2014年7月にフランスのパリとアヴィニョンに行って参りました。⇒まとめエントリー
朝5時ごろにホテルに着いてから仮眠を取って、午前中から活動開始しました。友人からお薦めの散歩コースや美術館、博物館の情報を得て、てくてく歩いて、地下鉄に乗って、歩きに歩いて、夕方まで放浪しました。たぶんこの1日で無理をしすぎたからアヴィニョンでも疲れが取れず、あまり観劇をがんばれなかったですね…。次回への教訓にします。
【写真↓】ホテル・ダングラテールの前の道。朝はまだ少ないですが、道路の両端は路上駐車の車でびっちり埋まります。
【写真↓】今回のパリ滞在における最も重要な目的地、MIWAへ。⇒公式サイト ⇒facebookページ
入り口にかかった白い布が目印。静謐さに重みがある、とても密度の高い空間でした。開店前に必ず祝詞をあげたり、お清めをされているそうです。さすがですね。
【写真↓】上の写真の左側の濃い緑色のドアを開けると、中庭のような場所になっていて、そこにMIWAの店舗であるNAKANIWAがあります。下は入り口とその看板。MIWAとNAKANIWAはパリの一等地で日本の文化を発信している稀有な場所です。
【写真↓】MIWAは会員制のサロンですがNAKANIWAは普通のお店で、日本製の一流工芸品を買うことができます。日本語が堪能なフランス人女性が商品の紹介をしてくださいました。経営者の記事⇒1、2、3、4
【写真↓】MIWAから歩いてオランジュリー美術館(Musee de l'Orangerie)を目指します。これは橋の上から撮影した写真です。右側は愛しのオルセー美術館。今回の旅行ではお預け。
【写真↓】同じ橋の反対側の景色です。鍵がいっぱい…恋愛のおまじないかしら。写真の右側にルーブル美術館があるはず。中央奥に見えているのはグラン・パレ(のはず?)。炎天下で、まだお昼になったばかりなのに気持ちは折れ気味でした…あづい………。
【写真↓】公園のベンチでパン屋さんで買ったキッシュを食べて腹ごしらえをして、モネの「睡蓮」が収められているオランジュリー美術館にようやく到着。2006年は改装中で入れなかったので、リベンジなのです!
【写真↓】オランジュリー美術館の日本語のリーフレットです。日本人観光客が多いおかげですね。
念願かなって見ることができた「睡蓮」は、想像以上、期待以上の作品でした。遠くから、近くから、何度も場所を変えて、ベンチに座ってみたり歩き回ってみたり、色んな角度から鑑賞しました。自然がもたらす平安は神様の贈り物。人間はその恩恵を受けて生きているのだと全身で感じました。そして芸術文化を破壊する戦争に対する警戒心や憂いがさらに大きくなりました。
【写真↓】モネの「睡蓮」の後に「ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨームコレクション」へ。モネ、ルノワール、セザンヌ、ピカソ、マティス、ゴーギャン、モディリアーニ、ユトリロ、マリー・ローランサン、ルソーなどがごろごろ。有名画家の絵が延々と続き、だんだん豪華さに麻痺してきました(笑)。
【写真↓】お友達がこぞって薦めてくれた「BILL VIOLA展」を目指し、またまた歩いてグラン・パレへ。正面に着いたものの入り口が見つからない…。
【写真↓】左側からぐるーっとまわると、なんと正面入り口のすぐ右側が入口だったと判明。そして炎天下に長蛇の列…。
【写真↓】お向かいのプティ・パレでも1900年代のパリの展示があるようで、挑戦しようとしたら、こちらにも列が。諦めて地下鉄の駅を探しました。
【写真↓】夕方までまだ時間があるので、ホテルに引き返すのも癪だから、マレ地区にあるMIWA店主お薦めの「狩猟自然博物館」へ。こちらはガラガラ…というか、受付の方々が観光客が来たことを少し驚くぐらい閑散としてました。
【写真↓】狩猟と自然がテーマで、シックな調度品に囲まれた部屋には動物のはく製がわんさか!……マジで怖い!!いきなりヤン・ファーブルのフクロウの部屋とか!はく製だらけの部屋は怖くて撮れず…。写真⇒1、2
【写真↓】一人で昇り降りするのが怖くなる階段でした。ハイセンスなんですが、なんだか…閉じ込められてるような気持ちになるんですよ…。シャンデリアは鹿の角でできてます。
【写真↓】とはいえ、狩猟と生活が密接につながっていた時代は、動物は今よりも神聖な存在だったでしょうし、彼らを射止める銃もまた貴重な道具として祀られていたのだなと思いました。これは正面入り口の写真です。
【写真↓】拡大してみました。奥に見える白い筒状の大きなオブジェがわかりますでしょうか?黒いペンキが垂れています。これは現代アート作品で、博物館内に似た作品が多数置かれていたんです。いわゆるコラボですよね。これが気味悪さを増長していました…。
【写真↓】この後、同じ最寄り駅のピカソ美術館を目指しましたが、散々迷って歩きまくった挙句、たどり着いたら閉館中。…地獄。あきらめて駅に戻り、ホテルに帰る決心。サン=ジェルマン=デ=プレ駅を出るとサン=ジェルマン=デ=プレ教会が。観光というより休みたい一心で足を踏み入れました。涼しい!そして無料!…やはり教会は誰もを受け入れてくれる場所なんですね。しばらく静かに椅子に腰かけていました。夕食は前エントリーに書いた「YEN」に。
【写真↓】パリ最終日は朝から「BILL VIOLA展」にリベンジ。本当はネット予約できたはずなんですが、フランス語がわからず断念。30分ほど並んで入れました。暑かった…。私の直前に並んでいた若い男性が私を先に通してくださって、ごく自然にレディー・ファーストが身についている紳士なのだなぁと思いました。「男女差別じゃね?」という意識も起こらないわけじゃないですが、大切に扱われていると感じられるのは単純に嬉しいものです。学びます。
【写真↓】涼しい館内に入ると、映像展なので暗い部屋が続きます。CGが発達していない時代から映像を加工して芸術作品にまで高めていたのは凄いと思いました。下記の写真は1つの部屋の壁に5つの映像が映写され流れ続ける大きな作品の中の1つ。
2階建てのアパートが突然洪水に襲われて大量の水が流れ続けたり、昔の宗教画を現代にアップデートして新創作したり、色んな意味を含んだ作品群だったんだろうと思います。ただ、人々が歩き続ける映像や演技をしている様を床に座って眺めながら、「なぜ私は電気の光を見続けているんだろう(生身の人間が存在しないのに)」という根本的な疑問がぬぐえず。興味が持てなかったなぁ…。どちらかというと絵画の展示の方が好きですね。絵画はモノだから人間を感じられます。
【写真↓】「BILL VIOLA展」で最も興味をそそられたのは、老いた全裸の男女がそれぞれに自分の体に懐中電灯を当てながら何かを探す動画。タイトルは「男は不老不死を探し、女は永遠を探す」。男女の差がよく表れており、それゆえ性差や時間を超えた作品だと思いました。
グラン・パレを出るとやはり入り口には列が伸びていました。もうすぐ会期終了なので人気もうなぎのぼりだったんでしょうね。
アヴィニョンに着いてから「BILL VIOLA展」に行ったと報告したら、友達に「何時間いたの?」と聞かれて、そういうものだったのか…と初めて気づきました。映像作品を細かに見続けたら何時間見ても足りない(飽きない)はずの企画なんでしょうね。私は全く…。
この後、昼食にステーキ(⇒前エントリーに写真あり)を食べてからホテルをチェックアウトし、リヨン駅から14:49発のTGVでアヴィニョンに向かいました。続く。まとめエントリーはこちらです。
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