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2015年05月28日

【写真レポート】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]第1回テーマ委員会「制作者とアーティスト、その関係性を問い直す」04/06 Nextミーティングルーム

 2015年4月6日、東京都江東区にあるNextミーティングルームにて、舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM](オンパム)の第1回目のテーマ委員会「制作者とアーティスト、その関係性を問い直す」が開催されました。

 ●ON-PAMテーマ委員会
 年間テーマ:「あたらしい制作者」像を考える
 第一回:制作者とアーティスト、その関係性を問い直す
 ・トーク・セッション登壇者:
  伊藤達哉(有限会社ゴーチ・ブラザーズ代表取締役)
  重政良恵(劇団SCOT制作)
  高萩宏(東京芸術劇場 副館長)
  三好佐智子(有限会社quinada代表)
  司会:相馬千秋(アートプロデューサー/NPO法人芸術公社 代表理事)

 私がまとめた活動報告のレポートがON-PAMのアクティビティサイトに掲載されましたので、私の所感も含め、下記に一部転載します。写真も含めると全部でA4用紙30ページぐらいの分量はあると思います。非常に刺激的で面白い内容でしたので、よかったら会員になってお読みいただけたら嬉しいです。
 ⇒記事(会員限定公開)
 ⇒facebookの報告ページ
 [ON-PAM]の過去レポート⇒

20150406_onpam2.jpg

 会員限定公開の記事です。パスワードが必要となります。パスワードは会員向けメーリングリストにてお知らせしています。
※ON-PAMに入会したい方はこちらから→入会申し込み:http://www.onpam.net/membership.html
・入会の際は、規約(http://www.onpam.net/download/rules.pdf)を必ずお読みください。
・入会には、会員種別に応じてそれぞれ入会金、会費が必要となります。詳細は、入会申し込みのページでご確認下さい。
 ON-PAM WEBサイト http://www.onpam.net/
 ON-PAMアクテビティWEBサイト http://act.onpam.net/

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ON-PAMは、「舞台芸術制作者」の開かれたネットワークです。それでは私たち「舞台芸術制作者」とは、一体何者なのでしょうか? 
かつて「制作者」は、芸術的才能やカリスマ的求心力を持つアーティストが主宰する劇団やカンパニーにおいて、公演を成り立たせる制作実務(運営管理、助成金申請、広報宣伝、チケット等)を行う担当者、という位置づけにありました。しかしこの20年ほどの間に、「制作者」のあり方は劇的に変化を遂げています。

劇場やフェスティバルを基盤にアーティストや作品をプロデュースする者、インディペンデント・プロデューサーとして自らの芸術的ビジョンを体現する企画を仕掛ける者、ドラマトゥルクという立場からクリエーションに寄り添う者、中間支援組織や助成団体の側からシーン全体の活性化を図る者、フリーランスとして複数の劇団や公演の現場にコミットする者など、今や「制作者」のあり方は大きく多様化しています。

今年度の委員会では、ON-PAMのアイデンティティそのものである「舞台制作者」像を今日の現状に即してアップデートし、その多様性と課題を整理することで、私たち自身が「あたらしい制作者像」を見出し、再定義することを目指します。その作業によって、今日の制作者に期待される社会的な役割と責任、といったことも次第に明らかになってくるのではないでしょうか。

この年間テーマに取り組む第一回委員会においては、制作者の原点とも言える「アーティストとの関係性」について考察します。ある強烈な世界観や才能を持ったアーティストとの出会いから、制作者達はどのようにアーティストと関係を築き、それを「生業」として成立させているのでしょうか。そこにある葛藤や長期的ビジョンとはどのようなものなのでしょうか。今日の日本の舞台芸術を牽引する劇団やアーティストの制作を手掛けてきた4名の制作者に語って頂くところから、このテーマを掘りさげていきたいと思います。

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1.アーティストとの関係性とこれまでのキャリア
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相馬:
今日は、劇団制作からお仕事を始められ、今さまざまな現場でご活躍されている4人の制作者をお招きしました。2015年のON-PAMのテーマ委員会は「新しい制作者像を探る」というテーマです。ON-PAMという組織が「舞台芸術制作者のオープンな集まり」であることは自明ですが、制作者とはいったい何なのかを、もう少し掘り下げて考えるべきではないかという議論が、昨年、会の中で起こりました。私たちは制作者という言葉は理解しており、自分たちがそうであるという自覚はある。けれども、かつてよりその言葉の表す職能が非常に多様化していることもあり、現在、制作者という職能がどういうものなのか、私たち自身が自分たちを自己定義する言葉を持っているのかを考える必要があります。

今年度のON-PAMでは、「そもそも制作者とは何か。制作者像はどのように更新されようとしているのか。私たちは何者で、これから何処に向かうのか」ということを年間テーマとして話していくことになりました。

第一回として今回は「制作者とアーティストの関係」を取り上げます。

今日は制作者としてアーティストとさまざまな関係を切り結びながら、作品を作る、あるいはプラットフォームを作るというお仕事をなさっている4人に来ていただき、アーティストと制作者との関係をあらためて考えいきたいと思います。劇団をベースにする制作者、ドラマトゥルク、あるいはプロデューサーやプログラム・ディレクターなど、色々な制作者のあり方が見えてくることでしょう。まず4人の皆様にトーク・セッションという形で課題を掘り起こしていただき、後半は参加者全員によるグループ・ディスカッションを行って、この問題に向き合っていきたいと思います。

続きはコチラから→ http://act.onpam.net/?p=1249

20150406_onpam1.jpg

≪所感≫
4人の登壇者に年齢差があったため、1980年代以降の演劇シーンをおさらいすることができ、それを踏まえたうえで現在、未来を考えることが出来ました。1つのテーマで話し合いましたが、グループ・ディスカッションでも全く違う論点、意見が出てきて、とても刺激的で充実した内容になったと思います。異なる考えを持つ制作者の自由な議論から、知が蓄積されていくのを実感でき、ON-PAMの存在意義を再び確かめられました。

私は特に俳優養成に興味を持っているので、重政さんのグループに入りました。日本の演劇に危機感を持っていらっしゃる重政さんの「集団で場所を維持する努力をして欲しい」という言葉で、ディスカッションは終了しました。集団による訓練・創造の継続の意味でも、公共性の意味でも、やはり重要なのは場所であると確認できました。

1990年代後半から公立劇場による作品創作が本格的に始まり、首都圏においては、劇団主体だった演劇シーンが少しずつ変化して、今を迎えています。演劇を創作する公立・民間の劇場、劇団、制作会社、そして観客をつなぐのは制作者です。ON-PAMが示す「新しい制作者像」は、新しい演劇シーンをあらわす言葉になるかもしれないと思いました。
(高野しのぶ)

写真提供:ON-PAM広報室
レポート執筆:高野しのぶ(現代演劇ウォッチャー/「しのぶの演劇レビュー」)
編集補助:川口聡(Next(ネビュラエクストラサポート)/ON-PAM理事・広報室室長)
主催:ON-PAM(舞台芸術制作者オープンネットワーク)
協力:Next(有限会社ネビュラエクストラサポート)
http://act.onpam.net/?p=1143
https://www.facebook.com/PAPNMeeting/posts/581807905289983

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2015年05月28日 13:41 | TrackBack (0)