2014年11月号に続き、勝手ながらメルマガ12月号の発行もお休みさせていただきます。発行再開の目途はまだ立っておりません。ただ、11月よりも生活は落ち着いてきましたので、2015年中には再開できるかな~という想像は出来るようになりました。
来月の観劇予定をスケジュールにアップしました。もしよろしければ参考にしていただけたら嬉しいです。いつも通り、私のストレート・プレイ好きがよくあらわれていると思います。
俳優向けのオーディション情報は比較的まめに更新できています。12月中に〆切があるものが充実しているので、ご興味のある方は「しのぶの演劇レビュー」TOPページの【厳選!ワークショップ・オーディション情報など】をチェックしてみてください。
12月から開幕する演劇の中で、私の一番のお薦めは新国立劇場の二人芝居『星ノ数ホド』。
●新国立劇場『星ノ数ホド』
12/03-21新国立劇場小劇場
出演:鈴木杏、浦井健治
脚本:ニック・ペイン 翻訳:浦辺千鶴 演出:小川絵梨子
A席5,400円 B席3,240円 Z席1,620円
2013年のローレンス・オリヴィエ賞の最優秀新作プレイ賞等にノミネートされた英国戯曲で、劇作家のニック・ペインさんは英国イブニング・スタンダード紙の「ロンドンで最も影響力のある1000人・2014年」に選ばれてます。さらに演出が小川絵梨子さんですから見逃せない!出演者2人(鈴木杏、浦井健治)も透明感があって、演技に対する姿勢が真摯で、私の好きなタイプの俳優さんです。
⇒【レポート】新国立劇場演劇マンスリープロジェクト・トークセッション「二人芝居ー対話する力ー」
そして、戯曲が楽しみなのが青年座の『世界へ Au monde』。
●劇団青年座 第215回公演『世界へ Au monde』
12/12-21青年座劇場
出演:劇団青年座の俳優
作:ジョエル・ポムラ 翻訳:佐藤康 演出:伊藤大
初日割引[一般]3,500円 一般4,200円 学生2,500円
ジョエル・ポムラさんはフランスの劇作家で、初来日になるはずだった2011年の『時の商人』静岡公演が東日本大震災のために公演中止になり、私は戯曲本を買って読みました。『うちの子は』は残酷で悲しくて、短い会話に人物の心情がぎゅっと凝縮されている、とても読みごたえのある戯曲でした。
⇒岩城京子「Report / ジョエル・ポムラ「Ma chambre froide」」
⇒Theatre Arts「出口なき家族─ジョエル・ポムラ『うちの子は』*」(堀切克洋)
⇒竹中香子ブログ「初めての公演、そしてジョエル・ポムラ(天才!!)」
『世界へ Au monde』の演出は青年座の伊藤大さん。伊藤さんは2012年に好評だった『THAT FACE~その顔』の演出もされていました。
11月21日にこりっち株式会社が「CoRich舞台芸術まつり!」を休止すると発表しました。初回から8年連続で審査員を務めさせていただいてきた私は、ショックが大きすぎて、しばらくは目の前が真っ暗になったような気分でおりました。でも同社は本気で再開を考えてくれているので、私個人としてもできる限り協力していきたいと思っています。
11月は同まつりの2014年準グランプリの笑の内閣と、グランプリの◻︎字ックの新作公演があります。観たいなぁ…。
●第19次笑の内閣 福島第一原発舞台化計画-黎明編-『超天晴!福島旅行』
12/04-07こまばアゴラ劇場
≪京都、東京≫
脚本・演出:高間響
⇒CoRich舞台芸術!から予約できます。
●◻︎字ック第九回本公演『媚媺る、』
12/10-14 小劇場B1
脚本・演出:山田佳奈
⇒CoRich舞台芸術!から予約できます。
11月に観た舞台の本数は6本。特に面白かった3本を上演順に。
テアトル・ド・アナール『トーキョー・スラム・エンジェルス』
Doosan Art Center+東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『가모메 カルメギ』
フェスティバル/トーキョー14「渡辺源四郎商店『さらば! 原子力ロボむつ ~愛・戦士編~』」
テアトル・ド・アナール「トーキョー・スラム・エンジェルス」初日。作・演出:谷賢一。約2時間強。近未来の東京が舞台で経済がテーマだが適度にエンタメ。濃いドラマに心地よい抜け感があり、とても面白い。笑いながら身に詰まされ自分はラーメン屋(山本亨)か証券ウーマン(南果歩)かと問う。続。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 14
「トーキョー・スラム~」続。味は変わらずとも値段は変わる。自分が信じる尺度って何か。一緒に観た60代の母が大絶賛。NTLiveも制覇してるのに「やっぱり私は日本人ね」と。確かに日本だ。青山円形劇場で11/24まで。
17日までは5千円。http://t.co/JoFZyeK0kj
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 14
渡辺源四郎商店「さらば!原子力ロボむつ 〜愛•戦士編〜」90分。フェスティバル/トーキョーでなべげんがかかってることがすごく嬉しい。最もナショナルなものこそインターナショナルになり得る、とは宮崎駿さんの言だったかと。 pic.twitter.com/8D1HnE2mpw
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 28
「ロボむつ」は青森中央高校演劇部の客演を得て深化。大人数の若い身体が清新で躍動的であるほど、彼らの未来に丸投げされた放射性廃棄物の暗闇が鮮明かつ残酷に。東京が東北を搾取する構造もまた。今回も双子ロボ最高。主役のイケメンは虚構の劇団の方でした。にしすがも創造舎で11/30まで。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 28
『가모메 カルメギ』はメルマガ号外を出したかったですが、余裕がありませんでした…。
「カルメギ」やはり傑作。KAATで30日まで。どうか見逃さないで下さい!上演時間は2時間25分休憩なし。 pic.twitter.com/ppGdthtSKf
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 27
「カルメギ」ソウル初演から主要キャストが数人変わり、日本公演用の選曲や新演出も。かなり尖がった社会派作品でもある。最後は自分が朝鮮の歴史をいかに知らないかを突き付けられた。チェーホフ「かもめ」が好きな人は是非。大胆な翻案にのけぞりつつ、今も昔も変わらないメロドラマに酔える。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 27
「カルメギ」。アルカージナ役の女優ソン・ヨジンさんの日本語がさらに上達し、日本人が朝鮮人に日本語を強要した史実がより鮮烈に。胸が苦しい。対面客席で初演と逆方向から鑑賞。劇場が変わり初登場した(と思われる)”金網のドア”を閉じる人、開く人…戦慄でまた胸が苦しい。見立ての豊かさ。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 27
『가모메 カルメギ』。人気K-POPや超有名なクラシックなど選曲がPOPで(乱暴と言えるぐらいw)ちゃんと娯楽性あり。実は選挙の前に観るべき芝居かもしれない。日本語字幕は方言や解説も含み贅沢。11/30(日)までKAAT神奈川芸術劇場。最寄りは東横線日本大通り駅。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 27
『가모메 カルメギ』
日本公演詳細:http://t.co/fWHMbozbqw
昨年初演長文レビュー:http://t.co/tIBWtcUXz4
受賞記録:http://t.co/AhXMQDemiM
チラシ推薦文寄稿:http://t.co/BIKUs3gRCW
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 27
大切なお友達が次々に『가모메 カルメギ』を観に行ってくれている。パリから帰国中の人も。嬉しい!
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 30
11/3 (月) のゲンロンカフェでのトークイベント「平田オリザ×東浩紀 司会:内野儀「日本は『芸術立国』になれるか――文化から社会を変える」」もすごく面白かったです。
ゲンロンカフェあごう。お酒なしもいいですね。日本語は対話向きじゃない。トークイベントの観客こそが、対話が輩出する公共性…だったかな。そのあたりが面白かった。あと演劇をやる覚悟の話。 pic.twitter.com/QnGBkUNGX8
— 高野しのぶ (@shinorev) 2014, 11月 3
ゲンロンカフェのイベントを入場料収入だけで運営するならばチケット代を現在の2倍にする必要があるけれど、ニコニコ動画で映像を有料配信しているので、経営が成り立っているそうです。これは舞台芸術業界も本腰で取り組むべきではないかと思いました。
ご参考:「METライブビューイング」、「ナショナル・シアター・ライヴ2014」
これはすごいサービス! ロンドンのシェイクスピア・グローブ座が、舞台のフル映像を有料オンデマンド・サービス。世界中から視聴可、現在 09-12 年のシーズンのものが見られるとか。http://t.co/kHKt2yJhAH pic.twitter.com/V06lMrCrxz
— Junko (@junkoy) 2014, 11月 5
今年も高校生劇評グランプリが実施されます。昨年に続き審査員を務めさせていただきます。今年から舞台映像(テレビ放映、劇場上映、DVD)の劇評も対象になります。たくさんのご応募をお待ちしております!
高校生劇評グランプリ、投稿の受付は12月1日(月)朝8時から開始いたします。沢山のご応募お待ちしています!https://t.co/onR7FfybI9
— 高校生劇評グランプリ (@hs_trgp) 2014, 11月 28
12月14日(日)に衆議院議員選挙がありますね。うんざりです。
⇒Yahoo!みんなの政治「衆院選2014、各政党のマニフェスト一覧」
私は自民党・公明党に過半数を取ってほしくない一心で、投票に行きます。以下は2013年に投稿したエントリー、その他です。よかったら振りかえってみてください。
【意見】7月21日の参議院議員選挙で自民党に圧勝して欲しくない理由
【記録】2013年11月26日特定秘密保護法案が衆院特別委員会で可決
【意見】舞台芸術関係者の皆様、ぜひご一読ください⇒表現人の会「特定秘密保護法案に反対する賛同人募集」
自民党の憲法改正草案について。数ページの漫画です。ぜひご一読を。自民党は「国民主権」をなくそうとしている党。「ちゃんと知らなきゃ大変だっ!!」by N2サービス/豊橋いのちと未来を守る会:http://t.co/HuJ6aKZPcj
— 高野しのぶ (@shinorev) 2013, 6月 29
今朝11月19日の東京新聞に自民党が前回衆議院で掲げた公約と現状の分かり易い表がのっている。が公約が次々変わってしまったり、約束が実現していないものもある。原発政策も原子力に依存しないようにするはずが積極的に再稼働を推進だ!嘘は駄目! pic.twitter.com/ETXaskHwDb
— kyoko (@piccadillymama_) 2014, 11月 18
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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