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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2014年09月12日

東京演劇アンサンブル『無実』09/11-21ブレヒトの芝居小屋

 『最後の炎』、『タトゥー』がとても面白かった、ドイツの女性劇作家デーア・ローアーさんの戯曲『無実』の本邦初演ということで観に行きました。東京演劇アンサンブルブレヒトの芝居小屋も初体験です。創立60年なんですね。

 劇場に入るなり「わ、駒小(駒場小劇場)みたい!」と、気持ちは約20年前に。天井の高さがある四角い空間で、ロスコ(スモークマシン)の匂いまで一緒…。靴を脱いでビニール袋に入れて客席についたのって何年ぶりだろう。そしてお芝居までもが当時の東大で観たものに似ていて、ある意味、衝撃を受けました。上演時間は約2時間30分休憩なし。

 ⇒CoRich舞台芸術!『無実

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
エリージオは友人ファドゥールとともに
砂の国からやって来た、不法入国者。
ふたりの目の前で、赤毛の女が海に入って自殺した。
盲目の両親は娘にも完璧な世界をプレゼントしたくて、
盲目のアプゾルートを産んだ。
アプゾルートは「ブルー・プラネット」で踊るダンサー。
通り魔事件の犯人の母を名乗るハーバーザットは、
被害者の家を訪ね歩く。

ローザとフランツの狭い部屋に、
ローザの母ツッカーが押しかける。
フランツがやっと見つけた仕事は遺体処理係。
ツッカーは糖尿病末期で、足を、視力を失いつつある。
フランツはローザを見ない。

哲学者エラはテレビの大統領を眺めながら、
夫のヘルムートに
「世界の不確実性」について語りつづける。

運命なんてない
私たち自身で決める以外に。
だけど決めるべき方向を、
私たちは知り得ないから、
私たちは盲人…
 ≪ここまで≫ 

 『タトゥー』のレビューにはローアーさんが来日した時のトークの記録も少し載ってます。この劇団にはローアー戯曲は合わないんじゃないかと思いました。勝手ながら、起承転結がはっきりした物語で、ストレートなメッセージがあるものの方がいいんじゃないかと。

 『無実』はいい戯曲だと思いました。他で上演されることがあったら観たいです。
 ローアー戯曲は3冊も出版されています。⇒『無実』『最後の炎』が出版された時のエントリー

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泥棒たち;黒い湖のほとりで
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 ここからネタバレします。

 黒い袋(フレコンバッグ)を積み上げた装置でした。場面転換時に大道具を移動させる人たちの衣装が白い防護服だったりも。目に見える形でだけ原発事故とイメージを重ねるのは安易だと思いました。


TEE東京演劇アンサンブル創立60年記念公演Ⅱ
【出演】エリージオ(黒人の不法入国者):大多和民樹 ファドゥール(黒人の不法入国者):小田勇輔 アプゾルート(盲目のダンサー):永野愛理 ミセス・ハーバーザット(身寄りのない女):志賀澤子 フランツ(遺体処理係):尾崎太郎 ローザ(その妻):奈須弘子 ミセス・ツッカー(ローザの母):真野季節 エラ(老いゆく女性哲学者):原口久美子 ヘルムート(その夫、金細工師):篠澤寿樹 殺された少女の父:竹口範顕 殺された少女の母:町田聡子 自殺者1:篠原祐哉 自殺者2:熊谷宏平 ※志賀優寛より変更になりました。 若い男の医者:三木元太 大統領:本多弘典 アイリッシュ・ハープ生演奏:坂上真清
デーア・ローアー(Dea Loher)/作 三輪玲子/訳 (論創社刊『無実・最後の炎』より) 音楽/坂上真清 熊地勇太 舞台美術/池田ともゆき  照明/大鷲良一  映像/高橋啓祐 衣裳/稲村朋子 音響/勝見淳一 振付/菊地尚子 宣伝美術/久保貴之 奥秋圭 舞台監督/入江龍太 制作/小森明子 太田昭 協賛 ケンタウルスの会 助成 文化庁トップレベルの舞台芸術創造事業
全席自由 (チケット申込・発売時に整理番号発行) 開場は開演の30分前/整理番号順の入場 料金 前売一般3800円 前売学生3000円 Low Price Day2500円
公式:http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/unschuld/unschlud.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2014年09月12日 02:03 | TrackBack (0)