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2014年10月24日

【写真レポート】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]「2014年度第3回文化政策委員会・文化政策ラボvol.5『人材育成から持続的キャリア形成へ 舞台芸術創作現場の雇用・労働環境を考える』」09/25こどもの城本館11階会議室

 ON-PAM第3回文化政策委員会・文化政策ラボvol.5「人材育成から持続的キャリア形成へ 舞台芸術創作現場の雇用・労働環境を考える」のレポートを担当させていただきました。すべてはON-PAMアクテビティWebサイトに掲載されています。
 2013年~2014年の[ON-PAM]文化政策委員会についてのエントリー⇒

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 ※[ON-PAM]はアーティスト・芸術団体と観客の間を繋ぐ全国的・国際的な会員制ネットワークです。舞台芸術の制作者でなくとも入会可能です。⇒入会案内

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第一部【レクチャー】16:00~17:00
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■テーマ:労働法の基礎知識
■講師:弓倉京平(弁護士、Arts and Lawのメンバー)

 「クリエイターを支える仕事がしたいと思って弁護士資格を取った」とおっしゃる弁護士の弓倉京平さんが労働法のごく基本的な内容を判例を挙げながら講義してくださいました。

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第二部【報告①】17:00~17:30
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■報告①:労働環境・雇用を巡る歴史を振り返る
■報告者:折田彩(ON-PAM文化政策運営委員)、松岡智子(ON-PAM文化政策運営委員)

 舞台芸術の公的支援の歴史を振り返りながら、高萩宏氏(東京芸術劇場副館長)と米谷尚子氏(芸団協・芸能文化振興部部長)のインタビューを基に、これまでの経緯と現在の問題点・課題を具体的に挙げていく充実の報告でした。

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第二部【報告②】17:30~18:00
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■報告②:中間支援組織に向けて
■報告者:岸正人(あうるすぽっと・豊島区立舞台芸術交流センター 支配人)

 「舞台芸術:人材育成/労働環境整備の中間支援組織設置案」について、率先して進められている岸正人さんが報告されました。岸さんは民間企業ホール、フリーの制作、複数の公共ホールの仕事を経験されています。

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第三部【ディスカッション】18:00~21:00
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 グループ・ディスカッションのファシリテーター:久野敦子、吉澤弥生、岸正人、樋口貞幸

 ON-PAMは会員向けに「舞台芸術創作現場の雇用・労働環境を考える事前アンケート」を実施しました。武田知也さんによるアンケートの結果分析の後、18時半から4つのグループに分かれてディスカッションを行い、最終的には国への提言も含め、ON-PAMが1~2年の間に実現出来るアイデアを出し合いました。

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*19:15~19:45に「Dance New Air 2014」屋外パフォーマンスの鑑賞がありました。
 ポール=アンドレ・フォルティエ『15 X AT NIGHT


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■所感
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 労働法のレクチャーで法定労働時間外の残業は本来は禁止で、残業時は割増賃金の支払いが義務であることを知り、驚いてしまいました。私は派遣社員だった時期を除いて、そんな職場を経験したことがありません…。「80%以上の企業で違法な基準外労働が行われている」現状をどうにかして欲しいです。

 ディスカッション後のアイデア出しで、やはり制作者共通の悩みと要望があることがわかりました。制作者の厳しい労働環境と低い給与水準を改善させたい。そのためには舞台芸術の創作・事業を経済活動として第三者にわかる形で示す必要があります。報告によると「企画制作料」が助成金の対象経費と認められるまでに17年かかっていました。先輩方のおかげで私たちは昔よりも恵まれた環境にあります。歴史をふまえた上で現状を分析し、自分たちの望む環境、未来を手に入れるべく、皆で協力して声を上げていきたいと思いました。

 レクチャー、2つの報告、ディスカッションでたっぷり5時間、その後に懇親会も開かれ、ON-PAM会員同士とゲストは密な交流ができたと思います。前回に続きインプットとアウトプットをセットにした長丁場のイベントを体験して人間はその場を共有する人たちと長い時間をともに過ごすことが大切なのだと再確認しました。(高野しのぶ)


写真提供:ON-PAM
2014年度第3回文化政策委員会・文化政策ラボvol.5 
企画運営:相馬千秋、折田彩、武田知也、松岡智子
渋谷のエスニック居酒屋で懇親会あり。
レポート:http://act.onpam.net/?p=929
概要:http://act.onpam.net/2014/08/13

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2014年10月24日 14:08 | TrackBack (0)