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REVIEW

2008年05月11日

ブラジル『さよなら また逢う日まで』05/09-20こまばアゴラ劇場

 テレビドラマの脚本も手がけられるようになったブラジリィー・アン・山田さんが作・演出されるブラジル。こまばアゴラ劇場でブラジルが観られるなんて、なんだか普段とは違った興奮があります。

 役者さんの個性・技術を生かした確かな笑いが散りばめられた、ある完全犯罪の顛末。とても面白かったです。上演時間は約1時間45分。日曜夜は満席でした。14日(水)休演で20日(火)まで。

 ⇒CoRich舞台芸術!『さよなら また逢う日まで

 おそらく廃工場の一室。なにやら悪そうな奴らが集まって秘密の相談。灰色の壁に割れた窓、窓からはみ出す緑、木製のテーブルとイス。

 前作でも感じましたが、スタンダードな会話劇としてどんどん上質になってきている気がします。計算された破綻はその分少なくなってきてはいますが、より幅広い世代、観客層に受け入れられるエンターテイメントで、“苦笑系悲劇”というオリジナリティーもぎゅっと凝縮されて品良く表現されているのではないでしょうか。

 アメリカンポップス(おそらくフィフティーズ)が心地よいです。ワンシチュエーションの会話劇ですが、照明も大胆に使っていて楽しい。

 川島潤哉さんの怪演は強烈だったな~(笑)。

 ここからネタバレします。

 6億円を積んだ現金輸送車を狙う強盗一味のお話。現金輸送車の運転手(川島潤哉)もグルだから成功間違いなし、のはずだったが・・・。

 結局一番のワルは宮下(谷村実紀)という女だったわけですが、彼女って出所したばかりの伊藤(西山聡)に積極的に想われてて、佐々木(櫻井智也)と昔付き合ってて、森(加藤慎吾)ともおそらく浮気してて、千葉(中川智明)も密かにゾッコンだったし、実は長谷川(辰巳智秋)とも仲良さそうでしたよね。昔の仲間の男たち全員に好かれてた小悪魔なわけですから、もっと色気ムンムンで、妖艶でさえある女でも良かったんじゃないかしら。谷村さんはそのままでも充分魅力的な方ですけど。足が細い!

出演:中川智明、西山聡、櫻井智也(MCR)、辰巳智秋、諌山幸治、谷村実紀、川島潤哉(コマツ企画)、加藤慎吾(劇団印象)、こいけけいこ(リュカ.)
作・演出:ブラジリィー・アン・山田 舞台監督:主侍知恵(HOZO) 舞台美術:仁平祐也(HOZO) 照明:シバタユキエ 音響:島貫聡 衣装:中西瑞美 宣伝美術:川本裕之 チラシ写真:名鹿祥史 演出助手:異儀田夏葉 票券管理:スギヤマヨウ(QuarterNote) 制作:恒川稔英・池田智哉(feblabo)・ブラジル事務局 企画制作:ブラジル事務局/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【休演日】5月14日(水)【発売日】2008/04/05 【前売】2500円 【当日】2800円(整理番号付自由席)【ペアチケット】4000円(要予約/劇団扱いのみ)(5/9~13までの回のみ適用)
http://www.medianetjapan.com/10/drama_art/brazil/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年05月11日 23:41 | TrackBack (0)