FUKAIPRODUCE羽衣は糸井幸之介さんが作・演出・美術・音楽を総合的に手掛け、女優の深井順子さんがプロデュースする劇団です。“妙ージカル”と名付けたオリジナルの音楽劇を上演しています。
今回はCoRich舞台芸術まつり!2012春・グランプリを受賞した『耳のトンネル』のスケールアップ再演で、10周年記念公演でもあり、上演時間は約3時間(途中休憩込み)。
⇒初演レビュー ⇒初演クロスレビュー ⇒グランプリ講評
京都のみで上演された短編『観光裸(かんこーら)』が挿入され、それに合った新エピソードもいくつか追加されており、グっと大人向けになって、完成度も高かったです。次から次に名曲&名場面が続いて、あっけに取られつつ何度も落涙。吉祥寺シアターは天井が高く、客席の段差も充分にあって快適でした。マイクを使うなど音響面も洗練されて、観やすくなったように思います。
Tシャツ、過去公演DVDなど、劇場2階ロビーの物販が充実しています。私は『耳のトンネル』初演のサウンドトラックCDを購入♪
『耳のトンネル』名場面のひとつ「ロストチェリー」↓
⇒CoRich舞台芸術!『耳のトンネル』
≪あらすじ≫
順子:皆様、本日は日髙啓介のお葬式においでくださりありがとうございました。啓介さんは自称ミュージシャンで、私によく歌を聴かせてくれました。
≪ここまで≫
FUKAIPRODUCE羽衣「耳のトンネル」。第二次性徴著しい思春期未満の恋も、結婚適齢期の大人の関係も嬉し恥ずかしの見事なあるある。その後の「チカちゃん」編はズルい中年男と弱い美女のあるあるなんだけど、これが…色々と、効く。糸井幸之介め…ツボを心得すぎててムカつく!(笑)
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 6月 13
ここからネタバレします。
初演から追加されたのは、主人公(日髙啓介)の内縁の妻順子の大学から新入社員時代の切ない同棲生活を描く「コーポ・アジサイ」。京都の不倫2泊3日旅行を描いた、日髙さんと内田慈さんの短編「観光裸(かんこーら)」から「ちかちゃんちかちゃん」「喜び・哀しみ」「秘密の死の旅行」。…だったかと思います。
「耳のトンネル」は日髙啓介オンステージのリサイタル状態で布施明さんみたい。ここで終わるのかな…と観客に思わせてしまうのは仕方がないのかな。でもすぐに旅館の女将役の伊藤昌子さんが登場し、体当たりのコメディエンヌ振りを発揮して、空気をまっさらにして観客を制圧してくれたので(笑)、結果的には問題なかったです。
A side
・おはようからおやすみからすみからすみまで
・屁 psychedelic GUS
・ロストチェリー:金子岳憲さん可愛すぎて反則。
・旅させろ!!旅させろ!!:「好奇心!膨らみ過ぎて宙に浮きそう」
・コーポ・アジサイ
・ラブホチャペル:幸田尚子さん超かっこいい!澤田慎司さんも変身!
B side
・ちかちゃんちかちゃん
・喜び・哀しみ:喜びと悲しみは複雑に絡まってどっちかだけなんかじゃやって来ない
・秘密の死の旅行:口の前に人差し指を当てて「しー」
・耳のトンネル:「耳のトンネルはただのゴミ捨て場さ 分別の必要もないよ」
・ばいばいおっぱい:「お尻の方が好き♪」
※作詞・作曲:糸井幸之介
≪東京、兵庫≫ 《10周年記念》第18回公演
出演:深井順子、日髙啓介、鯉和鮎美、高橋義和、澤田慎司(以上、FUKAIPRODUCE羽衣)、/旅館の女将:伊藤昌子、啓介の母:西田夏奈子、/キャラメルうめえ:金子岳憲、並木秀介(大人の麦茶)、順子の大学時代の恋人で自称小説家志望:加藤律、美人役:幸田尚子(クロムモリブデン)、/ちかちゃん:内田慈、啓介の元妻:sun!!、啓介の同級生&5歳の息子:枡野浩一(歌人)
プロデューサー:深井順子 作・演出・音楽・美術:糸井幸之介 振付:木皮成 舞台監督:谷澤拓巳 上嶋倫子 照明:松本永(eimatsumoto Co.Ltd.) 音響:佐藤こうじ(Sugar Sound) 音響操作:寺澤光 衣装:吉田健太郎 装置:西廣奏 宣伝美術:林弥生 絵:糸井幸之介 短歌:深井順子 記録映像:杉田協士 制作:坂田厚子 林弥生 大石丈太郎 鈴木裕二 共催:AI・HALL 提携:公共財団法人 武蔵野文化事業団 企画・製作:FUKAIPRODUCE羽衣
【休演日】6月17日(火)【発売日】2014/04/06 前売:3,300円 当日:3,500円
さいふにやさシート:2,000円(当日引換券/やや見づらいお席になる可能性があります。)
10周年記念チケット:3,800円(旗揚げ公演「さなみだレディ-」の記録映像特典付き)※公式サイト/ローソンチケットのみ取扱い
ウルトラマニアチケット:10,000円(チケット2枚分にお土産付)※公式サイトのみ取扱い
http://www.fukaiproduce-hagoromo.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガも発行しております。