2004年06月06日

strange GARDEN『シェル』06/04-07タイニイアリス

 前回公演の「あなたの魂を狙撃する」というキャッチフレーズが怖かったのですが、知人関係で伺いました。

 開演前に観客に冷房が寒いかどうかを聞いて、寒いと言ったお客様に上着をレンタルしたのが素晴らしいと思いました。その後「本日のお菓子」と言って飴とまんじゅうを配られたのにびっくり。しかしながら、まんじゅうが完全なネタフリだったので後でがっくり。 

 内容は昔の第三舞台っぽかったです。80年代の香り。役者さんの演技は大きな声を張り上げて、熱いです。オープニングのダンスに私は中学時代を思い出しました。主人公の漫画家(?)の部屋の本棚においてある漫画の種類からすると、作家さんは私と同世代の方かしら(「タッチ」「みゆき」「スラムダンク」「AKIRA」「甲殻機動隊」その他、少年ジャンプ系統 等)。
 劇団全体の雰囲気としてはキャラメルボックスっぽいと思いました。観客サービスの仕方やカーテンコールで感じたのですが、自分たちとそのファンたち(観客)という感覚ですね。終演後、出口で冷たい麦茶を振舞ってくださったのですが、その真横でカンパを募っていることに驚きました。

 脚本は何かにつけて下ネタになります。実際に長時間、一人の男優さんが半裸でした。そして、これには本当に驚かされたのですが、まっすぐに、大真面目に、堂々と、夢オチでした。空想と現実世界の交錯も、ドタバタ支離滅裂トラブルも、仕掛けも結論も何もかも吹き飛ばして、全てが「前フリ」となって終わりだったんです。

 かつ舌が悪い上に早口でしかも噛むので、言葉が伝わらない役者さんが数人いらっしゃいました。劇団としてもっと深刻に捕らえられた方が良いのではないかなと思います。
 会場には笑いが起きていましたが、私は笑えなかったです。主人公が普通にしゃべった「もれ聞いた」というセリフは面白かったですが。

 開場時間からスモークが思いっきり焚かれていました。足元が見えないほど。高さのないタイニイアリスという小屋で光の筋がくっきり見えましたし、赤い照明で空間全体が真っ赤になったりしましたので、照明の効果を出す意味で成功されていたと思います。
 最後に壁の中央部分がはずれて行き、十字架のように開いた所から白い光が神々しく照らされるのはきれいでした。

作・演出:佐藤隆輔
出演:樋泉 秀幸 五味田 扶美子 舟橋 晋 尾木 亜紀子 金崎 剛 佐藤 隆輔 蝶名林 舞(劇団フジ)
舞台監督:小林 英雄(Anjuta Arts) 照明:鈴木 悟 音響:松岡 之豊寛(teamTKzone) 制作:浅見 絵梨子 小佐々 宏美
strange GARDEN:http://www.strangegarden.net/

Posted by shinobu at 2004年06月06日 21:16