REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2014年08月16日

演劇センターF 『「グランドペアレンツ」リーディング公演』08/15黄金町高架下スタジオSite-D

 青年団の俳優で岡山に移住された菅原直樹さんが、横浜でリーディング公演に出演されると聞いて、嬉しくなって予約しました。戯曲は詩人の山田亮太さんによる書き下ろしです。

 リーディング70分とトーク45分が終わってから、徒歩数分で演劇センターFの拠点であるKogane-X Lab. へと移動。ビールやワインをおともに出演者、企画者の方々とお話をすることができ、すごく楽しかったです。観劇後に歓談できる場があるのは本当にありがたいです。

 ≪内容≫ 公式サイトより
 詩人・山田亮太が、北海道・鷹栖町に住む祖父母への取材をもとに創作した新作戯曲『グランドペアレンツ』(第一稿)を、岡山県・和気町で「老いと演劇|OiBokkeShi」を立ち上げ、介護現場や市民へのワークショップ・作品づくりを通じて地域における演劇の新たな可能性を探る俳優・菅原直樹がリーディング上演します。
 リーディング上演後、戯曲執筆までのプロセス、及び「OiBokkeShi」の活動についてのトークセッションを行います。(出演:山田亮太、菅原直樹、野村政之)
 ≪ここまで≫

 認知症の祖母を見舞う祖父や孫たちのエピソードなど、18個の短編で構成された戯曲でした。私も家族の介護経験があるので、要介護度を測る場面でその苦々しさを思い出したりして、かなり自分に引き寄せた状態で拝聴することになりました。

 菅原さんはやはり演技がうまい俳優でした。トークでの語り口も力強くて、顔を合わせて対等に交流ができている実感があり、「私はこういう時間が欲しくて劇場に通うんだよなぁ」とあらためて感じ入りました。

 介護福祉士である菅原さんが岡山の特別養護老人ホームで行っているワークショップが、NHK岡山のニュースになったそうで、トークの時間にその映像を見せていただけました。

 菅原:認知症の薬は症状の進行を抑えるものなので、認知症自体は回復しない。認知症で大変なのは患者の方ではなく介護者の方。介護者が少しでも楽になるようにワークショップをしている。

 戯曲もトークも老いと介護がメインテーマでしたが、そこから発展させる形でいろいろ考えることが出来ました。認知症の方に健常者だったころと同じ要求をするのは酷ですから、いつも新しく出会い直せばいい、その方が双方の気が楽だろうと思いました。それを自分自身にも当てはめてはどうか。長い人生で人は変化していくのだから、いくつもの人生を生きればいい、何度でも別人のように変化すればいいんじゃないかと。その方が正直だし、楽かもしれません。


8月15日19:30 - 21:30
作:山田亮太(TOLTA) 出演:菅原直樹(OiBokkeShi) 企画制作:野村政之(演劇センターF)
◯入場無料(ドネーション制・自由席)/予約席:1,000円
※事前に予約頂いた方にはお席をご用意します。1,000円を当日会場でご精算ください。開演と同時に予約席を解除いたしますので、早めに受付をお済ませください。
※1,000円以上ドネーション(寄付)を下さった方および予約席の方には、戯曲を進呈します。
http://tcf-project.net/229/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 2014年08月16日 17:56 | TrackBack (0)