吉田小夏さんが作・演出される劇団青☆組の第20回公演は、2011年に吉田さんが書き下ろし、時間堂で上演された『星の結び目』。吉田さんによる演出では初演になるのでしょうか。上演時間は約2時間10分、休憩なし。
1930年代から始まる、日本のある商家を舞台にした家族のドラマでした。劇場を支配し続けるしっとりとした空気が青☆組らしさなのかなと思います。設定や人間関係から『桜の園』『三人姉妹』を思いおこさせました。
着物や背広などの衣装をどんどん着替えてくださるのが贅沢!着道楽なお芝居!ただ、初日の段階ですが、舞台上だけでやり取りが行われて、客席の方までは思いが届いて来づらい印象でした。声が小さくて聞こえづらかったのは、きっとすぐに改善されることと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『星の結び目』
レビューは途中です。加筆できるかどうかは不明。
≪あらすじ・作品紹介≫ CoRich舞台芸術!より
舞台は在りし日の東京。
大正時代から続く商家の吉永園は、氷屋などの事業を営み大いに栄えていた。
だが、二代目の当主の時代になると、この一家にも、時代にも少しずつ影がさしてゆく。
その町を流れる川には、龍の女が住むという。川面を清める桜を待って、冬の星座が雪を降らす。
ほろ苦いペーソスと温かさを持ち味に、市井の人々の営みを描き続けてきた青☆組。
今作は、作者が自身の一族の系譜を辿り、実在した曾祖父をモデルに創作した群像劇。
時に幻想的に織り成される時空と、繊細な対話劇の融合で描かれる、大正、昭和、を駆け抜けるように生きた人々の物語です。
≪ここまで≫
3つの円形ステージを橋掛かりのような木製の廊下がつなぐ抽象舞台。天井からは無地の布(紙?)が懸垂幕のようにいくつも垂れ下がっています。頭の大きさかそれより小さいぐらいの丸い籠も天井からいくつも釣り下がっていて、その中には電球が入っています。ぼんぼりのような可愛らしい照明でした。カラフルな色使い照明で染め上げられた風通しの良い舞台を、リアルな衣装の役者さんたちが闊歩します。
ここからネタバレします。
最初の場面は、南京陥落を祝っていたので1937年でしょうか。一代で富を築いた吉永甚五郎とその4人の子供たち、そして彼らを取り巻く吉永園で働く人々のお話です。一代目甚五郎の死後、数年で長女の夫も亡くなってしまいます。日本の戦況悪化のせいで「ぜいたくは敵」のムードが世間を支配し、商売は傾く一方。落ちぶれていくけれど、いつまでたっても当事者になれない甚五郎の子供たちと、その使用人らの様子から『桜の園』を思い浮かべました。そういえば氷屋である吉永園の水は、桜の花びらで清められるといううたい文句がありました。
vol.20 『星の結び目』
【出演】長男:多根周作(ハイリンド) 長男の妻:吉田久美(演劇集団円)、長女:渋谷はるか(文学座)、父、次男:荒井志郎、次女(教師になる):大西玲子、父に雇われた帝大卒の会計係(長女に思いを寄せる):西村壮悟、使用人の梅子(語り部):福寿奈央、小池の娘・吹雪(おつむが弱い)、父の愛人小雪:小瀧万梨子(青年団)、使用人小池:藤川修二、使用人上田(後に兵隊になり、足を負傷して復員後に、娼婦に身を落としていた梅子と結婚して和菓子屋を開く):代田正彦(★☆北区AKTSTAGE)、次女の見合い相手の富豪:村上哲也(Ort-d.d)
脚本・演出:吉田小夏 舞台監督:森山香緒梨 舞台美術:濱崎賢二(青年団) 照明:伊藤泰行 音響:泉田雄太 衣裳:阿部美千代(MIHYプロデュース) 演出助手:久間健裕 ・佐度那津季 宣伝美術:空 制作:岩間麻衣子・廣沢愛 主催・企画制作:青☆組 提携:公益財団法人 武蔵野文化事業団 芸術文化振興基金助成事業
★トークゲスト
4日(金)19:30・・近藤芳正 (俳優)
6日(日)14:00・・出演者DAY!/ 多根周作(ハイリンド)×荒井志郎(青☆組)
7日(月)19:30・・古川貴義 (箱庭円舞曲 主宰)
【発売日】2014/06/01【一般】前売 3,700円 当日3,900円 【学生・シニア(65才~)】前売/当日3,300円(要身分証明書)【中高生】前売/当日2,000円(要学生証) 小学生未満のお子様のご入場はご遠慮ください。
http://www.aogumi.org
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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