2010年07月30日
新国立劇場演劇研修所『朗読劇 少年口伝隊一九四五』07/30-31新国立劇場小劇場
『少年口伝隊一九四五』は井上ひさしさんが新国立劇場演劇研修所のために書き下ろした、2008年初演の朗読劇です。研修生が最終学年(3年次)で上演します。今年出演するのは4期生(過去レビュー⇒1、2、3)。上演時間は約1時間10分。
広島の演劇人により今年初めて広島で上演されました。ドイツの劇場でもレパートリーとしての創作が決定し、9月に初日を迎えるそうです。
⇒CoRich舞台芸術!『朗読劇 少年口伝隊一九四五』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
昭和20年8月6日、一発の原子爆弾が広島の上空で炸裂した。一瞬にして広島は壊滅、そして多くの孤児が生まれた。かろうじて生き延びた英彦・正夫・勝利の三人の少年は、やはり運よく助かった花江の口利きで中國新聞社に口伝隊として雇われる。新聞社も原爆で何もかも失ったため、ニュースは口頭で伝える外なかったからだ。三人の少年は、人々にニュースを伝えながら、大人たちの身勝手な論理とこの世界の矛盾に気がついていく。やがて敗戦。しばらくすると正夫が原爆症を発症、ひょんなことから手榴弾を手にした勝利はある決意をする。そこへ戦後最大級の台風が広島を襲うことになる。
≪ここまで≫
何度観ても、わかっていても、衝撃を受けます。原爆が落ちる直前、落ちた瞬間、落ちた直後、そして1日、2日、1週間・・・と具体的に描写されるヒロシマの惨状。
表情も動きも朗読から演技の方に大きくシフトしていました。口伝隊になった3人の少年(安藤大悟、扇田森也、竹田雄大)をはじめ、哲学じーたん(趙栄昊)と新聞社の花江さん(斉藤麻理絵)もセリフを憶えて言う場面が多かったですね。手榴弾を持っていた日本兵役の白川哲司さんも熱演でした。
私はどちらかというと朗読メインの方が好きですね。井上さんの言葉を明晰な語り口で聴かせて、感じさせて欲しい。でも毎年上演されていますから、少しは演出面での変化があった方がいいのかもしれません。新鮮さも必要ですよね。
田島真弓さん、日沼さくらさんの声がスーっと気持ちよく届いて、意味もはっきりと伝わってきました。
≪初台、板橋≫
出演(演劇研修所第4期生):木原梨里子 斉藤麻理絵(新聞社の花江さん) 佐藤真希 仙崎貴子 田島真弓 土井真波 日沼さくら 安藤大悟(英彦:20代まで生存する少年) 今井聡 白川哲司(手榴弾を持っていた日本兵) 扇田森也(正夫:原爆症で亡くなる少年) 竹田雄大(勝利:手榴弾を握りしめたまま台風で亡くなってしまう少年) 趙栄昊(哲学じーたん) 原一登 ギター:宮下祥子
【作】井上ひさし【演出】栗山民也【演出補】田中麻衣子【音楽監督】後藤浩明【模型作製】尼川ゆら【照明】服部基【衣裳】中村洋一 【音響】秦大介【映像】小林倫和【方言指導】大原穣子【ヘアメイク】前田節子【履き物】神田屋(霞弘明)【舞台監督】米倉幸雄 【舞台監督助手】北澤小枝子(5期生) 片桐レイメイ(5期生) 藤本強(5期生)【稽古進行】井上沙耶香(5期生) 林田航平(5期生)【舞台・照明・音響操作】新国立劇場技術部 シアターコミュニケーションシステムズ レンズ【制作助手】粟津佐智 長川原秀美 梶原航(5期生)【制作】新国立劇場【研修所長】栗山民也
A席2,000円 B席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000384_play.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディング『Re:カクカクシカジカの話』7/20-21全労済ホール/スペース・ゼロ
劇団劇作家の相馬杜宇(あいばもりたか)さんの新作を劇団チャリT企画の楢原拓さんが演出するという若手コンビへの興味もあり、非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディングを観に行きました。すっごく・・・面白かったです!
毎年超豪華キャストですが入場料金は全額寄付されますので、出演者もスタッフも全員ボランティアなんですね。微々たる額ですが終演後にカンパさせていただきました。
⇒CoRich舞台芸術!『Re:カクカクシカジカの話』
西山水木さんのアナウンスで開幕。正確ではありませんがこんな感じ↓でした。
「大勢の演劇人が、仲のいい人も悪い人も、平和への祈りのもとに集まりました。」
「悪い人も」のところで客席に大きな笑いが起こりましたが(笑)、人間はこうやって、気の合う人も合わない人も、共通する目的のために手を握り合うことができるんだと、見せていただけた気がしました。
このイベントは世代の異なる演劇人が交流し、ノウハウを共有して受け継いでいく役割も果たしていると思います。
ここからネタバレします。
■第一部:朗読劇「Re:カクカクシカジカの話」
(作:相馬杜宇 構成・演出:楢原拓 演出補助:丸尾聡)
内容についてはこちらに詳しいです。細かく書いてくださってありがたいですね。
核武装派・核廃絶派が上下(かみしも)に分かれてけんか腰で議論するのは、楢原さんらしい“茶番劇”のようでとても良かったです。ザンヨウコさん、西田夏奈子さんの配役はお見事!爆笑させていただきました。
鈴木瑞穂さんがご本人役で登場し、きのこ雲を目撃した体験をお話(朗読)された時は衝撃と感動で震えました。
“核の傘”には効果が期待できないという証言の数々。相馬さんは多くの資料を読んで構成されたようです。たとえば防衛目的で日本も核爆弾を持ち、攻撃してきた国に実際に核爆弾を投下したとしたら?自衛とはいえ日本は世界中から非難されて信用を失うことは避けられません。つまり核爆弾は所持しても使うことはできない。資産ではなく負の遺産であるとのこと。
実在の科学者や弁護士が登場して自身の論文を紹介(朗読)していくスタイルに、坂手洋二さんの作品がパっと思い浮かびました。疑問・反論に次々と答えていく、論理的に説得力のある構成が素晴らしかったです。
被爆者の証言をクライマックスに持ってきたことに感動しました。核武装するかどうかはただの議論であって、その前に原爆とは何だったのかを、データとしてではなく自分のこととして知る必要があるんですね。相馬さんの磨き上げられた主張を受け取り、井上ひさしさんのあとにつづく若者がここにいた!・・・と思いました。
≪休憩≫
■第二部:インタビュー 鎌仲ひとみ(ドキュメンタリー映像作家)
聞き手/永井愛・渡辺えり
鎌仲ひとみさんが凄くって、もう、圧倒されどおしでした。
映画『六ヶ所村ラプソディー』は拝見しました。必見です。
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『ヒバクシャ』も観なきゃ。DVDに収録されている短編「女性兵士の証言」(タイトルは不確かです)がその場でスクリーンに映写されました。装甲車に付けられた(塗られた?)劣化ウラン弾でヒバクした若い女性兵士が病状を語ります。恐ろしい。でも知らなきゃ。
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新作『ミツバチの羽音と地球の回転』で鎌仲さんは「初めて“解決方法”を提示した」とおっしゃっていました。7/25の座・高円寺での上映回には残念ながら行けなかったんですが、ぜひ観たいと思っています。
■第三部:追悼企画 リーディング「井上ひさし 平和への祈り」
出演:梅沢昌代 神野三鈴 田根楽子 三田和代 渡辺えり すまけい 高橋長英 益岡徹
構成台本:石原美か子、長田育恵 演出:渡辺えり 演奏:朴勝哲
『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』を中心に。
講談社
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非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディング vol.13
第一部出演:小山貴司 洪明花 山本悠生 青井陽治 大沢健 野々村のん 松岡洋子 山口馬木也 鴨川てんし 戸田恵子(21日) 板倉光隆 西田夏奈子 三田和代 高橋長英 鈴木瑞穂 渡辺えり ザンヨウコ 小杉美香 伊藤伸太朗 熊野善啓 佐藤滋 松本大卒 横澤有紀 長岡初奈 大谷亮介 深沢敦 成本千枝 舞山裕子 吉本菜穂子(20日) 田根楽子 重田千穂子 有森也実 枝元萌 志賀廣太郎 高畑こと美 小飯塚貴世江 小山萌子 友寄有司 占部房子 三浦孝太 藤井由紀 丸尾聡 中山マリ 円城寺あや 根岸季衣 酒向芳 西山水木
脚本:相馬杜宇(あいばもりたか) 構成・演出:楢原拓 総合プロデュース:渡辺えり 美術:加藤ちか 照明:伊藤孝(ART CORE design) 音響:佐藤春平 舞台監督:金安凌平 演出補:丸尾聡 宣伝デザイン:石原燃 制作:篠原久美子、松岡正勝 協力:ポスターハリス・カンパニー 主催:非戦を選ぶ演劇人の会 特別協賛:全労済ホール/スペース・ゼロ
【発売日】2010/06/19 入場料金(全席指定):一般1500円、中高生1000円、小学生以下500円
http://hisen-engeki.com/information.htm
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月29日
【ワークショップ】mitsudomoe「古川×玉置×須貝によるワークショップ」08/09-12 SIMスタジオ※定員に達したら〆切
東京の小劇場で活動している古川貴義さん(箱庭円舞曲主宰)、玉置玲央さん(カズガイ主宰)、須貝英さん(monophonic orchestra主宰)がmitsudomoeというユニットを結成。3人が個別に講師をつとめるワークショップを開催するそうです。
●mitsudomoe「古川×玉置×須貝によるワークショップ」
期間:2010年08月09日(月)~12日(木)
会場:SIMスタジオ(池尻大橋)
⇒詳細 ⇒申込方法 ⇒申込フォーム
⇒リーディング公演(8/14~16)
玉置さんは柿喰う客の看板俳優で、須貝さんも柿喰う客によく客演されていますね。古川さんは劇団以外のプロデュース公演でも演出を手掛けられています(⇒稽古場レポート)。ご興味ある方はどうぞ!
2010年07月26日
toi『華麗なる招待-The Long Christmas Dinner-』07/23-08/01 STスポット
女優の黒川深雪さんが主宰されるtoiでは、柴幸男さんが作・演出を手掛けてこられました。今回は“Wi! Wi! Wilder! 2010”企画中の1本として(他公演のレビュー:1、2)、ソーントン・ワイルダー戯曲を柴さんが誤意訳・演出されます。誤意訳といえば中野成樹さん(中野成樹+フランケンズ)の造語ですよね。
1ステージ限定30席の2バージョン公演で全席前売り完売。当日券もありません。銀行振込後にチケット(招待状)が郵送される形式でしたので、完全な完売なんですね。私はstar versionを拝見しました。上演時間は約1時間15分弱。
⇒CoRich舞台芸術!『華麗なる招待-The Long Christmas Dinner-』
あらすじ等はワークショップの発表会として上演されたリーディング公演のレビューでどうぞ。
仕切りのないSTスポットの四角い空間のど真ん中に、大きなディナー・テーブルとイス数脚。床が赤と緑のクリスマス・カラーになっていました。客席はそのテーブルを囲むように劇場の壁際に1列ぐるりと並んでいるのみ。パっと見たところ30席弱でした。出演者12人に観客30人なんて、すごく贅沢な公演ですね。
誤意訳ということで原作戯曲そのままのセリフではありません。役者さんとエチュードで作ったのかな~と思われるくだけた言葉も多く、ぎくしゃくした会話がそれなりの味になっている感もありましたが、私にはあまり良い印象はなく。star versionのみの感想ですが、リーディング公演の方が私は好きでした。
ここからネタバレします。
役者さんでは登場順に、無言になっていく男(狩野和馬)、嫁に行かなかった姉(後藤飛鳥)、双子を産む母(青柳いづみ)と、最初と最後に1人で残る遠い親戚の男(武谷公雄)がとても良かったです。私が座った席から見やすかった方々だからでもあると思いますが。
若くして兵士になった息子(坂口辰平)が、ダッシュして死の世界へと向かうのに爆笑。
最後に90年間を再び振り返ることになり、これまでの全てのシーンを大幅に省略し、すごいスピードでざーっと通します。アイデアにはなるほどと思いましたが、繰り返しには単純に退屈してしまいました。
最後はオープニング同様に 遠い親戚の男が1人だけテーブルに残されます。彼1人だけの無言の時間をたっぷり見せてパっと暗転して終幕したのが良かったです。また、暗転時間が長めにとられていたおかげで、余韻を豊かに味わえました。
Wi! Wi! Wilder! 2010 toi presents 5th
出演:黒川深雪[InnocentSphere/toi]、青柳いづみ、大石将弘、大重わたる[夜ふかしの会]、後藤飛鳥[五反田団]、坂口辰平[ハイバイ]、狩野和馬[InnocentSphere]、白川のぞみ[てとあし]、高橋ゆうこ、武谷公雄、立蔵葉子[青年団]、召田実子 ※配役・演出を変えた2バージョンでお届けします。(全キャスト、両バージョンとも出演致します。)
作=ソーントン・ワイルダー 誤意訳・演出=柴幸男 舞台監督=佐藤恵 美術=青木拓也 照明=森友樹 音響=星野大輔 衣裳=藤谷香子(快快) ドラマトゥルク=佐藤泰紀(STスポット/急な坂スタジオ) 演出助手=白川のぞみ(てとあし)/杉香苗(劇団虫の息) 宣伝美術=セキコウ 制作=ZuQnZ 製作総指揮=宮永琢生 企画制作=toi / ZuQnZ 主催=toi / ZuQnZ / NPO法人STスポット横浜 特別協力=急な坂スタジオ
【発売日】2010/06/13 【前売】2,500円 各回限定30席 前売のみの販売です。当日券の販売はありません。 受付開始&開場は開演の20分前です。
https://ticket.corich.jp/apply/20394/
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=20394
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月24日
新国立劇場演劇『エネミイ』07/01-18新国立劇場小劇場
蓬莱竜太さんが岸田國士戯曲賞を受賞した『まほろば』に続いて、新国立劇場に新作を書き下ろされました。演出は鈴木裕美さん。
今月は蓬莱さんの新作が2本同時に上演されていましたね。両方拝見しましたが、どちらかというと私は『エネミイ』の方が好みでした。
⇒CoRich舞台芸術!『エネミイ』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
主人公・礼司(高橋一生)の家庭はしごく平凡。定年間近の父(高橋長英)、習い事に熱心な母(梅沢昌代)、婚活にいそしむ姉(高橋由美子)、そしてフリーターの礼司。
ある夜、そんな家族のもとに父の旧い知り合いだという二人の男(林隆三&瑳川哲朗)が突然やってくる。二人を力一杯もてなす父親。他愛無い昔話に花が咲く宴会。しかし全く帰る気配を見せない二人に次第におかしな空気が流れ始める。家族総出で帰らせようと画策するが、のらりくらりと居続ける男達。
「どうして帰ってくれないんだろう……」
≪ここまで≫
テーマは学生運動、安保闘争です。かつて運動の当事者だった男たちと、現在フリーターをしている若者が出会いますが、同じ国の同じ場所で息をして、互いに必死で何かと戦っていながら、敵も目的も手段も全く違います。学生運動を知らない30代の作家が、自分に嘘をつかず、現代の日常生活の中の戦いを描いたとても面白い脚本だと思いました。
演出はあまり私の好みの方向ではなかったかも。動きや言葉のニュアンスなどに説明的な要素が多すぎて、ハっと驚けないし、アハハと笑えないし・・・という状態でした。例えば会話でじっくり聞かせて欲しいと思う場面で、流れをぷっつり切る出来事が起こります。それ自体は脚本通りなのですが、明るく盛り上げようとする演出で本題の影が薄くなってしまうのは残念。短くないお芝居なので、あえて見せ場を作る必要があったのかもしれませんね。好みの問題だと思います。
役者さんの中では高橋一生さんが断トツに素晴らしかったです。そう感じてしまったのは、もしかしたら私が観た回は役者さんが本調子じゃなかったのかもしれません。1人だけが目立つのっていいことじゃないですよね。
ここからネタバレします。
舞台となる礼司らの家があまりに豪邸すぎるのではないかと思ったのですが(アイランド・キッチンとか白くて長い階段とか)、電力会社に勤めている父親(高橋長英)は、もしかしたら天下りをいっぱいしてるのかな・・・?などと想像。でも定年“間際”なのか・・・。そんなことが気にならない抽象世界へと広がってくれれば良かったのになと思います。
押し掛けてきた二人は運動家。父はかつて彼らの同志でしたが、離脱してサラリーマンになりました。運動家たちは岐阜(だっけ?)から「三里塚」に行く途中。三里塚とはつまり成田空港建設反対運動が行われている場所です。運動家たちは礼司に同行しないかと誘いますが、父は反対ですし、礼司もピンと来ない様子。
母(梅沢昌代)の趣味はフラメンコで、ここぞという場面で急に踊りだして男たちの議論をうやむやにしてしまいます。こういうこと、現実でもよくありますよね(笑)。愛と情熱が理性に勝利してしまう様を描いたようにも受け取れて、面白かったです。でも私には踊りの時間が長すぎました。
礼司は終盤にやっと自分の思いを伝えます。バイトのシフト表を完成させるのが、どれだけ大変か。コンビニに私たちの生活の縮図があります。礼司が家にいるのは母親が呼び寄せたからだったとわかるのも皮肉ですね。好きでニートでいるわけじゃないんです。ただ、何でも「頼まれたから」やるのも、情けないといえば情けないですよね。
礼司は友達(のちに警官とわかる)と組んで、ネットゲームでお金を稼いでいます。おそらくアドベンチャー・ゲームのようなもので、敵を倒して剣などのアイテムを入手し、それを売ってるんですね。なんとまあ現代的。でも運動家(瑳川哲朗)が何も知らずに電源を切ってしまい、ゲームがすべてリセットされてしまいます。礼司と友人は窮地に立たされること間違いなし・・・。礼司は一瞬うなだれるものの、何も言わずに彼らを見送ります。
礼司が「三里塚」を知らなくて、さらっと「サンリヅカってどんな漢字ですか?」と質問したことは、運動家の神経を逆なでしたでしょうから、お互いのコミュニケーションの前提となる知識に大きなギャップがあるんですよね。こういった無知のせいで起こる事件は加害者に悪気がない場合がほとんどですから、この差を埋めるのは簡単ではありません。
時代の移り変わりのスピードが早くて、情報が洪水のように溢れていて、たとえ親子でもお互いに知らないことが多いです。気持ちがすれ違った時は一方的に怒ったり悲しんだりする前に、「自分は相手のことを全然知らない」ことを認めて、相手の話を聞くことからコミュニケーションを始めるようにしたいと思いました。
「エネミイ」は逆から読むと「意味ねえ」なんですね(パンフレットより)。いいタイトルだな~。チラシのビジュアルもかっこいいです。
出演:高橋一生 高橋由美子 梅沢昌代 粕谷吉洋 高橋長英 林隆三 瑳川哲朗
脚本:蓬莱竜太 演出:鈴木裕美 美術:奥村泰彦 照明:笠原俊幸 音響:長野朋美 衣裳:関けいこ ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:山田美紀 舞台監督:北条孝 芸術監督:鵜山仁 主催:新国立劇場
【休演日】7/5,12【発売日】2010/05/09 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000210_play.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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本能中枢劇団『家庭の安らぎの喜びと恐怖』07/23-08/01こまばアゴラ劇場
本能中枢劇団は元ベターポーヅの西島明さんが作・演出される劇団で、今回が第2回公演なんですね。ものすっごく久しぶりに西島ワールドに足を踏み入れました。
観客はパンを持参、と直前に知ったので、私は持って行けず。貢献できなかった…。上演時間は約1時間25分。
⇒CoRich舞台芸術!『家庭の安らぎの喜びと恐怖』
脈絡が全然わからない不思議エピソードの連続。でも中盤以降はストーリーにもなっていきました。途中で少々退屈しましたが、最後は面白かったです。
激しく踊るシーンが素敵だな~と思ったら、振付が山田うんさんでした。
横塚真之介さんと宮下今日子さんが共演されているのを観るのは一体何年振りかしら・・・勝手にすっごく懐かしい気持ちになり、思い出の走馬灯状態に陥りました(芝居と関係ないですね、すみません)。
ここからネタバレします。
黄色い布団に寝る男(森田ガンツ)の周囲で、それ以前の場面が回想されるように繰り返されていきました。細い棒に切り取られたキューピー人形の手を3~4本並べて立てて、その棒を口にくわえた女(空也みたいな感じ)が怖くて良かったです。なぜレインコートを被ってたのかな~。
大量の保険金が入った壺と爆弾を取り違えていき、貧しいが善人だったはずの男(横塚真之介)が金に目がくらんで女を捨て、間違って爆弾の蓋を空けてしまい自爆。真っ赤な照明と爆音。その後、なぜか女2人(吉原朱美&宮下今日子)がBeatlesの"Yesterday"に合わせてしんみり踊って終幕。・・・なんだそれは!(笑) そこが面白かったです。
第二回公演
出演:猿飛佐助 吉原朱美 森下亮(クロムモリブデン) 真下かおる(くねくねし) 成田さほ子(拙者ムニエル) 飯野遠(民藝) 森田ガンツ(猫のホテル) 横塚真之介 宮下今日子 特別出演:田辺茂範(ロリータ男爵)
脚本・演出:西島明 振付:山田うん 舞台美術:ふくいく 宣伝美術:大内かよ 舞台監督:上林英昭 照明:colore 音響:高塩顕 衣装:川口知美(COSTUME80+) 制作運営:三村里奈(MRco.) 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 企画制作:本能中枢劇団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 技術協力:鈴木健介(アゴラ企画) 制作協力:尾形典子(アゴラ企画) 芸術監督:平田オリザ
発売日6月19日(土)チケット料金 前売り 3000円 当日3300円 (日時指定 整理番号付自由席) 当日券の販売等、受付開始は開演の60分前、開場は30分前。
http://honchu.net/
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東京芸術劇場「水天宮ピット・オープニングイベント」07/23水天宮ピット・大スタジオ等
玄関の看板
舞台芸術の稽古場施設“水天宮ピット(東京舞台芸術活動支援センター)”のオープニングイベント(⇒告知記事)にお邪魔してきました。
※7/26(月)よりオープン。利用方法は公式サイトでご確認ください。
内覧会からオープニングセレモニー、パフォーマンスと続く約4時間でしたが、大盛況でとーっても楽しかった~~~!!元気なパフォーマンスを見て、野外で気持ち良くビールを飲んで、集まったお友だちとゆっくりお話もできました。
【写真:劇団鹿殺しRJPのパフォーマンスに集まる人々】
まずは16:00からの内覧会に参加したところ、東京都の職員の方が詳しい説明をしながら稽古場内を案内してくださいました。芸術団体の方々はもちろん、地域の一般の方々も大勢いらしたようです。
廃校になった学校をリニューアルした施設なので「ここはもともと家庭科室で、あそこは図書室でした」と言われると、建物自体の歴史にそっと触れた気がして、知らない部屋なのに懐かしい気持ちになります。ソファやテーブルなどの家具類は廃品をリサイクルされているそうです。さすがは公立の施設、経費節減ですね。
【写真:内覧中に2階から中庭(元運動場)を眺めました。夜にはイスとテーブルがもっと増えました】
廊下や部屋の中にはネビュラエクストラサポート(Next)の提供で、舞台公演のチラシが展示されていました。中には思い出深いものもあって、ついつい立ち止まって眺めてしまいます。稽古の休憩中の話題に事欠かないでしょうね~!
大スタジオでオープニング・セレモニーが開かれた後は、FUKAIPRODUCE羽衣のパフォーマンス。カラフルな照明や2階のロフトなど、大スタジオの機能を大々的に使って『朝霞と夕霞と夜のおやすみ』の山登りのエピソードを披露してくれました。約20分間ぐらいの短編なのにやっぱり泣かされた・・・!
大スタジオから外に出ると、劇団鹿殺しRJPのライブにすぐに大きな人だかりができました。力強くて堂々としていて、元気をもらえました。小さな子供たちが最前列に座ってお行儀よく見ていて可愛かった~。
古い校舎が贅沢な稽古場に生まれ変わり、これからたくさんの人が集まって新しい作品をどんどん生み出していく場になるのだと思うと嬉しくなります。自分が作るわけじゃないのにね(笑)。
最初から最後まで私はとっても楽しかったんですが、それは周囲の方々がいい笑顔をされていたからだと思います。充実の稽古場として機能していくことに加えて、周辺地域にも舞台の面白さが伝わっていくといいですね。
7月23日(金)16:00~20:00 入場無料
出演:FUKAIPRODUCE羽衣 劇団鹿殺し RJP 森田智博
主催:東京芸術劇場(東京都歴史文化財団)
http://www.geigeki.jp/suitengu/open.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月23日
【情報】NODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』高校生割引はサイドシート4,000円のとこ ろ1,000円!※7/27(火)必着
東京芸術劇場はNODA・MAP『ザ・キャラクター』に続いてNODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』でも高校生割引を実施します。
⇒『ザ・キャラクター』のチケットを高校生に¥1,000で発売!
⇒『表に出ろいっ!』ヒロインオーディション
今後も実施されるようですので、高校生の皆さんは高校生割引公式サイトをこまめにチェックしてくださいね!
●NODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』高校生割引
サイドシート4,000円のところ1,000円
〆切:往復はがきで7/27(火)必着
詳細は公式サイトでどうぞ。
2010年07月22日
【写真レポート】新国立劇場演劇「『ヘッダ・ガーブレル』制作発表」07/13新国立劇場Aスタジオ
新国立劇場演劇部門の芸術監督は渡辺浩子さん、栗山民也さん、鵜山仁さんと続いて、2010年9月から宮田慶子さんへとバトンタッチします。
「JAPAN MEETS・・・─現代劇の系譜をひもとく─」というテーマを掲げた新シーズン第1作目は、宮田さんご自身が演出を手掛ける『ヘッダ・ガーブレル』。タイトル・ロールには新国立劇場初登場となる大地真央さんを迎えました。
『ヘッダ…』はイプセンの有名な古典戯曲ですが、翻訳の在り方をあらためて探り直し、日本では最近耳にするようになったドラマトゥルグを企画段階から参加させるなど、新芸術監督のチャレンジする姿勢を打ち出した製作発表でした。
「マンスリー・プロジェクト」(入場無料・事前申込み必要)にも注目ですね。「シェイクスピア大学校」は大好評だったようですので、気になった方は早めに日程をチェックしてください。
●新国立劇場演劇『ヘッダ・ガーブレル』 ⇒公式サイト
公演期間:2010年9月17日(金)~10月11日(月・祝)
会場:新国立劇場小劇場 THE PIT
チケットは7/19(月・祝)より発売中!
A席6,300円 B席3,150円
「JAPAN MEETS…Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」特別割引通し券16,500円(正価18,900円)あり
⇒CoRich舞台芸術!『ヘッダ・ガーブレル』
■芸術監督より挨拶
【宮田慶子さん(芸術監督・『ヘッダ・ガーブレル』演出)】
演劇部門芸術監督
宮田「いよいよ2010年9月より芸術監督の仕事を始めさせていただきます。最初のシーズンテーマは『JAPAN MEETS…~現代劇の系譜をひもとく~』。日本の演劇界がこれまでに出会って刺激を受けてきた海外戯曲の中で、大きな分岐点の役割を果たしてくれた作品たちを取り上げます。近代劇から百数十年の蓄積を積み上げた今の私たちがもう一度挑戦することで、これまで積み重ねてきたもの、そしてこれから先の未来につないでいくべきものを検証したい。それがこのシリーズの目的です。
第一作目は『ヘッダ・ガーブレル』。ノルウェーの世界的な大作家イプセンが120年前に書いた戯曲です。イプセンの数多くの著作の中では、晩年の『人形の家』『野鴨』『ヨーン・ガブリエル・ボルクマン』等が有名ですが、『ヘッダ・ガーブレル』は人間の心のさまを非常に生き生きと、明確に描き出した心理劇としてイプセンの代表作の1つとされています。
人間はとても複雑で、野望、欲望、愛情など、一筋縄ではいかない色んな感情がこんがらがった形で生きている。61歳になったイプセンが、その面白さにもう一度目覚めた作品なのではないかと、私は思っています。
この強力な作品を過去ではなく現代の劇として生き生きとよみがえらせるために、舞台の上で存在感を発揮される俳優の方々に、何としてでも出演していただきたいとお願いしました。こちらの皆さんです。」
■俳優紹介
【大地真央さん(ヘッダ・ガーブレル役)】
大地「初めての新国立劇場で、初めて共演する方がほとんどの中、初めての演じる役どころが、(かの有名な)ヘッダ・ガーブレル。宮田先生が芸術監督になった第一作目にお声をかけてくださったことをとても嬉しく思い、責任も感じておりますが、こういう緊張感はいい結果を生むであろうと信じています。
ヘッダはすごく難しい役です。読めば読むほど難しくて面白くて、“こういう女性だ”と断言したくないぐらい振り幅が広い、奥深い人物だと思います。1890年に書かれたものですが、共感していただける部分、摩訶不思議な部分も含めて作り上げたい。皆さんと一生懸命お稽古を積み重ねながら、21世紀のヘッダ・ガーブレルを作っていきたいと思っています。」
【益岡徹さん(ヘッダの夫:イェルゲン・テスマン役)】
益岡「新訳が素晴らしいのもあると思いますが、『ヘッダ・ガーブレル』は日常的に話が進む中で、できれば目にしたくなかった人間の裏側や毒のようなものが非常によく書けていると思いました。今までは遠くにそびえる山のようであったイプセン作品ですが、なんとか自力で取り付きたい。稽古が始まる前の時間も大事にしたいと思っております。」
【七瀬なつみさん(ヘッダの友人:エルヴステード夫人役)】
七瀬「イプセンの作品は勝手に難解なのではないかと思ってきましたが、この数年間で何作か観たり読んだりしたところ、すごく面白かったんです。静かに会話が進んでいるようで、実はその中にうごめく激しいもの、毒のあるものが見え隠れします。戯曲を読んでいた時にちょうどお声掛けいただき、ご縁を感じています。とても素敵な人たちとご一緒できて緊張もありますが、楽しみにしております。」
【田島令子さん(テスマンを育てたおば:ユリアネ・テスマン夫人)】
田島「台本がとても読みやすくて、面白くて。そういう台本をやるのは大変だな、読むだけで完結したら困っちゃうなと思いました(笑)。それぐらい面白く読ませていただいたんです。演出の宮田さんとは3度ほどご一緒させていただいております。芸術監督としての第一作目に参加させていただき光栄に存じます。」
【山口馬木也さん(エイレルト・レェーヴボルク役)】
山口「もともとこの作品は大好きだったんです。新訳になってよりいっそう深みのある、しかも現代にちゃんと届く台本になっていました。こんなに素敵なメンバーと共演させていただき、楽しみであると同時に不安と緊張もありますが、本当に素晴らしい作品にしたいと思っています。」
【青山眉子さん(女中ベルテ役)】
青山「私が演じるベルテは場面と場面のつなぎ役というか、接着剤のような役だと見ていましたが、今回読ませていただくと、それだけじゃありませんでした。“わかっているのかわかっていないのか”“全体を見ているのか見ていないのか”が曖昧で、とても不思議な人物です。例えば“裏でお茶を淹れながら”というト書きがどういう風に面白くできるかなと楽しみにしています。」
■シリーズ『JAPAN MEETS・・・』4作品のすべてが新訳
宮田「この『JAPAN MEETS・・・』シリーズの目玉は、4本がどれも新訳であること。『ヘッダ・ガーブレル』は長島確さんとアンネ・ランデ・ペータスさんのお2人に翻訳をお願いし、ノルウェー語から直接日本語に訳されました。長島さんにはドラマトゥルグの立場でも参加していただき、非常に贅沢な過程を経て台本を作り上げました。」
【長島確さん(翻訳・ドラマトゥルグ)】
翻訳・ドラマトゥルグ
長島「ノルウェー人イプセンは近代劇の父と言われており、日本の演劇にも大きな影響与えた作家だと思います。アンナさんとの共同作業からスタートし、宮田さんとは演出の方向性や全体のコンセプト、あるいは役者さんに合わせた非常に細かなセリフの色々なニュアンスまで、ずいぶん長い時間、回数を重ねて台本を練り上げました。
多少整理はしていますが、シーンや人物のカット(削除)は全くしていません。逐語訳しようとするといくらでもセリフは増えていくし、そのために日本語に変な負荷がかかることがあるので、今回は思い切って“さっぱり”と訳す方向を取りました。
翻訳劇は特殊なもので、どうしても翻訳者の解釈や演出的な判断が(台本に)含まれてしまいます。時にはキャスティングさえ変わることもある、責任の大きい仕事です。翻訳者がどんなかたちで創作に参加するのかも含め、翻訳劇の可能性をもう一度探り直すような、積極的に良い共同作業ができないかとずっと考えてきました。
台本というものは、役者さんの力で声になり、体に入り、そこで初めて生きてくるものだと思います。翻訳が原作の側にぴったりついて固まってしまうのではなく、むしろ演出や稽古のプロセスの方に向けて開いていきたい。また新しい発見があるに違いないので、私自身は責任を感じるとともに、上演までのプロセスを非常に楽しみにしております。」
■ドラマトゥルグとは
長島「ドラマトゥルグは演出家やクリエイションのパートナーのような存在だと思います。私自身については、翻訳者のキャリアをスタートさせた時から稽古場にはべったり入っておりました。演技で出てくるニュアンスや演出の解釈を、翻訳家が先に決めてしまうのは変なことであって、演劇なのだから共同作業に持ち込みたい。だから私は事前に演出家と話をしますし、稽古場にもほとんど居ます。役者さんの色んな作業の中で、翻訳が何を助けられるか。作品をもっと良くするために何ができるか。それをずっと一緒に考えていくという形でやってきました。」
宮田「長島さんとの今回のお仕事を通じて、翻訳という形で入っていただくドラマトゥルグ的な仕事の可能性や、その実体をつかみたいと思っています。海外の劇団の何人かのドラマトゥルグにお目にかかったところ、制作、文芸、演出助手に近い方など仕事の領分が色々。どの形がふさわしいのかはケース・バイ・ケースなんです。そんな広がりを楽しみながら、現実性を見つけていきたい。」
■「月に一度は新国立劇場へ!」~マンスリー・プロジェクト開催~
宮田「月に一度は新国立劇場にぜひ!ということで、“マンスリー・プロジェクト”も企画いたしました。上演作品に関連する催しをさまざまにご用意しています。
『ヘッダ・ガーブレル』上演中には、ノルウェーの村上春樹と呼ばれる作家ヨン・フォッセが、テレビ用に書いた戯曲『スザンナ』をリーディング形式で上演します。イプセンの妻スザンナの若い頃、中年の頃、年老いた頃を、『ヘッダ…』に出演中の女優3人が演じるという贅沢な企画です。夫イプセンが精力的に作品を発表する傍らで、家を守った妻はどんな風に天才作家を見つめていたのか。それがわかる大変素晴らしい作品なので、3人の女優さんにはご苦労をかけますが、コツコツがんばって作ります。」
●リーディング公演『スザンナ』
出演:七瀬なつみ/青山眉子/田島令子
作:ヨン・フォッセ 演出:宮田慶子
日程:9月30日(木)19:00/10月2日(土)19:00
会場:新国立劇場小劇場
"Hedda Gabler" JAPAN MEETS・・・ ─現代劇の系譜をひもとく─ Ⅰ
出演:大地真央・益岡徹・七瀬なつみ・山口馬木也・青山眉子・羽場裕一・田島令子
作:ヘンリック・イプセン 翻訳:アンネ・ランデ・ペータス/長島確 演出:宮田慶子
7/19(月・祝)より発売 A席6,300円 B席3,150円 「JAPAN MEETS…Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」特別割引通し券16,500円(正価18,900円)あり
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000322_play.html
マンスリー・プロジェクト:http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000400_play.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月20日
芸団協セミナー2010『劇場をめぐるラウンドテーブルVol.6「芸術監督とプロデューサー」』07/20芸能花伝舎1-1
入口の看板
「劇場をめぐるラウンドテーブル」は芸団協が継続開催しているセミナーです(⇒関連エントリー⇒1、2、3、4)。第6回目のテーマは「芸術監督とプロデューサー」。現役の芸術監督もしくはプロデューサーである3人のゲストが、ご自身の実績と現在抱える問題、そしてこれから何が必要か、どうなったらいいと思うのかを詳しくお話ししてくださいました。
ゲスト:
渡辺弘(彩の国さいたま芸術劇場 事業部長)
笹部博司(新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ 演劇部門芸術監督)
津村卓(北九州芸術劇場 館長)
劇場法(仮称)についての議論が活発に行われている今、現場の重要なポジションにいらっしゃる方々のお考えを直に聞けて、とてもためになりました。知らなかったことが多い…。
渡辺さんは芸術監督(串田和美・蜷川幸雄)のもとでプロデューサーをされてきました(現在も)。笹部さんは東京で舞台制作会社を経営しつつ、新潟の劇場の芸術監督をされています。津村さんは劇場運営面のプロデューサーをされてきて、今は芸術監督のいない公共劇場のプロデューサーです。
芸術監督とは何をする人なのか、プロデューサーとどういう関係になるのかは、各地域、各劇場によってそれぞれに異なるものなんですね。今さらですが、誰が芸術監督になって、誰がプロデューサーになるのかの前に、知っておくべきこと、やるべきことがあるなと思いました。まあ私は観客なんですけどね。
主催:社団法人日本芸能実演家団体協議会 助成:平成22年度文化庁芸術団体人材育成支援事業
参加費:2,000円
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/manage/gekijyo_rt106.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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ギンギラ太陽's『遊園地3兄弟の大冒険』07/09-11シアターGロッソ
ギンギラ太陽'sは福岡を拠点に活動し、「地元の人にしかわからないことを題材に芝居作りをする」と公言している人気“かぶりもの”劇団です。数年前から東京でも公演を行っており、「地元の人にしかわからないこと」が大いに受け入れられています。
作・演出・出演・かぶりモノ造型を手掛ける大塚ムネトさんの体調不良のため、4月公演が中止になったのですが、7月に復活してきてくれました。『遊園地3兄弟の大冒険』の前に『男ビルの一生』を上演。上演時間は全体で約2時間。
NHKで舞台中継されるそうです。でもコレ、このまま放送されるんでしょうか(笑)、ぜひ見て確かめたいです。
⇒CoRich舞台芸術!『遊園地3兄弟の大冒険』
開演前は西鉄バスが登場する撮影大会。大盛り上がりです。
大塚ムネトさんの前には列ができていました。
『男ビルの一生』も『遊園地3兄弟の大冒険』も老舗のビルや古い遊園地を擬人化していますので、当然のことながら戦争時代の話が出てきます。私たちの歴史をたどるとそこには必ず戦争があるということを、ベタで温かい笑いをふんだんに盛り込みながら教えてくれます。ワハハと大笑いして、ビルや遊園地に起こる悲劇を自分のことのように感じとって泣きました。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
到津遊園(いとうづゆうえん)、大宰府遊園地、香椎花園の3つのテーマパークが登場し、「夢見の力(ゆめみのちから)」で過去や夢の世界を旅します。
サザエぼんのような“パチキャラ”を登場させ、「にせものは本物にかなわない」「夢見の力は本物に触れることで培われる」と堂々と主張されました。
“ネズミの国”のキャラと“白い猫の国”のキャラの対決。両方とも西鉄“ヤクザ”バス軍団みたいにガラが悪くて爆笑!
東京ドームシティーも出てきました。まさに“地元”ネタ(笑)。到津遊園と後楽園遊園地はジェットコースターでご縁がつながっていました。
到津遊園は到津の森公園となって新しく生まれ変わったとのこと。現地に行ったギンギラ太陽’sの映像あり。
日本にある遊園地およびテーマパークで黒字なのは“ネズミの国”だけ、とのこと。えー!
出演:立石義江 杉山英美 上田裕子 中村卓二 古賀今日子 中島荘太 石丸明裕 新田玄 大塚ムネト ゲスト出演[東京]:壁村幸太郎 松延拓生
作・演出・かぶりモノ造型・宣伝美術:大塚ムネト 舞台監督:松本幸一 照明:荒巻久登(シーニック) 音響:インテグラル・サウンド・デザイン 大道具:アンミックスエンタテインメント 宣伝イラスト:庄子智湖 宣伝写真:PHOTO WORKS 藤本彦 制作:永渕瑛美 プロデューサー:堀英明 江口剛史 石川鉄也 定村愼太郎 [東京]主催・企画制作:シーエイティプロデュース ピクニック アンミックスエンタテインメント 提携・共催:東京ドームシティアトラクションズ 制作協力:ゴーチ・ブラザーズ
【発売日】2010/04/12 全席指定 5,000円 ※本公演券を「タワーランドチケットカウンター」で提示していただくと、アトラクション1回券(最大1,000円の乗り物までOK)をプレゼント。
http://gingira.com/event/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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劇団、江本純子『婦人口論』07/15-25東京芸術劇場小ホール1
劇団、江本純子は毛皮族の江本純子さんが作・演出に専念し、饒舌な現代口語の会話劇を発表してきたユニットです(過去記録⇒1、2、3)。3作目は岸田國士戯曲賞の最終候補に選ばれました。
東京芸術劇場の“芸劇eyes”に選ばれている公演です。キャストは女性4人+男性2人の計6人で、これまでと比べると最多ですね。会場が大きくなったせいもあるのかも。上演時間は約2時間。
⇒CoRich舞台芸術!『婦人口論』
レビューは記録のみ。
≪あらすじ≫
ユカリ(馬渕英俚可)は会社の同僚(初音映莉子+野村恵里)を誘って真っ暗闇を体験できるテーマパーク(?)に行く。現地で出会ったカップルっぽい2人(澤田育子、津村知与支)も一緒のグループに入り、5人は盲目の誘導員(ノゾエ征爾)に従っておそるおそる暗闇を進むが・・・。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
最初の映像で「婦人口論」というタイトルに加えて「宇宙痴漢」と出たような。
芸劇が注目する才能たち“芸劇eyes” 劇団、江本純子vol.3『婦人口論』
【出演】馬渕英俚可、初音映莉子、澤田育子、津村知与支、野村恵里、ノゾエ征爾
作・演出:江本純子 舞台監督:森下紀彦 舞台美術:大泉七奈子 照明:伊藤孝(ART CORE) 音響:田上篤志 衣裳:中西瑞美 舞台監督助手:手代木梓 照明操作:綿貫美紀 音響操作:天野高志 宣伝美術:two minute warning 宣伝イラスト:篠崎真紀 制作助手:照井恭平、坂田厚子、島村楓 制作:Little giants 助成:財団法人セソン文化財団 提携:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 企画・製作:毛皮族
一般発売開始2010年5月30日[日]前売 3,800円 当日 4,300円(全席指定・税込)
サイドシート(22歳以下)前売、当日とも 3,000円 ※劇場受付で身分証を提示、キャッシュバック対象外 ※客席の都合上、一部見えにくいシーンがある可能性あり 7月18日(日)19時の回は“ご婦人割引”女性のお客様は当日会場にて500円キャッシュバック! 車椅子席あり。※車椅子席、サイドシートは劇団ホームページのみ取り扱い。
http://www.kegawazoku.com/gekiemo/stage/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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椿組2010年夏・花園神社野外劇『椿版「天保十二年のシェイクスピア」』07/16-25新宿花園神社境内特設ステージ
毎年夏に椿組が花園神社で上演する野外劇です。更地に劇場を建てて上演し続けて25年目だそうですから、“夏の風物詩”というキャッチコピーにも納得ですね。
『天保十二年のシェイクスピア』(過去レビュー⇒1、2)は井上ひさしさんがシェイクスピアの全戯曲を引用して書かれた大作です。出演者数は総勢53名!
上演時間が約3時間弱(途中休憩1回を含む)と聞くと長いと思われるかもしれませんが、ノーカット上演だと4時間を越える作品ですので、ずいぶんスリムにされたと思います。構成・演出はJAM SESSIONの西沢栄治さん。神社入口の看板↓
⇒CoRich舞台芸術!『天保十二年のシェイクスピア』
カットされたとはいえ物語は原作どおりでとっても面白いです。シェイクスピア作品を知ってる人なら「あぁ、これは『リア王』だ、あれは『ハムレット』だ」と楽しめますし、全然知らない人でも名作古典のいいところ取りのストーリーに引き込まれることと思います。
殺陣を含む激しいアクション・シーンや群舞、場面転換などで、木造2階建ての広々とした抽象舞台全体を使っていたのがとても良かったです。
整理番号付き・自由席ですので(一部指定席あり・完売)、なるべく早めに会場に到着されることをお薦めします。開演ぎりぎりに到着した私は後ろから数えて2~3列目の席だったので、舞台前方が非常に見えづらかったです。
重要な役柄を演じる役者さんの中に、声がつぶれてしまっている方がいるのは残念に思いますが、正規の劇場ではないので大きな声を出すのは仕方がないですよね。聴こえづらかったのは私が後方席だったせいもあると思います。
会場で原作戯曲が掲載された雑誌「悲劇喜劇」を購入。井上ひさしさんへの追悼文が多数掲載されています。
ここからネタバレします。
木の板を使う演出がとても面白かったです。「マクベス」と赤い筆で板に書くところが特に。
王次(丸山厚人)が人の背中を伝って歩いて2階に行ったのは見ものでした。丸山さんのはじけっぷりが楽しかったな~。
頂点にのぼりつめた三世次(山本亨)ですが、年貢を法外に取立てるなど百姓に残忍な仕打ちをしたため、クーデターが起こります。大人数が入り乱れる乱闘シーンになり、水を撒き散らした土の舞台で役者さんは泥まみれになりながら熱演。客席正面の装置ががらがらと倒れる屋台崩しは野外劇ならではですね。
【出演】佐渡の三世次:山本亨 きじるしの王次(お文の息子):丸山厚人 お文の夫:恒松敦巳 清滝の老婆:田渕正博 お里の夫:木下藤次郎 お光・おさち:李峰仙 お里:加藤忍 お文:江間直子(無名塾) 長嶺安奈 お里の愛人:犬飼淳治(扉座) 伊藤新(ダミアン) 土井茂平太(おさちの夫):芹沢秀明 お文の愛人:伊原農(ハイリンド) おけ屋の佐吉:平塚真介 塚本淳也 鈴木幸二 山口森広 岡村多加江 内山奈々(チャリT企画) 浮舟太夫:帯金ゆかり(北京蝶々) 鳥越勇作 宮本翔太 趙徳安 浜野まどか 今井夢子 山森大輔(文学座) 石川ゆうや 水谷悟 仲田敬治 倭文俊 大須賀隼人 清水修平 影山翔一 β(WAHAHA本舗) 佐藤亜佑美 磯見美麦之 トン子 瀬山英里子(渋谷ハチ公前) 増田あゆみ 槌谷絵図芽 高安智実(M.M.P) 岡田さやか 徳留香織 根岸つかさ(劇団AUN) 河原杏子 福谷セイジ おこま婆:水野あや 親分(お文・お里・お光の父):辻親八 下元史朗 外波山文明
照明:沖野隆一(RYU CONNECTION)/美術:加藤ちか/音楽:寺田英一/音響:青蔭佳代(音スタ) 衣裳:小原敏博/振付け:伊藤多恵 /殺陣:栗原直樹(WGK)/舞台監督:松下清永+鴉屋 舞台部:松本淳一・桑原淳・野口研一郎・鈴木貴雄/テント設計:大塚聡/テント舞台協力:東弘英 制作協力:増坂由夏・井上カオリ・和泉歩/受付協力:清水直子・西山陽子・富田綾乃・中村真弓 宣伝美術:黒田征太郎・長友啓典・中村健+K2 企画制作:椿組 プロデューサー:外波山文明 主催:(有)椿組
指定席:4.500円(前売り限定60席・椿組のみ取扱い) 前売自由席:4.000円 当日:4.300円(日時指定・整理番号付き)
http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/oudeson.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【写真レポート】王子小劇場「“佐藤佐吉演劇祭2010”記者会見」06/08王子小劇場
東京都北区にある王子小劇場にて、劇場が主催する「佐藤佐吉演劇祭2010」の記者会見(前夜祭)が催されました。⇒Choice!編集部ブログ
佐藤佐吉演劇祭は劇場職員が自信をもってお勧めする“面白い団体”の公演を連続上演する演劇祭で、2年に1度開催されています。今年は11公演を上演。⇒2008年後夜祭 ⇒2006年まとめ
●王子小劇場「佐藤佐吉演劇祭2010」
開催期間:2010年8月3日~10月13日
会場:王子小劇場および王子小劇場裏
⇒公式サイト
王子小劇場は演劇祭に限らず、劇場を使用する団体のすべてを審査しています。劇場の個性を堂々と打ち出す勇気のある運営は、民間劇場(首都圏)では珍しく、劇場オーナーである佐藤電機株式会社はメセナアワード2008にて“たたかう劇場賞”を受賞しています。
会費3万円で王子小劇場で上演されるすべての公演が観られる年間支援会員制度も継続しており、今年からいつでも入会可能になりました。2010年4月~2011年3月期には演劇祭参加の11作品も含まれますので、今から入会しても損はないかもしれません!⇒詳細は劇場にお問い合わせください。
■王子小劇場「佐藤佐吉演劇祭2010」ラインアップ
【1】TOKYO PLAYERS COLLECTION『パーティーが始まる』
期間:2010/08/03(火) ~ 2010/08/08(日)
脚本・構成・演出:上野友之(劇団競泳水着)
⇒CoRich舞台芸術! ※予約可能!
【2】PLAT-formance『express』
期間:2010/08/13(金) ~ 2010/08/15(日)
作・演出:オカヨウヘイ
⇒CoRich舞台芸術! ※予約可能!
【3】ロロ『ボーイ・ミーツ・ガール』
期間:2010/08/18(水) ~ 2010/08/22(日)
脚本・演出:三浦直之
⇒CoRich舞台芸術! ※予約可能!
【4】王子小劇場地域発信プロジェクト『ダミーサークル』
中屋敷法仁(柿喰う客)が北区の中高生と1週間で作る演劇プロジェクト。
期間:2010/08/25(水) ~ 2010/08/29日(日)
作・演出:中屋敷法仁(柿喰う客)
⇒CoRich舞台芸術!
※中高生出演者募集中!(〆切7/25・メールのみ)
【5】こゆび侍『Sea on a Spoon』
期間:2010/09/01(水) ~ 2010/09/05(日)
作・演出:成島秀和
⇒CoRich舞台芸術! ※予約可能!
【写真左から(敬称略):上野友之、オカヨウヘイ、矢ヶ部哲、山増圭、菅間勇】
【6】エビビモpro.『ミッドサマーナイツドリーム・イン・インターネット』
期間:2010/09/08(水) ~ 2010/10/12(火)
作・演出・出演:矢ヶ部哲 主宰:山増圭
⇒CoRich舞台芸術!
【7】ZOKKY『ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010』
期間:2010/09/10(金) ~ 2010/09/20(月)
会場:王子小劇場裏特設会場
総合演出:小林タクシー
⇒CoRich舞台芸術!
【8】elePHANTMoon『心の余白にわずかな涙を』
期間:2010/09/16(木) ~ 2010/09/20(月)
脚本・演出:マキタカズオミ
⇒CoRich舞台芸術!
【9】国分寺大人倶楽部『ストロベリー』
期間:2010/09/23(木) ~ 2010/09/27(月)
脚本・演出・出演:河西裕介
⇒CoRich舞台芸術!
【10】菅間馬鈴薯堂『九月の遠い海』
期間:2010/09/30(木)~2010/10/06(水)
作・演出:菅間勇
⇒CoRich舞台芸術!
【11】キコ qui-co.『ウラの目と銀杏の村』
期間:2010/10/09(土) ~ 2010/10/13(水)
作・演出・出演:小栗剛
⇒CoRich舞台芸術!
【写真左から(敬称略):三浦直之、小栗剛、マキタカズオミ、河西裕介、成島秀和】
■今回も豪華な賞が用意されています。
ゴールデンフォックス賞
シルバーフォックス賞
カトリヒデトシ賞
シアターガイド賞
ROBOT賞
※詳細は公式サイトでどうぞ。
■10万円キャッシュバックあり!
佐藤佐吉演劇祭の参加作品のうち、「ZOKKY」「王子小劇場地域発信プロジェクト」を除く9作品を有料で鑑賞した観客は、現金10万円を鑑賞人数で等分した額がもらえます。
※「TOKYO PLAYERS COLLECTION」公演期間中に参加登録必要。詳細は公式サイトでどうぞ。
記者会見を兼ねて、劇作家・演出家・俳優・主宰者らが話し合う場が設けられました。その後は支援会員やプレスを含む懇親会が開かれ、劇場に集まった演劇人がざっくばらんに交流できる場となりました。佐藤佐吉演劇祭の継続開催により、王子小劇場を拠点として活動する劇団の内外に、有機的な人間関係が根付いてきています。2年に1度の演劇祭で“はっきりものを言う劇場”の暴れっぷりを見届けられるのは、小劇場ファンの贅沢な楽しみだと思います。
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月16日
シス・カンパニー『アット・ホーム・アット・ザ・ズー』06/17-07/19シアタートラム
「出演:堤真一、小泉今日子、大森南朋」ということで、壁際には立ち見のお客様がぎっしりのシアタートラム。上演時間は約1時間50分。
ピーターとジェリーという2人の男性が登場する『動物園物語』は、1985年初演のアメリカ戯曲。日本でも再演が繰り返される名作で、劇作家エドワード・オルビーさんの処女戯曲なんですね。
本邦初演となる『アット・ホーム・アット・ザ・ズー』は、『動物園物語』の前に、ピーターが家で妻と会話をする短編『ホームライフ』を、オルビー自身が書き加えたものです。25年前の作品に本人が“前編”を追加するなんて珍しいことだと思います。
シス・カンパニー公演はパンフレットがお手頃価格で助かります。今回は700円でした。
⇒CoRich舞台芸術!『アット・ホーム・アット・ザ・ズー』
あらすじ等は公式サイトでどうぞ。
音楽も照明も装置もとてもセンスが良くて、「あぁ小さな劇場で贅沢な芝居を観られて嬉しいなぁ~♪」というのが第一の感想でした。
千葉さんの演出は「舞台にいる人間の行動に無理がないこと」が前提になっており、また観客が飽きずに見続けられるようなエンタメ要素も丁寧に配分されていたように思います。不条理劇と呼ばれる戯曲ですが、娯楽として楽しみつつ、自分にも起こるかもしれない身近な話だと感じました。
ただ、前半の夫婦の会話は演技が「何かの振りをしている(あらかじめ決められたように演技をしている)」ように見えて、ぎくしゃくした印象が最後までぬぐえず、私には期待したような面白みは感じらませんでした。
でも後半の『動物園物語』では、『ホームライフ』でピーターのバックグラウンドが示されたおかげで、ピーターがベンチを立ち去らないことを不自然に感じなかったし、ジェリーの孤独、そして彼が誰かと本気で関わることを渇望していたことがわかりました。“ジェリーと大家の飼い犬の話”にも、2人の出会いの顛末にも、すっかり納得できました。この戯曲が不条理劇だと思えなくなったぐらいです。
ここからネタバレします。
■『ホームライフ』
四角いステージは三方から客席が囲みます。実は中央の床がごっそり抜けていて、大きく穴が空いている状態。そこからある家庭のリビングルームがゴゴーーっとせり上がってくるという、動きのあるオープニングに興奮。
オレンジ色のカーペットにターコイズ色のドア。緑のヘンな動物型のイス、白いソファなど、カラフルでスノッブな家財道具から夫ピーター(小堤真一)と妻アン(小泉今日子)の生活レベルがわかります。インテリである程度裕福ですよね
壁に空いた丸い穴から除く街灯の明かりが、抽象的な広がりを感じさせてくれました。
妻の母が「浮気をする決心をした」らしく、妻は安心だけど刺激がない結婚生活に波風を立てようとします。割礼から乱交パーティー、ア●ルセックスにまで話が広がるのには少々驚きました(笑)。アメリカ人っぽいな~。
■『動物園物語』
リビングルームが沈んで壁が客席の方に倒れ、公園が現れるのに再び興奮。中央と上手側に計2つのベンチがあったのがいいですね。色んな体勢がとれるのでジェリーとピーターの動きにリズムが生まれていました。ゴミ箱の黒いごみ袋を“大家の犬”に見立てるのもわかりやすくて良かったです。
ピーターが見ず知らずの不気味な男ジェリーとずっと話している気になったのは、妻に初めて若い頃のセックス体験などを話したり、「情熱が欲しい」「なにか悪いことをしたい」といった、今の自分を打ち破ろうとする冒険心が生まれたからなんでしょうね。『動物園物語』は数回観ていますが、ピーターがジェリーから離れようとしないのを、不自然に感じなかったのは初めてです。
不幸な家庭環境で育ったジェリーは、自分を噛んでくる犬を毒殺しようとします。そうすることでジェリーは本気で他者(犬)とかかわろうとしたんじゃないでしょうか。でも犬は死ななかったので、彼の願いは成就せず。
ジェリーとピーターが本気でベンチを取り合ったことで、ジェリーはピーターを“植物”ではなく“動物”だと認めたんだと思います。ジェリーはピーターとかかわり合えたと感じて、ある意味、満足して死を選んだんじゃないかと思いました。「・・・あれ?」という感じでナイフが刺さる演出もいいですね。
大森南朋さんの演技は、時々言葉が聞こえづらいと感じることもありましたが、体と感情のズレが目立たなかったので、スっと寄り添って見つめることが出来ました。
「第一幕 ホームライフ」出演:堤真一 小泉今日子
「第二幕 動物園物語」出演:堤真一 大森南朋
脚本:エドワード・オルビー 演出:千葉哲也作 翻訳:徐賀世子 美術:松井るみ 照明:笠原俊幸 音響:加藤温 衣裳:伊賀大介 ヘアメイクデザイン:勇見勝彦 演出助手:西祐子 舞台監督:瀧原寿子 プロデューサー:北村明子 提携:財団法人せたがや文化財団 後援:世田谷区 企画・製作:シス・カンパニ―
【発売日】2010/05/15 (全席指定・税込)¥7,000
http://www.siscompany.com/03produce/28athome/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Bunkamura『ファウストの悲劇』07/04-25シアターコクーン
野村萬斎さん主演、蜷川幸雄さん演出作品です。豪華キャストですし今月の目玉公演ですよね。
『ファウストの悲劇』はシェイクピアと同時代の劇作家クリストファー・マーロウの戯曲で、1594年頃に上演された記録があるそうです(⇒劇場サイトより)。悪魔に魂を売った男“ファウスト”といえばゲーテの作品も有名ですが(⇒過去レビュー)、マーロウの『ファウスト…』の方が以前に書かれたものなんですね。
劇場に入ると客席周囲に赤い提灯がともり、舞台は定式幕で閉じられていました。…英国戯曲なのに!そして幕が開くと…チラシのビジュアルどおりのまがまがしさ全開!絵に描いたような悪魔も登場(笑)!と~~っても面白かったです。S席9500円という高額チケットですがこの内容だったら納得。上演時間は約2時間55分(途中休憩20分を含む)。
⇒舞台写真をぜひ見てください!
⇒観劇レポート(尾上そら)
⇒CoRich舞台芸術!『ファウストの悲劇』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
ドイツ・ヴィッテンベルグの大学教授・ファウスト博士(野村萬斎)は神学の最高権威として尊敬されていた。しかし、神学にも哲学にも医学にも法学にも飽き足らず、ついに魔術にふけるようになる。善天使の忠告にも耳を貸さない。大魔王ベルゼバブ(マメ山田)こそ、我が主、地獄落ちなど恐れないと宣言し、ベルゼバブの手下、悪魔メフィストフェレス(勝村政信)を呼び出し、恐ろしい契約を結んでしまう。その契約とは己の魂を悪魔に渡すかわりに、生きているうちはやりたい放題をすること。メフィストフェレスはそれを全て叶え、ファウストに忠実に仕えること。絶大な力を手にしたファウストは、竜の引く車で天空をかけ、宇宙の真理を探り、古代の詩人を訪ね、ヨーロッパ中を見物し、冒険を重ねる。ギリシャ一の美女、トロイ戦争の原因ともなったヘレナ(鈴木彰紀)さえ恋人にする。しかし、時が迫り、命が尽きようとする時、ファウストは、心から後悔し始めて・・・。
≪ここまで≫
悪魔や天使がよく目にする姿格好(悪魔なら全身タイツに角、羽根、しっぽがあり「イッヒッヒ」と不気味な笑みを浮かべる等)で登場します・・・!直接こんな状態だとちょっと引いちゃいますが(笑)、「ある歌舞伎の一座で上演される『ファウストの悲劇』」という入れ子構造になっていて、劇中劇として観られるので、ぶっ飛んだ世界を“気軽な観客”の立場で観劇できました。
ファウスト(野村萬斎)は約束の24年後まで、放蕩の限りを尽くします。彼が起こす事件は基本的にばかばかしくて愉快(笑)。装置、衣装、照明がこれでもか!というほど豪華絢爛で、悪魔のフライングあり、火花(花火?)あり、スモークありの派手な演出は「(観客が味わう)放蕩」をあらわしているように思いました。選曲はよく耳にする有名な音楽が多く、「大衆的な娯楽」「快楽」のイメージに合っています。
漫画のようにわかりやすい「悪魔(的)世界」が大っぴらに繰り広げられる一方で、ファウストの寂しさや後悔の気持ちが消えることなく漂っていました。贅沢な舞台を楽しみつつ、終盤では「架空の劇を見ている」ことを忘れ、苦悩する主人公ファウストにすっかり感情移入していました。
野村萬斎さんと勝村政信さんのタンゴがも~~~~~~~っ、エッチすぎ!悩殺されまくりでした!DVDが出たら絶対買います(笑)。
個人的には長塚圭史さんの演技の仕方(舞台での存在の仕方)が一番好きでした。セリフの意味はもちろんですが、一単語、一音を大事にして、はっきりと聴こえる言葉であせらずに伝えてくださいます。観客に向かって発信するだけでなく、観客の息を感じて体に入れて、同じ空気を一緒に呼吸している感覚。双方向なんですよね。私はこういう演技を「透き通っている」とか「きれい」だとか言ってたのかもしれません。
ここからネタバレします。
赤、青などの照明の中、おどろおどろしい悪魔たちが飛びます。そんな“いかにもな地獄”の奥に、舞台裏が透けて見える仕掛けになっています。着物にかつら姿の人々が思い思いに準備をしている様が、『ファウスト…』と同時進行するのは刺激的!ステージの床の下も見えるのがとても面白いです。勝村さんの着替えとか(笑)。
タンゴは萬斎さんが女性、勝村さんが男性の振付で踊ります。金髪で白いメイクの萬斎さんはステップがめちゃかっこよくて、顔には口ひげがあるものの、なまめかしい婦人に見えて・・・超~~~色っぽい!踊り終わって勝村さんが萬斎さんに赤い着物を羽織らせるところなんて・・・キャーーーーーっ!!目が釘付けどころじゃなかったですっ。その後もお2人は愛し合うカップルのような素振りを見せてくれまして、もう、終始ドキドキでした(笑)。
ステップといえば、ファウストがベンヴォーリオ(長塚圭史)に首を切り落とされたものの、平気でよみがえって起き上がる際、靴で床をカツーン!と踏み鳴らすんです。その一瞬の動きにゾクゾクしました。瞬間的な動きの力強さ、美しさは、伝統芸能の俳優だから見せていただけるのだと思います。
とうとう魂を奪われる日を迎えたファウストは、残された時間を数えながら苦しみます。萬斎さんの独壇場。見事でした。結局、契約通りにファウストは地獄堕ちになりますが、“地獄”がそれまでに出てきた“地獄”と同じだったのはちょっと肩すかし。照明の色や装置を変えちゃっても良かったんじゃないかと思いました。
ゲーテの『ファウスト』ではマルガレーテに恋をしてからファウストは後悔をします。でも今作では契約をした途端に、もう後悔が始まっていました。“24年間の悦楽”といっても常に恐怖と隣り合わせですから、ファウストは自分が望んだものは得られなかった。何かを犠牲にして得た幸せは「幸せ」ではなく、所詮「何かを犠牲にした幸せ」なんだなと思いました。
小さな俳優、マメ山田さんの七変化を堪能!ベルゼバブ大王(ちゃんとハエだった・笑)とか、小さな王女とか、店員とか・・・独特の可愛いらしさが可笑しさにもつながります。
蜷川さんの舞台によく出演されている二反田雅澄さんにも目が行きました。ここ数作、面白い人だな~と思ったら二反田さんなんですよね。善天使(清家栄一)と対になってフライングして登場する悪天使役は顔の向きが絶妙(笑)。ボッティチェリ画「ビーナスの誕生」の左側に飛んでいる“西風の神”を思い出しました。
出演:野村萬斎 勝村政信 長塚圭史 木場勝己 白井晃 たかお鷹 横田栄司 斎藤洋介 大門伍朗 マメ山田 日野利彦 大川ヒロキ 二反田雅澄 清家栄一 星智也 市川夏江 大林素子 時田光洋 中野富吉 大橋一輝 手打隆盛 鈴木彰紀 川崎誠司 浦野真介 堀源起 澤魁士
脚本:クリストファー・マーロウ 翻訳:河合祥一郎 演出:蜷川幸雄 美術:中越司 照明:服部基 衣裳:小峰リリー 音響:井上正弘 ヘアメイク:武田千巻 音楽:かみむら周平 所作指導・振付:花柳寿楽 演出補:井上尊晶 演出助手:大河内直子 藤田俊太郎 衣裳助手:沼田和子 所作指導・振付助手:藤間貴雅 美術助手:中西紀恵 舞台監督:芳谷研 主催・企画・製作:Bunkamura
【休演日】7/6,12,19【発売日】2010/05/15 S9,500円 A7,500円 コクーンシート5,000円 (税込)
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_faust.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月15日
Project Natter『わが友ヒットラー』07/14-19ザ・スズナリ
Project Natterr(プロジェクト・ナッター)は“ドイツ人演出家ぺーター・ゲスナーとプロデューサー綿貫凜による演劇ユニット”。第3回目の公演です。
三島由紀夫作『わが友ヒットラー』は『サド侯爵夫人』(女6人芝居)と対になる男4人芝居だそうです。上演時間は約2時間30分(途中休憩10分を含む)。
ロビーで原作戯曲と漫画が販売されていました。私は戯曲を購入。ありがたいですね。
⇒オフィス・コットーネTOPページに舞台写真あり
⇒若松武史、ペーター・ゲスナーが語るプロジェクト ナッター『わが友ヒットラー』(Stageweb)
⇒CoRich舞台芸術!『わが友ヒットラー』
作品紹介・あらすじは公式サイトでどうぞ。
ヒットラーに粛清される運命にある犬猿の仲の2人、レーム(浅野雅博)とシュトラッサー(下総源太朗)が語り合う第2幕がすごく良かったです(史実ではなく作家の創作だそうです)。他のシーンは私にはちょっと集中しづらかったですが、演技の方法について好みが違うからだろうと思います。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
パンフレットによると作者の三島由紀夫が「一番感情移入した」というレームは、日本人そのものだと思いました。軍人である自分の信念に忠実で、バカ正直で真面目で、友(=ヒットラー)のためなら死もいとわない、素直で友情に厚い男です。信頼、愛情などと理想を語り、少年のように無垢な純粋さを持って「アドルフと俺は古い友達だ」と言い切ります。ちょっぴり呆れもしましたが、ピーンとまっすぐで美しい心意気に触れ、懐かしいような、嬉しいような気持ちになって泣けてきました。でも・・・彼は絶望的なぐらい自立していないんです。
2人の話し合いは決裂し、とうとうシュトラッサーは「ヒットラーに殺されるぐらいなら、今君に殺される方がましだ」と言ってレームの前に無防備に体を投げ出します。でもレームの返答は「ヒットラーの命令を受けていないから殺せない」でした。あきれ笑いと涙がこぼれました。何をするにも誰かの許可がいる。その誰かを心酔し、いつも言いなりになって安心して、その関係を美徳だと信じている・・・。
プログラムより部分抜粋します↓
三島由紀夫「レームに私はもっとも感情移入をして、日本的心情主義で彼の性格を塗り込めた。センチメンタルな一面を持つドイツ人と、日本人との一種の共通点をレームに感じた。アラン・ブロックも、死にいたるまでヒットラーを疑わなかったレームのお人好しぶりに呆れている。」(劇団浪漫劇場プログラムより・昭和44年1月)。
ヒットラー役の笠木誠さんは口元に髭がありますが、七三に分けた髪型はそんなにペッタリとしておらず、ヒットラーよりもむしろ昭和天皇に似ているように見えるのがミソですね。
出演:笠木誠・浅野雅博(文学座)・下総源太朗・若松武史
脚本:三島由紀夫 演出:ペーター・ゲスナー プロデューサー:綿貫凛 美術:石原敬 照明:桜井真澄(東京舞台照明) 音響:原島正治(噺組) 衣裳:花田絵美 舞台監督:村田明(クロスオーバー) 通訳:黒田容子 ドラマトゥルグ:宮島志乃ぶ 照明操作:松本由美(東京舞台照明) 音響操作:大塚重之 舞台監督助手:中山裕康 宣伝美術:宇野奈津子 パンフデザイン:小早川真澄 舞台撮影:青木司 受付:井上恵子 制作助手:江□敦子・太田美乃里 小道具:高津映画装飾 衣装:松竹衣裳/アトリエK 主催:Project Natter
【発売日】2010/06/10 全指定席 前売・当日共に:4,500円 MEN's DAY 前売・当日共: 男性2名様=8,000円 ※(コットーネEメール予約のみ取扱い) シードチケット(学生割引) : 前売・当日共 2,500円 ※ 受付で学生証提示。大学生以下の学生・専門学校生・演劇養成所の学生に有効。当日受付にて学生証提示 (オフィス コットーネEメール予約のみ取り扱い・最前列のベンチシート・枚数制限あり)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/wagatomo/top.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月14日
ネルケプランニング『真夜中のパーティー』07/04-19パルコ劇場
1968年初演のアメリカ戯曲を青木豪さんが演出。イケメンも含めイイ男ぞろいのキャスティングです。
PARCO劇場の天井に規則正しく並ぶ丸い電球たちを眺めながら、42年を経て変わったこと、変わっていないことを考えました。上演時間は約2時間30分(途中15分の休憩を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『真夜中のパーティー』
≪作品紹介≫ 劇場サイトより。
この夏、最高峰のクリエイターと俳優陣によって、
衝撃の異色心理劇が幕をあける!
1968年にアメリカ・オフブロードウェイで上演されて以来、
再演のたびに大きな話題を呼んでいる「真夜中のパーティー」。
ゲイの男たちが集う、一夜のパーティーの物語。
真正面からゲイを描いた衝撃の作品が、翻訳も新たに生まれ変わる!
≪ここまで≫
ゲイが大勢集まるパーティーですから、初演当時は衝撃的だったんでしょうね。自分が学生だったころ(10年以上前です)を振り返っても、ずいぶんと同性愛に対する偏見が少なくなったように思います(なくなったとは言えませんが)。だから“衝撃”はありませんでしたが、「世間に合わせないと生きづらい」のは今も全く同じだなと思いました。
自分の気持ちを押し殺して息も絶え絶えになっているのに、それでも体裁を整えようとする姿に胸が痛みます。一方で、堂々とマイノリティーであることを認め、それを隠さず生きるのも無論いばらの道です。彼らが精神面で弱さを抱えるのも無理はありません。
私が見た回は、前半についてはうまく会話がかみあってなかったような?休演日明けだからかな~と想像したり。でも陽気なエモリー(右近健一)が登場してリズムが生まれ、後半は奔放なラリー(徳山秀典)と暮らす実直なハック(中野英樹)の抑えた演技に引き込まれました。
新訳(小田島恒志)だけあって、いわゆる翻訳劇っぽさは少なく、だじゃれがフィットしていたのも面白かったです。
ここからネタバレします。
マイケル(阿部力)がなぜ突然豹変したのかわからず、ついて行きづらかったです。お酒を飲んだから・・・?「マイケルは隠れゲイだった元親友アラン(山崎樹範)のことを好きだった」という情報を知人から聞き、ちょっと納得。でも2人の間にそういう雰囲気は感じられなかったな~。
ハロルド(村杉蝉之介)とマイケルが昔、恋人同士だったのはなんとなくわかりましたが、「ハロルドがマイケルの生活費を丸がかえしている」という解釈を聞き、なな、なるほど~・・・と。マイケルったら本当に困ったチャンだなっ!(笑) 阿部さんがそのような人物に見えなかったのは残念です。
“一番愛している人に電話するゲーム”は切なかったです。「電話するんじゃなかった」と言った黒人のベルナルド(バーナード?)の気持ちがわかる気がしました。別れるつもりだった妻に電話して「愛してる」と言うことを選んだアランも悲しい。
Mart Crowley's "The Boys In The Band"
【出演】マイケル(大学卒業後にカミングアウトしたゲイ。舞台となる部屋に住む):阿部力 ドナルド(マイケルの今の恋人?カウンセリングに通っている):内田滋 エモリー(料理上手で陽気):右近健一 ハック(妻子を捨ててラリーと同居中):中野英樹 ベルナルド(エモリーの恋人。黒人):浜田学 ラリー(ハックの恋人。奔放。):徳山秀典 ハロルド(誕生日パーティーの主役だが遅刻。マイケルの元恋人?):村杉蝉之介 アラン(ノンケ。マイケルの大学時代の親友。隠れゲイだったと判明):山崎樹範 カウボーイ(ハロルドへの誕生日プレゼントとしてエモリーに買われた青年):中村昌也
作=マート・クローリー 翻訳=小田島恒志 演出=青木豪 スーパーバイザー=青井陽治 美術=田中敏恵 照明=清水利恭 音響=青木タクヘイ 衣装=清水崇子 ヘアメイクプラン=糸川智文 舞台監督=蓮樹謙 筒井昭善 演出助手=渡邊さつき ダンス指導=田村友佳 ファイティング指導=西村陽一 制作=藤井暢子 松川香里 プロデューサー=松田誠 企画・製作:ネルケプランニング
http://www.nelke.co.jp/stage/party2010/
http://www.parco-play.com/web/page/information/mayonaka/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月12日
世田谷パブリックシアター『醜男』07/02-12世田谷パブリックシアター
ドイツの劇作家マリウス・フォン・マイエンブルクさんの4人芝居を河原雅彦さんが演出されます。上演時間は約1時間20分。
面白かったーっ!!美術、照明、衣装、音楽が洗練されていて、気軽に娯楽作品として楽しめて、戯曲のテーマもしっかり味わえました。前に観た時は全然わかってなかったんだな~と反省。
2回のカーテンコールが終わって黒い幕が下りたのですが、拍手が鳴り止まず3回目のカーテンコールがありました。
東京公演は本日で終了ですが、大阪公演が7/15(木)にあります!
⇒徳永京子さんのツイート(1、2、3)
⇒CoRich舞台芸術!『醜男』
あらすじなどは以前のレビューでどうぞ。
開場時間は黒い幕が下りていますので、舞台は全く見えません。ここから装置などについて書きますのでネタバレしますが、読んでから観に行っても大丈夫だと思います。
世田谷パブリックシアターという大きな劇場で、出演者はたったの4人ですが、全く問題ありませんでした。舞台空間を埋めつくすのではなく、わざと余らせてバランスを取っている美術および演出がかっこいいです。
装置と照明が美しいです。白くて四角い巨大なパネルが舞台奥にそそり立っているのですが(でも天井いっぱいじゃなく)、正方形の四角いブロックがわざと歪んで積み上げられたような表面になっています。そこに緑や青、ピンクなどの鮮やかな照明が当たったり、文字映像が投影されたり。
役者さんはその壁の正面の、これまた四角く区切られたステージで主に演技をされます。ステージ周囲はぐるりと一段上がっており、その段差のところに仕込まれた照明が床を照らします。床も白いので間接照明のような効果が大きいですね。ステンレス製(のような銀色)のテーブルが2つあり、つなげてベッドになったりします。テーブルにも照明(おそらくLEDライト?)が入っていて、下から表面を照らすのがきれい。
壁と床を照明で区分けするように照らし、瞬時に場面転換します。“絶世の醜男”レッテを演じる山内圭哉さん以外の役者さんは数役を演じ、転換した瞬間に違う役に変化します。演劇ならではのスピード感のある演出で、小気味よく物語は進みます。
「翻訳戯曲ならではのぎこちないセリフ運び」にならず、かといって現代の日本語に無理やり落とし込んでいるわけでもなく、いい間(ま)を取ってしっかり笑いを生んで、物語に興味が持てる話し方をされていました。戯曲の意図をくみ取って、役柄のキャラクターを決めて行かれたからではないかと勝手に想像。
顔か~・・・自分も外見は気になっちゃいますね・・・特に脚とか。だって内山里名さんのあの美脚を見せつけられたら、ねぇ!(笑)
ここからネタバレします。
自分とそっくりの美男が増加してお払い箱になったレッテは、とうとう高いビルからの飛び降り自殺を図ることに。レッテは鏡に映る“僕”と語り始め、“僕”が僕を乗っとり、苦しめているのだと口論になります。すべて自問自答なんですよね。実際のところ山内さんが1人で2人分のせりふを言い続けます。
でもレッテを愛人にしていた富豪の老婦人(内山理名)と、同じくレッテを愛していた老婦人の息子(斎藤工)が、レッテを救うことになります。なんと息子もレッテの顔に整形しており、「“僕”は僕が大好きだ!」と全肯定。そして3人はともにベッドへ…(笑)。
顔の美醜で価値観が簡単に揺れ動き、自分の顔を捨てて手に入れた美顔に執着し、やがて顔とともに自我も失ったことに気づいて絶望するも、自分と同じ顔をした他人に優しくされたら無根拠に立ち直っちゃう。なんて節操のない!(笑) 何か(誰か)に依存していないと自分を確かめられないのは情けないな~と思います。でも“自分だけの顔”を失ったなら、根なし草のようになっても無理はないかもしれません。
整形手術の場面では「シェフラーは(顔の骨を)削る」といった文字が壁に投影されます。レッテが鏡に映った“僕”と自問自答する終盤の場面でも、並行して老婦人の息子の手術が行われており、なんと壁の文字が反転しました。“僕”の視点があらわされたのだと思います。字幕でも演出するのが凄い!
医師(入江雅人)もとうとう自分の顔を整形するに至る、という顛末でした。天井から吊り下げられたのであろう(?)入江さんを壁の上にチラっと見せて、最後の最後に劇場上部の余白を使うという気の利いた演出でした。
≪東京、大阪≫
出演:山内圭哉、内山理名、斎藤工、入江雅人
脚本:マリウス・フォン・マイエンブルク 演出:河原雅彦 翻訳:内藤洋子 美術:中根聡子 照明:佐藤啓 音響:大木裕介 衣裳:四方修平 ヘアメイク:西川直子 演出助手:松倉良子 舞台監督:田中直明 主催: 財団法人せたがや文化財団 企画制作:世田谷パブリックシアター
【発売日】2010/05/22 S席6,300円/A席 4,200円 高校生以下 各一般料金の半額(劇場チケットセンターのみ取扱い、年齢確認できるものを要提示) U24 各一般料金の半額(劇場チケットセンターにて要事前登録、登録時年齢確認できるもの要提示、オンラインのみ取扱い、枚数限定) 友の会会員割引 S席5,800円 世田谷区民割引 S席6,000円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/07/post_189.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月11日
松竹・Bunkamura『コクーン歌舞伎「佐倉義民傳」』06/10-29シアターコクーン
コクーン歌舞伎の久しぶりの新作は、約160年前に初演された歌舞伎演目と、ラップ音楽が融合!上演時間は約3時間(休憩15分とカーテンコールを含む)。
素晴らしかったです・・・!歌舞伎俳優とラッパーが一緒に歌うことに大いに意味を持たせた脚本(鈴木哲也)・演出(串田和美)でした。数百年前と今と千年先がつながってることを、ラップで直訴!
映画「SRサイタマノラッパー」主演のお2人(駒木根隆介、水沢紳吾)が出演されているのにも感激。すごくいい映画ですので、まだご覧になってない方はぜひ。「SRサイタマノラッパー2」も上映中!
売り上げランキング: 799
⇒CoRich舞台芸術!『佐倉義民傳』
レビューはほぼ記録のみ。
≪あらすじ≫
(現在の)千葉県の佐倉。名主(なぬし)の宗吾(中村勘三郎)は年貢割増を取り下げてもらうべく、代官所に行って百姓らの窮状を訴えようとする。
≪ここまで≫
土の舞台。百姓らの生活のリアルを表しているようにも見えれば、土から育まれる生命の象徴にも見えて。
百姓たちがラップする度に涙ぐんでしまいました。
※東京公演の後に長野県松本の信州・まつもと大歌舞伎として上演されました。なんと市民参加型です!
ここからネタバレします。
宗吾の妻おさんと掘田上野介正信(お殿様)の2役を演じた中村扇雀さん。最初は2役だとはわかりませんでした・・・!
「走れ 宗吾 ひた走れ」
いとうせいこうさんのラップ歌詞のメッセージが胸に突き刺さります。
宗吾(中村勘三郎)が徳川四代将軍家綱(中村七之助)に訴状を出す場面のあまりの静けさ、美しさに、ハっと目が覚めるような心地になりました。
最後は『佐倉義民傳』を上演していた一座が登場し劇中劇の構造に。出演者が客席に向かって歌うラップに号泣。
渋谷・コクーン歌舞伎 第十一弾
出演:中村勘三郎、中村扇雀、中村橋之助、坂東彌十郎、中村七之助、片岡亀蔵、笹野高史、中村歌女之丞、中村京蔵、中村小三郎、澤村國久、中村山座衛門、中村勘之丞、井之上隆志、駒木根隆介、水沢紳吾、ほか
演出・美術:串田和美 脚本:鈴木哲也 照明:齋藤茂男 音楽:伊藤ヨタロウ 作調:田中傳左衛門 補曲:国広和毅 ラップ作詞:いとうせいこう 音楽制作:澤井宏始 音楽協力:斉藤トオル 音響:田中実 立師:諸鍛冶裕太 狂言作者:竹柴徳太朗 狂言作者:竹柴健 技術監督:センターライナソシエイツ 技術監督助手:多田友見 美術助手:長谷川康子 附打:山﨑徹 子役指導:山﨑由美子 舞台監督:藤森條次 頭取:川﨑和治 大道具:C-COM舞台装置(向井一裕 大島広子) 美術工房拓人(松本邦彦) リンペット(林正) 照明操作:シアタークリエイション(加藤学) 音響操作:コーストライン(野島秀成) 小道具:藤浪小道具(関慶人) 人形製作:プペ組 衣裳:松竹衣裳(株) 日本演劇衣裳(新井久美子) かつら:日本演劇かつら 床山:東京鴨治とこ山(川口知昭) 光峰床山(高橋敏夫) 特殊効果:(有)アトリエカオス(田中義彦) 制作:岡崎哲也 山根成之 橋本芳孝 伊東羊介 製作:松竹株式会社 主催:松竹株式会社/Bunkamura
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_kabuki.html
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/2010/06/post_45.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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ダックスープ『透明感のある人間』07/03-11ザ・スズナリ
ブルースカイさんが作・演出されるダックスープのプロデュース公演です。出演者もすべてダックスープに所属する役者さんなんですね。上演時間は約1時間40分。
ブルースカイさんの“ナンセンス”を久しぶりに堪能しました。池谷のぶえさんがかっこ良かった~っ!
⇒ケラさんのツイート
⇒徳永京子さんのツイート(1、2、3)
⇒CoRich舞台芸術!『透明感のある人間』
私には予想しえない方向にストーリーが進み、笑いのきっかけが突然ポン!とあらわれるので、驚きつつ笑わせていただきました。注意深く見る必要があるので(笑)、緊張感のある観劇になりましたね。ただ、私は一番前のベンチシートだったので、見逃した部分も多くて残念~。
ここからネタバレします。
町長(池谷のぶえ)はわがまま息子(黒田大輔)を甘やかすばかり。息子が通う探偵学校の先生(永井秀樹)の妻(藻田留理子)は、町長の執事(近藤フク)と不倫中。先生は昔、生徒(いせゆみこ)と浮気したことがあったので、妻にきつく言えない。
人気作家(渡辺道子)の夫(眼鏡太郎)は病に伏しており、弟(野間口徹)が兄の大家族を支えている。弟は町長の息子に雇われ、“犬のちから”という超能力(?)を使う際の助手になる。
池に飛び込んだ時に「ハトの写真集を出す」という啓示を受けた町長は、息子の撮ったハトの写真集を出そうと出版社に懇願。ついには出版社の社員のごとく下働きをはじめます。「でも自費出版っていう手があるんだよね…」。
舞台上で堂々と着替えて、登場人物が次々と出版社の社員になっていきます。社員になってすぐに元の役柄のことを話すので、出版社内とその外の世界とがわかりやすくつながっていました。ナンセンスとはいえ劇中の世界の骨組みがしっかりしていたのが良かったと思います。
DuckSoup produce 2010
出演:池谷のぶえ いせゆみこ 眼鏡太郎(ナイロン100℃) 黒田大輔(THE SHAMPOO HAT) 近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ) 堺沢隆史(猫☆魂) 永井秀樹(青年団) 野間口徹(親族代表) 藻田留理子 渡辺道子
脚本・演出:ブルースカイ 舞台監督:棚瀬巧(至福団) 舞台美術:秋山光洋 照明:佐藤啓 溝口由利子 音響:鏑木知宏+中村成志 衣裳:セオキョウコ(東京NewS) 宣伝美術:坂村健次、新飯田直子(C2デザイン) 舞台写真:引地信彦 演出助手:福永モモ 演出部協力:上端倫子、渡辺亜沙子 制作協力:東川圭子 制作:Little giants 企画・製作:(株)ダックスープ
【発売日】2010/05/29 前売り:3,800円 当日:4,000円(全席指定) ※未就学児入場不可
http://ducksoup.jp/toumeikan/toumeikan.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【出演者募集】王子小劇場地域発信プロジェクト「『ダミーサークル(作・演出:中屋敷法仁)』中高生出演者募集」※〆切7/25(日)24:00(メールのみ)
王子小劇場が「佐藤佐吉演劇祭2010」の一環として実施する地域発信プロジェクトのご案内です。北区在住、北区の学校に在学の中高生を募集しています。詳細はこちらでどうぞ。
作・演出に柿喰う客の中屋敷法仁さんを迎え、北区の中高生と創作活動を行うとのこと。7日間の稽古を経て5日間の本番があります。本番長いっ!いったい何ステージあるのでしょうか?これは贅沢です!
●王子小劇場地域発信プロジェクト『ダミーサークル』
稽古:8/16(月)-8/24(火)
本番:8/25(水)-8/29(日)
※8月9日顔合わせ予定
参加希望者はメールの件名を「ダミーサークル出演者募集」とし、「名前」「生年月日」「1000万円もらったら何をしたいか」を info-ohsho(アットマーク)proof.ocn.ne.jp まで送信。先着順に詳細の確認を行い、参加決定。
2010年07月10日
ナイロン100℃『2番目、或いは3番目』06/21-07/19本多劇場
ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが作・演出される劇団ナイロン100℃の第35回公演です。またもや新作。初日に拝見しました。上演時間は約3時間30分(途中15分の休憩、カーテンコール3回を含む)。
灰色の廃墟にとどろく笑い!笑い!笑い!!これまでもケラさんにはいっぱい笑わせていただきましたけど、ナイロン100℃の公演でこんなに笑ったのはすごく久しぶりです(思い出せる限りでは『TECHNO BABY』以来かも。笑いの種類はずいぶん違う気がしますが)。大倉孝二さん反則!最高!
一般6,800円ですが、学生割引券4,200 円(チケットぴあのみ取扱い)もあります。「椅子は補助椅子ですが、観やすい!」とのこと。
⇒ケラさんのツイッター
⇒7月5日のケラさんのツイート
⇒CoRich舞台芸術!『2番目、或いは3番目』
≪あらすじ≫
荒れ果てた廃墟にたどり着いた一行。「この町は私たちの町よりももっとひどい。困っている人たちを助けましょう」。でも崩れかけた家屋から出てきたのは、笑いを絶やさない元気な住人たちだった。
≪ここまで≫
まず客席の方までせまる装置(客席の天井まで続きます)と衣裳が豪華で、満たされた心地。全体的に暗い雰囲気ですが、開幕してすぐにブっと吹き出し笑い(笑)。
不条理で残酷な状況にある登場人物らが、次々によどみなく笑いを生み出していくのは、別役実さんの作品のよう。笑いに笑いがかぶさって物語がかき消され、流れ去って記憶に留まらなくなってしまうのは、岩松了さんの作品に似た感触でした。
ケラさんは「デヴィッド・リンチと小津安二郎と別役実を足したような作品をつくりたい」(⇒こちらより)とおっしゃっていたようですね。たしかにデヴィッド・リンチっぽかった!“小津安二郎”色は私には読みとれず。そういえば家族(?)や姉妹の場面も多かったですね。
小出恵介さん、谷村美月さんという人気スターを客演に呼ばれていますが、あくまでも劇団公演のゲスト(主役ではない)であったのが良かったです。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
オープニングの映像(上田大樹)は今回もまた、期待を上回る凄いものでした。美術と一体化してるだけでなく、作品の重要な要素(昔あったアーケードが骨だけになった屋根に映される)も含んでいました。最後に老人夫婦(大倉孝二&長田奈麻)だけが残る場面では建物などの枠が映像でカラフルに色付けされて、時代も場所も定まらないどこかの町の話なのだと思えました。つまり私が暮らす東京にも当てはまります。
来訪者たちの1人であるジュゼッペ(小出恵介)は、パっと見は優しそうな好青年ですが、実は残虐な殺人鬼。“悪い小出恵介”は超魅力的でしたが、最後は復讐されてあっけなく死んでしまいました。私は彼が何らかの鍵を握る人物なのだろうと勝手に想像していたので、きっと残酷で悲惨な結末に導いてくれるのだろうと期待(?)しており、ちょっと肩すかし。いつもながらの勝手な思い込みでした(笑)。
※(刺されて)うなだれるジュゼッペを見たのはダーラ(峯村リエ)だけなので、もしかしたらあの場面は幻だったのかも、とも解釈できますよね。
全身赤色の服を着ているのは国の役人たち。住人に無理難題を押し付け、さらりと嘘をついて命も奪おうとします。人々は反抗するものの結局は従わざるを得ない状態に。最後は来訪者たちも住人たちも、「毒ガス散布地域に指定されたので…」みたいな理由で突然立ち退きを強いられます。げらげら笑って楽観的に旅立ちますが、実は全員が難民になってしまったんですよね。十分に残酷で悲惨です。
『2番目、或いは3番目』が表しているのは「次に国が救済してくれるのは私の町です」「いいえ、次はうちの町だよ」と、順番を待つ人たちのことなんですね。でも実際のところは「次はあなたですよ」と言われたまま全く助けは来ません。顔の前に人参をぶらさげられた馬のように、決して叶わない希望を信じて待つ人々・・・。
映像で舞台美術がカラフルに染められるラストシーンでは、ムースコ(みのすけ)が描いた絵本をダーラ(峯村リエ)の娘が愛読していたことや、双子の姉妹(犬山イヌコと松永玲子)が1人の画家を取り合っていたことなど、人間らしい温かい思い出がよみがえりました。どんなに悲惨な状況にあっても私たちは詩を味わって感動したり、誰かに恋したり、ギャグに大笑いしたりするんですよね。逆もまた然り。どうにか幸せを見つけてがんばって生きていても、誰か・何かがその幸せを突然奪うことが、いつだって起こり得るんですよね。気づかない内にすべて失っているのかもしれません。
拍手が鳴りやまず3度目のカーテンコール。いきなりみのすけさんが小出さんに挨拶を振りました。「ウソでしょ?」と言いながらも、小出さんはしっかりきれいに締めの言葉を言われました。「初日にお越しくださってありがとうございました。これから1ヵ月続く公演です。もう一度観に来てもらっても嬉しいです。今日はありがとうございました」という感じ。さすがですね。
≪東京、大阪、愛知、広島、福岡、新潟、福島≫ NYLON100℃ 35th SESSION『2番目、或いは3番目』
出演:〈来訪者たち〉ダーラ:峯村リエ フラスカ:緒川たまき コッツオール(会長):マギー ヤートン:三宅弘城 ジョゼッペ:小出恵介 〈町の人々〉姉妹・姉:犬山イヌコ 姉妹・妹:松永玲子 老人:大倉孝二 老人の妻:長田奈麻 ムースコ(老人の長男):みのすけ ハンナ(老人の長女):村岡希美 カーヤ(ムースコの娘):谷村美月 〈隣町の子供たち〉トピーアス:伊与顕二 ヌヌーチエ:白石遥 トットラータ:斉木茉奈 〈政府の男〉ヴァインツ:喜安浩平 〈ハンナの見合い相手〉ポーター:藤田秀世
脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 音楽:朝比奈尚行 美術:BOKETA 照明:関口裕二(balance,inc.DESIGN) 音響:水越佳-(モックサウンド) 映像:上田大樹 大鹿奈穂(&FICTION!) 衣裳:前田文子 ヘアメイク:武井優子 演出助手:相田剛志 舞台監督:宇佐美雅人(バックステージ) 演出部:松井啓悟 元風呂早苗 野部友視 照明操作:瀬戸あずさ 音響操作:照山未奈子 大道貝:櫻井敏郎(C-COM舞台装置) 唐崎修(smile stage) 音楽助手:鈴木光介 映像助手:横山翼 小林妙子 衣裳進行:畑久美子 衣裳助手:佐野友余 ステージング:長田奈麻 殺陣指導:明樂哲典 劇中アナウンス:吉増裕士 記録スチール:引地信彦 大道具製作:C-COM舞台装置 テルミック 美術工房拓人 小道具:池上三喜(高津映画装飾) 小道員製作:土屋工房(土屋武史) 松崎久美子 電飾:イルミカ東京・ 音楽協力:studio sonorus 演奏:松本健一 映像協力:インターナショナルクリエイティブ 衣裳協力:東京衣裳(森田恵美子 吉野真理子 滝沢亮子) 履物協力:神田屋 運搬:マイド プロデューサー:高橋典子 制作:仲谷正資 北里美緒子 太齋志保 佐々木悠 永田聖子 制作協力:児玉ひろみ 嶋口春香 広報宣伝:米田律子 製作:北牧裕幸 企画・製作:シリーウォーク キュープ
【休演日】7/24 8/1,8,15【発売日】2010/04/24 6,800円(全席指定・税込) 学生割引券 4,200 円(前売のみ/税込/チケットぴあのみ取扱い)
【学生割引券について】リーズナブルな価格で多くの学生の皆様に作品をご覧いただきたく、学生割引券をご用意致しました。※学生割引券は当日指定席引換券です。当日劇場受付にて開演30分前より指定席券とお引換えします。お引換えの際は学生証をご提示ください。2名様以上の場合、席が離れる可能性があります。また、ご覧になりにくいお席になる場合もあります。尚、枚数には限りがあります。ご了承ください。※学生割引券はチケットぴあのみのお取扱いになります。
http://sillywalk.com/nylon/
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon35.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月08日
【情報】東京芸術劇場「水天宮ピット・オープニングイベント」7/23(金)16:00~20:00開催!(入場無料・事前申込み不要)
オープニングイベント
7/26(月)に正式オープンする舞台芸術の稽古場施設“水天宮ピット(東京舞台芸術活動支援センター)”が、7/23(金)にオープニングイベントを開催します。過去記事⇒1、2
FUKAIPRODUCE羽衣、劇団鹿殺しRJP、ヘブンアーティスト森田智博さんのパフォーマンスが無料で観られます!校庭にネオ屋台村が出て飲食(有料)も可能です。暑気払いにぜひ♪
【オープニングイベント・スケジュール】
第一部 内覧会 16:00~
第二部 オープニングセレモニー 17:00~
第三部 オープニングパフォーマンス
17:30~FUKAIPRODUCE羽衣
18:00~路上パフォーマンスユニット 劇団鹿殺し RJP
18:30~森田智博
19:00~路上パフォーマンスユニット 劇団鹿殺し RJP
※野田秀樹さんが芸術監督をつとめる東京芸術劇場が運営する稽古場です。創作活動の大規模拠点として、大勢の舞台関係者がつどう場になるでしょう。舞台の作り手の方々は内覧会もチェックしていただきたいですね。
2010年07月07日
第17回BeSeTo演劇祭実行委員会・青年団『東京ノート-日中韓俳優出演・3カ国語版/青年団版-』07/02-17新国立劇場特設会場
平田オリザさんの代表作『東京ノート』が新国立劇場特設会場(エントランスから中劇場への通路)にて上演されました。過去レビュー⇒1、2 第17回BeSeTo演劇祭参加作品で、日中韓の3カ国の俳優が出演する3カ国語版を拝見。新キャストによる〈青年団版〉と交互上演されます。
新国立劇場の広い、風通しのよい空間が、“美術館”という舞台設定にマッチしていて、とても快適でした。通行人を含め、出演者の多い芝居です。贅沢。
⇒舞台写真(2012年6月24日アップ)
⇒CoRich舞台芸術!『東京ノート』
新国立劇場エントランスから中劇場へ向かう大階段がランドスケープに。日中韓3カ国語が発せられることで、世界の中のアジアが見えるようでした。特設劇場は公演期間中にバラし・建て込みもしているようです。またとない機会だと思います。音響機材がミラクルな仕事をしているようで、セリフが聴こえないなどの心配もありません。
ここからネタバレします。
夫に浮気を告白された妻とその義理の姉が向き合う最後の場面は、いつも胸にぐっと来ます。美術館を舞台にしたこの作品で、客席に座る観客も「見ること」「見られること」の両方を体験し考えることができるように思います。
「なんで中国人カップルはあんなに80年代っぽいんだ(笑)!」という感想を耳にしました。そういえばあのカップルは、前向きでハフハフ浮いた感じで、肉欲全面肯定で、セクシーでした。今、ホイットニー・ヒューストンの曲を聴いて納得。80年代はこんなノリだったかも。
出演:青年団 ≪登場人物≫ ★=青年団版出演 ☆=日中韓版出演 秋山慎也(長男):山内健司 秋山登喜子(長男の妻):森内美由紀 秋山由美(長女):松田弘子 秋山祐二(次男):古屋隆太 秋山好恵(次男の妻):能島瑞穂 秋山郁恵(次女):後藤麻美 秋山茂夫(三男):河村竜也 平山恵美子(学芸員):兵藤公美 三橋美幸(絵を寄贈する人):井上三奈子 小野邦子(弁護士):堀夏子 斎藤義男(三橋の友人):大竹直 串本輝夫(学芸員):大塚洋 木下貴史:小林智 野坂晴子:村田牧子 橋爪幹夫:秋山建一 寺西理香:たむらみずほ 石田栄介:小河原康二★ ツァオ・ユエ☆ 須田ナオ:鈴木智香子★ ユイ・イン☆ 脇田百合子(女子大生):荻野友里★ べ・ジンファ☆ 水上ふたば(女子大生):長野海★ キム・ハリ☆ 来館者たち:工藤千夏 石松太一 菊池佳南 富田真喜 藤田一樹 森岡望 渡辺美帆子
脚本・演出:平田オリザ 韓国語翻訳:ソン・ギウン 中国語翻訳:田村容子 舞台美術:杉山至 照明:岩城保 字幕:西本彩 音響設計:緒方晴英 音響操作:泉田雄太 衣裳:有賀千鶴 正金彩 舞台監督:中西隆雄 制作:林有布子 西山葉子 <主催>第17回BeSeTo演劇祭実行委員会 <共催>(財)舞台芸術財団演劇人会議 ≪企画制作≫青年団/(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場 <後援>中華人民共和国大使館、駐日韓国大使館、韓国文化院 <協力≫(財)新国立劇場運営財団 <音響協力>富士通テン(株)
【休演日】7月3日(土)、9日(金)、16日(金)【発売日】2010/06/01 ※『東京ノート』は「第17回BeSeTo演劇祭」新国立劇場中劇場のプログラムと自由に組み合わせてご覧いただけます(『シラノ・ド・ベルジュラック』は除く)。※『東京ノート』特別企画のために単独でのチケット販売は行いません。ただし、6月28日よりBeSeTo事務局にて販売する場合があります(日時指定・全席自由・前売当日とも3,500円)。
http://www.seinendan.org/jpn/info/info100526.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月06日
第17回BeSeTo演劇祭実行委員会・柿喰う客『wannabe』06/29-07/19アトリエ春風舎
「CoRich舞台芸術まつり!2010春」のグランプリを受賞した柿喰う客の第17回BeSeTo演劇祭参加作品です。
劇団員6人が中国、韓国の俳優とともに演劇創作をする次世代のための特別企画で、BeSeTo演劇祭ではこの作品だけが完全な新創作だそうです。上演時間は約60分。
アトリエ春風舎という小さな劇場で全席指定でした。単純に「めずらしいことだから」というのもありますが、どこか特別な気持ちになりました。安心感というか充足感というか。「観客として大切にされている」心地がしたからじゃないかしら。
⇒BeSeTo演劇祭公式ブログ「日中韓3カ国俳優出演・柿喰う客『Wannabe』稽古場レポート!」
⇒BeSeTo+ブログ「『wannabe』関連記事」
⇒CoRich舞台芸術!『wannabe』
≪あらすじ≫
異国でアパート(一軒家?)をシェアして暮らしているアジア人の若者たち。住人3人が仕事先の仲間を呼んでパーティーをしようとするが、他の住人らのせいでさまざまな障害が…。
≪ここまで≫
出演者はみな20代で、おそらく私よりは10歳ぐらい年下の方々です。日本、中国、韓国という国(の文化や歴史)の違いをサラリと飛び越えて、若者たちが「演劇」を媒体につながること。それがそのまま作品にあらわれているように思いました。
とにかく舞台にいる若い役者さんたちが楽しそう。それがこの企画の意義だと言って良いんじゃないかと思います。私のいわゆる青春時代とは、すっかり変わったんだと思いました。きっとこれからも変わっていくでしょうね。次の世代(たとえば今の10代)が生み出す演劇への期待と興味がさらにわきました。
韓国人男優のさんは日本語がお上手で、野生的な魅力からセックスアピールも感じられました。韓国人女優のお2人も色っぽいな~。
中国人女優のお2人がとっても美しくて。ホットパンツの美脚バンザイ。
対して日本人の役者さん(柿喰う客のメンバー)は“無邪気で元気な若者”という印象。エキセントリックな役を演じた方々(七味さんと深谷さん)がピリっとスパイシー。
ここからネタバレします。
セリフはほぼ全て英語でした。でもかたことの英語(Poor English)なので、理解するのに苦労はありませんでした。字幕もなく、日本語の解説もほぼなし。つまり「英語上演」と言っていいと思うんですよね。とうとうこんな時代に。凄いことだと思います。
須貝さんが韓国人女優さんに愛の告白をする場面が可愛いです。
タイトルは「友達に“なりたがり”のGhost(深谷)」という意味もあるかと。
次世代のための特別企画
【出演】中国人キャスト:ライ・ジャー(来喆/Lai Zhe) ティエン・イーファン(田依凡/Tian Yifan) 韓国人キャスト:イ・ソングォン(Lee Sunggwon) チョン・ユンギョン(Jung Yunkyung) イ・ウンセム(Lee Eunsaem) 日本人キャスト:七味まゆ味(Shichimi Mayumi) コロ(KORO) 玉置玲央(Tamaoki Reo) 深谷由梨香(Fukaya Yurika) 村上誠基(Murakami Masaki) 須貝英(Sugai Ei)
脚本・演出:中屋敷法仁 照明:富山貴之 衣装:飯田裕幸 舞台監督:佐野功 制作:赤羽ひろみ/斎藤 努 制作協力:(有)ゴーチ・ブラザーズ 協力:青年団/箱庭円舞曲 企画制作:柿喰う客/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 共催:第17回BeSeTo演劇祭実行委員会
【発売日】2010/06/01 全席指定 前売3000円/当日3300円
http://www.beseto.org/17th/
http://www.beseto.org/17th/program/detail.php?performance_id=62
http://kaki-kuu-kyaku.com/main/?p=882
http://wannabe2010.seesaa.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月04日
空想組曲『空想組曲変則短篇集 組曲「空想」』06/16-22 OFF OFFシアター
空想組曲はほさかようさんが作・演出されるユニットです。毎回出演者を集めるプロデュース形式の公演を行っています。
10話以上のとても短い短編がリズムよくつながり、恋も笑いもドラマもサスペンスも気持ちよく味わえました。娯楽作品としての構成を丁寧に考えて作られていて素敵。デートで観に行きたい小劇場演劇ですね。上演時間は約2時間強。
CoRich舞台芸術!のクチコミもとても好評で、千秋楽(平日)のお昼に追加公演も上演されました。
⇒CoRich舞台芸術!『組曲「空想」』
ここからネタバレします。
♪オープニング:組曲「空想」~独奏~
【出演】中田顕史郎
♪静かな晩餐
【出演】斎藤陽介×ハマカワフミエ×中田顕史郎
♪地球最後の男
【出演】大塚秀記×こいけけいこ
♪日替わり短篇
16日「赤頭巾に手を出すな」【出演】狩野和馬×ハマカワフミエ
17日「奥様と橘」【出演】牧島進一×保坂エマ
18日「あっ!」【出演】有川マコト×大塚秀記×中田顕史郎×川田希
19日「恋愛論、クニコの」【出演】小玉久仁子×島田雅之
20日「Q&A」【出演】松崎史也×保坂エマ
21日「A&Q」【出演】葛木英×斎藤陽介
22日「ランナー」【出演】石黒圭一郎×ハマカワフミエ
♪賑やかな晩餐
【出演】西地修哉×林田沙希絵×中田顕史郎
♪アクション、ヴェリテ
【出演】川田希×斎藤陽介
♪彼に似合う職業
【出演】中田顕史郎×島田雅之
♪ありがちベリー
【出演】保坂エマ×ハマカワフミエ
♪ファミレス・ランデブー
#1【出演】斎藤陽介×西地修哉
#2【出演】こいけけいこ×川田希
#3【出演】大塚秀記×ハマカワフミエ
♪時をかける晩餐
【出演】島田雅之×こいけけいこ×川田希
♪サンクチュアリ
【出演】ハマカワフミエ×西地修哉
♪ロマンチック主義者のためのささやかな演奏
【出演】林田沙希絵×斎藤陽介(16・18・20・22日)/林田沙希絵×大塚秀記(17・19・21日)
♪静かすぎる晩餐
【出演】大塚秀記×保坂エマ×中田顕史郎
♪エピローグ:組曲「空想」~連弾~
【出演】中田顕史郎×川田希
演劇ならではの演出もさまざまで面白かったです。自然な演技で若いカップルの初々しい恋/独白と対話を同時進行/過去と現在を同時進行/セリフはなく動きだけで男女の駆け引き/10代、20代、30代、40代の自分が同時に登場/など。
空気がぴーんと張りつめる殺人モノの後に、明るくてホっと息をつけるコメディーを持ってくるなど、ありきたりにならず、飽きさせないつなぎ方が素晴らしいと思いました。
役者さんは皆さん適材適所というか、持ち前の魅力、実力を発揮できる役どころで、楽しませてくださいました。
最近の私は肌が透き通って中身(心)が見えるかのような、嘘のない(気にさせられる)演技をされる人や、身体能力が高く、無言でも体で伝えてくれる人のことが、特に印象に残る傾向にあります。感情と身体の説得力といいますか。
この作品だと斎藤陽介さん(ひょっとこ乱舞を辞められたんですね)、ゲストだった石黒圭一郎さん(ゲキバカ)が良かったです。
出演:中田顕史郎 大塚秀記 島田雅之(DART’S) 西地修哉(726) 斎藤陽介 保坂エマ(劇団☆新感線) 川田希(カニクラ) こいけけいこ(リュカ.) ハマカワフミエ(国道五十八号戦線) 林田沙希絵
【日替わりゲス卜】16日:狩野和馬(InnocentSphere)17日:牧島進一(Studio Life) 18日:有川マコト 19日:小玉久仁子(ホチキス) 20日:松崎史也(Afro13)21日・22日昼:葛木英(ehon) 22日:石黒圭一郎(ゲキバカ)
【作・演出】ほさかよう 【舞台監督】藤本志穂(うなぎ計画) 【音響効果】天野高志【照明】榊美香(有限会社アイズ) 【衣装】恵美秀彦【宣伝美術】 岩根ナイル【写真撮影】石津知絵子 【制作】塩田友克 【企画・製作】空想組曲
【発売日】2010/05/10 前売2800円、当日3000円
http://www.k-kumikyoku.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【パブリックコメント募集】文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に対するパブリックコメント募集中!※7/9〆切
文化庁が文化審議会文化政策部会の「審議経過報告」についてパブリックコメントを募集しています。誰でも文化庁に自分の意見を伝えることができます。⇒パブリックコメントとは?
提出様式には細かい決まりがあります(氏名、年齢などの記載/1メールにつき1意見など)。意見募集要領(PDFで2ページ)でご確認ください。
■文化審議会文化政策部会「審議経過報告」パブリックコメント募集
(⇒電子政府の総合窓口“イーガブ”内該当ページ)
【意見の提出方法】
提出手段:郵送・FAX・電子メール
提出期限:平成22年7月9日(金) 必着
⇒〆切が平成22年7月23日(金)までに延長されました! ※2010/07/07発表
FAX番号:03-6734-3811
電子メールアドレス:singikai(アットマーク)bunka.go.jp
件名は【審議経過報告への意見】とすること。
【ご参考】
⇒劇場法(仮称)RT【全体のまとめページ】
⇒fringe blog「舞台芸術に関わるならパブリックコメント提出を」
⇒FPAP高崎大志さんのブログ「文化審議会のパブコメはかつてないチャンス」
昨年末の事業仕分けの際に、わが国の文化振興について集まったパブリックコメントはなんと11万通!(⇒関連記事) あれだけ「圧倒的に予算を縮減」などと仕分けられていた文化予算が、減るどころか微増したのは、私たちの大量の声が届いたからだと思います。福島明夫さん(劇団青年劇場)も「劇場法(仮称)ラウンドテーブル」でその数の多さについて言及されましたし、平田オリザさん(内閣官房参与/青年団)も岡田准一さんのラジオ番組「Growing Reed」で発言されていました。
平田:文化庁に十数万通の投書が来て、「(文化芸術の予算は)やっぱり削減しない方がいいんじゃないの?」ってことになったんです。
文化政策部会の提案はひとことで言ってしまうと「国自らの責任において文化芸術を振興しよう」ということ。「審議経過報告」概要で1ページの図(PDF)にまとまっています。詳細は「審議経過報告」(PDFで52ページ)でどうぞ。※どちらもこのページ下方でダウンロード可。
分野は舞台芸術、メディア芸術、映画、美術、くらしの文化、文化財に分かれています。舞台芸術は「審議経過報告」52ページ中の4~10ページ、20~26ページを読めば大丈夫です。
先日の「劇場法(仮称)ラウンドテーブル」でも確かめたことですが、私は文化芸術は国が振興すべきものだと思います(参考エントリー⇒1、2、3)。
たとえば、劇場がただの公民館とは違う、芸術に特化した専門施設だと認められるように。全国で上質の舞台が創作・鑑賞できるように。アーティストが安心して創造活動を継続できるように。「お金が儲からないから」「不況だから」といった経済状況を理由に、舞台芸術が簡単に切捨てられることがないように。
文化政策部会の提案の1つひとつに、私の賛成・反対の意見を届けたいと思います。舞台作品の創作にかかわる方も観客の方も、ぜひ意見してみてください。一通、一筆でも意味があると思います。
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2010年07月03日
舞台芸術集団 地下空港『音楽劇「巨人達の国々」』06/30-/07/04ザ・ポケット
伊藤靖朗さんが作・演出される“舞台芸術集団 地下空港”。チラシのビジュアルや舞台写真が気になっていて、はじめて拝見。
オルタナティブフォークユニット「表現(hyogen)」による生演奏のある音楽劇でした。上演時間は約2時間強。
⇒CoRich舞台芸術!『音楽劇「巨人達の国々」』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
とある街に暮らすフリーターで(自称)詩人のヤスシは、ある日謎のチャイナガールと出会い、一目惚れする。しかし間もなく彼女はこつ然と姿を消してしまう。
謎の失踪を調査するヤスシは、とある噂を耳にする。
それは、遥か昔に神に逆らい、地獄に幽閉されたはずの巨人族が「夢のヨダレ」を街に垂らし人々を溶かそうとしているという恐ろしい陰謀だった。。
≪ここまで≫
客席側を含む空間全体を赤い布などで装飾する抽象美術。舞台面側の床(客席と同レベル)では生演奏の奏者5人が控えます。開場時間から白塗りありのがっつりヘアメイク&派手な衣装の役者さんが観客に話しかけ、作品世界にスムーズに誘導します。こういうのって私は苦手な方なんですが、導入部分の仕掛けを観た(体験した)時に、演出としてとても有効だったんだと気づきました。
不可解なことが多かったのでお話の中には入れませんでしたが、美術、衣裳、ヘアメイク、オリジナル音楽といったアートワークへの本気のこだわりは素敵。“舞台芸術集団”と名乗ってらっしゃることに納得できる作品でした。役者さんの歌も決して下手ではなかったので、実験公演やライブ(?)的な公演にも興味が湧きました。
表現(hyogen)の女性ヴォーカル(繭さん?)の声がとてもきれいでした。
ここからネタバレします。
“よだれ”と名付けられた液体を飲んだり体にかけたりすると「記憶が消える」という設定だったと思うのですが、徐々に「押さえていた欲望をあらわにする」「奔放になる」などに変わって来て、よくわからなくなりました。
看板俳優(なのかしら?)の今村洋一さんのスターっぷりに驚きました。終盤の歌が良かった。
故郷をヨダレで溶かされた兄妹の妹役(チャイナガール役)の美舟ノアさん。さいたまネクスト・シアター『真田風雲録』のヒロイン役も記憶に新しいですが、動じないのがいいですね。背筋をピンと張った後ろ姿がきれい。
舞台芸術集団 地下空港第10回公演
出演:今村洋一、川根有子、柴ヤオ、佐藤美佐子、竹田邦彦、千速裕子、富田遊右紀、野田孝之輔、野村真理、美舟ノア、向原徹、横山大地、横山央、JIN、加藤なぎさ、小田嶋クリス、岡崎康記
【脚本・演出】伊藤靖朗 【演出部】杏上陽介(青ひげマシーン)【舞台監督】伊東龍彦【演奏】表現hyogen(佐藤公哉 園田空也 古川麦 繭 鈴木龍一朗)【音響】岩野直人(STAGE OFFICE)【照明】福田さやか【衣裳】大岡舞 正金彩(青年団) 安田美路加 【舞台美術】沼田かおり 仁平祐也 【舞台美術補佐】松浦美郷 遠藤良幸 竹内美羽 鬼沢奈津子【宣伝美術】南部隆一【写真】かとうちなつ【ヘアメイク】宮井美実 武田杏子 【WEB】一戸宏相 【受付】相原絵梨 伊藤千夏 山本かおり 【制作】地下空港管制塔
【発売日】2010/04/17 前売り3500円、当日4000円
●先行予約特典 5/30(日)までにご予約頂いたお客様にはもれなく『特製☆巨人ブロマイド』をプレゼント!
●学割 7/2(金)の14時の回のみ、学生様500円OFFの3000円になります!(学生証をご呈示下さい。)
●奇数グループ割 3人・または5人のグループで予約されたお客様は、お一人あたり300円OFFの3200円になります!
http://www.uga-web.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月02日
新国立劇場演劇研修所第4期生試演会①『橋を渡ったら泣け』07/01-04新国立劇場Cリハーサル室
私が拝見したのは7/2夜(じんべえ村)と7/3夜(ゆかた村)。
≪あらすじ・作品紹介≫ 当日配布のパンフレットより。
土田英生作。2002年3月、劇団MONO第29回公演として近鉄小劇場で初演。
突然襲った大災害で壊滅状態の日本。ここ乗鞍岳近<まで海が押し寄せてきている。生き残った栗田、井上、赤柳宗治・香織夫妻、長野、ハ代の6人は、湧き水と食品工場に残された大量の缶詰を頼りに共同生活を送っていた。自分たち以外の人類はもういないのか。先の見えない未来に絶望しながらも、人々は平和に暮らしていた。
そんなある日、パンダの遊覧船で佐田山がたどり着く。新しい人物の登場に沸き立つ6人は、佐田山をコミュニティの一員として迎え入れ、新しい集団生活が始まる・・・。
≪ここまで≫
※一般公開公演ではないので記録のみ。
【出演(ゆかた村):男バージョン】白川哲司(パンダの遊覧船でやってきた佐田山役・小道具) 趙栄昊(お調子者で「だっちゃ」が口ぐせの栗田役・舞台) 扇田森也(難しいことはわからない井上役・舞台) 今井聡(気の弱い夫・赤柳宗治役) 田島真弓(しっかり者で元家庭科の教師・赤柳香織役) 竹田雄大(食品倉庫係の長野役・衣裳) 土井真波(自称レズビアンのハ代役・舞台)
【出演(じんべえ村):女バージョン】仙崎貴子(佐田山役・小道具) 斉藤麻理絵(栗田役・舞台) 木原梨里子(井上役・舞台) 日沼さくら(赤柳香織役) 安藤大悟(赤柳宗治役) 佐藤真希(長野役・衣裳) 原一登(自称ゲイのハ代役・舞台)
作:土田英生 演出:小林七緒 美術・舞台監督:小林岳郎 照明:河口雅弘 音響:福澤裕之 演出助手:松森望宏 大道具:王様美術 伊藤榮計 小道具:高津映画装飾 中村エリト 衣裳協力:平野直美 宣伝協力:遠山晃司 舞台・照明・音響操作:新国立劇場舞台技術部 シアターコミュニケーションシステムズ・レンズ 吉田信夫(舞台)/山川美紀(照明)/松田華詠(音響)/村田祐二(調整) 演劇研修所長:栗山民也 制作:演劇研修所 制作助手:岡本あんず・松永彰子
入場無料 ※本公演は、研修生もスタッフ業務を行いました。
http://www.nntt.jac.go.jp/training/drama/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年07月01日
パラドックス定数+三鷹市芸術文化センター『元気で行こう絶望するな、では失敬。』06/25-07/04三鷹市芸術文化センター星のホール
パラドックス定数は野木萌葱さんが脚本・演出を手掛ける劇団です。野木さんは『五人の執事』で岸田國士戯曲賞最終候補に選ばれました。
三鷹市芸術文化センターの“太宰治作品をモチーフにした演劇”企画の第七回として、男性ばかり総勢20名が登場する新作です。上演時間は約1時間55分。
⇒CoRich舞台芸術!『元気で行こう絶望するな、では失敬。』
レビューは記録のみ。
客席と舞台の高さをほぼ揃えて、空間全体が一体となるような美術。シンプルな広い空間に木目がまっすぐそろう床がきれい。元気に走る少年たち。
ここからネタバレします。
昔の学校にあった木製のイスを手に、男子学生たちが登場。白いシャツに赤いネクタイ、灰色のスラックス、そして真っ白な運動靴。
“森”に近づくことに一様におびえる生徒たち。どうやら1人で迷い込むと「死にたくなる」らしい。
幕開けから1時間ほど経ったころ、時は18年後に。誰もが36歳になっている。スーツに革靴、そして眼鏡のスタイル。学生の姿のままの者もいる。
「全員、太宰。」とのこと。納得(笑)。男性はお好きな方が多いかも。
パラドックス定数+三鷹市芸術文化センターpresents:太宰治作品をモチーフにした演劇 第七回
出演(演じた役のメモ。間違ってる可能性大):植村宏司(ウエム。高三で年上の恋人を妊娠させる/離婚) 十枝大介(いじめられっこ/サカマキと数学者に) 西原誠吾(妹を溺愛/弁護士になる) 井内勇希(委員長/子供を授かるが妻が入院) 小野ゆたか(劇団活動しつつフリーター) 今里真(森に消えたユウヤを憶えている。売れない役者) 酒巻誉洋(トエダと数学者に) 加藤敦(刑事) 山ノ井史(ウエムのおっかけ/ミチコと結婚) 伊坂沢(製薬会社) 石田けんいち(不明) 生津徹(医者) 大柿友哉(森に消えたユウヤ) 兼間慎(バーのオーナー) 岸田研二(貧しかったがタカイと映画会社を設立) 海老根理(10歳の息子を亡くす) 高井大介(貧しかったがケンジイと映画会社を設立) 平岩久資(高1で年上の恋人を妊娠させる/モテるがさびしい男) 古屋敷悠(登山) 渡辺芳博(子供はいない。赤いメガネ)
脚本・演出:野木萌葱 照明:伊藤泰行/舞台監督:金安凌平/舞台美術:小林奈月/音響協力:高塩顕/宣伝美術:成川知也 写真:渡辺竜太/販促:副島千尋/制作補:たけいけいこ/制作統括:赤沼かがみ(G-up) 主催:(財)三鷹市芸術文化振興財団 森元隆樹・森川健太
【休演日】6月28日(月)【発売日】2010/05/25 全席自由席・日時指定 前売=一般:2800円/財団友の会員:2500円 当日=一般:3000円/財団友の会員:2700円 高校生以下=前売・当日とも1000円(当日要学生証)
http://www.pdx-c.com/wordpress/?cat=4
http://www.pdx-c.com/tokusetu/22/22.html
http://mitaka.jpn.org/ticket/1006250/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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KAKUTA『めぐるめく』05/21-30シアタートラム
KAKUTAは桑原裕子さんが作・演出・出演される劇団です。2007年に『甘い丘』で岸田國士戯曲賞の最終候補となり、2009年に再演された同作で文化庁主催の芸術祭新人賞も受賞されています。
シアタートラムで10日間以上の公演ができる実力のある劇団です。上演時間は約2時間。
⇒CoRich舞台芸術!『めぐるめく』
≪あらすじ≫
交通事故に遭い植物人間状態だった女が突然目覚めた。献身的な介護士とともに、11年ぶりに家族に会いに行く。
≪ここまで≫
水色に統一された抽象美術はアミューズメントパークのアトラクションみたい。具体的には東京ディズニーシーのマーメイド・ラグーン(笑)。英語のクリスマス・ソングが流れているのもあって、青に白が混ざった壁からロシア(旧ソビエト連邦)のアニメ『雪の女王』の印象も。
ここからネタバレします。
目覚めた長女は家族(妹たちと息子)を連れて、事故で死んだ夫の墓参りに行くことに。それぞれに問題を抱えた若者たちが旅の道中で心を通わせていきます。
劇団員および客演の方々以外にアンサンブルの役者さんが数人出ており、無数の他人がすれ違っていくような演出になっています。ぐっと盛り上がった家族ならではの雰囲気が分散したり、密度が下がるのが気になりました。
KAKUTA第21回公演
出演:原扶貴子(次女・人気作家)、成清正紀(編集者)、高山奈央子(三女)、若狭勝也(放浪するかつてのモテ男)、馬場恒行(優しいゲイ)、佐賀野雅和(三女の夫)、桑原裕子(四女)、今奈良孝行(長女の夫/次女の元彼 所属:エッヘ)、川隅美慎、辰巳智秋(介護士・実は… 所属:ブラジル)、ヨウラマキ、勝平ともこ(長女 所属:劇団M.O.P.)[アンサンブル]中村倫子 西岡祐介 西岡由貴菜 渡辺昇(北区つかこうへい劇団)
脚本・演出:桑原裕子 舞台監督:野口毅 照明:西本彩(青年団) 音響:島貫聡 舞台美術:田中敏恵 演出助手:山崎総司 野澤爽子 選曲:真生 衣装:山崎留里子 アンダースタディ:宮本千尋 宣伝美術:川本裕之 宣伝写真:相川博昭 イメージイラスト:柊ゆたか チラシ衣装・ヘアメイク:中西瑞美 Web:Ngvaiiton.com 票券:宮崎由 ますこ(芝居屋 風雷紡) 制作:前川裕作 堀口剛 企画・製作:K.K.T
【発売日】2010/04/18 前売3,800円 当日4,000円 学生3,300円(前売・当日とも) サービスデー3,500円(前売・当日とも)
http://www.kakuta.tv/megurumeku/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【オーディション】キラリ☆ふじみ「2010年10月上演の市民劇(パスカル・ランベール&多田淳之介共同演出)の出演者募集」※7/6〆切
多田淳之介さん(東京デスロック)が芸術監督をつとめる富士見市民文化会館キラリ☆ふじみが、パスカル・ランベール&多田淳之介共同演出『世界は踊る~ちいさな経済のものがたり~』の出演者を募集中です。
フランスで初演され、埼玉だけでなく静岡・宮崎で新創作される市民劇。8月末から稽古開始、10月に本番です。公式サイトの募集要項をよく読んでお申し込みください。
●キラリと世界で創る芝居Vol.2☆フランス
『世界は踊る~ちいさな経済のものがたり~』出演者募集
公演日程:2010年10月16日(土曜)、17日(日曜) 全2ステージ
会場:富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホール
募集人数:30名程度
募集条件:中学生以上の老若男女。舞台経験の有無は問いません。
申込締切:2010年7月6日(火)
※参加申込書は公式サイトでダウンロード可。
FAXでも大丈夫そうですが、申し込み方法は不明。
問い合わせ:富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
電話049-268-7788
メルマガ 2010年07月のお薦め舞台
お薦めお芝居をご紹介しています
2010年07月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 74 2010.07.01 1,567部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎先月の静岡観劇は刺激と癒しのセットで至福の旅となりました♪
今月も話題作が続々!夏休みと秋の芸術シーズンの準備もしましょう!
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
○
○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→こまつ座/ホリプロ『黙阿弥オペラ』
07/18-08/22紀伊國屋サザンシアター
≪東京、山形、大阪≫
http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=146
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→クロード・レジ演出『彼方へ 海の讃歌(オード)』
06/11-13舞台芸術公園屋内ホール「楕円堂」
http://www.spac.or.jp/10_spring/ode
◆3【お薦め芝居の前売情報 R・ルパージュ演出『ブルードラゴン』】
◎ロベール・ルパージュ作品が4年ぶりに観られます。
http://www.geigeki.jp/saiji/013/index.html
◆4【お薦め芝居の前売情報 さいたまゴールド・シアター『聖地』】
◎松井周さんの新作戯曲を蜷川幸雄さんが演出!
http://ameblo.jp/gold-theater/
◆5【第17回BeSeTo演劇祭が開幕!~都内3か所+静岡+鳥取~】
◎日中韓の俳優による共同製作公演をご紹介します。
http://www.beseto.org/17th/
◆6【編集後記】
◎「CoRich舞台芸術まつり!2010春」グランプリ発表!
◎劇場法(仮称)についての会議の内容をまとめました。
◎おすすめ舞台中継 on TV
◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
▽座種の記述がない公演は全席指定。
★1.新国立劇場演劇『エネミイ』
07/01-18新国立劇場小劇場
☆出演:高橋一生 高橋由美子 梅沢昌代 粕谷吉洋
高橋長英 林隆三 瑳川哲朗
脚本:蓬莱竜太 演出:鈴木裕美
A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000210_play.html
蓬莱竜太さんが新作で描くのはなんと学生運動、安保闘争…!
演出の鈴木裕美さんとは『第32進海丸』↓でも絶好の相性でした。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0626235711.html
2.世田谷パブリックシアター『醜男(ぶおとこ)』
07/02-12世田谷パブリックシアター
☆出演:山内圭哉 内山理名 斎藤工 入江雅人
脚本:マリウス・フォン・マイエンブルク 演出:河原雅彦
S席6,300円/A席4,200円 高校生以下:各一般料金の半額
U24:各一般料金の半額 劇場会員、区民割引などあり。
※未就学児童の入場不可。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/07/post_189.html
ドイツ戯曲を個性派ぞろいのキャスティングで。過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0322224754.html
3.ネルケプランニング『真夜中のパーティー』
07/04-19パルコ劇場
☆出演:阿部力、内田滋、右近健一、中野英樹、浜田学、中村昌也
徳山秀典、杉村蝉之助、山崎樹範
脚本:マート・クローリー 訳:小田島恒志 演出:青木豪
6,500円 ※未就学児童の入場不可。
http://www.nelke.co.jp/stage/party2010/
1968年初演の米国戯曲。ゲイの男たちが集うパーティーの夜のお話。
イケメン出演陣も気になりますが、やはり青木豪さんの演出に最注目。
4.Bunkamura『ファウストの悲劇』
07/04-25シアターコクーン
☆出演:野村萬斎 勝村政信 長塚圭史 木場勝己 白井晃
たかお鷹 横田栄司 斎藤洋介 大門伍朗 マメ山田 他
脚本:クリストファー・マーロウ 訳:河合祥一郎 演出:蜷川幸雄
S9,500円 A7,500円 コクーンシート5,000円
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_faust.html
野村萬斎さんが蜷川幸雄さん演出作品に出演。過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0504224410.html
1592年に書かれた「悪魔に魂を売り渡した男の話」を新訳で。
戯曲の世界とそれを上演する歌舞伎の一座の二重構造になるそうです。
5.モダンスイマーズ『真夏の迷光とサイコ』
07/08-18青山円形劇場
☆出演:YOU モダンスイマーズ(古山憲太郎、小椋毅、西條義将)
古川悦史 山田貴之 岡野真那美 松山愛佳
脚本・演出:蓬莱竜太
前売4500円 当日4800円 土曜夜割引 前売 3500円 当日4000円
学生&青年割引(要学生証提示、24歳以下)前売3000円 当日3500円
満点割引 ※男女問わず合計年齢が100歳を越えるペア 前売のみ8000円
http://www.modernswimmers.com/
蓬莱竜太さんの新作・演出作品。『エネミイ』と同時期ですね。
車椅子に乗ったYOUさんのチラシビジュアルに興味が惹かれます。
6.ギンギラ太陽's『遊園地3兄弟の大冒険』
07/09-11シアターGロッソ
≪東京、福岡≫
☆出演:ギンギラ太陽's
脚本・演出:大塚ムネト
5,000円 ※未就学児童の入場不可。
※本公演券を「タワーランドチケットカウンター」で提示すれば
アトラクション1回券(最大1,000円の乗り物までOK)をプレゼント。
http://gingira.com/event/index.html
福岡の人気かぶりもの劇団、関東未発表作品で再上陸。過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1206170231.html
7.椿組2010年夏・花園神社野外劇『椿版「天保十二年のシェイクスピア」』
07/16-25新宿花園神社境内特設ステージ
☆出演:山本亨 丸山厚人 恒松敦巳 田渕正博 木下藤次郎
李峰仙 加藤忍 江間直子(無名塾) 長嶺安奈 他、計50余名
脚本:井上ひさし 演出:西沢栄治(JAM SESSION)
指定4500円/自由前売り4000円/自由当日4300円
http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/index.htm
椿組の野外劇は新宿の夏の風物詩。作・演出の新人抜擢にわくわく。
今年は演出の西沢栄治さんの暴れっぷりが楽しみです。
井上ひさし作『天保十二年…』は超~面白い大作。過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1012013117.html
8.子供のためのシェイクスピア『お気に召すまま』
07/17-25あうるすぽっと
≪埼玉、岐阜、東京、茨城、大阪、愛知、滋賀、福井、三重、
静岡、福岡、神奈川、埼玉≫
☆出演:伊沢磨紀 福井貴一 戸谷昌弘 若松力 大内めぐみ
加藤記生 北川響 髙島玲 山崎清介
作:W・シェイクスピア 翻訳:小田島雄志 脚本・演出:山崎清介
http://www.canonkikaku.com/information/shakespeare.html
夏休み恒例、子供のためのシェイクスピアカンパニーの全国ツアー!
大人も一緒に楽しめます。2007年のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0721214736.html
★9.こまつ座/ホリプロ『黙阿弥オペラ』
07/18-08/22紀伊國屋サザンシアター
≪東京、山形、大阪≫
☆出演:藤原竜也 北村有起哉 大鷹明良 松田洋治 朴勝哲
熊谷真実 内田慈 吉田鋼太郎
脚本:井上ひさし 演出:栗山民也
一般9,450円 学生割引7,350円
http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=146
http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/index.html
『黙阿弥オペラ』は1995年初演。3演目の再演です。
●お薦めポイント●
追悼公演になってしまった井上ひさし戯曲の上演。
藤原竜也さん、北村有起哉さんら井上作品経験者の豪華キャストに
栗山民也さんの演出という鉄壁の布陣。
演劇界で縦横無尽の活躍を見せる若手注目女優・内田慈さんにも期待。
『黙阿弥オペラ』以前の戯曲『もとの黙阿弥』↓も面白かったです。
http://www.pia.co.jp/column/play/motonomokuami.html
10.男子はだまってなさいよ!『天才バカボン』
07/23-08/01本多劇場
☆出演:荒川良々 釈由美子 皆川猿時 坂田聡 今野浩喜 小浜正寛
五月女ケイ子 大堀こういち 松尾スズキ
原作:赤塚不二夫 脚本・演出:細川徹 音楽:スチャダラパー
前売6,500円 当日7,000円 ※未就学児童の入場不可。
http://www.dansiwa.com/bakabon/
松尾スズキさんがバカボンのパパ役なんて、それだけで必見。
☆☆☆──────────────────────────────
前売3000円以上、4000円未満の気になる作品を3本ご紹介します。
──────────────────────────────☆☆☆
【1】ダックスープ『透明感のある人間』
07/03-11ザ・スズナリ
☆出演:池谷のぶえ いせゆみこ 眼鏡太郎 黒田大輔 近藤フク
堺沢隆史 永井秀樹 野間口徹 藻田留理子 渡辺道子
脚本・演出:ブルースカイ
前売り3,800円 当日4,000円
http://ducksoup.jp/toumeikan/toumeikan.html
ブルースカイさんの激烈ナンセンス・ワールドを堪能できそう。
個性のある実力派俳優のキャスティングに唸ります。
【2】劇団、江本純子『婦人口論』
07/15-25東京芸術劇場小ホール1
☆出演:馬渕英俚可 初音映莉子 澤田育子 津村知与支 野村恵里 ノゾエ征爾
作・演出:江本純子(毛皮族)
前売3,800円 当日4,300円
サイドシート(22歳以下)前売、当日とも3,000円
※サイドシートは一部見えにくいシーンがある可能性あり。
7/18(日)19時は“ご婦人割引”で女性は500円キャッシュバック。
http://www.kegawazoku.com/gekiemo/stage/index.html
江本純子さんが饒舌な現代口語劇を作・演出するシリーズ最新作。
芸劇eyes↓公演です。抱腹絶倒が期待できる豪華キャスト。
http://www.geigeki.jp/saiji/007/index.html
【3】劇団姦し(かしまし)『夕立』
07/28-08/01ザ・スズナリ
☆出演:あめくみちこ かんのひとみ 那須佐代子
作・演出:赤堀雅秋(THE SHAMPOO HAT)
前売自由席3500円 当日自由席3700円 指定席(前売・当日共に)4000円
お得な姦しチケット:指定席3枚10800円(女性限定)
http://www.vaudeville-show.com/
あぶらののった女優3人が劇団を旗揚げ。
赤堀雅秋さんの作・演出で女性ならではの濃厚な世界が味わえそう。
☆☆☆──────────────────────────────
前売2000円台以下の気になる作品を5本ご紹介します。
──────────────────────────────☆☆☆
[1]ミクニヤナイハラプロジェクト『幸福 オン the 道路』
07/02-11 STスポット
☆出演:黒岩三佳 柴田雄平 鈴木将一朗 たにぐちいくこ 光瀬指絵 守美樹
脚本・演出:矢内原美邦
前売り2500円、学生2000円、当日3000円
http://www.nibroll.com
ダンサー・振付・脚本・演出家の矢内原美邦さんの演劇(?)公演。
矢内原さんは岸田國士戯曲賞最終候補に選ばれた経歴もあります。
[2]非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディング『Re:カクカクシカジカの話』
7/20-21全労済ホール/スペース・ゼロ
☆出演:有名演劇人ら50余名
第一部:朗読劇「Re:カクカクシカジカの話」(ピースリーディング)
第二部:インタビュー(20日:安田菜津紀氏、21日:鎌仲ひとみ氏)
第三部:追悼企画 リーディング「井上ひさし 平和への祈り」
一般1500円、中高生1000円、小学生以下500円
http://hisen-engeki.com/information.htm
毎年開催されるイベント。2回のみなのでチケット予約はお早めに。
★[3]toi『華麗なる招待-The Long Christmas Dinner-』
07/23-08/01 STスポット
☆出演:黒川深雪 青柳いづみ 大石将弘 大重わたる 後藤飛鳥 坂口辰平
狩野和馬 白川のぞみ 高橋ゆうこ 武谷公雄 立蔵葉子 召田実子
原作:ソーントン・ワイルダー 誤意訳・演出:柴幸男(ままごと)
前売2,500円 各回限定30席 前売のみ。当日券なし。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=20394
柴幸男さんがソーントン・ワイルダー戯曲を誤意訳・演出されます。
1月のリーディング公演↓を経た本公演ですね。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0126235456.html
“Wi! Wi! Wilder! 2010”内の一作品です。5月のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0523191240.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0525223320.html
[4]ブス会『女の罪』
07/29-08/10リトルモア地下
☆出演:安藤聖 岩本えり 玄覺悠子 大樹桜 仲坪由紀子
脚本・演出:ペヤングマキ
前売2800円、当日3000円 (整理番号付自由席、当日精算)
http://busukai.com/
ポツドール“女”シリーズの作・演出をされていたペヤングマキさんが
演劇ユニットを旗揚げ。“ブス会”という強烈な団体名ですが(笑)、
出演者は美女ぞろい。過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1206224155.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0706114411.html
[5]新国立劇場演劇研修所『朗読劇 少年口伝隊一九四五』
07/30-31新国立劇場小劇場
☆出演:演劇研修所第4期生14名
作:井上ひさし 演出:栗山民也 ギター:宮下祥子
A席2,000円 B席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000384_play.html
井上ひさしさんが新国立劇場演劇研修所のために書き下ろした朗読劇。
2期生、3期生に続いて今年は4期生が演じます。昨年のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0921121325.html
広島に在住の役者さんらにより、今年初めて広島で上演↓されます!
http://ameblo.jp/shonen-kudentai1945/
ドイツの劇場でもレパートリーとしての創作が決定↓したそうです!
http://blogs.yahoo.co.jp/sahanoha2000/25875309.html
≪ダンスなど≫
◎吾妻橋ダンスクロッシング実行委員会『吾妻橋ダンスクロッシング』
07/16-18アサヒ・アートスクエア
☆出演:飴屋法水 宇治野宗輝 遠藤一郎 off-Nibroll
車AB(三浦康嗣×篠田千明) チェルフィッチュ 東京ELECTROCK STAIRS
スプツニ子(18日のみ) Line京急(17日夜の回のみ)
インスタレーション:泉太郎 水上アートバス:KENTARO!!
一般3500円/学生3000円/当日4000円
※全席自由、チケット記載の整理番号順に入場
http://azumabashi-dx.net/
徐々に発表される出演者が豪華でドキドキ。
◎パルコ製作『空白に落ちた男』
07/24-08/03パルコ劇場
☆出演:首藤康之 安藤洋子 藤田善宏(コンドルズ) 藤田桃子 小野寺修二
演出・振付:小野寺修二 音楽:coba
¥7,350 U-25チケット¥5,250(25歳以下対象)
※未就学児童の入場不可。
http://www.parco-play.com/web/page/information/kuhaku/
ベニサン・ピットでの初演↓が激賞された公演がキャストも新たに復活。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0221174012.html
演劇的な演出も楽しく、高度な技術で魅せてくれるダンス作品です。
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◆2 【先月のベスト3】
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1.クロード・レジ演出『彼方へ 海の讃歌(オード)』
06/11-13舞台芸術公園屋内ホール「楕円堂」
≪静岡、京都≫
☆1人の俳優が全くと言っていいほど動かず約2時間語りっぱなし。
体に閉じ込められた人間の豊かな想像力に圧倒されるとともに、
体、声、言葉の重要性に気づかされました。
http://www.spac.or.jp/10_spring/ode
2.松竹・Bunkamura『コクーン歌舞伎「佐倉義民傳」』
06/03-27 Bunkamuraシアターコクーン
≪東京、長野≫
☆数百年前と今と千年先がつながってることをラップで直訴。
直球のメッセージを受け取ってラストは号泣。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_kabuki.html
3.NODA・MAP『ザ・キャラクター』
06/20-08/08東京芸術劇場中ホール
☆書道教室とギリシア神話の混濁の中からある事件が浮かび上がります。
最後の一筆に、一突きに、胸を刺し貫かれました。
「過去を忘れるな」という怒りと悲痛の叫びを受け取りました。
http://www.nodamap.com/productions/thecharacter/
その他は、新国立劇場『夢の痂』、SPAC『若き俳優への手紙』、
わらび座『ミュージカル「アトム」』、FUKAIPRODUCE羽衣『愛死に』等。
6月は私的に豊作で、他にも面白い作品が多数ありました。
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2010年6月(観劇数25作品)は残念ながら発行せず。
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◆3 【お薦め芝居の前売情報 R・ルパージュ演出『ブルードラゴン』】
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◎シルク・ドゥ・ソレイユ作品の演出等で世界中の観客を魅了している、
俳優・演出家のロベール・ルパージュさんの4年ぶりの来日公演です。
●東京芸術劇場主催『The Blue Dragon-ブルードラゴン』
11/11-14東京芸術劇場中ホール
☆出演:マリー・ミショー/アンリ・シャッセ/タイ・ウェイ・フォー
作:マリー・ミショー/ロベール・ルパージュ
演出:ロベール・ルパージュ
※3カ国語上演・日本語字幕(予定)付き
http://www.geigeki.jp/saiji/013/index.html
ルパージュ作品は過去に2度拝見し、幻想的な世界にうっとり。
あっと驚くイリュージョンも魅力です。過去レビュー↓
『アンデルセン・プロジェクト』(2006年)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0629002612.html
『月の向こう側』(2002年)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2002/1023232923.html
【チケット情報】
・一般発売日:2010年7月17日(土)
・S席6,500円 A席4,500円(全席指定)
※65歳以上の方はS席半額、25歳以下の方はA席半額割引あり
※高校生割引あり(発売日は別途告知)
・プレイガイド
東京芸術劇場チケットサービス
http://www.e-get.jp/tgg-ts/pt/
チケットぴあ
http://t.pia.jp/
イープラス
http://eplus.jp/
ローソンチケット
http://l-tike.com/
・お問い合わせ
東京芸術劇場事業企画課 03-5391-2111
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◆4 【お薦め芝居の前売情報 さいたまゴールド・シアター『聖地』】
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◎演出家の蜷川幸雄さんが率いる平均年齢71歳、団員数42名の劇団、
さいたまゴールド・シアターの第4回公演です。
唯一無二の人気劇団に松井周さんが新作を提供。これは見逃せません!
●さいたまゴールド・シアター『聖地』
09/14-26彩の国さいたま芸術劇場小ホール
☆出演:さいたまゴールド・シアター
作:松井周(サンプル) 演出:蜷川幸雄
http://ameblo.jp/gold-theater/
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/p0914.html
老人ホームを舞台にした過激な作品になる予感・・・!
注目公演で出演者も多数。そしてチケットもお手頃価格です。
早々に完売する可能性がありますので、ご予約はお早めに!
さいたまゴールド・シアター作品のレビュー↓
『95kgと97kgのあいだ』(2009年)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0320171438.html
『アンドゥ家の一夜』(2009年)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0626001959.html
【チケット情報】
・一般発売日:2010年7月10日(土)
劇場会員発売日:2010年7月3日(土)
・一般:3,000円 劇場会員:2,700円
・プレイガイド
彩の国さいたま芸術劇場
http://www.saf.or.jp
チケットぴあ
http://t.pia.jp/
イープラス
http://eplus.jp/
・お問い合わせ
彩の国さいたま芸術劇場 0570-064-939
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◆5 【第17回BeSeTo演劇祭が開幕!~都内3か所+静岡+鳥取~】
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◎BeSeTo(ベセト)演劇祭は日本、中国、韓国の3カ国合同で
1994年から開催されてきた演劇祭です。
http://www.beseto.org/17th/
記事「第17回BeSeTo演劇祭 平田オリザ実行委員長にきく」↓
http://beseto.blog106.fc2.com/blog-entry-3.html
http://beseto.blog106.fc2.com/blog-entry-4.html
http://beseto.blog106.fc2.com/blog-entry-7.html
ラインナップ全9作品の中から、今回のために新製作された
日中韓の俳優が競演する作品をご紹介します。
1.次世代のための特別企画『Wannabe』
06/29-07/19アトリエ春風舎
≪東京、鳥取≫
☆出演:柿喰う客、中国と韓国の俳優、他
脚本・演出:中屋敷法仁
全席指定 前売3000円/当日3300円
6/29(火)~7/1(木)のプレビュー公演は前売2,500円
7/6(火)、7/15(木)、7/16(金)の15:00の回は前売2,800円
http://www.beseto.org/17th/program/detail.php?performance_id=62
柿食う客『Wannabe』レポート&インタビュー↓
http://besetoplus.blog27.fc2.com/blog-entry-17.html
http://beseto.blog106.fc2.com/blog-entry-9.html
若手人気劇団柿喰う客の中屋敷法仁さんが日中韓俳優と創作。
柿喰う客は「CoRich舞台芸術まつり!2010春」グランプリ受賞団体です。
http://stage.corich.jp/festival2010/grand_prix.php
2.鳥の劇場『白雪姫~グリム童話「白雪姫」より』
≪東京、鳥取≫
07/01-04こまばアゴラ劇場
☆出演:鳥の劇場、中国と韓国の俳優
構成・演出:中島諒人
日時指定・全席自由 前売・予約3,000円 当日3,500円
http://www.beseto.org/17th/program/detail.php?performance_id=59
鳥の劇場『白雪姫』インタビュー↓
http://besetoplus.blog27.fc2.com/blog-entry-15.html
http://besetoplus.blog27.fc2.com/blog-entry-16.html
鳥取に拠点を構える「鳥の劇場」の東京公演。
主宰の中島諒人さんは2010年芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞者です。
白雪姫役に中国、王子役に韓国の俳優を迎えた3カ国語版。
3.青年団『東京ノート』
07/02-17新国立劇場特設会場
☆出演:青年団/日中韓俳優
脚本・演出:平田オリザ
※3カ国語版と青年団版の2バージョン上演。
日時指定・全席自由・前売当日とも3,500円
『羯諦羯諦』『欲望の海』『リア王』とのセット券あり
http://www.beseto.org/17th/program/detail.php?performance_id=58
7/2(金)16:00~17:00 ロビートーク
http://besetoplus.blog27.fc2.com/blog-entry-12.html
7/6(火)16:00~17:00 ポストトーク
http://besetoplus.blog27.fc2.com/blog-entry-6.html
人気演目『東京ノート』を2バージョン観られます。
新国立劇場の特設会場ってどこなのかしら。ホワイエ?エントランス??
SCOT『シラノ・ド・ベルジュラック』↓は再演を重ねる名作です。
http://www.beseto.org/17th/program/detail.php?performance_id=57
過去レビュー↓(2006年)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1105163241.html
劇団コルモッキル『そんなに驚くな』↓は驚かせてくれるそうです(笑)。
http://www.beseto.org/17th/program/detail.php?performance_id=61
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆6 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「CoRich舞台芸術まつり!2010春」グランプリ発表!
http://stage.corich.jp/festival2010/grand_prix.php
http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2010/06/25_03.php
準グランプリと俳優賞5名も選ばれました。おめでとうございます!
来年も同時期に開催決定。芸術団体の方々は要チェック!
◎芸団協で2日間に渡り開催されたラウンドテーブルの内容をまとめました。
『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0613225550.html
合計10エントリーと大量ですが、まずはまとめのページだけでも
お読みいただけたら幸いです。
※7/15(木)14:00~17:00に劇場法(仮称)についての意見交換会あり!
http://besetoplus.blog27.fc2.com/blog-entry-10.html
会場:新国立劇場 中劇場ホワイエ特設ブース
料金:無料
◎維新派の新作も7月に開幕しますね!
維新派『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』
~〈彼〉と旅する20世紀三部作#3~
http://www.ishinha.com/
岡山県犬島で行われる公演の模型写真↓が凄い!
http://www.ishinha.com/ja/inushima1/stagepic.html
◎今年4月9日に亡くなった井上ひさしさんの戯曲が、次々と上演されます。
『黙阿弥オペラ』『天保十二年のシェイクスピア』『少年口伝隊一九四五』
『頭痛肩こり樋口一葉』『父と暮せば』『日本人のへそ』『水の手紙』
『化粧 二幕』・・・。遺作になってしまった『組曲虐殺』の
「あとにつづく者を信じて走れ」という言葉を胸に、
井上戯曲から多くを学んだ一観客として、大切に鑑賞したいです。
◎ツイッターやってます!
⇒ shinorev : http://twitter.com/shinorev
今までは目に、耳にしなかった情報が絶えず届いて超刺激的!
実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!
◎おすすめ舞台中継 on TV
【NHK 教育】7月9日(金)23時00分~25時40分
劇団二兎社『かたりの椅子』
作・演出:永井愛
http://www.nhk.or.jp/art/current/drama.html ↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0403000005.html
【NHK BShi】7月10日(土)午後10時45分~午前2時45分
【NHK BS2】7月18日(日)深夜0時40分~4時40分
バットシェバ舞踊団『マックス』/勅使川原三郎『オブセッション』
インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック『オイスター』
http://www.nhk.or.jp/bs/premium/
【WOWOW】7月16日(金)深夜0:05~
パルコ『裏切りの街』
作・演出:三浦大輔
http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075471001/index.php ↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0512113939.html
【NHK 教育】7月23日(金)23:00~01:15
シス・カンパニー『2人の夫とわたしの事情』 ↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0512094516.html
【NHK BS2】7月30日(金)深夜0:45~02:55
子供のためのシェイクスピアカンパニー『夏の夜の夢』
http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ ↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0721214736.html
◎FM西東京・演劇情報番組「たけがき2」
http://takegaki.k-free.net/
毎週放送される『演劇ハニーフラッシュ!』に
「しのぶセレクション」というコーナーがあります。
私がお薦めする舞台の公演情報を発信してくださっています。
ラジオだけでなくネットでも聴けるので↓、よかったらぜひ♪
http://www.voiceblog.jp/takegaki842/
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2010年6月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
・「蘇りの血」←主役が元BLANKY JET CITYのドラムの方なんですね。
http://yomigaeri-movie.com/
・「すべては海になる」←大人もドキっとできる恋愛青春映画。
http://sea.jp.msn.com/
・「Beauty うつくしいもの」←戦中戦後を生きた歌舞伎役者の生涯。
http://eiga.com/movie/54403/
・「不灯港」←独身漁師(小手伸也)が言葉少なに愛を語る。素晴らしい!
http://pff.jp/futoukou/
・「精神」←相田和弘監督のドキュメンタリー。次回作は「演劇」
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/index.php
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
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いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
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