花組芝居の代表作だそうです。「10年封印していて、そろそろいいかなと思ってやったらこんなになっちゃいました」脚本・演出の加納さん談。
チラシに『花組ビギナーにも最適です』と書いてありましたが、ちょっと濃すぎ(笑)。
四谷怪談はそもそも忠臣蔵とも関係があるお話だそうで、伊右衛門はお家とりつぶしになって困っていた浪士だったために、金に目がくらんでお岩を捨て、金持ちのお梅(かな?)に走ったというくだりがあるそうです。そこを組み合わせてアレンジ(綯い交ぜ)したのがこの作品だとのこと。
ものすごくセリフが難しい上に、役者さんが皆さんめちゃくちゃ早口だったので、お話が全然わかりませんでした。とにかくそれが残念。一言だけ感想を言うとすると、それに尽きます。
踊るし走るし歌うし、衣裳もすごいし、役者さんはものすごい体力が必要だと思います。男だからこその大胆さと躍動感は花組芝居ならではですよね。気持ちいいです。
花組芝居らしい豪華絢爛の衣裳でした。でも、ちょっと黒くて中華風?なのは不思議でした。
チラシのシンボルにもなっている紅い彼岸花の巨大版が舞台中央にずっとぶら下がっていて、美しいのだけれどちょっとおどろおどろしい、異様な空気をかもし出していました。先っぽが光るのはおちゃめです。
中盤は物語の意味がわからなかったのでダレてしまったのですが、伊右衛門とお梅の婚礼のシーンから本領発揮でした。めくるめくお岩ワールド。約20人全員お岩!圧巻!
でも一番すごかったのは最後のレビューでしょう。ドス黒い宝塚でした(笑)。白い羽ではなく巨大な彼岸花しょって出てきたら笑うって、誰でも!
加納幸和さんのお岩がやっぱり一番素敵でした。絵になるんですよねー。声がいいし。もっと一人で出て来てほしかった。
大井靖彦さん。伊右衛門と新たに結婚するお梅役。劇団☆新感線の右近健一さんと劇団ひょっとこ乱舞のチョウソンハさんを足して2で割ったような感じでした(笑)。目が殺気立っててキュート。
山形県から中学生が修学旅行で観に来ていました。カーテンコールで「とんでもないものを観せてしまいました(笑)」と加納さんがおっしゃっていましたが、ほんと、とんでもないかも(笑)。でも中学生向けのサービスがいっぱいあって楽しかったです。濡れ場の前に「今さらR指定っていうわけにもいかないので、担任の先生ごめんなさぁ~い!」とか言ってくれたり。プロって素敵だなーと思いました。
脚本・演出・出演/加納幸和
出演/水下きよし 原川浩明 溝口健二 山下禎啓 桂憲一 大井靖彦 八代進一 北沢洋 横道毅 嶋倉雷象 各務立基 秋葉陽司 松原綾央 橘義
美術:川口夏江 音楽:ノビタヒトヨシ 照明:橋本和幸 音響:清水吉郎 小道具:石井みほ 衣裳:尾崎由佳子 床山:太陽かつら店 衣裳スーパーバイザー:阿部朱美 大道具:C-COM 演出助手:則岡正昭 大野裕明 演出部:木崎宏司 舞台監督:安田美和子 宣伝イラストレーション:岡田嘉夫 宣伝写真:松谷椿土 宣伝美術:矢吹かおり 印刷:フジ・アート 協力:松竹衣裳 藤浪小道具 高津映画装飾 制作:多田知子 共催:世田谷パブリックシアター 企画・製作:花組芝居
花組芝居:http://www.hanagumi.ne.jp/