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しのぶの演劇レビュー
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2014年04月08日

新国立劇場オペラ『ヴォツェック』04/05-13新国立劇場オペラパレス

 ドイツ人演出家のアンドレアス・クリーゲンブルクさんによるオペラ『ヴォツェック』。伊達なつめさん特別コラムを読んで興味を持ち、すごく久しぶりに新国立劇場のオペラ劇場(オペラパレス)に行ってきました。

 凄い演出でした…!気になっている方はどうぞお見逃しなく。舞台写真をぜひご覧ください!

 ⇒CoRich舞台芸術!『ヴォツェック

 ≪あらすじ≫
 内縁の妻マリーとその息子と暮らすヴォツェックは、大尉の髭剃りと医師の実験台になる仕事をして食いつないでいる。美しいマリーは貧しい生活に疲れて鼓手長と浮気をしてしまい、彼女の浮気に気づいたヴォツェックは狂気に駆られて彼女を刺殺してしまう。
 ≪ここまで≫

 悲惨な話がさらに悲惨に、凄惨に…!オペラだけど社会派かつ戦慄ホラー(笑)。オペラといえば「古典」の印象もありますが、演出でヴィヴィッドな現代性を持つものなんですね。

 楽隊を使って劇中劇的に主人公の狂気を見せたり、人形やナイフなどの小道具を多用して色んな意味を持たせたり。そして子役の配置が効果絶大!ラストが物凄かったです…ナイフが、人形が、落書きが…水に反射する照明が…全て繋がりました。ほんっとに怖すぎて、ヒー!って言っちゃいました(心の中で)。

 1925年初演なんですね。音楽は門外漢です。特にこういう新しいオペラの音楽は本当にわからない…。主役2人は演技も良かったし、歌も素晴らしかったです。

 ここからネタバレします。

 湖のほとりでマリーを刺殺したヴォツェックは、酒場で手に付着した血をいぶかしがられて、再び湖へ。ナイフを湖に沈め、自分の手を洗い清めようとして、自分が水死してしまいます。舞台中央に横たわるヴォツェックとマリーの遺体(マリーの遺体は人形で表現)を照明が照らし、その光が反射して、箱型の空間に映っていました。箱の中央には息子がぽつんと立っていて、箱の壁に当たる丸い光の中には、ちょうど2人分の遺体の影が出来ています(⇒舞台写真)。箱が舞台奥から舞台面側へと客席に近づくように移動しはじめると、丸い光が少しずつ下方へと下がっていきました。それはまさに2人の遺体が水底へ沈んでいくようでした。

【出演】:ヴォツェック:ゲオルク・ニグル 鼓手長:ローマン・サドニック アンドレス:望月哲也 大尉:ヴォルフガング・シュミット 医者:妻屋秀和 第一の徒弟職人:大澤建 第二の徒弟職人:萩原潤 白痴:青地英幸 マリー:エレナ・ツィトコーワ マルグレート:山下牧子 合唱:新国立劇場合唱団 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
作曲:アルバン・ベルク 演出:アンドレアス・クリーゲンブルク 指揮:ギュンター・ノイホルト 美術:ハラルド・トアー 衣裳:アンドレア・シュラート 照明:シュテファン・ボリガー 共同制作:バイエルン州立歌劇場
【発売日】2013/11/23 S席23,100円 A席18,900円 B席12,600円 C席7,350円 D席4,200円 Z席 1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/140405_001608.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2014年04月08日 23:26 | TrackBack (0)