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しのぶの演劇レビュー
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2014年07月10日

【お知らせ】雑誌「クロワッサンNO.881特大号7/25」(マガジンハウス)記事掲載

 雑誌クロワッサンNO.881に、こまつ座『兄おとうと』と文学座アトリエの会『終の楽園』の紹介記事を書かせていただきました。よろしければぜひお求めください。
 

クロワッサン 2014年 7/25号

マガジンハウス (2014-07-10)

 『終の楽園』は7月26日から開幕。前売りが好調です。⇒残席のご確認 ⇒CoRich舞台芸術!
 『兄おとうと』は紀伊國屋サザンシアターで8月17日(日)~8月31日(日)。 ⇒CoRich舞台芸術!

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 ※原稿を以下に転載しました(2014/07/27)。

■劇作家が心血を注いで紡ぎ出す“せりふ”
 命が吹き込まれた言葉が劇場できらめく。

 俳優が発した言葉に驚き震えて、涙が頬を伝うことがある。それは劇作家が心血を注いで紡ぎ出したせりふに、本物の意味と生命が吹き込まれたから。今夏は二つの芝居でそんな瞬間に出合えるかもしれない。
 巨匠・井上ひさしが遺した傑作『兄おとうと』は三度目の再演だ。「民主主義の父」と呼ばれた大正デモクラシーの先駆者・吉野作造(辻萬長)と、その弟で高級官僚の信次(大鷹明良)が、正反対の信条を掲げて大喧嘩。二人に嫁いだ姉妹(剣幸と高橋紀恵)らが庶民の声を代弁し、人間が今も昔も求め続ける幸福の形が浮かび上がる。演出は初演から引き続き鵜山仁が手掛ける。市井の人々の営みを、詩情豊かに芝居のダイナミズムへと昇華させる手腕は圧倒的だ。歌あり踊りありの音楽評伝劇は、懐かしくも新しい、豊饒な観劇体験を約束してくれる。
 井上に師事した新鋭劇作家、長田育恵の新作『終の楽園』も鵜山が演出する。劇場は60余年の歴史を刻む小空間、文学座アトリエ。長田は自身の「演劇ユニットてがみ座」の作品で歴史上の人物を瑞々しく活写する筆致が高く評価された。今回は現代劇で、高級老人ホームの最上階で一人暮らす男性と、その最期の時を待つ四人の子供たちの歪んだ関係を描く。心の機微を丹念にすくい取った言葉を存分に味わいたい。

文・高野しのぶ
たかの・しのぶ●現代演劇ウォッチャー。「しのぶの演劇レビュー」主宰。お薦めの舞台を紹介する無料メルマガを月1回発行中。


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 ⇒兄おとうと [Kindle版]
 ⇒文学座公演公式ブログ「掲載情報 7/10発売 雑誌「クロワッサン」(マガジンハウス)


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2014年07月10日 17:53 | TrackBack (0)