CoRich舞台芸術まつり!2014春で準グランプリを受賞した笑の内閣。その後も東京公演には伺わせていただいています。今回は東浩紀さんが経営するゲンロンカフェで、昨年上演した『超天晴!福島旅行』(⇒CoRich舞台芸術!)の30分ダイジェスト版を上演し、その後に作・演出の高間響さんが東さんとトークをするイベントでした。
⇒ゲンロンカフェによる舞台写真、感想まとめなど
ゲンロンカフェで笑の内閣「超天晴!福島旅行」ダイジェスト版、高間響×東浩紀。テレビや連載漫画と違い、演劇は最後まで観てから評価される。それはアドバンテージだという視点は発見だった。母が「すんごい楽しかった」と言ってくれて嬉しい。 pic.twitter.com/PVU2mgSm4t
— 高野しのぶ (@shinorev) 2015, 3月 18
19時開演で21時終了予定でしたが、いつもどおり時間内には終わらず(笑)、私は22時ごろに中座することに。私も母もワインをがぶ飲みする高間さんのことが心配で、壇上に駆け上がってお水を飲むように説得したくなる気持ちを抑えておりましたところ(笑)、なんと高間さんのお母様がニコ生にコメントで登場され、「お水を飲みなさい」とのアドバイス。高間さんはちゃんとお水を飲んでいらっしゃいました(時すでに遅し…だったようですが)。
高間母ニコ生に降臨!→高間響(笑の内閣)×東浩紀「笑の内閣が斬る!『福島第一原発観光地化計画』――『超天晴!福島旅行』ゲンロンカフェ版上演+トークショー」
http://t.co/6crF60DkUT pic.twitter.com/bYhzKn4wkI
— ゲンロンカフェ (@genroncafe) 2015, 3月 18
テレビは気に入らなかったらチャンネルを変えられてしまうし、漫画は途中で打ち切りになることもあるが、演劇はお客さんを座席にしばりつけて、最後まで観てもらうことが可能である(途中退出する観客もいますが)。それは演劇の強みだということは、私にとって発見でした。「風刺には時間がかかる」というのも納得だったな~。
※「「境界のないセカイ」マンガボックス連載終了のお知らせ」というニュースについても言及あり。
演劇だからこそできる風刺。
芝居だったら途中で帰ることがしずらいので、ある程度我慢して聞いてくれる。風刺には時間が必要。#genroncafe pic.twitter.com/tgHrNr2hpc
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 18
東:福島の問題を考えるとき、風刺という手段はいかに機能するのか。笑の内閣の他のテーマとはことなる。
高間:他のテーマなら演劇人はみんな賛成。福島の問題には多様な意見があり得る。営業的にはよくないかもしれないが。 pic.twitter.com/zMwAUMkWBh
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 18
東さんが高間さんに「作品は面白いんだけど、パッケージが弱い(中身はいいのに見栄えが悪い)」「ここぞという時は、アーティストであるだけでなくプレゼンテーターでなければいけない」といったアドバイスをされていて、もっともだと思いましたが、小劇場劇団にはそういうところがとても多いんですよね(パッケージが目立つばかりで中身が薄い場合もあるでしょうが)。
私も高間さんの脚本はとても面白いと思っています。このイベントに母を連れてきたのは、彼女が笑の内閣の過去公演の戯曲を読んでいて、それを好きだと言っていたから。テーマを決めて高間さんに執筆依頼をすれば、色んな立場や視点を公平に描き、自分の主張もきちんと盛り込んで、コメディー要素もふんだんな、楽しくて勉強になる台本を書いてくれそうな気がします(TPOに合わせて下ネタの量の加減は必要だと思いますが)。東さんは(トークのネタとして)高間さんがちゃんとしないといけないよ、という意味の愛あるお説教をされていましたが、私は彼自身じゃなくて、彼を支える人がその役割を担ってもいいんじゃないかと思いました。
※あくまでも22時まで観た者の感想です。
アフターも熱い演劇討論がかわされていました。
本編はこちら!→http://t.co/6crF60DkUT pic.twitter.com/YFZIzIZ9le
— ゲンロンカフェ (@genroncafe) 2015, 3月 18
桜舞う夜の森トンネル 出口は今は行けないけど いつかその先で花見が出来るように
心の壁もいずれは解除 春の浜通り
(恋の浜通り)
ゲンロンカフェ公演、有り難うございました。公演は終えましたが、福島の問題は終わるわけでは無いということを、心に留めておこうと思います。
— 中村彩乃 (@clabchopper) 2015, 3月 18
18日の笑の内閣のゲンロンカフェ公演、とてもよかった。もとの作品を30分に凝縮したダイジェスト版で、笑いの要素は若干犠牲になったものの、ストーリーがきちんと構成されていて、問題提起と展開が分かりやすく、スピード感もあり、見応えがあった。役者も前回より上手くなっていたように思う(続
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 19
なにより、ゲンロンカフェでニコ生付きで演劇をする、というのがいい。なにを根拠に自画自賛をしているのだと言われそうだが、20世紀初頭に流行したキャバレーの小演劇の伝統を引き継いでいるのはここだと思ったから。アヴァンギャルド芸術のパフォーマンス、それに労働者クラブの時事演劇の伝統。続
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 19
始まったら止められない演劇の時間を、ゲンロンカフェの観客、ニコ生の観客、運営、出演者で共有する。客席が暗転にならないから集中するのも各自の裁量だし、ニコ生からトラブルの指摘があったり(ごめんなさい!)、なによりニコ生の前のお客さんはリラックスしつつも、やはり演劇に参加している。続
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 19
ロシアの演劇人メイエルホリドは、観客が芝居中に飲んだり食べたりヤジを飛ばしたりする江戸期の歌舞伎や中国の伝統演劇に憧れた。よく高山明さんが言っているように、ブレヒトもタバコを吸ったりしてリラックスして感激する、非没入型の演劇を目指した。18日のゲンロンカフェにはそれがあった。続)
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 19
小山内薫は1927年、二度目のモスクワ訪問の際、労働者クラブで時事演劇を見て、これこそが演劇の未来だと考えた(「「シニヤヤ・ブルウザ」を見る」)。日本に引き継がれた労働者演劇については、ちょうどいまPARASOPHIAで「メザマシ隊」が紹介されている(が、わかりにくい)。(続)
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 19
キャバレーの演劇や時事演劇は、戦後に寺山修司が引き継ぎ、その後もこのスタイルはあり続けている。カフェでの演劇上演も多い。けれども、現代日本の演劇の客は行儀がいい。つまらないから途中で帰ることもなく、ヤジが飛ぶこともない。それがニコ生で顔が見えないとみんな好き勝手にヤジを飛ばす。続
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 19
ここには演劇が生き返る可能性があると思ったし、高山明さんの観光演劇のスタイルと直結するものがあると思った。またゲンロンカフェで芝居やってみたい。
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 19
野次講習!楽しそうだ。劇場飲食禁止は20世紀型演出家演劇の産物ですね。
RT
@waraino_naikaku: @yuvmsk プロレス芝居時代は場内で飲食を販売し、開場中にはわざわざ野次講習をして野次を煽ったりしてたのですが、売れてきて飲食可な劇場も使えなくなってきたところ
— Yoko Ueda (@yuvmsk) 2015, 3月 20
上田さんの指摘している、客席から野次が飛ぶとか、飲食ってのは2年前まで京大の施設で当たり前にうちがやって来ていたことで、ここ2年の飲食禁止の劇場でしてお客さんもなにも言わないてのは、笑の内閣にとってはすごく新しいことなんだけども、ゲンロンカフェでそれが出来たてのは懐かしいより新鮮
— 笑の内閣上皇 (@waraino_naikaku) 2015, 3月 21
いまごろ見つけたけれどこれは嬉しいレビューですね! →@genroncafe
— 東浩紀 (@hazuma) 2015年3月23日
演劇評論家の高野しのぶさんが3/18の高間響(笑の内閣)×東浩紀「笑の内閣が斬る!『福島第一原発観光地化計画』」のレビューを書いてくださいました。→http://t.co/u7VrBmhlhH …
前売券2600円 1ドリンク付 ※当日、友の会会員証/学生証提示で500円キャッシュバック
当日券は3100円 (1ドリンク付き)です。ゲンロン友の会会員証または学生証のご提示で2600円(1ドリンク付き)になります。
友の会会員限定席を複数予約される場合は、お連れの方が会員でなくても結構です。
お席はチケットの申し込み順ではなく、当日会場にご来場頂いた順にご案内致します。
開場時間はイベント開始1時間前の18:00となります。
http://peatix.com/event/74392
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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