今、日本が突入した感じがするんです。

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宮城聰さん

 日本ばかりではなくアジアの国々でも、経済のグローバリズムの渦中で国内のさまざまな不満や格差が広がる中、文化をナショナリズムの道具にして不満を外に向けていくような動きや力学が働いている。これは歴史上いろんなところで、何度も何度も、繰り返されていることですよね。
 我々芸術に関わっている者が、そういう状況で一体どういうスタンスを取ればいいのか、どういう活動をすればいいのかが、本当に問われている。まさにアーティストとして正念場に差し掛かろうとしていると思います。我々が表現者としてできるほとんど唯一のこととは、「多様な価値観をひとつのお皿の上に併存させて、その状態自体が面白い、楽しい、盛り上がることなんだという実例を示すこと」。表現をする側が出来ることは、そのことだろうと僕は考えているんです。

 今の状況では、自分たちと感覚の違うもの、生理的に違和感があるもの、価値観を異にするものを排除したくなる。「同質性の中で一緒にやる方がいい」「価値観が違う人は出て行ってくれ」「別の価値観を持った人間同士でくっつけばいいじゃないか」といった感覚が蔓延しかねない。歴史を見てもそうですよね。
 そういう時にアーティストがやれることとは、「同質の価値観を持つ単一の人たちの中でできる表現もあるけれど、ひとつのお皿にいろいろな価値観が併存している方が豊かで面白い」と、観た方に実感していただくこと。それによって「ちょっと感じが違うと思っていたけれど、排除しなくてもいいのかな…」とか「一緒にやっていった方が、むしろ社会は衰弱しないのかな…」と感じてもらえればと思っています。
 いろんな価値観があり、多様性があり、日本にも世界にも色んな人がいることを、楽しんでもらう。「色んな人がいることって、なかなか面白いよね」と感じてもらう。それがこういう状況の中でせかい演劇祭をやることの意義じゃないかと思っています。


 ■SPAC『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』 ⇒過去レビュー 写真:(C)日置真光
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 解説:「ふじのくに⇄せかい演劇祭2012」で連日、超満員となり、2013年のフランス・ツアーでも大成功をおさめた宮城聰演出による祝祭音楽劇の頂点。ふたたび日本平の野外劇場に舞い降ります。

 宮城:今年のアヴィニョン演劇祭に行く前に、静岡で上演させていただきます。ものすごく煎じ詰めて言ってしまいますと、この作品で僕が伝えたいことは「芸術文化における“オリジナル”なんていうものは、この世に存在しない」ということなんです。さっき文化的ナショナリズムの話を申し上げましたけれど、今のような状況だと、どこの国も「○○は私の国がオリジン(起源)である」「世界中に広まった○○はもともとは私たちの国の文化だった」「私たちの国には純粋に培養された○○という芸能、芸術、文化がある」「○○は他にないものですよ」ということを、何かにつけて言いたがるんですね。
 しかし、僕の管見(=狭い考え)かもしれませんけど、今までいろいろな文化芸術を見てきた結論は、純粋培養で他からの影響を受けずにその地域だけで育まれた芸術文化に、たいしたものはないということ。いや、それはほぼ存在しないのだということ。これが僕の考えです。

 宮城:今日(こんにち)凄いと言われている芸術や文化は常に、自分たちの持っているものと外から来た異物との出会いと、相互の化学反応、変容によって洗練されて、今のクオリティーに達しています。歴史の授業では古代ギリシャの彫刻の“八頭身”はギリシャ人の発明だと習いましたが、実際ギリシャに行って色んな彫刻を見てみますと、さまざまな美意識がぶつかり合って、一種の“いいとこ取り”をして生まれてきたことがわかります。
 アジアの芸術もそうです。たとえば『マハーバーラタ』はその典型ですね。インド人は当然のようにインド独自のものだとおっしゃる。もちろんインド人が千年以上に渡り、『マハーバーラタ』を使って歴史、道徳、哲学を学んできたことには敬意を表すべきです。しかし思想や芸術性がひとつの土地独自のものだということは、ほとんどあり得ない。必ず外部からの影響を受けたり、場合によっては先住民の思想や美意識の影響を受けたりしている。
 ですから、仮に『マハーバーラタ』が平安時代の日本に伝播され入ってきたとしたら、日本の当時の美意識と『マハーバーラタ』の思想や内容が何らかの化学反応を起こして、新しい物として立ち上がっていただろう…それを今試しに僕らがやってみよう…というのが、僕が演出した『マハーバーラタ』の趣旨なんですね。ですから観ていただいた方には、文化芸術の混交と、混交によってしか文化芸術の洗練はあり得ないということを感じていただければと思っています。


 ■SPAC『タカセの夢』
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 解説:静岡のティーンエイジャーによる世界レベルのコンテンポラリー・ダンス。『ユメミルチカラ』というタイトルだった初演から4年。東京、大阪、韓国で喝采を浴びてきました。

 メルラン・ニヤカムさんからのビデオメッセージ↓

 ニヤカム:『タカセの夢』は何のお話でしょうか?子どもたちに希望を与えるためのものです。

 宮城:『タカセの夢』はSPACの製作したダンス作品です。振付・演出はカメルーン出身でパリでご活躍のメルラン・ニヤカムさんで、僕は人間としても非常に尊敬している方。出演者は静岡県内の中高生です。登壇しているこの3人は、5年間続いているスパカンファンというプロジェクトの一番初めから、ずっと参加しているメンバーです。3人とも始めた時は中学1年生で、この春から高校2年生ですね。

 ↓出演者の宮城嶋静加さん
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 宮城嶋:中学1年の時と、高校生になってからの作品に対する気持ちがすごく変わっているのを感じています。最初のころは先輩や、ニヤカムさんのテンションや体力についていくのが精いっぱいだったんですが、今はみんなを引っ張っていかなきゃいけない。技術だけでなく気持ちや、作品を理解して演じるということを考えながら、どうしたらニヤカムさんや私たちが伝えたいことを、お客さんに伝えられるのかを常に考えています。それがだんだんわかってきたのは成長したからかなと思います。今年で5年目になって、まだまだ技術も精神的にも足りないところはあるけど、集大成として、お客さんに届けたいものを届けられたらいいなと思っています。

 ↓出演者の秋山実優さん
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 秋山:私は踊ることも、メンバーもニヤカムさんもSPACも、みんなすごく好きで、この作品をやることが本当に楽しすぎて、全然離れられないでいます。今回が5年目で私たちの集大成になります。ニヤカムさんはよく私たちのことを手にたとえるんです。ちょうどメンバーが10人で指が10本あるから。手のひらがないと指が立てないように、私たちもニヤカムさんや木野彩子さんやスタッフの方々に支えられて、舞台で生き生きのびのびと踊ることができます。そういう感謝も忘れずに、今年は今まで以上に張り切って、はじけて、踊っていきたいと思っています。

 宮城:アシスタントの木野彩子さんは大変優れたダンサーで、ご自身でも作品を発表されています。

 ↓出演者の高瀬竣介さん
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 高瀬:自分はメンバーの中で唯一の男で、最初は自分の演技に自信がなくて、稽古も通うのが辛くて嫌だったんです。でもニヤカムさんが温かく、みんなを家族の一員として見てくれて、ニヤカムさんと木野さんとメンバー12人が、自分にとって居やすくて心地よい環境になって、会えることがすごく楽しくなりました。年を重ねていくうちにメンバーが若い子たちに変わっていって、自分が引っ張っていかなきゃいけない立場になった。そうしたら自信がついてきて、自分が恥ずかしがってはいられないなと思っています。今は学校にいるうちからいつも「早く夏にならないかな、早く稽古始まらないかな」と思うようになりました。今年が最後になると思います。今まで以上の、最高の公演になるように、子供らしい、子供ならではのパワーをお客さんに届けられたらいいなと思います。がんばります。

 宮城:僕はこの作品はもう何べん観たかわからないんですけど(笑)、とにかく何べん観ても毎回別の世界に連れていかれるんですね。観終わった後に高い敷居をまたがないと元の世界に戻れなくなるんです。
 ニヤカムさんはモラルや体の在り方、生き方などの全てにおいて、あまりにも純粋な方。あんなに計算や処世術といったことを持ち込まないで、今日の資本主義社会でやっていけていること自体が驚きです(笑)。そういう意味で非常に珍しい人なんですね。“今日の社会”においては特殊な人物で、“本当の世界”から言えば非常に真っ当な人かもしれないんですけど。
 ニヤカムさん自身は自分は孤独だなんて言い方は絶対しないけれども、今の世界では途方もない孤独においやられていると思います。それは母国カメルーンにおいてさえも。この「社会から切り離されてしまったが、もっと巨大な世界とは密接に結びついている」という感覚が、『タカセの夢』という作品の世界そのものなんじゃないかと思います。
 高瀬くんは最初にまるでニヤカムさんの少年時代の分身のように出てくるんです。夢想の世界にしか自分の居場所を見つけられない少年がたった1人で登場し、だんだんと大きな世界と結びついていく。最後は子供たち10人が、先祖から子孫にいたる大きな流れの、リングの中のひとつの輪となっていく。そういうエンディングです。まだご覧いただいてない方には、ぜひご覧いただきたいと思います。


 ■KUDAN Project『真夜中の弥次さん喜多さん』 ※前売り完売 ⇒過去レビュー

 解説:アッと驚く仕掛け、スピーディな展開は最後まで目が離せない。しりあがり寿と天野天街、漫画界と演劇界を代表する二人の鬼才による奇想天外演劇。静岡初演となる今公演は1回限りのステージです。

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天野天街さん

 天野:この紹介映像はネタがばれないように派手なところを削ってますので、普通のお芝居みたいに見えてますけど(笑)、秒単位でおかしなことが起こっていきます。とても小さな劇場でやることを前提として作った芝居です。初演は2002年ですから12年前です。去年も東京で上演したんですが、ほとんど何も変えていません。いつもは本当に小さな小屋で細かいことをいっぱいやるんですが、今回は広い劇場です。それはそれで見え方も面白いんじゃないかと思います。…あまり内容のことは言いたくないんですね、実はね(笑)。

 KUDAN Projectは小熊ヒデジと寺十吾という2人の俳優の2人芝居のためにつくったユニットです。それぞれに別の劇団をやっていて、こういう芝居をやる時に集まります。『真夜中の~』は12年の間に中国や東南アジアでも上演しました。「この世界は、有るのか無いのか」「私という存在は、居るのか居ないのか」に特化した、「明確なものとはいったい何なんだろう」「わかってしまったものとはいったい何なんだろう」という話でございます。

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 天野:物語は抽象的ではないんですけどね。原作は十返舎一九の「東海道中膝栗毛」をもとにした漫画で、ヤク中の喜多さんと、喜多さんを恋い慕う弥次さんという2人の男が、お伊勢を目指すロードムービーです。「お伊勢に行けば何とかなる、他のところに行ける」と信じて、伊勢という地続きの場所よりももっともっと遠くのシャンバラ(理想郷)を目指す2人は、一体どうなってしまうんだろう…というのが眼目の漫画であり、芝居であります。
 原作では本当に色んな場所で色んなことが起こります。この芝居はそのロードムービーの中の、ある一か所で、先にも後ろにも、進めないし戻れないような状況下に、色んなものをぶち込むという形を取っております。ともかく、ともかく、色んなことが起こるので、少なくとも飽きるような芝居はございません!(→隣席の宮城さんが笑う) 自分の作品を語るのは本当に苦手なんですが(笑)、そのような感じです。どうもすみません。

 宮城:今年のせかい演劇祭に日本の演劇を1つを選ぶならばコレだと、迷わず思いついた作品です。天野さんはまさに「こういう人も日本にいるんだ!」と驚かされるような方なので(笑)。先ほど多様性や異なる価値観の話をしましたが、「本当にこういう人がいるんだ、人間って捨てたもんじゃないぞ」とつくづく実感させてくれる作品だと思います。


 ■ニコラス・シュテーマン演出『ファウスト 第一部』
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 解説:文豪ゲーテによる『ファウスト』は世界文学の最高峰と評される長編戯曲です。大変注目を集めるドイツの演出家ニコラス・シュテーマンによる2012年の舞台『ファウスト』は、ベルリン演劇祭で高い評価を受け、シュテーマン氏は批評誌の年間最優秀演出家賞に輝きました。二部構成で上演時間が8時間を超える長さにもかかわらず、観客を夢中にさせ続けた作品で、今回は第一部のみを上演。もちろん日本初演です。悪魔に魂を売った天才が見た甘美な悪夢をお楽しみください。

 宮城:第一部のみですが、第一部だけでも数百ページある戯曲です(笑)。この作品を観た時、俳優の魅力というのか、いい役者っていうのはこういうものなのかとつくづく思いました。最初のうちは何人かの役者が役を交換したり、一人の役者がいくつもの役を読んだり、稽古場であたりをつけているような感じで始まるんです。だんだん主役が決まっていくんだけれども、いわゆる美形、美声、体のキレといった普通の物差しで測れるような良さとは全然違っていて、ともかく目が離せなくなってくるんですね。シュテーマンさんはドイツを代表する演出家で、その初めての日本公演ですので、ぜひご注目ください。


 ■日仏合作『ジャン×Keitaの隊長退屈男』 ※世界初演
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 解説:フランスの演出家ジャン・ランベール=ヴィルドが、SPACの肉体派俳優、三島景太の演技に一目ぼれして実現したフランスと日本の合作。昨年から2ヶ国で稽古を重ね、ついに誕生する一人芝居。朽ちた櫓に浮かぶイワタニ隊長。果てなき夢想の行く末は!?

 宮城:今、映像で写されていたのはフランスでの試演会の様子です。ほとんどの観客は日本語のセリフがわからなかったはずなのに、みんな感動してしまったそうです。
 今日(こんにち)、“男の誇り”ってなかなか見つけ出すことができませんよね。夢だ、虚妄だ、既にそんなものあり得ないと言われるような“男の誇り”を追及していく内に、意外にもフランス人のジャン・ランベール=ヴィルドと三島景太の共通項があぶりだされてきて、それが観客に伝わったんじゃないかと。体だけ見ていても十分楽しめる、そういう作品だと思います。


 ■スペインの体験型演劇『よく生きる/死ぬためのちょっとしたレッスン』
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 解説:コロンビア出身の文化人類学者でもある演出家エンリケ・バルガスによる参加型演劇です。スペインのバルセロナの劇団テアトロ・デ・ロス・センティードスの劇団名の意味は“五感の劇場”。さまざまな特技を持ったパフォーマーや多様な専門分野の研究者で構成され、エンリケ・バルガスとの共同製作を続けています。人間の感覚を総動員し、手探りで楽しむこの作品。参加者自身が主役となる新感覚の体感型パフォーマンスです。
 ※会場は静岡県職員会館もくせい会館です。

 宮城:『真夜中の弥次さん喜多さん』と同様にネタバレになるので何一つ言えないんです…。何も知らないで体験していただく。それに勝ることはないですね(笑)。とにかく体験していただく作品です。


 ■ジゼル・ヴィエンヌ演出『マネキンに恋して-ショールーム・ダミーズ-』 
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 解説:演出家、振付家、人形作家とさまざまな肩書を持つフランスの異才ジゼル・ヴィエンヌ。彼女とロレーヌ国立バレエ団のコラボレーションで生まれたこの作品は、バレエというジャンルを超えた斬新な光景を見せてくれます。無表情で不気味なマネキンを演じる美しいバレリーナと、ジゼル自身が創作した生身の人間のような人形は時に官能的で、時にシュールでもあります。歌う場面を除けば、まったく言葉のない舞台でありながら、観客の脳裏には実にさまざまな言葉が飛び交います。この強烈な観劇体験から得る衝撃は、くせになるはず。

 宮城:ジゼル・ヴィエンヌさんは僕が今とっても注目しているアーティストで、もともと人形劇の出身です。この後に続く『Jerk ジャーク』という作品と2つ合わせてご紹介したいと思ったのは、『マネキンに恋して』と『ジャーク』という彼女の代表作の2つは、ちょうど南極と北極のように彼女の幅の両端を示していて、両方を観ていただくことによってアーティストの全貌が把握できると思ったからなんです。


 ■ジゼル・ヴィエンヌ演出『Jerk ジャーク』 
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 解説:ジゼル・ヴィエンヌ演出によるもう1つの作品です。1970年代、アメリカで実際に起きた連続少年殺人事件を基にした問題作。自作の等身大人形と俳優を共演させ人間に潜む暗闇を描いてきたジゼル・ヴィエンヌ。この作品ではグローブ・パペットを使い、俳優ジョナタン・カプドゥヴィエルの膝の上で実際に起こった惨劇を再現します。2つの人格を演じ分ける俳優の演技力と卓越した腹話術に観客の心はかき乱されます。原作はアメリカのゲイ・カルチャーを牽引し続けるデニス・クーパー。なお、今作品には刺激の強い表現がありますので、18歳未満の方はご遠慮いただきます。

 宮城:題材もそうなんですけど、これも世界から切り離されたと感じている人間が主人公です。おそらく僕の想像では、ジゼルさん自身がそういった感覚を根源に持っているんだろうと思います。自分は世界から切り離されていて、自分だけの小さなカプセルの中で生きてるような感じ。そういう人間が自分を世界に開いていこう、世界と自分の間に橋をかけようとする、その時に、悲劇や滑稽なことが起こる。その時のあえぎやジタバタが、人の奥底に眠っている孤独を引っ張り出してきて、共感を呼んでいるのではないかと思います。
 実は僕は天野さんの作品にもそういう感覚を持っています。自分だけの世界に安住すれば楽なんですけれども、なんとか自分と世界の間に橋をかけよう、手をかけようとする時に、すごくしんどい状況が生まれる。でもそこと向き合い、目をそらさないことから、作品は生まれてくる。そこに僕は希望を感じます。


 ■ドキュメンタリー映画「ピーター・ブルックのザ・タイトロープ(原題)」
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 解説:巨匠ピーター・ブルックの創作現場。その秘められた扉がついに開かれました。飽くなき芸術性の探求とその遊び心をも映像に収めた、演劇ファンならずとも必見のドキュメンタリー映画です。
 ※2014年秋、渋谷シアター・イメージフォーラム他全国ロードショーを予定。


 ■映像作品「ピーター・ブルックのマハーバーラタ」
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 解説:インドの壮大な叙事詩『マハーバーラタ』。1985年にピーター・ブルックが舞台化し、アヴィニョン演劇祭で初演。9時間にも及ぶ上演は世界的な反響を巻き起こし、演劇史に残る伝説となって今に語られます。この作品は1989年に製作されました。


 ■ドキュメンタリー映画「アヴィニョン演劇祭の60年~世界最大の演劇祭はこうして生まれた」
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 解説:第2次大戦後間もない1947年、演出家ジャン・ヴィラールによってアヴィニョン演劇祭は創設されました。ピーター・ブルック、太陽劇団、ピナ・バウシュ等、多くの偉大な芸術家たちがその名を刻んだ「演劇の聖地」は、現在でも「芸術創造のための実験室」という創設時の精神が息づいています。本作はアヴィニョン演劇祭のディレクターを15年に渡ってつとめた、ベルナール・フェーヴル=ダルシエの脚本によるものです。アヴィニョン演劇祭の歴史をおさめた貴重なドキュメンタリー映像となっており、すべての演劇ファンの皆様にぜひご覧いただきたい作品です。


 ■ドキュメンタリー映画「ピーター・ブルックの演劇的冒険―アフリカの100日」 ⇒公式サイト
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 解説:急きょ上映が決まりました。1972年12月、ピーター・ブルックと彼の俳優らによる一座は拠点であるパリを離れ、サハラ砂漠に消えていきました。訪れた村々で言葉の通じない村人を前に即興のパフォーマンスをする俳優たち。奇跡を探求してアフリカの辺境まで数千マイルをめぐる約100日間の驚くべき旅の記録です。1973年の放映より失われかけており、30年以上を経て発見された貴重なドキュメンタリー映像が、静岡で再び明らかになります。

 宮城:最後の映像作品を大変なサプライズとしてご紹介したいと思います。僕は今からもう観たくてしょうがないんです。1972年の作品なので、当たり前ですが当時のミリアム・ゴルトシュミットさんや、今より40年若い笈田ヨシさんが映ってます(笑)。演劇の本質中の本質を探るために旅に出ていったんですね。僕も演劇というものを見つけるために、現代演劇なんてひとつもないところに自分たちの芝居を持って行っていた人間です。

 宮城:ピーター・ブルックほど多様性に価値を見出して、そこにこそ演劇の面白味があると主張し続けている人は他にいないと思います。その多様性のひとつの極点をこのいくつかの映画で見ていただけるんじゃないかと思います。また「アヴィニョン演劇祭の60年」の中には、石切り場で上演され神話となっている、ピーター・ブルック演出の『マハーバーラタ』の様子も少し収められています。そちらもぜひお楽しみいただければと思います。

 ⇒写真レポート②に続く


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:58 | TrackBack

2014年04月02日

ハイリンド『きゅうりの花』04/02-07小劇場B1

 加藤健一事務所俳優教室出身の俳優4人による劇団ハイリンドの第14回公演。MONOの土田英生さんの戯曲を扇田拓也が演出されます。初日の上演時間は約1時間50分でした。開演が少し遅れていたので、明日からはもっと短めになるかもしれませんね。

 下北沢の新しい劇場である小劇場B1に初めて伺いました。北沢タウンホールの地下1階にあり、小劇場楽園のようにL字型の客席がステージを囲みます。でも柱はありません。客席数は楽園より多くて、イスとイスとの間隔が広い目なのが快適でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『きゅうりの花』※こりっちでカンタン予約!

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 とある過疎地の青少年文化センターの活動室。
 村おこし会議の為に集まった青年会の男女七人。
 ライバルの隣村に対抗すべく
 出されたアイディアは
 古くから伝わる民謡を――。

 旗揚げ公演にて土田英生氏の名作
 「―初恋」を上演したハイリンドが
 4人揃ろい踏みでお送りするのは
 土田氏の代表作「きゅうりの花」。

 いち、2年ぶりに~♪
 さん、4人そろう~♪
 ご、ろく、ななで
 8いりん10~♪
 ソレ、ハイリンド!!
 ≪ここまで介≫

 『きゅうりの花』は土田英生さんが作・演出されるMONOの公演を観たことがあります。基本は笑いが次々と生まれるトボけたやり取りなのですが、突然ヌルリと悪意が飛び出して来て、空気を支配します。その意地悪い雰囲気やスリルが好きなんですよね。今作の演出は扇田拓也さん。ハイリンドという劇団ならではの味も出ているのだと思いますが、MONO版と比較するとシュールよりストレート、苦笑いより大笑いでした。

 ここからネタバレします。

 ごくごく個人的な好みの問題なんですが、喪服が出てきた途端に冷めてしまう自分が居ました。もうこればっかりは仕方がないですね…。

ハイリンドvol.15 下北沢 小劇場B1オープニング記念公演
【出演】伊原農:無農薬農業を実践中・理論づめでケンカっぱやい/枝元萌:本屋の息子の嫁・夫の実家で同居中の姑にいじめられる・ペン習字の先生/多根周作:本屋の息子・東京で出会った静岡出身の女性と結婚・リストラされて妻と帰郷・優柔不断/はざまみゆき:子持ちの出戻り・スーパーマーケットの娘/宮内勇輝(劇団フルタ丸):農家を継ぐかどうか考え中の若者・陶芸の先生/白州本樹:町の有力者の息子/山口森広(ONEOR8):さかんにお見合いパーティーに行く独身男性・出戻りの娘に少し横恋慕
脚本:土田英生(MONO) 演出:扇田拓也 舞台監督 井関景太(るうと工房) 照明:石島奈津子(東京舞台照明) 音響:平井隆史(末広寿司) 舞台美術:向井登子 衣裳:阿部美千代(MIHYプロデュース) 宣伝美術:西山昭彦 スチール:夏生かれん 撮影ヘアメイク:田沢麻利子 Webデザイン:藪地健司・夏子 ハイ友:磯見美麦之 主催:ハイリンド 制作:上田郁子(office mube) 側で応援:石川はるか 協賛:(有)ベテルギウス special thanks:水下きよし(花組芝居)
【発売日】2014/03/01 一般:前売/当日 3,500円  賛助会員:2,500円(全ステージ共通) 学生(高校生以下)割引 前売/当日 2,500円(当日精算のみ)★ 前半平日割(2日19:30、3日14:00/19:30の回):前売/当日 3,000円
http://www.hylind.net/play/20140402.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:53 | TrackBack

2014年04月01日

【エキストラ募集】維新派「10月新作野外公演のエキストラキャスト募集」※6/8〆切(郵送のみ)

 松本雄吉さん率いる維新派が、今年10月に大阪で行われる新作野外公演のエキストラキャストを募集しています。応募者多数の場合のみ、面談による審査あり。大阪での野外公演は10年ぶりで、今後しばらくは大阪での野外公演の予定はないとのこと。以下は公式サイトより。

 松本さんの次回作は新国立劇場で製作される『十九歳のジェイコブ』(公演期間は6/11-29)です。

 ■維新派2014新作公演・エキストラキャスト募集
  公演概要:10月に2~3週間、大阪で上演予定
  ※稽古は8~9月の主に夜間、大阪で実施。
  応募条件:年齢35歳以下・性別/経験不問
  募集人数:10人程度
  締切:2014年6月8日(日)郵送必着

■今秋10月の新作野外公演に向けて、全国からエキストラキャストを募集します。

維新派を見たことがある方は、今回は出演者として、見たことが無い方は、どうせなら作品に深く関われる出演者として。大阪での野外公演は10年ぶりですが、今後しばらく大阪での野外公演は予定しておりません。この機会に、興味を持たれた方は、是非ご応募ください。

【公演概要】
10月に2~3週間、大阪で上演予定

【応募条件】
年齢35歳以下 ・ 性別/経験不問 10人程度
2014年10月の本番(約3週間)に全日参加できること
8~9月の主に夜間、大阪市内での稽古に参加できること
(稽古への参加日程は、応募者の方々の状況に応じて調整します。)

※芸能事務所にご所属の方はご遠慮ください。
※応募者多数の場合のみ、面談による審査をいたします。

【締切】2014年6月8日(日)必着

【応募方法】
下記の内容をメールか、維新派事務所への郵送でお送りください。

1)氏名(ふりがな)
2)住所
3)年齢
4)身長・体重
5)電話番号
6)連絡のつくメールアドレス
7)その他特記事項〔もしあれば〕

※ご応募いただきましたら、必ず折り返しご連絡いたします。メールでのご応募の場合、エラーもございますので、もし、1週間以内に連絡がなければ、お手数ですが、一度お電話にてご連絡ください。

【応募/問い合わせ先】
維新派事務所
〒542-0012 大阪市中央区谷町6-4-16-302
担当:清水  tsubasa(アットマーク)ishinha.com
TEL:06-6763-2634

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【オーディション】Tsuchipro「2014年10月の土田英生書き下ろし新作公演の出演者募集」※4/22〆切(郵送のみ)

 俳優の土屋士さんが主宰される演劇集団「Tsuchipro」が、MONOの土田英生さんが書き下ろす新作公演の出演者を募集しています。以下は公式サイトより。⇒過去レビュー

 ■Tsuchipro第8回公演「2つのコップを使って自分を量る」
  2014年10月15日(水)~10月21日(火)
  @下北沢 OFF・OFFシアター
  作/土田英生(MONO) 演出/須藤黄英(青年座)
 ・募集キャスト ※登場人物は7名。
  女性2名(20代前半~30代前半を対象)
  男性1名(30代~40代を対象)

  締切:2014年4月22日(火)必着。当日消印有効。

■2014年秋上演、Tsuchipro第8回公演作品において出演者オーディションを開催いたします。

■公演概要
Tsuchipro第8回公演
2014年10月15日(水)~10月21日(火)
下北沢 OFF・OFFシアター

「2つのコップを使って自分を量る」

劇作/土田英生(MONO)
演出/須藤黄英(青年座)
出演/小飯塚貴世江(クリオネ)、正村徹、土屋士 ほか
制作 /J-Stage Navi

■作品紹介
現代社会において、ルール・常識・個人の価値観は危うく、本音と建前、個々の僅かな価値観の差異は非常に微妙なバランスを保っている。
本作では常識的で社交性をもつある男が、ある日を境目にこれまでの自分の言動を否定される状態に陥って行く様を滑稽に描く。
どこにでも見られる日常会話に潜む僅かなズレから生じた、ある男のアイデンティティーの崩壊。
目の前で起こるリアルな設定と濃厚な会話の中に繰り広げられる不条理な物語。会話劇に定評ある土田英生だからこそ描ける現代性に富むオリジナル作品。
ツチプロが土田英生とガッツリとタッグを組んだ新作は10月上演です!

■募集キャスト
□女性→2名 (20代前半~30代前半を対象)
□男性→1名 (30代~40代を対象)
※登場人物は7名。

■出演料
1ステージ制→金額は実力やキャリアに応じて要相談。
(10ステージを予定)

■応募条件
下記条件を満たす方に限りご応募ください。
経験の有無は不問ですが、事務所に所属されている方は必ず承認を得た上でお申し込み下さい。
・4/22(火)迄にプロフィールを以下窓口に送付して下さい。
・書類選考を通過した上で、以下の日程で行われるオーディションに参加可能な方。

4月30日 (水)18時~22時
5月8日 (木)13時~17時
5月9日 (金)13時~17時
※全て都内某所にて。

・合否はオーディション終了後、書面送付にて発表。
・6月~8月で予定するワークショップ形式の稽古に参加可能な方。
(演出家と出演者による。月1~2回程度)
・9月中旬からの本稽古および全公演期間に参加可能な方。

■選考過程
書類選考の結果を後日返信郵送にて通知。
※書類選考通過者には、オーディション詳細を同封返信いたします。
 ↓
オーディション実施。
※全て都内某所。
※選考結果は5月中旬にご連絡いたします。
※オーディション選考にかかる費用はありません。
(オーディション会場への交通費、返信用の切手代をのぞく)

■応募方法
郵送のみにて受け付け。
締切→2014年4月22日(火)必着。当日消印有効。

1、プロフィールまたは履歴書
※写真2枚(バストショット・全身写真)、3サイズ、芸歴、連絡先電番を必ず明記。
2、志望動機(形式文字数不問)
3、返信用の長形3号封筒を同封。
※返信用封筒には82円分の切手を貼付け、返信先ご住所の明記をお願い致します。

上記、3点を同封のうえ下記住所までご郵送ください。

※応募書類は返却いたしません。また応募書類はオーディション以外の目的では一切使用いたしません。

■郵送応募先
〒176-0006
練馬区栄町37-3 高田ハイツ102
J-Stage Navi 内
Tsuchipro オーディション事務局宛
Tel:03-5912-0840
Fax:03-3994-8662

■土田英生プロフィール
劇作家・演出家/MONO代表
’89年に「B級プラクティス」(現MONO)結成。’90年以降全作品の作・演出を担当する。’99年『その鉄塔に男たちはいるという』で第6 回OMS戯曲賞大賞を受賞。’01年文学座に書きおろした『崩れた石垣、のぼる鮭たち』で第56回芸術祭賞優秀賞を受賞。’03年文化庁の新進芸 術家留学制度で一年間ロンドンに留学。劇作と並行してテレビドラマ・映画脚本の執筆も多数。その代表作に『斉藤さん』『斉藤さん2』(NTV)映画『約三十の嘘』『初夜と蓮根』など。

■主催団体紹介
2002年、企画ごとに公演を立ち上げるプロデューススタイルの演劇集団として、土屋士が主宰として設立。 劇団Studio Life・伊藤正次演劇研究所を経た土屋が戯曲選びを始めとした企画製作の準備力に重点を置き、魅力的な俳優、スタッフらと共に<活力・思考・時代性>に富む、舞台作品の上演を目指す。 量産することよりも一回の公演製作の質をどれだけ高められるかに重きを置く。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:00 | TrackBack

【オーディション】やなぎみわ演劇プロジェクト「『ゼロ・アワー -東京ローズ最後のテープ-』米国公演オーディション」※4/20〆切(メールのみ)

 美術作家のやなぎみわさんの作品『ゼロ・アワー-東京ローズ最後のテープ-』の米国公演が行われることになり、その出演者オーディションが実施されます。⇒2013年公演の公式サイト

 京都での稽古とトライアウト公演の後、2015年1~2月にアメリカの数都市で公演を行う予定だそうです。以下、CoRich舞台芸術!の掲示板より。

 <オーディション要項>
  日程:2014年4月23日(水)、24日(木)のいずれか一日
   ※時間帯は15~19時を予定
  会場:京都造形芸術大学 京都・瓜生山キャンパス
  参加費:無料
  応募締切:2014年4月20日(日)23:59 ※メールのみ
 <募集内容>
  男優:20-30歳代(位に見えればOK)、英語が話せる方なおよし
  女優:20-30歳代(位に見えればOK)、英語が話せる方、ダンス等の経験者なおよし

 ■やなぎみわ演劇プロジェクト『ゼロ・アワー -東京ローズ最後のテープ-』米国公演オーディション

『ゼロ・アワー-東京ローズ最後のテープ-』は、現代美術家であり、近年は劇作家・演出家としても活躍するやなぎみわの作・演出で、2014年7月KAAT神奈川芸術劇場、8月愛知芸術劇場(あいちトリエンナーレ招聘)にて、上演されました。
この作品は、歴史におけるプロパガンダと<声>をテーマとして、第二次世界大戦中に実際に起こった史実をもとに描き、大変話題となった作品です。そして2015年1~2月、「終戦70年」を迎えるアメリカで、この作品を上演する運びとなりました。
今回、京都で海外公演のためのリクリエーションを行うにあたり、出演者をオーディションにて選考いたします。京都で稽古とトライアウト公演を行った後、アメリカの数都市で公演を行う予定です。皆さんのご応募をお待ちしています。

◎やなぎみわからのメッセージ
南太平洋の戦艦の兵士たちに向かって「太平洋の孤児たち」と語りかけた魅力的な女性の声。遠く東京から発せられた声の主は日系アメリカ人であり、彼らも日本の中で孤立した「太平洋の孤児たち」でした。
戦後70年の年に日米で上演される「ゼロ・アワー」は、声によって立ち上がる世界をさらに豊かにさせていくつもりです。
本作は、俳優の方々の「声の力」を何よりも求めています。

◎やなぎみわプロフィール
美術作家。1993年、京都で初個展を開催し、1996年以降、海外の展覧会にも多数参加。2009年には、ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館代表作家を務めた。主な作品に、若い女性が自らの半世紀後の姿を演じる写真シリーズ『マイ・グランドマザーズ』、実際の年配の女性が祖母の想い出を語るビデオシリーズ『グランドドーターズ』などがある。数年前から活動領域を演劇にも広げ、2011~2012年、近代日本における諸芸術運動の成立・混淆をテーマとする『1924三部作』を制作・上演したほか、2013年『パノラマ』を鳥の劇場、京阪電車アートエリアB1にて、2014年『ゼロ・アワー-東京ローズ最後のテープ-』をKAAT神奈川芸術劇場と愛知県芸術劇場にて上演した。

<オーディション要項>
●日程 2014年4月23日(水)、24日(木)のいずれか一日
*時間帯は15~19時を予定しています
●会場 京都造形芸術大学 京都・瓜生山キャンパス
〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
●参加費 無料
●応募締切 2014年4月20日(日)23:59
●応募方法 専用申込用紙に必要事項をご記入の上、件名を「オーディション応募」とし、バストアップ写真、全身写真(1MG以下/JPGデータ)とともにメールにてお送り下さい。こちらからの返信をもって申込受領といたします。

<募集内容>
●男優  20-30歳代(位に見えればOK)、英語が話せる方なおよし
●女優  20-30歳代(位に見えればOK)、英語が話せる方、ダンス等の経験者なおよし

※オーディション詳細、参加申込み詳細は、下記のリンクよりご確認下さい。
http://www.yanagimiwa.net/

<お問合わせ>
やなぎみわ演劇プロジェクト 担当:井上
yanagi1924(アットマーク)gmail.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:28 | TrackBack

メルマガ 2014年04月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2014年4月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。

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┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 118    2014.04.01  2,071部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎春!今月のメルマガはゴールデンウィークの観劇計画の参考にもどうぞ。
  消費税8%ですね…生活はどう変わるんでしょうか。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

 ◎facebookページ↓でブログ更新を報告しています。
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○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→新国立劇場演劇『マニラ瑞穂記』
       04/03-20新国立劇場小劇場
       http://bit.ly/1iG1rfY

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→東京芸術劇場『おそるべき親たち』
       03/02-16東京芸術劇場シアターウエスト
    https://www.geigeki.jp/performance/theater041/

 ◆3【黄金週間はSPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭」を観に静岡へGO!】

   ◎アヴィニオン演劇祭に公式招待された『マハーバーラタ』は必見!
    http://www.spac.or.jp/14_fujinokuni.html

 ◆4【「CoRich舞台芸術まつり!2014春」最終選考中! 】

   ◎先月は5作品鑑賞しました。今月は1作品です。
    http://stage.corich.jp/festival2014/result.php

 ◆5【英国ロイヤル・ナショナル・シアターの演劇を全国の映画館で】

   ◎「ナショナル・シアター・ライヴ 2014」のラインアップは6本!
    http://www.ntlive.jp/

 ◆6【編集後記】

   ◎「高校生劇評グランプリ」の結果が発表され、表彰式が行われました。

 ◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※間違いがあるかもしれません。最新情報や詳細は公式サイトでご確認を。


★1.新国立劇場演劇『マニラ瑞穂記』
  04/03-20新国立劇場小劇場
  ☆出演:千葉哲也 山西惇 稲川実代子 古河耕史 高島レイ(高:はしご高)
    前田一世 宇井晴雄 今泉薫 藤井咲有里 長本批呂士 今井聡
    木原梨里子 斉藤まりえ 仙崎貴子 原一登 日沼さくら 大里秀一郎
    梶原航 形桐レイメイ 林田航平
   脚本:秋元松代 演出:栗山民也
   A席5,400円 B席3,240円 Z席1,620円
   ※就学前のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮ください。
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/140401_001632.html
   メルマガ2月号でお薦め前売り情報にも掲載した公演です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0201000012.html
   ぴあ↓稽古場レポ「現代を映した“危険な”歴史劇で千葉哲也ら躍動!」
    http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201403260008

  ●お薦めポイント●
   時は1898年、舞台はスペインからの独立運動が激化するフィリピンの
   首都マニラにある日本領事館。領事、独立運動を支持する日本の若者、
   生きるために体を売る若い“からゆきさん”など、
   身分も立場も目的も違う人々が、激しくぶつかり合います。
   国と国との争いに庶民が巻き込まれる理不尽さは、現代も同じ。
   身分違いの恋などのロマンティックなエピソードもあり、
   考えさせられる娯楽作として、多くの方にお薦めできる作品です。

   新国立劇場演劇研修所の修了生が出演するシリーズの第2弾で(第1弾↓)
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000602_play.html
   出演者20人のうち17人が修了生です。私は2011年の同研修所の試演会で
   『マニラ瑞穂記』の2バージョンを拝見。稽古場レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1231184251.html
   ご覧になった方と「あれは面白かったよね~」と今も話題に上ります。
   実はチラシのデザインが作品にぴったり。衝撃が蘇ります。


2.東宝芸能、関西テレビ放送『今度は愛妻家』
  04/04-19東京芸術劇場 シアターウエスト
  ≪東京、愛知、兵庫≫
  ☆出演:瀬奈じゅん、葛山信吾、村井國夫、
      入野自由、石井一彰(Wキャスト)
      名塚佳織、今村美乃(Wキャスト)
   脚本:中谷まゆみ 演出:板垣恭一
   ¥7,600 ※未就学児童入場不可
    http://www.aisai-ka.com/
   『今度は愛妻家』は映画化↓もされた戯曲で、大人の夫婦の切ないお話。
    http://www.toei.co.jp/movie/details/1175461_951.html
   2002年に拝見した時、村井國夫さんの役は高橋長英さんが演じて
   らっしゃいました。村井さんの化けっぷりが見てみたいです。


3.Quaras『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
  04/04-20世田谷パブリックシアター
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:森田剛、高岡早紀、小島聖、西尾まり、宮菜穂子、柴一平、
      安田栄徳、石橋徹郎、久保酎吉、入江雅人、木野花
   原作:マーク・ハッドン 脚本:サイモン・スティーヴンス
   上演台本:蓬莱竜太 演出:鈴木裕美
   S席11,000円 A席9,000円
    http://www.cidn.jp/
   英国の劇作家サイモン・スティーヴンスさんの戯曲を、鈴木裕美さんが演出。
   上演台本は蓬莱竜太さんです。スティーヴンス作品の過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1108005908.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0926221819.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1211153405.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0725153920.html
   鈴木さんはジャニーズ事務所のスターが出演する公演で、幾度も
   高品質の演出をされています。蓬莱戯曲&鈴木演出作品の過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0724235206.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0626235711.html


4.パルコ・プロデュース『金閣寺 The Temple of the Golden Pavilion』
  04/05-19赤坂ACTシアター
  ☆出演:柳楽優弥、水橋研ニ、水田航生、市川由衣、高橋長英、
      大西多摩恵、花王おさむ、山川冬樹、磯部勉、
      大駱駝艦(6名)、岡田あがさ、天正彩
   原作:三島由紀夫 原作翻案:セルジュ・ラモット
   脚本:伊藤ちひろ、宮本亜門 演出:宮本亜門
   S席:8,500円 A席:6,000円 U-25チケット:4,500円(25歳以下)
   高校生以下チケット¥2,500※4/5(土)18:30、6(日)13:30公演のみ
   ※未就学児の入場不可
    http://www.parco-play.com/web/program/kinkakuji2014/
   三島由紀夫の小説を宮本亜門さんの演出で舞台化。主役が森田剛さん
   から柳楽優弥さんにバトンタッチし、他のキャストも変更あり。
   KAATで観た初演は、ラストシーンの静寂が良かったと記憶しています。


5.明治座『きりきり舞い』
  04/06-26明治座
  ☆出演:田中麗奈 加藤雅也 山崎静代 板尾創路 熊谷真実 篠井英介 他
   原作:諸田玲子 脚本:田村孝裕 演出:上村聡史
   税別価格:S席10,000円 A席7,000円 B席5,000円 C席3,000円
    http://www.meijiza.co.jp/info/2014_04/
   いわゆる商業演劇公演ですが、脚本が田村孝裕さん、
   演出が上村聡史さんなので観ることにしました。
   田中麗奈さんの初舞台↓は田村さんの作・演出でしたね。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1012194652.html
   松井周、サルトル↓、商業と来た上村さんの守備範囲の広さも確かめたく。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0223172337.html


6.ホリプロ『酒と涙とジキルとハイド』
  04/08-30東京芸術劇場プレイハウス ※4月8日、9日はプレビュー
  05/04-18天王洲 銀河劇場
  ☆出演:片岡愛之助、優香、藤井隆、迫田孝
   脚本・演出:三谷幸喜
   S席¥9,500 A席¥7,500 U-25チケット¥5,500(※25歳以下対象)
   4/8, 4/9のプレビュー公演:全席指定S¥8,500、A¥6,500、
   高校生割引¥1000(東京芸術劇場のプレビュー公演のみ)
    http://hpot.jp/stage/sakenamida
   三谷幸喜さんの新作は“観劇後に何も残らない純然たる喜劇”とのこと!
   昨年のテレビドラマで大ブレイクした歌舞伎俳優の片岡愛之助さんが
   現代演劇に出演。愛之助さんは8月の『炎立つ』↓にも出演されます。
    http://www.homuratatsu.com/


7.劇団東京乾電池
  『そして誰もいなくなった-ゴドーを待つ十人のインディアン-』
  04/10-20本多劇場
  ≪北海道、東京≫
  ☆出演:柄本明、綾田俊樹、柄本時生、作間ゆい、戸辺俊介、伊東潤、他
   脚本:別役実 演出:柄本明
   前売4,500円 当日4,800円 高校生以下2,500円
    http://www.tokyo-kandenchi.com/2014soshite.html
   3月の北海道公演についての記事↓
    http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/eventdata/224988.php
   別役実さんの戯曲を柄本明さん率いる劇団東京乾電池が幾度目かの再演。
   2011年以来の上演で、柄本さんが初演出されるそうです。
   前作↓が面白かったのと、柄本時生さんの出演もあり気になってます。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0109233229.html


8.ナイロン100℃
  『パン屋文六の思案~続・岸田國士一幕劇コレクション~』
  04/10-05/03青山円形劇場
  ☆出演:みのすけ 松永玲子 村岡希美 長田奈麻 新谷真弓 
    安澤千草 廣川三憲 藤田秀世 吉増裕士 眼鏡太郎 猪俣三四郎 
    水野小論 伊与勢我無 菊池明明 森田甘路 木乃江祐希 萩原聖人 
    緒川たまき 植本潤 小野ゆり子 志賀廣太郎
   作:岸田國士 潤色・構成・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
   衣裳監修:豆千代女史 振付:井手茂太
   一般:6,900円(前売・当日共) 学生引換券:4,300円
    http://cubeinc.co.jp/stage/info/nylon41th.html
   岸田國士戯曲をケラリーノ・サンドロヴィッチさんが潤色・構成・演出
   されるのは2度目。7年前↓も青山円形劇場でした。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0518130603.html
   短編コラージュでダンスもあり、円形空間でしか味わえない
   ポップな和装劇になるのではないでしょうか。KERAさんのツイート↓
    https://twitter.com/kerasand/status/443117138874601472
    https://twitter.com/kerasand/status/443121390133075969
    https://twitter.com/kerasand/status/446039920369356802
   CINRA↓「ケラリーノ・サンドロヴィッチさんインタビュー」
    http://www.cinra.net/interview/201403-nylon


9.シベリア少女鉄道
  『あのっ、先輩…ちょっとお話が…
   …ダメ!だってこんなのって…迷惑ですよね?』
  04/16-20座・高円寺1
  ☆出演:篠塚茜 川田智美 加藤雅人 小関えりか 岸茉莉 雨宮生成 竹岡常吉
   脚本・演出:土屋亮一
   前売・当日とも4,000円
    http://www.siberia.jp/nextstage.html
   トリッキーでばかばかしさ炸裂のお芝居をつくるシベリア少女鉄道。
   なんだこの新作のタイトル(笑)。観るしかない。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0109112131.html


★10.ホリプロ『わたしを離さないで』
  04/29-05/15彩の国さいたま芸術劇場大ホール
  ≪さいたま、愛知、大阪≫
  ☆出演:多部未華子、三浦涼介、木村文乃、床嶋佳子、銀粉蝶 ほか
   原作:カズオ・イシグロ(「NEVER LET ME GO」)
   演出:蜷川幸雄 脚本:倉持裕
   S席9,000円/A席7,000円/B席5,000円/学生B席3,000円
   ※未就学児童のご入場はご遠慮ください。
    http://hpot.jp/stage/watashi
    http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/508
   『わたしを離さないで』は映画化↓もされた人気SF小説で、
    http://movies.foxjapan.com/watahana/
   私もすごく好きなんです。演出は蜷川幸雄さん。
   主役が多部未華子さんと知り、さらに楽しみになりました。
   倉持裕さんが脚本化し、人物の名前が日本語になったようです。↓
    http://www.saf.or.jp/press/2014/050/


 ★★★────────────────────────────── 
  前売3000円台の気になる作品を4本ご紹介します。
   (上述の高額公演10本中にも、席種・日程により格安券あり)
 ──────────────────────────────★★★

【1】ハイリンド『きゅうりの花』
  04/02-07小劇場B1
  ☆出演:伊原農 枝元萌 多根周作 はざまみゆき 宮内勇輝
      白州本樹 山口森広
   脚本:土田英生(MONO) 演出:扇田拓也
   一般:前売/当日3,500円 賛助会員:2,500円(全ステージ共通)
   学生(高校生以下)割引 前売/当日 2,500円(当日精算のみ)
   前半平日割(2日19:30、3日14:00/19:30の回):前売/当日3,000円
    http://www.hylind.net/play/20140402.html
   ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=52125
   俳優4人の劇団ハイリンドが土田英生さんの戯曲を上演。
   『きゅうりの花』は過疎の村を舞台にしたほろ苦い喜劇です。
   2002年に劇団MONOの公演で拝見し、とても面白かったです。


【2】台湾・日本国際協同企画・川端康成三部作『片腕・少年・水晶幻想』
  04/16-21こまばアゴラ劇場
  ≪東京、台北、上海≫
  出演:菊沢将憲、中川晴樹、川口隆生、陳元元、卓庭竹
  原作:川端康成 演出:ノゾエ征爾、劉亮延、山縣美礼
  『片腕』演出・脚色:ノゾエ征爾
    出演:菊沢将憲 中川晴樹 陳元元(Jane Chen)
  『少年』演出・脚色:劉亮延 出演:川口隆夫
  『水晶幻想』演出・振付:山縣美礼 出演:卓庭竹(Ting Chu Cho)
   前売:3300円 当日:3800円 学生:2800円
    http://www.kawabatatrilogy.org
   2012年から実験的創作を続けてきたプロジェクトの本公演。
   川端康成の小説を台湾と日本で活動するアーティストが舞台化します。
   1ステージで3作品とも観られます。


【3】日本の30代『十二夜』
  04/18-28駅前劇場
  ☆出演:井内ミワク、井澤崇行、井本洋平、延増静美、少路勇介、
    鈴真紀史、竹口龍茶、羽鳥名美子、平岩紙、町田水城、富川一人
   脚本:W・シェイクスピア 訳:小田島雄志 演出:鵜山仁
   指定席:前売り¥3.800/当日¥4.000
   自由席:前売り¥3.300/当日¥3.500
   高校生:前売り¥1.800/当日¥2.000 ※未就学児入場不可
    http://www.nihonno30.com/
   海外古典戯曲とは縁遠い小劇場界隈で活躍してきた、30代の
   達者な役者さんたちが、鵜山仁さんを演出に迎えシェイクスピアに挑戦。


【4】範宙遊泳『うまれてないからまだしねない』
  04/19-27東京芸術劇場シアターイースト
  eyes plus
  ☆出演:大橋一輝、熊川ふみ、埜本幸良、伊東沙保、大石将弘、
    椎橋綾那、田中美希恵、名児耶ゆり、波佐谷聡、福原冠
   脚本・演出:山本卓卓
   【一般】予約:3000円/当日:3500円
   【学生】予約:2500円/当日:3000円
   【高校生】1000円【中学生以下】500円
    http://www.hanchuyuei.com/top.html
   山本卓卓さんが作・演出される範宙遊泳(はんちゅうゆうえい)は、
   注目を集め始めた若手劇団。東京芸術劇場eyes plusに選ばれた公演です。
   2月に拝見した『幼女X』↓がとても面白かったので期待大。
    http://bit.ly/KKiDok


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売2000円台以下の気になる作品を3本ご紹介します。
   (上述の高額公演10本中にも、席種・日程により格安券あり)
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》アマヤドリ『ぬれぎぬ 人はそれぞれのマジックミラー号に乗って』
  04/01-23シアター風姿花伝
  アマヤドリ2014三部作「悪と自由」のシリーズvol.1
  風姿花伝プロジェクト「プロミシング・カンパニー」特別企画ロングラン
  ☆出演:笠井里美 松下仁 糸山和則 渡邉圭介 小角まや 榊菜津美 中村早香
   脚本・演出:広田淳一
   全席自由【一般】前売/当日2800円【フリーパス】3800円(何度でも鑑賞可)
   【学生】2000円【高校生以下】1000円【プレヴュー価格】2500円
   【タダ観でゴー!】0円(枚数限定・劇団予約のみ)
   【プレミアム・フリーパス】8000円(別途特典あり!)
    http://amayadori.sub.jp/archives/3436 ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=53094
   空想組曲、DULL-COLORED POP↓に続き、アマヤドリがシアター風姿花伝で
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1214231130.html
   1か月のロングランを敢行。アマヤドリの過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0325130716.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0315115114.html


《2》カトリ企画UR『紙風船文様4 シリーズ岸田國士』
  04/11-14新宿眼科画廊
  ☆出演:黒岩三佳、武谷公雄
   脚本:岸田國士「紙風船」
   演出:白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)
   予約、当日券ともに2,500円 
   通し券4,000円*5月公演「紙風船文様5」とセット。
    http://katorihidetoshi.com/kk/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=52713
   黒岩三佳さんと武谷公雄さんが様々な演出家と岸田國士作『紙風船』を
   創作する企画の第4弾。白神ももこさんの演出に期待が高まります。
   武谷さんは「CoRich舞台芸術まつり!2013春」でグランプリ↓を受賞した
    http://stage.corich.jp/festival2013/grand_prix.php#b
   木ノ下歌舞伎『黒塚』↓で鬼役を熱演し、同まつりで俳優賞を受賞。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0620171528.html
   黒岩さんも木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談』↓での好演が印象に残ります。
    http://festival-tokyo.jp/program/13/tokaido_yotsuya/


《3》Kawai Project『「から騒ぎ」Much Ado About Nothing』
  04/27-29東京大学駒場キャンパス・21KOMCEE MMホール
  シェイクスピア生誕450周年記念
  ☆出演:大樹桜、沖田愛、小田豊、北澤小枝子、北野雄大、窪田壮史、
    荘田由紀、白川哲次、高橋洋介(高:はしご高)、滝香織、
    チョウヨンホ、野口俊丞、西山竜一、三原玄也、峰崎亮介、
    森川由樹、森下庸之、山崎薫(崎は違う漢字)、頼田昂治
   ヴァイオリニスト:下田詩織 パーカショニスト:井上仁美
   脚本:シェイクスピア 翻訳・演出:河合祥一郎
   1500円(全席自由・税込)
    http://ameblo.jp/shoichiro-kawai/entry-11771019665.html
   翻訳家として有名な河合祥一郎さんが、シェイクスピア戯曲を新翻訳し、
   ご自身で演出される自主企画公演です。出演者には演技の基礎をしっかり
   学ばれた方々が揃っています。河合さんの言葉を下記に引用します。
   河合:観客がどれだけ入っても赤字となるこうした学内企画を
    再び繰り返すつもりはない。ぜひ真のシェイクスピア公演を
    今回経験していただきたい。


≪オペラ≫

 ○新国立劇場オペラ『ヴォツェック』
  04/05-13新国立劇場オペラ劇場「オペラパレス」
  ※4月5日、8日、11日、13日の4ステージです。
  ☆作曲:アルバン・ベルク 演出:アンドレアス・クリーゲンブルク
   S席23,760円 A席19,440円 B席12,960円 C席7,560円  
   D4,320円 Z席1,620円
    http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/140405_001608.html
   ※S、A席が原則的に5,000円になるアカデミックプラン↓あり。
    http://www.nntt.jac.go.jp/ticket/academic/
   各種割引:http://www.nntt.jac.go.jp/ticket/discount/
   Z席は当日券ですが、前々日のWeb抽選↓もあります。
    http://www.nntt.jac.go.jp/ticket/pdf/Zseki.pdf
   「演劇ファンにもぜひ観てもらいたい」という声が続々と届くオペラ。
   演出はドイツ演劇界の鬼才と呼ばれるクリーゲンブルクさん。
   特別コラム↓に舞台写真あり。床に水が!家が浮いてる!
    http://www.nntt.jac.go.jp/opera/news/detail/131219_003678.html


 ≪ご参考≫
  「しのぶの演劇レビュー」↓に今月のしのぶの観劇予定あり。
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.東京芸術劇場『おそるべき親たち』
  03/02-16東京芸術劇場シアターウエスト
  ☆贅を尽くした復活公演。こんなに自由で豊かで成熟していて、
   それでいてフレッシュな俳優のコンビネーションがあることに感動。
   カーテンコールで舞台に並んだ5人の俳優を見て、涙がこみあげた。
    https://www.geigeki.jp/performance/theater041/

2.サンプル『シフト』
  02/19-03/09新国立劇場小劇場 
  ☆舞台上で生々しく繰り広げられる架空の因習から、生まれ滅びる
   人類の営みが浮かび上がる。そこに私自身の姿も重ねる刺激的な体験。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0315003920.html

3.デフ・パペットシアター・ひとみ『森と夜と世界の果てへの旅』
  03/28-30神奈川芸術劇場・大スタジオ
  ☆障がいの有無や年齢・性別を問わない人形・仮面劇で凄く面白かった!
   生演奏、人形遣い、場面転換等をたった6人でやり切るのが見事。
   人形のデザインも芸術的!小さなお子様にもお薦めです。
    http://www.kaat.jp/detail?id=32403#.UzYzH_l_sWY

  他は、笑の内閣『ツレがウヨになりまして』、ホリプロ『幽霊』、
  雷ストレンジャーズ『ブラウニング バージョン』、
  松竹『スーパー歌舞伎II「空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―」』
  TBS『9days Queen ~九日間の女王~』、On7『痒み』、
  劇団印象『グローバル・ベイビー・ファクトリー』、
  スペースクラフト『成河一人会』など(順不同)。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2014年3月(観劇数18作品)は残念ながら発行せず。


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 ◆3 【黄金週間はSPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭」を観に静岡へGO!】
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 ◎芸術総監督の宮城聰さん率いる静岡県舞台芸術センター(SPAC)が、
  今年も「ふじのくに⇔せかい演劇祭」を開催します。

  SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2014」4/26(土)~5/6(日)
   http://www.spac.or.jp/14_fujinokuni.html
   http://www.facebook.com/SPACshizuoka

  とっても気になる4作品をご紹介します。※完売公演を除く。
  週末にはしご観劇できるタイム・スケジュールになっています。
  東京・静岡間の夜行バス↓の運航あり。
   http://www.spac.or.jp/f14bus

 ○ニコラス・シュテーマン演出『ファウスト 第一部』
  04/26-27静岡芸術劇場
  脚本:ゲーテ 演出:ニコラス・シュテーマン
   http://www.spac.or.jp/f14faust.html
  ベルリン演劇祭最優秀賞を受賞した作品の第一部を日本初演。
  宮城さん曰く「これ見逃すとあと10年間、後悔します。」
  俳優の皆さんはオーディション情報↓もチェックしてください!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0322130816.html

★○SPAC『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』
  04/27-05/06舞台芸術公園 野外劇場「有度」
  脚本:久保田梓美 演出:宮城聰
   http://www.spac.or.jp/f14mahabharata.html
  宮城聰さんの代表作の1つ。老若男女問わずお薦めしたい野外劇です。
  今年7月に↓仏アヴィニョン演劇祭の公式プログラムとして上演!
   http://spac.or.jp/news/?p=9924 2012年のレビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0718115520.html
  日本平の原始林での上演は格別です。ご家族、お友達とぜひ!

 ○ジゼル・ヴィエンヌ演出『マネキンに恋して-ショールーム・ダミーズ-』
  05/03-04静岡芸術劇場
  演出・振付・美術:ジゼル・ヴィエンヌ、エティエンヌ・ビドー=レイ
   http://www.spac.or.jp/f14showroomdummies.html
  バレエと人形劇のコラボ。ぜひ動画(2分)↓をご覧ください。
   https://www.youtube.com/watch?v=Jf5H1mATLY0
  同時期に上演される『Jerk ジャーク』↓もジゼル・ヴィエンヌさん演出。
   http://www.spac.or.jp/f14jerk.html 18歳未満お断りの人形劇。  

 ○映像上映「ピーター・ブルックの演劇的冒険―アフリカの100日」
  05/06静岡芸術劇場
  ※朝10:30上映開始(英語上映・無料)
  1970年代のドキュメンタリー映像が最近発掘され、急きょ上映決定。
  ピーター・ブルックさんと長年ともに創作されてきた、日本人俳優の
  笈田ヨシさんが登壇されるトークもあります。


 【チケット】
  一般大人4,100円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
  全演目パスポート:17,000円 その他会員割引など多数あり。
  ※映像上映のチケット価格は公式サイトでご確認を。
   http://www.spac.or.jp/ticket


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 ◆4 【「CoRich舞台芸術まつり!2014春」最終選考中!】
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 ◎日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバル
  「CoRich舞台芸術まつり!2014春」の審査員をつとめております。
   http://stage.corich.jp/festival2014/
  グランプリ受賞団体には活動支金として100万円が支援されます。

  第一次(ネット)審査にて92作品の中から10作品が選ばれました!
   http://stage.corich.jp/festival2014/result.php
  初日順⇒笑の内閣(京都)、あやめ十八番(東京)、On7(東京)、
   劇団印象-indian elephant-(東京)、鳥公園(東京)、
   Q(東京)、演劇集団 砂地(東京)、ロ字ック(東京)、
   Baobab(東京)、劇団B級遊撃隊(愛知)

  3ヶ月間で審査員が10作品を鑑賞し、6月下旬にグランプリを発表します。
  よかったら対象作品をご覧になって感想をクチコミしてくださいね!

   CoRich舞台芸術!:http://stage.corich.jp/
   メンバー登録:http://stage.corich.jp/user_register.php
   携帯サイト:http://stage.corich.jp/m/

 ≪4月の「CoRich舞台芸術まつり!2014春」最終選考作品≫

 ○Q『迷迷Q』
  04/24-05/01こまばアゴラ劇場
  ☆脚本・演出:市原佐都子
   http://qqq-qqq-qqq.com/Qwordpress/?page_id=721
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=41778
   http://stage.corich.jp/festival2014/detail.php?stage_main_id=41778


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 ◆5 【英国ロイヤル・ナショナル・シアターの演劇を全国の映画館で】
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 ◎英国ロイヤル・ナショナル・シアターの最高峰の演劇が、全国の
  映画館で見られます。

 ○「ナショナル・シアター・ライヴ 2014」
  http://www.ntlive.jp/
  今年のラインアップが発表されました。

  3~4月:『フランケンシュタイン』※4月はBバージョンの上映
  4月:『コリオレイナス』
  6~7月:『ザ・オーディエンス』
  8月:『リア王』
  10月:『ハムレット』
  10月:『オセロ』

 私は3月末に『フランケンシュタイン』Aバージョンを拝見しました。
 俳優もスタッフワークも一流で、映画だけど臨場感があって面白かったです。
 客席からは見えない角度からも撮影されているので、特別な観劇体験
 になると思います。普通の映画よりチケットは高い目ですが、お薦め!

 ※日本の舞台↓も映画館で見られますよ~♪

  シネマ歌舞伎:http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
  ゲキ×シネ:http://www.geki-cine.jp/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆6 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎選考委員をつとめました「高校生劇評グランプリ」の選考結果が
  発表されました。受賞者の皆様、おめでとうございます!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0328003522.html
  3/31に格式高い表彰式がアットホームな雰囲気の中で行われました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0331220021.html


 ◎東浩紀さんが経営するゲンロンカフェに相馬千秋さんが登場!
  高山明さんの会にお邪魔して大変刺激的で面白かったので予約済み。
  
 ・ゲンロンカフェ「相馬千秋×東浩紀 司会:上田洋子」
  04/19 (土)19:00~
  2,600円・1ドリンク付 会員割引などあり。
   http://peatix.com/event/30561


 ◎韓国の『フェスティバル・ボム』が横浜にも進出!
  http://festivalbom.org/ 
  https://www.facebook.com/festivalbom

 ・フェスティバル・ボム2014・横浜
   http://festivalbom.org/festival-bom-in-yokohama/
  日程:4月4日~6日
  CINRA↓「脱ジャンル的な「多元芸術」を紹介する韓国発の芸術祭…」
   http://www.cinra.net/news/20140325-festivalbom

  フェスティバル・ボム ディレクターの李丞孝さんはなんと弱冠29歳!
  ロング・インタビュー↓をぜひお読みください。
   http://www.cinra.net/interview/201403-festivalbom
  李:僕が『フェスティバル・ボム』のような活動をする全ての理由は
    「戦争をやめよう」という思いなんです。

  日韓連続トークライブ↓(岡田利規、CHIM↑POM、東浩紀、他)
   http://festivalbom.org/yokohama-talk/

  急な坂スタジオ、さくらWorks<関内>では作品の上演もあります。
   http://kyunasaka.jp/archives/2923
   http://kyunasaka.jp/archives/3001


 ◎演出家の小川絵梨子さんのワークショップに俳優として参加しました。
  写真レポートを4回に渡り掲載予定。第1回↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2014/0323153308.html


 ◎こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願い署名活動中です。
  4月の街頭署名の予定:4/13(日)
  俳優の八嶋智人さんが街頭署名のお手伝い↓をしてくださいました!
   https://twitter.com/kodomoaogeki/status/361392366831157249
   https://twitter.com/meganeouji840/status/361403711639138304
  有志の会の公式サイト:http://kodomoaogeki.com/
  有志の会の公式ブログ:http://kodomonosiro.blog.fc2.com/
  署名用紙をダウンロードして署名し、有志の会までご郵送ください。
  WEB署名もできます⇒ http://www.change.org/kodomo-aogeki
  公式ツイッター:https://twitter.com/kodomoaogeki
  Facebookページ:http://www.facebook.com/kodomo.aogeki


 ◎おすすめ舞台中継など on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【NHK BSプレミアム】4月7日(月)午前0:00~午前3:00 [日曜深夜]
   新国立劇場『ピグマリオン』
    http://www4.nhk.or.jp/p-stage/x/2014-04-06/10/8245/
   出演:石原さとみ 平岳大 小堺一機 網島郷太郎 ほか
   作:ジョージ・バーナード・ショー
   翻訳:小田島恒志 演出:宮田慶子
    http://www.atre.jp/13pygmalion/

  【WOWOW】4/11(金)よる10:00~ 
   ノンフィクションW 六百年の「今」を舞う~狂言師・野村萬斎
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/103182/
   出演:野村萬斎 


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2014年3月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日」
    http://timescoop.jp/ ↑歴史ものSFとして楽しい映画でした。
  ・「ジンクス!!!」←青春恋愛映画に収まらない面白さ!
    http://jinx-movie.com/
  ・「夏の終り」←子供のある女性の余裕っぷりが威圧的。
    http://natsu-owari.com/
  ・「桜並木の満開の下に」←赦すこと、赦されることの重みずっしり。
    http://www.office-kitano.co.jp/sakura/
  ・「凶悪」
    http://www.kyouaku.com/


 ◎2013年9月にインタビュー↓していただきました。
   http://kenbunden.net/general/archives/4333 告知エントリー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1120155340.html
  なぜメルマガで情報発信を始めたのか、これから何を観たいのか、
  どうしていきたいのか。誇張のない本音をまとめていただけました。


 ◎注目している役者さんに「しのぶさんのサイトでいつも
  オーディション情報をチェックしています」と言われて嬉しい!
  「受かりました!」と言われるともっと嬉しい♪
  「しのぶの演劇レビュー」に情報掲載をご希望の方は、
  お問い合わせフォーム↓からどうぞ。
   http://www.shinobu-review.jp/contact/
  ※必ず掲載するわけではありません。ご了承ください。


 ◎ツイッターやってます!フォロワー約5100人に感謝♪
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  観劇感想の速報もたまにつぶやきます。
  震災・原発事故、選挙関連のリツイートも多いです。


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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Posted by shinobu at 00:00 | TrackBack